JP2007087969A - スパークプラグおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接地電極に貴金属チップをレーザ溶接してなるスパークプラグにおいて、高着火性を確保すべく貴金属チップを細くした場合であっても、接地電極と貴金属チップとの接合について更なる接合信頼性の向上を図る。
【解決手段】接地電極40の先端面47に、少なくとも一部が埋没された状態でレーザ溶接を行うことよって形成された溶融部64を介して接合された貴金属チップ65を備え、貴金属チップ65は、接地電極40における中心電極との対向面43よりも中心電極側へ突出し、その突出先端部66が中心電極と放電ギャップを隔てて対向している。
【選択図】図11

Description

本発明は、放電ギャップを介して対向する中心電極及び接地電極を備え、接地電極に火花放電部材としての貴金属チップをレーザ溶接してなるスパークプラグおよびその製造方法に関する。
従来より、この種のスパークプラグとしては、特許文献1に記載されている様な、中心電極および接地電極を共に電極支持部から突起させ、かつ電極支持部よりも細い細電極とすることにより、高着火性を実現したものが提案されている。
これは、電極を細くすることにより電極の熱容量が小さくなるため火炎核の消炎作用が低減されること、および、電極を電極支持部から突起させることにより中心電極と接地電極との空間が広くなり、放電ギャップにて発生する火炎核の成長を妨げにくいことから、着火性を高めることができるためである。
ここで、電極の耐消耗性を確保するために、細電極の構成として、例えばPt、Pd、Au等、またはこれら貴金属の合金が電極支持部材に固着されている。また、固着の方法としては、溶接、打ち込み、圧入もしくは押し込んでからかしめる等が記載されているが、上記公報においては、具体的な溶接形状、構成等の記載が無い。
近年、エンジンにおいては、高出力、低燃費、低排出ガス等の傾向により、従来のエンジンに比して高温の燃焼雰囲気となる。このような構成のエンジンでは、スパークプラグの電極温度が非常に高くなるため、熱応力、高温酸化等により、固着されている貴金属チップが脱落してしまうといった問題が顕在化してきた。特に、接地電極では、ハウジングまでの距離が長いので熱引き性が中心電極に比べて劣ること、および、燃焼室内への突き出し量が多いのでより高温となることから、この問題が顕著である。
そこで、接合信頼性を向上させるべく、貴金属チップを電極に接合する方法としては、特許文献2や特許文献3に記載されているような方法がとられている。
前者は貴金属チップを電極母材に圧接して、チップ周囲の母材を盛り上がらせ、この盛り上がり部にレーザ照射を行い、レーザ溶接するものである。また、後者は、電極母材表面に貴金属チップ(Ir合金チップ)を接触させ、チップの外側からレーザ照射を行い、レーザ溶接するものである。
特開昭52−36237号公報 特開平9−106880号公報 特開平11−354251号公報
しかしながら、本発明者等の検討によれば、高い着火性を実現すべく、細電極としての貴金属チップを細くしていった場合(例えば、チップの軸直交断面積で0.数mm2程度)、上記2つの貴金属チップを電極に接合する方法では、チップと電極母材との接合信頼性を十分に確保できるとは言いがたい。特に、中心電極に比べて熱引き性が劣り高温となる接地電極では、この接合信頼性の十分な確保がなされていない。
そこで、本発明は上記問題に鑑み、接地電極に火花放電部材としての貴金属チップをレーザ溶接してなるスパークプラグにおいて、高着火性を確保すべく貴金属チップを細くした場合であっても、接地電極と貴金属チップとの接合について、更なる接合信頼性の向上を図ることを目的とする。
本発明者等は、接合部に発生する熱応力を低減するために、チップと接地電極との接合部における形状や各種の寸法等について実験検討を行い、その検討結果に基づいて、本発明を創出した。
すなわち、請求項1に記載の発明では、取付金具(10)と、先端部(31)が取付金具から露出するように取付金具に絶縁保持された中心電極(30)と、取付金具に固定されて先端側の側面(43)が中心電極と対向するように延びる接地電極(40)とを備えるスパークプラグにおいて、接地電極の先端面(47)には、少なくとも一部が埋没された状態でレーザ溶接を行うことよって形成された溶融部(64)を介して貴金属チップ(65)が接合されており、この貴金属チップは、接地電極における中心電極との対向面(43)よりも中心電極側へ突出し、その突出先端部(66)が中心電極と放電ギャップ(50)を隔てて対向するものであることを特徴としている。
本発明によれば、接地電極の先端面に貴金属チップの少なくとも一部を埋没させてレーザ溶接しているから、上記した特開平11−354251号公報のようなチップを埋没しない場合に比べて貴金属チップがえぐれにくく、貴金属チップを細くした場合でも適切に溶融部を形成することができる。また、貴金属チップの接地電極への埋没により、埋没しない場合よりも貴金属チップの熱引き性が良くなる。
さらに、貴金属チップにおいて、接地電極における対向面よりも中心電極側へ突出した部分を設けており、接地電極に存在する溶融部を放電ギャップから遠ざけた構成を実現することができる。そのため、溶融部への飛び火を抑制でき、溶融部消耗による貴金属チップの脱落を防止することができる。
従って、本発明によれば、高着火性を確保すべく貴金属チップを細くした場合であっても、接地電極と貴金属チップとの接合について、更なる接合信頼性の向上を図ることができる。
ここで、請求項2に記載の発明では、貴金属チップ(65)のうち溶融部(64)に最も近い部位における接地電極(40)の先端面(47)と直交する方向の幅をD1としたとき、貴金属チップの接地電極への埋没量t1が0.5D1以上であることを特徴としている。本発明によれば、貴金属チップと接地電極との接合強度を高レベルに安定化させることができる。
また、請求項3に記載の発明では、貴金属チップ(65)の軸と直交する貴金属チップの断面積A’が0.1mm2以上0.6mm2以下であることを特徴としている。
