JP2001210447A - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ

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JP2001210447A
JP2001210447A JP35976799A JP35976799A JP2001210447A JP 2001210447 A JP2001210447 A JP 2001210447A JP 35976799 A JP35976799 A JP 35976799A JP 35976799 A JP35976799 A JP 35976799A JP 2001210447 A JP2001210447 A JP 2001210447A
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combustion engine
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啓二 金生
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恒円 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Irを主成分とするIr合金を火花放電部電
極材として接地電極に溶接してなる内燃機関用スパーク
プラグにおいて、該火花放電部電極材の脱落を防止し、
プラグの長寿命化を図る。 【解決手段】 中心電極30は、その先端部31を露出
させた状態で取付金具10内部に絶縁保持されている。
接地電極40は、中心電極30の先端部31の側方にて
取付金具10の一端面12に固定されたNi基合金から
なる母材41と、該母材31内部に挿入されレーザ溶接
されたIrを50重量%以上含むIr合金部材42とを
備える。Ir合金部材42の先端部43は、中心電極3
0の先端部31に対向するように母材41から延び、中
心電極30の先端部31との対向部に放電ギャップ50
を形成しており、Ir合金部材42と母材41との溶融
部45は放電ギャップ50から離れた位置にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コージェネレーシ
ョン、ガス圧送用ポンプ、自動車等に適用され、Irを
主成分とするIr合金を火花放電部電極材として接地電
極に溶接してなる内燃機関用スパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のスパークプラグは、取
付金具内に絶縁体を介して絶縁保持された中心電極と、
取付金具に接合された接地電極とを備える。そして、中
心電極の絶縁体から露出した部分と接地電極とを対向さ
せ、この対向部(火花放電部)に、火花放電が行われる
放電ギャップを形成する。さらに、プラグの長寿命、高
性能化のために、接地電極(通常Ni基合金)の放電ギ
ャップ部分に火花放電部電極材としてのPt(白金)合
金を溶接することが行われている。
【0003】しかしながら、Pt合金では、将来のより
厳しいエンジン仕様に対し、耐消耗性の不足が予想され
る。そこで、近年、Pt合金よりも高融点であるIr
(イリジウム)を主成分とするIr合金の使用が検討さ
れており、例えば、特開平8−298178号公報に
は、Ir合金チップを上記火花放電部電極材として用い
たものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Irを主成
分とするIr合金即ちIr量が50重量%以上のIr合
金おいては、Ni(ニッケル)基合金からなる接地電極
に接合するには、抵抗溶接では接合力が弱く、レーザ溶
接等を用いて確実にNiとIrとの合金を主成分とする
溶融部を形成する必要がある。
【0005】しかし、上記従来の構成では、NiとIr
とが溶融しあって形成される溶融部は火花放電部近傍に
存在するとともに、当然ながら火花放電部電極材として
のIr合金チップよりもIrの量が少ない。そのため、
該溶融部は火花消耗性が悪く、放電によって消耗してし
まい、Ir合金チップが接地電極から脱落してしまうと
いう問題が生じる。
【0006】本発明は上記問題に鑑み、Irを主成分と
するIr合金を火花放電部電極材として接地電極に溶接
してなる内燃機関用スパークプラグにおいて、該火花放
電部電極材の脱落を防止し、プラグの長寿命化を図るこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、Irを主成分
とするIr合金と接地電極との溶融部を、火花放電部近
傍に存在させない、即ち、火花放電部において接地電極
側をIrを主成分とするIr合金のみで構成することに
着目し、Ir合金とこれを溶接する接地電極母材との配
置関係等について鋭意検討した結果、なされたものであ
る。
【0008】即ち、請求項1記載のスパークプラグは、
中心電極(30)と、該中心電極の先端部(31)を露
出させた状態で該中心電極を絶縁保持する取付金具(1
0)と、Ni基合金からなる母材(41)及び該母材に
溶接により固定されたIrを50重量%以上含むIr合
金部材(42)を有する接地電極(40)とを備え、該
母材を該中心電極の先端部の側方側にて該取付金具に固
定し、該Ir合金部材を、その先端部(43)が該中心
電極の先端部に対向するように該母材の先端部(41
a)から径方向へ延びたものとし、該Ir合金部材の先
端部と該中心電極の先端部との対向部に放電ギャップ
(50)を形成するようにしたことを特徴としている。
【0009】本発明によれば、溶接によるIr合金部材
と母材との溶融部が、放電ギャップの延長線上およびそ
の近傍に存在することが無いから、火花消耗によって火
花放電部電極材としてのIr合金部材が脱落するのを防
止し、プラグの長寿命化を図ることができる。
【0010】また、請求項2記載のスパークプラグは、
Ir合金部材(42)を、母材(41)に対して溶接に
よって互いに溶け込み合った溶融部(45)を形成して
固定したものとしたことを特徴とするものである。この
ような溶融部を形成する方法としては、レーザ溶接、プ
ラズマ溶接及びアルゴン溶接等のいずれか1種を用いる
ことができる。
【0011】また、請求項2及び請求項3記載の発明に
ついて、更に溶融部の形状、寸法等の検討をすすめた結
果、請求項4及び請求項5記載の発明を実験的に見出す
に至った。即ち、請求項4記載の発明では、Ni基合金
からなる母材(41)とIr合金部材(42)との溶融
部(45)において、該溶融部の該Ir合金部材の内部
への溶け込み深さDを、0.2mm以上としたことを特
徴としている。それによって、該母材と該Ir合金部材
との固定強度を安定して良好に維持でき、本発明の目的
をより高いレベルで実現できる。
【0012】さらに、請求項5記載の発明のように、溶
融部(45)がIr合金部材(42)を貫通していない
構成とすることにより、いっそう良好な母材とIr合金
部材との固定強度を確保できる。
【0013】また、請求項6記載の発明では、請求項2
〜請求項5のスパークプラグにおける前記溶融部(4
5)において、該溶融部と中心電極(30)の先端部
(31)との最短距離Lを、該放電ギャップの間隔Gよ
りも大きくしたことを特徴としている。
【0014】スパークプラグはその機能上、当然放電ギ
ャップのみにおいて放電(飛び火)しなければならず、
それ以外の部位で放電が発生することは好ましくない。
また、放電は部材間の間隔(距離)が小さいと発生しや
すく、大きいと発生しにくい。従って、上記最短距離L
を放電ギャップの間隔Gよりも大きくすれば、溶融部と
中心電極の先端部との間の放電を抑制し、溶融部の消耗
を抑制できる。
【0015】また、上記の最短距離Lと間隔Gとを種々
変えた場合について実験検討した結果、請求項7の発明
のように、上記最短距離Lを放電ギャップの間隔Gより
も0.2mm以上大きくすれば、ほぼ放電ギャップのみ
で放電が起こり、溶融部と中心電極の先端部との間の余
分な放電を確実に防止できることを見出した。
【0016】また、請求項8記載の発明は母材とIr合
金部材との固定構造の具体的手段を提供するものである
が、Ir合金部材(42)の一部を母材(41)に挿入
した上、該挿入部分にて溶接するようにしているから、
より強固な固定構造とできる。また、Ir合金部材(4
2)は、請求項9記載の発明のようなIrを50重量%
以上(好ましくは70重量%以上)含んだものにでき
る。
【0017】また、請求項10記載の発明は、筒形状の
取付金具(10)における中心電極(30)の露出側の
一端面に母材(41)を固定する構造であって、該一端
面がIr合金部材(42)が延びる方向と略平行な面と
なっており、該一端面のうち該中心電極寄りの少なくと
も接地電極(40)が取り付けられた端部に逃げ角(1
3)を施し、該逃げ角の寸法Cを0mmよりも大きく
2.0mm以下の範囲としたことを特徴としている。
【0018】例えば、スパークプラグをコージェネレー
ション、ガス圧送用ポンプに使用する場合、火花消耗に
より増加したギャップを定期的に初期ギャップに戻す必
要がある。その場合、本発明においては、接地電極の母
材が逃げ角部分の傾斜面に沿って曲がりやすくなってい
るため、母材を固定部分と反対側から押圧することで、
簡単にIr合金部材の先端部を中心電極の先端部に近づ
けることができ、増加した放電ギャップを狭くすること
ができる。
【0019】ここで、逃げ角の寸法Cが0mmよりも大
きければギャップ調整が比較的容易に達成でき、また、
寸法Cが2.0mm以上であると母材(41)を接合す
る場所が小さくなるため、2.0mm以下が望ましい。
【0020】また、請求項11記載の発明では、母材
(41)と取付金具(10)との間に、中間部材(6
0)を介在させたことを特徴としており、これにより該
取付金具を加工することなくギャップ調整が容易にでき
る。
【0021】また、請求項12以下の発明は、上記請求
項10及び請求項11記載の発明の効果である放電ギャ
ップ調整を容易に行うことを目的としてなされたもので
ある。まず、請求項12記載の発明では、中心電極(3
0)と、該中心電極の一端を保持する取付金具(10)
と、一方が該取付金具の端部に取り付けられ、他方が該
中心電極との対向部にて放電ギャップ(50)が形成さ
れる略直棒形状の接地電極(40)とを備え、少なくと
も該接地電極が取り付けられた該取付金具の端部(1
2)に、該端部を取付金具の内周面側に逃げ角(13)
を形成したことを特徴としている。
【0022】本発明は、上記請求項10の発明と同様
に、火花消耗により増加したギャップを定期的に初期ギ
ャップに戻すときにギャップ調整をし易くすることを目
的としたもので、取付金具の端部のうち接地電極が取り
付けられた部位において、取付金具の内周面側に逃げ角
を形成している。そのため、略直棒形状の接地電極を逃
げ角の傾斜面に沿って曲がりやすくでき、接地電極を取
付金具の固定部分とは反対側から押圧することで、簡単
