JP4351272B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に組み付けられて混合気への点火を行うためのスパークプラグに関するものである。
従来、自動車のエンジン等の内燃機関には点火のためのスパークプラグが用いられている。一般的なスパークプラグは、自身の先端側に火花放電のための電極を形成する中心電極と、その中心電極を軸孔内に保持する絶縁碍子と、この絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持する主体金具とを有している。そして、主体金具の外周面に形成されたねじ山をエンジン側のスパークプラグの取付孔に形成される雌ねじに螺合させることにより、スパークプラグがエンジンに取り付けられ、火花放電による混合気への点火が行われる。
近年、内燃機関の高出力化や省燃費化が進み、排気効率向上のための排気弁の大径化や冷却効率向上のためのウォータージャケットの密集化など、エンジン側の設計の自由度の確保の点から取付孔の小径化が求められている。そこで、小径化の難しいねじ山を主体金具の外周面の後端側に配置させ、先端側の外周面をねじなし(非形成)としたスパークプラグが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、主体金具の先端(切頭円錐形部分)をテーパ状に構成し、その先端から、別体で細径のスリーブを軸合わせした状態で突出させると共に係止させ、この状態で、スリーブの先端側にて火花放電が行われるようにすることで、主体金具よりも先端側の構成の小径化を実現している。このようにすれば、取付孔内にてスリーブが配置される部位であって燃焼室に近い側の部位の内径を小さくすることができ、その周辺に配置する部品のレイアウトの自由度を高め、排気弁の大径化やウォータージャケットの密集化を図ることができる。
一方、同様に、主体金具の外周面の後端側にねじ山を配置させて先端側の外周面をねじなし(非形成)とし、この先端側においてテーパ状のシール部(段部)を設け、その段シール部よりもさらに先端側の部分の外径を小さくしたスパークプラグも知られている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2では、このシール部が取付孔の内周面に設けた段部に当接し、スパークプラグ自身を係止させると共に燃焼室の封止を行う構成であるが、そのシール部をより燃焼室に近づけて、燃焼室から見た取付孔の内周面と主体金具の外周面との間のクリアランスの奥行きを規制している。このようにすれば、内燃機関の稼働時に燃焼ガスや煤等の異物がクリアランス内に入り込む量を制限することができ、熱伝導率の低下を防止してスパークプラグの熱引きを良好に行うことができる。
特表2000−504875号公報 特開2006−12464号公報
しかしながら、特許文献1のスパークプラグでは、スリーブと主体金具とが別体であるため、主体金具の軸線とスリーブの軸線との間に軸ずれが生ずる虞がある。このため、取付孔の内径とスリーブの外径との差の精度を高めるとスパークプラグの取り付け時に挿入が困難となる場合があるため、両者間のクリアランスを大きく取らざるを得ない。すると、内燃機関の稼働時に、燃焼ガスや煤等の異物がクリアランス内に入り込み、熱伝導率が低下してスパークプラグが蓄熱してしまう場合がある。
一方、特許文献2のスパークプラグでは、シール部を燃焼室に近づける構成であるため、シール部より後端側の外径の大きな部位が燃焼室に近い位置まで配置されることとなり、その周辺における他の部品の配置レイアウトの自由度が低下し、延いてはエンジン設計の自由度が低下するという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、主体金具の小径化によりエンジン設計の自由度を高めつつも熱引きを良好に行うことができるスパークプラグを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のスパークプラグは、中心電極と、軸線方向に延びる軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔内の先端側に保持する絶縁碍子と、前記軸線方向に延びる筒孔を有し、当該筒孔内に前記絶縁碍子の少なくとも一部を保持する主体金具とを備えたスパークプラグであって、前記主体金具は、自身の外周面の少なくとも一部に、雌ねじが形成された内燃機関の取付孔に螺合するためのねじ山が形成された取付部と、前記取付部の先端側にて前記取付部と一体に、且つ前記取付部よりも小径に形成される筒状部と、前記筒状部と前記取付部との間の外周面を接続し、テーパ状に形成されるシール部と、自身の後端に設けられ、加締めにより前記絶縁碍子を前記筒孔内に保持するための加締め部と、前記取付部と前記加締め部との間に設けられ、前記加締め部の加締めと共に変形する座屈部とを有し、前記取付部に形成された前記ねじ山の前記軸線方向における長さをAとし、前記筒状部の前記軸線方向における長さをBとしたときに、A<Bが満たされることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のスパークプラグは