本発明によれば、請求項1または請求項2のスパークプラグにおいて、更なる接合信頼性の向上を図ることができ、より厳しい環境に対応するスパークプラグを提供することができる。
また、請求項4に記載の発明では、貴金属チップ(65)のうち溶融部(64)に最も近い部位における接地電極(40)の先端面(47)と直交する方向の幅をD1、溶融部(64)の幅をNとし、貴金属チップのうち溶融部に最も近い部位における接地電極の先端面と平行な方向の幅をD2とし、溶融部における最大溶け込み深さをHとしたとき、最大溶け込み深さHは2D1以下であり、溶融部の幅Nは2.5D2以下であることを特徴としている。
本発明によれば、請求項1または請求項3のスパークプラグにおいて、更なる接合信頼性の向上を図ることができ、より厳しい環境に対応するスパークプラグを提供することができる。
ここで、上記請求項4のスパークプラグにおいても、請求項5に記載の発明のように、貴金属チップ(65)の接地電極(40)への埋没量t1を幅D1の0.5倍以上であるものにすれば、更に、貴金属チップと接地電極との接合強度を高レベルに安定化させることができる。
また、上記各手段は、請求項6に記載の発明のように、貴金属チップ(65)として、Irを50重量%以上含有したIr合金よりなるものを用いたスパークプラグに適用して十分にその効果を発揮することができる。
また、請求項7に記載の発明は、スパークプラグの製造方法に係るものである。
請求項7の製造方法では、取付金具(10)と、先端部(31)が取付金具から露出するように取付金具に絶縁保持された中心電極(30)と、取付金具に固定されて先端側の側面(43)が中心電極と対向するように延びる接地電極(40)とを備え、接地電極の先端側に貴金属チップ(65)をレーザ溶接してなるスパークプラグの製造方法において、接地電極の先端面(47)に凹部(47a)を形成し、この凹部内に貴金属チップの少なくとも一部を埋没させ且つ貴金属チップの先端部(66)を接地電極の側面よりも中心電極側へ突出させた状態でレーザ溶接を行うことよって、貴金属チップと接地電極とが溶け込んだ溶融部(64)を形成することを特徴としている。
本製造方法によれば、請求項1〜請求項5に記載のスパークプラグを適切に製造することができる。
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、第1実施形態は参考例であり、第2実施形態が特許請求の範囲に記載した発明の実施形態に相当する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係るスパークプラグS1の全体構成を示す半断面図である。このスパークプラグS1は、自動車用エンジンの点火栓等に適用されるものであり、該エンジンの燃焼室を区画形成するエンジンヘッド(図示せず)に設けられたネジ穴に挿入されて固定されるようになっている。
スパークプラグS1は、導電性の鉄鋼材料(例えば低炭素鋼等)等よりなる円筒形状の取付金具10を有しており、この取付金具10は、図示しないエンジンブロックに固定するための取付ネジ部11を備えている。取付金具10の内部には、アルミナセラミック(Al23)等からなる絶縁体20が固定されており、この絶縁体20の先端部21は、取付金具10の一端から露出するように設けられている。
絶縁体20の軸孔22には中心電極30が固定されており、この中心電極30は取付金具10に対して絶縁保持されている。中心電極30は、例えば、内材がCu等の熱伝導性に優れた金属材料、外材がNi基合金等の耐熱性および耐食性に優れた金属材料により構成された円柱体で、図1に示すように、その先端面(中心電極の先端部)31が絶縁体20の先端部21から露出するように設けられている。
一方、接地電極40は、例えば、Niを主成分とするNi基合金からなる角柱より構成されており、根元端部42にて取付金具10の一端に溶接により固定され、途中で略L字に曲げられて、先端部41の側面(以下、先端部側面という)43において中心電極30の先端面31と放電ギャップ50を介して対向している。
ここで、図2に、スパークプラグS1における放電ギャップ50近傍の拡大構成を概略断面図として示す。上記のように放電ギャップ50を介して中心電極30の先端面31と接地電極40の先端部側面(中心電極との対向面)43とが対向して配置されており、これら中心及び接地電極30、40における各面31、43には、貴金属チップ35、45がレーザ溶接により接合されている。
すなわち、中心電極30の先端面31には、貴金属チップ(以下、中心電極側チップという)35が、また、接地電極40の先端部側面43には、貴金属チップ(以下、接地電極側チップという)45が、それぞれ溶融部34、44を介して電極母材30、40と接合されている。
本例では、両チップ35、45は円柱状であり、その一端面側が各電極30、40にレーザ溶接されている。そして、放電ギャップ50は、両チップ35、45の先端部間の空隙であり、例えば1mm程度である。
これら両チップ35、45は、Pt、Pt合金、Ir、Ir合金等の貴金属よりなるものを採用することができる。特にIr合金としては、Irを50重量%以上含有し、これにRh、Pt、Ru、PdおよびW等が添加された耐消耗性に優れた高融点のものを採用でき、本例では、両チップ35、45に、Ir−10Rh(Irが90重量%、Rhが10重量%のもの)のIr合金チップを採用している。
このスパークプラグS1は、周知の製造方法を用いて製造することができるが、本実施形態では、特に、接地電極40の先端部側面43への接地電極側チップ45のレーザ溶接方法に、以下に述べるような独自の方法を採用している。
図3および図4は、そのような接地電極側チップの接合方法を説明するための説明図である。なお、図3(a)〜(d)および図4(a)、(b)において、(a)、(b)および(d)は外観図、(c)は断面図を示し、(b)は(a)の上視図であり、(d)は(c)の上視図である。また、図3、図4中、レーザの照射方向を矢印LZにて示す。
