JP2009295569A - 内燃機関用スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法 - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接地電極の曲げによる残留応力に起因する耐剥離性等の低下を防止できる内燃機関用スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法を提供する。
【解決手段】接地電極27の厚肉部271の厚みをA(mm)とし、接地電極27の内周面の基端と、先端面27sとの水平方向の距離をB(mm)としたとき、B/A≦2.5を満たす。貴金属チップ32は、接地電極27の先端面27sから突出し、中心電極5の先端部との間に間隙を形成する。接地電極27は、基端側に設けられた厚肉部271と、先端側に設けられた薄肉部272と、厚肉部271と薄肉部272との間の内周面側に設けられた段部273とを備え、薄肉部272の内周面である平坦面27fに、自身の一部が埋め込まれるようにして貴金属チップ32が溶接されている。貴金属チップ32の接合部位を、曲げによる残留応力の比較的小さいところに位置させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグ及びスパークプラグの製造方法に関する。
自動車エンジン等の内燃機関用のスパークプラグは、例えば軸線方向に延びる中心電極と、その外側に設けられた絶縁体と、当該絶縁体の外側に設けられた筒状の主体金具と、基端部が前記主体金具の先端面に接合された接地電極とを備える。接地電極は、断面略矩形状をなし、その先端部内側面が前記中心電極の先端部と対向するように曲げ返されて配置され、これにより中心電極の先端部及び接地電極の先端部間に火花放電間隙が形成される。
また、近年では、中心電極の先端部、及び、接地電極の先端部に、それぞれ貴金属合金よりなるチップ(貴金属チップ)を接合することで、耐火花消耗性の向上を図ることも考えられている。また特に、角柱形状をなす貴金属チップを、接地電極の前記軸線側の先端面から軸線に向けて突出するよう溶接し、中心電極の先端部外周(中心電極用貴金属チップ外周)との間で、前記軸線方向と直交する方向に火花放電させることで、着火性や火花伝播性の向上を図ることが考えられている(例えば、特許文献1等参照)。
尚、上述のスパークプラグにあっては、直棒状をなす接地電極の先端部分の所定部位に接地電極用貴金属チップの溶接が行われ、その後に、接地電極の曲げ加工が行われるのが一般的である。
特開昭61−45583号公報
しかしながら、上記のように軸線方向と直交する方向に火花放電が行われるタイプのスパークプラグにおいては、接地電極の曲げ部分がいわば窮屈なものとなりやすい。より詳しく説明すると、軸線方向に火花放電させる場合には、接地電極をその先端部分が前記軸線に及ぶように形成することができるため、余裕をもって接地電極の曲げ加工を実現できる。換言すれば、接地電極の先端部分を直線状とすることにさほどの困難が伴うわけではない。これに対し、軸線方向と直交する方向に火花放電させようとすると、接地電極の先端面を軸線まで及ばせるわけにはいかない。そのため、接地電極の先端部分には、未だ曲げ形状が残ってしまったり(直線状にすることが困難となってしまったり)、曲げ加工に伴う応力が残留してしまうおそれがある。当該残留応力が接地電極の先端部分に残ったまま使用に供された場合、冷熱サイクルの繰り返しにより貴金属チップと接地電極との溶接部分に作用する応力が大きくなり、貴金属チップの耐剥離性の低下を招いてしまうことが懸念される。
特に、スパークプラグの小径化が要請されている昨今においては、主体金具の径も小さくなる傾向にあり、上記課題はより顕著となる。また、主体金具の径が小さいような場合には、軸線方向と直交する方向に火花放電が行われるタイプに限られず、例えば軸線方向に火花放電が行われるタイプにおいても、上記課題は内在するといえる。
一方で、接地電極の曲げ部の曲率を大きくする(曲率半径を小さくする)ことで、上記課題はある程度解消される。ところが、この場合には、曲げ部分の強度が確保できず、曲げ部分での折損という別の問題が生じてしまうおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、接地電極の曲げによる残留応力に起因する耐剥離性等の低下を防止することの可能な内燃機関用スパークプラグ及びスパークプラグの製造方法を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、
軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
基端が前記主体金具の先端部に接合され、先端が前記軸線に向けて曲げられて配置された接地電極とを備え、
前記接地電極は、
前記基端側に設けられた厚肉部と、
前記先端側に設けられた薄肉部と、
前記厚肉部と薄肉部との間の内周面側に設けられた段部とを備え、
前記薄肉部の内周面には、自身の一部が埋め込まれるようにして接合され、前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する貴金属チップを備えたことを特徴とする。
上記構成1によれば、接地電極は、その先端が軸線に向けて曲げられて配置されている。このため、接地電極の先端部分、特に、接地電極の厚さ方向の中心(線)から離間した位置においては、曲げによる残留応力(例えば圧縮応力)が残存していることが懸念される。
この点、構成1では、接地電極は、基端側に設けられた厚肉部と、先端側に設けられた薄肉部と、厚肉部と薄肉部との間の内周面側に設けられた段部とを備える。そして、薄肉部の内周面に、自身の一部が埋め込まれるようにして貴金属チップが接合されている。このため、段部及び薄肉部が設けられていない場合に比べて、貴金属チップの接合面を、接地電極の厚さ方向の中心により近づけることができる。すなわち、貴金属チップの接合部位を、曲げによる残留応力の比較的小さいところに位置させることができる。従って、長期間使用した場合でも、前記残留応力に起因して耐剥離性が低下してしまうといった事態を防止することができる。尚、薄肉部としては、あまりにも長すぎたのでは厚肉部及び薄肉部を設けた意義が阻害されてしまう。かかる観点からすれば、前記接地電極先端から段差部までの長さ(薄肉部の長さ)は1.2(mm)以下であることが望ましい。
また、スパークプラグの小径化が要請されている昨今においては、主体金具の径も小さくなる傾向にある。そういう意味において、次述する構成2の場合には、上記作用効果がより効果的に奏されるといえる。
構成2.本構成のスパークプラグは、構成1に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記接地電極の側面方向から見た場合において、
前記接地電極の厚肉部の厚みをA(mm)とし、
前記接地電極の内周面の基端と、前記接地電極の先端面との水平方向の距離をB(mm)としたとき、
B/A≦2.5を満たすことを特徴とする。
このように、構成2では、接地電極の厚肉部の厚みをA(mm)とし、前記接地電極の内周面の基端と、先端面との水平方向(軸線方向と直交する方向)の距離をB(mm)としたとき、B/A≦2.5を満たしていることから、接地電極は、いわば比較的窮屈に曲げられたものとなっているといえる。この場合、接地電極の先端部分における、接地電極の厚さ方向の中心(線)から離間した位置においては、曲げによる残留応力がより多く残存していることが懸念される。
この点、上述のとおり、薄肉部の内周面に、自身の一部が埋め込まれるようにして貴金属チップが接合されていることから、貴金属チップの接合面を、接地電極の厚さ方向の中心により近づけることができる。その結果、長期間使用した場合でも、前記残留応力に起因して耐剥離性が低下してしまうといった事態を防止することができる。
また、接地電極用貴金属チップの接合部位を、曲げによる残留応力のより小さいところに位置させるという観点からは、次述する構成3を作用することが望ましい。
構成3.本構成のスパークプラグは、構成1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記接地電極の側面方向から見た場合において、
前記接地電極の厚肉部の厚みをA(mm)とし、
前記接地電極の外周線を、内周側に[A/2]だけずらした曲線を中心線L1とし、
前記中心線L1と、前記接地電極の先端面との交点を第1の点aとし、
前記中心線L1と、前記主体金具の先端面を含む平面との交点を第2の点bとし、
前記中心線L1の前記第1の点a及び第2の点b間の長さを、「L1長さ」(mm)とし、
先端面の厚みをC(mm)とし、
前記中心線L1より内周側に[C−A/2]だけずらした曲線を第1曲線L2とし、
前記第1曲線L2と、前記先端面との交点を第3の点cとし、
