JP5439499B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグに関し、特に電極の先端部に貴金属チップを備えたものに関する。
スパークプラグは、自身の軸線に沿って配置された中心電極と、その中心電極の先端部に間隙を介して配置された接地電極とを備え、両電極間にて火花放電を生じさせることにより、内燃機関(エンジン)等の燃焼室内部に導入された混合気を着火させるものである。スパークプラグに使用される電極は、火花放電による電極の消耗のみならず、燃焼ガスに晒されることに起因する酸化等による電極の消耗が懸念されることから、従来から耐久性に優れる電極材料の開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。
一方、火花放電による電極の消耗の対策として、火花放電の生じる両電極の先端部に貴金属チップを接合することで、耐火花消耗性に優れる構成としたスパークプラグも存在する(例えば、特許文献2参照)。更に、電極の先端部に貴金属チップを接合したスパークプラグにおいては、チップの大きさを比較的小さくすることにより、着火性を向上させたスパークプラグも存在する(例えば、特許文献3参照)。
ところで、エンジンの高出力化等に伴って、スパークプラグの使用される環境がより過酷になってきており、スパークプラグの電極に対して更なる耐久性の向上が求められている。従来では、その要求に応えるべく、電極材料として、NCF600やNCF601等が使用されてきた。
特開2002−260818号公報 特開2003−197347号公報 特開2002−313524号公報
INCONEL(登録商標)601のようなAlを含有したNi基合金は、高温雰囲気に晒されると表面にAl酸化物層を形成することにより、電極材料の酸化消耗を抑制し、耐高温酸化性を確保している。ところが、Alは窒素との反応性も高いため、Alと窒素とが反応してAl窒化物が析出し、Al酸化物層よりも内側の領域に塊状のAl窒化物が形成されてしまうことが見出された。このAl窒化物は硬質であり、Al窒化物が散在した領域を脆化させる要因となる。このようなAl窒化物は、温度が高くなるほど、また、高温保持温度が長くなるほど電極材料内部にまで析出するようになり、厚みの薄い電極材料では、厚み方向全体にわたってAl窒化物が析出してしまう場合がある。
また、貴金属チップが接合された電極が高温雰囲気に晒されると、電極材料成分の一部が貴金属チップの内部に拡散して貴金属元素と反応し、低融点化合物が形成されてしまうことが見出された。低融点化合物が形成されると、貴金属チップの耐火花消耗性や耐酸化性が低下したり、更には、電極に対する貴金属チップの接合信頼性が低下したりする。
本発明では、上記事情を鑑みてなされたものであり、積極的にAlを含有させることなく、電極の耐高温酸化性を向上させると共に、電極に接合された貴金属チップの耐火花消耗性、耐酸化性及び接合信頼性を向上させたスパークプラグを提供することを目的とする。
請求項1に係るスパークプラグは、軸線方向に延びる中心電極と、前記中心電極の径方向周囲を取り囲んで保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで当該絶縁碍子を保持する主体金具と、自身の一端部が前記中心電極の先端部との間で間隙を形成するように屈曲されると共に、自身の他端部が前記主体金具に接合される接地電極と、を備え、前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方における前記間隙に臨む位置に貴金属を主成分とする小片からなる発火部が付設されてなるスパークプラグであって、前記発火部の重さは1.5mg以上であると共に、前記中心電極及び前記接地電極のうち前記発火部が付設された電極は、Niを主成分とし、Cを0.005質量%以上0.1質量%以下、Siを1.05質量%以上3質量%以下、Mnを2質量%以下、Crを20質量%以上32質量%以下、Feを6質量%以上16質量%以下含有することを特徴とする。
これによれば、中心電極及び接地電極のうち貴金属を主成分とする小片からなる発火部が付設された電極は、Cを0.005質量%以上0.1質量%以下含有している。CはCr等と結合して炭化物を形成し、固溶化温度に近い温度に晒された場合に結晶粒の粗大化を防止して耐高温酸化性を向上させる効果がある。その効果を得るためには、Cを0.05質量%以上含有させる必要がある。また、Cを含有させることにより、粒界を強化する効果もある。一方、Cの含有量が0.1質量%を超えてしまうと、マトリックス中のCrを過剰に消費して耐高温酸化性を低下させるため、Cの含有量は0.10質量%以下としている。また、Cの含有量が0.1質量%を超えると、加工性が低下するおそれもある。