に接地電極の他方側を中心電極との対向部に近づけるこ
とができ、増加した放電ギャップを容易に調整できる。
【0023】ここで、請求項13の発明のように、逃げ
角(13)の寸法Cは0mmよりも大きく2mm以下で
あることが好ましい。これは、逃げ角の形成により請求
項12の発明の効果を奏するとともに、該逃げ角寸法が
2mmよりも大であると接地電極と取付金具との接合面
積が小さくなる等、接合信頼性が確保しにくくなるため
である。また、請求項14記載の発明は、請求項12ま
たは請求項13に記載の内燃機関用スパークプラグに用
いて好適な接地電極(40)の具体的構成を提供するも
のである。
【0024】また、請求項15記載の発明は、中心電極
(30)と、該中心電極の一端を保持する取付金具(1
0)と、一方が該取付金具の端部に介在部材(60)を
介して取り付けられ、他方が該中心電極との対向部にて
放電ギャップ(50)が形成される略直棒形状の接地電
極(40)とからなることを特徴とする内燃機関用スパ
ークプラグを提供するものである。
【0025】本発明によれば、接地電極と取付金具との
間に介在する介在部材の材質や形状等を調整すること
で、接地電極に圧力をかけて介在部材を厚み方向に変形
させることができるため、請求項11の発明と同様に、
取付金具を加工することなく、簡単に接地電極を中心電
極との対向部に近づけることができ、増加した放電ギャ
ップを容易に調整できる。
【0026】ここで、請求項16の発明のように、介在
部材(60)におけるその厚み方向と直交する断面の面
積S2が、3.0mm2以上8.0mm2以下であること
が好ましい。これは、該面積S2が3.0mm2未満だ
と、介在部材自体が細すぎて(接地電極の熱引けが悪く
なり)スパークプラグにおける電極温度が高くなり、ま
た、8.0mm2よりも大であると、取付金具との接合
面積が大きすぎて接合が困難となるためである。
【0027】また、請求項17の発明のように、介在部
材(60)の厚みL2が、0.5mm以上3.0mm以
下であることが好ましい。これは、該厚みL2が0.5
mm未満であると、介在部材自身が厚み方向に変形しに
くく、また、3.0mmよりも大であると、接地電極の
燃焼室側への突き出し長さが大きくなり耐熱性確保の点
から好ましくないためである。
【0028】また、請求項18の発明では、介在部材
(60)を、厚み方向と直交する断面が接地電極(4
0)の長手方向に短辺、該接地電極の長手方向と直交す
る方向に長辺を有する長方形である四角柱部材としてい
るから、接地電極自体の変形も容易とできる。さらに、
本発明では、該短辺の長さa2を2.0mm以下、該長
辺の長さb2を4.0mm以下としている。これは、こ
れら長さa2、b2がこの範囲から外れると、介在部材
が大きくなり取付金具に搭載しにくくなるためである。
【0029】また、請求項19の発明のように、介在部
材(60)を、引張り強さが350N/mm2以上13
00N/mm2以下のNi基合金もしくはFe基合金よ
りなるものとすることが好ましい。これにより、請求項
15〜請求項18の内燃機関用スパークプラグにおける
効果を適切に発揮できる。
【0030】また、請求項20の発明では、中心電極
(30)と、該中心電極の一端を保持する取付金具(1
0)と、一方が該取付金具の端部(12)に取り付けら
れ、他方が該中心電極との対向部にて放電ギャップ(5
0)が形成される略直棒形状の接地電極(40)とを備
え、少なくとも該接地電極の一部に、溝部(70)を形
成したことを特徴とする内燃機関用スパークプラグを提
供するものである。
【0031】本発明によれば、接地電極の長手方向と直
交する断面において、溝部形成部は他の部位に比べて断
面積を小さくできる。そのため、接地電極は溝部を中心
に曲がりやすくなり、接地電極を取付金具の固定部分と
は反対側から押圧することで、簡単に接地電極の他方側
を中心電極との対向部に近づけることができ、増加した
放電ギャップを容易に調整できる。
【0032】また、請求項21の発明では、溝部(7
0)を、少なくとも接地電極(40)の厚み方向に溝を
掘るように形成したことを特徴としており、接地電極を
厚み方向、即ち、中心電極に向かう方向に曲げやすくで
きる。つまり、接地電極の幅方向に溝を掘るよりも、厚
み方向に形成した方が、放電ギャップを調整すべく接地
電極を所望の方向に曲げやすくできる。
【0033】また、請求項22の発明のように、接地電
極(40)の長手方向と直交する断面のうち溝部(7
0)における面積S3は、2.0mm2以上であること
が好ましい。これは、該面積S3が2.0mm2未満で
あると、溝部が細すぎて接地電極の熱引けが悪くなり、
電極温度が高くなるためである。
【0034】また、請求項23の発明のように、溝部
(70)の幅Pは、0.5mm以上2.0mm以下であ
ることが好ましい。これは、該幅Pが0.5mm未満で
あると接地電極が曲げにくくなり、2.0mmよりも大
きいと、細い部分である溝部が長すぎて接地電極の熱引
けが悪くなり、電極温度が高くなるためである。
【0035】また、接地電極をより曲げやすいものとす
るためには、請求項24の発明のように、溝部(70)
は、少なくとも接地電極(40)の他方側先端より3.
0mm以上離れていることが好ましい。また、請求項2
0〜請求項24記載の接地電極(40)においては、請
求項25の発明のように、引張り強さが350N/mm
2以上1400N/mm2以下のNi基合金もしくはFe
基合金よりなるものを好適に用いることができる。
【0036】なお、上記した括弧内の符号は、後述する
実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例であ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。本実施形態は、例えばコージェネレ
ーションにおける発電機のガスエンジン用のスパークプ
ラグとして用いられる。図1に本実施形態に係るスパー
クプラグ100の全体構成を示す半断面図を示し、図2
に図1中の丸で囲んだA部分の詳細を示す拡大断面図を
示す。なお、図2中、(b)は(a)のB−B断面図で
ある。
【0038】スパークプラグ100は、円筒形状の取付
金具(ハウジング)10を有しており、この取付金具1
0は、図示しないエンジンブロックに固定するための取
付ネジ部11を備えている。取付金具10の内部には、
アルミナセラミック(Al23)等からなる絶縁体20
が固定されており、この絶縁体20の先端部21は、取
付金具10の一端面(端部)12から露出するように設
けられている。
【0039】中心電極30は絶縁体20の軸孔22に固
定され、絶縁体20を介して取付金具10に絶縁保持さ
れており、中心電極30の先端部31は絶縁体20の先
端部21から露出するように設けられている。図2に示
す様に、この中心電極30は、内材がCu等の熱伝導性
に優れた金属材料、外材がNi基合金等の耐熱性および
耐食性に優れた金属材料により構成された円柱体をなす
本体32と、この本体32に溶接固定された上記先端部
31としての円板状のIr合金チップ31aから構成さ
れる。
【0040】接地電極40は、Ni基合金からなる母材
41、及び該母材41に溶接により固定されたIrを5
0重量%以上含む柱状のIr合金部材42を有し、全体
として略直棒形状をなす。母材41は、中心電極30の
先端部31の側方側にて取付金具10の一端面12に支
持固定され、Ir合金部材42は、その先端部43が中
心電極30の先端部31に対向するように母材41の先
端部41aからプラグの径方向へ延びており、Ir合金
部材42の先端部43と中心電極30の先端部31との
対向部に放電ギャップ50が形成されている。
【0041】ここで、図2に示す例では、母材41は矩
形ブロック状をなし、Ir合金部材42は四角柱形状を
なしている。また、母材41が固定された取付金具10
の一端面12はIr合金部材42が延びる方向と略平行
な面となっており、該一端面12のうち中心電極30寄
りの端部、即ち取付金具10の内径側端部には、逃げ角
(テーパ部)13が施されている。
【0042】また、Ir合金部材42は、先端部43と
は反対側の端部が母材41に形成された挿入穴44に挿
入され、この挿入部分にてレーザ溶接されることにより
固定されている。そして、母材41とIr合金部材42
との溶接部において、これら両材41、42が互いに溶
け込み合った溶融部45が、母材41の外表面からIr
合金部材42の内部に渡って形成されており、両材4
1、42の接合を確保している。なお、溶融部45の形
状は、切断面を金属顕微鏡等で観察することで知ること
ができる。
【0043】ここで、中心電極30の先端部31として
のIr合金チップ31aは、耐消耗性向上のために、接
地電極40のIr合金部材42と同様、Irを50重量
%以上(好ましくは70重量%以上)含むIr合金より
なる。なお、中心電極30において本体32とIr合金
チップ31aとの溶接部分は絶縁体20により被覆され
ているため、この溶接部分においては、上述の接地電極
に起こるような放電による消耗の問題は生じない。
【0044】また、上記中心電極30における本体32
の外材及び接地電極40の母材41に用いられるNi基
合金としては、例えば、インコネル(登録商標)を採用
できる。また、接地電極40において、Irを主成分と
するIr合金よりなるIr合金部材42としては、50
重量%以上のIrに対してRh(ロジウム)、Pt、R
u(ルテニウム)、Pd(パラジウム)およびW(タン
グステン)のうち少なくとも1種が添加されているもの
を採用できる。例えば、Ir−10Rh合金(Irが9
0重量%、Rhが10重量%のもの)を採用できる。
【0045】次に、本実施形態にかかるスパークプラグ
の製造方法について、接地電極の製造方法を中心に説明
するが、他の部分の製造工程については、周知であるた
め説明を省略する。なお、図3〜図5は、スパークプラ
グ100の製造方法を示す工程図であり、図5(a)〜
(c)では、図2(b)に対応した断面にて、各工程中
の状態を模式的に示してある。
【0046】まず、図3(a)及び(b)に示すカップ
作製工程を行う。ここで(b)は(a)中のC−C断面
図である。予め冷間鍛造等により加工されたインコネル
(商標名)よりなるカップ100を作製する。このカッ
プ100は、最終的に母材41となるもので、一端が開
口部101、他端が閉塞した底部102を形成する円筒
形のカップ部を有する。カップ100における各部寸法
は、例えば、外径d1がφ3.5mm、内径d2がφ
2.2mm、カップ部の深さd3が1.5mm、カップ
100の全長d4が5.5mmとできる。
【0047】次に、図3(c)及び(d)に示すプレス
工程を行う。ここで(d)は(c)中のD−D断面図で
ある。即ち、上記カップ100をプレス(例えば1.0
ton)し、カップ部の深さd3及び全長d4を変えず
に、楕円筒形とする。プレス後のカップ100における
各部寸法は、例えば、長径方向における外径d5が4.
