JP5564070B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグに関する。
スパークプラグは、内燃機関(エンジン)等に取付けられ、燃焼室内の混合気等への着火のために用いられる。一般にスパークプラグは、軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、軸孔の先端側に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部に固定される接地電極とを備える。接地電極は、自身の略中間部分に設けられた屈曲部において先端部が中心電極と対向するように曲げ返されており、接地電極の先端部と中心電極の先端部との間には火花放電間隙が形成される。そして、火花放電間隙に高電圧が印加され、火花放電が生じることで、混合気等への着火がなされるようになっている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2007−242588号公報
ところで近年では、スパークプラグの小型化や小径化が要請されている。そのためには、主体金具の小径化が必要であり、かかる小径化された主体金具へと接合可能とすべく、接地電極をより細いものとすることが要求されている。ところが、このような細い接地電極においては、その先端部の熱が主体金具側へと伝導されにくく、使用に伴い接地電極の先端部が急速に消耗してしまうおそれがある。そこで、接地電極の熱伝導性を向上させ、耐消耗性の向上を図るべく、ニッケル(Ni)を比較的多量に含有する金属によって接地電極を形成することが考えられる。
しかしながら、一般にNiを多量に含有する金属は硬度が低い。そのため、Niを多量に含有する金属により、上述のような細い接地電極を形成した場合には、内燃機関等の動作に伴う振動等が加わった際に、接地電極の先端部が中心電極から離間する方向へと起き上がること(屈曲された接地電極が徐々に戻り変形してしまうこと)が極めて生じやすくなってしまう。これは、屈曲に伴い接地電極に内部応力が残留するところ、上述のような、Niを多量に含有する金属により形成され、かつ、細い接地電極は、前記内部応力に対する強度が十分ではないことによる。尚、接地電極の起き上がりが生じてしまうと、火花放電間隙が拡大してしまうため、放電電圧が増大してしまい、中心電極や接地電極の急激な消耗や放電不能といった事態を招いてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、接地電極が比較的細く、かつ、Niを多量に含む金属により形成されたスパークプラグにおいて、接地電極の先端部における起き上がりをより確実に防止することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
前記軸孔の先端側に挿設された中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
自身の基端部が前記主体金具に固定されるとともに、屈曲部にて前記中心電極側へと曲げられ、自身の先端部が前記中心電極との間で間隙を形成する接地電極とを備えるスパークプラグであって、
前記接地電極は、ニッケルを93質量%以上含有する金属により形成され、
前記接地電極の中心軸に直交する断面において、前記接地電極の厚さ方向に沿って延び、前記断面における最大厚さの1/3の長さを有する平行な二辺と、前記接地電極の幅方向に沿って延び、前記断面における最大幅の1/3の長さを有する平行な二辺とからなり、前記中心軸を中心とする長方形を取り、前記長方形の中心と重なる前記接地電極を構成する結晶粒と、前記長方形を構成する各辺の各中点に重なる4つの前記結晶粒とについて、前記厚さ方向に沿った最大長さをC(μm)とし、前記幅方向に沿った最大長さをB(μm)としたとき、
前記屈曲部のうち前記接地電極の中心軸の曲率半径が最小となる位置を通り、かつ、前記中心軸と直交する断面において、
前記接地電極の断面積が3.0mm2以下であり、
Cに対するBの比の平均値が1.5以上10以下であることを特徴とする。
尚、「厚さ方向」とあるのは、接地電極の中心軸の曲率中心を通り、接地電極の中心軸と交差する直線の延びる方向をいう。また、「幅方向」とあるのは、前記厚さ方向と直交する方向をいう。加えて、前記長方形の中心や前記各辺の中点に重なる結晶粒が存在しない場合、Cに対するBの比(B/C)の算出対象となる結晶粒は、前記中心や中点に最も接近する結晶粒をいう。
上記構成1によれば、接地電極は、Niを93質量%以上含有する金属により形成されている。従って、接地電極の熱伝導性を飛躍的に向上させることができ、接地電極の耐消耗性を効果的に高めることができる。
一方で、上記構成1においては、屈曲部のうち接地電極の中心軸の曲率半径が最小となる位置(すなわち、振動等に伴う接地電極の戻り変形が最も生じやすい位置)において、接地電極の断面積が3.0mm2以下とされている。従って、上述の通り、接地電極がNiを93質量%以上含有する金属により形成されていることと相俟って、接地電極における起き上がりの発生が大いに懸念される。
