JP5978250B2 - スパークプラグ用の電極チップ及びスパークプラグ - Google Patents

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Description

この発明は、スパークプラグ用の電極チップ及びこの電極チップを備えたスパークプラグに関する。
スパークプラグは、自動車エンジン等の内燃機関の点火用に使用される。スパークプラグは、一般に、筒状の主体金具と、この主体金具の内孔に配置される筒状の絶縁体と、この絶縁体の先端側内孔に配置される中心電極と、一端が主体金具の先端側に接合され他端が中心電極との間に火花放電間隙を有する接地電極とを備える。そして、スパークプラグは、内燃機関の燃焼室内で、中心電極の先端部と接地電極の先端部との間に形成される火花放電間隙に火花放電され、燃焼室内に充填された燃料を燃焼させる。
ところで、近年、高出力化及び燃費向上を図るために、燃焼室内の温度を高くする傾向にあり、また、着火性向上のために火花放電間隙を形成する放電部を燃焼室の内部に突き出させるように配置するエンジンが使用されるようになってきている。このような状況では、スパークプラグの放電部が高温に曝されるので、放電部を形成する中心電極及び接地電極の酸化消耗が進み易くなる。そこで、中心電極と接地電極との対向するそれぞれの先端部にチップを設け、このチップで火花放電が生じるようにすることで、中心電極及び接地電極(以下において電極と称することもある)の酸化消耗を抑制する方法が開発されている。
また、ダウンサイジングと直噴ターボエンジンの採用によって燃焼圧を高め、高出力化と燃費向上とを両立させる試みがなされている。このようなエンジンでは、燃焼時と吸気時との燃焼室内の温度差が大きくなり、また、過給時と通常走行時との燃焼室内の温度差も大きくなる。したがって、スパークプラグは厳しい熱サイクル環境下に置かれ易くなり、それによってチップが剥離し易くなる問題がある。また、燃焼室内の圧力が上昇し易くなり、この燃焼室内の圧力上昇に伴って放電電圧が上昇することによりチップが火花消耗し易くなる問題がある。したがって、高温による酸化消耗の抑制という課題だけでなく、厳しい熱サイクルによるチップの電極からの剥離の抑制及び放電電圧上昇によるチップの火花消耗の抑制という課題も併せて解決する必要がある。
これらの課題のうち、チップが電極から剥離するのを抑制する方法として、「・・上記電極チップの上記一端側には、他端側よりも径が大きい鍔部が形成され」た電極チップ(特許文献1)、及び「フランジ部と、該フランジ部の一面から突出する凸部とからなる」チップ(特許文献2)等の鍔部を有するチップを用いる方法が提案されている。
特許第4015808号公報 特開2008−34393号公報 特開2005−158322号公報
特許文献1及び2では、チップの材料として、「(1)3〜50質量%のRh、(2)1〜10質量%のPt、又は(3)RhとRu若しくはPtとの合計が50質量%以下であり且つそれぞれ1質量%以上の該Rh、該Ru、該Ptを含有するIrを主成分とする合金」(特許文献1の請求項5)及び「20〜60質量%のRh、10〜40質量%のIr及び1〜20質量%Niの少なくともいずれかを含むPt合金」(特許文献2の段落番号0022欄)等を使用することが開示されている。一方、前述したように、厳しい環境下で所望の性能を発揮できるスパークプラグが望まれていることから、耐酸化性及び耐火花消耗性により一層優れるチップの材料を使用するのが望ましい。鍔部を有するチップの材料として、Pt−Rh系合金を使用すれば、耐剥離性だけでなく、耐酸化性と耐火花消耗性との両方を向上させることができると考えられる。Pt−Rh系合金の中でも特にPt、Rh以外の元素の含有量が5質量%未満である合金からなるチップは、耐酸化性に特に優れる。しかしながら、Pt、Rh以外の元素の含有量が5質量%未満である合金は、Ir合金及びPt−Ir系合金、及びPt、Rh以外の元素を5質量%以上含むPt−Rh系合金等と比較して軟らかいので、鍔部を有するチップを電極に抵抗溶接する際に変形し易く、溶接後のチップの高さ等の寸法が安定しないという問題があることが分かった。すなわち、Pt、Rh以外の元素の含有量が5質量%未満であるPt−Rh系合金からなる鍔部を有するチップは、耐酸化性及び耐火花消耗性に優れる一方で、製品の品質にばらつきが生じ易く、それによって歩留まりが低下してしまう。また、抵抗溶接をせずに、チップを押さえてレーザ溶接する際にも、同様の理由から、溶接後のチップの寸法が安定しないことが十分懸念される。