5mm、内径d6が3.0mm、短径方向における外径
d7が2.5mm、内径d8が1.2mmとできる。
【0048】次に、プレス後のカップ100を真空中で
焼鈍する(真空焼鈍工程)。例えば1000℃で3時
間、焼鈍する。次に、図4(a)に示すIr合金部材挿
入工程を行う。焼鈍後のカップ100のカップ部に、開
口部101側からIr合金部材42を挿入するのである
が、上記寸法例のカップ100に対しては、例えば、幅
2.5mm、厚さ1.0mm、長さ5.0mmの四角柱
形状のIr合金部材42を挿入する。
【0049】そして、図4(b)に示すかしめ工程にお
いては、Ir合金部材42が挿入されたカップ100
を、図4(b)中の実線及び破線の白抜き矢印に示す様
に、両側又は全周方向からかしめ、Ir合金部材42と
カップ100とを固定する。
【0050】次に、図4(c)及び(d)に示すレーザ
溶接工程を行う。ここで(d)は(c)中の下方(矢印
E方向)から見た図である。レーザ溶接は、上記かしめ
工程と同様、図4(c)中の実線及び破線の白抜き矢印
に示す様に、両側又は全周方向から行う。ここで、レー
ザ溶接条件は、例えば、エネルギーが33J(パルス幅
が15msec、充電電圧が360V)、デフォーカス
が+2mm(つまりレーザの焦点が照射面よりも2mm
奥にある)、レーザのビーム径がφ0.4mmとでき
る。このような条件にて照射することにより、上記溶融
部45が形成され、単体としての接地電極40が形成さ
れる。
【0051】続いて、図5(a)に示す様に、この接地
電極40における母材41(つまりカップ100)を、
取付金具10の一端面12に抵抗溶接等により溶接し、
固定する(接地電極取付工程)。その後、Ir合金部材
42先端部43が中心電極30の先端部31に対向する
ように、取付金具10を、中心電極30が設けられた絶
縁体20に組付ける(図5(b)参照、組付工程)。
【0052】その後、図5(c)に示す様に、接地電極
40の母材41を押圧することにより、Ir合金部材4
2の先端部43と中心電極30の先端部31との間の放
電ギャップ50の間隔を調整する(ギャップ調整工
程)。こうしてスパークプラグ100が完成する。
【0053】ところで、本実施形態のスパークプラグ1
00によれば、Ir合金部材42と母材41との溶融部
45が、放電ギャップ50の側方の離れた位置にあり、
放電ギャップ50の延長線上およびその近傍に存在する
ことが無いから、火花消耗によって火花放電部電極材と
してのIr合金部材42が脱落するのを防止し、プラグ
の長寿命化を図ることができる。
【0054】次に、本実施形態の特徴的部分について、
より詳細に述べる。本実施形態では、図2に示す溶融部
45と中心電極30の先端部31との最短距離Lを、放
電ギャップ50の間隔Gよりも大きくしたことを特徴と
している。これは、これら寸法L、Gを種々変えた場合
について実験検討した結果得られた知見を根拠とするも
のである。その一検討例を図6に示す。
【0055】図6(b)及び(c)に示す様に、本実施
形態のスパークプラグとして、溶融部45が放電ギャッ
プ50に面している構成のものについて検討した。図6
(b)に示すものは、Ir合金部材42を、母材41に
形成された挿入穴44に挿入し、母材41の先端部にお
ける母材41とIr合金部材42との界面をレーザ溶接
することにより、溶融部45を形成したものである。ま
た、図6(c)に示すものは、Ir合金部材42を母材
41の先端部に接触させた状態で、両部材41、42の
界面をレーザ溶接することにより、溶融部45を形成し
たものである。
【0056】ここで、接地電極40のIr合金部材4
2、及び中心電極30の先端部31としてIr−10R
h合金を採用した。そして、放電ギャップ50の間隔G
が0.3mm〜0.8mmの範囲において、上記最短距
離L(寸法L)を変えたものについて、接地電極40の
溶融部45への飛火頻度(溶融部飛火頻度)を測定し
た。該測定は、チャンバにプラグを取付け、ゲージ圧
0.6MPaに加圧し、火花放電させることにより行っ
た。寸法L(mm)と溶融部飛火頻度(%)との関係を
図6(a)に示す。
【0057】本発明者等の検討によれば、スパークプラ
グ100においては、溶融部45への飛火が20%以内
となるように、溶融部45と中心電極30の先端部31
との間の放電を抑制すれば、溶融部45の消耗を抑制で
きる。図6(a)から、上記最短距離L(寸法L)が放
電ギャップの間隔Gよりも大きければ、溶融部飛火頻度
を20%以内に抑制できている。
【0058】また、図6(a)からわかるように、間隔
G=0.3mmのとき寸法Lが0.5mm以上であれ
ば、全て放電ギャップ50で飛火する。また、間隔G=
0.5mmのとき寸法Lが0.7mm以上、間隔G=
0.8mmのとき寸法Lが1.0mm以上であれば、全
て放電ギャップ50で飛火し、溶融部45へ飛火するこ
とはない。従って、より好ましくは、L≧G+0.2
(mm)であり、それによって、放電ギャップ50のみ
で良好に放電が起こり、溶融部45と中心電極30の先
端部31との間の余分な放電を確実に防止できる。
【0059】なお、上記したL>G及びL≧G+0.2
(mm)の関係は、図2に示す様に、直接溶融部45が
放電ギャップ50に面していない場合であっても、確保
しておくことが好ましい。これは、図2において、中心
電極30の先端部31とこれに近接する母材41との間
で放電が発生した場合、母材41が消耗し、やがて溶融
部45が放電ギャップ50に面して露出する可能性があ
るためである。実際に、図2に示す構成に対して、上記
最短距離Lと間隔Gとの関係を適用したところ、溶融部
45と中心電極30の先端部31との間の余分な放電を
防止できることが確認できた。
【0060】また、本実施形態では、図7に示す溶融部
45のIr合金部材42内部への溶け込み深さDを、
0.2mm以上とし、且つ溶融部45がIr合金部材4
2を貫通していない構成としたことを特徴としている。
なお、図7は図2(b)に対応した断面図であり、溶融
部45が貫通していないとは、図2(b)及び図7に示
す様に、対向して位置する溶融部45が互いにつながっ
ていないことである。
【0061】この特徴点は、Ir合金部材42を母材4
1との接合性をより高いレベルにて確保するために、レ
ーザ溶接の最適化を進めた結果、見出されたものであ
る。次に、その一検討例を図8に示すが、この検討例に
用いたスパークプラグ100の接地電極40(母材:イ
ンコネル(登録商標)、Ir合金部材:Ir−10Rh
合金)においては、溶接点数は片側3点ずつ計6点と
し、溶け込み深さDを変えたものを用意した。また、溶
け込み深さD方向におけるIr合金部材42の厚さTは
1.0mmとした。
【0062】図8は、溶け込み深さDの異なる(Dが
0.1〜0.6mm)スパークプラグ100について耐
久テストを行い、耐久後の引っ張り強度(kg)と溶け
込み深さD(mm)との関係を表すグラフである。耐久
テストは、6気筒2000ccエンジンで実施し、アイ
ドル1分保持とスロットル全開(6000rpm)1分
保持の繰り返しを100時間行うという運転条件で行っ
た。ここで、耐久後の引っ張り強度が150kg以上で
あれば、高レベルな接合性を確保したとする。
【0063】図8からわかるように、溶け込み深さDが
小さいと引っ張り強度のレベルは低く、溶け込み深さD
が0.2mm以上で高レベルな接合性が確保できる。ま
た、図7に示す様に、両側の溶融部45が対向して位置
する場合、溶け込み深さDが0.5mmで溶融部45の