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記主体金具は、前記筒孔の内周面に、前記加締め部の加締めによって前記加締め部との間で前記絶縁碍子を前記軸線方向に挟んで保持するため、内側に向けて棚状に突設された棚部を有し、前記軸線方向において、前記絶縁碍子の先端位置と前記棚部の形成位置との間の長さをCとしたときに、B>Cが満たされることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のスパークプラグは、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記軸線方向において、前記主体金具の前記シール部は、前記棚部よりも後端側にあることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のスパークプラグは、請求項2または3に記載の発明の構成に加え、前記軸線方向における前記ねじ山の長さAが、10≦A≦20(mm)を満たし、前記軸線方向における前記筒状部の長さBが、12≦B≦30(mm)を満たすと共に、前記軸線方向における前記絶縁碍子の先端位置と前記棚部の形成位置との間の長さCが、C≦12mmを満たすことを特徴とする。
請求項1に係る発明のスパークプラグでは、主体金具を構成する取付部と、その取付部の先端側にて取付部よりも小径の筒状部とが一体に形成されているので、取付部と筒状部との間において軸ずれが生じない。また、主体金具の後端に設けられた加締め部を加締めることにより主体金具の筒孔内に絶縁碍子が保持されるが、その加締めと共に変形される座屈部が取付部よりも後端側に設けられているため、取付部と筒状部との位置関係は不変であり、座屈部の変形による軸ずれが生ずることはない。このため、内燃機関の取付孔の形成精度を高め、取付孔にスパークプラグを取り付けた場合の筒状部の外周面と取付孔の内周面との間のクリアランスをより小さく構成しても、スパークプラグの取り付けが困難とはなり難い。そしてクリアランスを小さくできれば、内燃機関の稼働に伴う燃焼ガスや煤等の異物をクリアランスに入り込ませ難くすることができる。従って、クリアランスを介した筒状部と取付孔との間の熱伝導率は低下し難くなり、筒状部からでも十分にスパークプラグの熱引きを行うことができる。
もっとも、取付孔の内周面と筒状部の外周面とが密接しているわけではないので、より効果的な熱引きを行うことができる構成として、筒状部の軸線方向における長さが、取付部に形成されたねじ山の軸線方向における長さよりも長く形成されていることが望ましい。上記のような長さ条件を有することにより、筒状部の外周面は、広い面積をもって取付孔の内周面に対し近接配置(一部は密接配置となる場合もある。)されることとなる。この筒状部より後端側には取付孔に密接するシール部が設けられており、燃焼室からの熱が筒状部内を伝達されシール部から取付孔へ逃がされる過程において、その一部の熱を筒状部から効果的に取付孔へ逃がすことができ、スパークプラグ全体としての熱引き性能を高め、プレイグニッションを防止することができる。さらに、小径の筒状部を長く形成することにより、取付孔の先端側において内径の小さい部位を長く確保することができ、その部位周辺における他の部品の配置レイアウトの自由度を高め、延いてはエンジン設計の自由度を高めることができる。
また、燃焼室から絶縁碍子に伝えられる熱を効果的に主体金具に逃がすには、軸線方向において、絶縁碍子を支持する棚部が筒状部の途中に設けられていることが望ましい。こうした構成を実現するには、請求項2に係る発明のように、軸線方向において筒状部の長さが絶縁碍子の先端位置と棚部の形成位置との間の長さよりも長く形成されていることが望ましい。上記のように筒状部では取付孔へ熱引きが行われており、その筒状部の途中に棚部が形成されることにより、絶縁碍子よりは低温となる筒状部への熱の移動を円滑に行うことができる。これにより、絶縁碍子は比較的早い段階、すなわち熱源となる燃焼室により近い位置にて短い経路を辿り自身の熱を主体金具へ逃がすことができるので、スパークプラグの耐熱性を高めることができる。
上記のようにシール部における熱引きよって、筒状部ではシール部へ向かって熱が移動するが、棚部を介し絶縁碍子から筒状部に移動した熱も、その移動の経路に合流することとなる。このとき請求項3に係る発明のように、軸線方向においてシール部が棚部よりも後端側にあることにより、熱の移動経路がその合流位置において燃焼室すなわち熱源から遠ざかる方向となるため熱の移動を円滑に行うことができ、絶縁碍子の熱引きをより効果的に行うことができる。
このようなスパークプラグでは、請求項4に係る発明のように、10≦A≦20(mm)を満たし、12≦B≦30(mm)を満たすと共に、C≦12mmを満たすことが望ましい。Aが10mm未満であると、スパークプラグを規定の締め付けトルクで内燃機関の取付孔に締め付けたときに、主体金具のねじ山と、取付孔の雌ねじとの接触面間に生ずる面圧が大きくなって、ねじ山あるいは雌ねじに塑性変形を生じてしまう虞がある。するとねじ山と雌ねじとの間で面圧を維持できなくなり、締め付け状態に緩みを生じてしまい、燃焼室内の気密性の維持ができなくなる虞がある。
