JP2513173B2 - 内燃機関用スパ―クプラグの製造方法 - Google Patents

内燃機関用スパ―クプラグの製造方法

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JP2513173B2 JP4258101A JP25810192A JP2513173B2 JP 2513173 B2 JP2513173 B2 JP 2513173B2 JP 4258101 A JP4258101 A JP 4258101A JP 25810192 A JP25810192 A JP 25810192A JP 2513173 B2 JP2513173 B2 JP 2513173B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は耐消耗性を向上させた内
燃機関用スパークプラグ(以下スパークプラグと呼ぶ)
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来公知の貴金属チップを有するスパー
クプラグは、図1、2に示すように貴金属チップ5を加
締め後、抵抗溶接を行うか、図3の如く単に通常の抵抗
溶接を行うという方法で、貴金属チップが中心電極3も
しくは接地電極4に固定されている。 【0003】しかし、前記従来の構成では、次のような
問題がある。即ち、 (1)図1および図2の如く、加締め後、抵抗溶接を実
施する方法は、加締める必要があるために凹部3bを作
るなど構造が複雑になり、特に接地電極4で加締め形状
をつくるのは非常に困難であり、量産する上で非常に問
題がある。 【0004】(2)図3の如く、単に抵抗溶接のみを行
う方法では、確かに製造方法は容易ではあるが溶接後の
信頼性が問題となる。 (3)また、仏国第1435473号明細書に開示され
るように、円柱形状の白金ロッドを高周波炉により溶融
させた中心電極に挿入することにより、中心電極の端面
に円錐ロッドを形成し、この円錐ロッドにより、強固に
白金ロッドを中心電極内に固定させている。しかしなが
ら、このような高周波炉を使用することは、装置が非常
に大型化してしまい量産する上で非常に問題がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来で
は、量産する上においても問題とならない容易な製造方
法によって、貴金属チップを電極に強固に固定させるこ
とができなかった。 【0006】本願発明発明は、上記問題点を鑑みたもの
であり、例え環境が急に変化したとしても、貴金属部材
が強固に固定させることができるスパークプラグを容易
に得ることのできるスパークプラグの製造方法を提供す
ることを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、絶縁
碍子と、該絶縁碍子に保持された中心電極と、前記絶縁
碍子に固定されたハウジングと、該ハウジングに設けら
れるとともに前記中心電極に対向した接地電極と、前記
中心電極または前記接地電極の少なくとも一方に設けら
れ前記接地電極また前記中心電極に対向する貴金属部材
からなる内燃機関用スパークプラグの製造方法であっ
て、前記貴金属部材を挟持することによって前記貴金属
部材を保持する前記一方の電極よりなる盛り上がり部が
形成されるように抵抗溶接を行うことによって、前記中
心電極または前記接地電極の少なくとも一方に前記貴金
属部材を設ける内燃機関用スパークプラグの製造方法を
提供するものである。 【0008】そこで、本発明では、上記構成とすること
により、貴金属部材の電極への固定の際には、前記貴金
属部材の外周に、中心電極または接地電極の少なくとも
一方と一体に形成されるとともに前記貴金属部材を保持
する盛り上がり部が形成されるように、貴金属部材と中
心電極または接地電極の少なくとも一方に対して抵抗溶
接を行うことによって、中心電極または接地電極に貴金
属部材を設けるので、きわめて容易に貴金属部材外周に
盛り上がり部を形成することができる。 【0009】そして、電極と一体となった盛り上がり部
が貴金属部材を保持するために、たとえ環境が急に変化
したとしても、貴金属部材と電極との接合は、単に貴金
属チップの端面で行われるだけでなく、貴金属部材の外
周においても中心電極または接地電極に保持されている
ので、貴金属部材が中心電極または接地電極に強固に固
定させることができる。 【0010】 【実施例】以下本発明を具体的実施例により詳細に説明
する。図4は、本発明のスパークプラグの先端断面図を
示す。 【0011】3は、本発明のスパークプラグの中心電極
であり、通常のスパークプラグに適用されているNiに
Cr、Fe等が添加された耐熱耐食性に優れた従来周知
のNi基合金よりなり、絶縁碍子2の軸穴2aに封入さ
れている。そして、中心電極3の先端部には、この中心
電極3の胴部3aよりも径の小なる径小部3bが形成さ
れ、この径小部3bの先端面において、貴金属である白
金よりなるとともに、直径0.7mm〜1.0mmで厚
さ0.1mm〜0.4mm程度の偏平形状をなす固定部
5aと、後述する接地電極4に対向する対向部5bとを
有する貴金属部材である貴金属プレート5が、中心電極
3の径小部3bとの接触面からはみ出すことなく抵抗溶
接によって固定されている。 【0012】また、ハウジング1には、中心電極3と同
様、通常のスパークプラグに適用されているNiにC
r、Fe等が添加された耐熱耐食性に優れた従来周知の
Ni基合金よりなる接地電極4が溶接されており、この
接地電極4のうち中心電極3の貴金属プレート5との対
設部分には、偏平形状をなす固定部6aと、貴金属プレ
ート5に対向する対向部6bとからなる貴金属部材であ
る貴金属プレート6が接地電極4との接触面からはみ出
さない範囲内において、抵抗溶接により固定されてい
る。 つまり、本実施例においては、各電極3、4の貴
金属プレート5、6の対向部5b、6bが相対向するよ
うに固定されている。 【0013】次に、この貴金属プレート5、6の対設部
分の拡大図を図5に、又図5のA−A断面図を図6に示
す。この図5乃至図6から明らかなように、本発明のス
パークプラグでは、抵抗溶接による電極3、4の素材の
盛り上がり部3c、4aが、各貴金属プレート5、6の
偏平形状の固定部5a、6aの全周にわたり形成されて
いるとともに、この盛り上がり部3c、4aが各貴金属
プレート5、6の約1/2の高さまで盛り上がってお
り、この盛り上がり部3c、4aで各貴金属プレート
5、6は確実に中心電極3の径小部3bおよび接地電極
4に固定されている。 【0014】次に、本発明のスパークプラグの各電極
3、4への貴金属プレート5、6の接合方法を詳述す
る。はじめに、中心電極3の径小部3bの先端部に貴金
属プレート5を接合する際には、この径小部3bの先端
面に貴金属プレート5を載せ、抵抗溶接に用いる図示し
ない電極を中心電極3および貴金属プレート5のそれぞ
れに接続させる。そして、この電極間に電流をながすこ
とによって、中心電極3と貴金属プレート5との間に接
触抵抗による抵抗熱を生じせしめ、この熱を利用するこ
とによって、中心電極3の径小部3bの母材の一部を軟
化させるとともに、貴金属プレート5を径小部3bに対
して加圧することにより、貴金属プレート5の偏平形状
の固定部5aが、径小部3bに埋没することによって、
上記盛り上がり部3cが形成されるのである。 【0015】この時、本実施例では、加圧力を14k
g、電流を800A、通電時間を5サイクルとした。ま
た、接地電極4では、中心電極3の径小部3bに接合さ
れた貴金属プレート5に対設する位置に貴金属プレート
6を載せ、中心電極3に貴金属プレート5を接合した時
と同一条件にて、接地電極4にも貴金属プレート6の固
定部6aを固定した。 【0016】以上のように、各電極3、4と各電極プレ
ート5、6との間に、抵抗溶接により生じる抵抗熱を生
じさせ、この抵抗熱によって、各電極3、4と各貴金属
プレート5、6との間が軟化し固溶するとともに、各貴
金属プレート5、6をこの軟化した分に対して加圧を行
い、各貴金属プレート5、6の固定部5a、6aの全周
にわたり盛り上がり部3c、4aを形成するのである。 【0017】上記実施例によれば、中心電極3の先端に
形成された径小部3bのように、先端端面の面積の小さ
なところにも、接合面がはみ出すことなく接合可能な貴
金属プレート5、6であっても、溶接盛り上がり部3
c、4aにより、貴金属プレート5、6の固定部5a、
6aの全周にわたって加締められた構造となっているた
め、外力による側面からの貴金属プレート5、6の剥離
が防止され、また中心電極3および接地電極4の母材金
属と貴金属プレート5および6との線膨張係数の違いの
ための冷熱サイクル繰り返しによる貴金属プレート5、
6の剥離が防止できる。 【0018】さらにまた、白金にイリジウムを添加する
と硬度が増すので、上記溶接には適する。本発明は上記
の実施例に限定されず、以下のごとく数々の変形が可能
である。 【0019】(1)貴金属プレート5、6の材質は白金
の他に、パラジウム、イリジウム、ロジウム、金等、な
らびこれらの合金でも勿論よい。 (2)貴金属プレート5、6の形状は円形、長方形、星
形状等、数々の形状が考えられる。 【0020】 【発明の効果】以下要するに本発明によれば、貴金属部
材の外周に中心電極また接地電極の少なくとも一方と一
体に形成されるとともに盛り上がり部が形成されるよう
に、貴金属部材と中心電極または接地電極の少なくとも
一方に対して抵抗溶接を行うことにより、中心電極また
は前記接地電極の少なくとも一方に貴金属部材を設ける
ので、きわめて容易に貴金属部材外周に盛り上がり部を
形成することができる。そして、このような容易な方法
であっても、貴金属部材を保持する電極と一体に形成さ
れるとともに前記貴金属部材を保持する盛り上がり部を
形成することにより貴金属部材を中心電極または接地電
極に強固に保持させることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】従来のスパークプラグを示す断面図である。 【図2】図1の電極部の製造説明に供する正面図であ
る。 【図3】従来の他の例における電極部の正面図である。 【図4】本発明の一実施例を示す断面図である。 【図5】図4の要部を拡大して示す断面図である。 【図6】図5のA−A断面図である。 【符号の説明】 3 中心電極 3a 中心電極の胴部 3b 中心電極の径小部 3c、4a 盛り上がり部 4 接地電極 5、6 貴金属部材