先端がつながる、即ち溶融部45がIr合金部材42を
貫通するが、その場合強度が大きく低下してしまうこと
もわかった。
【0064】また、溶け込み深さDを、0.2mm以上
とし、且つ溶融部45が貫通していない構成としては、
図9に示す構成であっても適用可能である。図9は、母
材41の両側に配置された溶融部45が互い違いになっ
ており、互いに対向していない構成である。この構成と
したスパークプラグについて、上記同様に引っ張り強度
(kg)と溶け込み深さD(mm)との関係を調べた結
果の一例を、図10のグラフに示す。なお、図9におい
ても厚さTは1.0mmとした。
【0065】図10からわかるように、図9の構成につ
いては、溶け込み深さDが0.5mm以上でも、強度の
低下が認められない。しかし、図10にて図示しない
が、溶け込み深さDが1.0mm以上、即ち溶融部45
がIr合金部材42を貫通する場合には、やはり、強度
が大きく低下してしまうことを確認している。
【0066】従って、図7及び図9の両構成において、
溶融部45の溶け込み深さDを0.2mm以上とし、且
つ溶融部45がIr合金部材42を貫通しないようにレ
ーザ溶接を行えば、高いレベルの接合強度を確保出来、
接合信頼性を向上することができる。
【0067】以上の特徴的部分を踏まえた本実施形態の
一寸法例を図11に示す。図11は上記図2(a)に対
応するものでハッチングは省略してある。また、各寸法
の単位はmmである。図11の例では、放電ギャップ5
0の間隔Gが0.3mm、溶融部45と中心電極30の
先端部31との最短距離Lが1.5mm、接地電極40
の母材41の厚さM1が2.5mm、Ir合金部材42
の厚さTが1.0mm、母材41からのIr合金部材4
2の突出長さM2が3.5mm、円板状のIr合金チッ
プ31a(先端部31)の直径M3が2.6mm、溶融
部45の全長M4が1.0mm、逃げ角の寸法Cが1.
0mmとしている。
【0068】ところで、図12は従来のスパークプラグ
の形状を示すものであるが、この構造では、取付金具J
1に取り付けられた接地電極J2が折れ曲がり形状とな
っており、絶縁体J3に保持された中心電極J4の対向
部と放電ギャップを形成している。この構造では、接地
電極J2の燃焼室内への突出高さhが大きくなる。一般
に、スパークプラグでは接地電極の燃焼室への突き出し
量が多いと電極温度が高くなる。そのため、特に、熱負
荷の厳しいエンジン(コージェネレーション用等)にお
いては、接地電極の耐熱性が不足するという問題が発生
する。
【0069】その点、本実施形態のスパークプラグ10
0によれば、上記図2(a)に示す様に、中心電極30
と、中心電極30の一端を保持する取付金具10と、一
方が取付金具10の一端面(端部)12に取り付けら
れ、他方が中心電極30との対向部にて放電ギャップ5
0が形成される略直棒形状の接地電極40とを備える構
成としているため、接地電極40の燃焼室内への突出高
さを低くでき、接地電極40の温度を低減できるため、
接地電極の耐熱性を確保できる。
【0070】なお、この問題を鑑みれば、接地電極40
は、図2(a)に示すようなNi基合金からなる母材4
1とIrを50重量%以上含む柱状のIr合金部材42
とよりなる構成に限らない。例えば、図13に示すよう
な、接地電極40全体がNi基合金からなる1本の略直
棒のものであってもよい。なお、図13中、上記図2
(a)と同一部分には同一符号を付してある。
【0071】また、図2(a)及び図13に示すよう
に、略直棒形状の接地電極40とを備える内燃機関用ス
パークプラグにおいては、接地電極40を曲げることは
容易では無く、放電ギャップ50のギャップ調整が困難
になる。特に、コージェネレーション、ガス圧送用ポン
プに使用する場合、火花消耗により増加したギャップ
(例えば0.3mm程度増加する)を定期的に初期ギャ
ップに戻すことが行われているが、それ故、ギャップ調
整の容易さが求められる。
【0072】つまり、このギャップ調整の問題は、中心
電極と、該中心電極の一端を保持する取付金具と、一方
が該取付金具の端部に取り付けられ、他方が該中心電極
との対向部にて放電ギャップが形成される略直棒形状の
接地電極とを備える内燃機関用スパークプラグにおい
て、共通の問題である。
【0073】このギャップ調整の問題に対して、本実施
形態では、耐熱性に優れる略直棒形状の接地電極40と
を備える内燃機関用スパークプラグにおいて、放電ギャ
ップのギャップ調整を容易とすることを目的として、上
記図2(a)に示す様に、取付金具10の一端面(端
部)12のうち接地電極40が取り付けられた部位に
は、該端部12を取付金具10の内周面側に逃げ角13
を形成した構成としている。なお、逃げ角13は、少な
くとも接地電極40が取り付け部位にあれば良いが、全
周に形成されていても良い。
【0074】それによって、接地電極40の母材41が
逃げ角13部分の傾斜面に沿って曲がりやすくなってい
るため、母材41を固定部分と反対側から押圧すること
で、簡単にIr合金部材42の先端部43を中心電極3
0の先端部31に近づけることができ、増加した放電ギ
ャップ50を狭くし容易に調整できる。
【0075】また、このギャップ調整の問題は、上述の
ように、接地電極40全体がNi基合金からなる1本の
略直棒のもの(図13参照)であっても起こる。この場
合の解決策を示した本実施形態の構成を図14(第1の
例)に示す。ここで、図14は、上記図1中のA部を示
す上記図2(a)の接地電極に対して、接地電極40を
全体がNi基合金からなる1本の略直棒のものに変形し
たもので、上記図2(a)と同一部分には同一符号を付
してある。
【0076】図14においても、少なくとも接地電極4
0が取り付けられた取付金具10の一端面(端部)12
には、一端面12を取付金具10の内周面側に切削加工
等によって逃げ角13を形成した構成としている。その
ため、略直棒形状の接地電極40を逃げ角13の傾斜面
に沿って曲がりやすくでき、接地電極40を取付金具1
0の固定部分とは反対側から押圧することで、簡単に接
地電極40を中心電極30との対向部(先端部31)に
近づけることができ、増加した放電ギャップを容易に調
整できる。
【0077】ここで、上記図2(a)及び図14に示す
取付金具10の一端面12に施された逃げ角寸法Cは、
0mmよりも大きく2.0mm以下の範囲とすることが
好ましい。これは、逃げ角13が少しでも形成されてい
れば、上記放電ギャップを容易に調整できる効果を奏す
るとともに、該逃げ角寸法Cが2mmよりも大であると
接地電極40と取付金具10との接合面積が小さくなる
等、接合信頼性が確保しにくくなるためである。
【0078】このような逃げ角を形成した構成につい
て、本発明者等が行った、より詳細な検討例につき、図
14を参照して説明する。図14中には、各種の寸法
C、S1、a1、b1、L1を示してある。ここで、寸
法Cは上記逃げ角寸法Cである。また、図14におい
て、接地電極40は、その長手方向と直交する断面(図
中のk−k断面)が長方形をなす四角柱形状であって、
その長方形の長辺を含む側面にて取付金具10の一端面
12に取り付けられたものとする。
【0079】そして、接地電極40における上記長方形
断面の面積(接地電極断面積)をS1、該長方形断面に
おける短辺の長さ(接地電極厚み)をa1、該長方形断
面における長辺の長さ(接地電極幅)をb1、接地電極
40の取付金具10の一端面(端部)12から延びる長
さ(接地電極突出長さ)をL1としている。また、W
は、接地電極40を変形させて放電ギャップ50を0.
