JP2005183189A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】 接地電極に接合される貴金属チップを細くしながら突き出し量を大きくすることで着火性を向上させつつ、貴金属チップの消耗を抑制するスパークプラグを提供することにある。
【解決手段】 スパークプラグ100は、一端が主体金具1に結合され、他端が少なくとも絶縁体2の側周面に対向するように配設され、中心電極3の側周面と自身の他端面との間に沿面ギャップを形成する第2接地電極5とを備え、第2貴金属チップ41対向面41aから軸線O方向先端側に向かって直径1.0mm以下で、軸線O方向の長さ0.4mm以上である部位を有し、且つ、中心電極3の側周面と第2接地電極5の他端面との径方向の距離Fが1.4mm以上1.6mm以下である。
【選択図】 図2

Description

本発明は内燃機関の着火用に使用されるスパークプラグに関する。
自動車エンジン等の内燃機関の着火用に使用されるスパークプラグは、中心電極の先端だけでなく、接地電極の先端にも円柱状の貴金属チップを接合したタイプのものが多数提案されている。これは、気中ギャップを形成する中心電極及び接地電極が火花放電により消耗し、耐久性が低下する。そこで、接地電極に貴金属チップを接合することで、耐久性を維持している。
さらに最近では、エンジンの更なる高性能化の要求が高まりつつあり、スパークプラグにおいても、更なる着火性の向上が求められている。この着火性の向上のために、柱状の接地電極に接合される貴金属チップを中心電極のように細くすることが有効である。これは、気中ギャップにできた火炎核が、自動車エンジン等の内燃機関の燃焼室内において混合気体中の燃料を均一に拡散させるための一定の流れを有する混合気流(以下、スワール流とも言う)等により成長しようとする。その際に、貴金属チップが成長した火炎核と接触し、成長を妨げる(以後、消炎作用とも言う)。このとき、貴金属チップが太いと、火炎核が貴金属チップに接触しやすく、消炎作用の影響を受けやすい。そこで、貴金属チップを細くして、火炎核の貴金属チップへの接触による消炎作用の影響を抑制し、火炎核の成長を促進させた構造が多く採用されている。また、接地電極に接合された貴金属チップの中心電極と対向する対向面と接地電極の中心電極側内周面との軸線方向の距離(以後、突き出し量ともいう)を大きくすることも有効である。これは、火炎核の成長する過程において、この突き出し量が少ないと、この火炎核が、貴金属チップが接合される接地電極に早期に接触しやすくなり、消炎作用が起こりやすくなる。よって、突き出し量が大きくなるように貴金属チップを接地電極に接合し、火炎核の成長を促進させた構造が多く採用されている。(特許文献1参照)なお、中心電極側内周面とは、接地電極における中心電極と対向する側の面のことである。
特開2001−345162
ところで、上記のスワール流は、スパークプラグの気中ギャップに流れ込む際、火花放電がスワール流によって吹き流され、火花放電が起こる位置が移動する。具体的には、接地電極と中心電極との気中ギャップにおいて、スワール流の上流から下流にむかって気中ギャップと垂直方向に移動する。そして、最終的には、中心電極と接地電極との気中ギャップにおいて、スワール流の最下流部まで移動した火花放電が、さらに吹き流されることで、引きちぎられてしまう。すると、この引きちぎられた火花放電は、再度結合するために、ブレークダウンを起こす。そして、火花放電は、再びスワール流により引きちぎられ、その後、結合のためにブレークダウンを起こす。火花放電は、この繰り返し(以下、多重放電とも言う)を行い、最終的には、火花放電に必要なエネルギーがなくなり、スワール流に引きちぎられた後、火花放電が発生しなくなる。
さらに、スパークプラグの火花放電の形態には、大きく分けてグロー放電とアーク放電との2種類がある。グロー放電は、誘導放電中に比較的発生する放電形態であり、放電電流がそれほど大きくないので、接地電極に接合される貴金属チップの昇温・消耗は比較的進みにくい。それに対して、アーク放電は容量放電中に発生することが多く、大電流が流れて接地電極に接合される貴金属チップの昇温ひいては消耗が進みやすい。従って、接地電極に接合される貴金属チップの消耗抑制という観点においては、グロー放電が主体となる環境が望ましいと言える。ところが、上記のような多重放電が起こる場合、上記のような引きちぎられた火花放電はアーク放電となり、接地電極に接合される貴金属チップの消耗が激しくなる虞がある。特に、特許文献1のような接地電極に接合された貴金属チップが細く且つ突き出し量が大きいスパークプラグにおいては、スワール流の上流から下流にむかって放電ギャップと垂直方向に移動する距離が短くなる。よって、多重放電が起こりやすく、アーク放電が起こりやすくなる。この場合、接地電極に接合される貴金属チップの消耗が増加する。
