JP7316252B2 - スパークプラグ - Google Patents

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本開示は、スパークプラグに関する。
内燃機関に用いる点火用のスパークプラグとして、先端が燃焼室内に露出するようにエンジンヘッドに取り付けられて、中心電極の先端と接地電極との間で火花放電を発生させるスパークプラグが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2017-147086号公報
一般に、スパークプラグの先端は、燃焼室内における混合気の燃焼によって高温に曝される。このため、接地電極の表面と接地電極の内部とにおいて温度差が生じる結果、熱衝撃の応力に起因して接地電極が消耗し、スパークプラグの耐久性が低下するおそれがあった。このため、スパークプラグの耐久性の低下を抑制できる技術が求められていた。
本開示は、以下の形態として実現することができる。
(1)本開示の一形態によれば、スパークプラグが提供される。このスパークプラグは、軸線方向に沿った貫通孔が形成された絶縁体と、前記貫通孔の前記軸線方向の先端から自身の先端部が突出する中心電極と、前記絶縁体を保持する主体金具と、前記主体金具に接続された接地電極と、を備えるスパークプラグであって、前記接地電極は、自身の一端が前記主体金具に接続され、前記軸線方向に沿って延びる基端部と、自身の一端が前記基端部の他端に連なり、前記中心電極に向かって屈曲する屈曲部と、自身の一端が前記屈曲部の他端に連なり、前記先端部との間で放電ギャップを形成する延設部と、を有し、前記屈曲部のうち、前記先端部と対向する内側面とは反対側の面である外側面には、前記屈曲部の曲げ幅方向に沿って延びる溝が形成されていることを特徴とする。この形態のスパークプラグによれば、屈曲部のうち、中心電極の先端部と対向する内側面とは反対側の面である外側面に、屈曲部の曲げ幅方向に沿って延びる溝が形成されているので、屈曲部の表面積を増大できる。このため、接地電極の表面から内部へと熱を伝えやすくできるので、接地電極の表面と内部とにおける温度差を小さくできる。したがって、接地電極の熱衝撃を緩和できるので、熱衝撃の応力に起因して接地電極が消耗することを抑制できる結果、スパークプラグの耐久性の低下を抑制できる。
(2)上記形態のスパークプラグにおいて、前記溝は、複数形成されていてもよい。この形態のスパークプラグによれば、屈曲部に溝が複数形成されているので、溝の数が1つである構成と比較して、エンジンの振動に起因する応力が1つの溝に集中することを抑制できるので、接地電極の強度低下を抑制できる。また、屈曲部に溝が複数形成されているので、屈曲部の表面積を効果的に増大させることができる。
(3)上記形態のスパークプラグにおいて、前記屈曲部のうち曲率半径が最も小さい最小部は、前記軸線方向において前記絶縁体の先端よりも先端側に位置していてもよい。この形態のスパークプラグによれば、屈曲部のうち曲率半径が最も小さい最小部が軸線方向において絶縁体の先端よりも先端側に位置しているので、最小部が先端側に位置するスパークプラグにおいて、屈曲部の表面積を増大させて接地電極の消耗を抑制できる。ここで、最小部が先端側に位置するスパークプラグでは、エンジンの振動に起因して接地電極が折損しやすい傾向にあるが、屈曲部の外側面に曲げ幅方向に沿って延びる溝が形成されていることにより、屈曲部の表面積を増大させて接地電極の消耗を抑制できる結果、接地電極の折損を抑制できる。
(4)上記形態のスパークプラグにおいて、前記屈曲部の最小厚みは、前記屈曲部の最大厚みの半分よりも大きくてもよい。この形態のスパークプラグによれば、屈曲部の最小厚みが屈曲部の最大厚みの半分よりも大きいので、溝の形成に起因する接地電極の強度低下を抑制できる。
(5)上記形態のスパークプラグにおいて、前記最小厚みは、前記最大厚みの80%以上98%以下であってもよい。この形態のスパークプラグによれば、屈曲部の最小厚みが屈曲部の最大厚みの80%以上98%以下であるので、溝の形成に起因する接地電極の強度低下を抑制しつつ、屈曲部の表面積を増大させることができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、スパークプラグの製造方法、スパークプラグが取り付けられたエンジンヘッド等の態様で実現することができる。