3mm狭くするのに必要な力(ギャップ調節力)であ
る。
【0080】まず、接地電極断面積S1(=a1×b
1)については、小さすぎると、接地電極40の耐熱性
が不足することから、3.0mm2以上としてその耐熱
性確保を図ることが好ましく、また、大きすぎると、取
付金具との接合面積が大きすぎて接合が困難となるた
め、8.0mm2以下が好ましい。
【0081】また、上記接地電極幅b1については、小
さすぎると、接地電極40と取付金具10との接合信頼
性が不足することから1.2mm以上であることが好ま
しく、大きすぎると、取付金具10との接合範囲を逸脱
するため4.0mm以下であることが好ましい。また、
接地電極突出長さL1については、スパークプラグの実
用的な構成を考慮した場合、経験的に6.0mm以下で
あることが好ましい。
【0082】そして、逃げ角寸法Cについては、上述の
ように、0mmよりも大きく2.0mm以下の範囲とす
ることが好ましい。また、上記ギャップ調節力Wについ
ては、エンジン運転中に振動や燃焼圧等で接地電極40
を変形させないため、200N以上であることが好まし
く、また、ハンマー等で接地電極40を叩いて変形させ
る等、作業者が容易にギャップ成形できる限界荷重を考
慮した場合、800N以下であることが好ましい。
【0083】ここで、上記各寸法S1、C、a1、b1
を上記の好ましい範囲において、接地電極40が最もギ
ャップ成形し易い(最も曲げやすい)場合を考えると、
接地電極断面積S1を下限の3.0mm2(ここで、接
地電極厚みa1が0.75mm、接地電極幅b1が4.
0mm)、逃げ角寸法Cを上限の2.0mmとできる。
この寸法において、接地電極40の構成材料の引張り強
さ(単位:N/mm2)と上記ギャップ調節力W(単
位:N)との関係を、種々の接地電極突出長さL1につ
いて検討した結果を図15に示す。
【0084】この図15に示すグラフから、接地電極突
出長さL1が短いほど、また、上記引張り強さが大きい
ほど、接地電極40が変形しにくくギャップ成形しにく
いことがわかる。Ni基合金における最小の引張り強さ
は、350N/mm2である。このことから、接地電極
40全体をNi基合金とした場合、ギャップ調節力Wを
800N以下とするためには、接地電極突出長さL1は
2mm以上であることが好ましい。
【0085】また、接地電極40を変形しやすくすべ
く、接地電極突出長さL1を2mmよりも長くすれば、
上記引張り強さがより大きいNi基合金を使用できる。
しかし、その場合でも、図15のグラフからわかるよう
に、接地電極突出長さL1を上限の6.0mmとしたと
きには、ギャップ調節力Wを800N以下とするために
は、該引張り強さは1200N/mm2以下であること
が好ましい。
【0086】また、上記各寸法L1、C、b1が上記の
好ましい範囲において、接地電極40が最もギャップ成
形し易い場合を考えると、接地電極突出長さL1を上限
の6.0mm、逃げ角寸法Cを上限の2.0mm、接地
電極幅b1を下限の1.2mmとできる。この寸法にお
いて、接地電極40の構成材料の引張り強さ(単位:N
/mm2)と上記ギャップ調節力W(単位:N)との関
係を、種々の接地電極厚みa1について検討した結果を
図16に示す。
【0087】この図16に示すグラフから、接地電極厚
みa1が厚いほど、また、上記引張り強さが大きいほ
ど、接地電極40が変形しにくくギャップ成形しにくい
ことがわかる。Ni基合金における最小の引張り強さ
は、350N/mm2であることから、接地電極40全
体をNi基合金とした場合、ギャップ調節力Wを800
N以下とするためには、接地電極厚みa1は2.0mm
以下であることが好ましい。
【0088】これら図15及び図16に示すグラフを含
む検討結果をまとめると、接地電極40は、その長手方
向と直交する断面が長方形をなす四角柱形状であって、
その長方形の一辺を含む側面にて取付金具10に取り付
けられたものである場合、逃げ角13によって放電ギャ
ップを容易に調整できる効果を好適に発揮するために
は、以下のような構成であることが好ましい。
【0089】即ち、接地電極40は、引張り強さが35
0N/mm2以上1200N/mm2以下のNi基合金よ
りなること。接地電極断面積S1は、3.0≦S1≦
8.0(mm2)であること。接地電極厚みa1は、a
1≦2.0(mm)であること。接地電極幅b1は、
1.2≦b1≦4.0(mm)であること。接地電極突
出長さL1は、2.0≦L1≦6.0(mm)であるこ
と。
【0090】このように、逃げ角13によって放電ギャ
ップを容易に調整できる効果(第1の例)について述べ
てきたが、耐熱性に優れる略直棒形状の接地電極40を
備える内燃機関用スパークプラグにおいて、放電ギャッ
プのギャップ調整を容易とすることを目的とする本実施
形態の他の例(第2の例)について、次に述べる。
【0091】この本実施形態の第2の例は、中心電極
と、該中心電極の一端を保持する取付金具と、一方が該
取付金具の端部に介在部材を介して取り付けられ、他方
が該中心電極との対向部にて放電ギャップが形成される
略直棒形状の接地電極とからなる内燃機関用スパークプ
ラグを提供するものである。
【0092】まず、図17は、上記図2(a)に示す構
成に本第2の例を適用したものである。即ち、接地電極
40の母材41と取付金具10の間にNi基合金(イン
コネル(登録商標)等)からなる中間部材(介在部材)
60を介在させたものである。なお、図17中、上記図
2(a)と同一部分には同一符号を付してある。
【0093】それによって、接地電極40と取付金具1
0との間に介在する中間部材(介在部材)60の材質や
形状等を調整することで、接地電極40をハンマー等で
叩いて圧力をかけて中間部材(介在部材)60を厚み方
向に変形させることができる。そのため、取付金具10
に上記逃げ角(テーパ部)等の加工を施すことなく、簡
単に接地電極40(Ir合金部材42の先端部43)を
中心電極30との対向部に近づけることができ、増加し
た放電ギャップ50を容易に調整できる。
【0094】また、図18は、接地電極40全体がNi
基合金からなる1本の略直棒のものに、本第2の例を適
用したもので、接地電極40は、一方が取付金具10の
一端面(端部)12に中間部材(介在部材)60を介し
て取り付けられ、他方が中心電極30との対向部にて放
電ギャップ50が形成されている。ここで、図18中、
上記図17と同一部分には同一符号を付してある。
【0095】図18においても、接地電極40と取付金
具10との間に介在する中間部材(介在部材)60の材
質や形状等を調整することで、接地電極40に圧力をか
けて中間部材(介在部材)60を厚み方向に変形させる
ことができる。そのため、取付金具10に上記逃げ角等
の加工を施すことなく、簡単に接地電極40を中心電極
30との対向部に近づけることができ、増加した放電ギ
ャップ50を容易に調整できる。
【0096】この第2の例の製造方法は、例えば図17
を例にとると、図19に示す様に、取付金具10の一端
面12に中間部材60を溶接し(図19(a))、その
上に接地電極40の母材41を溶接し(図19
(b))、その後、組付工程及びギャップ調整工程(図
19(c))を行い、図17に示す構成を得る。
【0097】ここで、図18に示した全体がNi基合金
からなる1本の略直棒の接地電極40について、中間部
材(以下、介在部材という)60の寸法等の特徴を述べ
る。図18中、介在部材60におけるその厚み方向(図
中の上下方向)と直交する断面の面積(介在部材断面
積)をS2、介在部材60の厚み(介在部材厚み)をL
2としている。
【0098】また、介在部材60を、その厚み方向と直
交する断面(図18中のm−m断面)が接地電極40の
長手方向に短辺、接地電極40の長手方向と直交する方
向に長辺を有する長方形である四角柱部材とした場合
は、長辺と短辺とを逆にした場合よりも、介在部材60
を支点として接地電極40自体の変形も容易とできる。
勿論、長辺と短辺を逆にした場合でも効果はある。図1
8中には、接地電極40をこのような四角柱部材とした
場合において、該短辺の長さ(介在部材の断面短辺長
さ)をa2、該長辺の長さ(介在部材の断面長辺長さ)
をb2として示してある。この場合、介在部材断面積S
2は、a2×b2である。
【0099】このような介在部材60の各寸法S2、L
2、a2、b2において、まず、介在部材断面積S2
は、3.0mm2以上8.0mm2以下であることが好ま
しい。これは、該面積S2が3.0mm2未満だと、介
在部材60自体が細いものとなって接地電極40の熱引
けが悪くなり、また、8.0mm2よりも大であると、
取付金具10の一端面12から介在部材60がはみ出し
たり、取付金具10との接合面積が大きすぎて溶接等に
よる接合が困難となるためである。
【0100】また、上記介在部材厚みL2は、0.5m
m以上3.0mm以下であることが好ましい。これは、
該介在部材厚みL2が0.5mm未満であると、介在部
材自身が厚み方向に変形しにくく、また、3.0mmよ
りも大であると、接地電極40の燃焼室側への突き出し
量が大きくなり耐熱性確保の点から好ましくないためで
ある。
【0101】また、介在部材の断面短辺長さa2は2.
