JP2006173141A - スパークプラグ - Google Patents

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芳久 杉山
Yoshitaka Sugiura
義孝 杉浦
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Abstract

【課題】 CrやAl等の耐食性改善成分の含有量を増加した耐熱合金により接地電極母材を構成した場合であっても、これに接合される貴金属耐消耗部の耐剥離性を十分に確保でき、ひいては、より厳しい使用環境下でも長期にわたり安定して使用できるスパークプラグを提供する。
【解決手段】 スパークプラグ100に0おいて、接地電極4の少なくとも側面部が、Crを21〜25質量%、Alを1〜2質量%、Feを7〜20質量%、Niを58〜71質量%含有するNi合金からなる電極母材とされる。また、貴金属耐消耗部32は、電極母材に対し溶接部Wを介して接合される。該貴金属耐消耗部32を構成する貴金属の800Kにおける線膨張率をα1、電極母材の800Kにおける線膨張率をα2として、Δα≡α2−α1が4.55×10−6/K以下となるように調整される。そして、貴金属耐消耗部32の外径が0.6mm以上1.5mm以下とされる。
【選択図】 図1

Description

本発明は内燃機関に使用されるスパークプラグに関する。
上述のようなスパークプラグにおいては、耐火花消耗性向上のために電極の先端にPtやIr等を主体とする貴金属チップを溶接して耐消耗部を形成したタイプのものが多数提案されている。特に、火花放電時に負極性に設定されることの多い中心電極側の耐消耗部は、火花の強いアタックを受けて消耗しやすいことから、貴金属化が進んでいる。
一方、近年の内燃機関は、厳しい排気ガス規制に伴い、直噴エンジンに見られるようにリーンバーン化が進み、また、最適な燃焼を得るためにスパークプラグの火花放電ギャップ形成部分を、従来よりもさらに燃焼室内に突き出させる構造の採用も進んでいる。その結果、スパークプラグの電極、特に燃焼室のより内側に位置する接地電極は厳しい高温状態にさらされる。そのため、接地電極側の耐熱性あるいは耐消耗性の改善も重要な課題であり、貴金属発火部の形成はもとより、電極自体の素材も、より耐熱性の高い金属に置換することが試みられている。例えば、従来、接地電極の材質としてはNi基耐熱合金の一つであるインコネル600(英国インコ社の商標名)が採用されていたが、さらに高いCr及びFe含有量を有し、さらにAlを添加して高温強度と高温耐酸化性とを一層向上させたインコネル601の採用が検討されている。
ところで、接地電極側の貴金属耐消耗部については、従来、貴金属チップを接地電極に抵抗溶接により接合して形成することが多かった。しかし、本発明者らが検討したところ、高融点の貴金属チップを、インコネル601等のよりグレードの高い耐熱合金に抵抗溶接した場合、前記したような厳しい使用環境下では、抵抗溶接では接合強度を十分に確保することが困難になることがわかった。具体的には、スパークプラグ使用中における激しい熱サイクルが付加された場合、貴金属耐消耗部が接地電極から剥離して、正常な着火が不能となる問題を生ずる。
インコネル601など、CrやAl等の耐食性改善成分の含有量を増加した耐熱合金は、元来、耐酸化性が高くなる分だけ溶接性は低下する傾向にある。従って、上記のような接合強度低下の原因は、一見、こうした溶接性低下に起因した溶け不足にあるものと思われる。しかしながら、本発明者らが検討したところによると、本質的な原因はこのような溶け不足によるものではないことが判明した。
