JP3131978B2 - 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、自動車等の内燃機関に用いられるスパー
クプラグに関するものである。
〔従来の技術〕
近年、自動車用ガソリンエンジンは増々高圧縮比化、
リーン化が図られている。このためスパークプラグの要
求電圧は増大の一途にある。この対応とし、コイルの発
生電圧の増加を図る方法と、スパークプラグの要求電圧
を減少させる方法とがある。前者の方法の場合、点火系
が高電圧化してくるため、ディストリビュータ、高圧コ
ード、コイル等の耐絶縁性を高める必要があり、システ
ムの信頼性を低下させ、優れた解決法といえない。又、
後者の方法は要求電圧自体を低減させるため現状品を変
更することなく活用でき優れた方法である。このためス
パークプラグの要求電圧を低減させるための種々の構造
が提案されてきた。
例えば、特公昭59−33949号公報では、第29図及び第3
0図に示すように、接地電極1に対向する中心電極2の
先端部に十字溝3を配設した構造とし、その溝幅を0.3m
m以上で、かつ中心電極2の直径の40%以下の寸法に規
定している。このように中心電極2を4分割すると、あ
たかも中心電極2が細径化された構成となり、かつ、分
割された断面積は小となり表面積/体積は大となり温度
が上りやすい構成となり、要求電圧の低減を図ることが
できるものである。
又、実開昭50−60445号公報には、第31図に示すよう
に、中心電極2の放電部が逆円錐状となったプラグが示
されている。このプラグは放電により火花ギャップが広
がり要求電圧が上昇傾向となるが、一方、逆円錐状のた
め電極径が細くなり要求電圧が低減傾向となる。このバ
ランスにより火花ギャップが増大しても要求電圧を増大
させないようにしたものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、前記特公昭59−33949号公報に示す方法で
は、最近の長寿命化の観点からみると溝を切った分、断
面積が減少し耐消耗性が劣化する。もしくは、溝の分、
断面積を確保しようとすると電極径を大きくする必要が
あり電圧低減効果が減殺される。又、放電は中心電極2
と接地電極1との最短部のみならず距離の長い側面から
も飛火していることから、側面がストレートの場合、距
離の長い側面からも放電し、要求電圧が高くなる場合が
生ずるという欠点がある。
又、実開昭50−60445号公報による中心電極が逆円錐
状のプラグを採用すると、この逆円錐形でギャップが大
きくなることと径小効果との所定のバランスを保とうと
すると、該公報に記載されているように、0.3mm火花ギ
ャップが拡がると放電電圧は2KV増加し、これに見合う
ためには径をφ2.5mmからφ2mmに減径させる必要があ
る。この関係を第32図に示す。その結果、円錐の角度は
99゜となり相当急な減径構造となることが分かった。よ
って、減径の程度が大きいため消耗が早い欠点があり、
実用性に乏しいものとなる。
この発明の目的は、電極の消耗を抑制しつつ要求電圧
の低減を図ることができるスパークプラグ及びその製造
方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
第1の発明は、中心電極の軸線上に接地電極が対向
し、前記中心電極の軸線上に火花ギャップを形成する内
燃機関用スパークプラグにおいて、前記中心電極の先端
部は、前記接地電極に接近するほど径大なるテーパ状を
なし、前記接地電極と対向する前記中心電極の先端面側
は、前記接地電極と対向して形成された凹部により、前
記中心電極の軸線方向で等断面積となるように分割され
ている内燃機関用スパークプラグを要旨とする。
第2の発明は、前記中心電極の軸線と、対向する前記
接地電極の長手方向に直交する前記接地電極の幅の中心
