JP2012074272A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】接地電極と貴金属チップとの溶接強度を向上させることのできる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】スパークプラグの接地電極と貴金属チップとの間の少なくとも一部には、接地電極と貴金属チップとが溶け合って形成された溶融部がある。貴金属チップの放電面に垂直な平面であって、貴金属チップの重心を通り、接地電極の幅方向に垂直な平面によって切断された第1の断面において、溶融部の最も厚い部分の厚さをAとし、溶融部の最も長い部分の長さをBとした場合に、1.5≦B/Aの関係を満たすとともに、貴金属チップの放電面に垂直な平面であって、貴金属チップの重心を通り、接地電極の幅方向に平行な平面によって切断された第2の断面において、貴金属チップの放電面の長さをCとし、放電面に平行な方向における溶融部の長さをDとした場合に、1.2≦D/Cの関係を満たす。
【選択図】図3

Description

本発明は、スパークプラグに関するものである。
従来、スパークプラグの接地電極に貴金属チップを接合する方法としては、例えば、以下の特許文献に開示されたものが知られている。
特許文献1に開示された方法では、貴金属チップを全て溶融させて、接地電極に接合させている。しかしこの方法では、接地電極と貴金属チップとの溶接強度を上げることはできるが、貴金属チップの放電面にも接地電極母材の溶融成分が含まれてしまうため、火花耐久性能が低下してしまうといった問題があった。
また、特許文献2に開示された方法では、貴金属チップの外周部を溶融させて、接地電極に接合させている。しかしこの方法では、接地電極と貴金属チップの中心部との溶接強度が弱く、また貴金属チップや溶融部にクラックが発生し、やがては貴金属チップの剥離に繋がるおそれがあるといった問題があった。
また、接地電極に貴金属チップを接合する方法としては、抵抗溶接を用いた方法も知られている。しかしこの方法では、接地電極と貴金属チップの境界面における溶融部の層が薄いため、また、近年のエンジンの高出力化に伴ってシリンダ内がより高温になるなど、スパークプラグの使用環境は以前より厳しい環境となるため、溶接強度が確保できず、やがては貴金属チップの剥離に繋がるおそれがあるといった問題があった。
特表2004−517459号公報 米国特許出願公開第2007/0103046号明細書
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、接地電極と貴金属チップとの溶接強度を向上させることのできる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
[適用例1]
軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
前記接地電極の先端部に設けられ、前記中心電極との間で間隙を形成する放電面を有する貴金属チップと、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶け合って形成された溶融部があり、
前記貴金属チップの前記放電面に垂直な平面であって、前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の幅方向に垂直な平面によって切断された第1の断面において、
前記貴金属チップの放電面に垂直な方向における前記溶融部の厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、
前記貴金属チップの放電面に平行な方向における前記溶融部の長さのうち、最も長い部分の長さをBとした場合に、
1.5≦B/A
の関係を満たすとともに、
前記貴金属チップの前記放電面に垂直な平面であって、前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の幅方向に平行な平面によって切断された第2の断面において、
前記貴金属チップの前記放電面の長さをCとし、
前記放電面に平行な方向における前記溶融部の長さをDとした場合に、
1.2≦D/C
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、溶融部付近における凝固割れの発生を抑制することができるとともに、酸化スケールの発生を抑制することができるので、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。
[適用例2]
適用例1に記載のスパークプラグであって、さらに、
D/C≦2.5の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、酸化スケールの発生を抑制することができるので、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載のスパークプラグであって、
前記第1の断面において、
前記貴金属チップの前記放電面の長さをEとし、
前記貴金属チップの側面のうち前記接地電極の他端側の側面から、前記溶融部の長手方向の先端部までの、前記貴金属チップの前記放電面に平行な方向における長さをFとした場合に、
0.6≦F/E
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、貴金属チップと接地電極との境界に占める溶融部の長さの割合を大きくすることができるとともに、酸化スケールの発生を抑制し、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能となる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