また、一般に、ねじの締め付けを行った場合、ねじ山のうち軸線方向の後端側に形成されたものほど強い面圧がかかった状態となる。スパークプラグがエンジンヘッドに取り付けられエンジンが始動し熱負荷が掛かると、その部位を基点にねじ山と雌ねじとがそれぞれ延びることとなる。主体金具と内燃機関の取付孔が形成されるエンジンヘッドとは通常、材質が異なるため熱膨張率が異なり、熱負荷によって生ずるねじ山全体の延びと雌ねじ全体の延びとの間には差が生ずる。さらに軸線方向の先端側ほど燃焼室に近く高温となるため、熱膨張率の差による延びの差は先端側ほど大きくなる。このため、ねじ山のうち軸線方向の先端側のねじ山ほど雌ねじとのずれが大きくなり、強い面圧がかかる。このずれは、ねじ山の長さAが長いほど顕著となり、ねじ山の長さAが20mmより大きくなると、軸線方向先端側のねじ山に大きな面圧がかかって塑性変形を生じ、ひいては締め付け状態に緩みを生じ、取付孔を介した燃焼室内の気密性を維持できなくなる虞がある。
次に、筒状部の長さBが小さくなれば、筒状部内における熱の移動経路が短くなるため、筒状部自身の熱引きを行う点では有利となる。しかし、その移動経路において、筒状部の外周面を介して取付孔側に引かれる熱量が少なくなることから、筒状部からシール部を介して取付孔側に引かれる熱量が相対的に多くなる。このため、シール部を介して熱引き可能な絶縁碍子由来の熱量が相対的に少なくなる。筒状部の長さBが12mm未満ではこのような減少が顕著となり、絶縁碍子の熱引きを十分に行えなくなる虞がある。
また、上記のように取付部と筒状部は一体に形成されているが、筒状部が軸線方向に長くなるほど、両者の軸ずれを防止する上で、主体金具の成形精度をより高くする必要が生ずる。Bが30mmより大きくなると、取付部と筒状部との間に軸ずれが生じ、筒状部の外周面の一部が取付孔の内周面に接触した場合、その接触部位とは反対側の部位では両者の間隙が大きくなってしまい、その間隙に煤等が進入すると、筒状部の外周面と取付孔の内周面との固着を招く虞がある。
また、絶縁碍子からの熱引きを効果的に行うにはCが12mm以下であることが望ましく、Cが12mmより大きいと、絶縁碍子の受けた熱を主体金具側へ伝達する際に、絶縁碍子内で熱が移動する経路が長くなってしまい、絶縁碍子自体の耐熱性の低下を招く虞がある。
以下、本発明を具体化したスパークプラグの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1,図2を参照して、一例としてのスパークプラグ100の構造について説明する。図1は、スパークプラグ100の部分断面図である。図2は、スパークプラグ100を内燃機関のエンジンヘッド200に組み付けた状態を示す断面図である。なお、図1において、スパークプラグ100の軸線O方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側(前方)、上側を後端側(後方)として説明する。
図1に示すスパークプラグ100は、後述する主体金具50の取付部52に形成されるねじ山の呼び径がM12である小径のものである。スパークプラグ100は、概略、自身の軸孔12内の先端側に中心電極20を保持し、後端側に端子金具40を保持した絶縁碍子10を、その絶縁碍子10の径方向周囲を主体金具50で取り囲んで保持した構造を有する。また、主体金具50の先端面57には接地電極30が接合されており、その先端部31側が中心電極20の先端に設けられた貴金属チップ91を臨むように屈曲されている。
まず、このスパークプラグ100の絶縁体を構成する絶縁碍子10について説明する。絶縁碍子10は周知のようにアルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線O方向へ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線O方向の中央より後端側には外径の最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側(図1における上側)に後端側胴部18が形成されている。鍔部19より先端側(図1における下側)には後端側胴部18よりも外径の大きな第1先端側胴部17、およびその第1先端側胴部17よりも外径が小さく、後端側胴部18よりも外径の小さな第2先端側胴部16が形成されている。更にその第2先端側胴部16よりも先端側に、第2先端側胴部16よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径されており、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド200(図2参照)に取り付けられた際には、その燃焼室210内に晒される。そして、脚長部13と第2先端側胴部16との間は段部15として形成されている。
次に、中心電極20について説明する。中心電極20は、インコネル(商標名)600または601等のニッケル系合金等で形成され、内部に熱伝導性に優れる銅等からなる金属芯23を有している。中心電極20は、その軸線がスパークプラグ100の軸線Oと一致するように絶縁碍子10の軸孔12内の先端側にて保持されている。中心電極20の先端部22は絶縁碍子10の先端部11の先端面14から突出され、その突出部分は先端側に向かって径小となるように形成されている。この突出部分の先端には耐火花消耗性を向上するための貴金属チップ91が接合されている。