線とをズラした内燃機関用スパークプラグを要旨とす
る。
第3の発明は、前記中心電極の先端面の径を、対向す
る前記接地電極の幅より大きくした内燃機関用スパーク
プラグをその要旨とする。
第4の発明は、前記中心電極と対向する前記接地電極
に、貴金属を接合してその表面に突起部を形成した内燃
機関用スパークプラグを要旨とする。
第5の発明は、前記中心電極と対向する接地電極に、
一条溝を形成した内燃機関用スパークプラグを要旨とす
る。
第6の発明は、中心電極の軸線上に接地電極が対向
し、前記中心電極の軸線上に火花ギャップを形成する内
燃機関用スパークプラグの製造方法において、柱状をな
す中心電極の先端面に所定の深さの切り込みを形成した
後に、当該切り込みに拡大部材を圧入して切り込みを押
し広げることで前記接地電極と対向する凹部を形成し
て、前記中心電極の先端部を前記接地電極に接近するほ
ど径大なるテーパ状とし、かつ、前記接地電極と対向す
る前記中心電極の先端面側を前記中心電極の軸線方向で
等断面積となるように前記凹部により分割した内燃機関
用スパークプラグの製造方法をその要旨とする。
[作用] 第1の発明は、放電は中心電極のエッジ部に集中し、
テーパ状部の底面部及び凹部によるエッジから軸線方向
に消耗されていくが、テーパ状部の側面における放電経
路長さが長い放電は抑制され、要求電圧は抑制される。
すなわち、接地電極と中心電極側面との火花放電距離が
実質的に小とすることができ、要求電圧のばらつきが小
となる。
また、中心電極の軸線方向での電極消耗の際に、中心
電極の先端面側が等断面積となっているのでその進行が
遅くなる。
さらに、凹部が接地電極に対向しているため、中心電
極の凹部内の内側側面と接地電極との放電距離が凹部の
底面にて制限され、火花ギャップの長距離化を抑制す
る。
第2〜第5の発明は、第1の発明の作用に加え、火炎
核成長空間が広くなり、着火性が向上する。
第6の発明は、柱状をなす中心電極の先端面に所定の
深さの切り込みが形成された後、当該切り込みに拡大部
材が圧入されて切り込みが押し広げられて接地電極と対
向する凹部が形成されることで、中心電極の先端部を接
地電極に接近するほど径大なるテーパ状とし、かつ、中
心電極の先端面側が軸線方向で等断面積となるように分
割される。その結果、第1の発明のスパークプラグが製
造される。
〔第1実施例〕 以下、この発明を自動車用エンジンに使用されるスパ
ークプラグに具体化した一実施例を図面に従って説明す
る。
第3図には実施例のスパークプラグの全体を示す。中
心電極10は耐熱性、耐蝕性及び導電性のある、例えばNi
−Cu等からなり、中心電極10の放電部となる先端部分は
絶縁碍子11に保持されている。又、絶縁碍子11の軸穴11
aの上部には炭素鋼からなる中軸12が挿通されており、
中軸12の頭部には黄銅等からなる端子13がねじ込み固定
されている。円筒状のハウジング14は耐熱性、耐蝕性及
び導電性のある金属よりなり、ハウジング14の内側には
リング状の気密パッキン15及びかしめリング16を介して
絶縁碍子1が固定されている。
又、ハウジング14はエンジンブロックに固定するため
のねじ部14aを備えている。ハウジング14の下端面には
接地電極17が溶接により固定され、この接地電極17は耐
熱性、耐蝕性及び導電性のある金属からなっている。
さらに、絶縁碍子11の軸穴11a内には導電性グラスシ
ール層18が封入され、シール層18は銅粉末と低融点ガラ
スから構成され、このシール層18で中軸12と中心電極10
とが電気的に接続されるとともに両者が絶縁碍子11の軸
穴11aに固定されている。
第1図には本スパークプラグの中心電極10の先端部を
示し、中心電極10の先端部分は絶縁碍子11から突出する
とともに縮径化され、その端部には白金合金からなる貴
金属チップ19が溶接されている。この貴金属チップ19は