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 (1) 絶縁碍子と、該絶縁碍子に保持された中心電極と、
    前記絶縁碍子に固定されたハウジングと、該ハウジング
    に設けられるとともに前記中心電極に対向した接地電極
    と、前記中心電極または前記接地電極の少なくとも一方
    に設けられ前記接地電極また前記中心電極に対向する貴
    金属部材からなる内燃機関用スパークプラグの製造方法
    であって、前記貴金属部材を挟持することによって前記貴金属部材
    を保持する前記一方の電極よりなる盛り上がり部が形成
    されるように 抵抗溶接を行うことによって、前記中心電
    極または前記接地電極の少なくとも一方に前記貴金属部
    材を設けることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ
    の製造方法。 (2) 前記貴金属部材の全外周に前記盛り上がり部が形成
    されるように抵抗溶接によって前記貴金属部材が前記中
    心電極または前記接地電極の少なくとも一方に設けられ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の内燃機
    関用スパークプラグの製造方法。 (3) 前記抵抗溶接の加圧力,電流量および通電時間は、
    前記貴金属部材の外周に前記中心電極または前記接地電
    極の少なくとも一方と一体に形成されるとともに前記貴
    金属部材を保持する盛り上がり部が形成されるように設
    定されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の内燃機関用スパークプラグの製造方法。
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