加えて、発火部が付設された電極は、Siを1.05質量%以上3質量%以下含有している。本発明では、耐高温酸化性を向上させるために、Alに代えてSiを含有している。Siは電極表面にSi酸化物を生成し耐高温酸化性を向上させる効果がある。その効果を得るためには、Siを1.05質量%以上含有させる必要がある。耐高温酸化性をより一層向上させるには、Siを1.2質量%以上含有させることが好ましい。一方、Si酸化物はNiを主成分とする電極と比較して熱膨張係数が非常に小さいため、Si酸化物が多量に生成した状態で冷熱サイクルに晒されると、Si酸化物が電極表面から剥離して、耐高温酸化性が低下する。このため、Siの含有量は3質量%以下としている。また、Siの含有量が3質量%を超えると、加工性が低下するおそれもある。
また、Siは電極の主成分であるNi中において比較的拡散速度が速い元素であり、発火部の付設された電極が高温雰囲気に晒されると、電極中のSiが発火部に拡散して、貴金属元素とSiとの低融点化合物が形成されてしまう。この低融点化合物が多量に形成されてしまうと、発火部の耐火花消耗性や耐酸化性が低下したり、発火部の剥離が生じて接合信頼性が低下したりするため、Siの含有量は3質量%以下にする必要がある。
加えて、発火部が付設された電極は、Mnを2質量%以下(0質量%を含む)含有している。Mnは脱酸元素として有用であるため、電極材料の形成にあたって添加することが好ましい。但し、Mnが多量に含有されていると、耐高温酸化性が低下するため、Mnの含有量は2質量%以下とする必要がある。また、Mnの含有量が2質量%を超えると、加工性が低下するおそれもある。
加えて、発火部が付設された電極は、Crを20質量%以上32質量%以下含有している。Crは高温下において電極表面にCrを形成して耐高温酸化性を付与するために必須の元素である。その効果を得るためには、Crを20質量%以上含有させる必要がある。一方、Crの含有量が32質量%を超えると、γ’相の生成が顕著となり、耐高温酸化性が低下するため、Crの含有量は32質量%以下とする必要がある。また、Crの含有量が32質量%を超えると、加工性や靭性が低下するおそれもある。耐高温酸化性向上の観点から、Crの含有量は、20質量%以上27質量%以下が好ましく、22質量%以上27質量%以下が更に好ましい。
加えて、発火部が付設された電極は、Feを6質量%以上16質量%以下含有している。Feの含有量を6質量%以上とすることにより、後述する試験結果から明らかなように、耐高温酸化性が向上する。また、Feを含有させることにより、固溶化熱処理後の電極の硬度を低下させる効果や加工性を向上させる効果もある。一方、Feを過剰に含有させると、耐高温酸化性が低下するだけでなく、脆化相であるσ相が析出しやすくなるため、Feの含有量は16質量%以下にする必要がある。
加えて、発火部の重さは1.5mg以上としている。上述したように、電極中のSiは拡散しやすく、発火部を構成する貴金属元素とSiとの低融点化合物が形成されてしまう。この低融点化合物の発火部全体に対する形成割合が多くなると、発火部の耐火花消耗性や耐酸化性が低下したり、発火部の剥離が生じて接合信頼性が低下したりする。そこで、発火部の重さを1.5mg以上と発火部を比較的大きくすることにより、Siが拡散して低融点化合物が形成されたとしても、その影響を極力小さくすることできる。このため、発火部の耐火花消耗性、耐酸化性及び電極に対する接合信頼性を高めることができる。
ここで、本発明において、主成分とは、電極において最も質量比の高い成分を意味する。
また、請求項2に係るスパークプラグは、前記発火部が付設された電極は、前記Siを1.4質量%以下含有することを特徴とする。
また、請求項3に係るスパークプラグは、前記発火部が付設された電極は、Zr、Y、REMのうちの少なくともいずれか一種を合計で0.01質量%以上0.5質量%以下含有することを特徴とする。
更に、請求項4のスパークプラグは、前記発火部が付設された電極は、Alを0.1質量%以上2質量%以下含有することを特徴とする。
また、請求項5のスパークプラグは、前記発火部が付設された電極は、Ti、Nb、Cuのうちの少なくともいずれか一種を合計で0.1質量%以上2質量%以下含有することを特徴とする。
更に、請求項6のスパークプラグは、前記接地電極の前記他端部は、前記主体金具の先端面に接合されており、前記接地電極の前記他端部から前記一端部までの前記接地電極の延伸方向に沿った長さをLとし、前記接地電極の延伸方向に垂直な断面積をSとしたとき、1.5≦L/S≦8.5を満たすことを特徴とする。