まず、図3(a)、図4(a)に示す様に、円柱状の接地電極側チップ45の一端面を接地電極40の先端部側面(対向面)43に接触させるように載置する。続いて、図3(a)、(b)および図4(a)、(b)に示す様に、接地電極側チップ45の側面45aと接地電極40の先端部側面43とがなす角部45b近傍に対して、これらチップ45の側面45a及び接地電極40の先端部側面43とは斜めの方向から、レーザ照射を行い、接地電極側チップ45と接地電極40とを溶融させる。
つまり、接地電極40の先端部側面(対向面)43と接地電極側チップ45との接合界面近傍に対して、接地電極40の先端部側面43に斜めの方向からレーザを照射することにより、図3(c)および(d)に示す様に、接地電極40と接地電極側チップ45とが溶け込みあった上記溶融部44が形成される。
ここで、図3(a)、(b)は、レーザの照射口を多数設け(図示例では6方向)、ワークを移動させることなく溶接する方法であり、図4(a)、(b)は、レーザの照射口は1方向のみで、接地電極側チップ45を軸にワークを回転させる(図示例では回転角度60°×6回照射)ことにより溶接する方法であるが、溶接点数はチップサイズ、形状等に応じて、随時変更可能である。
こうして、接地電極側チップ45は接地電極40にレーザ溶接される。そして、接地電極側チップ45は、その軸方向において接地電極40の先端部側面43から中心電極30側(中心電極側チップ35側)へ突出した形で、上記溶融部44を介して接地電極40に接合されている。
ここで、図5は、溶融部44の形状のより詳細な構成を示す図であり、(a)は図2および図3(c)に対応した断面図、(b)は(a)のP−P断面図、すなわち接地電極側チップ45の一端面(チップ45と接地電極40の先端部側面43との界面)における断面図である。なお、図5においては、溶融前の接地電極側チップ45および接地電極40の先端部側面43の形状を破線にて示してある。
この図5を参照して、本実施形態における接地電極側チップ45の接合構成について、更に述べる。本実施形態では、接地電極側チップ45は、当該チップの軸と直交する断面積(本例では略円形断面、以下。軸直交断面積という)が0.1mm2以上0.6mm2以下である。
また、接地電極側チップ45のうち溶融部44に最も近い部位における軸直交断面積(溶融部最近接チップ断面積)をAとする(図5(a)参照)。また、接地電極側チップ45の一端面(P−P断面)においては、接地電極40とチップ45とが溶け込まずにチップ45が残存した未溶融部46が存在する(図5(b)参照)。
ここで、本実施形態では、接地電極側チップ45の一端面において溶融部最近接チップ断面積Aの領域(図5(b)中の破線円内の領域)に占める未溶融部46の断面積Bの比率を未溶融断面積比率C(=100B/A、単位:%)としたとき、この未溶融断面積比率Cが50%以内である(C≦50%)。
また、溶融部44における最大溶け込み深さH方向の軸と接地電極40の先端部側面(対向面)43とが交差する角度を溶融角度αとしたとき(図5(a)参照)、本実施形態では、この溶融角度αが60°以下である(α≦60°)。
また、最大溶け込み深さH方向の軸と溶融部44の表面とが交わる交点をFとする(図5(a)参照)。そして、この交点Fと接地電極40の先端部側面(対向面)43との距離である溶融位置yは、交点Fが当該先端部側面43にあるときを0とし、交点Fが先端部側面43よりも接地電極40の外部(図5(a)中の上方)に位置するときを+、接地電極40の内部(図5(a)中の下方)に位置するときを−として定義する。
このように定義された溶融位置yは、本実施形態では、−0.2mm以上0.3mm以下の範囲にある(−0.2mm≦y≦0.3mm)ことが好ましい。また、この溶融位置yと上記溶融角度αとの関係において、溶融角度αが(30+100y)°以下の範囲である(α≦30+100y)ことが好ましい。
さらに、接地電極側チップ45のうち溶融部44に最も近い部位における幅(軸と直交する方向の幅、本例では直径径方向の幅、図5(a)参照)をDとしたとき、最大溶け込み深さHが幅Dの1.4倍以下であること(H≦1.4D)であることが好ましい。
このように、接地電極側チップ45の接合構成は、チップの軸と直交する断面積が0.1mm2以上0.6mm2以下である接地電極側チップ45において、溶融部44の構成を、C≦50%、および、α≦60°とし、好ましくは、−0.2mm≦y≦0.3mm、α≦30+100y、H≦1.4Dとした独自の構成を有している。
このような独自構成を採用した根拠は、接合部に発生する熱応力を低減するために、上記図5に示す様なチップ45と接地電極40との接合部における各寸法等について接合信頼性試験を行い、検討した結果に基づくものである。次に、その検討結果の一例について述べる。
接合信頼性試験として、スパークプラグをエンジンに実装し耐久試験を行った。耐久試験は、6気筒2000ccエンジンで実施し、運転条件はアイドル1分保持、スロットル全開6000rpm1分保持の繰返しを100時間行った。
接合信頼性は、図6に示す剥離率で評価した。図6は、上記図5に対応する断面を示すもので、剥離率は、チップ45と溶融部44との界面における剥離率(チップ−溶融部剥離率)と、溶融部44と電極母材である接地電極40との界面における剥離率(溶融部−母材剥離率)とがある。
図6では、各界面において、本来接合されている部分の長さ(接合長さ)をa1、a2、c1、c2で示し、これら各接合長さのうち剥離している部分の長さ(剥離長さ)をb1、b2、d1、d2で示している。これら各長さや切断面形状は、当該切断面を金属顕微鏡等で観察することで知ることができる。
そして、上記チップ−溶融部剥離率は、{(b1+b2)/(a1+a2)}×100(%)、上記溶融部−母材剥離率は、{(d1+d2)/(c1+c2)}×100(%)にて求められるが、これら2つの剥離率のうち、上記耐久試験後において、より剥離率の高い方を評価対象とした。