前記第1曲線L2と、前記主体金具の先端面を含む平面との交点を第4の点dとし、
前記第1曲線L2の前記第3の点c及び第4の点d間の長さを「L2長さ」(mm)としたとき、
−0.750≦「L2長さ」−「L1長さ」≦0.250
を満たすことを特徴とする。
尚、「前記中心線L1より内周側に[C−A/2]だけずらした曲線」とあるが、[C−A/2]が負の値の場合、つまり、C<A/2の場合には、第1曲線L2は、前記中心線L1よりも外周側に位置することとなる。この場合、「L2長さ」−「L1長さ」は正の値をとる。
上記構成3によれば、中心線L1と第1曲線L2とが比較的近接した線となり得る(勿論、互いに重なり合ってもよい)。すなわち、貴金属チップの接合される平坦面が、曲げによる残留応力のより小さいところに位置することとなるため、上述した構成1の作用効果をより確実に奏せしめることができる。
構成4.本構成のスパークプラグは、構成3に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
前記接地電極の側面方向から見た場合において、
前記貴金属チップの前記突出側の先端面とは反対側の基端面と、前記薄肉部の内周面との交点を第5の点eとし、
前記第5の点eを通るよう前記中心線L1をずらした曲線を第2曲線L3とし、
前記第2曲線L3と、前記接地電極の先端面との交点を第6の点fとし、
前記第2曲線L3と、前記主体金具の先端面を含む平面との交点を第7の点gとし、
前記第2曲線L3の前記第6の点f及び第7の点g間の長さを「L3長さ」(mm)とし、
前記先端面と前記第5の点eとの距離をD(mm)とし、
前記貴金属チップの前記薄肉部の内周面からの埋没量をE(mm)としたとき、
0.5≦D≦1.5、
0.1≦E≦0.5を満たすとともに、
(「L3長さ」−「L2長さ」)/D≦0.30
を満たすことを特徴とする。
上記構成4によれば、貴金属チップが、接地電極の(軸線側の)先端面から突出している。そして、この場合において、中心電極、及び、貴金属チップの突出方向先端部間で火花放電が行われるような場合には、耐火花消耗性の向上を図ることは勿論のこと、着火性や火花伝播性の向上を図ることができる。
また、構成4によれば、薄肉部内周面のうち、貴金属チップの接合される部分の径方向距離に相当するDが0.5≦D≦1.5を満たし、かつ、貴金属チップの薄肉部内周面からの埋没量であるEが0.1≦E≦0.5を満たす。このため、酸化スケールが形成されにくく、結果として耐剥離性の一層の向上を図ることができる。ここで、Dが0.5mmよりも小さい場合には、接合面積を十分に確保することができないおそれがある。一方、Dが1.5mmを超える場合には、貴金属チップの接地電極への溶け込みが均一になり難く、その結果、接合強度(溶接強度)が不均一となり、耐剥離性能の低下が懸念されることになる。
また、貴金属チップの埋没量であるEが0.1mmよりも小さい場合には、溶接自体が十分であるとはいえず、満足できる接合強度を確保できないおそれがある。一方、Eが0.5mmを超える場合には、接合強度は向上するが、溶接が困難となる。特に、抵抗溶接により接合する場合には、0.5mmを超えて埋没させるために過大な電流を流す必要が生じ、接地電極を構成する母材中に、デンドライトと称される融解凝固物が形成されてしまい、その存在によって耐酸化性の低下等を招いてしまうことも懸念される。
さらに、構成4では、前記第5の点eを通るよう前記中心線L1をずらした曲線を第2曲線L3とし、当該記第2曲線L3の前記第6の点f及び第7の点g間の長さを「L3長さ」(mm)としたとき、(「L3長さ」−「L2長さ」)/D≦0.30を満たしている。ここで、(「L3長さ」−「L2長さ」)/Dは、いわば接地電極先端部分における貴金属チップの接合面の水平面に対する傾きを表しているといえるものであって、その値が0.3を超えてしまう場合には、耐剥離性の低下を招いてしまうことが懸念される。
また、接地電極の厚肉部の厚みであるAと、接地電極の先端面の厚みに相当するCとの関係からは、次の構成5或いは構成6を採用することとしてもよい。
構成5.本構成のスパークプラグは、構成3又は4に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
0.30×A≦C≦0.95×Aを満たすことを特徴とする。
また、構成5に代えて、次の構成6とすることとしてもよい。
構成6.本構成のスパークプラグは、構成3又は4に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
0.40×A≦C≦0.80×Aを満たすことを特徴とする。
上記構成5,6を採用することで、貴金属チップの接合部位を、曲げによる残留応力のより小さいところに位置させることができる。特に、構成6を採用することで、耐剥離性の向上を図ることができるという作用効果をより確実に奏しうる。
構成7.本構成のスパークプラグは、構成1乃至6のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記中心電極は、その本体部の先端に溶接により接合された中心電極用貴金属チップを備えるとともに、
前記中心電極の本体部及び中心電極用貴金属チップは、両者を構成する金属が相互に溶融され混じり合うことによって形成された溶融部を介して接合されており、
前記中心電極用貴金属チップの外周面と、前記貴金属チップとの間に前記間隙を有してなり、
前記貴金属チップ及び前記溶融部間の最短距離をF(mm)とし、
前記間隙の最短距離をG(mm)としたとき、
F≧1.05×G
を満たすことを特徴とする。
構成7のように、中心電極が溶融部及び中心電極用貴金属チップを備えている場合には、軸線方向に交わる方向、例えば、横方向、或いは斜め方向に火花放電が行われるよう構成されていると、溶融部と、貴金属チップとの間で火花放電を起こしてしまうことが懸念される。この点、構成7では、貴金属チップ及び溶融部間の最短距離をF(mm)とし、間隙の最短距離をG(mm)としたとき、F≧1.05×Gを満たしている。従って、溶融部と、貴金属チップとの間での飛火率が著しく少なくて済み、溶融部と貴金属チップとの間で火花放電が起こってしまうことに起因する不具合、例えば中心電極用貴金属チップの脱落等をより確実に防止することができる。
構成8.本構成のスパークプラグは、構成1乃至7のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
直棒状をなす接地電極の先端部分に関し、切削又はプレスを行うことで前記段部及び薄肉部が形成され、その後に、前記貴金属チップの溶接が行われ、さらにその後に、前記接地電極の曲げ加工が行われていることを特徴とする。
接地電極を加工するに際しては、例えば構成8のように、厚さが一様の厚肉部からなり直棒状をなす接地電極の先端部分の一部を切削したり、接地電極の先端部分をプレスしたりすることで、段部及び薄肉部を形成することが行われる。また、貴金属チップの溶接が行われ、さらにその後に、接地電極の曲げ加工が行われることで、間隙の微調整も容易に行うことができる。その一方で、曲げ加工後に貴金属チップを溶接する場合に比べて、残留応力が貴金属チップの接合面に伝わりやすいのであるが、上述のとおり、切削又はプレス加工により形成された薄肉部内周面に対し、貴金属チップが溶接されている。このため、貴金属チップの接合部位を、曲げによる残留応力の比較的小さいところに位置させることができ、耐剥離性の低下を防止することができる。
構成9.本構成のスパークプラグは、構成1乃至8のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは、角柱形状をなすことを特徴とする。
構成9のように、角柱形状をなす貴金属チップを用いることで、放電電圧の増大を招きにくくすることができ、また特に貴金属チップと、中心電極先端部外周との間で放電を行うような場合には、安定した火花放電を実現しやすい。
構成10.本構成のスパークプラグは、構成1乃至9のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記段部の深さが、前記貴金属チップの厚みよりも大きいことを特徴とする。
上記構成10によれば、段部の深さが、前記貴金属チップの厚みよりも大きく、その分だけ薄肉部が薄いものとなっている。従って、薄肉部における曲げによる残留応力をより小さいものとすることができ、結果として上記作用効果がより確実に図られることとなる。
上述した各構成のスパークプラグにおける放電方向は、特に限定されるものではないが、以下の構成11のような態様であってもよいし、構成12のような態様であってもよいし、構成13のような態様であってもよい。
構成11.本構成のスパークプラグは、構成1乃至10のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