着火性を向上させるためには、接地電極における断面積を比較的小さくしつつ長さを比較的長くすることが考えられるが、エンジンの振動による接地電極の耐折損性が低下するおそれがある。加えて、接地電極に発火部が付設されている場合には、発火部はその重さが大きくかつ接地電極の一端部に付設されるために、接地電極全体の重心位置が主体金具との固定端となる接地電極の他端部から遠ざかることとなる。このため、接地電極の屈曲部における力学的モーメントが増大して、つまり、接地電極の屈曲部に加わる負荷が大きくなって、接地電極の耐折損性の低下がより顕著になる。また、接地電極の断面積が小さくなることで、接地電極が受けた熱を主体金具に伝えることが難しくなり、接地電極がより高温になりやすくなるため、耐高温酸化性が要求される。
尚、接地電極の断面積Sは、主体金具との溶接性を確保するために2mm以上とすることが好ましく、着火性を確保するために5mm以下とすることが好ましい。また、接地電極の他端部から一端部までの長さLは、接地電極の屈曲加工性を確保するために6mm以上とすることが好ましく、スパークプラグを内燃機関に取付けた際に内燃機関の他の構成部品と干渉することを避けるために20mm以下とすることが好ましい。ここで、接地電極の延伸方向位置によって断面積Sが異なる場合、断面積Sは異なる延伸方向位置における断面積の平均値(例えば、接地電極を延伸方向に10等分した位置における各断面積の平均値)とする。また、接地電極の他端部から一端部までの長さLは、接地電極のうち中心電極側に面している側面に沿って接地電極の他端部から一端部に至るまでの長さL1と、接地電極のうち中心電極側に面している側面とは反対側の側面に沿って接地電極の他端部から一端部に至るまでの長さL2との算術平均値((L1+L2)/2)とする。
また、請求項7のスパークプラグは、前記中心電極の前記先端部には、円錐状の円錐部が形成されており、前記発火部は、前記中心電極の前記円錐部の先端に付設されており、前記中心電極の前記円錐部の体積は0.2mm以上2.5mm以下であることを特徴とする。
円錐部は、発火部が受けた熱を中心電極に伝える部位であり、この円錐部の体積が大きいほど発火部の耐火花消耗性が向上する。一方、円錐部の体積が大きくなり過ぎると、発火部と円錐部との熱膨張係数の差に起因する熱応力によって、発火部と円錐部との接合界面にてクラックが生じて、発火部の熱引きが低下して発火部の耐火花消耗性が低下するおそれがある。
請求項1のスパークプラグによれば、電極の耐高温酸化性を向上させると共に、電極に付設された発火部の耐火花消耗性、耐酸化性及び接合信頼性を向上させることができる。
請求項2のスパークプラグによれば、発火部が付設された電極は、Siを1.4質量%以下含有している。これにより、電極中のSiが発火部に拡散する量を低減し、貴金属元素とSiとの低融点化合物の形成を抑制できる。このため、発火部の耐火花消耗性を更に高めることができる。
請求項3のスパークプラグによれば、発火部が付設された電極は、Zr、Y、REMのうちの少なくともいずれか一種を合計で0.01質量%以上0.5質量%以下含有している。Zr、Y、REMは、Si酸化物の剥離を抑制して耐高温酸化性を向上させる効果がある。その効果を得るためには、Zr、Y、REMのうちの少なくともいずれか一種を合計で0.01質量%以上含有させる必要がある。また、Zr、Y、REMを含有させることにより、加工性が向上し、更に、粒界を強化する効果もある。但し、Zr、Y、REMを過剰に含有させると、熱間加工性が悪化するおそれがある。このため、Zr、Y、REMのうちの少なくともいずれか一種の含有量を合計で0.5質量%以下としている。
Alは耐高温酸化性向上に有効な元素であるが、上述したようにAl窒化物の生成により電極の脆化を招くおそれがある。ところが、Alを所定量のSiと共に電極に含有させることにより、SiによってAl窒化物の生成を抑制でき、Alによる耐高温酸化性向上効果のみを発揮できることが見出された。但し、Alを過剰に含有させるとSiによるAl窒化物の生成抑制効果を得ることができない。そこで、請求項4のスパークプラグでは、電極材料がSiを所定量含有しつつ、さらにAlを0.1質量%以上2質量%以下含有することにより、耐高温酸化性及び耐高温窒化性の両立を図ることが可能となる。
請求項5のスパークプラグによれば、発火部が付設された電極は、Ti、Nb、Cuのうちの少なくともいずれか一種を合計で0.1質量%以上2質量%以下含有している。Ti、Nb、CuはSi酸化物の剥離を抑制して耐高温酸化性を向上させる効果がある。その効果を得るためには、Ti、Nb、Cuのうちの少なくともいずれか一種を合計で0.1質量%以上含有させる必要がある。一方、Ti、Nb、Cuを過剰に含有させると、加工性が悪化するおそれがある。このため、Ti、Nb、Cuのうちの少なくともいずれか一種の含有量を合計で2質量%以下としている。