0mm以下、介在部材の断面長辺長さb2は4.0mm
以下であることが好ましい。これは、これら長さa2、
b2がこの範囲から外れると、介在部材60が大きくな
り取付金具10に搭載しにくくなるためである。さら
に、介在部材断面積S2の下限が3.0mm2であるこ
とから、介在部材の断面短辺長さa2は0.75mm以
上、介在部材の断面長辺長さb2は1.5mm以上であ
ることが好ましい。また、介在部材60は、引張り強さ
が350N/mm2以上1300N/mm2以下のNi基
合金よりなるものとすることが好ましい。
【0102】次に、介在部材60の介在部材厚みL2に
ついて、本発明者等が行った検討例を参照して、より具
体的に説明する。上記介在部材断面積S2が上記の好ま
しい範囲(3.0mm2以上8.0mm2以下)におい
て、接地電極40が最もギャップ成形し易い場合を考え
ると、介在部材断面積S2を下限の3.0mm2(ここ
で、接地電極厚みa2が0.75mm、接地電極幅b2
が4.0mm)とできる。
【0103】この寸法において、介在部材(中間部材)
60の構成材料の引張り強さ(単位:N/mm2)と上
記ギャップ調節力W(単位:N)との関係を、種々の介
在部材厚みL2について検討した結果を図20に示す。
また、図20においても、上記ギャップ調節力Wの好ま
しい範囲は、200N以上800N以下である。
【0104】この図20に示すグラフから、介在部材厚
みL2が薄いほど、また、上記引張り強さが大きいほ
ど、介在部材60が変形しにくくギャップ成形しにくい
ことがわかる。Ni基合金における最小の引張り強さ
は、350N/mm2であることから、介在部材60全
体をNi基合金とした場合、ギャップ調節力Wを800
N以下とするためには、介在部材厚みL2は0.5mm
以上であることが好ましい。
【0105】また、介在部材60をその厚み方向に変形
しやすくすべく、介在部材厚みL2を0.5mmよりも
厚くすれば、上記引張り強さがより大きいNi基合金を
使用できる。しかし、その場合でも、図20のグラフか
らわかるように、介在部材厚みL2を上限の3.0mm
としたときには、ギャップ調節力Wを800N以下とす
るためには、該引張り強さは1300N/mm2以下で
あることが好ましい。
【0106】ここで、本第2の例における介在部材の好
ましい構成についてまとめておく。即ち、介在部材60
は、引張り強さが350N/mm2以上1300N/m
2以下のNi基合金よりなること。介在部材断面積S
2は、3.0≦S2≦8.0(mm2)であること。介
在部材厚みL2は、0.5≦L2≦3.0(mm)であ
ること。介在部材の断面短辺長さa2は、a2≦2.0
(mm)であること。介在部材の断面長辺長さb2は、
b2≦4.0(mm)であること。
【0107】このように、本実施形態の第1及び第2の
例を述べてきたが、次に、耐熱性に優れる略直棒形状の
接地電極40を備える内燃機関用スパークプラグにおい
て、放電ギャップのギャップ調整を容易とすることを目
的とするもう一つの他の例(第3の例)を述べる。
【0108】この本実施形態の第3の例は、中心電極
と、該中心電極の一端を保持する取付金具と、一方が該
取付金具の端部に取り付けられ、他方が該中心電極との
対向部にて放電ギャップが形成される略直棒形状の接地
電極とを備え、少なくとも該接地電極の一部に、溝部を
形成したことを特徴とする内燃機関用スパークプラグを
提供するものである。
【0109】図21は、本第3の例を、接地電極40全
体がNi基合金からなる1本の略直棒のものに適用した
例を示す概略断面図である。図21は上記図2(a)と
対応する断面を示し、図中、上記図2(a)と同一部分
には同一符号を付してある。図21に示す様に、接地電
極40には、その表面から内部に渡って切削加工等によ
り溝を掘ることにより溝部70が形成されている。な
お、本第3の例は、上記図2(a)に示す接地電極40
においても適用可能であり、この場合、接地電極40の
母材41に、溝部を形成すればよい。
【0110】本第3の例によれば、接地電極40の長手
方向と直交する断面において、溝部形成部は他の部位に
比べて断面積が小さくなる。そのため、接地電極40は
溝部70を中心に曲がりやすくなり、接地電極40を取
付金具10の固定部分とは反対側から押圧することで、
簡単に接地電極40の他方側を中心電極30との対向部
(先端部31)に近づけることができ、増加した放電ギ
ャップ50を容易に調整できる。
【0111】また、この溝部70は、少なくとも接地電
極40の厚み方向(図21中の上下方向)に溝を掘るよ
うに形成することが好ましい。それによって、接地電極
40を厚み方向、即ち、中心電極30に向かう方向に曲
げやすくできる。つまり、接地電極40の幅方向(図2
1中の紙面垂直方向)に溝を掘るよりも、厚み方向に形
成した方が、放電ギャップ50を調整すべく接地電極4
0を所望の方向に曲げやすくできる。勿論、接地電極4
0の幅方向に溝を掘っても良い。
【0112】また、図21には、接地電極40の長手方
向と直交する断面において、溝部70における断面(図
中、n−n断面に平行に沿った断面)、及び、溝部70
が形成されていない断面(図中、n−n断面)が示して
あり、前者断面の面積(溝部断面積)をS3、後者断面
の面積(非形成部断面積)をS4としている。ここで、
上記の通り、溝部断面積S3は非形成部断面積S4より
も小なることは勿論である。
【0113】ここで、溝部断面積S3は、2.0mm2
以上であることが好ましい。これは、該面積S3が2.
0mm2未満であると、溝部70が細すぎて接地電極4
0の熱引けが悪くなり、電極温度が高くなるためであ
る。また、図21に示す溝部70の幅(溝幅)Pは、
0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
これは、該溝幅Pが0.5mm未満であると接地電極4
0が曲げにくくなり、2.0mmよりも大きいと、細い
部分である溝部70が長すぎて接地電極40の熱引けが
悪くなり、電極温度が高くなるためである。
【0114】また、接地電極40をより曲げやすいもの
とするためには、溝部70は、少なくとも接地電極40
の他方側先端より3.0mm以上離れていることが好ま
しい。つまり、図21において、接地電極40の他方側
先端から溝部形成位置までの長さ(溝部位置長さ)L3
が、3.0mm以上であることが好ましい。
【0115】なお、図21に示す例では、接地電極40
は、その長手方向と直交する断面が長方形をなす四角柱
形状であって、その長方形の長辺を含む側面にて取付金
具10の一端面(端部)12に取り付けられたものであ
る。このような四角柱形状の場合、溝部断面積S3、非
形成部断面積S4は、それぞれ、短辺a3、a4と長辺
b3、b4との積となる。
【0116】そして、該四角柱形状の場合、接地電極4
0の厚み方向に溝を掘るように溝部70を形成すると、
図21中の短辺(溝部の短辺)a3が短辺(上述の接地
電極厚みa1に相当)a4よりも短くなる。なお、長辺
(溝部の長辺)b3は長辺(上述の接地電極幅b1に相
当)b4よりも短くても同じであっても良い。さらに、
溝部70の長辺b4は、上述の接地電極幅b1と同様の
理由から4.0mm以下が好ましい(即ち、b3≦4.