スパークプラグの概略構成を示す部分断面図。 接地電極の詳細構成を示す断面図。 溝の概略構成を説明するための斜視図。 図2の領域Arを拡大して示す断面図。 耐久試験と強度試験との結果を示す説明図。 第2実施形態における接地電極の概略構成を示す斜視図。 第3実施形態における接地電極の概略構成を示す斜視図。 他の実施形態における接地電極の構成の一例を示す断面図。 他の実施形態における溝の構成の一例を説明するための断面図。 他の実施形態における溝の構成の一例を説明するための断面図。
A.実施形態:
図1は、本開示の一実施形態としてのスパークプラグ100の概略構成を示す部分断面図である。図1では、スパークプラグ100の軸心である軸線CAを境界として、紙面右側にスパークプラグ100の外観形状を示し、紙面左側にスパークプラグ100の断面形状を示している。以下の説明では、軸線CAに沿った図1の下方側(後述する接地電極40が配置されている側)を先端側と呼び、図1の上方側(後述する端子金具50が配置されている側)を後端側と呼び、軸線CAに沿った方向を軸線方向ADと呼ぶ。なお、図1では、説明の便宜上、スパークプラグ100が取り付けられるエンジンヘッド90を破線で示している。スパークプラグ100は、その先端部が燃焼室95内に露出するようにエンジンヘッド90に取り付けられている。
スパークプラグ100は、絶縁体10と、中心電極20と、主体金具30と、接地電極40と、端子金具50とを備える。なお、スパークプラグ100の軸線CAは、絶縁体10と中心電極20と主体金具30と端子金具50との各部材の軸線と一致する。
絶縁体10は、軸線方向ADに沿って貫通孔11が形成された略筒状の外観形状を有する。貫通孔11には、先端側において中心電極20の一部が収容され、後端側において端子金具50の一部が収容される。このため、絶縁体10は、貫通孔11内において中心電極20を保持する。絶縁体10は、先端側の部分が後述する主体金具30の軸孔38に収容され、後端側の部分が軸孔38から露呈している。絶縁体10は、アルミナ等のセラミック材料を焼成して形成された絶縁碍子により構成されている。
中心電極20は、軸線方向ADに沿って延びる棒状の電極である。中心電極20の先端部21は、貫通孔11の先端から突出している。先端部21には、例えばイリジウム合金等によって形成された貴金属チップが接合されていてもよい。
絶縁体10の貫通孔11内の先端側には、中心電極20の一部が挿入され、絶縁体10の貫通孔11内の後端側には、端子金具50の一部が挿入されている。絶縁体10の貫通孔11内において、中心電極20と端子金具50との間には、先端側から後端側へと向かって順番に、先端側シール材61と、抵抗体62と、後端側シール材63とが配置されている。このため、中心電極20は、後端側において、先端側シール材61と、抵抗体62と、後端側シール材63とを介して、端子金具50と電気的に接続されている。
抵抗体62は、セラミック粉末と導電材とガラスと接着剤とを材料として形成されている。抵抗体62は、端子金具50と中心電極20との間における電気抵抗として機能することにより、火花放電を発生させる際のノイズの発生を抑制する。先端側シール材61と後端側シール材63とは、それぞれ導電性のガラス粉末を材料として形成されている。本実施形態において、先端側シール材61および後端側シール材63は、銅粉末とホウケイ酸カルシウムガラス粉末とを混合した粉末を材料として形成されている。
主体金具30は、軸線方向ADに沿って軸孔38が形成された略筒状の外観形状を有し、軸孔38内において絶縁体10を保持する。主体金具30は、例えば、低炭素鋼により形成され、ニッケルめっきや亜鉛めっき等のめっき処理が全体に施されている。
主体金具30の外周には、工具係合部31と、雄ネジ部32とが形成されている。工具係合部31は、スパークプラグ100をエンジンヘッド90に取り付ける際に、図示しない工具と係合する。雄ネジ部32は、主体金具30の先端部において外周面にねじ山が形成されており、エンジンヘッド90の雌ネジ部93にねじ込まれる。
接地電極40は、断面視略四角形の棒状の金属製部材により構成されており、主体金具30の先端37に接続されている。本実施形態の接地電極40は、中心電極20と同様に、ニッケルを主成分とするニッケル合金により形成されている。接地電極40は、軸線方向ADの後端側からこの順番に連なる、基端部41と、屈曲部42と、延設部43とを有する。
基端部41は、自身の一端が主体金具30の先端37に接続され、軸線方向ADに沿って延びている。屈曲部42は、自身の一端が基端部41の他端に連なり、中心電極20に向かって屈曲している。換言すると、屈曲部42は、スパークプラグ100の軸線CAに向かって屈曲して形成されている。屈曲部42の詳細な構成については、後述する。延設部43は、自身の一端が屈曲部42の他端に連なり、スパークプラグ100の径方向に延設されている。中心電極20の先端部21と軸線方向ADに対向する延設部43との間には、火花放電のための放電ギャップG1が形成されている。なお、延設部43のうち中心電極20の先端部21と対向する部分には、例えばイリジウム合金等によって形成された電極チップが設けられていてもよい。