請求項6のスパークプラグでは、電極が上述の各成分を含有した電極材料から構成されているため、接地電極の他端部から一端部までの接地電極の延伸方向に沿った長さをLとし、接地電極の延伸方向に垂直な断面積をSとしたとき、1.5≦L/S≦8.5を満たす構成、即ち、接地電極が比較的細くて長い構成であったとしても、耐高温酸化性を確保できるため、耐折損性に優れたスパークプラグとすることが可能となる。
請求項7のスパークプラグでは、中心電極の円錐部の体積を2.5mm以下としている。これにより、発火部と円錐部との接合界面にてクラックが生じることを抑制できるので、発火部の熱引き、ひいては、発火部の耐火花消耗性を確保することができる。また、中心電極が上述の各成分を含有した電極材料から構成されているため、円錐部の体積が0.2mmと比較的小さくても円錐部の耐高温酸化性を確保することでき、発火部の熱引き、ひいては、発火部の耐火花消耗性を確保することができる。
本実施形態におけるスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、絶縁碍子2の先端から突出している。また、中心電極5は、後述のニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bと、前記Ni合金よりも熱伝導性の高い銅、銅合金又は純Niからなる内層5Aとを備えている。さらに、円柱状をなす前記中心電極5は、自身の外径が略一定の本体部34と、本体部34の先端側に本体部34よりも径小であって先端側に向かって先細りテーパ状の円錐部32とを備えている。この円錐部32の先端面に貴金属合金(例えば、イリジウム合金)により形成された円柱状の貴金属部(発火部)31が溶融部を介して接合されている。この貴金属部31の重さは1.5mg以上とされている。また、円錐部32の体積は、0.2mm以上2.5mm以下とされている。ここで、円錐部32の体積は、円錐部32の後端(中心電極の本体部と円錐部32との境界部)から円錐部32と貴金属部31とが溶け込みあった溶融部のうち最も後端までの領域に存在する部位の体積とする。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8、9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、スパークプラグ1を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。尚、本実施形態では、スパークプラグ1の小型化を図るべく、主体金具3が比較的小径化されており、結果として、ねじ部15のねじ径が比較的小径化(例えば、M10以下)されたものとなっている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14、21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との間の空間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23、24が介在され、リング部材23、24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23、24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、略中間部分が曲げ返されて、その先端側側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。当該接地電極27は、外層27Aと、内層27Bとからなる2層構造となっている。本実施形態において、前記外層27Aは後述のNi合金によって構成されている。一方、前記内層27Bは、前記Ni合金よりも良熱導電性金属である銅や銅合金、純Ni等によって構成されている。尚、本実施形態では、接地電極27は外層27A及び内層27Bからなる2層構造となっているが、銅によって構成された内層27Bの更に内部にNiによって構成された芯部を埋設した3層構造としてもよい。また、接地電極27は、主体金具3の先端面に接合された基端部(他端部)から先端部(一端部)までの接地電極27の延伸方向に沿った距離をL(m)とし、接地電極27の延伸方向に垂直な断面積をS(mm)としたとき、LとSとの比(L/S)が、1.5≦L/S≦8.5を満たしている。