本発明は、CrやAl等の耐食性改善成分の含有量を増加した耐熱合金により接地電極を構成した場合であっても、これに接合される貴金属耐消耗部の耐剥離性を十分に確保でき、ひいては、より厳しい使用環境下でも長期にわたり安定して使用できるスパークプラグを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明に係るスパークプラグは、接地電極の側面に固着された貴金属耐消耗部を中心電極の先端面と対向させることにより火花放電ギャップを形成したスパークプラグにおいて、
接地電極の少なくとも側面を含む部分が、Crを21〜25質量%、Alを1〜2質量%、Feを7〜20質量%、Niを58〜71質量%含有するNi合金からなり、
貴金属耐消耗部は、接地電極の側面に対し溶接部を介して接合されるとともに、
貴金属耐消耗部を構成する貴金属の800Kにおける線膨張率をα1、接地電極の前記側面を含む部分をなすNi合金の800Kにおける線膨張率をα2として、Δα≡α2−α1が4.55×10−6/K以下となるように調整されてなり、
かつ、中心電極の中心軸線と直交する平面に対する貴金属耐消耗部の正射投影図形と同一面積の円の直径として定義される、該貴金属耐消耗部の外径が0.6mm以上1.5mm以下であることを特徴とする。
上記構成においては、スパークプラグ使用時に特に高温となる、接地電極の側面部をなす素材(以下、電極母材という)を、従来使用されていたインコネル600等よりも、さらに高温強度及び耐酸化性に優れた上記組成のNi合金により構成する。その結果、より高温環境での耐久性が増し、腐食や折損等の不具合が生じにくくなる。
他方、このような組成の電極母材に貴金属耐消耗部を接合形成する場合、本発明者らは、その耐剥離性に影響する要因を詳細に検討したところ、電極母材の溶接性低下に起因した溶け不足等よりも、耐消耗部を構成する貴金属と電極母材との、線膨張率の不一致に起因したものであることが明らかになってきた。そこで、さらに検討を行なった結果、上記のように、貴金属耐消耗部を構成する貴金属の800Kにおける線膨張率をα1、電極母材の800Kにおける線膨張率をα2として、Δα≡α2−α1が4.55以下となるように調整することにより、接地電極側の貴金属耐消耗部の耐剥離性を大幅に向上できることが判明した。
しかしながら、前記したようなリーンバーンあるいは直噴エンジンなどにおける高速・高負荷運転時など、接地電極の到達温度がより高くなる使用環境下においては、上記のような線膨張率差Δαの調整だけでは、貴金属耐消耗部の耐剥離性を十分に確保することは、なお困難であることがわかった。そこで、前記した定義による接地電極側の貴金属耐消耗部の外径を、0.6mm以上1.5mm以下となすことにより、さらに耐剥離性を向上でき、上記のような厳しい使用環境においても貴金属耐消耗部の耐久性を十分に確保することができるようになる。
電極母材をなすNi合金の組成に関しては、Cr含有量を21〜25質量%とする。Cr含有量が21質量%未満では、所期の高温耐酸化性及び高温強度を確保することが困難となる。また、25質量%を超えると材料の延性低下により、耐衝撃強度が低下するほか、加工性が悪化するので製造コストの高騰につながる。
また、Fe含有量を7〜20質量%とする。Fe含有量が7質量%未満では、所期の高温強度を確保することが困難となる。また、20質量%を超えると材料の延性低下により、耐衝撃強度が低下するほか、加工性が悪化するので製造コストの高騰につながる。
さらに、Al含有量は1〜2質量%とする。Al含有量が1質量%未満では、所期の高温耐酸化性を確保することが困難となる。また、2質量%を超えると、NiAl等の金属間化合物の形成により材料の延性が低下し、耐衝撃強度が低下するほか、加工性が悪化するので製造コストの高騰につながる。
Niは、上記各副成分以外の残部を構成する主成分元素であり、その含有量が58質量%未満では、所期の高温耐酸化性の確保が困難となる、他方、副成分元素の下限値から、Niの含有量が71質量%を超えることはありえない。
