JP2001155839A - スパークプラグ - Google Patents
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- H01T—SPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
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Abstract
抗折強度を十分に確保することが可能であり、ひいては
スパークプラグ取付時等においても絶縁体折損等の不具
合を生じにくい構造のスパークプラグを提供する。 【解決手段】 取付ねじ部7のロングリーチ化に伴い、
端子金具13の先端縁が絶縁体2の中胴部2g内に位置
するようになると、これが抗折支点となって強度的な問
題を生じやすくなる。そこで、端子金具13の先端縁に
対応する位置における中胴部2gの肉厚を、(D−d)
/Dの値にて0.42以上となるように確保すること
で、スパークプラグ取付時等において絶縁体2に曲げや
衝撃、あるいはねじり等がある程度強く作用しても、絶
縁体2の特に中胴部2gに折損等の不具合を生じにくく
することができる。
Description
内燃機関に使用されるスパークプラグに関する。
エンジンの点火に使用されるスパークプラグは、主体金
具に形成された取付ねじ部により、エンジンのシリンダ
ヘッドに取り付けて使用される。接地電極と中心電極と
により形成される火花放電ギャップは、この取り付け状
態において燃焼室内に位置し、混合気に着火することと
なる。ここで、火花放電ギャップを形成する電極部分
は、エンジン作動中は燃焼混合ガスにさらされるため、
かなりの高温となる。また、近年では、自動車等に使用
される内燃機関の高出力化に伴い、燃焼室内における吸
気及び排気バルブの占有面積も拡大してきている。その
ため、混合気に点火するためのスパークプラグはその小
型化が必要とされている上、ターボチャージャー等の過
給装置等により、燃焼室内の温度もますます上昇する傾
向にある。
パークプラグの寿命を十分に確保するには、電極部分の
放熱(熱引き)を十分に図ることが必要である。スパー
クプラグの熱は各種経路にて放出されるが、特に絶縁体
から主体金具の取付ねじ部を経てシリンダヘッドへ逃げ
る経路が熱流量も大きく、放熱を確保する上で重要な役
割を果たす。一般に使用されているスパークプラグにお
いて、この取付ねじ部の長さ(ねじリーチ)は精々19
〜20mm程度が最大であるが、最近になってこのねじ
リーチをさらに長くすることにより、スパークプラグの
放熱性能を改善する試みがなされている。
のロングリーチ化に伴い、アルミナ等のセラミックで構
成された絶縁体も長くならざるを得なくなる。この場
合、衝撃やスパークプラグ取付時に過度の捩じり力が作
用したりすると、絶縁体に割れやクラック等の破損が生
じやすくなる問題がある。例えば、絶縁体内部に抵抗体
を組み込んだスパークプラグの場合、絶縁体貫通孔内に
おいて端子金具と中心電極との間に抵抗体が配置される
のであるが、貫通孔内に位置する端子金具の先端エッジ
は、絶縁体に曲げ力が加わったときに抗折支点として作
用しやすいため、絶縁体の折損等が一層起こりやすい問
題がある。
チ化しても絶縁体の抗折強度を十分に確保することが可
能であり、ひいてはスパークプラグ取付時等においても
絶縁体折損等の不具合を生じにくい構造のスパークプラ
グを提供することにある。
題を解決するために本発明のスパークプラグは、軸状の
中心電極と、その外側を覆う軸状の絶縁体と、両端が開
放する筒状に形成され、中心電極の外側に配置される主
体金具と、その主体金具に結合されて中心電極との間に