加えて、接地電極27のうち貴金属部31の先端面と対向する部位には、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、或いは、ロジウム(Rh)、又は、これらのうちいずれか1種を主成分とする合金により形成された円柱状の貴金属チップ(発火部)41が接合されている。より詳しくは、図2に示すように、貴金属チップ41は、レーザ溶接にて自身と接地電極27とが溶け込み合って形成された溶融部35が自身の基端部周囲に形成されることで接地電極27に接合されている。この貴金属チップ41の重さは1.5mg以上とされている。
また、前記貴金属部31と貴金属チップ41との間には、間隙としての火花放電間隙33が形成されている。そして、当該火花放電間隙33において、軸線CL1方向にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。尚、軸線CL1に沿った火花放電間隙33の大きさGは1.1mm以下とされている。
ここで、発火部(貴金属部31、貴金属チップ41)の重さは、次のようにして測定することができる。即ち、発火部(貴金属部31、貴金属チップ41)を含むように中心電極5或いは接地電極27を切断する。次いで、35%塩酸もしくは王水に浸漬して中心電極5或いは接地電極27のみを溶解することにより発火部のみを取り出し、重さの測定を行うことにより、発火部の重さを測定することができる。
次いで、中心電極5の外層5B及び接地電極27の外層27Aを構成する電極材料について詳述する。
中心電極5の外層5B及び接地電極27の外層27Aは、Niを主成分とし、Cを0.005質量%以上0.1質量%以下、Siを1.05質量%以上3質量%以下、Mnを2質量%以下、Crを20質量%以上32質量%以下、Feを6質量%以上16質量%以下含有している。
また、中心電極5の外層5B及び接地電極27の外層27Aは、Zr、Y、REMのうちの少なくともいずれか一種を合計で0.01質量%以上0.5質量%以下含有することとしてもよい。
更に、中心電極5の外層5B及び接地電極27の外層27Aは、Alを0.1質量%以上2質量下含有することとしてもよい。
また、中心電極5の外層5B及び接地電極27の外層27Aは、Ti、Nb、Cuのうちの少なくともいずれか一種を合計で0.1質量%以上2質量%以下含有することとしてもよい。
以上詳述したように、本実施形態によれば、中心電極5及び接地電極27の耐高温酸化性を向上させると共に、中心電極5及び接地電極27に接合された発火部(貴金属部31、貴金属チップ41)の耐火花消耗性、耐酸化性及び接合信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の作用効果を確認すべく行った各試験について説明する。
〔評価試験1〕
表1に示す各成分を混合・調合した原料粉末を真空高周波誘導炉にて溶解して、各組成毎のインゴット100gを得た。尚、表1に示す組成は、得られたインゴットを蛍光X線分析装置にて測定した測定値であり、各成分の合計が100質量%となるように示したものである。次に、得られた各組成のインゴットを直径16mmの円柱棒材となるように熱間鍛造した後、1100℃にて固溶化熱処理を行った。その後、各組成の棒材を圧延加工して、幅3mm、長さ25mm、厚さ1.5mmの大きさの各試験片を作製し、980℃にて焼鈍を行った。焼鈍後の各試験片に対して耐高温酸化性評価を行った。
耐高温酸化性評価の概要は次の通りである。即ち、大気雰囲気の電気炉内にて上記の各試験片を1200℃で30分間保持した後、電気炉から取り出して室温までファンにより急冷するサイクルを1サイクルとする冷熱試験を200サイクル行った。冷熱試験終了後、各試験片の断面を観察し、試験片の厚さ方向において酸化していない箇所の最大厚さ(以後、「残存厚さ」ともいう。)を測定した。そして、冷熱試験前の試験片に厚さに対する残存厚さの割合(残存率)を算出した。その結果も表1に示す。
Figure 0005439499
表1より、本発明の範囲に含まれる試料No.2〜7、12〜15、17〜21、24〜27、30〜32は、耐高温酸化性評価における残存率が70%以上であり、優れた耐高温酸化性を有していることが分かった。一方、試料No.1、8〜11、16、22、23、28、29、33は残存率が70%未満であり、耐高温酸化性に劣ることが分かった。
〔評価試験2〕