図7は、未溶融断面積比率C及び溶融角度αの接合信頼性への影響を示す図である。ここで、接地電極側チップ45としては、直径(本例ではDに相当)がφ0.36mm(溶融部最近接チップ断面積Aでは0.1mm2)で、長さL(図3(a)参照)が0.8mmの円柱状のIr−10Rhを使用し、接地電極(電極母材)40は、幅Wが2.8mm、厚さtが1.6mm(W、tは図3参照)であるNi基合金としてのインコネル(登録商標)を使用した。また、溶融位置y=0とした。
図7は、未溶融断面積比率Cを0、25、50、75%と変えた各場合における溶融角度α(°)と剥離率(%)との関係を示している。なお、図7は、n数:6で試験を行い、図中のプロット点は、6個のうちの最も剥離率の高かったものを示している。
図7から未溶融断面積比率Cおよび溶融角度αが小さいほど剥離率が小さく、接合信頼性が高くなっていることがわかる。また、溶融角度αについては、10°おきに検討したが、60°を超えると、溶接時に接地電極側チップ45がえぐれてしまい(レーザでチップ45が削り取られてしまい)、良好な溶接ができず、初期の接合強度が大幅に低下してしまうという問題が発生した。
また、溶融角度αが小さい程、接合信頼性に優れているが、これは、溶融角度αが小さいと、チップ45を多く溶かすことができ、溶融部44中のIr合金比率を高めることができる(チップ45と溶融部44との線膨張係数差を縮小できる)ため、チップ45と溶融部44の界面へ加わる熱応力を低減できるからである。
また、図7から、未溶融断面積比率Cが50%以下の場合は、多少の差は認められるものの、ほぼ同等の接合信頼性を有しているが、未溶融断面積比率Cが75%になると接合信頼性が大幅に低下することがわかる。これは、未溶融部46の断面積Bが大きすぎ、逆に溶融部44が小さすぎて、熱応力緩和層としての溶融部44の効果を十分に発揮できないためである。
なお、図示しないが、未溶融断面積比率C及び溶融角度αの接合信頼性への影響は、接地電極側チップ45の軸直交断面積(本例では溶融部最近接チップ断面積Aに等しい)に関わらず、上記図7と同様の結果が得られることも確認している。
次に、図8に示す様に、溶融部最近接チップ断面積Aの接合信頼性への影響を確認した。ここで、接地電極側チップ45としては、長さL=0.8mmの円柱状のIr−10Rhを使用し、接地電極40は上記図7の場合と同様のものを使用した。また、溶融角度α=30°、未溶融断面積比率C=50%、溶融位置y=0とした。また、n数:4で試験した。
図8は、溶融部最近接チップ断面積A(mm2)と剥離率(%)との関係を示している。図8から、当該断面積Aが0.1mm2以上0.6mm2以下の場合は、安定かつ低い剥離率を示しており、接合信頼性を確保できるが、当該断面積Aが0.6mm2を超えると剥離率にばらつきが生じ、接合信頼性が大幅に低下していることがわかる。
これは、当該断面積Aが大きくなる程、チップ45の熱容量が大きくなり、チップ45と溶融部44の界面へ加わる熱応力が大きくなるためである。また、溶融部最近接チップ断面積Aが0.1mm2よりも小さいと、接地電極側チップ45自体が細すぎて、火花放電による消耗が激しくなるため実用的ではない。
従って、溶融部最近接チップ断面積Aが0.1mm2≦A≦0.6mm2である細い貴金属チップ45を、接地電極40の先端部側面(対向面)43から中心電極30の方向へ突出させることで、着火性についても細電極としての効果を発揮することができる。
なお、本例では、長さ方向に渡って径の均一な円柱、つまり通常の円柱形状の接地電極45を使用しているが、段付円柱形状のものでもよい。例えば、接地電極側チップ45のうち溶融部44に最も近い部位が、突出先端部側(中心電極30側)の部位よりも細い(または太い)ものでも良い。このような段付円柱状においても、全体として軸直交断面積が0.1mm2以上0.6mm2以下のチップ45を採用する。
以上、図7および図8に示す様な検討結果から、軸直交断面積が0.1mm2以上0.6mm2以下である細い円柱状の接地電極側チップ45を、斜め照射によるレーザ溶接にて固定するとともに、チップの軸方向において対向面43から中心電極30側へ突出させ、且つ、溶融部44の構成をC≦50%、α≦60°とすることで、高着火性を確保しつつ、接合信頼性を大幅に向上させたスパークプラグを提供することができると言える。
次に、更に接合信頼性を向上させるために、溶融位置yと最大溶け込み深さHについて検討した結果を示す。接合信頼性は、上記と同様に、エンジン耐久試験後の剥離率にて評価したが、界面剥離によるチップ脱落を、より確実に防止するために、剥離率が25%以下であれば接合信頼性を確保できるものとした。
まず、図9に示す様に、溶融位置yの接合信頼性への影響を確認した。ここで、接地電極側チップ45および接地電極(電極母材)40としては、上記図7の場合と同様のものを使用し、未溶融断面積比率Cは50%とした。
図9は、溶融位置yを−0.3mm〜0.4mmと変えた各場合における溶融角度α(°)と剥離率(%)との関係を示している。なお、図9は、n数:6で試験を行い、図中のプロット点は、6個のうちの最も剥離率の高かったものを示している。
図9から、溶融位置yが−0.2mm≦y≦0.3mmの範囲であり、且つ、溶融角度αが、α≦30+100y(°)の範囲であれば、剥離率を25%以下に抑えることができ、エンジン耐久後も接合信頼性をより高いレベルにて確保できるが、溶融位置yが−0.2mmよりも小さいか、または0.3mmよりも大きい場合は、溶融角度αに関係なく、ほぼ100%の剥離率を示しており、接合信頼性が大幅に低下することがわかる。
これは、溶融位置yが−0.2mmよりも小さいと、溶融部44中のIr合金比率が低くなり、チップ45と溶融部44との線膨張係数差が非常に大きくなるため、チップ45と溶融部44との界面への熱応力が増大するからである。一方、溶融位置yが0.3mmよりも大きいと、溶融部44中のIr合金比率が極めて高くなり、溶融部44と接地電極(母材)40との線膨張係数差が非常に大きくなるため、溶融部と母材の界面への熱応力が増大するからである。
以上の結果から、溶融位置yを−0.2mm以上0.3mm以下、溶融角度αを(30+100y)°以下とすれば、更に接合信頼性に優れ、より厳しい環境に対応するスパークプラグを提供することができる。