前記貴金属チップの前記突出方向における先端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向と直交する方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする。
構成11のように、所謂横方向に火花放電するタイプのスパークプラグにおいて上述の各構成の技術思想を具現化することが考えられる。これにより、火炎伝播性のさらなる向上を図ることができる。
また特に、構成11では、接地電極の先端面を軸線まで及ばせるわけにはいかないため、接地電極の先端部分には、曲げ加工に伴う応力が残留してしまうおそれがあるのであるが、上述のとおり、貴金属チップの接合部位を、曲げによる残留応力の比較的小さいところに位置させることができる。従って、長期間使用した場合でも、残留応力に起因して耐剥離性が低下してしまうといった事態を防止できる。
構成12.本構成のスパークプラグは、構成1乃至10のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
前記貴金属チップの前記軸線方向における端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする。
構成12のように、所謂縦方向に放電するタイプのスパークプラグに上述の各構成の技術思想を具現化してもよい。
構成13.本構成のスパークプラグは、構成1乃至10のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
前記貴金属チップの前記突出方向における先端面が、前記中心電極よりも先端側の軸線と対向して配置されており、前記軸線方向に対し斜めに火花放電が行われることを特徴とする。
構成13のように、所謂斜め方向に放電するタイプのスパークプラグに上述の各構成の技術思想を具現化してもよい。
構成14.本構成のスパークプラグは、構成1乃至13のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記接地電極の薄肉部の内周面は、前記軸線方向に直交する平坦面であることを特徴とする。
構成14によれば、貴金属チップが接合される面が平坦面となっていることから、湾曲面や斜面に対し接合する場合に比べて接合状態の安定化を図ることができる。
構成15.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
基端が前記主体金具の先端部に接合され、先端が前記軸線に向けて曲げられて配置された接地電極とを備えるとともに、
前記接地電極は、
前記基端側に設けられた厚肉部と、
前記先端側に設けられた薄肉部と、
前記厚肉部と薄肉部との間の内周面側に設けられた段部とを備え、
前記接地電極の先端部の内周面には、自身の一部が埋め込まれるようにして接合され、前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する貴金属チップを有するスパークプラグの製造方法であって、
前記接地電極を前記軸線に向けて屈曲させる工程と、
前記接地電極の先端部の内周面に前記貴金属チップを接合する工程とを含み、
前記接地電極を前記軸線に向けて屈曲させる工程の後、前記接地電極の先端部の内周面に前記貴金属チップを接合することを特徴とする。
上記構成15によれば、接地電極を軸線に向けて屈曲させた後、接地電極の先端部(薄肉部)に対して貴金属チップが接合される。これにより、屈曲加工によって生じる接地電極の曲げ応力が貴金属チップに対して加わってしまうといった事態を抑制することができ、貴金属チップの耐剥離性をより一層向上させることができる。
構成16.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成15において、前記接地電極の先端部の内周面を平坦状とする工程を含み、
前記接地電極を前記軸線方向に向けて屈曲させる工程の後、前記接地電極の先端部の内周面に前記貴金属チップを接合する工程の前において、前記接地電極の先端部の内周面を平坦状とすることを特徴とする。
上記構成15を採用した場合には、接地電極の屈曲加工によって、接地電極のうち貴金属チップが接合される部位が湾曲してしまい、ひいては接地電極に対する貴金属チップの接合が比較的困難なものとなってしまうことが懸念される。また、接地電極に対する貴金属チップの接合が比較的困難であることに伴い、両者の接合強度が不十分なものとなってしまうおそれがある。特に、抵抗溶接によって貴金属チップを接合する場合においては、接地電極の湾曲によって、貴金属チップと接地電極との当接部位が比較的小さくなってしまうため、接地電極に対する貴金属チップの接合はより困難なものとなり、ひいては接合強度の低下が懸念される。
この点、上記構成16によれば、接地電極を屈曲させた後であって、貴金属チップを接合する前において、接地電極の先端部(薄肉部)の内周面が平坦状とされる。このため、接地電極に対して貴金属チップを比較的容易に安定した状態で接合することができ、ひいては両者の接合強度を一層向上させることができる。その結果、貴金属チップの耐剥離性の更なる向上を図ることができる。
構成17.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成15又は16において、前記接地電極を先端部に備えた前記主体金具と、前記中心電極を備えた前記絶縁体とを組み付ける工程を含み、
前記接地電極の先端部の内周面に前記貴金属チップを接合する工程の後、前記主体金具と前記絶縁体とを組み付けることを特徴とする。
スパークプラグの製造工程においては、一般的に未屈曲状態(直棒状)の接地電極を備える主体金具と、中心電極を備える絶縁体とを組み付けた後に、接地電極に貴金属チップが接合され、次いで、接地電極が屈曲させられる。ところが、上記構成15のように、貴金属チップの接合前に、接地電極を屈曲させる場合において、上述のような貴金属チップの接合前に主体金具及び絶縁体を組み付ける方法を用いると、接地電極の先端部と中心電極の先端部とが比較的近接した位置関係となってしまうため、貴金属チップを接合するための十分なスペースを確保できないおそれがある。
この点、上記構成17によれば、貴金属チップの接合後において、主体金具と絶縁体とが組み付けられるため、接地電極に貴金属チップを接合するためのスペースを十分に確保することができる。その結果、作業性の飛躍的な向上を図ることができる。また、接地電極に対して貴金属チップをより一層確実かつ正確に接合することができ、ひいては接合強度のより一層の向上を図ることができる。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、スパークプラグ1を示す一部破断側面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側をスパークプラグ1の後端側として説明する。
スパークプラグ1は、長尺状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されている。そして、軸孔4の先端部側には中心電極5が挿入、固定され、後端部側には端子電極6が挿入、固定されている。軸孔4内における中心電極5と端子電極6との間には、抵抗体7が配置されており、この抵抗体7の両端部は導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
中心電極5は、絶縁碍子2の先端から突出し、端子電極6は絶縁碍子2の後端から突出した状態でそれぞれ固定されている。また、中心電極5は、その本体部の先端に、イリジウムを主成分とする貴金属チップ(中心電極用貴金属チップ)31が溶接により接合されている。