そこで、本発明の課題は、接地電極に接合される貴金属チップを細くし、且つ、突き出し量を大きくすることで着火性を向上させたスパークプラグにおいて、その貴金属チップの消耗性の低下を抑制することができるスパークプラグを提供することにある。
本発明のスパークプラグは、軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、該絶縁体の軸孔の先端側に配設され、自身の先端に円柱状の第1貴金属チップを接合する中心電極と、前記絶縁体の周囲を取り囲む主体金具と、一端が該主体金具に結合され、他端部が前記第1貴金属チップの先端面と気中ギャップを隔てて対向する円柱状の第2貴金属チップが接合される第1接地電極と、一端が該主体金具に結合され、他端が少なくとも前記絶縁体の側周面に対向するように配設され、前記中心電極の側周面と自身の他端面との間に沿面ギャップを形成する第2接地電極と、を備え、
前記第2貴金属チップの前記第1貴金属チップの先端面に対向する対向面から前記軸線方向先端側に向かって直径1.0mm以下で、且つ、前記軸線方向の長さ0.4mm以上である部位を有し、前記中心電極の側周面と前記第2接地電極の他端面との径方向の距離Fが1.4mm以上1.6mm以下であることを特徴とする。
本発明のスパークプラグによれば、第2貴金属チップの第1貴金属チップの先端面に対向する対向面から前記軸線方向先端側に向かって直径1.0mm以下で、且つ、前記軸線方向の長さ0.4mm以上である部位を有している。このように、第2貴金属チップを含むその付近の部位が細くなる、または突き出し量が大きくなることで気中ギャップにできた火炎核が、スワール等により成長する際に、火炎核の貴金属チップや第1接地電極への接触による消炎作用の影響を抑制でき、火炎核の成長を促進させることができる。つまり、着火性が向上する。なお、上記部位の直径が1.0mmを越えると、部位が太くなりすぎて、着火性を向上させる効果が小さい。また、部位の軸線方向の長さが0.4mm未満であっても、着火性を向上させる効果を得にくい。
そして、第2貴金属チップの直径は、0.3mm以上あるのが好ましい。第2貴金属チップの直径が0.3mm未満となると、第2貴金属チップが消耗してしまう虞がある。一方、第2貴金属チップの軸線方向の長さは、1.0mm以下であるのが好ましい。第2貴金属チップの軸線方向の長さは、1.0mmを越えると、第2貴金属チップの熱容量が大きくなり、第2貴金属チップが消耗してしまう虞がある。
ところが、上記のように部位を細く且つ突き出し量が大きくするスパークプラグでは、多重放電が起こりやすい。そのため、アーク放電が起こりやすくなり、第2部位の一部である第2貴金属チップが消耗する虞があった。そこで、本発明のスパークプラグは、一端が該主体金具に結合され、他端が少なくとも前記絶縁体の側周面に対向するように配設され、前記中心電極の側周面と自身の他端面との間に沿面ギャップを形成する第2接地電極を備える。このように第2接地電極を備えることで、引きちぎられた火花放電が再度結合するときに、気中ギャップでブレークダウンを起こさず、第1貴金属チップの側周面と第2接地電極との間にて火花放電が起こる。よって、第2貴金属チップの消耗を抑制することができる。
なお、本発明のスパークプラグは、中心電極の側周面と第2接地電極の他端面との径方向の距離Fが1.4mm以上1.6mm以下となっている。中心電極の側周面と第2接地電極の他端面との径方向の距離Fが1.6mmを越えると、多重放電が起こったときに、第1貴金属チップと第2接地電極との間にて火花放電が起こりにくい。よって、第2貴金属チップの消耗を抑制する上記効果を得られにくい。一方、中心電極の側周面と第2接地電極の他端面との径方向の距離Fが1.4mm未満であると、中心電極の側集面と第2接地電極の他端面との間で内燃機関の燃料が溜まって燃料ブリッジが形成され、火花放電が起こりにくくなることがある。
特に、本発明のスパークプラグは、第1貴金属チップの先端面から軸線方向後端側に向かって直径1.0mm以下で、且つ、軸線方向の長さが0.4mm以上である第2部位を有する場合に有効である。上記の場合、特に多重放電が起こりやすい傾向がある。そこで、本発明を適用することで、第2貴金属チップの消耗を抑制することできる。
さらに、本発明のスパークプラグでは、上記範囲にて第2接地電極を備えることで、絶縁体の表面にカーボンが付着し、いわゆる「くすぶり」の状態となった場合でも、第2接地電極と中心電極側面との間の沿面ギャップで絶縁体表面を這う形で火花放電が生ずるため、汚損物質が絶えず焼き切られる形となり、耐汚損性を向上させることができる。