評価試験1と同様に、表2に示す各組成の棒材を圧延加工及び980℃での焼鈍を施して、幅3mm、長さ25mm、厚さ1.5mmの大きさの各組成の板材を作製した。次いで、各板材に対して、重さを種々変更した直径0.7mmのPt系貴金属チップ(Pt−20質量%Ni)を抵抗溶接にて接合したもの、及び、重さを種々変更した厚さ0.55mmのIr系貴金属チップ(Ir−20質量%Rh)をレーザ溶接にて接合したものを試験片とした。尚、Pt系貴金属チップの重さは、Pt系貴金属チップの厚さを、0.2mm(重さ1.3mg)、0.23mm(重さ1.5mg)、0.47mm(重さ3.0mg)と調整することによって変更した。また、Ir系貴金属チップの重さは、Ir系貴金属チップの直径を、0.4mm(重さ1.3mg)、0.43mm(重さ1.5mg)、0.6mm(重さ3.0mg)と調整することによって変更した。そして、各試験片に対して、接合信頼性評価を行った。
接合信頼性評価の概要は次の通りである。即ち、大気中にて、バーナにより試験片を1100℃の状態で2分間保持した後、バーナを消火して1分間冷却するサイクルを1サイクルとする冷熱試験を20000サイクル行った。冷熱試験終了後、各試験片の溶接部の断面を観察し、溶接界面において本来接合されている部分の長さに対する剥離している部分長さの割合(剥離率)を算出した。その結果も表2に示す。
Figure 0005439499
表2より、板材の組成が本発明の範囲に含まれる試料No.34〜38のうち、貴金属チップの重さが1.5mg以上のものは、剥離率が30%以下であり、接合信頼性が高いことが分かった。一方、板材の組成が本発明の範囲に含まれる試料No.34〜38であっても、貴金属チップの重さが1.5mg未満のものは、剥離率が30%を超えたり、或いは、貴金属チップが消失してしまい、接合信頼性に劣ることが分かった。即ち、貴金属チップを備えたスパークプラグにおいて、電極の耐高温酸化性及び貴金属チップの接合信頼性を確保するためには、電極の組成のみならず、貴金属チップの重さを1.5mg以上にする必要があることが分かった。
〔評価試験3〕
評価試験1と同様に、表3に示す各組成の棒材を圧延加工及び980℃での焼鈍を施して、直径0.75mm、長さ50mmの丸棒材を各組成2本ずつ作製した。次いで、各組成の丸棒材のうち一方の丸棒材の端面に直径0.7mm、厚さ0.6mmのIr−20質量%Rh製貴金属チップをレーザ溶接したものを準備すると共に、他方の丸棒材の端面に直径0.7mm、厚さ0.47mmのPt−20質量%Ni製貴金属チップをレーザ溶接したものを準備した。次いで、貴金属チップが接合された各組成の丸棒材を、大気中にて、バーナにより1100℃の状態で2分間保持した後、バーナを消火して1分間冷却するサイクルを1サイクルとする冷熱試験を20000サイクル行った。冷熱試験終了後、各組成の丸棒材を貴金属チップ同士が対向するように配置して、火花消耗性評価を行った。
火花消耗性評価の概要は次の通りである。即ち、0.7MPaの窒素雰囲気中において両貴金属チップの間隙が0.9mmとなるように配置された同一組成の丸棒材に対して、20kVの電圧を周波数60Hzの条件で50時間の間印加する放電試験を行った。尚、放電試験は、Ir−20質量%Rh製貴金属チップが接合された丸棒材を負極、Pt−20質量%Ni製貴金属チップが接合された丸棒材を正極となる条件で行った。放電試験終了後、両貴金属チップの体積をX線CT装置により測定した。そして、放電試験前後の両貴金属チップの体積減少量の合計(火花消耗量)を算出した。その結果も表3に示す。
Figure 0005439499
表3より、Siの含有量が1.4質量%以下の試料No.41〜43は、火花消耗量が30mm以下であり、耐火花消耗性が良好であることが分かった。一方、試料No.44は火花消耗量が30mmを超えており、耐火花消耗性に劣ることが分かった。
〔評価試験4〕
評価試験1と同様に、表4に示す各組成(Zr、Y、REMを含有した組成)の棒材を圧延加工して、幅3mm、長さ25mm、厚さ1.5mmの大きさの各試験片を作製し、980℃にて焼鈍を行った。そして、焼鈍後の各試験片に対して評価試験1と同様の耐高温酸化性評価を行った。また、加工性評価として、作製された各試験片の表面を観察して、クラック発生の有無を確認した。その結果を表4に示す。
Figure 0005439499
表4より、Zr、Y、REMの合計含有量が0.01質量%以上0.5質量%以下の試料No.45575960は、耐高温酸化性評価における残存率が80%以上であり、一層優れた耐高温酸化性を有していると共に、加工性が良好であることが分かった。一方、試料No.58は残存率が80%以上であるものの、加工性に劣ることが分かった。
〔評価試験5〕
評価試験1と同様に、表5に示す各組成(Alを含有した組成)の棒材を圧延加工及び980℃での焼鈍を施して、幅3mm、長さ25mm、厚さ1.5mmの大きさの各試験片を作製し、各試験片に対して評価試験1同様の耐高温酸化性評価を行うと共に、耐高温窒化性評価を行った。