さらに、
1.6≦D/C
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、酸化スケールの発生をさらに抑制することができるので、貴金属チップと接地電極との溶接強度をさらに向上させることが可能となる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記溶融部は、前記貴金属チップの前記放電面に垂直な方向に投影した場合に、前記貴金属チップの全体を囲んでおり、
前記貴金属チップの前記放電面の面積をS1とし、
前記溶融部を前記貴金属チップの前記放電面に垂直な方向に投影した場合における面積をS2とした場合に、
1.8≦S2/S1
の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、接地電極にかかる応力を適切に緩和することができるとともに、酸化スケールの発生を抑制し、貴金属チップの剥離を抑制することが可能となる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記貴金属チップの前記放電面には、前記溶融部が形成されていないことを特徴とする、スパークプラグ。
溶融部よりも貴金属チップの方が耐火花消耗性に優れているため、このようなスパークプラグによれば、スパークプラグの耐火花消耗性を向上させることができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記接地電極は、Niを主成分とし、Si、Al、希土類元素のうちの1種類以上の元素を含有し、
前記貴金属チップは、Ir、Pt、Rh、Ru、Pd、Reのうちの1種類以上の元素を含有していることを特徴とする、スパークプラグ。
このようなスパークプラグによれば、貴金属チップと接地電極との溶接強度を向上させることができるとともに、放電による貴金属チップの消耗を抑制することができ、スパークプラグの耐久性を向上させることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記溶融部は、前記接地電極と前記貴金属チップとの境界に対してファイバーレーザまたは電子ビームが照射されることによって形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
ファイバーレーザや電子ビーム等の高エネルギービームを用いると、接地電極と貴金属チップの境界を奥深くまで溶融させることができるため、接地電極と貴金属チップとを強固に接合させることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、スパークプラグの製造方法および製造装置、製造システム等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としてのスパークプラグ100の部分断面図である。 中心電極20の先端部22付近を拡大して示す説明図である。 接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。 凝固割れの発生の有無を表形式で示す説明図である。 机上バーナー試験1の結果を示すグラフである。 机上バーナー試験2の結果を示すグラフである。 実機冷熱試験の結果を表形式で示す説明図である。 第2実施形態のスパークプラグ100bにおける接地電極30bの先端部33b付近を拡大して示す説明図である。 第3実施形態のスパークプラグ100cにおける接地電極30cの先端部33c付近を拡大して示す説明図である。 他の実施形態のスパークプラグ100dにおける接地電極30dの先端部33d付近を拡大して示す説明図である。 他の実施形態のスパークプラグ100eにおける接地電極30eの先端部33e付近を拡大して示す説明図である。 他の実施形態のスパークプラグ100fにおける接地電極30fの先端部33f付近を拡大して示す説明図である。 他の実施形態のスパークプラグ100gにおける接地電極30gの先端部33g付近を拡大して示す説明図である。 他の実施形態のスパークプラグ100hにおける接地電極30hの先端部33h付近を拡大して示す説明図である。 他の実施形態のスパークプラグ100iにおける接地電極30iの先端部33i付近を拡大して示す説明図である。 他の実施形態のスパークプラグ100jにおける接地電極30jの先端部33j付近を拡大して示す説明図である。
次に、本発明の一態様であるスパークプラグの実施の形態を、以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
A1.スパークプラグの構造:
A2.各部の形状及び寸法:
A3.凝固割れの発生に関する実験例:
A4.酸化スケールの発生に関する実験例:
A5.面積比率S2/S1に関する実験例
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.他の実施形態:
A.第1実施形態:
A1.スパークプラグの構造:
図1は、本発明の一実施形態としてのスパークプラグ100の部分断面図である。なお、図1において、スパークプラグ100の軸線方向ODを図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、主体金具50と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40とを備えている。中心電極20は、絶縁碍子10内に軸線方向ODに延びた状態で保持されている。絶縁碍子10は、絶縁体として機能しており、主体金具50は、この絶縁碍子10を保持している。端子金具40は、絶縁碍子10の後端部に設けられている。なお、中心電極20と接地電極30の構成については、図2において詳述する。