端子金具50は、スパークプラグ100の後端側の端部に設けられている。端子金具50の先端側は、絶縁体10の貫通孔11に収容され、端子金具50の後端側は、貫通孔11から露呈している。端子金具50には、図示しない高圧ケーブルが接続され、高電圧が印加される。この印加により、放電ギャップG1に火花放電が発生する。放電ギャップG1に発生した火花は、燃焼室95における混合気を着火させる。
図2は、接地電極40の詳細構成を示す断面図である。図2では、図1と同様の断面において、軸線方向ADの先端側を紙面上方側に示している。図2では、説明の便宜上、基端部41と屈曲部42との境界および屈曲部42と延設部43との境界をそれぞれ二点鎖線で示している。本実施形態において、屈曲部42のうち曲率半径が最も小さい最小部44は、図2において破線で示す絶縁体10の先端面12よりも、軸線方向ADにおいて先端側に位置している。最小部44は、屈曲部42のうち屈曲の度合いが最も大きい部分に相当する。なお、最小部44は、軸線方向ADの位置が絶縁体10の先端面12と同じであってもよく、絶縁体10の先端面12よりも軸線方向ADにおいて後端側に位置していてもよい。
接地電極40には、内側面45と外側面46とが形成されている。内側面45は、図2では不図示の中心電極20と対向する面であり、外側面46は、内側面45とは反対側の面である。屈曲部42の外側面46には、溝47が形成されている。溝47は、屈曲部42の表面積を増大させる機能を有する。
図3は、溝47の概略構成を説明するための斜視図である。溝47は、屈曲部42の曲げ幅方向WDに沿って延びて形成されている。本実施形態において、屈曲部42の曲げ幅方向WDは、軸線方向ADに垂直、且つ、延設部43の延設方向に垂直な方向に相当する。本実施形態の溝47は、屈曲部42の曲げ幅方向WDにおける一端側から他端側までの全長にわたって形成されている。すなわち、曲げ幅方向WDに沿った溝47の寸法は、曲げ幅方向WDに沿った屈曲部42の寸法と等しい。溝47の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば切削加工や押し込み加工等の任意の方法が挙げられる。
ここで、図1に示すスパークプラグ100は、スパークプラグ100の先端が燃焼室95内に露出するようにエンジンヘッド90に取り付けられる。接地電極40を含めたスパークプラグ100の先端は、燃焼室95内における混合気の燃焼によって高温に曝される。このため、接地電極40は、その表面と内部とにおいて温度差が生じやすい。
しかしながら、本実施形態のスパークプラグ100は、図3に示すように、接地電極40の屈曲部42に、曲げ幅方向WDに沿って延びる溝47が形成されているので、屈曲部42の表面積が増大している。このため、接地電極40の表面から内部へと熱を伝えやすくできるので、接地電極40の表面と内部とにおける温度差を小さくできる。
図2に示すように、本実施形態では、屈曲部42の外側面46に5つの溝47が形成されている。溝47の数は、エンジンの振動に起因する応力を一点に集中させずに分散させて接地電極40の強度低下を抑制する観点から、複数であることが好ましい。また、溝47の数は、屈曲部42の表面積を効果的に増大させる観点においても、複数であることが好ましい。溝47の数は、接地電極40の強度低下を効果的に抑制する観点から、3以上であることがより好ましく、5以上であることがさらに好ましい。また、溝47の数は、製造工程の複雑化を抑制する観点から、15以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。本実施形態において、複数の溝47は、互いに略等間隔に形成されているが、互いに異なる間隔を空けて形成されていてもよい。
図4は、図2の領域Arを拡大して示す断面図である。図4では、説明の便宜上、屈曲部42の仮想的な接線TLの一例を破線で示している。かかる接線TLは、屈曲部42に溝47が形成されていない構成における接線に相当する。本実施形態において、軸線CAを含む断面における溝47の断面視形状は、略V字形である。本実施形態において、溝47の深さDとは、屈曲部42の法線方向NDにおける溝47の最大寸法に相当する。すなわち、屈曲部42の仮想的な接線TLの仮想的な接点P1から、溝47のうち最も内側面45に近い点P2までの法線方向NDに沿った寸法に相当する。溝47の深さDは、屈曲部42の法線方向NDに沿った最大の厚み(以下、「最大厚みT1」とも呼ぶ)から、溝47を除く部分の厚み、すなわち屈曲部42の法線方向NDに沿った最小の厚み(以下、「最小厚みT2」とも呼ぶ)を差し引いた値に相当する。