また、中心電極20は、軸孔12の内部に設けられたシール体4およびセラミック抵抗3を経由して、上方の端子金具40に電気的に接続されている。この端子金具40にはプラグキャップ(図示外)を介して高圧ケーブル(図示外)が接続され、高電圧が印加されるようになっている。
次に、接地電極30について説明する。接地電極30は、耐腐食性の高い金属から構成された棒状の電極であり、一例として、インコネル(商標名)600または601等のニッケル合金が用いられる。この接地電極30は自身の長手方向の横断面が略長方形に形成されており、自身の基端部32が、主体金具50の先端面57(筒状部55の先端側の面)に溶接により接合されている。また、接地電極30の先端部31は、内面33側が中心電極20の先端部22を臨むように屈曲され、その内面33に接合された電極チップ92と、中心電極20の先端部22に接合された貴金属チップ91との間で火花放電間隙が形成されている。
次に、主体金具50について説明する。図1,図2に示すように、主体金具50は、内燃機関のエンジンヘッド200にスパークプラグ100を固定するための筒状の金具であり、自身の先端面57より絶縁碍子10の先端部11を突出させた状態で、脚長部13から鍔部19にかけての部位の周囲を取り囲むようにして、絶縁碍子10を自身の筒孔59内に保持している。主体金具50は低炭素鋼材より形成されており、略中央から後端側にかけて、太径の取付部52が形成されている。この取付部52の外周面のうち、略中央から後端にかけての部位には雄ねじ状のねじ山60が形成されている。ねじ山60は、内燃機関の上部に設けられるエンジンヘッド200の取付孔205のうち、燃焼室210から遠い側の太径部201に形成された雌ねじ202と螺合して、主体金具50を取付孔205内に固定するためのものである。なお、主体金具50は耐熱性を重視し、ステンレスやインコネル等を用いてもよい。
取付部52よりも先端側には、取付部52より細径の筒状部55が設けられている。この筒状部55は、スパークプラグ100がエンジンヘッド200の取付孔205に取り付けられた際に、その取付孔205の太径部201よりも燃焼室210側で細径の細径部203内に配置される。そして筒状部55と取付部52との間には、テーパ状のシール部54が形成されている。このシール部54は、取付孔205の細径部203と太径部201との間でテーパ状に形成された段部204に当接し、取付孔205を介した燃焼室210内の気密漏れを防止するためのものである。
また、取付部52の後端側には、図示外のスパークプラグレンチが嵌合する工具係合部51が形成されている。工具係合部51より後端側には薄肉の加締め部53が設けられており、工具係合部51と取付部52との間には薄肉の座屈部58が設けられている。一方、筒状部55の形成位置における筒孔59の内周面には、内側に向けて棚状となるように内周面を周方向に一周して突設された棚部56が形成されている。絶縁碍子10が筒孔59内に保持される際には、この棚部56に、絶縁碍子10の段部15が環状の板パッキン8を介して支持される。そして、加締め部53の端部を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、加締め部53の内面側が絶縁碍子10の鍔部19に当接し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。この加締めの際に座屈部58は加熱され、圧縮力の付加に伴い膨らむように変形されることで、加締め部53による圧縮ストロークを稼ぐ。これにより、筒孔59内において加締め部53と棚部56との間で絶縁碍子10が確実に挟まれ保持されて、主体金具50と絶縁碍子10とは一体となる。板パッキン8により主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は保持され、筒孔59を介した燃焼ガスの流出が防止される。
このような構造を有する本実施の形態のスパークプラグ100では、主体金具50の取付部52よりも先端側に形成された筒状部55が、取付部52と一体に形成されたことによって、両者間にて軸ずれが生じない構成となっている。これにより、取付孔205の内周面と主体金具50の外周面との径差の精度を高め、両者間のクリアランスを小さく構成しても、取付孔205へのスパークプラグ100の取り付けが困難とはなり難い。ところで、燃焼室210内での燃料の燃焼に伴い生じる、主体金具50に伝達された熱を、主体金具50からエンジンヘッド200に逃がす過程において、熱の伝達はエンジンヘッド200と主体金具50とが密接している部位において有利に行われる。つまり、図2に示すように、主体金具50のシール部54と取付孔205の段部204との間や、主体金具50の取付部52のねじ山60と取付孔205の太径部201の雌ねじ202との間において、取付孔205と主体金具50とが密接状態にあり、この部位で有利に熱引きが行われる。本実施の形態では、主体金具50の先端側に筒状部55を設けたことにより、筒状部55の無い場合と比べシール部54やねじ山60が燃焼室210側より遠ざかる構成となる。従って、これらシール部54やねじ山60を介した熱引きを行う上で主体金具50内を流れる熱の移動経路が長くなるので、熱引き性能が低下する虞がある。そこで、シール部54やねじ山60からの熱引きに加え、筒状部55からも効率のよい熱引きが行えるように、各部の大きさや配置関係を規定している。