上記のような組成を有するNi合金として、インコネル601を例示できる。その標準組成は、Ni:60.5質量%、Cr:23質量%、Al:1.5質量%、Fe:14.1質量%、Mn:0.5質量%、Si:0.2質量%、C:0.05質量%である。
また、Δαが5.7×10−6/Kを超えると、激しい熱サイクルが加わったときに、貴金属耐消耗部の耐剥離性を十分に確保できなくなる。電極母材の800Kにおける線膨張率をα2は、前記した合金組成範囲ではおおむね15.2〜15.4×10−6/Kの範囲内に収まったものとなる(例えば、インコネル601の場合、15.3×10−6/K)。一方、貴金属耐消耗部の800Kにおける線膨張率α1は、電極母材の線膨張率α2よりも小さいが、その値は貴金属組成により大きく変動する。従って、選定した電極母材(Ni合金)のα1の値を考慮して、これになるべく近い線膨張率α2を有するものとなるように、使用する貴金属の組成を選定することになる。
貴金属耐消耗部は貴金属が主成分となっていればよく(つまり、貴金属の含有量が50質量%以上)、一般に貴金属と称される金属元素のうち、比較的高融点であるもの(Pt、Ir、Rh、Ru等)であれば、何れを主成分として用いてもよい。なお、Δαはゼロとなることを妨げないが、耐消耗性を十分に確保できる貴金属組成を前提に考えた場合、Δαを0.8×10−6/K以下とすることは事実上困難である。
α2をα1に近づけるという観点と、耐消耗性確保の両立という観点においては、貴金属耐消耗部はPtを主成分に構成することが望ましいといえる。なお、Ptの800Kにおける線膨張率は10.3×10−6/Kである。貴金属耐消耗部をPt主体に構成する場合、高温での耐消耗性をさらに向上させるため、PdあるいはRuを含有させたPt−Pd−Ru合金を採用することもできる。この場合、Ruの含有量が小さくなるほどα1が小さくなる(つまり、Δαは大きくなる)ので、Δαが4.55×10−6/Kを超えない範囲にてRuの含有量を選定する必要がある。また、α2をα1に近づける観点においては、Ptに対し、線膨張率を増加させる作用が顕著なNiを添加した、Pt−Ni合金を用いることも有効である(例えばPt−20質量%Ni)。
次に、接地電極側の貴金属耐消耗部の外径は、前述の通り、0.6mm以上1.5mm以下とする。貴金属耐消耗部の外径が1.5mmを超えると、所期の耐剥離性を確保することが困難となる。これは、電極母材と貴金属耐消耗部との接合面積が増加する結果、昇温・冷却時の熱膨張・収縮による、接合界面に沿った両者の変位差が大きくなって剥離を生じやすくなるためであると考えられる。そこで、貴金属耐消耗部の前記外径を1.5mm以下とすることにより、さらに耐剥離性を向上でき、上記のような厳しい使用環境においても貴金属耐消耗部の耐久性を十分に確保することができるようになる。他方、貴金属耐消耗部の外径が0.6mm未満では、貴金属耐消耗部の寿命を十分に確保できなくなる。なお、本明細書において、貴金属耐消耗部の外径は、中心電極の中心軸線と直交する平面に対する貴金属耐消耗部の正射投影の外径により規定する。また、本発明においては、貴金属耐消耗部の上記正射投影図形の形状は円状とすることができるが、それ以外の形状となることを当然妨げるもではなく、例えば正射投影図形の形状が角状であってもよい。
また、貴金属耐消耗部の耐剥離性をさらに向上させるには、貴金属耐消耗部の厚さをTとし、中心電極の中心軸線と直交する平面への貴金属耐消耗部の投影面積をSとして、S/Tが0.7以上4.5以下となるように、貴金属耐消耗部の寸法を調整することが望ましい。S/Tが0.7未満になると、貴金属耐消耗部の厚さが相対的に大きくなりすぎる結果、冷熱サイクルが付加されたとき、電極母材と貴金属耐消耗部との接合面に作用する応力が大きくなり、貴金属耐消耗部の耐剥離性向上の観点において不利に作用する。他方、S/Tが4.5を超えることは、貴金属耐消耗部の厚さが相対的に小さくなりすぎる結果、貴金属耐消耗部の寿命を十分に確保できなくなる場合がある。
発明の実施するための最良の形態