0mm)。また、該長辺b4が4.0mm以下及び溝部
断面積S3が2.0mm2以上が好ましいことから、溝
部70の厚み即ち短辺a3は0.5mm以上であること
が好ましい。
【0117】また、本第3の例においては、接地電極4
0として、引張り強さが350N/mm2以上1400
N/mm2以下のNi基合金よりなるものを好適に用い
ることができる。
【0118】次に、溝部70における寸法(溝幅P、溝
部位置長さL3)について、本発明者等が行った検討例
を参照して、より具体的に説明する。接地電極40を最
も曲げやすくギャップ成形し易い寸法として、上記溝部
断面積S3を下限の2.0mm2(ここで、短辺a3が
0.5mm、長辺b3が4.0mm)とし、上溝部位置
長さL3を実用上の上限の6.0mmとした。
【0119】この寸法において、接地電極40の構成材
料の引張り強さ(単位:N/mm2)と上記ギャップ調
節力W(単位:N)との関係を、種々の溝幅Pについて
検討した結果を図22に示す。また、図22において
も、ギャップ調節力Wの好ましい範囲は200N以上8
00N以下である。
【0120】この図22に示すグラフから、溝幅Pが狭
いほど、また、上記引張り強さが大きいほど、接地電極
40が変形しにくくギャップ成形しにくいことがわか
る。Ni基合金における最小の引張り強さは、350N
/mm2であることから、接地電極40全体をNi基合
金とした場合、ギャップ調節力Wを800N以下とする
ためには、溝幅Pは0.5mm以上であることが好まし
い。
【0121】また、接地電極40を変形しやすくすべ
く、溝幅Pを0.5mmよりも大きくすれば、上記引張
り強さがより大きいNi基合金を使用できる。しかし、
その場合でも、図22のグラフからわかるように、溝幅
Pを上限の2.0mmとしたときには、ギャップ調節力
Wを800N以下とするためには、該引張り強さは14
00N/mm2以下であることが好ましい。
【0122】また、接地電極40の構成材料の引張り強
さ(単位:N/mm2)と上記ギャップ調節力W(単
位:N)との関係を、種々の溝部位置長さL3について
検討した結果を図23に示す。図23の検討例では、接
地電極40を最も曲げやすくギャップ成形し易い寸法と
して、上記溝部断面積S3を下限の2.0mm2(ここ
で、短辺a3が0.5mm、長辺b3が4.0mm)と
し、上溝幅Pを上限の2.0mmとした。また、図23
においても、ギャップ調節力Wの好ましい範囲は200
N以上800N以下である。
【0123】この図23に示すグラフから、溝部位置長
さL3が短いほど、また、上記引張り強さが大きいほ
ど、接地電極40が変形しにくくギャップ成形しにくい
ことがわかる。Ni基合金における最小の引張り強さ
は、350N/mm2であることから、接地電極40全
体をNi基合金とした場合、ギャップ調節力Wを800
N以下とするためには、溝部位置長さL3は3.0mm
以上であることが好ましい。
【0124】ここで、本第3の例における接地電極40
及び溝部70の好ましい構成についてまとめておく。即
ち、接地電極40は、引張り強さが350N/mm2
上1400N/mm2以下のNi基合金よりなること。
溝部断面積S3と非形成部断面積S4は、2.0≦S3
<S4(mm2)であること。溝幅Pは、0.5≦P≦
2.0(mm)であること。溝部位置長さL3は、3.
0≦L3であること。溝部の短辺a3と溝部以外の接地
電極の短辺a4とは、0.5≦a3<a4であること。
溝部の長辺b3と溝部以外の接地電極の長辺b4とは、
b3≦b4≦4.0であること。
【0125】(他の実施形態)なお、Ir合金部材42
は四角柱だけでなく柱状であればよく、柱の軸と直交す
る方向の断面形状は限定されない。例えば、該断面形状
は、図24(a)及び(b)に示す様に、台形、長円形
状等であってもよい。また、図24(c)に示す様に、
接地電極40は、母材41における固定部との反対側の
部分にてIr合金部材42を溶接固定した構造(溶接構
造の第1変形例)であってもよい。
【0126】また、図25(a)及び(b)の各断面図
に示す様に、溶融部45を母材41における放電ギャッ
プ50とは反対側の部位から形成した構成(第2変形
例)であっても良い。これらの構成は、図25(a)の
ように、母材41の放電ギャップ50に面した部位に、
Ir合金部材42を接触させるか、または、図25
(b)のように、母材41の放電ギャップ50に面した
部位に段差部46を形成し、この段差部46にIr合金
部材42を接触させ、放電ギャップ50とは反対側から
母材41に対してレーザ溶接を施すことにより、形成す
ることができる。
【0127】また、溶融部45の位置は、図26(第3
変形例)及び図27(第4変形例)に示す様なものであ
っても良い。図26において、(a)は図2に対応した
概略断面図であり、(b)は(a)中のP−P断面図で
あり、(a)において接地電極40は外観を示してい
る。図26に示す構成では、まず、母材41の先端部4
1aから径方向に凹み且つプラグの軸方向に母材41を
貫通する切欠き部47を形成し、この切欠き部47内に
Ir合金部材42の一部をはめ込む。
【0128】そして、放電ギャップ50に面した母材4
1の面と直交する面からレーザ溶接を行い、溶融部45
を形成している。形成された溶融部45は、放電ギャッ
プ50に面した母材41の面と略平行な方向にて、母材
41からIr合金部材42内へ溶け込んだ形となってい
る。
【0129】また、図27において、(a)は図2に対
応した概略断面図であり、(b)は(a)中のQ矢視図
であり、(c)は(b)中のR−R断面図である。な
お、(a)において接地電極40は外観を示している。
図27に示す構成では、まず、図26と同様に母材41
に形成された切欠き部47内に、Ir合金部材42の一
部をはめ込む。そして、切欠き部47において両部材4
1、42の界面に対して、プラグの軸方向に複数箇所レ
ーザ溶接を施したものである。この場合、上記溶け込み
深さDは図27(c)に示す寸法となる。
【0130】ここで、上記図25及び図26に示すよう
な、接地電極40の溶接構造の変形例においては、溶融
部45が放電ギャップ50に面していないため、溶融部
45への飛火を効果的に抑制できる。なお、母材41と
Ir合金部材42とが溶け合った溶融部45を形成する
溶接方法としては、上記したレーザ溶接だけでなく、プ
ラズマ溶接またはアルゴン溶接等でも良い。
【0131】また、逃げ角を形成する場合、上記図14
に示す接地電極突出長さ(接地電極40の取付金具10
の端部12から延びる長さ)L1が、通常の寸法に対し
て長くなるように、逃げ角が形成されれば、上記例の如
くテーパ部でなくともよい。例えば、図28に示す様
に、取付金具10の一端面(端部)12のうち接地電極
40が取り付けられた部位において、該端部12を取付
金具10の内周面側に切欠きした形状であっても良い。
この場合でも、上記の逃げ角の効果はある。
【0132】また、接地電極40全体が例えばNi基合
金よりなる1本の略直棒のものよりなる場合、図29に
示す様に、接地電極において放電ギャップ50における
中心電極30の先端部31と対向する部位に、Ir合金
チップ等の貴金属チップ51を溶接固定しても良い。図
では逃げ角を形成した例を挙げているが、これに限ら
ず、上述の如く、介在部材や接地電極に溝を形成しても
良い。また、上記スパークプラグ100は、コージェネ
レーション、ガス圧送用ポンプだけでなく、自動車のエ
ンジンに用いてもよい。
【0133】また、中心電極との間に放電ギャップを形
成する接地電極が、Ni基合金からなる母材及び該母材
に溶接により固定されたIrを50重量%以上含むIr
合金部材を有する構成であって、母材とIr合金部材と
が溶融部により接合したスパークプラグであれば、プラ
ズマ溶接等を用いたものであっても良い。また、上記実
施形態では、Ni基合金を用いた接地電極を使用した
が、例えばFe−Cr−Al等のFe基合金よりなる接
地電極であっても、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るスパークプラグの全体
構成を示す半断面図である。
【図2】図1中のA部分の詳細を示す拡大断面図であ
る。
【図3】図1に示すスパークプラグの製造方法を示す工
程図である。
【図4】図3に続く製造方法を示す工程図である。
【図5】図4に続く製造方法を示す工程図である。
【図6】(a)は、(b)及び(c)に示すスパークプ
ラグを用いて、最短距離L及び間隔Gと溶融部飛火頻度
との関係を検証した結果を示すグラフである。
【図7】溶融部の溶け込み深さ寸法を示す図である。
【図8】溶融部の溶け込み深さと引っ張り強度との関係
を示すグラフである。
【図9】溶融部の他の配置構成を示す図である。
【図10】図9の構成における溶融部の溶け込み深さと
引っ張り強度との関係を示すグラフである。
【図11】上記実施形態の一寸法例を示す図である。
【図12】従来の一般的なスパークプラグの形状を示す
図である。
【図13】全体がNi基合金からなる1本の略直棒形状
の接地電極を有するスパークプラグの要部を示す概略断
面図である。
【図14】逃げ角の形成によってギャップ調整の解決を
図ったスパークプラグの要部を示す概略断面図である。
【図15】接地電極材料の引張り強さとギャップ調節力
Wとの関係から接地電極突出長さL1について検討した
結果を示すグラフである。
【図16】接地電極材料の引張り強さとギャップ調節力
Wとの関係から接地電極厚みa1について検討した結果
を示すグラフである。
【図17】介在部材によってギャップ調整の解決を図っ
たスパークプラグの要部を示す概略断面図である。
【図18】介在部材によってギャップ調整の解決を図っ
た他のスパークプラグの要部を示す概略断面図である。
【図19】図17に示すスパークプラグの製造方法を示
す工程図である。
【図20】介在部材構成材料の引張り強さとギャップ調
節力Wとの関係から介在部材厚みL2について検討した
結果を示すグラフである。
【図21】溝部によってギャップ調整の解決を図ったス
パークプラグの要部を示す概略断面図である。
【図22】接地電極成材料の引張り強さとギャップ調節
力Wとの関係から溝幅Pについて検討した結果を示すグ
ラフである。
【図23】接地電極成材料の引張り強さとギャップ調節
力Wとの関係から溝部位置長さL3について検討した結
果を示すグラフである。
【図24】Ir合金部材の種々の形状及び接地電極の溶
接構造の第1変形例を示す図である。
【図25】接地電極の溶接構造の第2変形例を示す図で
ある。
【図26】接地電極の溶接構造の第3変形例を示す図で
ある。
【図27】接地電極の溶接構造の第4変形例を示す図で