屈曲部42の最小厚みT2は、屈曲部42の最大厚みT1の半分よりも大きいことが好ましい。すなわち、溝47の深さDは、最小厚みT2よりも小さいことが好ましい。換言すると、溝47の深さDは、屈曲部42の最大厚みT1の半分未満であることが好ましい。このような構成とすることにより、溝47の形成に起因する接地電極40の強度低下を抑制できる。
屈曲部42の最小厚みT2は、溝47の形成に起因する接地電極40の強度低下を抑制する観点から、屈曲部42の法線方向NDに沿った最大厚みT1の70%よりも大きいことが好ましく、80%よりも大きいことがさらに好ましく、90%よりも大きいことが特に好ましい。換言すると、溝47の深さDは、屈曲部42の最大厚みT1の30%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましく、10%以下であることが特に好ましい。
また、屈曲部42の最小厚みT2は、屈曲部42の表面積を効果的に増大させる観点から、屈曲部42の法線方向NDに沿った最大厚みT1の99%以下であることが好ましく、98%以下であることがより好ましく、96%以下であることがさらに好ましい。換言すると、溝47の深さDは、屈曲部42の最大厚みT1の1%以上であることが好ましく、2%以上であることがより好ましく、4%以上であることがさらに好ましい。
ここで、溝47の形成に起因する接地電極40の強度低下と、溝47の形成による屈曲部42の表面積の増大とは、トレードオフの関係にある。しかしながら、例えば、最小厚みT2を最大厚みT1の80%以上98%以下とすることにより、接地電極40の強度低下を抑制しつつ、屈曲部42の表面積を増大させることができる。
以上説明した本実施形態のスパークプラグ100によれば、屈曲部42の外側面46に屈曲部42の曲げ幅方向WDに沿って延びる溝47が形成されているので、屈曲部42の表面積を増大できる。このため、接地電極40の表面から内部へと熱を伝えやすくできるので、接地電極40の表面と内部とにおける温度差を小さくできる。したがって、接地電極40の熱衝撃を緩和できるので、熱衝撃の応力に起因して接地電極40が消耗することを抑制できる結果、スパークプラグ100の耐久性の低下を抑制できる。
また、屈曲部42の外側面46に溝47が形成されているので、屈曲部42の内側面45に溝が形成される構成と比較して、溝47が折損起点となることを抑制できる。この結果、接地電極40の強度低下を抑制できる。
また、溝47が複数形成されているので、溝47の数が1つである構成と比較して、エンジンの振動に起因する応力が1つの溝47に集中することを抑制できる。この結果、接地電極40の強度低下を抑制できる。また、溝47が複数形成されているので、屈曲部42の表面積を効果的に増大させることができる。また、溝47が屈曲部42の曲げ幅方向WDにおける一端側から他端側までの全長にわたって形成されているので、屈曲部42の表面積を効果的に増大でき、また、例えば切削加工等によって容易に溝47を形成できる。
また、本実施形態のスパークプラグ100は、屈曲部42のうち曲率半径が最も小さい最小部44が絶縁体10の先端面12よりも軸線方向ADの先端側に位置している。ここで、最小部44が先端側に位置するスパークプラグ100は、エンジンの振動に起因して接地電極40が折損しやすい傾向にある。しかしながら、本実施形態のスパークプラグ100は、屈曲部42の外側面46に曲げ幅方向WDに沿って延びる溝47が形成されているので、屈曲部42の表面積を増大させて接地電極40の消耗を抑制できる結果、接地電極40の折損を抑制できる。
また、屈曲部42の外側面46に幅方向WDに沿って延びる溝47が形成されているので、直線状の金属製部材を屈曲させることにより接地電極40を作成する場合に、屈曲前に溝47を形成しておくことで、金属製部材を容易に屈曲させることができ、接地電極40を容易に加工できる。
B.試験:
本発明の効果を立証するために、溝47の数と深さDとをそれぞれ互いに異ならせた試料を用いて、耐久試験と強度試験とを行なった。図5に示すように、試料における溝47の数は、0~15とし、試料における溝47の深さDは、屈曲部42の法線方向NDに沿った最大厚みT1の0%~30%とした。
<溝の深さの測定>