耐高温窒化性評価の概要は次の通りである。即ち、大気中にて、バーナにより試験片を1100℃の状態で2分間保持した後、バーナを消火して1分間冷却するサイクルを1サイクルとする冷熱試験を20000サイクル行った。冷熱試験終了後、各試験片の断面を観察し、試験片の厚さ方向において酸化もしくは窒化していない箇所の最大厚さ(以後、「残存厚さ」ともいう。)を測定した。そして、冷熱試験前の試験片に厚さに対する残存厚さの割合(残存率)を算出した。その結果も表5に示す。
Figure 0005439499
表5より、本発明の範囲に含まれ、且つ、Alの含有量が0.1質量%以上2質量の試料No.616368は、耐高温酸化性評価における残存率が83%以上であると共に、耐高温窒化性評価における残存率が90%以上であり、耐高温酸化性及び耐高温窒化性に優れていることが分かった。これに対して、試料No.62はAlを含有しているものの、それ以外の組成が本発明の範囲から外れており、耐高温酸化性及び耐高温窒化性に劣ることが分かった。また、試料No.69は耐高温窒化性評価における残存率が90%未満であり、耐高温窒化性に劣ることが分かった。
〔評価試験6〕
評価試験1と同様に、表6に示す各組成(Ti、Nb、Cuを含有した組成)の棒材を圧延加工及び980℃での焼鈍を施して、幅3mm、長さ25mm、厚さ1.5mmの大きさの各試験片を作製し、各試験片に対して評価試験1と同様の耐高温酸化性評価を行った。また、加工性評価として、作製された各試験片の表面を観察して、クラック発生の有無を確認した。その結果を表6に示す。
Figure 0005439499
表6より、Ti、Nb、Cuの合計含有量が0.1質量%以上2質量%以下の試料No.707476798185は、耐高温酸化性評価における残存率が85%以上であり、一層優れた耐高温酸化性を有していると共に、加工性が良好であることが分かった。一方、試料No.7580は残存率が85%以上であるものの、加工性に劣ることが分かった。
〔評価試験7〕
評価試験1と同様に、表7に示す各組成の棒材を圧延加工及び980℃での焼鈍を施して接地電極を作製した。尚、接地電極の大きさは表8に示すものである。次いで、各接地電極を主体金具の先端面に抵抗溶接にて接合した試験体を作製した。そして、各試験体の接地電極に対して耐折損性評価を行った。
耐折損性評価の概要は次の通りである。即ち、大気中にて、バーナにより試験体を2分間加熱保持した後、バーナを消火して1分間冷却するサイクルを1サイクルとする冷熱試験を10000サイクル行った。尚、加熱温度は、表7における試料No.89、L/S=4.6の試験体の接地電極温度が1000℃となるようにバーナ火力を調整し、その他の試験体に対しても同じバーナ火力にて加熱を行った。また、主体金具の過熱を防止するために、水冷(水温40℃)のAl製フォルダに主体金具を固定して冷熱試験を行った。冷熱試験終了後、各試験体の主体金具を固定すると共に接地電極の一端部を掴んで引張試験(クロスヘッドスピード15mm/min)を行い、破断面の断面積を測定した。そして、冷熱試験前の接地電極の断面積に対する破断面の断面積の割合(断面積比率)を算出した。その結果も表7に示す。
Figure 0005439499
Figure 0005439499
表7より、電極の組成が本発明の範囲に含まれると共に、LとSとの比(L/S)が1.5≦L/S≦8.5のものは、断面積比率が69%以下であり、耐折損性に優れることが分かった。尚、LとSとの比(L/S)が3.7≦L/S≦5.7のものは、一層優れた耐折損性を有することが分かった。一方、LとSとの比(L/S)が1.5未満のものや8.5を超えるものは、断面積比率が69%を超えてしまい、耐折損性に劣ることが分かった。
〔評価試験8〕
評価試験1と同様に、表9に示す各組成からなる中心電極を作製した。尚、中心電極の先端には円錐部が設けられており、円錐部の先端面の直径が1.0mm、円錐部の基端(円錐部と中心電極の本体部との境界)の直径が2.0mmとなっている。そして、表9に示すように、円錐部の体積を種々変更した中心電極を作製した。尚、円錐部の体積は、円錐部における軸線方向の長さを調整することにより変更した。次いで、各中心電極の先端面に、直径0.6mm、厚さ0.8mmのIr−10質量%Rh製貴金属チップ(重さ4.4mg)をレーザ溶接にて接合した。その後、貴金属チップが接合された各中心電極を絶縁体に組み付け等してスパークプラグを作製した。そして、作製された各スパークプラグに対して、火花消耗性評価を行った。
火花消耗性評価の概要は次の通りである。即ち、6気筒(排気量2800cc)のエンジンにスパークプラグを取り付け、スロットル全開で回転数5500rpmの状態で1分間保持した後、アイドリングを1分間保持するサイクルを300時間にわたって実施する実機試験を行った。実機試験終了後、各スパークプラグの貴金属チップの体積を測定した。そして、実機試験前の貴金属チップの体積に対する実機試験後の貴金属チップの体積の割合(残存率)を算出した。その結果も表9に示す。