第2図に示すように、接地電極17に接近するほど径大な
るテーパ状をなし、このテーパ状部は凹部としての十字
溝20により複数に分割されている。そして、十字溝20が
接地電極17に対向して配置されており、テーパ状部は、
その十字溝20の分割により軸線方向で等断面積を有する
ようになっている。
第4図(a)〜第4図(e)には中心電極10の貴金属
チップ19の製造方法を示す。まず、第4図(a)に示す
円柱状の貴金属チップ19に対し、第4図(b)に示すよ
うに、窒化ボロン(BN)よりなるカッタ(回転円盤)を
用いて貴金属チップ19の先端面に溝幅が0.1mm前後の十
字の切り込み21を所定の深さ形成する。そして、第4図
(c)に示すように、十字よりなり、かつ、その先端部
がクサビ状の拡大部材としての割り型22を用意し、その
割り型22を貴金属チップ19の切り込み21の上方位置にお
いて合致させる。その後、第4図(d)に示すように、
割り型22を貴金属チップ19の切り込み21内に圧入し、切
り込み21を押し広げる。その後、割り型22を取り外す
と、第4図(e)に示すように、貴金属チップ19が逆円
錐状に形成されるとともに十字溝20が形成される。
又、次のような飛火試験を行い、飛火状況を観察し
た。即ち、第5図に示す本実施例のスパークプラグと、
第6図に示す円柱状の貴金属チップ23を使用したスパー
クプラグとで飛火状況を調べた。その結果、放電は、貴
金属チップ19,23の端面から軸線方向に飛火する経路
a、貴金属チップ19,23の先端のエッジ部から斜め方向
に飛火する経路bが形成されるばかりでなく、貴金属チ
ップ19,23の周方向の側面にも飛火経路cが形成され、
第6図に示す従来でのプラグでの飛火経路cに対し第5
図に示す本実施例でのプラグでの飛火経路cの方が短く
なることが分かった。この放電長が短いということは要
求電圧を低くすることができることを意味している。
次に、第7図、第8図、第9図に示す3種類のスパー
クプラグを用意した。即ち、第7図に示すように、円柱
状の貴金属チップ24で、かつ、十字溝25を有するプラグ
(以下、十字溝タイプと呼ぶ)と、第8図に示すよう
に、先端部に所定の厚さtの円柱部を有し、かつ、その
基部側が逆テーパ(逆円錐)となっている貴金属チップ
26を備えたプラグ(以下、逆テーパタイプと呼ぶ)と、
第9図に示すように、本実施例と同様の貴金属チップ19
を備えたプラグ(以下、クラウンタイプと呼ぶ)とであ
る。又、十字溝タイプの中心電極外径、クラウンタイプ
のプレス加工前の外径、逆テーパタイプの外径は同一寸
法D(φ1.5mm)とした。又、貴金属チップは白金合金
を使用した。
そして、この3種類のプラグを用いて、火花ギャップ
と要求電圧との関係を実験にて求めた。その結果を第10
図に示す。この第10図において、横軸に火花ギャップを
とり、縦軸に要求電圧をとった。尚、要求電圧はバラツ
キがあるので、最大値(max値)を採用した。
第10図から分かるように、火花ギャップの拡大に伴っ
て要求電圧は低い方からクラウンタイプ、十字溝タイ
プ、逆テーパタイプの順となった。これは、十字溝によ
る電極径分割細化、断面小による温度上昇、エッジ部の
延設の効果により低電圧化が図られ、さらに、逆テーパ
形状による放電長の短化よる効果が重畳されたものと考
えられる。
又、第10図では横軸を火花ギャップとしたがスパーク
プラグを実際に使う場合には実法における走行距離に対
する火花ギャップの増加量は最終的に要求電圧を決定す
るための非常に大きな要因であるので、このための実験
を行った。この結果を第11図に示し、横軸を走行距離
を、縦軸に火花ギャップをとった。この第11図から分か
るように、消耗の小さい方から並べると逆テーパタイ
プ、クラウンタイプ、十字溝タイプの順となる。これ
は、第7図に示すように、十字溝タイプは十字溝25が0.