さらに、本発明のスパークプラグによれば、第2接地電極は、前記主体金具に複数結合されることが好ましい。通常、スパークプラグを内燃機関に取り付けた際、スワール流の流れを考慮し、第2接地電極がスワール流の下流側に配置されるように取り付けることは難しい。よって、第2接地電極を1個備えたスパークプラグを内燃機関に取り付けた時に、必ず第2接地電極がスワール流の下流側に配置される可能性が低い。そのため、多重放電が起こった時に、第1貴金属チップと第2接地電極との間での火花放電が起こりにくく、第2貴金属チップの消耗を抑制しにくい。そこで、本発明のように、第2接地電極を複数備えることで、スワール流の流れを考慮することなく取り付けた際に、スワール流の下流側に第2接地電極が配置される可能性が高くなり、多重放電が起こった時に、第1貴金属チップと第2接地電極との間にて火花放電が起こる。よって、第2貴金属チップの消耗を抑制することができる。
なお、第2接地電極は、前記主体金具に複数設ける場合、次のように配置されることが好ましい。つまり、スパークプラグを軸線方向先端側から軸線方向後端側に向かって見たときに、複数の第2接地電極のうち、2個の第2接地電極の重心を結ぶ第1仮想線が、第1接地電極の重心と軸線とを通る第2仮想線と垂直に交わりつつ、軸線を通るように配置されていると良い。これにより、スワール流の流れを考慮せずにスパークプラグを内燃機関に配置した時に、第1接地電極の重心と軸線と含む仮想線に垂直に交わるようにスワール流の流れが生じた場合、有効に第1貴金属チップと第2接地電極との間で火花放電を起こすことができ、第2貴金属チップの消耗を抑制することができる。
さらに、本発明のスパークプラグは、気中ギャップの距離Mが1.0mm以上で有効である。このような、気中ギャップの距離Mが1.0mm以上のスパークプラグでは、気中ギャップの距離が大きいため、スワール流の影響を受け、火花放電が流れやすい傾向がある。そこで、気中ギャップの距離Mが1.0mm以上に設定されるスパークプラグでは、本発明を適用することにより、有効に第2貴金属チップの消耗を抑制することができる。
以下、本発明のいくつかの実施の形態を図面を用いて説明する。図1から図4に示す本発明の実施形態1の抵抗体入りスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部が突出するようにその主体金具1に嵌め込まれた絶縁体2、先端側に接合された第1貴金属チップ31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、第1貴金属チップ31(中心電極3)の先端面と対向するように配置された第1接地電極4、中心電極3及び絶縁体2と対向するように配置された2つの第2接地電極5等を備えている。第1接地電極4は、その他端部が第1貴金属チップ31の先端面とほぼ平行に対向するように曲げられており、第1貴金属チップ31と対向する位置に第2貴金属チップ41が形成されている。そして、これら第1貴金属チップ31と第2貴金属チップ41との間が気中ギャップg1となっている。また、第2接地電極5は、その他端面が中心電極の側周面との間で沿面ギャップg2を形成している。この沿面ギャップにおいて、火花放電は、絶縁体表面を這う沿面放電と、気中を飛ぶ気中放電が起こる。
主体金具1は炭素鋼等で形成され、図1に示すように、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンブロックに取付けるためのねじ部12が形成されている。また、絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための貫通孔6を有している。貫通孔6の一方の端部側に端子金具13が挿入・固定され、同じく他方の端部側に中心電極3が挿入・固定されている。また、該貫通孔6内において端子金具13と中心電極3との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体15の両端部には、導電性ガラスシール層16、17を有し、導電性ガラスシール層16、17を介して中心電極3と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続されている。