絶縁碍子10は、アルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線方向ODへ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線方向ODの略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側(図1における上側)には後端側胴部18が形成されている。鍔部19より先端側(図1における下側)には、後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成され、さらにその先端側胴部17よりも先端側に、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径され、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド200に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。脚長部13と先端側胴部17との間には段部15が形成されている。
主体金具50は、低炭素鋼材より形成された円筒状の金具であり、スパークプラグ100を内燃機関のエンジンヘッド200に固定する。そして、主体金具50は、絶縁碍子10を内部に保持しており、絶縁碍子10は、その後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位を主体金具50によって取り囲まれている。
また、主体金具50は、工具係合部51と、取付ねじ部52とを備えている。工具係合部51は、スパークプラグレンチ(図示せず)が嵌合する部位である。主体金具50の取付ねじ部52は、ねじ山が形成された部位であり、内燃機関の上部に設けられたエンジンヘッド200の取付ねじ孔201に螺合する。
主体金具50の工具係合部51と取付ねじ部52との間には、鍔状のシール部54が形成されている。取付ねじ部52とシール部54との間のねじ首59には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付けた際に、シール部54の座面55と取付ねじ孔201の開口周縁部205との間で押し潰されて変形する。このガスケット5の変形により、スパークプラグ100とエンジンヘッド200間が封止され、取付ねじ孔201を介したエンジン内の気密漏れが防止される。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、薄肉の加締部53が設けられている。また、シール部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に、薄肉の座屈部58が設けられている。主体金具50の工具係合部51から加締部53にかけての内周面と、絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されている。さらに両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めると、絶縁碍子10は、リング部材6,7およびタルク9を介して主体金具50内の先端側に向け押圧される。これにより、絶縁碍子10の段部15は、主体金具50の内周に形成された段部56に支持され、主体金具50と絶縁碍子10とは、一体となる。このとき、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は、絶縁碍子10の段部15と主体金具50の段部56との間に介在された環状の板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの流出が防止される。座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の圧縮ストロークを稼いで主体金具50内の気密性を高めている。なお、主体金具50の段部56よりも先端側と絶縁碍子10との間には、所定寸法のクリアランスCLが設けられている。
図2は、中心電極20の先端部22付近を拡大して示す説明図である。中心電極20は、電極母材21の内部に芯材25を埋設した構造を有する棒状の電極である。電極母材21は、インコネル(商標名)600または601等のニッケル(Ni)またはニッケルを主成分とする合金から形成されている。具体的には、電極母材21は、Niを主成分とし、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、希土類元素のうちの1種類以上の元素を含有する合金から形成されている。芯材25は、電極母材21よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金から形成されている。通常、中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に芯材25を詰め、底側から押出成形を行って引き延ばすことで作製される。芯材25は、胴部分においては略一定の外径をなすものの、先端側においては縮径部が形成される。また、中心電極20は、軸孔12内を後端側に向けて延設され、シール体4およびセラミック抵抗3(図1)を経由して、端子金具40(図1)に電気的に接続されている。端子金具40には、高圧ケーブル(図示せず)がプラグキャップ(図示せず)を介して接続され、高電圧が印加される。
中心電極20の先端部22は、絶縁碍子10の先端部11よりも突出している。中心電極20の先端部22の先端には、中心電極チップ90が接合されている。中心電極チップ90は、軸線方向ODに伸びた略円柱形状を有しており、耐火花消耗性を向上するため、高融点の貴金属によって形成されている。中心電極チップ90は、例えば、イリジウム(Ir)や、Irを主成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)のうち、1種類あるいは2種類以上を添加したIr合金によって形成される。