一方、絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、軸線CL1方向略中央部において径方向外向きに突出形成されたフランジ状の大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成され、内燃機関(エンジン)の燃焼室に晒される脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、脚長部13を含む先端側は、筒状に形成された主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部には段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンのシリンダヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3をシリンダヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するための段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。なお、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようにしている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端面26には、接地電極27が接合されている。すなわち、接地電極27は、前記主体金具3の先端面26に対しその基端部が溶接されるとともに、先端側が前記軸線CL1側に曲げ返されて、その先端面が中心電極5の先端部外周面(本実施形態では貴金属チップ31の外周面)とほぼ対向するように配置されている。また、本実施形態では、当該接地電極27には、前記貴金属チップ31の外周面に対向するようにして貴金属チップ(接地電極用貴金属チップ)32が設けられている。より詳しくは、貴金属チップ32は、接地電極27に対し、自身の一部が埋め込まれるようにして溶接されているとともに、接地電極27の軸線CL1側の先端面27sから軸線CL1に向けて突出している(図2参照)。そして、これら貴金属チップ31,32間の間隙が火花放電間隙33となっている。つまり、本実施形態では、軸線CL1方向と直交する方向(図の横方向)にほぼ沿って火花放電が行われるようになっている。
尚、図2に示すように、中心電極5の本体部は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)合金からなる外層5Bとにより構成されている。中心電極5の本体部は、その先端側が縮径されるとともに、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されている。ここに円柱状をなす上記貴金属チップ31を重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザ溶接、或いは、電子ビーム溶接等を施すことにより貴金属チップ31と中心電極5の本体部とが溶け合い、溶融部41が形成される。すなわち、中心電極用貴金属チップ31は、中心電極5の本体部先端に対し、溶融部41で固着されることで接合されている。
一方、接地電極27は、内層27A及び外層27Bからなる2層構造となっている。本実施形態における外層27Bは、インコネル600やインコネル601(いずれも登録商標)等のニッケル合金で構成されている。これに対し、内層27Aは、前記ニッケル合金よりも良熱伝導性金属である銅合金或いは純銅で構成されている。当該内層27Aの存在によって、熱引き性の向上が図られている。また、本実施形態では、接地電極27は、基本的には、断面略矩形状をなしている。
また、上記中心電極5側の貴金属チップ31がイリジウムを主成分としている点については言及したが、接地電極27側の貴金属チップ32は、例えば白金を主成分とし、20質量%のロジウムを含有する貴金属合金により構成されている。但し、これらの素材構成はあくまでも例示であって、上記記載に何ら限定されるものではない。これら貴金属チップ31,32は、例えば次のようにして製造される。まず、主成分をイリジウム、或いは白金とするインゴットを用意し、上述した所定の組成となるよう各合金成分を配合・溶融し、当該溶融合金に関し再度インゴットを形成し、その後、当該インゴットについて熱間鍛造、熱間圧延(溝ロール圧延)を施す。その後、線引き加工を施すことで、棒状素材を得た後、それを所定長に切断することで、それぞれ円柱状、角柱状の貴金属チップ31,32が得られる。
さて、前記接地電極27側の貴金属チップ32が、接地電極27の軸線CL1側の先端面27sから軸線CL1に向けて突出している点については上述した。特に、本実施形態では、図2、図3に示すように、接地電極27は、基端側に位置する厚肉部271と、先端側に位置する薄肉部272と、厚肉部271と薄肉部272との間の内周面側(図の下面側)に設けられた段部273とを備えている。また、本実施形態において、薄肉部272の内周面は、軸線CL1方向に直交する方向に延びる平坦面27fとなっている。つまり、接地電極27の先端部分の内周側は、前記段部273及び平坦面27fを具備するよう鉤状の切欠き加工が施されている。そして、当該平坦面27fに対し、自身の一部が埋め込まれるようにして貴金属チップ32が溶接されているのである。
また、図3に示すように、接地電極27の側面方向から見た場合において、接地電極27の厚肉部271の厚みをA(mm)とし、接地電極27の内周面の基端と、先端面との水平方向(「径方向」というときもある)の距離をB(mm)としたとき、B/A≦2.5を満たしている。このため、接地電極27は、いわば比較的窮屈に曲げられたものとなっている。
さらに、本実施形態においては、図4に示すように、接地電極27の側面方向から見た場合において、接地電極27の外周線27oを、内周側に[A/2]だけずらした(オフセットした)曲線を中心線L1とし、当該中心線L1と接地電極27の先端面27sとの交点を第1の点aとし、中心線L1と主体金具3の先端面26に接合された接地電極27の基端部との交点(中心線L1と主体金具3の先端面26を含む平面との交点)を第2の点bとし、中心線L1の前記第1の点a及び第2の点b間の長さを、「L1長さ」(mm)とする。
さらに、接地電極27の先端面の厚みをC(mm)とし(図5(a),(b)等も参照)、中心線L1より内周側に[C−A/2]だけずらした曲線を第1曲線L2とし、前記第1曲線L2と先端面27sとの交点を第3の点cとし、前記第1曲線L2と主体金具3の先端面26に接合された接地電極27の基端部との交点(第1曲線L2と主体金具3の先端面26を含む平面との交点)を第4の点dとし、第1曲線L2の前記第3の点c及び第4の点d間の長さを「L2長さ」(mm)とする。そして、この場合において、本実施形態では、−0.750≦「L2長さ」−「L1長さ」≦0.250を満たしている。
但し、「中心線L1より内周側に[C−A/2]だけずらした曲線」とあるが、[C−A/2]が負の値の場合、つまり、C<A/2の場合には、第1曲線L2は、中心線L1よりも外周側に位置することとなる。図では、[C−A/2]が正の値をとっている場合が例示されている。
併せて、本実施形態では、接地電極27の側面方向から見た場合において、貴金属チップ32の突出側の先端面とは反対側(図6(a)の左側)の基端面32bと平坦面27fとの交点を第5の点eとし、当該第5の点eを通るよう前記中心線L1をずらした曲線を第2曲線L3とする。また、第2曲線L3と接地電極27の先端面27sとの交点を第6の点fとし、第2曲線L3と主体金具3の先端面26に接合された接地電極27の基端部との交点(第2曲線L3と主体金具3の先端面26を含む平面との交点)を第7の点gとし、第2曲線L3の前記第6の点f及び第7の点g間の長さを「L3長さ」(mm)とする。
本実施形態では、前記先端面27sと第5の点eとの距離をD(mm)としたとき、 0.5≦D≦1.5を満たしている。さらに、貴金属チップ32の前記平坦面27fからの埋没量をE(mm)としたとき、0.1≦E≦0.5を満たしている。さらに、(「L3長さ」−「L2長さ」)/D≦0.30をも満たしている。
加えて、本実施形態では、図5(a),(b)に示すように、0.30×A≦C≦0.95×Aを満たし、特に、0.40×A≦C≦0.80×Aを満たしている。
さらにまた、前記中心電極5の本体部と中心電極用貴金属チップ31とが溶融部41を介して接合されている点については上述したが、本実施形態では、図3に示すように、当該溶融部41及び貴金属チップ32間の最短距離をF(mm)とし、火花放電間隙33の最短距離をG(mm)としたとき、F≧1.05×Gを満たしている。これにより、溶融部41と、貴金属チップ32との間で火花放電してしまうといった事態の抑制が図られている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について、前記接地電極27の製造過程等を中心に説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状に形成された金属素材(例えばS15CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
一方で、断面矩形状の接地電極27の中間体を製造する。すなわち、接地電極27の中間体は、未だ屈曲前の直棒状のものである。当該屈曲前の接地電極27は、例えば次のようにして得られる。
すなわち、内層27Aを構成する金属材料よりなる芯材と、外層27Bを構成する金属材料よりなる有底筒状体とを用意する(いずれも図示略)。そして、有底筒状体の凹部に対し、芯材を嵌入することにより、カップ材を形成する。次に、当該2層構造をもつカップ材に関し、冷間にて細化加工を施す。冷間での細化加工としては、例えば、ダイス等を用いた線引き加工、雌型等を用いた押出成形加工等が挙げられる。その後、スウェージング加工等が施されることにより、細径化された棒状体が形成される。