なお、図示しないが、溶融位置yの接合信頼性への影響、及び、溶融角度αと溶融位置yとの関係は、接地電極側チップ45の軸直交断面積(本例では溶融部最近接チップ断面積Aに等しい)に関わらず、上記と同様の結果が得られることも確認している。
次に、図10に示す様に、最大溶け込み深さHの接合信頼性への影響を確認した。ここで、円柱状の接地電極側チップ45としては、直径(本例ではDに相当)がφ0.36mm(溶融部最近接チップ断面積Aでは0.1mm2)で、長さLが0.8mm、及び直径がφ0.88mm(溶融部最近接チップ断面積Aでは0.6mm2)で、長さLが0.8mmのIr−10Rhを使用し、接地電極40としては、上記図7の場合と同様のものを使用した。また、溶融角度α=30°、溶融位置y=0、未溶融断面積比率CはC≦50%とした。
図10は、溶融部最近接チップ断面積Aを0.1mm2(上記幅Dでは0.36mm)、0.6mm2(上記幅Dでは0.88mm)に変えた各場合における最大溶け込み深さH(mm)と剥離率(%)との関係を示している。最大溶け込み深さHは、幅Dの倍数にて変えていった。なお、図10は、n数:6で試験を行い、図中のプロット点は、6個のうちの最も剥離率の高かったものを示している。
図10から、当該断面積Aが本実施形態の範囲(0.1mm2以上0.6mm2以下)の場合、最大溶け込み深さHが、幅Dの1.4倍以下(H≦1.4D)であれば、剥離率を25%以下に抑えることができ、エンジン耐久後も接合信頼性をより高いレベルにて確保できるが、最大溶け込み深さHが1.4Dを超えると剥離率が大きくなり、接合信頼性が大幅に低下することがわかる。
これは、最大溶け込み深さHが1.4Dよりも大きいと、接地電極(母材)の溶融量が増えるので溶融部44中のIr合金比率が低くなり、チップ45と溶融部44の線膨張係数差が非常に大きくなるため、チップ45と溶融部44の界面への熱応力が増大するからである。以上の結果から、最大溶け込み深さHを1.4D以下とすれば、更に接合信頼性に優れ、より厳しい環境に対応するスパークプラグを提供することができる。
また、本実施形態によれば、上記した従来の特開平9−106880号公報のように、接地電極側チップ45を接地電極(電極母材)40に圧接して埋没させることが無くなり、接地電極40の先端部側面(対向面)43とチップ45との接合界面に対して、当該対向面43に斜めの方向からレーザを照射することにより溶融部44を形成するだけでチップ45の接合が行われるため、上記圧接によるチップの座屈の恐れがなくなるという利点もある。
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係るスパークプラグの要部を示すもので、接地電極側チップ65と接地電極40との接合構造およびその接合方法を示す説明図である。図11において、(a)及び(b)に示す外観図は、(c)及び(d)に断面的に示す接合構造を形成するための接合工程途中のもので、(b)は(a)の上視図、(d)は(c)のQ−Q断面図である。以下、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同一部分には図中および文中、同一符号を付して説明を簡略化する。
図11(c)、(d)に示す様に、接地電極40の先端部側面43は、中心電極30の先端面31と対向しており、接地電極40の先端部41の端面すなわち先端面47には、少なくとも一部が埋没された状態でレーザ溶接を行うことよって形成された溶融部64を介して貴金属チップ(本実施形態において接地電極側チップという)65が接合されている。
そして、接地電極側チップ65は、接地電極40における中心電極30との対向面である先端部側面43よりも中心電極30側へ突出し、その突出先端部66が中心電極30と放電ギャップ50を隔てて対向している。また、この接地電極側チップ65の材質は、上記第1実施形態のチップ35、45と同様のものにすることができる。
また、本実施形態における接地電極側チップ65の形状は限定されるものではなく、柱状、ブロック状等、任意の形状とすることができる。本例では、接地電極側チップ65はIr−10Rh合金よりなる円柱状であり、その側面65aにて接地電極40の先端面47に一部埋没しており、一端面が上記突出先端部66を構成している。
この接合構成の形成方法は、次のようである。まず、図11(a)、(b)に示す様に、フライス、打ち抜き、プレス加工等により接地電極40の先端面47に凹部47aを形成する。そして、この凹部47a内に接地電極側チップ65の側面65aを対向させて、チップ65の一部を埋没させ且つチップ65の先端部66を接地電極40の先端部側面43よりも中心電極30側へ突出させた状態とする。
この状態で、図示例では、接地電極側チップ65の側面65aにレーザ溶接を行うことよって、チップ65と接地電極40とが溶け込んだ溶融部64を形成する。なお、溶接位置、点数はチップサイズ、形状等に応じて、随時変更可能である。
こうして、図11(c)、(d)に示す様に、溶融部64を介してチップ65と接地電極40とが接合され、接地電極側チップ65の突出先端部66と中心電極側チップ35との間に放電ギャップ50を形成することで、本実施形態のスパークプラグが完成する。
ところで、本実施形態によれば、接地電極40の先端面47に接地電極側チップ65の少なくとも一部を埋没させてレーザ溶接しているから、上記した特開平11−354251号公報のようなチップを埋没しない場合に比べて当該チップ65がえぐれにくく、チップ65を細くした場合でも適切に溶融部64を形成することができる。また、チップ65の接地電極40への埋没により、埋没しない場合よりもチップ65の熱引き性が良くなる。
さらに、接地電極側チップ65において、接地電極40における対向面すなわち先端部側面43よりも中心電極30側へ突出した部分を設けており、接地電極40の先端面47に存在する溶融部64を放電ギャップ50から遠ざけた構成を実現することができる。そのため、溶融部64への飛び火を抑制でき、溶融部消耗によるチップ65の脱落を防止することができる。