火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えたスパー
クプラグにおいて、絶縁体の軸線方向において火花放電
ギャップの位置する側を前方側、これと反対側を後方側
として、主体金具の前端部外周面に形成される取付ねじ
部のねじリーチが25mm以上であり、また、絶縁体の
軸線方向中間の、主体金具内に位置する部分には、外向
きに突出する周方向のダイヤ部と、そのダイヤ部の前方
側に隣接する中胴部とが形成される一方、絶縁体の軸方
向に形成された貫通孔に対し、その後端部側に端子金具
が固定され、同じく前端部側に中心電極が固定され、ま
た、該貫通孔内において端子金具と中心電極との間に導
電性結合層が配置され、端子金具の先端縁は絶縁体の中
胴部内に入り込んで位置するとともに、端子金具の先端
縁に対応する位置における中胴部の外径をD、該中胴部
内における貫通孔の内径をdとして、 0.42≦(D−d)/D≦0.79 を満足するように、中胴部の肉厚が定められていること
を特徴とする。
(a)に示すように、絶縁体201には、主体金具20
0との加締め係合を行うために、フランジ状の径大部
(ダイヤ部と呼ばれる)201aが形成されており、そ
れよりも先端側に隣接して中胴部201bが形成され
る。ねじリーチが20mm以下のスパークプラグでは、
端子金具202は、その先端縁がダイヤ部201b内に
位置するように長さ調整がなされる。他方、ねじリーチ
が長くなると絶縁体201の中胴部201bも長くする
必要が生ずるが、抵抗体や導電性ガラスシール層等の導
電性結合層203の長さはその電気特性あるいは製造条
件の制約により自由に延長することができないから、端
子金具202bの先端部を延長する方法を採用すること
になる。
に、端子金具202bの先端部が、中胴部201b内に
進入する位置まで延長する構造が必須となった場合に、
ダイヤ部210aよりも薄肉の中胴部201b内に端子
金具202の先端エッジが位置することから、外部から
曲げ力が作用したときに、この先端エッジが抗折支点と
なってクラックC等が発生しやすくなる。特に、本発明
が対象とするねじリーチ25mm以上のロングリーチ型
スパークプラグでは、中胴部201bの長さも必然的に
大きくなることから、外力付加に伴う抗折支点への曲げ
モーメントも大きくなりがちであり、折損等の問題が非
常に生じやすくなっている。そこで、本発明において
は、端子金具の先端縁に対応する位置において中胴部の
肉厚を、前記した(D−d)/Dの値にて0.42以上
となるように十分大きく確保することで、絶縁体の曲げ
や衝撃に対する耐久強度が顕著に向上し、ひいてはスパ
ークプラグ取付時等においても絶縁体折損等の不具合を
生じにくくすることができるようになる。ただし、(D
−d)/Dの値が0.78を超えると、貫通孔の内径d
が小さくなり過ぎて中心電極の太さを十分に確保できな
くなり、スパークプラグの熱引き特性の悪化を招く不具
合を生ずる。なお、(D−d)/Dの値は、より望まし
くは0.43〜0.60に設定するのがよい。
構造を例示するために示した模式図であり、本件発明の
構成要件の公知性を表明するものではない。
面に示す実施例を参照して説明する。図1(a)〜
(c)は、本発明のスパークプラグの一実施例を示して
いる。なお、(a)はスパークプラグの外観正面図、
(b)はその縦断面図である。さらに(c)は、(b)
と同じ縦断面図により各部の寸法関係を示すためのもの
である。スパークプラグ100は、筒状の主体金具1、
先端部2iが突出するように主体金具1の内側に嵌め込
まれた絶縁体2、絶縁体2の内側に設けられた中心電極
3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合された接