続いて、前記主体金具中間体の先端面に、屈曲前、チップ接合前の接地電極27(棒状体)を抵抗溶接により接合する。尚、抵抗溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去する作業が行われる。また、本例では、スウェージング加工、切削加工等を施した後、屈曲前の接地電極27を抵抗溶接により接合することとしているが、細化加工後、棒状体を主体金具中間体に接合した後、スウェージング加工を行い、その後、切削を行うこととしてもよい。この場合、スウェージングに際しては、主体金具中間体を保持した状態で、その先端面に接合された棒状体をその先端側からスウェージャーの加工部(スウェージングダイス)に導入することができる。従って、スウェージングに際し保持するための部位を確保するために、棒状体をわざわざ長めに設定したりすることが不要となる。
その後、主体金具中間体の所定部位に、ねじ部15が転造によって形成される。これにより、屈曲前の接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。主体金具3等には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
また、前記接地電極27の先端部分に関し、切削又はプレスを行うことで鉤状の切欠き加工を施し、平坦面27f(薄肉部272及び段部273)を形成する。当該切欠き加工は、ねじ部15の転造の後段階に行われてもよいし、前段階に行われてもよい。ねじ部15の転造の前段階に行われる場合には、主体金具中間体への溶接の前段階に行われてもよいし、後段階に行われてもよい。
一方で、上述のように、角柱状の貴金属チップ32を形成しておき、当該貴金属チップ32を接地電極27に対し、抵抗溶接により接合する。このとき、接地電極27の平坦面27fに対し貴金属チップ32を押し当てながら抵抗溶接を施して、前記平坦面27fに対する貴金属チップ32の埋没量たるE(mm)が0.1≦E≦0.5を満たすようにする。尚、溶接をより確実なものとするべく、当該溶接に先だって溶接部位のメッキ除去が行われたり、或いは、メッキ工程に際し溶接予定部位にマスキングが施されたりする。また、当該貴金属チップ32の溶接を、後述する組付けの後(曲げ加工の前)に行うこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成形用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成されることで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、Ni系合金が鍛造加工され、その中央部に放熱性向上を図るべく銅芯が設けられることで本体部が得られる。さらに、その先端部には、上述した貴金属チップ31が、レーザ溶接等により接合される。
そして、上記のようにして得られた貴金属チップ31が接合された中心電極5と、端子電極6とが、やはり図示しないガラスシールによって前記絶縁碍子2の軸孔4へ封着固定される。ガラスシールとしては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されたものが用いられる。そして先ず中心電極5を絶縁碍子2の軸孔4へ挿通した状態とし、前記調製されたシール材が絶縁碍子2の軸孔4に注入された後、後方から前記端子電極6が押圧された状態とした上で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側の胴部表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、直棒状の接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端部に対し、冷間加締めや熱間加締めが行われることで、周方向から絶縁碍子2の一部が主体金具3に取り囲まれるようにして保持される。
そして、最後に、直棒状の接地電極27を曲げ返すことで、中心電極5(の貴金属チップ31)及び接地電極27(の貴金属チップ32)間の前記火花放電間隙33を調整する加工が実施される。
このように一連の工程を経ることで、上述した構成を有するスパークプラグ1が製造される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、角柱形状をなす貴金属チップ32が、接地電極27の先端面27sから軸線CL1に向けて突出するようにして溶接されており、いわば横方向に火花放電が行われる。このため、耐火花消耗性の向上を図ることは勿論のこと、着火性や火花伝播性の向上を図ることができる。
一方で、本実施形態の接地電極27は、比較的窮屈に曲げられたものとなっており、接地電極27の先端部分、特に、前記中心線L1から離間した位置においては、曲げによる残留応力(例えば圧縮応力)が比較的多く残存していることが懸念される。この点、本実施形態では、接地電極27の先端部の内側に、平坦面27fを具備するよう切欠き加工が施され、その平坦面27fに対し、自身の一部が埋め込まれるようにして貴金属チップ32が溶接されている。貴金属チップ32の接合面を、接地電極27の厚さ方向の中心により近づけることができる。すなわち、貴金属チップ32の接合部位を、曲げによる残留応力の比較的小さいところに位置させることができる。従って、長期間使用した場合でも、前記残留応力に起因して耐剥離性が低下してしまうといった事態を防止することができる。
ここで、上記効果を確認するべく、種々のサンプルを作製し、種々の評価を試みた。その実験結果を以下に記す。
ところで、本実施形態の効果を評価する前に、従来の技術に相当する、切欠き加工の施されていない(いわば厚肉部のみからなる)接地電極において、その内周面に、軸線方向に突出するよう貴金属チップを溶接した場合について、種々の実験を行うこととした。まず、図7(a)に示すように、貴金属チップが接合される際に当接する当接面の距離に相当する距離であるD1(上記実施形態ではDに相当)を、0.5mm、1.0mm、1.5mmにそれぞれ設定した上で、それぞれのD1に対応させて、接地電極の先端部分のストレート長ST[先端内側面が平坦面(断面直線状)となっている部分の長さ]を種々変更したサンプルを作製し、酸化スケールの進展のしやすさを評価した。より詳しくは、距離D1及び先端ストレート長STを種々変更した接地電極サンプル(切欠きは形成せず)を作製し、机上バーナー評価試験[サンプルを、その先端チップ温度が1100℃となるようバーナーで2分間加熱後、1分間徐冷することを1サイクルとして、これ繰り返す試験]を実施し、その後のサンプル断面を観察し、接地電極と貴金属チップとの境界面領域の長さJ(模式図たる図7(a)参照)に対する、形成された酸化スケールの長さK(同じく、図7(a)参照)の割合を計測し、酸化スケール割合が50%を超えてしまったときのサイクル数を評価した。ここでは、酸化スケール割合が50%を超えてしまったときのサイクル数が、1000サイクル未満であった場合に、剥離限界であると捉えることとしている(但し、上記冷熱サイクルを1500サイクル行っても酸化スケール割合が50%を超えなかった場合には、耐剥離性は十分であるものとして当該1500サイクルにて試験を終了することとしている)。当該試験の結果を図8に示す。
図8より明らかなように、距離D1が0.5〜1.5mmの範囲において、接地電極の先端部分のストレート長STが1.0mm以上ある場合には、酸化スケール50%到達サイクルが1000サイクルを上回ることが明らかとなった。つまり、接地電極の先端部分のストレート長STが1.0mm以上ある場合には、貴金属チップの耐剥離性については、さほど懸念する必要がない。これに対し、接地電極の先端部分のストレート長STが1.0mm未満しかない場合には、貴金属チップの耐剥離性に悪影響が及ぶことが明らかとなった。換言すれば、接地電極先端部分に曲げ応力が残っている場合には、貴金属チップの耐剥離性が低下しやすいといえる。
さて、上記試験結果より、接地電極の先端部分(内側)のストレート長STが1.0mm以上ある場合には、貴金属チップの耐剥離性については、さほど懸念する必要がないといえる。この点を踏まえて、接地電極の先端部分(内側)のストレート長STが1.0mmとなるように、かつ、接地電極の厚肉部の厚みであるAを、1.0mm、1.3mm、1.6mmと変更させるとともに、B/Aの値が「1.5」、「2.0」、「2.5」、「3.0」となるよう種々変更したサンプルを作製し、加熱振動耐久試験を行った。より詳しくは、各サンプルにおいて接地電極の曲げ部を900℃に加熱しつつ、周波数200Hzの振動を与え続け、曲げ部の折損までに要した時間(耐久時間)を計測した。10時間以上折損が発生しなかった場合に、十分な折損強度を有しているものとして評価した。そのときの結果を図9に示す。