この点、上記構成1によれば、屈曲部のうち接地電極の中心軸の曲率半径が最小となる位置において、Cに対するBの比の平均値が1.5以上とされている。すなわち、接地電極の中心部(前記長方形で囲まれた部位)において、結晶粒の大部分が厚さ方向に沿って押し潰され、歪みを持った形状とされており、接地電極の中央部が高強度を有するように構成されている。これにより、接地電極の強度を、接地電極の内部応力に抗することができる程度に十分に高めることができ、接地電極の起き上がりをより確実に抑制することができる。
尚、Cに対するBの比の平均値を10超とした場合には、接地電極の中心部以外に位置する結晶粒においても歪みが生じてしまい、屈曲部の形成時などにおいて、接地電極に割れ等が発生してしまうおそれがある。従って、接地電極の割れ等を防止するために、Cに対するBの比の平均値を10以下とすることが好ましい。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、前記屈曲部の任意の位置を通り、かつ、前記中心軸と直交する断面において、
前記比の平均値が1.5以上10以下であることを特徴とする。
上記構成2によれば、屈曲部の任意の位置において、すなわち、起き上がり(戻り変形)の生じ得る屈曲部の全域において、前記比の平均値が1.5以上とされている。従って、屈曲部において、接地電極の中心部に高強度の芯が存在するような形とすることができる。そのため、接地電極の強度をより向上させることができ、接地電極の起き上がり抑制効果を一段と高めることができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記断面において、前記接地電極のうち前記長方形で囲まれた領域を除いた領域の硬度が、ビッカース硬度で130Hv以上であることを特徴とする。
上記構成3によれば、接地電極のうちその中心部の周囲に位置する部位の強度を高めることができる。従って、接地電極の起き上がりをより一層確実に抑制することができる。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記比の平均値が4以上であることを特徴とする。
上記構成4によれば、接地電極の中央部における強度を著しく高めることができる。その結果、接地電極の起き上がり抑制効果を飛躍的に向上させることができる。
構成5.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記屈曲部の任意の位置を通り、かつ、前記中心軸と直交する断面において、
前記接地電極の断面積が2.2mm2以下であることを特徴とする。
上記構成5のように、接地電極の断面積が2.2mm2以下と小さい場合には、接地電極における起き上がりの発生がより懸念される。しかしながら、上記構成1等を採用することで、このように接地電極の断面積が小さい場合であっても、接地電極の起き上がりを十分に抑制することができる。換言すれば、上記構成1等は、接地電極の断面積が2.2mm2以下の場合において、特に有意である。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断正面図である。 接地電極の断面形状等を示す拡大断面図である。 接地電極の別例を示す拡大断面図である。 接地電極の拡大断面図である。 接地電極の結晶粒等を示す断面模式図である。 別の実施形態における接地電極の断面形状等を示す拡大断面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って延びる軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。中心電極5は、熱伝導性に優れる金属〔例えば、銅や銅合金、純ニッケル(Ni)等〕からなる内層5Aと、Niを主成分とする合金からなる外層5Bとを備えている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部分が絶縁碍子2の先端から突出している。
加えて、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側には座部16が外周側に向けて突出形成されており、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられている。また、主体金具3の後端部には、径方向内側に向けて屈曲する加締め部20が設けられている。尚、本実施形態においては、スパークプラグ1の小型化を図るべく、主体金具3が小径化されており、ねじ部15のねじ径は比較的小径(例えば、M12以下)とされている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3に対してその後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間には滑石(タルク)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及び滑石25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、図2に示すように、自身の基端部が主体金具3の先端面26に固定されるとともに、屈曲部27Kにて曲げ返されて、自身の先端側側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。加えて、中心電極5の先端部と接地電極27の先端部との間には、間隙としての火花放電間隙28が形成されており、当該火花放電間隙28において、軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