また、特許文献3には、貴金属チップと接地電極又は中心電極との間で抵抗溶接を行って、貴金属チップの底部にその貴金属チップの外径を膨らませた鍔部を形成させることで、貴金属チップの接地電極又は中心電極からの剥離を抑制することが開示されている(特許文献3の請求項1及び2、段落番号0006欄)。特許文献3の実施例1では、プラチナ−ロジウム合金製の貴金属チップが用いられているが、プラチナ−ロジウム合金は軟らかく、変形し易いことから、抵抗溶接後の貴金属チップの寸法が安定しないという問題が発生してしまう。
さらに、耐消耗性向上を目的として、チップは大径化の傾向にある。チップが大径化するにしたがって接合強度を確保するための抵抗溶接時に必要な熱量が増大する。したがって、耐酸化性及び耐火花消耗性を向上させるためにPt−Rh系合金を用い、特許文献1及び2に示される鍔部を有するチップや、特許文献3に示される抵抗溶接によって鍔部を形成させたチップによって耐剥離性を確保しようとした場合、チップが大径化するほど抵抗溶接時の熱量が増大するので、抵抗溶接後のチップの寸法がさらに安定しなくなるという問題がある。また、抵抗溶接時にスパッタ及び溶接ダレが発生する等、品質が安定せず、著しく歩留りが悪くなるという問題もある。
さらに、特許文献1及び2に示される鍔部を有するチップにおいて、鍔部の厚みが薄い場合には、鍔部の変形を抑制するために鍔部を押えて抵抗溶接する必要がある。このとき、加熱する溶接面に近い部分に溶接電極が接触するため、溶接電極が過熱し、それによって溶接電極等の治工具の寿命が著しく低下する。その結果、鍔部を有するチップは加工費が高いことに加えて、製造工程においてもコストが増大してしまう。特許文献3に示される抵抗溶接によって鍔部を形成させたチップにおいても、チップを変形させるために大きな熱量を必要とするため、溶接電極等の治工具の寿命が著しく低下し、その結果、コストが増大する。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、耐酸化性、耐火花消耗性、及び耐剥離性を有し、かつ電極に溶接する際に変形し難い電極チップ及びこの電極チップを備えたスパークプラグを安価に提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は、
(1) Ptを主成分とし、Rhを7質量%以上含み、PtとRhとの合計含有量が95質量%以上であり、
軸線方向に同一の断面形状を有する柱状の細部と、前記細部に隣接し、かつ前記軸線に直交する方向の断面積が前記細部よりも大きい太部とを有し、
前記軸線を含む平面で切断したときの任意の断面において、前記細部と前記太部との外表面における前記細部と前記太部との境界点から前記太部の端面の縁辺を表す2点のうちの前記境界点側の端点までの、前記太部の外表面を示す輪郭線の少なくとも一部は、前記境界点と前記端点とを結ぶ直線上及び/又は前記直線よりも前記軸線の径方向外側に存在し、
前記細部の端面から前記太部の端面までの距離であるチップ高さをH、前記境界点から前記太部の端面までの距離である太部高さをhとすると、チップ高さHに対する太部高さhの割合(h/H×100)が35%以上であり、
前記細部の端面の面積S’と前記太部の端面の面積Sとの比(S/S’)が1.2以上であり、
前記細部の硬度が220Hv以上であることを特徴とするスパークプラグ用の電極チップである。
前記(1)の好ましい態様として、次の態様を挙げることができる。