同図より明らかなように、B/Aの値が2.5以上の場合には、十分な折損強度を具備しているといえる。これに対し、B/Aの値が2.5を下回る場合には、曲げ部での折損が起こりやすく、十分な折損強度が得られないといえる。すなわち、接地電極の先端部分(内側)のストレート長を1.0mm以上確保するために、無理な曲げ加工を施した場合には、曲げ部での折損強度の低下が懸念されるといえる。
これに対し、本実施形態では、B/Aの値が2.5以下であることを必須の要件とした上で、上述の切欠き加工を施し、薄肉部272及び段部273を形成することとしている。つまり、B/Aの値が2.5以下の場合には、所定のストレート長を確保しようとすると曲率の大きな無理な曲げ加工を行わざるを得ず、この場合に折損強度の低下を招いてしまう。これに対し、本実施形態では、切欠き加工により平坦面27fを形成することで、B/Aの値が2.5以下の場合であっても、曲率の大きな無理な曲げ加工により折損強度の低下を招くことなく、かつ、十分なストレート長を確保して、耐剥離性の低下の防止が図られているのである。
次に、上述した中心線L1の第1の点a及び第2の点b間の長さである「L1長さ」(mm)に対し、第1曲線L2の第3の点c及び第4の点d間の長さである「L2長さ」(mm)及び第2曲線L3の第6の点f及び第7の点g間の長さである「L3長さ」(mm)を種々変更したサンプルを作製し、机上バーナー評価試験(上記同様)を実施し、酸化スケール割合が50%を超えてしまったときのサイクル数を評価した。但し、これ以降においては接地電極の先端部分に切欠きを形成することで平坦面を設けた上で種々の試験を行うこととしている。すなわち、酸化スケール割合は、平坦面を有する接地電極において、図7(b)の模式図に示すように、接地電極と貴金属チップとの境界面領域の長さJに対する、形成された酸化スケールの長さKの割合を意味する。当該試験の結果を図10及び図11に示す。但し、図10は、(「L3長さ」−「L2長さ」)/Dの値が「0」、「0.1」、「0.2」、「0.3」、「0.4」の各サンプルについて、(「L2長さ」−「L1長さ」)の値を−1.0〜0.5の範囲内において、種々変更した場合における、酸化スケール50%到達サイクルを示している。また、図11は、(「L2長さ」−「L1長さ」)の値が「−0.75」、「−0.5」、「−0.25」、「0」、「0.25」の各サンプルについて、(「L3長さ」−「L2長さ」)/Dの値を0〜0.4の範囲内において種々変更した場合における、酸化スケール50%到達サイクルを示している。
図10に示すように、「L1長さ」と、「L2長さ」との関係においては、(「L2長さ」−「L1長さ」)の値が「−0.75」〜「0.25」の範囲内で、酸化スケール割合が50%を超えてしまったときのサイクル数が1000を上回っており、良好な耐剥離性を示すことが明らかとなった。これは、中心線L1と第1曲線L2とが比較的近接した線となることから、貴金属チップ32の溶接される平坦面27fが、曲げによる残留応力のより小さいところに位置することとなるため、安定した接合強度が得られるものと考えられる。これに対し、(「L2長さ」−「L1長さ」)の値が上記範囲を逸脱する場合には、耐剥離性の低下を招いてしまうことが明らかになった。
但し、(「L3長さ」−「L2長さ」)/Dの値が、0.3を上回った場合(例えば0.4の場合)には、たとえ(「L2長さ」−「L1長さ」)の値が上記範囲内であっても、耐剥離性が低下してしまった。このことは、図11のグラフからも明らかである。すなわち、(「L3長さ」−「L2長さ」)/Dは、いわば接地電極27の先端部分における貴金属チップ27の接合面の水平面に対する傾きを表しているといえるものであって、その値が「0.3」を超えてしまう場合には、耐剥離性の低下を招いてしまうことが懸念されるといえる。
次に、貴金属チップ32の埋没量であるE(mm)が「0.05」、「0.1」、「0.2」、「0.3」、「0.5」の各サンプルについて、貴金属チップ32が接合される際に当接する当接面の距離に相当するD(mm)を0.3mm〜1.7mmに種々変更した場合における、酸化スケール50%到達サイクルを評価した。その結果を図12に示す。
同図に示すように、距離Dが0.5≦D≦1.5を満たす場合には、耐剥離性が良好なものとなった。これに対し、Dが0.5mmよりも小さい場合には、耐剥離性が十分とはいえない。これは、接合面積を十分に確保することができないことが要因であると考えられる。一方、Dが1.5mmを超える場合にも、耐剥離性が十分とはいえない。これは、Dが1.5mmを超えると貴金属チップの接地電極への溶け込みが均一になり難く、その結果、溶接強度が不均一となってしまうことが原因であると考えられる。
また、貴金属チップの埋没量であるE(mm)が0.1≦E≦0.5を満たす場合には耐剥離性が良好なものとなることが明らかとなった。これに対し、Eが0.1mmよりも小さい場合には、耐剥離性が十分とはいえない。これは、溶接自体が十分であるとはいえず、満足できる接合強度を確保できないためであると考えられる。一方、Eが0.5mmを超える場合には、接合強度は向上するが、溶接が困難となる。実際に、E=0.6mmのサンプルを作製しようと試みたが作製することはできなかった。仮に、作製できたとしても、0.5mmを超えて埋没させようとすると過大な電流を流す必要が生じ、接地電極を構成する母材中に、デンドライトと称される融解凝固物が形成されてしまい、その存在によって耐酸化性の低下等を招いてしまうことが懸念される。
次に、接地電極の先端面の厚みであるC(mm)を種々変更した各サンプルについて、酸化スケール50%到達サイクルを評価した。その結果を図13に示す。同図に示すように、0.30×A≦C≦0.95×Aとすることで、酸化スケール50%到達サイクルが500サイクルを上回ることが明らかとなった。また特に、0.35×A≦C≦0.80×A、或いは、0.40×A≦C≦0.80×Aとすることで、酸化スケール50%到達サイクルが1000サイクルを上回ることが明らかとなった。これに対し、Cが、0.30×Aを下回る場合、或いは、0.95×Aを上回る場合には、酸化スケール50%到達サイクルが500サイクルを下回ってしまった。これは、貴金属チップの接合部位が、曲げによる残留応力のより大きいところに位置してしまうことによるものと考えられる。
続いて、火花放電間隙33の最短距離であるG(mm)に対する貴金属チップ32及び溶融部41間の最短距離であるF(mm)の割合、すなわち、F/Gを種々変更して作製した各スパークプラグサンプルに関し、溶融部と、貴金属チップとの間での飛火率を評価した。より詳しくは、所定の加圧チャンバー内(圧力0.4MPa、大気雰囲気)に各スパークプラグサンプルを取付け、点火させたときの画像を視認することに基づき、飛火率を算出した。その結果を図14に示す。
同図に示すように、F/Gが、「1.05」以上である場合には、溶融部と、貴金属チップとの間での飛火率が著しく少ないこと、つまり正常な火花放電が行われていることが判る。これに対し、F/Gが、「1.05」未満の場合には、溶融部と貴金属チップとの間での飛火率が格段に増大してしまうことが明らかになった。上記結果より、溶融部での飛火を回避するには、F/Gを「1.05」以上とすることが望ましいといえる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について図15〜図19を参照しつつ説明する。但し、本第2実施形態では、スパークプラグの製造方法について特徴を有しているため、以下では、スパークプラグの製造方法に関し、特に上記第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
上記第1実施形態においては、主体金具3の先端部に接合された直棒状の接地電極27の先端部(薄肉部272)の内周面に対して、貴金属チップ32を溶接した後、中心電極5を備えた絶縁碍子2と、前記主体金具3とが組み付けられる。そして、その後、前記接地電極27を屈曲させることで、スパークプラグ1を得ることとしている。
これに対して、本第2実施形態においては、まず、図15に示すように、絶縁碍子2と主体金具3を組み付ける前段階において、主体金具3の先端部に接合された直棒状の接地電極27を軸線CL1に向けて屈曲させる。尚、当該直棒状の接地電極27は、上記第1実施形態における接地電極27と比較して若干長いものとされている。これにより、接地電極27をより確実に屈曲させることができ、ひいては接地電極27の先端部をより確実に直線状とすることができるようになっている。
次いで、図16に示すように、接地電極27の先端部分(同図の斜線部)を切断するとともに、切断後の接地電極27の先端部の内側部分(同図の散点模様を付した部分)に関し、切削又はプレスを行うことで鉤状の切欠き加工を施し、平坦面27f(薄肉部272及び段部273)を形成する。尚、接地電極27の先端部分に対してプレスを行うことで、平坦面27fを形成した後、接地電極27の先端部分を切断することとしてもよい。