以下、本発明の、いくつかの実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1(a)に示す本発明の一例たるスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端に形成された中心電極側貴金属耐消耗部31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部(ここでは、先端面)と対向するように配置された接地電極4等を備えている。また、接地電極4には接地電極側貴金属耐消耗部32が形成されており、それら中心電極側貴金属耐消耗部31と、接地電極側貴金属耐消耗部32との間の隙間が火花放電ギャップgとされている。
絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成されている。
中心電極3及び接地電極4は、少なくとも表層部をなす電極母材部分がNi合金で構成されている。このうち、中心電極3側の電極母材はインコネル600等のNi合金により構成され、接地電極4側の電極母材は、特許請求の範囲に記載した組成のNi合金(例えばインコネル601)により構成されている。
図2(a)に示すように、中心電極3の先端部3aはテーパ状に縮径されるとともにその先端面が平坦に構成され、ここに中心電極側貴金属耐消耗部31の、特許請求の範囲に記載した合金組成が得られるように組成調整された円板状のチップを重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部Bを形成してこれを固着することにより中心電極側貴金属耐消耗部31が形成される。
一方、接地電極側貴金属耐消耗部32は、該金属耐消耗部32を形成するための円板状の貴金属チップを、接地電極4の電極母材側面に重ね合わせて加圧しつつ、電極間に挟み付けて通電加熱することにより、図1(b)に示すように、該貴金属チップを電極母材に食い込ませる形で接合する。貴金属チップと電極母材との間に拡散・合金化した溶接部Wが形成され、接地電極側貴金属耐消耗部32となる。なお、接地電極側貴金属耐消耗部32は、溶接部Wの領域(つまり、拡散・合金化の影響を受けている部分の領域)を除いた貴金属構成部分を意味するものとする(従って、接地電極側貴金属耐消耗部32の厚さTも、この溶接部Wの領域を除いた厚さということになる)。
接地電極側貴金属耐消耗部32(あるいはその形成に用いる貴金属チップ)は、例えばPt−Pd−Ru合金からなり、電極母材と間の前述の線膨張係数差Δα(800K)が4.55×10−6/K以下となるように、その組成が調整される。また、すでに定義したその外径dは、0.6mm以上1.5mm以下に調整される。これにより、該貴金属チップに基づいて形成される接地電極側貴金属耐消耗部32の、電極母材からの耐剥離性が大幅に改善される。また、耐剥離性向上の観点から、接地電極側貴金属耐消耗部32の厚さTと、中心電極の中心軸線と直交する平面への投影面積をSとの比S/Tを、0.7以上4.5以下とすることが望ましい。
なお、接地電極側貴金属耐消耗部32は、図2(b)に示すように電極母材中に一部食い込む形で形成されることが、耐剥離性を向上させる観点において望ましい。この場合、貴金属チップを電極母材に食い込ませつつ抵抗溶接することが容易となるように、電極母材を貴金属チップよりも軟質のNi合金にて構成することが好都合である。
本発明において、接地電極4の電極母材に使用する前記Ni合金は、表面に形成される不働態被膜により耐酸化性の向上を図るものである。そして、Crの増量とAlの積極添加とにより、形成される不働態被膜がより強固で安定なものとなる結果、高温耐酸化性がより高められ電極の耐久性向上に寄与する。また、接地電極4の長さを増すことができるので、貴金属耐消耗部32の耐剥離性向上効果とも相俟って、従来、燃焼室中央に近い位置にて火花放電させることが可能となり、燃焼の安定化を図ることができる。
また、従来は、接地電極4の内部に、Cu等のNiよりも熱伝導性に優れた金属よりなる放熱促進部を埋設して電極熱引きを改善し、燃焼室内の温度が上昇した場合でも電極温度は低く保つことにより耐久性の確保を図っていた。しかし、電極母材として上記Ni合金を採用することで、電極温度が多少上昇しても十分な強度及び耐酸化性を確保できるので、放熱促進部の埋設が必ずしも必要でなくなる。その結果、スパークプラグの製造コスト低減にも寄与する。他方、図2に示すように、電極母材を上記Ni合金にて構成しつつも、接地電極4の内部に放熱促進部4kを敢えて埋設することも可能である。このようにすれば、さらに厳しい環境にも対応できるスパークプラグを実現できる。
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行なった。
(実施例1)
接地電極側の貴金属耐消耗部を形成するための貴金属チップを、以下のように作製した。まず、所定量のPtに対し10質量%のPdと、0〜20質量%の範囲のRuとを配合・溶解することにより、種々の組成を有するPt−Pd−Ru合金及びPt−Pd合金インゴットを作製した。この合金を、1500℃にて熱間鍛造し、次いで1300℃で熱間圧延及び熱間スエージングし、さらに1200℃にて熱間伸線することにより、直径10.5〜1.6mmの合金線材を得た。これを長手方向に切断することで直径0.5〜1.6mm、厚さ0.4mmの円板状のチップとした。これらチップを用いて、インコネル601製の接地電極母材の側面(幅2.7mm)に抵抗溶接し、図1に示す形態の接地電極側の接合構造を完成させた。なお、抵抗溶接の条件は、通電電流値900A、加圧荷重2.45MPaに設定した。
なお、各組成の合金及びインコネル601の800Kにおける線膨張率を測定するために、別途、幅5mm、長さ5mm(L0)、高さ20mm(以上、273Kでの値)の試験片を作製した。そして、公知のディラトメータを用いて長さ方向の寸法Lの温度変化を測定するとともに、773K〜873Kでの寸法変化量をΔLとし、これを温度幅ΔTで割った値をdL/dTとして、
α≡(1/L0)・dL/dT
の値を、800Kでの線膨張率として算出した。その結果、インコネル601の線膨張率α1は15.3×10−6/Kであった。また、各合金の線膨張率α2については、Δα(=α1−α2)の形で表1に示している。
次に、中心電極3側については、組成がIr−5質量%Ptであり、直径0.6mm厚さ0.8mmの寸法を有する貴金属チップを、上記第二チップと同様の方法により作製し、インコネル600製の中心電極母材の先端面に全周レーザー溶接することにより接合した。そして、これら接地電極及び中心電極を用いて図1に示す形態のスパークプラグ試験品を作成し、接地電極側の貴金属耐消耗部の耐剥離性を評価した。
耐剥離性の評価方法は以下の通りである。まず、スパークプラグの火花放電ギャップ側の先端部をガスバーナーにより1000℃に2分間加熱し、次いで1分空冷するサイクルを1000回繰り返す。次に、試験品を、接地電極の貴金属耐消耗部の中心軸線を通る面にて切断・研磨して顕微鏡にて拡大観察するとともに、貴金属耐消耗部と電極母材との界面の亀裂進展長を観察視野上にて測定し、界面の全長で割った値を剥離進展率として算出する。そして、その剥離進展率が50%を超えたものを不良(×)、50%以下のものを良好(○)として評価する。
表1は、貴金属耐消耗部の直径を0.9mm、厚さTを0.4mmに固定し、材質を種々に変えたときの耐剥離性評価結果と、Δαの測定結果とともに示すものである。また、表2は、貴金属耐消耗部の材質をPt−10質量%Pd−5質量%Ruに固定し、厚さTを0.4mm、直径を0.5〜1.6mmの種々の値とした場合の耐剥離性評価結果を、前述のS/Tの値とともに示したものである。
Figure 2006173141