ある。
【図28】逃げ角の効果を有する切欠き形状の一例を示
す概略断面図である。
【図29】貴金属チップを接合した接地電極に対して本
発明の逃げ角の形成を適用した一例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
10…取付金具、12…取付金具の一端面、13…逃げ
角、30…中心電極、31…中心電極の先端部、40…
接地電極、41…接地電極の母材、42…Ir合金部
材、43…Ir合金部材の先端部、44…挿入穴、45
…溶融部、50…放電ギャップ、60…中間部材(介在
部材)、70…溝部。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心電極(30)と、 前記中心電極の先端部(31)を露出させた状態で前記
    中心電極を絶縁保持する取付金具(10)と、 Ni基合金もしくはFe基合金からなる母材(41)及
    び該母材に溶接により固定されたIrを50重量%以上
    含むIr合金部材(42)を有する接地電極(40)と
    を備え、 前記母材は、前記中心電極の先端部の側方側にて前記取
    付金具に固定され、 前記Ir合金部材は、その先端部(43)が前記中心電
    極の先端部に対向するように前記母材の先端部(41
    a)から径方向へ延びており、 前記Ir合金部材の先端部と前記中心電極の先端部との
    対向部に放電ギャップ(50)が形成されていることを
    特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 【請求項2】 前記Ir合金部材(42)は、前記母材
    (41)に対して溶接によって互いに溶け込み合った溶
    融部(45)を形成して固定されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 【請求項3】 前記溶融部(45)は、レーザ溶接、プ
    ラズマ溶接及びアルゴン溶接のいずれか1種により形成
    されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関
    用スパークプラグ。
  4. 【請求項4】 前記溶融部(45)の前記Ir合金部材
    の内部への溶け込み深さDが0.2mm以上であること
    を特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関用スパ
    ークプラグ。
  5. 【請求項5】 前記溶融部(45)は前記Ir合金部材
    (42)を貫通していないことを特徴とする請求項4に
    記載の内燃機関用スパークプラグ。
  6. 【請求項6】 前記溶融部(45)と前記中心電極(3
    0)の前記先端部(31)との最短距離Lが、前記放電
    ギャップの間隔Gよりも大きいことを特徴とする請求項
    2ないし5のいずれか1つに記載の内燃機関用スパーク
    プラグ。
  7. 【請求項7】 前記溶融部(45)と前記中心電極(3
    0)の前記先端部(31)との最短距離Lが、前記放電
    ギャップ(50)の間隔Gよりも0.2mm以上大きい
    ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関用スパーク
    プラグ。
  8. 【請求項8】 前記Ir合金部材(42)は、その一部
    が前記母材(41)に形成された挿入穴(44)に挿入
    され、この挿入部分にて溶接されることにより固定され
    たものであることを特徴とする請求項1ないし7のいず
    れか1つに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  9. 【請求項9】 Ir合金部材(42)は、50重量%以
    上のIrに対してRh、Pt、Ru、PdおよびWのう
    ち少なくとも1種が添加されているものであることを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の内燃
    機関用スパークプラグ。
  10. 【請求項10】 前記取付金具(10)は、その一端面
    (12)より前記中心電極(30)の先端部(31)を
    露出させた状態で前記中心電極を取り囲む筒形状をなし
    ており、 前記取付金具の一端面は、前記母材(41)が固定され
    るとともに、前記Ir合金部材(42)が延びる方向と
    略平行な面となっており、 前記取付金具の一端面のうち前記中心電極寄りの少なく
    とも前記接地電極(40)が取り付けられた端部には逃
    げ角(13)が施され、該逃げ角の寸法Cは、0mmよ
    りも大きく2.0mm以下の範囲にあることを特徴とす
    る請求項1ないし9のいずれか1つに記載の内燃機関用
    スパークプラグ。
  11. 【請求項11】 前記母材(41)と前記取付金具(1
    0)との間に、中間部材(60)を介在させることを特
    徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の内
    燃機関用スパークプラグ。
  12. 【請求項12】 中心電極(30)と、 該中心電極の一端を保持する取付金具(10)と、 一方が該取付金具の端部に取り付けられ、他方が前記中
    心電極との対向部にて放電ギャップ(50)が形成され
    る略直棒形状の接地電極(40)とを備え、 少なくとも該接地電極が取り付けられた前記取付金具の
    端部(12)には、該端部を前記取付金具の内周面側に
    逃げ角(13)が形成されていることを特徴とする内燃
    機関用スパークプラグ。
  13. 【請求項13】 前記逃げ角(13)は、その寸法Cが
    0mmよりも大きく2mm以下であることを特徴とする
    請求項12に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  14. 【請求項14】 前記接地電極(40)は引張り強さが
    350N/mm2以上1200N/mm2以下のNi基合
    金もしくはFe基合金よりなり、その長手方向と直交す
    る断面が長方形をなす四角柱形状であって、その長方形
    の長辺を含む側面にて前記取付金具(10)の端部(1
    2)に取り付けられたものであり、且つ、前記接地電極
    における前記長方形の面積S1が3.0mm2以上8.
    0mm2以下、該長方形の短辺の長さa1が2.0mm
    以下、該長方形の長辺の長さb1が1.2mm以上4.
    0mm以下、前記接地電極の前記取付金具の端部から延
    びる長さL1が2.0mm以上6.0mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項12または13に記載の内燃機関
    用スパークプラグ。
  15. 【請求項15】 中心電極(30)と、 該中心電極の一端を保持する取付金具(10)と、 一方が該取付金具の端部に介在部材(60)を介して取
    り付けられ、他方が前記中心電極との対向部にて放電ギ
    ャップ(50)が形成される略直棒形状の接地電極(4
    0)とからなることを特徴とする内燃機関用スパークプ
    ラグ。
  16. 【請求項16】 前記介在部材(60)は、その厚み方
    向と直交する断面の面積S2が、3.0mm2以上8.
    0mm2以下であることを特徴とする請求項15に記載
    の内燃機関用スパークプラグ。
  17. 【請求項17】 前記介在部材(60)の厚みL2が、
    0.5mm以上3.0mm以下であることを特徴とする
    請求項15または16に記載の内燃機関用スパークプラ
    グ。
  18. 【請求項18】 前記介在部材(60)は、前記厚み方
    向と直交する断面が前記接地電極(40)の長手方向に
    短辺、前記接地電極の長手方向と直交する方向に長辺を
    有する長方形である四角柱部材であり、 前記短辺の長さa2が2.0mm以下、前記長辺の長さ
    b2が4.0mm以下であることを特徴とする請求項1
    5ないし17のいずれか1つに記載の内燃機関用スパー
    クプラグ。
  19. 【請求項19】 前記介在部材(60)は、引張り強さ
    が350N/mm2以上1300N/mm2以下のNi基
    合金もしくはFe基合金よりなることを特徴とする請求
    項15ないし18のいずれか1つに記載の内燃機関用ス
    パークプラグ。
  20. 【請求項20】 中心電極(30)と、 該中心電極の一端を保持する取付金具(10)と、 一方が該取付金具の端部(12)に取り付けられ、他方
    が前記中心電極との対向部にて放電ギャップ(50)が
    形成される略直棒形状の接地電極(40)とを備え、 少なくとも該接地電極の一部には、溝部(70)が形成
    されていることを特徴とする内燃機関用スパークプラ
    グ。
  21. 【請求項21】 前記溝部(70)は、少なくとも前記
    接地電極(40)の厚み方向に溝が掘られるように形成
    されていることを特徴とする請求項20に記載の内燃機
    関用スパークプラグ。
  22. 【請求項22】 前記接地電極(40)の長手方向と直
    交する断面のうち前記溝部(70)における面積S3
    は、2.0mm2以上であることを特徴とする請求項2
    0または21に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  23. 【請求項23】 前記溝部(70)の幅Pは、0.5m
    m以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項2
    0ないし22のいずれか1つに記載の内燃機関用スパー
    クプラグ。
  24. 【請求項24】 前記溝部(70)は、少なくとも前記
    接地電極(40)の他方側先端より3.0mm以上離れ
    ていることを特徴とする請求項20ないし23のいずれ
    か1つに記載の内燃機関用スパークプラグ。
  25. 【請求項25】 前記接地電極(40)は、引張り強さ
    が350N/mm2以上1400N/mm2以下のNi基
    合金もしくはFe基合金よりなることを特徴とする請求
    項20ないし24のいずれか1つに記載の内燃機関用ス
    パークプラグ。
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