接地電極30は、耐腐食性の高い金属から形成され、例えば、インコネル(商標名)600または601等のニッケル合金から形成されている。この接地電極30の基部32は、溶接によって、主体金具50の先端部57に接合されている。また、接地電極30は屈曲しており、接地電極30の先端部33は、中心電極20の先端部22と対向しており、さらに、中心電極チップ90の先端面92とも対向している。
さらに、接地電極30の先端部33には、溶融部98を介して接地電極チップ95が接合されている。接地電極チップ95の放電面96は、中心電極チップ90の先端面92と対向しており、接地電極チップ95の放電面96と、中心電極チップ90の先端面92との間には、ギャップGAが形成されている。なお、接地電極チップ95は、中心電極チップ90と同様に、高融点の貴金属によって形成されており、例えば、Ir、Pt、Rh、Ru、Pd、Reのうちの1種類以上の元素を含有している。このようにすれば、接地電極チップ95の耐火花消耗性を向上させることができる。
A2.各部の形状及び寸法:
図3は、接地電極30の先端部33付近を拡大して示す説明図である。図3(A)は、接地電極30の先端部33を、軸線方向ODに沿った方向から見た図である。図3(B)は、図3(A)におけるX1−X1断面を示す図である。換言すれば、図3(B)は、接地電極チップ95の放電面96に垂直な平面であって、接地電極チップ95の重心Gを通り、接地電極30の幅方向WDに垂直な平面で切断した断面を示す図である。図3(C)は,図3(A)におけるX2−X2断面を示す図である。換言すれば、図3(C)は、接地電極チップ95の放電面96に垂直な平面であって、接地電極チップ95の重心Gを通り、接地電極30の幅方向WDに平行な平面で切断した断面を示す図である。
図3(B)に示すように、接地電極30の先端部33には、接地電極チップ95の底面と同じ形状の溝部34が形成されており、接地電極チップ95は、溝部34に埋設されている。接地電極チップ95と接地電極30との間の少なくとも一部には、溶融部98が形成されている。溶融部98は、接地電極チップ95の一部と接地電極30の一部とが溶け合って形成されており、接地電極チップ95と接地電極30の成分の両方が含まれる。すなわち、溶融部98は、接地電極30と接地電極チップ95との中間的な組成を有している。なお、接地電極チップ95と接地電極30との間には破線が描かれているが、実際には、溶融部98が形成されている部分においては接地電極チップ95と接地電極30とが一体となって溶融しており、破線は消滅している。以下で示す図面においても同様である。
溶融部98は、接地電極30と接地電極チップ95との境界(すなわち、接地電極チップ95の底面)に対して略平行な方向LDから高エネルギービームを照射することによって形成することができる(図3(B))。より具体的には、溶融部98は、高エネルギービームを接地電極30の幅方向WDに相対的に移動させながら照射することによって形成することができる。本実施形態では、溶融部98を形成するための高エネルギービームとして、ファイバーレーザを用いている。ただし、ファイバーレーザの代わりに、電子ビームを用いることとしてもよい。ファイバーレーザや電子ビームを用いると、接地電極30と接地電極チップ95の境界を奥深くまで溶融させることができるため、接地電極30と接地電極チップ95とを強固に接合させることができる。なお、溶融部98は、接地電極30と接地電極チップ95との境界に対して斜めの方向から高エネルギービームを照射することによって形成することもできる。また、接地電極チップ95を接地電極30に溶接した後は、接地電極30を屈曲させて、接地電極チップ95と中心電極20とを対向させる。
溶融部98は、接地電極30と接地電極チップ95との中間的な熱膨張率を有しているため、接地電極30と接地電極チップ95との間に生じる応力を緩和することができる。さらに、図3(B)に示すように、接地電極チップ95の放電面96に垂直な方向における溶融部98の厚さは、接地電極チップ95の放電面96に平行な方向に沿って次第に薄くなっていることが好ましい。このような形状は、接地電極30と接地電極チップ95との間に生じる応力を適切に分散させることができるので、接地電極チップ95の剥離を抑制することが可能となる。
また、接地電極チップ95の放電面96に垂直な平面であって、接地電極チップ95の重心Gを通り、接地電極30の幅方向WDに垂直な平面によって切断された断面(図3(B))において、接地電極チップ95の放電面96に垂直な方向における溶融部98の厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとする。そして、接地電極チップ95の放電面96に平行な方向における溶融部98の長さのうち、最も長い部分の長さをBとする。この場合において、スパークプラグ100は、以下の関係式(1)を満たすことが好ましい。
1.5≦B/A …(1)
溶融部98を上記関係式(1)を満たす細長い形状とすれば、接地電極30と接地電極チップ95との境界に占める溶融部98の長さの割合を増やしつつも、接地電極チップ95に占める溶融部98の体積の増加を抑えることができるので、接地電極チップ95の溶接強度を向上させつつ、接地電極チップ95に占める溶融部98の体積の増加に伴う耐火花消耗性の低下を抑制することができる。