3mm以上の溝幅があるため最も有効断面積が小さく消耗
も大きく、又、クラウンタイプは0.3mm以下の切り込み
を拡げるため十字溝タイプより有効断面積が大きく消耗
は少ない。又、クラウンタイプの場合、逆テーパタイプ
とほぼ同じ断面積となっているので、火花ギャップの増
加量は近い値となる。
さらに、第10図,第11図の関係から走行距離と要求電
圧の関係を求めると第12図となる。この第12図から、ク
ラウンタイプが最も要求電圧が低く、最も優れているこ
とが分かる。
さらに、逆テーパタイプ、クラウンタイプ、十字溝タ
イプの各プラグにおける消炎効果を実験により調べた。
その結果を第13図に示し、横軸に火花ギャップをとり、
縦軸に限界空燃比をとった。そして、同図から明らかな
ように、クラウンタイプは放電部が大幅に広がっている
ため火焔核が成長し易く、十字溝タイプより優れた着火
性が得られた。
このように本実施例では、中心電極10の先端部(貴金
属チップ19)を接地電極17に接近するほど径大なるテー
パ状部を形成するとともに、このテーパ状部の先端面に
開口する十字溝20(凹部)を形成してテーパ状部が軸線
方向で等断面積を有するようにした。その結果、放電は
中心電極10のエッジ部に集中し、テーパ状部の底面部及
び十字溝20によるエッジから軸線方向に消耗されていく
が、テーパ状部の側面における放電経路長さが長い放電
は抑制され、要求電圧は抑制される。又、軸線方向での
電極消耗の際に等断面積となっているのでその進行が遅
くなる。よって、電極の消耗を抑制しつつ要求電圧の低
減を図ることができることとなる。
又、第4図(a)〜(e)に示すように、柱状をなす
中心電極10(貴金属チップ19)の先端面に所定の深さの
切り込み21を形成した後、切り込み21に割り型22(拡大
部材)を圧入して切り込み21を押し広げ、中心電極10
(貴金属チップ19)の先端部を接地電極17に接近するほ
ど径大なるテーパ状に形成した。その結果、容易に上述
したスパークプラグを製造することができる。
この第1実施例の応用としては、上述したスパークプ
ラグでは中心電極10の先端の貴金属チップ19に十字溝20
を形成したが、第14図に示すように、一条の切り込み27
aを形成し、その後、第15図に示すように、この切り込
み27aを広げて溝27bを形成してもよい。又、第16図に示
すように、中心で交わる3本の切り込み28aを形成し、
その後、第17図に示すように、その切り込み28aを広げ
て溝28bを形成してもよい。又、凹部としての溝(十字
溝20)は、上記実施例では貴金属チップ19を分割するよ
うに形成したが、必ずしも分割する(貴金属チップ19の
側面に至る溝とする)必要はなく、接地電極17と対向す
る端面にのみ開口する凹部としてもよい。
さらに、中心電極の先端の径を広げる際において、第
18図(a)〜(c)に示すようにしてもよい。即ち、十
字の切り込み29を形成するとともにその切り込み29の交
点に穴30を形成し、第18図(b)に示すように、円柱
で、かつ、先端が尖った拡大部材としての割り型31を穴
30に圧入して切り込み29を押し広げ、第18図(c)に示
すように、溝33を形成し中心電極32の先端の径を広げる
ようにしてもよい。
さらには、上述した実施例では貴金属チップを設けた
プラグに具体化したが、ニッケル基をベースとし、例え
ば、中心電極の先端径がφ2.5mmのスパークプラグに具
体化してもよい。又、接地電極17側は貴金属の有無は問
わないが好ましくは中心電極の放電部最外径に対応する
径の貴金属が接合された構造が電極消耗の観点から好ま
しい。
〔第2実施例〕 次に、第2実施例を説明する。
本実施例は、上記第1実施例に対し、電極の消耗を抑
制しつつ要求電圧の低減を図ることに加え、さらに、着
火性の向上を狙ったものであり、接地電極側にも改良を
加えている。
つまり、第3図におけるA方向からスパークプラグの
先端部を見た場合において、第19図に示す従来のスパー
クプラグ(円柱形状の中心電極34を有する)に対し、第
20図〜第22図に示すようにしたものである。第20図に示
すプラグは、中心電極35の先端面の径D1が、対向する接
地電極36の幅W1より大きくなっている。又、第21図に示