地電極4等を備えている。また、接地電極4と中心電極
3との間には火花放電ギャップgが形成されている。以
下、絶縁体2の軸線Oの方向において火花放電ギャップ
gの形成される側を前方側、これと反対側を後方側とす
る。
軸線方向に自身を貫く貫通孔6が形成されており、その
後端部側に端子金具13が固定され、同じく前端部側に
中心電極3が固定されている。また、該貫通孔6内にお
いて端子金具13と中心電極3との間には抵抗体15が
配置されている。この抵抗体15の両端部は、導電性ガ
ラスシール層16,17を介して中心電極3と端子金具
13とにそれぞれ電気的に接続されている。これら導電
性ガラスシール層16,17及び抵抗体15が、導電性
結合層14を構成する。端子金具13の先端部外周面に
は雄ねじ状(あるいはローレット状)の係合部13aが
形成されており、導電性ガラスシール層17内に埋没す
ることで結合力の増強が図られている。
(及び必要に応じてガラス以外のセラミック粉末)とを
混合して、ホットプレス等により焼結して得られる抵抗
体組成物により形成される。なお、抵抗体15を省略し
て、一層の導電性ガラスシール層により端子金具13と
中心電極3とを一体化した構成としてもよい。この場合
は、その導電性ガラスシール層が導電性結合層を構成す
る。
により構成されている。絶縁体2の軸線方向中間には、
外向きに突出する周方向のダイヤ部2eがフランジ状に
形成されている。そして、絶縁体2には、該ダイヤ部2
eよりも後方側がこれよりも細径に形成された後方本体
部2bとされている。なお、該後方側本体部2bの外周
面には、コルゲーション2cが施されている。一方、ダ
イヤ部2eの前方側にはこれよりも細径の中胴部2g
と、その中胴部2gよりもさらに細径の先端部2iがこ
の順序で形成されている。先端部2iは、周方向の段部
2w(これは先端部2iに属するものとする)により中
胴部2gと接続され、その外周面は先端に向かうほど縮
径する円錐面状とされている。
の前端縁位置は、該ダイヤ部2eの外径最大となる部分
の軸線方向前端縁位置として定め、絶縁体2のそれより
も前方側に隣接する部分は中胴部2gに属するものとし
て取り扱う。本実施例では、ダイヤ部2eの外径最大と
なる部分は略円筒面状の外周面2pを形成しており、軸
線Oの方向において外周面2pの前方側端縁までがダイ
ヤ部2eに属する部分である。他方、後方本体部2bと
ダイヤ部2eとの境界位置は、両者をつなぐ段部状の接
続部2qの前端縁位置として定義する。従って、接続部
2qは後方側本体部2bに属するものとして取り扱う。
2eとの接続位置に形成され、該ダイヤ部2e側にて大
径となるように連続的又は段階的に軸断面寸法が変化す
る接続部2fと、その接続部2fに続く形で形成される
略均一な軸断面寸法を有する中胴本体部2hとを有す
る。本実施例では、中胴本体部2hの外周面は略円筒状
とされている。また、接続部2fは、テーパ状あるいは
凹曲面状に形成されている。
系材料、例えば低炭素鋼やJISG3539に規定され
た冷間圧造用炭素鋼線等を素材として円筒状に形成さ
れ、スパークプラグ100のハウジングを構成する。そ
の前端側外周面には、プラグ100を図示しないエンジ
ンブロックに取り付けるための取付ねじ部7が形成され
ている。取付ねじ部7の基端部にはリング状のガスケッ
トGが嵌め込まれる。また、その取付ねじ部7よりも後
方側において主体金具1の外周面には、周方向に沿うフ
ランジ状のガスシール部1gが外向きに突出して形成さ
れている。そして、そのさらに後方には薄肉の連結部1
hを経て、スパークプラグ100を取付ねじ部7におい
てシリンダヘッド側のねじ孔にねじ込むための、スパナ
やレンチ等の工具を係合させる工具係合部1eが周方向
に沿って外向きに突出する形態で形成されている。工具