従って、本実施形態によれば、高着火性を確保すべく接地電極側チップ65を細くした場合であっても、接地電極40とチップ65との接合について、更なる接合信頼性の向上を図ることができる。
次に、本実施形態の好ましい形態について述べる。図12(a)、(b)は、本例の円柱状のチップ65における溶融部64の形状のより詳細な構成を示す図であり、(a)、(b)はそれぞれ、上記図11(c)、(d)に対応した断面図である。ちなみに、図12において、(b)は(a)のR−R断面図である。
この図12を参照して、接地電極側チップ65の接合構成における好ましい形態について述べる。まず、接地電極側チップ(貴金属チップ)65のうち溶融部64に最も近い部位における接地電極40の先端面47と直交する方向の幅(直交幅)をD1としたとき、チップ65の接地電極への埋没量t1が直交幅D1の0.5倍以上である(t1≧0.5D1)ことが好ましい。
また、接地電極側チップ65の軸と直交する接地電極側チップ65の断面積A’が0.1mm2以上0.6mm2以下であることが好ましい。なお、この断面積A’に係る断面は、本例では略円形断面(図12(b)中の破線円を参照)であり、以下、単にチップ断面積A’ということとする。
また、溶融部64の最大幅(溶融幅)をNとし、接地電極側チップ(貴金属チップ)65のうち溶融部64に最も近い部位における接地電極40の先端面47と平行な方向の幅(平行幅)をD2とし、溶融部64における最大溶け込み深さをHとしたとき、最大溶け込み深さHは直交幅D1の2倍以下であり、且つ溶融幅Nは平行幅D2の2.5倍以下であること(H≦2D1、N≦2.5D2)が好ましい。
これら好ましい寸法関係を採用する根拠は、上記図12に示す各寸法等について試験検討を行った結果に基づくものである。次に、その検討結果の一例について述べる。
まず、接地電極側チップ65の埋没量t1とレーザ溶接後の接合強度との関係について検討した。接地電極側チップ65としては、直径(上記幅D1、D2)がφ0.36mm(チップ断面積A’では0.1mm2)で、長さLが0.8mmの円柱状のIr−10Rhを使用し、接地電極(電極母材)40は、幅Wが2.8mm、厚さtが1.6mmのインコネル(登録商標)を使用した。また、最大溶け込み深さH=2D1、溶融幅N=2.5D2とした。
接合強度は、実用レベルの接合強度として、図12(a)中の矢印Yに示す様に、接地電極側チップ65を中心電極側チップ30の方向へ引っ張ったときの引っ張り強度として測定した。その結果を図13に示す。
図13は、埋没量t1(mm)とレーザ溶接後の接合強度との関係を示す図であり、埋没量t1は直交幅D1の倍数で示し、接合強度は埋没量t1が0.5D1のときの値を1と規格化した接合強度比として表してある。また、n数は6であり、図中のプロット点は、n=6のうち最も接合強度の低かったものを示している。
図13から、接地電極側チップ65の埋没量t1が0.5D1以上であれば、ほぼ同等レベルにて高い接合強度を確保できるが、埋没量t1が0.5D1よりも小さいと、接合強度が大幅に低下することがわかる。これは、埋没量t1が小さいとチップ65が接地電極先端面から吐出しているため、レーザ溶接時にチップ65のみが発熱してしまい、良好な溶融状態とならず、チップ65がえぐれる可能性が高いからである。
また、エンジン耐久においても、チップ65がヒートスポットとなり、消耗を促進させてしまうという問題も顕在化した。なお、図示しないが、チップ断面積A’に関わらず、上記と同様の結果が得られることも確認された。
以上の結果から、本実施形態において、t1≧0.5D1の関係を採用すれば、接地電極側チップ65と接地電極40との接合強度を高レベルに安定化させることができ、さらには、耐消耗性にも優れたスパークプラグを実現することができる。
更に着火性、接合信頼性を向上させるために、チップ断面積A’、最大溶け込み深さH、溶融幅Nについて検討した。接合信頼性試験は、上記と同様のエンジン耐久試験を行った。本実施形態の剥離率は、図14に示す様に、チップ65と溶融部64との界面における接合長さe、剥離長さfを用いて、(f/e)×100(%)で示す。そして、界面剥離によるチップ脱落をより確実に防止するために、この剥離率が25%以下であれば接合信頼性を確保できるものとした。
まず、図15に示す様に、チップ断面積A’の接合信頼性への影響を確認した。ここで、接地電極側チップ65としては、長さL=0.8mmの円柱状のIr−10Rhを使用し、接地電極40は、上記図13の場合と同様のものを使用した。また、チップ65の埋没量t1=0.5D1、最大溶け込み深さH=2D1、溶融幅N=2.5D2とした。また、n数は4で試験した。
図15は、チップ断面積A’(mm2)と剥離率(%)との関係を示している。図15から、チップ断面積A’が0.1mm2以上0.6mm2以下の場合は、安定かつ低い剥離率を示しており、接合信頼性を確保することができるが、0.6mm2を超えると剥離率にばらつきが生じ、大幅に接合信頼性が低下していることがわかる。
これは、上記第1実施形態と同様に、チップ断面積A’が大きくなる程、接地電極側チップ65の熱容量が大きくなり、チップ65と溶融部64の界面へ加わる熱応力が大きくなるためである。また、チップ断面積A’が0.1mm2よりも小さいと実用的ではない理由も、第1実施形態と同様である。
以上の結果から、本実施形態において、チップ断面積A’を0.1mm2以上0.6mm2以下とすれば、更なる接合信頼性の向上を図ることができ、より厳しい環境に対応するスパークプラグを実現することができる。
また、上記第1実施形態と同様、チップ断面積A’が0.1mm2以上0.6mm2以下といった細い貴金属チップ65を接地電極40の先端部側面43から中心電極30の方向へ突出させることで、着火性についても細電極としての効果を発揮することができる。
次に、図16に示す様に、最大溶け込み深さH及び溶融幅N(最大溶融幅N)の接合信頼性への影響を確認した。ここで、接地電極側チップ65としては、直径(上記幅D1、D2)がφ0.88mm(チップ断面積A’では0.6mm2)で、長さLが0.8mmの円柱状のIr−10Rhを使用し、接地電極40は、上記図13の場合と同様のものを使用した。また、チップ65の埋没量t1=1.0D1とした。