すプラグは、中心電極37の軸線L1と、対向する接地電極
38の中心L2とを距離δだけズラしている。又、第22図に
示すプラグは、中心電極39と対向する接地電極40の表面
に、突起部としての貴金属41を接合している。さらに、
第23図に示すプラグは、中心電極42と対向する接地電極
43に、一条溝44を形成したものである。
ここで、スパークプラグの着火性能は、火花ギャップ
の放電で形成される火炎核の成長に左右される。火花核
の成長が不安定な領域は、アイドリングのような軽負荷
であり、燃焼温度が低いため火花ギャップを形作る中心
電極,接地電極温度も低く消炎作用を受ける。そして、
大きな消炎作用を受けた場合、火炎核は消失したり成長
が遅れてエンジンの燃焼が不安定となる不具合が起こ
る。又、火炎核は火花ギャップで形成され、混合気の流
れに沿って成長するためスパークプラグのねじ込みによ
る取付け位置で中心電極,接地電極の消炎作用を受け着
火性が悪化する方向が存在する。
第24図には接地電極と混合気の流れ方向が着火性に及
ぼす影響を調査した結果で、一般のスパークプラグでギ
ャップ0.8mm設定にて評価した。この際、1600ccの4サ
イクルガソリンエンジンでアイドル600rpm,BTDC17゜,
空燃比14設定にて運転して0.2秒毎3分間回転変動を測
定し回転変動のバラツキ/平均回転数の比である不安定
率を測定した。混合気の流れが接地電極に遮蔽される取
り付け方向では、着火性の悪化が見られる。これは、第
25図(a),(b)に示すように、火炎核成長の過程で
火花ギャップ間に押し込められ電極の消炎作用を大きく
受けるためと推定される。
一方、特開昭55−19768号公報では接地電極に沿った
突起を中心電極先端面に設けて突起により形成される端
面エッジ部に飛火箇所を固定するとともに、突起により
形成される火炎核成長空間の拡大を活用している。しか
し、火炎核は火花ギャップでの混合気の流れに沿って成
長するため、第25図(a),(b)に示すように、接地
電極に沿った混合気の流れのもとでは中心電極,接地電
極の消炎作用を受け着火性向上効果が発揮されにくい。
第26図〜第28図は1600cc4サイクルガソリンエンジン
でアイドル600rpm,BTDC17゜の条件で不安定率が2%及
び2.5%となる空燃比を求めたものである。尚、この
際、混合気の流れが接地電極に遮蔽される取り付け方向
とした。評価プラグは、φ2.5mmの外径を有する中心電
極を備えたものであり、次のものを使用した。第26図で
の(g)は第19図に示す従来の一般プラグ、(h)は第
20図に対応するものであり、中心電極先端面に深さ1.0m
m,幅0.15mmの溝を形成し溝幅を0.5mmに拡大したプラ
グ、(i)は第23図に対応するものであり、(h)のプ
ラグに対し接地電極に一条溝を設けたプラグ、(j)は
中心電極先端面に深さ0.5mm,幅1.0mmの溝を形成したプ
ラグ(特開昭55−19768号公報)、(k)は中心電極先
端面に深さ1.0mm,幅0.3mmの溝を形成したプラグ(特公
昭59−33946号公報)である。
又、第27図における、(l)は第21図に対応するもの
であり、中心電極先端面に深さ1.0mm,幅0.15mmの溝を形
成し溝幅を0.5mmに拡大し、さらに、接地電極の中心を
中心電極の軸線に対し0.3mmズラして配置したプラグ、
(m)は第26図の(h)のプラグでの中心電極の先端部
をさらに広げたものであり、中心電極先端に深さ1.0mm,
幅0.15mmの溝を形成し溝幅を1.0mmに拡大したプラグで
ある。
さらに、第28図における、(n)はφ1.1mmの外径を
有する中心電極を備えた従来の白金プラグ、(o)は第
22図に対応するものであり、φ1.3mmの外径の白金チッ
プを備えた中心電極に深さ0.6mm,幅0.2mmの溝を形成し
溝幅を0.5mmに拡大し、さらに、接地電極での対向面に
φ1.8mmの白金合金チップを溶接して接地電極面より0.1
mmの突起がある形状としたプラグで、火花ギャップ0.8m
mとしている。
この第26〜28図から明らかなように、第26図での
(g),(j),(k)に示す従来品に対し2%及び2.