さらに、本実施形態において、接地電極27は、Niを93質量%以上含有する金属により形成されている。また、接地電極27には、希土類元素が一種類以上含有されており、希土類元素の総含有量は、0.05質量%以上0.45質量%以下とされている。尚、希土類元素としては、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プロセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から成るランタノイド、並びに、スカンジウム(Sc)を挙げることができる。
加えて、接地電極27には、ケイ素(Si)が所定量(例えば、0.15質量%以上2.5質量%以下)含有されるとともに、マンガン(Mn)が所定量(例えば、0.05質量%以上2.5質量%以下)含有されている。SiやMnが前記所定量含有されることで、接地電極27の表面に、デポジット(オイルや未燃焼燃料等の付着物)に対して強固な酸化膜を形成することができる。
また、主体金具3の小径化に伴い、主体金具3の先端面26の径方向に沿った幅も比較的小さくされており、ひいては主体金具3に接合される接地電極27の厚さが比較的小さなもの(例えば、0.7mm以上1.3mm以下)とされている。このように接地電極27が比較的薄肉に形成されているため、接地電極27の中心軸CL2と直交する方向に沿った任意の断面において、接地電極27の断面積は3.0mm2以下(本実施形態では、2.2mm2以下)となっている。そのため、屈曲部27Kのうち接地電極27の中心軸CL2の曲率半径が最小となる位置LPにおいても、接地電極27の断面積が3.0mm2以下(本実施形態では、2.2mm2以下)となっている。尚、主体金具3に対する接地電極27の接合強度を十分に確保する等の観点から、前記中心軸CL2と直交する断面において、接地電極27の断面積を1.0mm2以上とすることが好ましい。
さらに、図3に示すように、前記中心軸CL2と直交する断面において、接地電極27における中心軸CL2に垂直な面を構成する外形線の一部が湾曲状をなしている。本実施形態では、中心軸CL2に直交する断面において、接地電極27のうち中心電極5側を向く正面27Fの外形線及び当該正面27Fの背後に位置する背面27Bの外形線が、互いに平行な直線状とされる一方で、前記正面27F及び背面27B間に位置する側面27S1,27S2の外形線が外側に凸の湾曲状とされている。尚、接地電極の断面形状はこれに限られるものではなく、例えば、図4に示すように、接地電極37が断面矩形状をなすように構成してもよい。
また、屈曲部27Kの任意の位置を通り、かつ、前記中心軸CL2と直交する断面において、接地電極27を構成する結晶粒が次のように構成されている。すなわち、図5に示すように、中心軸CL2に直交する断面において、接地電極27の厚さ方向に沿って延び、前記断面における接地電極27の最大厚さMTの1/3の長さを有する平行な二辺L1,L2と、接地電極27の幅方向に沿って延び、前記断面における接地電極27の最大幅MWの1/3の長さを有する平行な二辺L3,L4とからなり、中心軸CL2を中心とする長方形SQを取る。そして、図6(尚、図6では、図示の便宜上、結晶粒X0〜X5を実際よりも大きく示すとともに、その他の結晶粒を不図示とし、さらに、ハッチングを省略している)に示すように、前記長方形SQの中心CP(中心軸CL2)と重なる接地電極27を構成する結晶粒X0と、前記各辺L1,L2,L3,L4の各中点P1,P2,P3,P4に重なる4つの前記結晶粒X1,X2,X3,X4とについて、それぞれの結晶粒X0〜X4における前記厚さ方向に沿った最大長さをC0,C1,C2,C3,C4(μm)とし、前記幅方向に沿った最大長さをB0,B1,B2,B3,B4(μm)とする。このとき、C0に対するB0の比(B0/C0)と、C1に対するB1の比(B1/C1)と、C2に対するB2の比(B2/C2)と、C3に対するB3の比(B3/C3)と、C4に対するB4の比(B4/C4)との平均値(以下、「Cに対するBの比の平均値」ということがある)が1.5以上10以下(より好ましくは、4以上10以下)とされている。すなわち、接地電極27の中央部(長方形SQで囲まれた領域)において、結晶粒の大部分が厚さ方向に沿って押し潰された形状とされており、前記中央部が高強度を有するように構成されている。特に本実施形態では、中心軸CL2と直交する断面において、接地電極27のうち前記長方形SQの内側に位置する部位の硬度が、接地電極27のうち前記長方形SQの外側に位置する部位の硬度よりも大きなものとされている。例えば、接地電極27のうち長方形SQの内側に位置する部位の硬度が145HV程度であるときに、接地電極27のうち長方形SQの外側に位置する部位の硬度が130V程度とされ、接地電極27のうち長方形SQの内側に位置する部位の硬度が220HV〜240HV程度であるときに、接地電極27のうち長方形SQの外側に位置する部位の硬度が200HV程度とされている。