次に、図17に示すように、接地電極27の平坦面27fに対し貴金属チップ32を押し当てながら抵抗溶接を施し、前記貴金属チップ32を接地電極27に接合する。
そして、図18に示すように、前記接地電極27を備えた主体金具3と、中心電極5等を備えた絶縁碍子2とを組み付けることで、スパークプラグ1が得られる。尚、主体金具3及び絶縁碍子2を組み付けた後に、火花放電間隙33の大きさを微調整すべく、接地電極27を若干だけ屈曲させることとしてもよい(このとき、接地電極27に曲げ応力が生じることとなるが、当該曲げ応力は極めて小さなものであり、貴金属チップ32の耐剥離性が低下してしまうといった事態は生じ得ない)。
以上詳述したように、本第2実施形態によれば、屈曲加工によって生じる接地電極27の曲げ応力が貴金属チップ32に対して加わってしまうといった事態を抑制することができる。その結果、貴金属チップ32の耐剥離性のより一層の向上を図ることができる。
加えて、接地電極27の先端部(薄肉部272)の内周面に形成された平坦面27fに貴金属チップ32を接合するため、接地電極27に対して貴金属チップ32を比較的容易に接合することができる。その結果、貴金属チップ32の接合強度を一層向上させることができ、貴金属チップ32の耐剥離性の更なる向上を図ることができる。
さらに、貴金属チップ32の接合後において、主体金具3と絶縁碍子2とが組み付けられるため、接地電極27に貴金属チップ32を接合するためのスペースを十分に確保することができる。その結果、作業性の飛躍的な向上を図ることができる。また、接地電極27に対して貴金属チップ32をより一層確実かつ正確に接合することができ、ひいては接合強度のより一層の向上を図ることができる。
次に、本実施形態の製造方法によって奏される作用効果を確認すべく、上記第1実施形態における製造方法によって製造したスパークプラグのサンプル1(貴金属チップ接合後に接地電極を屈曲加工したもの)と、上記第2実施形態における製造方法によって製造したスパークプラグのサンプル2(接地電極の屈曲加工後、貴金属チップを接合したもの)とについて、上述の机上バーナー評価試験を行い、酸化スケール50%到達サイクルを測定した。図19に、試験結果を示す。
図19に示すように、両サンプルともに酸化スケール50%到達サイクルが1000サイクルを超え、優れた耐剥離性を有することが明らかとなった。特に、サンプル2については、酸化スケール50%到達サイクルが1500サイクル以上となり、極めて優れた耐剥離性を有することがわかった。これは、屈曲加工に伴う接地電極の曲げ応力が貴金属チップに対して加わってしまうことを防止できたことによると考えられる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、貴金属チップ32は、接地電極27に対し、抵抗溶接で接合される場合について具体化されているが、必ずしも抵抗溶接に限定されるものではない。従って、例えばレーザ溶接や電子ビーム溶接で接合することとしてもよい。
(b)上記実施形態では、1本の接地電極27が設けられたスパークプラグについて例示されているが、2本以上の接地電極を有するタイプのスパークプラグに具現化することもできる。
(c)上記実施形態では、断面矩形状の接地電極27を用いることとしているが、背面側が湾曲面となっていてもよいし、断面台形状をなしていてもよい。
(d)上記実施形態では、中心電極5の本体部の先端に貴金属チップ31が溶接により接合されている場合について具体化したが、当該中心電極用貴金属チップ31を省略した構成としてもよい。この場合には、本体部が中心電極5を構成する。
(e)上記実施形態では、説明の便宜上、接地電極27を単なる2層構造をなすものとして説明しているが、3層構造或いは4層以上の多層構造をなしていてもよい。但し、外層27Bに対し、その内側の層は、外層27Bよりも良熱伝導性金属を含んでいることが望ましい。例えば、外層27Bの内側に銅合金或いは純銅で構成された中間層が設けられ、中間層の内側に純ニッケルで構成された最内層が設けられていてもよい。また、複層構造ではなく、ニッケル単層のみからなる接地電極27を用いてもよい。
(f)上記実施形態では、貴金属チップ32は、接地電極27の先端面27sから軸線CL1に向けて突出し、中心電極用貴金属チップ31の外周と、貴金属チップ32との間の隙間が火花放電間隙33となっている。つまり、上記実施形態では、軸線CL1方向と直交する方向にほぼ沿って(いわば横方向に)火花放電が行われるようになっている。これに対し、図20に示すように、貴金属チップ32の軸線CL1方向における端面(図の下端面)が、中心電極用貴金属チップ31の先端面(又は中心電極5の先端面)と対向して配置された構成を採用することとしてもよい。すなわち、前記軸線CL1方向にほぼ沿って火花放電が行われるタイプのスパークプラグに具体化することとしてもよい。
また、図21に示すように、貴金属チップ32の前記突出方向における先端面が、中心電極用貴金属チップ31よりも先端側の軸線CL1と対向して配置された構成を採用することとしてもよい。すなわち、前記軸線CL1方向に対し斜めに火花放電が行われるタイプのスパークプラグに具体化することとしてもよい。
(g)上記実施形態では、特に、段部273の深さと、貴金属チップ32の厚みとの関係については言及していないが、段部273の深さが貴金属チップ32の厚みよりも大きくなるよう構成するのがより望ましい。これにより、薄肉部272がより薄いものとなり、薄肉部272における曲げによる残留応力をより小さいものとすることができる。
(h)上記実施形態では特に言及していないが、薄肉部272としては、あまりにも長すぎたのでは厚肉部271及び薄肉部272を設けた意義が阻害されてしまう。かかる観点からすれば、前記接地電極27の先端面27sから段差部273までの長さ(薄肉部272の長さ)は1.2(mm)以下であることが望ましい。
本実施形態のスパークプラグの構成を示す一部破断側面図である。 スパークプラグの部分拡大断面図である。 主要部分を拡大して示す側面模式図である。 中心線等の概念を説明するべく接地電極の主要部分を模式的に示す側面図である。 (a)は接地電極の主要部分を模式的に示す側面図であり、(b)は突出側の先端面側からみた接地電極を示す正面図(奥側は図示略)である。 第1曲線、第2曲線等の概念を説明するための図であって、(a)は接地電極の先端部分を模式的に示す側面図であり、(b)は接地電極の基端部分を模式的に示す側面図である。 (a),(b)ともに、評価実験で用いるサンプルの概念を説明するための断面端面図である(但し便宜上ハッチングを省略してある)。 当接面の距離D1及び先端ストレート長STを種々変更した接地電極サンプルにおいて、先端ストレート長STに対する酸化スケール50%到達サイクルの関係を示すグラフである。 加熱振動試験結果を示す図であって、B/Aに対する耐久時間の関係を示すグラフである。 (「L3長さ」−「L2長さ」)/Dの値を種々変更したサンプルに関し、(「L2長さ」−「L1長さ」)の値に対する酸化スケール50%到達サイクルの関係を示すグラフである。 (「L2長さ」−「L1長さ」)の値を種々変更したサンプルに関し、(「L3長さ」−「L2長さ」)/Dの値に対する酸化スケール50%到達サイクルの関係を示すグラフである。 貴金属チップの埋没量であるEを種々変更したサンプルについて、貴金属チップが接地電極に接合される際に当接する当接面の距離に相当するDに対する酸化スケール50%到達サイクルの関係を示すグラフである。 一般部の厚みであるAに対する先端面の厚みであるCの比率に対する、酸化スケール50%到達サイクルの関係を示すグラフである。 F/Gに対する溶融部と貴金属チップとの間での飛火率の関係を示すグラフである。 第2実施形態におけるスパークプラグの製造方法を説明するための接地電極等を示す拡大正面図である。 第2実施形態におけるスパークプラグの製造方法を説明するための接地電極等を示す拡大正面図である。 第2実施形態におけるスパークプラグの製造方法を説明するための貴金属チップ等を示す拡大正面図である。 第2実施形態におけるスパークプラグの製造方法を説明するための絶縁碍子2等を示す拡大正面図である。 製造方法の異なるサンプルについて、酸化スケール50%到達サイクルを示すグラフである。 別の実施形態におけるスパークプラグの主要部分を拡大して示す側面模式図である。 別の実施形態におけるスパークプラグの主要部分を拡大して示す側面模式図である。
符号の説明
1…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
5…中心電極
26…先端面(主体金具の先端面を含む平面)
27…接地電極
27s…先端面
27f…平坦面
27o…外周線
31…(中心電極用)貴金属チップ
32…貴金属チップ
32b…基端面
33…(火花放電)間隙
41…溶融部