係合部1eは略正六角状の軸断面形状を有し、六角部と
も称される。スパークプラグ100は、取付ねじ部7に
おいて図示しないシリンダヘッドに取り付けられ、燃焼
室に供給される混合気への着火源として使用される。こ
の際、ガスケットGは、ガスシール部1gとシリンダヘ
ッド側のねじ孔開口周縁部との間で圧縮されてつぶれる
ように変形し、ねじ孔と取付ねじ部7との間の隙間をシ
ールする役割を果たす。
の内孔40が軸方向に形成されている。また、その内孔
40の取付ねじ部7に対応する部分の内周面には、その
前方寄り中間位置に、周方向の凸条部1c(金具側係合
部)が形成されている。そして、凸条部1cよりも後方
側に位置する部分は、絶縁体2の中胴部2gを収容する
中孔部40aとされ、さらにその後方側は段部により拡
径されて、ダイヤ部2eを収容する大孔部40bとされ
ている。
の軸断面径よりも小さく設定されている。そして、絶縁
体2の貫通孔6は、中心電極3を挿通させる略円筒状の
第一部分6aと、その第一部分6aの後方側(図面上方
側)においてこれよりも大径に形成される略円筒状の第
二部分6bとを有する。端子金具13と抵抗体15とは
第二部分6b内に収容され、中心電極3は第一部分6a
内に挿通される。中心電極3の後端部には、その外周面
から外向きに突出して電極固定用凸部3aが形成されて
いる。そして、上記貫通孔6の第一部分6aと第二部分
6bとは、中胴部2g内において互いに接続しており、
その接続位置には、中心電極3の電極固定用凸部3aを
受けるための凸部受け面6cがテーパ面あるいはアール
面状に形成されている。
のダイヤ部2eよりも後方側に位置している。また、絶
縁体2は、主体金1へ後方側開口部から挿入されるとと
もに、絶縁体側係合部としての段部2wが、取付ねじ部
7内において主体金具1の内面から突出する凸条部1c
(金具側係合部)と係合して抜け止めされる。そして、
主体金具1の後端開口縁部がダイヤ部2eの後端面に直
接又は他部材を介して間接的に加締め止めされている。
体金具1側の金具側係合部としての凸条部1cとリング
状の板パッキン63を介して係合することにより、軸方
向の抜止めがなされている。他方、主体金具1の後方側
開口部内面と、絶縁体2の外面との間には、フランジ状
のダイヤ部2eの後方側周縁と係合するリング状の線パ
ッキン62が配置され、そのさらに後方側にはタルク等
の充填層61を介してリング状のパッキン60が配置さ
れている。そして、絶縁体2を主体金具1に向けて前方
側に押し込み、その状態で主体金具1の開口縁をパッキ
ン60に向けて内向きに加締めることにより加締め部1
dが形成され、主体金具1が絶縁体2に対して固定され
ている。
ねじリーチLthが25mm以上とされる。ねじリーチL
thは、主体金具1の軸方向においてガスシール部1gの
前端縁位置から当該主体金具1の前端縁位置までの長さ
として定義する。そして、このようにねじリーチLthを
長く形成する結果として、中胴部2gの長さも大きくな
り、また端子金具13の先端が中胴部2g内に入り込ん
で位置する形となっている。そして、端子金具13の先
端縁に対応する位置における中胴部2gの外径をD、該
中胴部内における前記貫通孔の内径をdとして、 0.42≦(D−d)/D≦0.79 ‥‥ を満足するように、中胴部2gの肉厚が定められてい
る。
0mm以下の通常のスパークプラグでは、端子金具20
2は、その先端縁がダイヤ部201bに対応して位置す
るように長さ調整がなされる。しかしながら、図1に示
す本実施例のスパークプラグ100のように、ねじリー
チLthが25mm以上に長くなると、上記の通り絶縁体
2の中胴部2gも長くする必要が生ずる。他方、中胴部
2g内に位置する抵抗体15の長さは、設定抵抗値の制