中心電極3は、電極母材3aが表面に形成され、内部に金属芯3bが挿入されている。そして、中心電極3の電極母材3aは、INCONEL600(INCO社の登録商標)等のNi合金である。一方、金属芯3bは、Cu、Ag等を主成分とする合金からなる。この金属芯3bは、電極母材3aよりも熱伝導率が高い。そして、中心電極3の電極母材3aは先端側が縮径されるとともにその先端面が平坦に構成され、ここに円板状の貴金属チップを重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザ溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部を形成してこれを固着することにより第1貴金属チップ31が形成される。上記第1貴金属チップ31は、Pt、Irを主成分とする金属にて構成される。具体的には、Pt−20wt%Ir、Pr−20wt%Rh等のPt合金や、Ir−5wt%Pt、Ir−20wt%Rh等のIr合金が挙げられる。なお、本実施形態においては、第1貴金属チップ31の直径B1がφ0.6mm、第1貴金属チップ31の先端面31aの外縁から第1貴金属チップ31と溶接部との境界までの軸線方向の最短距離t1が0.6mmとなっている。
第1接地電極4は、一端42が、主体金具1の先端面に対して溶接等により固着・一体化されている。一方、第1接地電極4の他端部43には、第2貴金属チップ41が備えられている。一方、第1接地電極4の他端部43には、第2貴金属チップ41が備えられている。この第2貴金属チップ41は、円柱状の貴金属チップを第1接地電極4の所定位置に設け、レーザ溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により固着することにより第2貴金属チップ41が形成される。上記第2貴金属チップ41は、Pt、Ir及びWを主成分とする金属にて構成される。具体的には、Pt−20wt%Ni、Pr−20wt%Rh等のPt合金や、Ir−5wt%Pt、Ir−20wt%Rh等のIr合金が挙げられる。そして、第2貴金属チップ41の対向面41aは、中心電極先端面(具体的には第1貴金属チップ31の先端面31a)に対向している。さらに、第1接地電極4の電極本体4aは、INCONEL600等のNi合金で形成されている。なお、本実施形態では、中心電極3の第1貴金属チップ31の先端面31aと平衡接地電極4の第2貴金属チップ41の対向面41aとの間の放電ギャップg1の距離Mは、1.1mmとなっている。
そして、本実施形態では、第2貴金属チップ41の対向面41aの直径B2がφ0.7mm、第1接地電極の電極本体4aからの突き出し量t2が0.5mmとなっている。つまり、第2貴金属チップ41の対向面41aから前記軸線O方向先端側に向かって直径1.0mm以下で、且つ、前記軸線O方向の長さ0.4mm以上である部位を有している。このように、第2貴金属チップ41を含むその付近の部位が細くなる、または突き出し量が大きくなることで気中ギャップg1にできた火炎核が、スワール等により成長する際に、貴金属チップ41や第1接地電極4へ火炎核が接触することによる消炎作用の影響を抑制でき、火炎核の成長を促進させることができる。つまり、着火性が向上する。
第2接地電極5は、一端52が、主体金具1の先端面に対して溶接等により固着・一体化されている。一方、第2接地電極5の他端部53は、中心電極側周面及び絶縁碍子2の側周面に対向している。第2接地電極5の電極本体5aは、Niが90wt%以上含有されるNi合金で形成されている。
そして、本実施形態では、中心電極3の側周面と第2接地電極5の他端面53との径方向の距離Fが1.5mmとなっている。このように、このように第2接地電極5を備えることで、引きちぎられた火花放電が再度結合するときに、気中ギャップg1でブレークダウンを起こさず、第1貴金属チップ31の側周面と第2接地電極5との間にて火花放電が起こる。よって、第2貴金属チップ41の消耗が増加することを抑制することができる。
さらに、第2接地電極5はそれぞれ第1接地電極4から90°ずれた位置に配設され、第2接地電極5同士は、180°ずれた位置に配設される。(図4参照)このように、第2接地電極5が、複数接合されており、さらに、スパークプラグ100を軸線O方向先端側から軸線O方向後端側に向かって見たときに、2個の第2接地電極5の重心5A、5Bを結ぶ仮想線s1が、軸線Oを通り、且つ、第1接地電極4の重心4Aと軸線Oとを通る仮想線s2と垂直に交わるように、2個の第2接地電極5を配置している。よって、スワール流の流れを考慮せずにスパークプラグ100を内燃機関に配置した時に、仮想線s2に垂直に交わるようにスワール流の流れが生じた場合でも有効に第1貴金属チップ41と第2接地電極5との間で火花放電を起こすことができ、第2貴金属チップ31の消耗を抑制することができる。