尚、「接地電極27のうち長方形SQの内側に位置する部位の硬度」とあるのは、前記中心CP、及び、中点P1,P2,P3,P4における接地電極27の硬度の平均値をいう。また、「接地電極27のうち長方形SQの外側に位置する部位の硬度」とあるのは、中点P1及び接地電極27の外表面のうち中点P1に最も接近する部位を結んだ線分の中点と、中点P2及び接地電極27の外表面のうち中点P2に最も接近する部位を結んだ線分の中点と、中点P3及び接地電極27の外表面のうち中点P3に最も接近する部位を結んだ線分の中点と、中点P4及び接地電極27の外表面のうち中点P4に最も接近する部位を結んだ線分の中点とにおける接地電極27の硬度の平均値をいう。
加えて、本実施形態では、屈曲部27Kの任意の位置を通り、かつ、前記中心軸CL2と直交する断面において、接地電極27のうち前記長方形SQで囲まれた領域を除いた領域の硬度が、ビッカース硬度で130Hv以上とされている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)に対して冷間鍛造加工等により概形を形成するとともに、貫通孔を形成する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
また、主体金具中間体とは別にNi合金からなる直棒状(針状)の接地電極27を製造しておく。すなわち、Niを93質量%以上含有する合金に対して冷間鍛造加工(伸線加工)を施すことで、前記合金を徐々に細くしていく。冷間鍛造加工を経ることで、合金の硬度は130Hv以上とされる。
そして、断面積が3.0mm2以下と十分に細くされるとともに、断面円形状とされた段階で、所定のローラ又は型を用いて前記線材を押圧変形させる。これにより、線材は、その側面部が互いに平行な2つの平面を有する形状となり、線材の断面形状は、接地電極27の断面形状と同一とされる。尚、線材のうち、前記平板に接触する面が接地電極27の正面27F及び背面27Bのうちの一方となり、線材のうち、前記加工面に接触する面が正面27F及び背面27Bのうちの他方となる。また、本実施形態では、Cに対するBの比の平均値を1.5以上10以下とするために、加工後において、平板及び加工面による挟圧方向と直交する方向に沿った線材の幅に対する、前記挟圧方向に沿った線材の厚さの比が0.8以下となるように、線材の押圧変形量が調節される。
線材を押圧変形させた後、線材を所定長さに切断することにより、硬度が130Hv以上で直棒状の接地電極27が得られる。尚、本実施形態では、直棒状の接地電極27を得た後において、接地電極27に熱処理が施されることなく、接地電極27には押圧に伴う加工歪みが残った状態とされている。
続いて、得られた接地電極27が、主体金具中間体の先端面に抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。また、接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性の向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理を施すこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成形用素地造粒物を調製するとともに、当該成形用素地造粒物を用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され整形されるとともに、整形されたものが焼成炉で焼成されることにより、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金に鍛造加工を施すことで中心電極5を作製する。
次に、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9は、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されたものが、抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱されることで焼成される。尚、このとき、後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが固定される。より詳しくは、主体金具3に絶縁碍子2を挿通した上で、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。