約により長さ変更を自由に行うことができないので、こ
れに対応するためには結局、端子金具13の先端部を延
長することで、抵抗体15との導通を確保する形になら
ざるを得ない。
平11−273827号公報に開示されているように、
主体金具からの絶縁体の後方突出長さを短くして、端子
金具の長さ増大を抑さえる方法もあるが、この方法では
絶縁体突出長さの縮小に伴いフラッシュオーバ等が発生
しやすくなるので、その防止対策も別途必要となる。そ
こで、本発明においては、端子金具13の先端縁を、中
胴部2g内に進入する位置まで延長する構造を必須の構
造として定めている。このようにすれば、ねじリーチL
thが25mm以上のスパークプラグにおいても、絶縁体
2の主体金具1からの後方突出長さLpを比較的大きく
確保でき、耐フラッシュオーバ性が向上する。しかし、
この場合は別の問題として、ダイヤ部2eよりも薄肉の
中胴部2g内に、抗折支点となる端子金具13の先端縁
が位置することから強度的な問題を生じやすくなる。そ
こで、端子金具13の先端縁に対応する位置における中
胴部2gの肉厚(以下、特に断りがない限り、これを単
に「中胴部の肉厚」という)を、(D−d)/Dの値が
0.42以上となるように確保することで、スパークプ
ラグ取付時等において絶縁体2に曲げや衝撃、あるいは
ねじり等がある程度強く作用しても、絶縁体2の特に中
胴部2gに折損等の不具合を生じにくくすることができ
る。なお、(D−d)/Dの値を0.78以下とするの
は、スパークプラグの熱引きが十分となるように中心電
極3の太さを確保するためである。(D−d)/Dの値
は、より望ましくは0.43〜0.60に設定される。
に確保しようとすれば、中胴部2gの外径Dを大きくせ
ざるを得なくなるが、中胴部2gを収容する取付けねじ
部7の呼びは、一般には、規格によりいくつかの固定値
が定められている。例えば、多くのスパークプラグは、
取付ねじ部の呼びがM10、M12及びM14のいずれ
かに設定されるようになっていて、ここに収容される中
胴部2gの外径Dに関しては、設計的な自由度はあまり
存在しないのが実情である。従って、絶縁体2の中胴部
2gの肉厚は、主に貫通孔の内径dの値を調整すること
によって調整される。なお、本明細書において取付ねじ
部の呼びは、ISO8470(M14)、同2705
(M12)及び同2704(M10)(他の寸法のもの
についてはJIS−B8031)に規定された値を意味
し、当然に、該規格に定められた寸法公差の範囲内での
変動を許容する。
て表した値をMとし、取付ねじ部7における主体金具1
の内径をDMとしたときに、該取付ねじ部7の肉厚は、 0.2≦(M−DM)/M≦0.5 ‥‥ となるようにが定めることが望ましい。(M−DM)/
Mが0.2未満では、取付ねじ部7の肉厚が小さすぎ
て、取付時の締付けトルクを受けた際の捩じり剛性が不
足し、絶縁体2の中胴部2gにもその捩じり力が大きく
及んで折損等の不具合を生じやすくなる。他方、(M−
DM)/Mが0.5を超えると、中胴部2gの外径Dが
不足し、(D−d)/Dの値を0.42以上に確保する
ことが困難となる。(M−DM)/Mは、望ましくは
0.3〜0.4の範囲とするのがよい。
る場合は、中胴部2gの外径Dは6.0〜7.0mm、
貫通孔6の内径は2.5〜3.5mm、両者の差D−d
は2.5〜4.5mmの範囲とするのがよい。また、取
付ねじ部7の呼びがM12である場合は、中胴部2gの
外径Dは7.0〜8.0mm、貫通孔6の内径は3.0
〜4.0mm、両者の差D−dは3.0〜5.0mmの
範囲とするのがよい。さらに、取付ねじ部7の呼びがM
14である場合は、中胴部2gの外径Dは9.0〜1
0.0mm、貫通孔6の内径は3.0〜4.5mm、両
者の差D−dは4.5〜7.0mmの範囲とするのがよ