このようなスパークプラグ100は、次のようにして製造する。但し、スパークプラグ100の要部の製造方法を中心に説明し、公知部分については、説明を省略または簡略化する。
まず、主原料にアルミナを使用し、高温の所定の形状に焼成することによって絶縁体2を形成する。また、鋼材を使用し、所定の形状に塑性加工することによって、主体金具1を形成する。この際、主体金具1の先端部の外周面にねじ部12を形成している。次いで、Ni耐熱合金からなる棒状の中心電極3、第1接地電極4、第2接地電極5を作成する。なお、中心電極3の形成時には、金属芯3bを挿入して形成している。そして、第1接地電極4及び第2接地電極5を主体金具1の先端面に電気抵抗溶接する。その後、第2接地電極5を公知の手法により軸線方向に曲げる。一方、中心電極3は、先端部を縮径し、その先端面に第1貴金属チップ31を電気抵抗溶接、レーザ溶接等により固設する。
そして、絶縁体2の軸孔6に中心電極3を先端側が絶縁体2から突出するように挿入し、次いで、後端側に導電性シール層16、抵抗体15、導電性シール層17を順に挿入し、さらに、絶縁体2の後端側に、絶縁体2の後端から端子金具13の後端側が突出するように端子金具13を挿入して、公知の手法を使って、固設する。そして、中心電極3、端子金具13等が固設された絶縁体2を、第1接地電極4、第2接地電極5が固設された主体金具1に第2接地電極5との沿面ギャップg2をあわせながら公知の手法により、組み付ける。そして、第1接地電極4の他端部に第2貴金属チップ41を電気抵抗溶接、レーザ溶接等により固設する。そして、第1接地電極4の第2貴金属チップが41の対向面41aが中心電極3の第1貴金属チップ31の先端面31aと気中ギャップg1を介して対向するように、第1接地電極4を曲げ、図1に示すような、内燃機関用スパークプラグ100が完成する。
本発明の効果を確認するために、以下の各種実験を行った。
図1から図4に示す形状のスパークプラグの各種試験品を以下のように用意した。まず、絶縁体2の材質としてアルミナセラミックを、中心電極3の電極本体3aの材質としてINCONEL600、芯材3bとして銅芯、第1接地電極4の材質としてINCONEL600、第2接地電極5の材質として耐熱Ni合金(90wt%Ni合金)をそれぞれ選定した。そして、第1貴金属チップ31を、Ir−20wt%Rhの材質で、直径B1をφ0.6mm、第1貴金属チップ31の先端面31aの外縁から第1貴金属チップ31と溶接部との境界までの軸線方向の最短距離t1を0.6mmとした。さらに、第1接地電極4の幅を2.5mm、高さ1.4mmとし、また、第2接地電極5の幅2.2mm、高さ1.2mmとした。さらに、放電ギャップg1の距離は、1.1mmとした。
そして、第2貴金属チップ41を、Pt−10wt%Niの材質で、突き出し量t2を0.6mmとし、直径B2をφ0.5mm、φ0.6mm、φ0.8mm、φ1.0mm、φ1.2mm、φ1.5mm、φ2.0mmと設定したスパークプラグを、排気量1400cc、4気筒のDOHC型ガソリンエンジンに取り付け、120km/h相当の車速で走行した際の、それぞれについて多重放電の発生度合いについて調査した。具体的には、メモリー付きのオシロスコープで火花放電を100回サンプリングし、5KV以上の電圧の多重放電が3回以上起こる確率を測定した。結果を表1に示す。
表1によると、第2貴金属チップ41の直径B2がφ2.0mmのとき、多重放電が起こる確率は60%であったが、φ1.5mmで70%、φ1.2mmで76%となり、φ1.0mm以下では80%以上となった。つまり、第2貴金属チップ41の直径B2がφ1.0mm以下となることで、多重放電が起こりやすい。これにより、第2貴金属チップ41の消耗が増加することが考えられる。
つぎに、スパークプラグ100の第2貴金属チップ41を、Pt−10wt%Niの材質で、直径B2をφ0.6mmとし、突き出し量t2を0.2mm、0.4mm、0.6mm、0.8mmとしたとき、それぞれの多重放電の発生度合いについて調査した。なお、その他のスパークプラグ100の構成については、実施例1と同様に設定している。
そして、実施例1と同様に、排気量1400cc、4気筒のDOHC型ガソリンエンジンに取り付け、120km/h相当の車速で走行した際の、それぞれについて多重放電の発生度合いについて調査した。具体的には、メモリー付きのオシロスコープで火花放電を100回サンプリングし、5KV以上の電圧の多重放電が3回以上起こる確率を測定した。結果を表1に示す。
表2によると、第2貴金属チップ41の突き出し量t2を0.2mmのとき、多重放電が起こる確率は44%であったが、0.4mm以上となると80%以上となった。つまり、第2貴金属チップ41の突き出し量t2が0.4mm以上となることで、多重放電が起こりやすい。これにより、第2貴金属チップ41の消耗が増加することが考えられる。