さらに、接地電極チップ95の放電面96に垂直な平面であって、接地電極チップ95の重心Gを通り、接地電極30の幅方向WDに平行な平面によって切断された断面(図3(C))において、接地電極チップ95の放電面96の長さをCとする。そして、放電面96に平行な方向における溶融部98の長さをDとする。この場合において、スパークプラグ100は、以下の関係式(2)を満たすことが好ましい。
1.2≦D/C …(2)
このようにすれば、接地電極チップ95と接地電極30との境界だけでなく、境界の周囲も溶融部98によって一体化することができるので、溶融部98付近における凝固割れの発生を抑制することができるとともに、酸化スケールの発生を抑制し、接地電極チップ95と接地電極30との溶接強度を向上させることが可能となる。また、D/Cを以下では第1比率とも呼ぶ。
なお、スパークプラグ100がより高温の環境下において使用される場合には、スパークプラグ100は、以下の関係式(3)を満たすことが好ましい。
1.6≦D/C …(3)
このようにすれば、さらに、酸化スケールの発生を抑制することが可能となり、接地電極チップ95と接地電極30との溶接強度をさらに向上させることが可能となる。
一方、第1比率D/Cが所定値よりも大きくなると、換言すれば、長さCに対して長さDが長くなり過ぎると、酸化スケールが発生しやすくなってしまう。この理由は、長さDが長くなるにしたがって、溶融部98に占める接地電極チップ95と接地電極30とが溶け合って形成された合金層の割合が小さくなってしまい、溶融部98の合金層ではない部分(例えば、溶融部98の両端部分)では接地電極30の粒成長のみが促進されて、酸化スケールの進展の起点となってしまうためであると考えられる。したがって、スパークプラグ100は、以下の関係式(4)を満たすことが好ましい。
D/C≦2.5 …(4)
このようにすれば、酸化スケールの発生を抑制することができる。なお、第1比率D/Cを上記の数値範囲に規定する理由については後述する。
さらに、図3(B)に示した断面図おいて、接地電極チップ95の放電面96の長さをEとする。そして、接地電極チップ95の側面のうち接地電極30の他端側の側面97から、溶融部98の長手方向の先端部99までの、接地電極チップ95の放電面96に平行な方向における長さをFとする。なお、溶融部98の長手方向は、高エネルギービームの照射方向と一致しており、溶融部98は、先端部99に近づくにしたがって次第に細くなる形状を有している。また、接地電極30の他端側とは、接地電極30の先端面31に近い側をいう。この場合において、スパークプラグ100は、以下の関係式(5)を満たすことが好ましい。
0.6≦F/E …(5)
換言すれば、図3(B)に示した断面図において、接地電極チップ95の底面のうちの60%以上が高エネルギービームによって溶融され、溶融部98が形成されていることが好ましい。なお、この図3(B)に示した例では、F/Eは1.0以上となっている。
このようにすれば、接地電極チップ95と接地電極30との境界に占める溶融部98の長さの割合を大きくすることができるので、酸化スケールの発生を抑制し、接地電極チップ95の耐剥離性を向上させることができる。なお、F/Eを上記の数値範囲に規定する理由については後述する。また、F/Eを以下では第2比率とも呼ぶ。
また、図3(A)に示すように、溶融部98は、接地電極チップ95の放電面96に垂直な方向に投影した場合に、接地電極チップ95の全体を囲んでいることが好ましい。このようにすれば、接地電極チップ95の底面の全てが溶融部98によって接合されるため、接地電極チップ95の耐剥離性を向上させることができる。
さらに、溶融部98は、接地電極チップ95の底面よりも広い範囲において形成されていることが好ましい。このようにすれば、接地電極チップ95の底面付近に生じる応力を、広い範囲に形成された溶融部98によって適切に緩和することができるため、接地電極チップ95の耐剥離性をさらに向上させることができる。
具体的には、接地電極チップ95の放電面96の面積をS1とする。そして、溶融部98を接地電極チップ95の放電面96に垂直な方向に投影した場合における面積をS2とする。図3(A)に示した例では、斜線が施された領域と、放電面96とを合わせた領域の面積をS2とする。この場合において、スパークプラグ100は、以下の関係式(6)を満たすことが好ましい。
1.8≦S2/S1…(6)
このようにすれば、接地電極チップ95の耐剥離性をさらに向上させることができる。なお、このような数値範囲に規定する理由については後述する。
そして、図3(B)に示すように、溶融部98は、接地電極チップ95の放電面96には形成されていないことが好ましい。この理由は、接地電極チップ95の溶融していない部分の方が溶融部98よりも耐火花消耗性に優れているためである。したがって、接地電極チップ95の放電面96に溶融部98が形成されないようにすれば、耐火花消耗性を向上させることができる。
このように、本実施形態のスパークプラグによれば、酸化スケールの発生を抑制することができ、接地電極チップ95の溶接強度を向上させることができる。
A3.凝固割れの発生に関する実験例:
接地電極チップ95と接地電極30との境界に対して高エネルギービームを照射すると、境界付近が高温となって溶融し、溶融部98が形成される。その後、高温の溶融部98が冷却されると、凝固割れが発生する場合がある。そこで、第1比率D/Cの異なるサンプルを製作し、凝固割れの発生の有無と第1比率D/Cとの関係を調べた。
図4は、凝固割れの発生の有無を表形式で示す説明図である。この図4では、溶融部98に凝固割れが発生した場合を×で示し、溶融部98に凝固割れが発生しなかった場合を○で示した。なお、この実験例では、同一の第1比率D/Cを有するサンプルを3つずつ製作した。
この図4によれば、第1比率D/Cが1.2以上であれば、溶融部98に凝固割れが発生しなかったことが理解できる。したがって、第1比率D/Cが1.2以上となるように、溶融部98を形成することが好ましい。