い。
撃等が加わったときの耐久強度に影響を与える因子とし
ては、薄肉で細長い部材ほど折損しやすくなることから
推測できる通り、中胴部2gの長さL1も重要となる。
つまり、絶縁体2の機械的特性を良好に確保するために
は、貫通孔6の内径dによる肉厚調整に加え、中胴部2
gの長さL1もdの値に応じて最適化し、中胴部長と中
胴部肉厚とのバランスを保ちつつ強度を確保する考え方
が重要である。具体的には、中胴部2gの長さL1は、 2.7≦L1/(D−d)≦10 ‥‥ を満足していることが望ましい。L1/(D−d)が1
0を超えると、中胴部2gの肉厚(平均的には、(D−
d)/2にて表すことができる)に対し長さL1が大き
くなり過ぎ、僅かな衝撃でも折損等が生じやすくなる。
他方、L1/(D−d)が2.7未満では、肉厚に対す
る長さL1が小さすぎ、取付ねじ部7のロングリーチ化
に対応できなくなる。L1/(D−d)の値は、より望
ましくは3.0〜7.8に設定するのがよい。
絶縁体2の後端縁からダイヤ部の前端縁に至る絶縁体後
部長をLjとしたときに、 0.38≦L1/Lj≦0.72 ‥‥ を満足していることが望ましい。L1/Ljが0.72を
超えることは、中胴部長L1が過度に大きくなり過ぎる
か、あるいは絶縁体後部長Ljが過度に小さくなり過ぎ
ることを意味する。前者の場合は、中胴部2gに折損等
の不具合がより生じやすくなることにつながり、後者の
場合は、スパークプラグ100の耐フラッシュオーバ性
を損ねることがある。他方、L1/Ljが0.38未満に
なることは、これとは逆に中胴部長L1が過度に小さく
なり過ぎるか、あるいは絶縁体後部長Ljが過度に大き
くなり過ぎることを意味する。前者の場合は、取付ねじ
部7のロングリーチ化に対応できなくなる不具合を生じ
やすくなり、後者の場合は、スパークプラグ全体の寸法
が大きくなり過ぎて、エンジンルーム内等におけるスパ
ークプラグ100の取付けスペース上の問題を生じやす
くなる。L1/Ljの値は、より望ましくは0.4〜0.
7に設定するのがよい。なお、中胴部2gの機械的強度
を高める観点においては、上記の関係は前記の関係
と同時に成り立っていることが望ましい。
的に中胴部2g内へ少しでも進入しているスパークプラ
グであれば、上記した効果を発揮することができる。し
かしながら、その進入長さをLmとし、中胴部の長さを
L1としたときに、 0.1≦Lm/L1 となっているスパークプラグは、端子金具13の先端縁
に作用する抗折曲げモーメントもある程度大きく作用し
やすいため、本発明を適用したときの割れ防止等におけ
る波及効果が特に大きい。とりわけ、端子金具13の先
端縁が接続部2fの前端縁よりも突出しているスパーク
プラグにおいては、効果は一層顕著である。また、Lm
/L1が0.1未満になることは、取付ねじ部7が25
mm以上にロングリーチ化しているにも拘わらず、端子
金具13の先端部の進入長さLmが中胴部長さL1の10
%にも満たないことも意味しており、スパークプラグ各
部の寸法によっては、中胴部内に配置されるガラスシー
ル層16,17や抵抗体15等の導電性結合層14の長
さが大きくなり過ぎて、製造あるいは電気的特性の調整
が困難になることもありうる。
以下のような不具合が発生する場合がある。 (1)中胴部2g内に配置される導電性結合層14が抵抗
体15を含む場合には、その長さが小さくなり過ぎて抵
抗値調整が困難になる場合がある。 (2)端子金具13の先端部の進入長さLmを大きくするた
めは、絶縁体後部長Lの縮小、又は中胴部2gの延長が
必然的に伴う。前者の場合、その度合いが過度になる
と、スパークプラグ100の耐フラッシュオーバ性が損
なわれ、後者の場合は、中胴部2gが細長くなり過ぎて
曲げや衝撃が加わったときに折損等の不具合を生じやす