5%の不安定率とも空燃非がリーン側にシフトしており
着火性の向上が確認できた。これは、混合気の流れに影
響されない火炎核成長空間が確保されるためである。
このように、スパークプラグの耐久性を劣化させるこ
となく飛火電圧の低減により高圧縮化が可能であり、ア
イドリングのような低回転領域においてもプラグ取り付
け位置方向に影響されず安定な燃焼が確保でき、かつ、
希薄な混合気でエンジンを運転可能となる。
〔発明の効果〕
第1,第6の発明によれば、電極の消耗を抑制できると
ともに、接地電極と中心電極側面との火花放電距離を実
質的に小とすることができ、要求電圧のばらつきを小と
した内燃機関用スパークプラグを提供することができ
る。
又、凹部が接地電極に対向しているため、中心電極の
凹部内の内側側面と接地電極との放電距離が凹部の底面
にて制限され、火花ギャップの長距離化を抑制した内燃
機関用スパークプラグを提供することができる。
さらに、第2〜第5の発明によれば、第1の発明の効
果に加えて、火炎核成長空間が広くなり、着火性を向上
させた内燃機関用スパークプラグを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第18図は第1実施例を説明するための図であ
り、第1図は内燃機関用スパークプラグの放電部を示す
図、第2図はスパークプラグの中心電極の先端部の斜視
図、第3図はスパークプラグの全体図、第4図(a)〜
(e)は中心電極の製造工程を示す図、第5図は飛火試
験を示す図、第6図は飛火試験を示す図、第7図は実験
に用いたスパークプラグの中心電極を示す図、第8図は
実験に用いたスパークプラグの中心電極を示す図、第9
図は実験に用いたスパークプラグの中心電極を示す図、
第10図は各プラグ毎の火花キャップの増加量と要求電圧
との関係を示す図、第11図は各プラグ毎の走行距離と火
花キャップの増加量との関係を示す図、第12図は各プラ
グ毎の走行距離と要求電圧との関係を示す図、第13図は
各プラグ毎の火花ギャップと限界空燃比との関係を示す
図、第14図は別例のスパークプラグの中心電極を示す
図、第15図は別例のスパークプラグの中心電極を示す
図、第16図は他の別例のスパークプラグの中心電極を示
す図、第17図は他の別例のスパークプラグの中心電極を
示す図、第18図(a)〜(c)は別例の中心電極の製造
工程を示す図、第19図〜第28図は第2実施例を説明する
ための図であり、第19図〜第23図はスパークプラグの先
端部を示す図、第24図はスパークプラグの取付け位置方
向の着火性への影響を示す図、第25図(a),(b)は
混合気の流れと火炎核成長を示す図、第26図〜第28図は
アイドル不安定率を空燃比で比較した図、第29図は従来
技術を説明するためのスパークプラグの放電部を示す
図、第30図は同じく従来技術を説明するためのスパーク
プラグの放電部を示す図、第31図は従来技術を説明する
ためのスパークプラグの放電部を示す図、第32図は従来
技術を説明するためのスパークプラグの中心電極の形状
を示すための図である。 10は中心電極、17は接地電極、19は貴金属チップ、20は
凹部としての十字溝、21は切り込み、22は拡大部材とし
ての割り型、35は中心電極、36は接地電極、37は中心電
極、38は接地電極、39は中心電極、40は接地電極、41は
貴金属、42は中心電極、43は接地電極、44は一条溝。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−145288(JP,A) 特開 昭49−49035(JP,A) 特開 昭49−73541(JP,A) 特開 昭53−27743(JP,A) 特開 昭59−71280(JP,A) 特開 昭62−35481(JP,A) 実開 昭50−60445(JP,U) 実開 昭53−77230(JP,U) 実開 昭57−14990(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01T 13/00 - 21/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心電極の軸線上に接地電極が対向し、前
    記中心電極の軸線上に火花ギャップを形成する内燃機関
    用スパークプラグにおいて、 前記中心電極の先端部は、前記接地電極に接近するほど
    径大なるテーパ状をなし、前記接地電極と対向する前記
    中心電極の先端面側は、前記接地電極と対向して形成さ
    れた凹部により、前記中心電極の軸線方向で等断面積と
    なるように分割されていることを特徴とする内燃機関用
    スパークプラグ。
  2. 【請求項2】前記中心電極の軸線と、対向する前記接地
    電極の長手方向に直交する前記接地電極の幅の中心線と
    をズラしたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関
    用スパークプラグ。
  3. 【請求項3】前記中心電極の先端面の径を、対向する前
    記接地電極の幅より大きくしたことを特徴とする請求項
    1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  4. 【請求項4】前記中心電極と対向する前記接地電極に、
    貴金属を接合してその表面に突起部を形成したことを特
    徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 【請求項5】前記中心電極と対向する接地電極に、一条
    溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機
    関用スパークプラグ。
  6. 【請求項6】中心電極の軸線上に接地電極が対向し、前
    記中心電極の軸線上に火花ギャップを形成する内燃機関
    用スパークプラグの製造方法において、 柱状をなす中心電極の先端面に所定の深さの切り込みを
    形成した後に、当該切り込みに拡大部材を圧入して切り
    込みを押し広げることで前記接地電極と対向する凹部を
    形成して、前記中心電極の先端部を前記接地電極に接近
    するほど径大なテーパ状とし、かつ、前記接地電極と対
    向する前記中心電極の先端面側を前記中心電極の軸線方
    向で等断面積となるように前記凹部により分割したこと
    を特徴とする内燃機関用スパークプラグの製造方法。
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