まず、筒状部55の軸線O方向における長さを長くすることにより、筒状部55から取付孔205の細径部203への熱引きが広範囲にわたって行えるようにしている。具体的には、軸線O方向における筒状部55の長さBを、取付部52に形成されたねじ山60の長さAよりも長くなるように構成している。このようにA<Bが満たされるように構成することにより、少なくともねじ山60と取付孔205との軸線O方向における接触範囲分の長さ範囲を、そのねじ山60の形成位置よりも燃焼室210寄りにある筒状部55にて確保できる。そして、筒状部55の外周面が、広範囲すなわち広い面積をもって取付孔205の細径部203の内周面と向かい合うことで、効率的な熱引きが可能な構成とすることができる。なお、ねじ山60の長さAは、軸線O方向において、取付部52に形成されたねじ山60の両端の形成開始位置を基準としている。また、筒状部55の長さBは、軸線O方向において、主体金具50の先端面57(すなわち筒状部55の先端面に相当する。)と、筒状部55およびシール部54の間の境目とを基準としている。
また、本実施の形態では、主体金具50の筒状部55が取付部52と一体となって構成されているため、取付部52と筒状部55との間において軸ずれが生じない。さらに、座屈部58が取付部52よりも後端側に配置されていることにより、加締め部53の加締めの際に座屈部58を変形させても、取付部52と筒状部55との位置関係が不変であるため両者間に軸ずれを生じされることはない。このように取付部52と筒状部55との軸ずれを防止した構造により、取付孔205の細径部203の内周面と主体金具50の筒状部55の外周面との間のクリアランスをより小さくし、両者を近接させる構成が可能となる。そしてクリアランス内に燃焼ガスや煤等の異物を入り難くすることができるため、熱の伝達効率を低下させることなく熱引きを行うことも可能となる。従って、上記のようにシール部54やねじ山60にて熱引きが行われるにあたり、燃焼室からの熱は筒状部55内を伝達されるが、その過程において一部の熱を筒状部55から取付孔205の細径部203へ逃がすことが可能となる。
また、後述する実施例1および実施例2の結果に基づくと、ねじ山60の長さAと筒状部55の長さBとがA<Bを満たした上で、10≦A≦20(mm)を満たすと共に、12≦B≦30(mm)を満たすことが望ましいことがわかった。ねじ山60の長さAが小さくなれば、ねじ山60と取付孔205の雌ねじ202との接触面積は、比較的小さくなる。後述する実施例1によれば、特にねじ山60の長さAが10mmより小さくなると、スパークプラグ100を規定の締め付けトルクでエンジンヘッド200に締め付けた場合、ねじ山60と雌ねじ202との接触面間に生ずる面圧が大きくなって、ねじ山60あるいは雌ねじ202に塑性変形を生じてしまう虞があることがわかった。するとねじ山60と雌ねじ202との間で面圧を維持できなくなり、締め付け状態に緩みを生じてしまい、取付孔205を介した燃焼室内の気密性の維持ができなくなる虞がある。
一方、主体金具50とエンジンヘッド200とは通常、材質が異なるため熱膨張率が異なり、エンジン駆動時の熱によって生ずるねじ山60全体の延びと雌ねじ202全体の延びとの間には差が生ずる。一般に、ねじの締め付けを行った場合、ねじ山のうち軸線O方向の後端側に形成されたものほど強い面圧がかかった状態となっており、この状態で熱負荷が掛かると、その部位を基点にねじ山と雌ねじとがそれぞれ延びることとなる。さらに軸線O方向の先端側ほど燃焼室210に近く高温となるため、熱膨張率の差による延びの差が大きくなる。このため、ねじ山60のうち軸線O方向の先端側のねじ山60ほど、雌ねじ202とのずれが大きくなり、強い面圧がかかる。このずれは、ねじ山60の長さAが長いほど顕著となり、後述する実施例1によれば、ねじ山60の長さAが20mmより大きくなると、軸線O方向先端側のねじ山60に大きな面圧がかかって塑性変形を生じ、ひいては上記同様に締め付け状態に緩みを生じ、気密性が維持できなくなる虞があることがわかった。
また、筒状部55の長さBが小さくなれば、筒状部55内における熱の移動経路が短くなるため、筒状部55自身の熱引きを行う点では有利となる。しかし、その移動経路において、筒状部55からエンジンヘッド200の細径部203側へ引かれる熱量が少なくなることから、筒状部55からシール部54を介してエンジンヘッド200の段部204側に引かれる熱量が相対的に多くなる。換言すると、シール部54において処理される筒状部55由来の熱量が多くなる。ところで、絶縁碍子10が受けた熱は、棚部56を介して主体金具50側に伝達され、筒状部55自身の熱の移動経路に合流してシール部54を介し、エンジンヘッド200側へ熱引きされることとなる。このため、シール部54に流れ込む筒状部55からの熱量が多くなれば、棚部56を介して絶縁碍子10からシール部54に流れ込む熱量は相対的に少なくなってしまう。換言すると、シール部54において処理する筒状部55由来の熱量が増えるため、絶縁碍子10由来の熱をシール部54において処理可能な量が相対的に少なくなる。このため、絶縁碍子10の熱引きを十分に行えなくなる虞がある。