A4.酸化スケールの発生に関する実験例:
第1比率D/Cと酸化スケール割合との関係、及び、第2比率F/Eと酸化スケール割合との関係を調べるために、机上バーナー試験1,2を行なった。ここで、酸化スケール割合とは、図3(C)に示す断面において、溶融部98の輪郭線の長さに占める、発生した酸化スケールの長さの割合である。
机上バーナー試験1では、まず接地電極30をバーナーで2分間熱し、接地電極30の温度を900℃まで上昇させた。その後バーナーを切り、接地電極30を1分間徐冷し、再び接地電極30をバーナーで2分間熱して接地電極30の温度を900℃まで上昇させた。このサイクルを1000回繰り返し、溶融部付近に発生した酸化スケールの長さを断面から計測した。そして、計測された酸化スケールの長さから、酸化スケール割合を求めた。机上バーナー試験2の試験条件は、接地電極30の温度を1000℃まで上昇させる点以外は、机上バーナー試験1と同じである。
なお、机上バーナー試験1,2では、2種類の大きさの接地電極チップ95を用いた。2種類の接地電極チップ95としては、直径0.7mm、高さ0.3mmのものと、直径0.9mm、高さ0.4mmのものを用いた。また、接地電極30は、幅方向2.8mm、厚さ1.5mmのものを用いた。
図5は、机上バーナー試験1の結果を示すグラフである。図5の横軸は、第1比率D/Cを示しており、縦軸は、酸化スケール割合[%]を示している。
この図5によれば、第1比率D/Cが大きくなるにしたがって、酸化スケール割合が小さくなることが理解できる。これは、第1比率D/Cが大きくなると、接地電極チップ95と接地電極30との境界に占める溶融部98の割合が大きくなり、接地電極チップ95と接地電極30との境界に酸化スケールが発生しにくくなるためであると考えられる。そして、第1比率D/Cが1.2以上となると、酸化スケール割合がほぼ50%以下となる。したがって、第1比率D/Cは、1.2以上であることが好ましく、1.4以上であることがさらに好ましく、1.6以上であることが特に好ましい。
一方、第1比率D/Cが2.5より大きくなると、酸化スケール割合が50%を大きく上回るようになる。この理由は、上述したように、溶融部98の両端部分は、接地電極チップ95と中心電極20とが溶けた合金層ではないため、溶融部98の両端部分では接地電極30の粒成長のみが促進されて、酸化スケールの進展の起点となってしまうためであると考えられる。したがって、第1比率D/Cは、2.5以下であることが好ましく、2.4以下であることがさらに好ましく、2.2以下であることが特に好ましい。
また、図5によれば、同一の第1比率D/Cであっても、第2比率F/Eが大きいほど、酸化スケール割合が小さくなることも理解できる。これは、第2比率F/Eが大きくなると、接地電極チップ95と接地電極30との境界に占める溶融部98の割合が大きくなり、接地電極チップ95と接地電極30との境界に酸化スケールが発生しにくくなるためであると考えられる。そして、第2比率F/Eが0.6以上となると、酸化スケール発生割合がほぼ50%以下となる。したがって、第2比率F/Eは、0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがさらに好ましく、1.0以上であることが特に好ましい。
図6は、机上バーナー試験2の結果を示すグラフである。図6の横軸は、第1比率D/Cを示しており、縦軸は、酸化スケール割合[%]を示している。この机上バーナー試験2では、試験環境が机上バーナー試験1よりも厳しくなっているため、酸化スケール割合が大きくなっている。
この図6によれば、第1比率D/Cを1.6以上とすれば、より厳しい環境下においても、酸化スケール割合が50%以下となることが理解できる。したがって、第1比率D/Cは、1.6以上であることが好ましい。
A5.面積比率S2/S1に関する実験例:
接地電極チップ95が接地電極30から脱落(剥離)するか否かと、面積比率S2/S1との関係を調べるため、面積比率S2/S1の異なるサンプルを用いて、実機冷熱試験を行なった。
実機冷熱試験では、サンプルとなるスパークプラグを実際のエンジンに装着した。そして、4000rpmで60秒間エンジンを起動させ、その後エンジンを90秒間停止させ、再び4000rpmで60秒間エンジンを起動させるというサイクルを200時間繰り返した。なお、エンジンが4000rpmで起動している場合における接地電極30の温度は、約950℃となった。
図7は、実機冷熱試験の結果を表形式で示す説明図である。この図7では、実機冷熱試験後に接地電極チップ95が接地電極30から脱落した場合を×で示し、接地電極チップ95が接地電極30から脱落しなかった場合を○で示した。なお、同一の面積比率S2/S1に対して、3回ずつ試験を行なった。
この図7によれば、面積比率S2/S1が1.8以上であれば、実機冷熱試験後に接地電極チップ95が接地電極30から脱落しなかったことが理解できる。したがって、面積比率S2/S1は、1.8以上であることが好ましい。
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態のスパークプラグ100bにおける接地電極30bの先端部33b付近を拡大して示す説明図である。図8(A)は、接地電極30bの先端部33bを、先端面31bから見た図である。図8(B)は、図8(A)におけるX1−X1断面を示す図である。換言すれば、図8(B)は、接地電極チップ95bの放電面96bに垂直な平面であって、接地電極チップ95bの重心Gを通り、接地電極30bの幅方向WDに垂直な平面で切断した断面を示す図である。図8(C)は,図8(A)におけるX2−X2断面を示す図である。換言すれば、図8(C)は、接地電極チップ95の放電面96に垂直な平面であって、接地電極チップ95bの重心Gを通り、接地電極30bの幅方向WDに平行な平面で切断した断面を示す図である。