そして最後に、接地電極27の略中間部分を中心電極5側に屈曲させることで屈曲部27Kを形成するとともに、中心電極5及び接地電極27間の火花放電間隙28の大きさを調整することにより上述したスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、接地電極27は、Niを93質量%以上含有する金属により形成されている。従って、接地電極27の熱伝導性を飛躍的に向上させることができ、接地電極27の耐消耗性を効果的に高めることができる。
また、本実施形態では、屈曲部27Kの任意の位置を通り、かつ、中心軸CL2と直交する断面において、Cに対するBの比の平均値が1.5以上とされている。すなわち、接地電極27の中心部(前記長方形SQで囲まれた部位)において、結晶粒の大部分が厚さ方向に沿って押し潰され、歪みを持った形状とされており、接地電極27の中心部に高強度の芯が存在するような形となっている。これにより、接地電極27の強度を著しく高めることができ、本実施形態のように、接地電極27の断面積が3.0mm2(2.2mm2)以下とされ、接地電極27の起き上がりが特に懸念される場合であっても、接地電極27の起き上がりをより確実に抑制することができる。
尚、Cに対するBの比の平均値を4以上とすることで、接地電極27の強度を格段に向上でき、接地電極27の起き上がり抑制効果を飛躍的に高めることができる。
加えて、Cに対するBの比の平均値が10以下とされているため、屈曲部27Kの形成時などにおける、接地電極27の割れ等をより確実に防止することができる。
さらに、本実施形態では、接地電極27のうち前記長方形SQで囲まれた領域を除いた領域の硬度が、ビッカース硬度で130Hv以上とされている。従って、接地電極27のうちその中心部の周囲に位置する部位の強度を高めることができ、接地電極27の起き上がり抑制効果をさらに向上させることができる。
また、Cに対するBの比の平均値が比較的大きい(例えば、7以上10以下の)とき、すなわち、接地電極27のうち長方形SQの内側に位置する部位の硬度が比較的大きいときにおいて、接地電極27のうち長方形SQの外側に位置する部位の硬度が、長方形SQの内側に位置する部位の硬度以上とされている場合には、屈曲部27Kの形成時等において、応力負荷の大きい接地電極27の外表面側(長方形SQの外側)にて割れ等が発生しやすくなってしまうおそれがある。しかしながら、本実施形態では、接地電極27のうち長方形SQの内側に位置する部位の硬度が、接地電極27のうち長方形SQの外側に位置する部位の硬度よりも大きなものとされており、接地電極27のうち長方形SQの外側に位置する部位の硬度が比較的小さなものとされている。従って、Cに対するBの比の平均値が10以下であることと相俟って、屈曲部27Kの形成時等における接地電極27の割れ等をより一層確実に防止することができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、接地電極におけるNiの含有量を93質量%又は97質量%とした上で、接地電極の断面積と、屈曲部のうち接地電極の中心軸の曲率半径が最小となる位置におけるCに対するBの比の平均値と、前記位置における接地電極のうち前記長方形で囲まれた領域を除いた領域の硬度(中心部外硬度)とを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、耐起き上がり性試験を行った。耐起き上がり性試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルの接地電極を所定のバーナーにより約900℃に加熱しつつ、振動周波数を40Hz、振動振幅を5mm、加速度を約15Gとして、サンプルに対して5時間に亘って振動を加えた。5時間経過後、火花放電間隙の大きさを計測し、試験前の火花放電間隙の大きさに対する増加量(ギャップ増加量)を測定した。ここで、ギャップ増加量が0.00mmとなったサンプルは、接地電極の起き上がりを極めて効果的に抑制できるとして「☆」の評価を下し、ギャップ増加量が0.00mm超0.02mm未満となったサンプルは、接地電極の起き上がり抑制効果に優れるとして「◎」の評価を下し、ギャップ増加量が0.02mm以上0.04mm未満となったサンプルは、接地電極の起き上がりを十分に抑制できるとして「○」の評価を下すこととした。一方で、ギャップ増加量が0.04mm以上となったサンプルは、接地電極の起き上がりがやや生じやすいとして「×」の評価を下すこととした。表1に、当該試験の試験結果を示す。
尚、Cに対するBの比の平均値は、接地電極(線材)の押圧変形量を調節することで変更した。加えて、中心部外硬度は、接地電極に熱処理を施すことで変更した。また、接地電極は、その全域において同一の断面積を有するように構成した。さらに、接地電極は、Niの他に、希土類元素と、Si、Cr、Al、Mn、C、Ti、Mg、Fe、Cu、P、及び、Sのうち少なくとも一種とを含有する合金により形成した。加えて、サンプル1は、接地電極を断面矩形状とし、その他のサンプルは、接地電極の正面及び背面を平坦状とし、接地電極の側面が外側に凸の湾曲面状となるように構成した。さらに、表1には、希土類元素の総含有量や、SiやCr等の総含有量を併せて示す。
Figure 0005564070