特にシール部54が棚部56よりも軸線O方向の先端側に配置される構成となると、相対的に筒状部55の長さが短くなり、筒状部55由来の熱は、そのほとんどがシール部54に流れ込むこととなる。筒状部55における熱の移動経路が短くなるので、筒状部55自身の熱引きは良好となるが、その一方で、絶縁碍子10由来の熱はシール部54を介してさらに熱引きされにくくなる。シール部54を介して熱引き可能となる絶縁碍子10由来の熱量を増やすには、筒状部55の長さBを確保して、筒状部55自身の熱の一部を細径部203側へ逃がし、シール部54に流れ込む筒状部55由来の熱量を減らせばよい。具体的には、後述する実施例2に基づくと、筒状部55の長さBを12mm以上とするとよい。
一方、筒状部55から細径部203側へ熱を効率よく逃がすためには、取付孔205の内周面と筒状部の外周面とが近接配置となることが好ましい。そのためには主体金具50において取付部52と筒状部55との軸ずれを防止する必要があるが、筒状部55の長さBが大きくなるほど両者の軸ずれを防止するには、主体金具50を作製する上で、より高い成形精度が必要とされる。軸ずれが生ずると、筒状部55の外周面の一部が取付孔205の内周面と接触するため、その接触部位とは反対側の部位では両者の間隙が大きくなって煤等の進入が容易となり、筒状部55の外周面と取付孔205の内周面との固着を招く虞がある。後述する実施例2によると、取付部52と筒状部55との軸ずれを防止し、成形精度を高く維持するためには、具体的に、筒状部55の長さBを30mm以下とすることが望ましい。
次に本実施の形態では、軸線O方向において、筒状部55の長さBは、絶縁碍子10の先端位置(先端面14)から棚部56の形成位置までの長さCよりも大きくなるように構成されている。つまり棚部56は、筒孔59の内周面で筒状部55の位置において形成されることとなる。燃焼室210内での燃料の燃焼によって主体金具50のみならず絶縁碍子10も熱せられるが、その熱は、絶縁碍子10の段部15から板パッキン8を介して棚部56より主体金具50に伝達され、エンジンヘッド200に逃がされる経路を通る。上記のように自身の外周面を介して直接熱引きが行われるため比較的低温となりやすい筒状部55に、絶縁碍子10由来の熱が主体金具50側へ流れ込む棚部56が設けられることで、絶縁碍子10由来の熱が筒状部55側へ円滑に流れ込むことが可能となる。また、軸線O方向においてシール部54が棚部56よりも後端側にあることにより、熱の移動経路がその合流位置において燃焼室210すなわち熱源から遠ざかる方向となるため熱の移動を円滑に行うことができ、絶縁碍子10の熱引きをより効果的に行うことができる。
この筒状部55は熱源となる燃焼室210に近い位置に配置されるため、絶縁碍子10から主体金具50側への熱引きは比較的早い段階において短い経路を辿って行われることとなる。上記したように、シール部54が棚部56よりも軸線O方向の先端側に配置される構成となると、筒状部55自身のエンジンヘッド200側への熱引きは良好となるものの、絶縁碍子10から主体金具50側への熱引きが難しくなる。後述する実施例3に基づくと、具体的に、軸線O方向における絶縁碍子10の先端面14から棚部56の形成位置までの長さCは、12mm以下とすればよい。なお、長さCについて、棚部56の形成位置は、板パッキン8を介した絶縁碍子10の段部15との対向面の中央の位置を基準としている。
このように、軸線O方向におけるねじ山60の長さA、筒状部55の長さB、および絶縁碍子10の先端面14から棚部56の形成位置までの長さCについてそれぞれ規定したことによる効果を確認するため、以下の評価試験を行った。
[実施例1]
まず、軸線O方向におけるねじ山60の長さAを異ならせることにより生じ得る影響について確認するため評価試験を行った。この評価試験では、筒状部の長さBを22mm、絶縁碍子の先端面から棚部の形成位置までの長さCを12mmに固定し、ねじ山の長さAのみを異ならせ、8,10,11.7,15,20,23(mm)となるように各部の大きさを調整したスパークプラグの6つのサンプル1−1〜1−6を作製した。
そして各サンプルをそれぞれアルミ材から作製したアルミブッシュ(エンジンヘッドの取付孔を模したもの)に規定のトルクで締め付けた後、戻しトルク(主体金具の取り外しに必要なトルク)を測定することで、ねじ山の変形の有無について確認を行った。次に、ねじ山に変形が認められなかったサンプルを再度、アルミブッシュに規定のトルクで締め付け、熱負荷(200℃の恒温槽で1時間保持後、自然冷却)を加えた後、同様に戻しトルクを測定し、ねじ山の変形の有無について確認を行った。この評価試験の結果を表1に示す。
Figure 0004351272
表1に示すように、Aが8mmのサンプル1−1は、規定のトルクによる締め付け後、ねじ山に変形が生じていたが、10mm以上のサンプル1−2〜1−6では、ねじ山の変形は認められなかった。サンプル1−1では、Aに十分な長さがないため取付孔の雌ねじとの接触面積を十分に確保することができず、規定トルクでの締め付けにより両者の接触部分にかかる面圧が他のサンプルと比べ大きくなってしまったため、ねじ山に塑性変形が生じてしまった。