図3に示した第1実施形態との違いは、接地電極チップ95bが、接地電極30bの先端面31bに形成された溝部34bに溶接されているという点であり、他の構成は第1実施形態と同じである。すなわち、このスパークプラグ100bはいわゆる横放電型プラグであり、放電方向は軸線方向ODに対して垂直である。
接地電極30bと接地電極チップ95bとの境界には、第1実施形態と同様に、接地電極30bと接地電極チップ95bとが溶け合って形成された溶融部98bが存在している。この溶融部98bの形状と接地電極チップ95の形状との関係は、向きが90度回転しているだけで第1実施形態と同じであり、上記関係式のうちの少なくとも1つ以上を満たしている。
このように、横放電型のスパークプラグ100bに対して、上記関係式のうちの少なくとも1つ以上を満たす溶融部98bを形成しても、第1実施形態と同様に、接地電極チップ95bと接地電極30bとの溶接強度を向上させることが可能である。
C.第3実施形態:
図9は、第3実施形態のスパークプラグ100cにおける接地電極30cの先端部33c付近を拡大して示す説明図である。図9(A)は、接地電極30cの先端部33cを、先端面31cから見た図である。図9(B)は、図9(A)におけるX1−X1断面を示す図である。図9(C)は,図9(A)におけるX2−X2断面を示す図である。
図8に示した第2実施形態との違いは、溶融部98cの形状が、軸線方向ODに反転している点だけであり、他の構成は第1実施形態と同じである。このスパークプラグ100cは、第2実施形態と同様に、横放電型プラグである。
このように、溶融部98cが、軸線方向ODに沿って次第に細くなる形状として形成されていても、第1及び第2実施形態と同様に、接地電極チップ95cと接地電極30cとの溶接強度を向上させることが可能である。
D.他の実施形態:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような実施形態も可能である。
図10は、他の実施形態のスパークプラグ100dにおける接地電極30dの先端部33d付近を拡大して示す説明図である。この図10は、第1実施形態における図3(B)に相当する断面図である。図3に示した第1実施形態との違いは、溝部34dと接地電極チップ95dとの間に間隙が存在しているという点だけであり、他の構成は第1実施形態と同じである。このように、溝部34dと接地電極チップ95dとの間には、間隙が存在していてもよい。
図11は、他の実施形態のスパークプラグ100eにおける接地電極30eの先端部33e付近を拡大して示す説明図である。この図11は、第1実施形態における図3(B)に相当する断面図である。図3に示した第1実施形態との違いは、溝部34eがテーパ形状となっている点だけであり、他の構成は第1実施形態と同じである。このように、接地電極の溝部の形状は、上記実施形態に限定されるものではなく、任意の形状を採用することができる。
図12は、他の実施形態のスパークプラグ100fにおける接地電極30fの先端部33f付近を拡大して示す説明図である。この図12は、第1実施形態における図3(B)に相当する断面図である。図3に示した第1実施形態との違いは、溝部が形成されていないという点だけであり、他の構成は第1実施形態と同じである。このように、接地電極の溝部は、省略してもよい。
図13は、他の実施形態のスパークプラグ100gにおける接地電極30gの先端部33g付近を拡大して示す説明図である。この図13は、第1実施形態における図3(A)に相当する図である。図3に示した第1実施形態との違いは、接地電極チップ95gが四角柱であるという点だけであり、他の構成は第1実施形態と同じである。このように、接地電極チップの形状は、上記実施形態に限定されるものではなく、任意の形状を採用することができる。
図14は、他の実施形態のスパークプラグ100hにおける接地電極30hの先端部33h付近を拡大して示す説明図である。この図14は、第1実施形態における図3(A)に相当する図である。図3に示した第1実施形態との違いは、接地電極チップ95hが四角柱であるという点と、接地電極チップ95hが接地電極30hの先端面31hに近い位置に接合されている点だけであり、他の構成は第1実施形態と同じである。このように、接地電極チップは、接地電極の先端近傍の任意の位置に配置することができる。
図15は、他の実施形態のスパークプラグ100iにおける接地電極30iの先端部33i付近を拡大して示す説明図である。この図15(A),(B),(C)は、それぞれ第1実施形態における図3A),(B),(C)に相当する図である。図3に示した第1実施形態との違いは、溶融部98iが接地電極チップ95iの底面の全体までは形成されておらず、第2比率F/E=0.6となっている点であり、他の構成は第1実施形態と同じである。すなわち、このスパークプラグ100iは、上記関係式のうち、関係式(1),(2),(4),(5)を満たしている。このように、スパークプラグは、上記関係式のうちの全てを満たす必要はなく、少なくとも1つ以上を満たしていれば、接地電極チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能である。
図16は、他の実施形態のスパークプラグ100jにおける接地電極30jの先端部33j付近を拡大して示す説明図である。この図16(A),(B),(C)は、それぞれ第1実施形態における図3(A),(B),(C)に相当する図である。図3に示した第1実施形態との違いは、溶融部98jが幅方向WDに広く形成されることによって第1比率D/C>2.5となっている点であり、他の構成は第1実施形態と同じである。すなわち、このスパークプラグ100jは、上記関係式のうち、関係式(1),(3),(5),(6)を満たしている。このように、スパークプラグは、上記関係式のうちの全てを満たす必要はなく、少なくとも1つ以上を満たしていれば、接地電極チップと接地電極との溶接強度を向上させることが可能である。