くなる。
線Oの方向の長さをLcとしたときに、取付ねじ部7の
ロングリーチ化に伴い端子金具13の先端縁が、軸線O
の方向において接続部2fのダイヤ部側開始位置から
0.9Lc以上離間して位置するように設計を行う場
合、とりわけ端子金具13の先端縁が中胴本体部2h内
にまで入り込んで位置させる場合に、接続部2fの形成
が端子金具先端縁位置での肉厚増加のをほとんどもたら
さないため、絶縁体折損等に対する注意が特に必要であ
る。そこで、端子金具13の先端縁位置における中胴部
2gの肉厚を、(D−d)/Dの値が前述のの範囲を
満足するように調整することにより、本発明の効果が一
層顕著に発揮される。
調整されている(括弧内は、図1における実施例値であ
る) ・取付ねじ部7の呼び:M10、M12、M14(M1
2)。 ・取付ねじ部7における主体金具1の内径DM:6mm
〜10mm(7.5mm)。 ・(M−DM)/M:0.3〜0.5(0.38)。 ・取付ねじ部7のねじリーチLth:25mm〜35mm
(26.5mm)。 ・絶縁体2の全長Ltot:50mm〜75mm(68m
m)。 ・中胴部2gの長さL1:12mm〜25mm(20m
m)。 ・後方突出長さLp:20mm〜35mm(25m
m)。 ・先端部2iの長さL2:2mm〜25mm(12m
m)。 ・ダイヤ部2eの外径de:12mm〜16mm(13
mm)。 ・中胴部2gの外径D:6mm〜10mm(7.3m
m)。 ・貫通孔dの内径d:2.5mm〜4.5mm(3.9
mm)。 ・端子金具13の先端部の中胴部2g内への進入長さL
m:20mm以下(2.5mm)。 ・(D−d)/D:0.42〜0.78(0.47)。 ・L1/(D−d):2.7〜10(5.9)。 ・L1/Lj:0.4〜0.72(0.56)。 ・Lm/L1:0.1〜0.5(0.13)。
を示している。該スパークプラグ200は、いわゆるセ
ミ沿面放電型スパークプラグとして構成され、接地電極
4を複数備えるとともに、各々絶縁体2の先端部を間に
挟んで中心電極3の側面と先端側が対向するように配置
されている。この実施例では、接地電極4は中心電極3
の両側に各1ずつの計2つ設けられており(すなわち、
多極スパークプラグの一種でもある)、それぞれ端面
が、絶縁体2を介して中心電極3の側面とほぼ平行に対
向するように曲げて形成される一方、他端側は主体金具
1に対して溶接等により固着・一体化されている。絶縁
体2は先端部が中心電極3の側面と接地電極4の端面と
の間に入り込む位置関係で配置されている。他の構成要
素は、寸法を除いて概念的には図1のスパークプラグ1
00と同じであり、対応する要素に同じ符号を付与して
詳細な説明は省略する。このスパークプラグ200にお
いては、例えば、中心電極3側が負、接地電極4側が正
となるように放電用高電圧が印加されると、接地電極4
の端面と中心電極3との間で放電により火花が絶縁体2
の先端部表面に沿う経路でも伝播するので、耐汚損性が
向上する。
は、例えば次の通りである。 ・取付ねじ部7の呼び:M14。 ・取付ねじ部7における主体金具1の内径DM:9.5
mm。 ・(M−DM)/M:0.32。 ・取付ねじ部7のねじリーチLth:29.5mm。 ・絶縁体2の全長Ltot:72.5mm。 ・中胴部2gの長さL1:22.5mm。 ・後方突出長さLp:25mm。 ・先端部2iの長さL2:14mm。 ・ダイヤ部2eの外径de:13mm。 ・中胴部2gの外径D:9.2mm。 ・貫通孔dの内径d:3.9mm。 ・端子金具13の先端部の中胴部2g内への進入長さL
m:5.5mm。 ・(D−d)/D:0.58。 ・L1/(D−d):4.2。 ・L1/Lj:0.63。 ・Lm/L1:0.24。
条件を満足するD及びdの組合せ設定例を表1に示