各試料の溝47の深さDについて、三次元測定機を用いて測定を行なった。より具体的には、光学式非接触三次元測定機INFINITE FOCUS(alicona社製)を用いて測定を行なった。測定時の温度は室温(20℃±1℃前後)とし、測定時の湿度は50~70%程度とした。
<耐久試験>
エンジンに装着したスパークプラグ100を、火花放電により消耗させた。用いたエンジンは、直列4気筒であり、スロットルバルブを全開状態として100時間稼働させて試験を行なった。接地電極40の消耗(酸化消耗および火花消耗)は、耐久試験後における接地電極40の輪郭をトレースすることにより確認した。溝47が形成されていない接地電極と比較して、消耗の度合いが同等であるものを耐久性向上効果なしと評価し、消耗の度合いが少ないものを耐久性向上効果ありと評価した。さらに、消耗の度合いが検出限界以下であるものを耐久性向上効果が高いと評価した。
<強度試験>
耐久性向上効果が高いと評価された試料に対して、3Dモデルを用いて、エンジンの振動に対する折損強度の試験を行なった。エンジンの振動に対して接地電極40の揺れが最も大きくなる共振点を応答周波数として求め、応答周波数の振動を各試料に与えた場合の発生応力を比較した。発生応力は、FEM(Finite Element Method)解析を用いて求めた。発生応力が大きいほど、接地電極40が折れやすいことを意味する。溝47が形成されていない接地電極と比較して、発生応力が同等以下であるものを強度低下なしと評価し、発生応力が大きいものを強度低下ありと評価した。
図5は、耐久試験と強度試験との結果を示す説明図である。図5では、以下の基準に従った評価結果を示している。
◎:耐久性向上効果が高く、且つ、強度低下なし
○:耐久性向上効果が高く、且つ、強度低下あり
△:耐久性向上効果あり
×:耐久性向上効果なし
-:物理的に作れないため未評価
図5から、以下のことがわかった。すなわち、接地電極40の屈曲部42に溝47が形成されている試料では、溝47が形成されていない試料と比較して、消耗の度合いが小さく、耐久性向上効果があることがわかった。また、溝47の深さDが屈曲部42の最大厚みT1の2%以上である試料では、消耗の度合いが検出限界以下であり、耐久性向上効果が高いことがわかった。この理由として、溝47の深さDが深い試料ほど屈曲部42の表面積が増大するため、接地電極40の表面と内部との温度差をより小さくできたと考えられる。
また、溝47の数が1である試料では、溝47が形成されていない試料と比較して強度低下が認められた。他方、溝47の数が2以上である試料では、溝47が形成されていない試料と比較して、強度低下が認められなかった。この理由として、溝47の数が1である試料では、溝47に応力が集中しやすく、溝47の数が2以上である試料では、応力が分散されたと考えられる。
C.第2実施形態:
図6は、第2実施形態のスパークプラグにおける接地電極40aの概略構成を示す斜視図である。第2実施形態のスパークプラグが備える接地電極40aは、屈曲部42に形成された溝47aの具体的構成において、第1実施形態のスパークプラグ100が備える接地電極40と異なる。その他の構成は第1実施形態のスパークプラグ100と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
溝47aは、屈曲部42の曲げ幅方向WDにおける一端側から他端側までの一部に形成されている。すなわち、曲げ幅方向WDに沿った溝47aの寸法は、曲げ幅方向WDに沿った屈曲部42の寸法よりも小さい。また、複数の溝47aには、曲げ幅方向WDに沿った寸法が互いに同じもの、および互いに異なるものが含まれている。また、複数の溝47aには、屈曲部42の曲げ幅方向WDにおける一端側に位置するもの、他端側に位置するもの、および一端側と他端側との間に位置するものが含まれている。また、複数の溝47aには、接地電極40aの長さ方向における位置が互いに同じもの、および互いに異なるものが含まれている。
以上説明した第2実施形態の接地電極40aを備えるスパークプラグによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。加えて、複数の溝47aには、曲げ幅方向WDに沿った寸法や曲げ幅方向WDにおける位置、接地電極40aの長さ方向における位置が、互いに同じものや互いに異なるものが含まれているので、溝47aの構成が複雑化している。このため、屈曲部42の表面積を効果的に増大させることができる結果、接地電極40aの表面から内部へと熱をより伝えやすくできるので、接地電極40aの表面と内部とにおける温度差をより小さくできる。したがって、熱衝撃疲労に起因する接地電極40aの消耗をより抑制できるので、スパークプラグの耐久性の低下をより抑制できる。
D.第3実施形態:
図7は、第3実施形態のスパークプラグにおける接地電極40bの概略構成を示す斜視図である。第3実施形態のスパークプラグが備える接地電極40bは、屈曲部42に形成された溝47bの具体的形状において、第1実施形態のスパークプラグ100が備える接地電極40と異なる。その他の構成は第1実施形態のスパークプラグ100と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
溝47bは、屈曲部42の曲げ幅方向WDに沿った長軸を有する略楕円形の外観形状を有する。溝47bは、屈曲部42の曲げ幅方向WDにおける一端側と他端側との間に形成されている。
以上説明した第3実施形態の接地電極40bを備えるスパークプラグによれば、第1実施形態と同様な効果を奏する。加えて、溝47bが略楕円形の外観形状を有するので、例えば押し込み加工等により容易に形成できる。
E.他の実施形態:
上記各実施形態における接地電極40、40a~bの構成は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、屈曲部42の外側面46には、深さDが互いに異なる複数の溝47、47a~bが形成されていてもよく、形状が互いに異なる複数の溝47、47a~bが形成されていてもよい。
図8は、他の実施形態における接地電極40cの構成の一例を示す断面図である。上記各実施形態では、接地電極40、40a~bの屈曲部42に複数の溝47、47a~bが形成されていたが、溝47、47a~bの数は1つであってもよい。かかる構成によっても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
図9~図10は、他の実施形態における溝47cの構成の一例を説明するための断面図である。図9および図10に示すように、溝47cの断面視形状は、略U字形やスリット状等、任意の形状であってもよい。かかる構成によっても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…絶縁体、11…貫通孔、12…先端面、20…中心電極、21…先端部、30…主体金具、31…工具係合部、32…雄ネジ部、37…先端、38…軸孔、40、40a~c…接地電極、41…基端部、42…屈曲部、43…延設部、44…最小部、45…内側面、45…最小部、46…外側面、47、47a~c…溝、50…端子金具、61…先端側シール材、62…抵抗体、63…後端側シール材、90…エンジンヘッド、93…雌ネジ部、95…燃焼室、100…スパークプラグ、AD…軸線方向、Ar…領域、CA…軸線、D…深さ、G1…放電ギャップ、ND…法線方向、P1…接点、P2…点、T1…最大厚み、T2…最小厚み、TL…接線、WD…曲げ幅方向

Claims (5)

  1. 軸線方向に沿った貫通孔が形成された絶縁体と、前記貫通孔の前記軸線方向の先端から自身の先端部が突出する中心電極と、前記絶縁体を保持する主体金具と、前記主体金具に接続された接地電極と、を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極は、
    自身の一端が前記主体金具に接続され、前記軸線方向に沿って延びる基端部と、
    自身の一端が前記基端部の他端に連なり、前記中心電極に向かって屈曲する屈曲部と、
    自身の一端が前記屈曲部の他端に連なり、前記先端部との間で放電ギャップを形成する延設部と、
    を有し、
    前記屈曲部のうち、前記先端部と対向する内側面とは反対側の面である外側面には、前記屈曲部の曲げ幅方向に沿って延びる溝が形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグにおいて、
    前記溝は、複数形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスパークプラグにおいて、
    前記屈曲部のうち曲率半径が最も小さい最小部は、前記軸線方向において前記絶縁体の先端よりも先端側に位置することを特徴とする、スパークプラグ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のスパークプラグにおいて、
    前記屈曲部の最小厚みは、前記屈曲部の最大厚みの半分よりも大きいことを特徴とする、スパークプラグ。
  5. 請求項4に記載のスパークプラグにおいて、
    前記最小厚みは、前記最大厚みの80%以上98%以下であることを特徴とする、スパークプラグ。
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