また、Aが23mmのサンプル1−6は、熱負荷を加えた後にねじ山に変形が生じていたが、10mm以上20mm以下のサンプル1−2〜1−5では、ねじ山の変形は認められなかった。一般にねじの締め付けを行った場合、ねじ山のうち軸線O方向の後端側に形成されたものほど強い面圧がかかる。この状態で熱負荷が掛けられた場合、主体金具とアルミブッシュとはそれぞれ熱膨張により延びるが、燃焼室に近い軸線O方向先端側ほど高温となり、熱膨張率の差による延びの差が大きくなる。このとき、軸線O方向後端側のねじ山は取付孔の雌ねじと密着状態にあり、ここを基点にねじ山と雌ねじとが延びると、軸線O方向先端側のねじ山ほど雌ねじとのずれが大きくなり、強い面圧がかかることとなる。そしてAが長いほどそのずれは顕著となり、Aが23mmのサンプル1−6では先端側のねじ山に塑性変形が生じてしまった。
この評価試験の結果より、ねじ山に変形が生じたサンプル1−1,1−6は、ねじ山の長さAが好ましくないとして、総合評価では「×」で示した。また、ねじ山の変形が認められなかったサンプル1−2〜1−5は、ねじ山の長さAが適切であるとして、総合評価では「○」で示した。
[実施例2]
次に、軸線O方向における筒状部の長さBを異ならせることにより生じ得る影響について確認するため評価試験を行った。この評価試験では、ねじ山の長さAを11.7mm、絶縁碍子の先端面から棚部の形成位置までの長さCを12mmに固定し、筒状部の長さBのみを異ならせ、10,12,17,22,30,33(mm)となるように各部の大きさを調整したスパークプラグの6つのサンプル2−1〜2−6を作製した。
これら各サンプルにあわせてそれぞれ作製したエンジンヘッドを順に排気量1600ccの試験用エンジンに組み付け、各サンプルを取り付け後、正規の点火時期を基準に2度ずつ順に過進角の状態とし、その都度5500rpmで2分間保持する運転試験を行った。このとき、過進角が40〜42度の範囲でプレイグニッションが発生したサンプルは耐熱性が良好であると評価して「○」で示し、それよりも小さい過進角でプレイグニッションが発生したサンプルは耐熱性がよくないと評価して「×」で示した。また、エンジンヘッドにサンプルを取り付ける際の取付容易性と、取り外す際の取外し容易性についても評価を行った。取付容易性については、各サンプルを対応するエンジンヘッドに取り付ける際に、引っかかりが生じて取り付けが容易でなかったものを「×」で示し、引っかかりが起きず容易に取り付けられたものを「○」で示した。さらに、上記耐熱性の評価試験を行った後に各サンプルを取り外す際の戻しトルクをそれぞれ測定し、取り付け時の規定トルクと比較した。このとき、規定トルクに対し戻しトルクが95%以上であった場合には、筒状部の外周面と取付孔の内周面との間に煤等が入り込み固着を生じたとして「×」で示し、規定トルクに対する戻しトルクが95%未満であれば、固着は生じなかったとして「○」で示した。この評価試験の結果を表2に示す。
Figure 0004351272
表2に示すように、Bが10mmのサンプル2−1では、40度よりも小さい過進角でプレイグニッションが発生した。このときA>Bとなっており、筒状部自身の熱引きはシール部を介して良好に行われるものの、Bが小さいため、自身の外周面を介した熱引きはほとんど行われない。つまり、筒状部由来の熱のほとんどがシール部へ向けて流れ込み、シール部において処理される筒状部由来の熱量が多くなる。このため、絶縁碍子由来の熱をシール部において処理可能な量が相対的に少なくなり、絶縁碍子からの熱引きが行われ難くなる。よって、スパークプラグとして望ましい耐熱性が得られないと評価して「×」で示した。
また、各サンプルを対応するエンジンヘッドに取り付ける際の取付容易性については、いずれのサンプルも特に引っかかりが生ずることなく取り付けができたので「○」で示した。しかし、上記耐熱性の評価試験後に、Bを33mmとしたサンプル2−6では、戻しトルクが取り付け時の規定トルク20N・mに対し22N・mと110%であり、95%以上であったので「×」で示した。Bが12mm以上30mm以下のサンプル2−1〜2−5では、規定トルクに対する戻しトルクが95%未満であったので「○」で示した。
これらの評価試験の結果、十分な耐熱性が得られなかったBが10mmのサンプル2−1は、スパークプラグとして好ましい性能が得られないと評価し、総合評価を「×」で示した。また、取り外し時に難点のあったBが33mmのサンプル2−6は、耐熱性の面では問題がなかったので、総合評価では「△」で示した。そしてBが12mm以上30mm以下のサンプル2−2〜2−5では特に問題がなく、総合評価では「○」と示した。
[実施例3]
次に、軸線O方向における絶縁碍子の先端面から棚部の形成位置までの長さCを異ならせることにより生じ得る影響について確認するため評価試験を行った。この評価試験では、ねじ山の長さAを11.7mm、筒状部の長さBを14mmに固定し、絶縁碍子の先端面から棚部の形成位置までの長さCのみを異ならせ、9,12,15(mm)となるように各部の大きさを調整したスパークプラグの3つのサンプル3−1〜3−3を作製した。