す。また、条件を満足するL1及び(D−d)の組合
せ設定例を表2に示す。さらに、条件を満足するL1
及びLjの組合せ設定例を表3に示す。
の実験を行った。すなわち、図1に示すスパークプラグ
において、各部の寸法を表4に示す各種値に調整した試
験品を作成した。いずれの試験品も、ねじリーチが2
6.5mmあるいはそれ以上の長さに設定されており、
端子金具13の先端部の中胴部2g内への進入が生じて
いる。そして、各試験品に対して以下のような衝撃試験
を行った。すなわち、図5に示すように、各スパークプ
ラグ100の取付ねじ部7を試験品固定台303のねじ
孔303aにねじ込み、絶縁体2の後方側本体部2bが
上向きに突出するように固定する。そして、その後方側
本体部2bのさらに上方において、絶縁体2の中心軸線
O上に位置する軸支点302に対し、先端に鋼製のハン
マー300を取り付けたアーム301を旋回可能に取り
付ける。なお、アーム301の長さは330mm、ハン
マー300の重量は1.13kgであり、絶縁体2の後
方側本体部2bに降り下ろしたときのハンマー位置が、
コルゲーション2cの第一山位置に対応するように、軸
支点302の位置が定められている。そして、アーム3
01の中心軸線Oからの旋回角度が所定値となるように
ハンマー300を持ち上げて、後方側本体部2bに向け
て自由落下により降り下ろす操作を、角度を徐々に大き
くしながら繰り返し、絶縁体に割れが生ずる限界角度θ
を求めた。なお、判定は、θが30°以上のものを合格
とした。以上の結果を表4に示す。
0.79を満足する試験品は、いずれも限界角度θが3
0°以上であり、絶縁体が衝撃割れを起こしにくくなっ
ていることがわかる。
及びその縦断面図。
図及びその縦断面図。
端位置の変化の様子を説明する模式図。
Claims (3)
- 【請求項1】 軸状の中心電極と、その外側を覆う軸状
の絶縁体と、両端が開放する筒状に形成され、前記中心
電極の外側に配置される主体金具と、その主体金具に結
合されて前記中心電極との間に火花放電ギャップを形成
する接地電極とを備えたスパークプラグにおいて、 前記絶縁体の軸線方向において前記火花放電ギャップの
位置する側を前方側、これと反対側を後方側として、前
記主体金具の前端部外周面に形成される取付ねじ部のね
じリーチが25mm以上であり、また、前記絶縁体の軸
線方向中間の、前記主体金具内に位置する部分には、外
向きに突出する周方向のダイヤ部と、そのダイヤ部の前
方側に隣接する中胴部とが形成される一方、 前記絶縁体の軸方向に形成された貫通孔に対し、その後
端部側に端子金具が固定され、同じく前端部側に前記中
心電極が固定され、また、該貫通孔内において前記端子
金具と前記中心電極との間に導電性結合層が配置され、
前記端子金具の先端縁は前記絶縁体の前記中胴部内に入
り込んで位置するとともに、 前記端子金具の先端縁に対応する位置における中胴部の
外径をD、該中胴部内における前記貫通孔の内径をdと
して、 0.42≦(D−d)/D≦0.79 を満足するように、前記中胴部の肉厚が定められている
ことを特徴とするスパークプラグ。 - 【請求項2】 前記取付ねじ部の呼びがM10、M12
及びM14のいずれかである請求項1記載のスパークプ
ラグ。 - 【請求項3】 前記中胴部の長さL1は、 2.7≦L1/(D−d)≦10 を満足し、かつ前記軸線方向において、前記絶縁体の後
端縁から前記ダイヤ部の前端縁に至る絶縁体後部長をL
jとしたときに、 0.38≦L1/Lj≦0.72 を満足する請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
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