Figure 0005439499
表9より、電極の組成が本発明の範囲に含まれると共に、円錐部の体積が0.2mm以上2.5mm以下のものは、減少率が65%以下であり、耐火花消耗性に優れることが分かった。尚、一方、円錐部の体積が0.2mm未満のものや2.5mmを越えるものは、減少率が65%を超えてしまい、耐火花消耗性に劣ることが分かった。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば、次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
上記実施形態では、貴金属チップ41を接地電極27に対してレーザ溶接にて接合しているが、貴金属チップ41と接地電極27とを抵抗溶接にて接合してもよい。
上記実施形態では、接地電極27に接合される貴金属チップとして円柱状の貴金属チップ41を適用しているが、貴金属チップ41の形状は円柱状に限定されず、円板状や角柱状の貴金属チップでもよい。
上記実施形態では、接地電極27が外層27Aと内層27Bとの2層構造になっているが、内層27Bを省いた構成、すなわち、接地電極全体をNi合金にて構成してもよい。
1…スパークプラグ、2…絶縁碍子(絶縁体)、3…主体金具、5…中心電極、15…ねじ部、27…接地電極、27B…内層、31…貴金属部、33…火花放電間隙(間隙)、41…貴金属チップ。

Claims (7)

  1. 軸線方向に延びる中心電極と、
    前記中心電極の径方向周囲を取り囲んで保持する絶縁碍子と、
    前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで当該絶縁碍子を保持する主体金具と、
    自身の一端部が前記中心電極の先端部との間で間隙を形成するように屈曲されると共に、自身の他端部が前記主体金具に接合される接地電極と、を備え、
    前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方における前記間隙に臨む位置に貴金属を主成分とする小片からなる発火部が付設されてなるスパークプラグであって、
    前記発火部の重さは1.5mg以上であると共に、
    前記中心電極及び前記接地電極のうち前記発火部が付設された電極は、Niを主成分とし、Cを0.005質量%以上0.1質量%以下、Siを1.05質量%以上3質量%以下、Mnを2質量%以下、Crを20質量%以上32質量%以下、Feを6質量%以上16質量%以下含有することを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記発火部が付設された電極は、前記Siを1.4質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記発火部が付設された電極は、Zr、Y、REMのうちの少なくともいずれか一種を合計で0.01質量%以上0.5質量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記発火部が付設された電極は、Alを0.1質量%以上2質量下含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  5. 前記発火部が付設された電極は、Ti、Nb、Cuのうちの少なくともいずれか一種を合計で0.1質量%以上2質量%以下含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  6. 前記接地電極の前記他端部は、前記主体金具の先端面に接合されており、
    前記接地電極の前記他端部から前記一端部までの前記接地電極の延伸方向に沿った長さをLとし、前記接地電極の延伸方向に垂直な断面積をSとしたとき、
    1.5≦L/S≦8.5
    を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  7. 前記中心電極の前記先端部には、円錐状の円錐部が形成されており、
    前記発火部は、前記中心電極の前記円錐部の先端に付設されており、
    前記中心電極の前記円錐部の体積は0.2mm以上2.5mm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
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