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
6…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
11…先端部
12…軸孔
13…脚長部
15…段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…鍔部
20…中心電極
21…電極母材
22…先端部
25…芯材
30…接地電極
31…先端面
32…基部
33…先端部
34…溝部
40…端子金具
45…境界
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ねじ部
53…加締部
54…シール部
55…座面
56…段部
57…先端部
58…座屈部
59…ねじ首
88…溝部分
90…中心電極チップ
92…先端面
95…接地電極チップ
96…放電面
97…側面
98…溶融部
100…スパークプラグ
100b…スパークプラグ
100c…スパークプラグ
100d…スパークプラグ
100e…スパークプラグ
100f…スパークプラグ
100g…スパークプラグ
100h…スパークプラグ
100i…スパークプラグ
200…エンジンヘッド
201…孔
205…開口周縁部

Claims (8)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体を保持する略筒状の主体金具と、
    一端が前記主体金具の先端部に取り付けられ、他端が前記中心電極の先端部と対向する接地電極と、
    前記接地電極の先端部に設けられ、前記中心電極との間で間隙を形成する放電面を有する貴金属チップと、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部には、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶け合って形成された溶融部があり、
    前記貴金属チップの前記放電面に垂直な平面であって、前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の幅方向に垂直な平面によって切断された第1の断面において、
    前記貴金属チップの放電面に垂直な方向における前記溶融部の厚さのうち、最も厚い部分の厚さをAとし、
    前記貴金属チップの放電面に平行な方向における前記溶融部の長さのうち、最も長い部分の長さをBとした場合に、
    1.5≦B/A
    の関係を満たすとともに、
    前記貴金属チップの前記放電面に垂直な平面であって、前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の幅方向に平行な平面によって切断された第2の断面において、
    前記貴金属チップの前記放電面の長さをCとし、
    前記放電面に平行な方向における前記溶融部の長さをDとした場合に、
    1.2≦D/C
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグであって、さらに、
    D/C≦2.5の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスパークプラグであって、
    前記第1の断面において、
    前記貴金属チップの前記放電面の長さをEとし、
    前記貴金属チップの側面のうち前記接地電極の他端側の側面から、前記溶融部の長手方向の先端部までの、前記貴金属チップの前記放電面に平行な方向における長さをFとした場合に、
    0.6≦F/E
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    さらに、
    1.6≦D/C
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記溶融部は、前記貴金属チップの前記放電面に垂直な方向に投影した場合に、前記貴金属チップの全体を囲んでおり、
    前記貴金属チップの前記放電面の面積をS1とし、
    前記溶融部を前記貴金属チップの前記放電面に垂直な方向に投影した場合における面積をS2とした場合に、
    1.8≦S2/S1
    の関係を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記貴金属チップの前記放電面には、前記溶融部が形成されていないことを特徴とする、スパークプラグ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記接地電極は、Niを主成分とし、Si、Al、希土類元素のうちの1種類以上の元素を含有し、
    前記貴金属チップは、Ir、Pt、Rh、Ru、Pd、Reのうちの1種類以上の元素を含有していることを特徴とする、スパークプラグ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記溶融部は、前記接地電極と前記貴金属チップとの境界に対してファイバーレーザまたは電子ビームが照射されることによって形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
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