そして実施例2と同様に、これら各サンプルを順に排気量1600ccの試験用エンジンに取り付け、正規の点火時期を基準に2度ずつ順に過進角の状態とし、その都度5500rpmで2分間保持する運転試験を行った。このとき、過進角が40〜42度の範囲でプレイグニッションが発生したサンプルは耐熱性が良好であると評価して「○」で示し、それよりも小さい過進角でプレイグニッションが発生したサンプルは耐熱性がよくないと評価して「×」で示した。この評価試験の結果を表3に示す。
Figure 0004351272
表3に示すように、Cを15mmとしたサンプル3−3はB<Cであり、シール部が棚部よりも軸線O方向の先端側に配置される構成となる。この構成で、筒状部の長さBが短ければ、シール部において熱引きされる筒状部由来の熱量が増え、絶縁碍子の熱引きが難しくなることは、上記の通りである。サンプル3−3のように、筒状部の長さBとして筒状部の外周面を介した熱引きを見込める大きさを有したとしても、Cが大きくなれば、絶縁碍子の受けた熱を絶縁碍子内で伝達する熱の移動経路が長くなってしまい、絶縁碍子自体の耐熱性が低下してしまう。サンプル3−3では、40度よりも小さい過進角(30〜32度)でプレイグニッションが発生し、スパークプラグとして望ましい耐熱性が得られなかったため、「×」で示した。
一方、Cが12mm以下であるサンプル3−1,3−2では、Cが比較的小さいため、絶縁碍子の受けた熱を早い段階で棚部を介して主体金具側へ逃がすことができる。ここで、筒状部の長さBとして筒状部の外周面を介した熱引きを見込める大きさを有すれば、筒状部自身の冷却性能を高く維持できるので、絶縁碍子由来の熱を十分に筒状部側へ熱引きさせることができる。サンプル3−1,3−2では、それぞれ50〜52度、40〜42度の過進角でプレイグニッションが発生し、スパークプラグとして望ましい耐熱性が得られたので「○」で示した。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、ねじ山60は取付部52の一部(略中央から後端側にかけての位置)に形成したが、取付部52において任意の位置に形成されてもよく、また、一部でなく全体に形成されていてもよい。
また、棚部56は、段状に形成されていてもよく、主体金具50の筒孔59内にて絶縁碍子10の段部15を軸線O方向に支持可能な構成であればよい。
スパークプラグ100の部分断面図である。 スパークプラグ100を内燃機関のエンジンヘッド200に組み付けた状態を示す断面図である。
符号の説明
12 軸孔
14 先端面
20 中心電極
50 主体金具
52 取付部
53 加締め部
54 シール部
55 筒状部
56 棚部
58 座屈部
59 筒孔
60 ねじ山
100 スパークプラグ
205 取付孔

Claims (4)

  1. 中心電極と、軸線方向に延びる軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔内の先端側に保持する絶縁碍子と、前記軸線方向に延びる筒孔を有し、当該筒孔内に前記絶縁碍子の少なくとも一部を保持する主体金具とを備えたスパークプラグであって、
    前記主体金具は、
    自身の外周面の少なくとも一部に、雌ねじが形成された内燃機関の取付孔に螺合するためのねじ山が形成された取付部と、
    前記取付部の先端側にて前記取付部と一体に、且つ前記取付部よりも小径に形成される筒状部と、
    前記筒状部と前記取付部との間の外周面を接続し、テーパ状に形成されるシール部と、
    自身の後端に設けられ、加締めにより前記絶縁碍子を前記筒孔内に保持するための加締め部と、
    前記取付部と前記加締め部との間に設けられ、前記加締め部の加締めと共に変形する座屈部と
    を有し、
    前記取付部に形成された前記ねじ山の前記軸線方向における長さをAとし、前記筒状部の前記軸線方向における長さをBとしたときに、A<Bが満たされることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記主体金具は、前記筒孔の内周面に、前記加締め部の加締めによって前記加締め部との間で前記絶縁碍子を前記軸線方向に挟んで保持するため、内側に向けて棚状に突設された棚部を有し、
    前記軸線方向において、前記絶縁碍子の先端位置と前記棚部の形成位置との間の長さをCとしたときに、B>Cが満たされることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記軸線方向において、前記主体金具の前記シール部は、前記棚部よりも後端側にあることを特徴とする請求項2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記軸線方向における前記ねじ山の長さAが、10≦A≦20(mm)を満たし、
    前記軸線方向における前記筒状部の長さBが、12≦B≦30(mm)を満たすと共に、
    前記軸線方向における前記絶縁碍子の先端位置と前記棚部の形成位置との間の長さCが、C≦12mmを満たすこと
    を特徴とする請求項2または3に記載のスパークプラグ。
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