L1…中心線
L2…第1曲線
L3…第2曲線
a…第1の点
b…第2の点
c…第3の点
d…第4の点
e…第5の点
f…第6の点
g…第7の点

Claims (17)

  1. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    基端が前記主体金具の先端部に接合され、先端が前記軸線に向けて曲げられて配置された接地電極とを備え、
    前記接地電極は、
    前記基端側に設けられた厚肉部と、
    前記先端側に設けられた薄肉部と、
    前記厚肉部と薄肉部との間の内周面側に設けられた段部とを備え、
    前記薄肉部の内周面には、自身の一部が埋め込まれるようにして接合され、前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する貴金属チップを備えたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 前記接地電極の側面方向から見た場合において、
    前記接地電極の厚肉部の厚みをA(mm)とし、
    前記接地電極の内周面の基端と、前記接地電極の先端面との水平方向の距離をB(mm)としたとき、
    B/A≦2.5を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 前記接地電極の側面方向から見た場合において、
    前記接地電極の厚肉部の厚みをA(mm)とし、
    前記接地電極の外周線を、内周側に[A/2]だけずらした曲線を中心線L1とし、
    前記中心線L1と、前記接地電極の先端面との交点を第1の点aとし、
    前記中心線L1と、前記主体金具の先端面を含む平面との交点を第2の点bとし、
    前記中心線L1の前記第1の点a及び第2の点b間の長さを、「L1長さ」(mm)とし、
    先端面の厚みをC(mm)とし、
    前記中心線L1より内周側に[C−A/2]だけずらした曲線を第1曲線L2とし、
    前記第1曲線L2と、前記先端面との交点を第3の点cとし、
    前記第1曲線L2と、前記主体金具の先端面を含む平面との交点を第4の点dとし、
    前記第1曲線L2の前記第3の点c及び第4の点d間の長さを「L2長さ」(mm)としたとき、
    −0.750≦「L2長さ」−「L1長さ」≦0.250
    を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  4. 前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
    前記接地電極の側面方向から見た場合において、
    前記貴金属チップの前記突出側の先端面とは反対側の基端面と、前記薄肉部の内周面との交点を第5の点eとし、
    前記第5の点eを通るよう前記中心線L1をずらした曲線を第2曲線L3とし、
    前記第2曲線L3と、前記接地電極の先端面との交点を第6の点fとし、
    前記第2曲線L3と、前記主体金具の先端面を含む平面との交点を第7の点gとし、
    前記第2曲線L3の前記第6の点f及び第7の点g間の長さを「L3長さ」(mm)とし、
    前記先端面と前記第5の点eとの距離をD(mm)とし、
    前記貴金属チップの前記薄肉部の内周面からの埋没量をE(mm)としたとき、
    0.5≦D≦1.5、
    0.1≦E≦0.5を満たすとともに、
    (「L3長さ」−「L2長さ」)/D≦0.30
    を満たすことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 0.30×A≦C≦0.95×A
    を満たすことを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  6. 0.40×A≦C≦0.80×A
    を満たすことを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  7. 前記中心電極は、その本体部の先端に溶接により接合された中心電極用貴金属チップを備えるとともに、
    前記中心電極の本体部及び中心電極用貴金属チップは、両者を構成する金属が相互に溶融され混じり合うことによって形成された溶融部を介して接合されており、
    前記中心電極用貴金属チップの外周面と、前記貴金属チップとの間に前記間隙を有してなり、
    前記貴金属チップ及び前記溶融部間の最短距離をF(mm)とし、
    前記間隙の最短距離をG(mm)としたとき、
    F≧1.05×G
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  8. 直棒状をなす接地電極の先端部分に関し、切削又はプレスを行うことで前記段部及び薄肉部が形成され、その後に、前記貴金属チップの溶接が行われ、さらにその後に、前記接地電極の曲げ加工が行われていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  9. 前記貴金属チップは、角柱形状をなすことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  10. 前記段部の深さが、前記貴金属チップの厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  11. 前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
    前記貴金属チップの前記突出方向における先端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向と直交する方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  12. 前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
    前記貴金属チップの前記軸線方向における端面が、前記中心電極の先端部と対向して配置されており、前記軸線方向にほぼ沿って火花放電が行われることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  13. 前記貴金属チップは前記接地電極の先端面から突出しており、
    前記貴金属チップの前記突出方向における先端面が、前記中心電極よりも先端側の軸線と対向して配置されており、前記軸線方向に対し斜めに火花放電が行われることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  14. 前記接地電極の薄肉部の内周面は、前記軸線方向に直交する平坦面であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  15. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    基端が前記主体金具の先端部に接合され、先端が前記軸線に向けて曲げられて配置された接地電極とを備えるとともに、
    前記接地電極は、
    前記基端側に設けられた厚肉部と、
    前記先端側に設けられた薄肉部と、
    前記厚肉部と薄肉部との間の内周面側に設けられた段部とを備え、
    前記接地電極の先端部の内周面には、自身の一部が埋め込まれるようにして接合され、前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する貴金属チップを有するスパークプラグの製造方法であって、
    前記接地電極を前記軸線に向けて屈曲させる工程と、
    前記接地電極の先端部の内周面に前記貴金属チップを接合する工程とを含み、
    前記接地電極を前記軸線に向けて屈曲させる工程の後、前記接地電極の先端部の内周面に前記貴金属チップを接合することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  16. 前記接地電極の先端部の内周面を平坦状とする工程を含み、
    前記接地電極を前記軸線方向に向けて屈曲させる工程の後、前記接地電極の先端部の内周面に前記貴金属チップを接合する工程の前において、前記接地電極の先端部の内周面を平坦状とすることを特徴とする請求項15に記載のスパークプラグの製造方法。
  17. 前記接地電極を先端部に備えた前記主体金具と、前記中心電極を備えた前記絶縁体とを組み付ける工程を含み、
    前記接地電極の先端部の内周面に前記貴金属チップを接合する工程の後、前記主体金具と前記絶縁体とを組み付けることを特徴とする請求項15又は16に記載のスパークプラグの製造方法。
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