表1に示すように、接地電極の断面積を3.0mm2超としたサンプル(サンプル1,15)は、ギャップ増加量が0.00mmとなり、接地電極の起き上がりが生じなかった。
また、表1には示していないが、Niの含有量が93質量%未満の金属〔例えば、インコネル(登録商標)601等〕により接地電極を形成した場合には、接地電極の硬度が十分に大きなものとなり、この接地電極(断面積を1.8mm2〜3.0mm2とした)を有するスパークプラグに対して、上述の耐起き上がり性試験を行ったところ、Cに対するBの比の平均値を1.5未満とした場合であっても、ギャップ増加量が0.00mmとなり、接地電極の起き上がりは生じなかった。
その一方で、Cに対するBの比の平均値や中心部外硬度をサンプル1,9と同一としたものの、接地電極の断面積を3.0mm2以下とし、かつ、接地電極をNiを93質量%以上含有する金属により形成したサンプル(サンプル2,3,16,17)は、ギャップ増加量が0.04mmを上回り、接地電極の起き上がりが生じやすいことが確認された。また特に、接地電極の断面積を2.2mm2以下としたサンプル(サンプル3,17)は、ギャップ増加量が著しく増加し、接地電極の起き上がりが極めて生じやすいことが確認された。
これに対して、Cに対するBの比の平均値を1.5以上としたサンプル(サンプル4〜14,18〜28)は、接地電極の断面積が3.0mm2以下とされるとともに、接地電極におけるNi含有量が93質量%以上とされ、接地電極の起き上がりが非常に生じやすい条件においても、ギャップ増加量が0.03mm以下となり、接地電極の起き上がりをより確実に抑制できることが明らかとなった。これは、接地電極の中心部において結晶粒に歪みを持たせたことで、接地電極の中心部における強度が向上したためであると考えられる。
さらに、接地電極の断面積及びCに対するBの比の平均値を同一とした上で、中心部外硬度のみを変更させたサンプル(サンプル5,6及びサンプル19,20)における試験結果から、中心部外硬度を130Hv以上とすることで、接地電極の起き上がり抑制効果がさらに向上することが確認された。
加えて、Cに対するBの比の平均値を4以上としたサンプル(サンプル8〜14,22〜28)は、接地電極の断面積を2.2mm2以下とし、接地電極の起き上がりが極めて懸念される条件においても、ギャップ増加量が0.00mmとなり、接地電極の起き上がりを非常に効果的に抑制できることが分かった。これは、接地電極の中心部における強度が著しく向上したためであると考えられる。
上記試験の結果より、接地電極の断面積が3.0mm2以下とされるとともに、接地電極におけるNi含有量が93質量%以上とされ、接地電極における起き上がりの発生が特に懸念されるスパークプラグにおいて、接地電極の起き上がりをより確実に抑制するためには、屈曲部のうち接地電極の中心軸の曲率半径が最小となる位置において、Cに対するBの比の平均値を1.5以上とすることが好ましいといえる。
また、接地電極の起き上がり抑制効果をより一層向上させるべく、接地電極のうち前記長方形で囲まれた領域を除いた領域の硬度をビッカース硬度で130Hv以上としたり、Cに対するBの比の平均値を4以上としたりすることがより好ましいといえる。
尚、接地電極の起き上がり抑制効果をより高めるという観点では、屈曲部の任意の位置を通り、かつ、前記中心軸と直交する断面において(すなわち、屈曲部の全域において)、Cに対するBの比の平均値が1.5以上となるように構成することがより好ましい。この場合には、接地電極は、その屈曲部において中心部に高強度の芯を持つような形となり、接地電極の起き上がり抑制効果を一層高めることができる。
また、接地電極の押圧変形量を過度に増大させ、Cに対するBの比の平均値を10超とした場合には、接地電極の中心部以外に位置する結晶粒においても歪みが残り、屈曲部の形成時などにおいて、接地電極に割れ等が生じてしまうおそれがある。従って、Cに対するBの比の平均値を10以下とすることが好ましい。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、接地電極27の中心軸CL2と直交する方向に沿った任意の断面において接地電極27の断面積が3.0mm2以下とされるとともに、屈曲部27Kの任意の位置を通り中心軸CL2と直交する断面において、前記比の平均値が1.5以上10以下とされている。すなわち、接地電極27全域の断面積が3.0mm2以下とされたスパークプラグにおいて、屈曲部27Kの全域において前記比の平均値が1.5以上10以下とされている。しかしながら、必ずしも屈曲部27Kの全域において、前記比の平均値を1.5以上10以下とする必要はない。少なくとも屈曲部27Kのうち中心軸CL2の曲率半径が最小となる位置LP(接地電極27のうち起き上がりが最も生じやすい位置)での接地電極27の断面積が3.0mm2以下とされたスパークプラグにおいて、前記位置LPを通り中心軸CL2と直交する断面における、前記比の平均値が1.5以上10以下とされていればよい。すなわち、接地電極27のうち起き上がりが最も生じやすい位置において、前記比の平均値が1.5以上10以下とされていればよく、このように構成した場合であっても、接地電極27の起き上がりを抑制する面で十分な効果を得ることができる。