図16は、最大溶け込み深さHを0.5D1〜2.5D1まで直交幅D1の0.5倍ずつ変えていった各場合における溶融幅N(平行幅D2の倍数、単位mm)と剥離率との関係を示している。なお、図16は、n数:6で試験を行い、図中のプロット点は、n=6のうち最も剥離率の高かったものを示している。
図16から、最大溶け込み深さHが2.0D1以下の場合は、剥離率を25%以下に抑えることができ、エンジン耐久後も接合信頼性をより高いレベルにて確保できるが、最大溶け込み深さHが2.0D1よりも大きいと接合信頼性が大幅に低下することがわかる。
さらに、最大溶け込み深さHが2.0D1以下の場合をみると、溶融幅Nが2.5D2以下の範囲では、剥離率を25%以下に抑えることができ、エンジン耐久後も接合信頼性をより高いレベルにて確保できるが、溶融幅Nが2.5D2よりも大きくなると、剥離率が25%を超えてしまい、接合信頼性を満足することが困難となることがわかる。
これは、最大溶け込み深さH及び溶融幅Nが大きすぎると、溶融部64中のチップ成分(本例ではIr合金)比率が低くなり、チップ65と溶融部64との線膨張係数差が非常に大きくなるため、チップ65と溶融部64の界面への熱応力が増大するからである。
以上の結果から、本実施形態において、H≦2D1、N≦2.5D2とすれば、更なる接合信頼性の向上を図ることができ、より厳しい環境に対応するスパークプラグを実現することができる。
(他の実施形態)
他の実施形態として、以下に種々の変形例を示す。図17〜図21に、上記第1実施形態に係る接地電極側チップの接合構造及びその接合方法の変形例を示す。なお、図17〜図21において、(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、上記図3の(a)、(b)、(c)、(d)と同じ視点から見た形状を示す図である。
図17(第1の変形例)に示す様に、レーザの照射角度は必ずしもそれぞれ照射方向において一致していなくても良い。図18(第2の変形例)に示す様に、接地電極40の先端面47の方向からであれば、レーザの照射角度を0°としても良い。
図19(第3の変形例)に示す様に、接地電極40の先端部側面(対向面)43に凹部を設け、その凹部にチップ45をはめ込んだ後、レーザ溶接しても良い。図20(第4の変形例)に示す様に、柱状の接地電極側チップ45が段付柱状(図示例ではリベット形状)であっても良い。
また、第1実施形態における柱状の接地電極側チップ45は、円柱でなくとも良く、角柱(四角柱、三角柱、楕円柱等)、円板、角板、段付柱状等をも含むものであるが、溶接点数はチップサイズ、形状等に応じて随時変更可能である。例えば、図21(第5の変形例)には、角柱チップ45の場合を示す。
また、上記第2実施形態において、接地電極側チップ65を埋没させるために接地電極40の先端面47に形成される凹部47aは、接地電極40の先端部側面43から厚み方向の反対側の側面へ貫通するように、当該先端面47に形成された溝であったが、この凹部47aの形状としては、図22に示すようなものでもよい。
図22において、(b)、(c)、(d)及び(e)は各種凹部形状について接地電極40の先端部41を厚み方向から表した外観図、(b)は(a)の上視図である。図22(a)及び(b)に示す様に、凹部47aは、接地電極40の先端部側面43から厚み方向の反対側の側面まで貫通せずに途中で止まっていてもよい。また、その凹部47aを構成する溝の断面形状も、(c)、(d)、(e)に示す様に、矩形以外に、半円形状、三角形状、五角形状等、種々設計変更可能である。
図23〜図25に、上記第2実施形態に係る接地電極側チップの接合構造及びその接合方法の変形例を示す。なお、図23、図24において、(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、上記図11の(a)、(b)、(c)、(d)と同じ視点から見た形状を示す図である。また、図25中の(a)〜(d)は、上記図11の(a)、(c)と同じ視点から見た形状を示す図である。
溶接点数はチップサイズ、形状に応じて随時変更可能である。図23に示す例(第1の変形例)では、溶接点数が1点の場合を示している。図24に示す例(第2の変形例)では、レーザの照射位置をチップ65と接地電極(母材)40の界面としている。この場合、溶融幅Nは(d)に示す部分である。
また、図25(第3の変形例)に示す様に、接地電極40の先端面43の凹部47aをテーパ状にしても良い。図25において(a)はレーザ照射中、(b)は(a)の接合後、(c)はレーザ照射中、(d)は(c)の接合後を示すもので、(a)及び(b)と(c)及び(d)とでは、テーパの傾き方向が逆である。
以下、第1、第2実施形態ともに係る、接合界面への熱応力を低減するのに適した接地電極40の構成を示す。
図26に示す様に、接地電極40の先端部41をテーパ形状としたり((a)及び(b)、(e)及び(f))、凸形状としたり((c)及び(d)、(g)及び(h))することで細くすれば、電極母材自体への熱応力を低減でき、結果として接合界面への熱応力を低減できることから好ましい。
また、図27に示す様に、接地電極40の内部に母材(例えばNi基合金)よりも熱伝導性に優れた内層部材70を収納すれば、接地電極40の先端部(チップ接合部)41の温度を低減することができ、結果として接合界面への熱応力を低減できることから好ましい。
ここで、図27において、(a)では、Cu等よりなる1層の内層部材70が収納されており、(b)では、Cu+Niクラッド(CuとNiの積層体)等よりなる2層の内層部材70が収納されている。
また、図28に示す様に、接地電極40を斜めに配置することで、接地電極40を短化することができ、温度も低減できるため、結果として接合界面への熱応力を低減できることから好ましい。