Figure 2006173141

表1の結果から、Δαが4.55×10−6/K以下となる場合に、耐剥離性が良好となっていることがわかる。また、表2の結果から、貴金属耐消耗部の直径が0.6〜1.5mm、S/Tが0.7〜4.5のときに耐剥離性が良好となっていることがわかる。
本発明のスパークプラグの一実施例を示す正面縦断面図及び要部拡大図。 図1のスパークプラグの、変形例を示す要部断面図。
符号の説明
100 スパークプラグ
3 中心電極
4 接地電極
32 貴金属耐消耗部
g 火花放電ギャップ

Claims (2)

  1. 接地電極(4)の側面(4c)に固着された貴金属耐消耗部(32)を中心電極(3)の先端面(31a)と対向させることにより火花放電ギャップ(g)を形成したスパークプラグ(100)において、
    前記接地電極(4)の少なくとも側面(4c)を含む部分が、Crを21〜25質量%、Alを1〜2質量%、Feを7〜20質量%、Niを58〜71質量%含有するNi合金からなり、
    前記貴金属耐消耗部(32)は、前記接地電極(4)の側面(4c)に対し溶接部(W)を介して接合されるとともに、
    前記貴金属耐消耗部(32)を構成する貴金属の800Kにおける線膨張率をα1、前記接地電極(4)の前記側面(4c)を含む部分をなす前記Ni合金の800Kにおける線膨張率をα2として、Δα≡α2−α1が4.55×10−6/K以下となるように調整されてなり、
    かつ、前記中心電極(3)の中心軸線(O)と直交する平面に対する前記貴金属耐消耗部(32)の正射投影図形と同一面積の円の直径として定義される、該貴金属耐消耗部(32)の外径が0.6mm以上1.5mm以下であることを特徴とするスパークプラグ(100)。
  2. 前記貴金属耐消耗部(32)の厚さをTとし、前記中心電極(3)の中心軸線(O)と直交する平面への前記貴金属耐消耗部(32)の正射投影面積をSとして、S/Tが0.7以上4.5以下となるように、前記貴金属耐消耗部(32)の寸法が調整されてなる請求項1に記載のスパークプラグ。
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