次に、中心電極3の側周面と第2接地電極5の他端面53との径方向の距離Fに対する第2貴金属チップの消耗量の関係について調査した。実施例3のスパークプラグ100は、実施例1、2のスパークプラグと同様のものを使用した。なお、第2貴金属チップ41は、Pt−10wt%Niの材質で、突き出し量t2を0.8mmとし、直径B2をφ0.6mmとした。
このようなスパークプラグ100において、中心電極3の側周面と第2接地電極5の他端面53との径方向の距離Fを、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mmと設定し、排気量2000cc、6気筒のDOHC型ガソリンエンジンに取り付け、回転数5000rpmにて350時間、全開耐久試験を行った。本試験では、試験前の第2貴金属チップ41と350時間後の第2貴金属チップ41とを比較し、貴金属チップ41の軸方向の消耗長さを示した。結果を表3に示す。
表3によると、中心電極3の側周面と第2接地電極5の他端面53との径方向の距離Fが、1.7mmでは、第2貴金属チップ41の消耗量が0.22mmと0.2mmとなるのに対して、距離Fが1.6mmでは、0.15mm、距離Fが1.5mmでは、0.13mm、距離Fが1.4mmでは、0.12mmとなった。つまり、Fを1.6mm以下とすることで、有効に第2貴金属チップ41の消耗を抑制することができる。
なお、本発明においては、上述した具体的な実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。例えば、本発明のスパークプラグ100は、中心電極3のみに金属芯3bを挿入したが、これに限らず、第1接地電極4、第2接地電極5のいずれかに金属芯が挿入されていてもよい。そして、この場合の金属芯の材質は、Cu、Ag等の単体または合金から形成されている
また、本発明のスパークプラグ100は、第2接地電極5が2つであったが、これに限られず、1つであっても良い。また、3つ以上の複数であってもよい。
本発明のスパークプラグ100を示す正面部分断面図。 図1の要部を示す正面部分断面図。 図1の要部を示す側面図。 図1の要部を示す上面図。
符号の説明
1 主体金具
2 絶縁体
3 中心電極
4 第1接地電極
5 第2接地電極
6 貫通孔
31 第1貴金属チップ
41 第2貴金属チップ
100 スパークプラグ

Claims (4)

  1. 軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
    該絶縁体の軸孔の先端側に配設され、自身の先端に円柱状の第1貴金属チップを接合する中心電極と、
    前記絶縁体の周囲を取り囲む主体金具と、
    一端が該主体金具に結合され、他端部が前記第1貴金属チップの先端面と気中ギャップを隔てて対向する円柱状の第2貴金属チップが接合される第1接地電極と、
    一端が該主体金具に結合され、他端が少なくとも前記絶縁体の側周面に対向するように配設され、前記中心電極の側周面と自身の他端面との間に沿面ギャップを形成する第2接地電極と、
    を備え、
    前記第2貴金属チップの前記第1貴金属チップの先端面に対向する対向面から前記軸線方向先端側に向かって直径1.0mm以下で、且つ、前記軸線方向の長さ0.4mm以上である部位を有し、
    前記中心電極の側周面と前記第2接地電極の他端面との径方向の距離Fが1.4mm以上1.6mm以下
    であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグにおいて、
    前記第2接地電極は、前記主体金具に複数結合されることを特徴とするスパークプラグ。
  3. 請求項2に記載のスパークプラグにおいて、
    前記スパークプラグを軸線方向先端側から軸線方向後端側に向かって見たときに、複数の前記第2接地電極のうち2個の前記第2接地電極は、該2個の前記接地電極の重心を結ぶ第1仮想線が、前記第1接地電極の重心と前記軸線とを通る第2仮想線と垂直に交わりつつ、前記軸線を通るように配置されていること
    を特徴とするスパークプラグ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスパークプラグにおいて、
    前記気中ギャップの距離Mは1.0mm以上
    であることを特徴とするスパークプラグ。
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