第1実施形態に係るスパークプラグの全体構成を示す半断面図である。 図1に示すスパークプラグにおける放電ギャップ近傍の拡大構成を示す概略断面図である。 上記第1実施形態における接地電極への貴金属チップの接合方法を示す説明図である。 上記第1実施形態における接地電極への貴金属チップの接合方法の他の例を示す説明図である。 上記第1実施形態における溶融部形状の詳細構成を示す図である。 上記第1実施形態における剥離率の説明図である。 未溶融断面積比率Cを変えた場合における溶融角度αと剥離率との関係を示す図である。 溶融部最近接チップ断面積Aと剥離率との関係を示す図である。 溶融位置yを変えた場合における溶融角度αと剥離率との関係を示す図である。 溶融部最近接チップ断面積Aを変えた場合における最大溶け込み深さHと剥離率との関係を示す図である。 第2実施形態に係るスパークプラグにおける接地電極と貴金属チップとの接合構造およびその接合方法を示す説明図である。 上記第2実施形態における溶融部形状の詳細構成を示す図である。 埋没量t1と接合強度との関係を示す図である。 上記第2実施形態における剥離率の説明図である。 チップ断面積A’と剥離率との関係を示す図である。 最大溶け込み深さHを変えた場合における溶融幅Nと剥離率との関係を示す図である。 上記第1実施形態に係る接合構造及びその接合方法の第1の変形例を示す図である。 上記第1実施形態に係る接合構造及びその接合方法の第2の変形例を示す図である。 上記第1実施形態に係る接合構造及びその接合方法の第3の変形例を示す図である。 上記第1実施形態に係る接合構造及びその接合方法の第4の変形例を示す図である。 上記第1実施形態に係る接合構造及びその接合方法の第5の変形例を示す図である。 上記第2実施形態において接地電極の先端面に形成される凹部の種々の変形を示す図である。 上記第2実施形態に係る接合構造及びその接合方法の第1の変形例を示す図である。 上記第2実施形態に係る接合構造及びその接合方法の第2の変形例を示す図である。 上記第2実施形態に係る接合構造及びその接合方法の第3の変形例を示す図である。 接地電極の先端部を細くするための種々の変形を示す図である。 接地電極の内部に熱伝導性に優れた内層部材を収納した例を示す概略断面図である。 接地電極を斜めに配置した例を示す概略断面図である。
符号の説明
10…取付金具、30…中心電極、31…中心電極の先端面、40…接地電極、43…接地電極の先端部の側面(先端部側面)、44、64…溶融部、45、65…接地電極側の貴金属チップ(接地電極側チップ)、45a…接地電極側チップの側面、45b…接地電極側チップの側面と接地電極の先端部側面とがなす角部、46…未溶融部、47…接地電極の先端部の端面(先端面)、47a…凹部、50…放電ギャップ、66…接地電極側チップの突出先端部。

Claims (7)

  1. 取付金具(10)と、
    先端部(31)が前記取付金具から露出するように前記取付金具に絶縁保持された中心電極(30)と、
    前記取付金具に固定されて先端側の側面(43)が前記中心電極と対向するように延びる接地電極(40)と、を備えるスパークプラグにおいて、
    前記接地電極の先端面(47)には、少なくとも一部が埋没された状態でレーザ溶接を行うことよって形成された溶融部(64)を介して接合された貴金属チップ(65)が備えられており、
    前記貴金属チップは、前記接地電極における前記中心電極との対向面(43)よりも前記中心電極側へ突出し、その突出先端部(66)が前記中心電極と放電ギャップ(50)を隔てて対向するものであることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記貴金属チップ(65)のうち前記溶融部(64)に最も近い部位における前記接地電極(40)の先端面(47)と直交する方向の幅をD1としたとき、前記貴金属チップの前記接地電極への埋没量t1が、0.5D1以上であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記貴金属チップ(65)の軸と直交する前記貴金属チップの断面積A’が、0.1mm2以上0.6mm2以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記貴金属チップ(65)のうち前記溶融部(64)に最も近い部位における前記接地電極(40)の先端面(47)と直交する方向の幅をD1、前記溶融部(64)の幅をNとし、前記貴金属チップのうち前記溶融部に最も近い部位における前記接地電極の先端面と平行な方向の幅をD2とし、前記溶融部における最大溶け込み深さをHとしたとき、
    前記最大溶け込み深さHは2D1以下であり、前記溶融部の幅Nは2.5D2以下であることを特徴とする請求項1または3に記載のスパークプラグ。
  5. 前記貴金属チップ(65)の前記接地電極(40)への埋没量t1が、前記幅D1の0.5倍以上であることを特徴とする請求項4に記載のスパークプラグ。
  6. 前記貴金属チップ(65)は、Irを50重量%以上含有したIr合金よりなるものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
  7. 取付金具(10)と、先端部(31)が前記取付金具から露出するように前記取付金具に絶縁保持された中心電極(30)と、前記取付金具に固定されて先端側の側面(43)が前記中心電極と対向するように延びる接地電極(40)と、を備え、前記接地電極の先端側に貴金属チップ(65)をレーザ溶接してなるスパークプラグの製造方法において、
    前記接地電極の先端面(47)に凹部(47a)を形成し、
    この凹部内に前記貴金属チップの少なくとも一部を埋没させ且つ前記貴金属チップの先端部(66)を前記接地電極の側面よりも前記中心電極側へ突出させた状態でレーザ溶接を行うことよって、前記貴金属チップと前記接地電極とが溶け込んだ溶融部(64)を形成することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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