(b)上記実施形態では、中心電極5の先端部と接地電極27の先端部との間に火花放電間隙28が形成されている。これに対して、中心電極5及び接地電極27の一方又は双方に、耐久性に優れる金属(例えば、Ir、Pt、Rh、Ru、Re、W、Pd、又は、これらの少なくとも一種を主成分とする合金など)からなるチップを接合し、火花放電間隙28を、一方の電極5(27)に設けられたチップと他方の電極27(5)との間に形成したり、両電極5,27に設けられたチップ同士の間に形成したりしてもよい。尚、接地電極27にチップを設けた場合、接地電極27のうち前記長方形SQで囲まれた領域を除いた領域の硬度は、チップの接合に伴う硬度変化が生じ得る部位以外の部位で測定される。
(c)接地電極27の断面形状は、上記実施形態における断面形状に限定されるものではない。従って、例えば、図7に示すように、中心軸CL2と直交する断面において、接地電極47の正面47Fの外形線を直線状とする一方で、接地電極47のその他の外形線を外側に凸の湾曲状としてもよい。また、例えば、前記断面において、接地電極の背面の外形線を直線状とする一方で、接地電極のその他の外形線を外側に凸の湾曲状としてもよい。尚、前記比の平均値を1.5以上とするためには、接地電極の結晶粒を接地電極の厚さ方向に沿って潰し変形させることが必要である。そのため、線材として断面円形状のものと用いた場合には、上述の通り、接地電極の正面及び背面のうちの少なくとも一方の外形線が直線状となるように線材に押圧加工が加えられ、その結果、前記比の平均値が1.5以上とされる。
(d)上記実施形態では、接地電極27に希土類元素が含有されているが、接地電極27に希土類元素を含有させなくてもよい。
(e)上記実施形態では、主体金具3の先端面26に接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(f)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ、2…絶縁碍子(絶縁体)、3…主体金具、4…軸孔、5…中心電極、27…接地電極、27K…屈曲部、28…火花放電間隙(間隙)CL1…軸線、CL2…(接地電極の)中心軸、CP…(長方形の)中心、P1,P2,P3,P4…中点、SQ…長方形、X0,X1,X2,X3,X4…結晶粒。

Claims (5)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する筒状の絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に挿設された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    自身の基端部が前記主体金具に固定されるとともに、屈曲部にて前記中心電極側へと曲げられ、自身の先端部が前記中心電極との間で間隙を形成する接地電極とを備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極は、ニッケルを93質量%以上含有する金属により形成され、
    前記接地電極の中心軸に直交する断面において、前記接地電極の厚さ方向に沿って延び、前記断面における最大厚さの1/3の長さを有する平行な二辺と、前記接地電極の幅方向に沿って延び、前記断面における最大幅の1/3の長さを有する平行な二辺とからなり、前記中心軸を中心とする長方形を取り、前記長方形の中心と重なる前記接地電極を構成する結晶粒と、前記長方形を構成する各辺の各中点に重なる4つの前記結晶粒とについて、前記厚さ方向に沿った最大長さをC(μm)とし、前記幅方向に沿った最大長さをB(μm)としたとき、
    前記屈曲部のうち前記接地電極の中心軸の曲率半径が最小となる位置を通り、かつ、前記中心軸と直交する断面において、
    前記接地電極の断面積が3.0mm2以下であり、
    Cに対するBの比の平均値が1.5以上10以下であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記屈曲部の任意の位置を通り、かつ、前記中心軸と直交する断面において、
    前記比の平均値が1.5以上10以下であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記断面において、前記接地電極のうち前記長方形で囲まれた領域を除いた領域の硬度が、ビッカース硬度で130Hv以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記比の平均値が4以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  5. 前記屈曲部の任意の位置を通り、かつ、前記中心軸と直交する断面において、
    前記接地電極の断面積が2.2mm2以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
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