(2)前記面積S’が0.5mmより大きい。
(3)前記(1)又は(2)の電極チップにおいて、前記細部の端面の硬度が310Hv以上である。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のスパークプラグ用の電極チップであって、
前記軸線を含む平面で切断したときの任意の断面において、前記細部と前記太部との外表面における前記細部と前記太部との境界点から前記太部の端面の縁辺を表す2点のうちの前記境界点側の端点までの、前記太部の外表面を示す輪郭線の全部が、前記境界点と前記端点とを結ぶ直線上及び/又は前記直線よりも前記軸線の径方向外側に存在することを特徴とするスパークプラグ用の電極チップである。
前記別の課題を解決するための手段は、
(5) 絶縁体の軸線方向に延びる軸孔の一端側に保持された中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた主体金具に一端部が接合されると共に、他端部が前記中心電極との間に間隙を設けて配置された接地電極と、を備えるスパークプラグにおいて、
前記中心電極と前記接地電極との少なくとも一方に前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の電極チップが電気抵抗溶接部を介して接合されているスパークプラグである。
(6) 絶縁体の軸線方向に延びる軸孔の一端側に保持された中心電極と、
前記絶縁体の外周に設けられた主体金具に一端部が接合されると共に、他端部が前記中心電極との間に間隙を設けて配置された接地電極と、を備えるスパークプラグにおいて、
前記中心電極と前記接地電極との少なくとも一方に前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の電極チップがレーザ溶接部を介して接合されているスパークプラグである。



前記電極チップは、Ptを主成分とし、Rhを7質量%以上含み、PtとRhとの合計含有量が95質量%以上であるので、耐酸化性及び耐火花消耗性に優れる。また、前記電極チップは、Ptを主成分とし、Rhを7質量%以上含むので、この電極チップを電極に溶接する際に熱が加えられても電極チップの硬度を一定以上に維持することができ、電極チップが変形するのを抑制することができる。さらに、前記電極チップは、前記細部と前記太部とを有し、前記軸線を含む平面で切断したときの任意の断面において、前記境界点と前記端点とを結ぶ直線を含む径方向外側に前記太部の外表面を示す輪郭線の少なくとも一部が存在し、前記割合(h/H×100)が35%以上であり、前記比(S/S’)が1.2以上であるので、着火性を維持しつつ電極からの耐剥離性に優れ、この電極チップを電極に溶接する際の荷重負荷により細部の変形が抑制されると共に荷重負荷及び熱による太部の変形が抑制される。また、前記細部の硬度が220Hv以上であるので、電極に溶接する際の荷重負荷による細部の変形を抑制することができる。したがって、この発明によると、耐酸化性、耐火花消耗性、及び耐剥離性に優れ、かつ電極に溶接する際に変形し難く、溶接後の電極チップの寸法のばらつきを抑えることができる。
さらに、上記構成とすることで、太部の軸線方向の厚さが一定以上に維持され、かつ塑性加工による加工硬化だけでなくRhを7質量%以上含有させることによる固溶強化によってチップの強度が向上しているので、電気抵抗溶接の際に太部を押える必要がなく、細部の端面に溶接電極を押し当てて比較的低電流で溶接することができる。また、前記電極チップは太部を有するので、特許文献3に示されるように、チップの底部を膨らませて鍔部を形成させるための大きな熱量も必要ない。したがって、本発明の電極チップによると、溶接電極等の治工具の寿命が大幅に改善されるので、従来の鍔部を有するチップと比較してスパークプラグを製造する際のコストを下げることができる。
前記スパークプラグは、耐酸化性、耐火花消耗性、及び耐剥離性に優れ、かつ溶接後の電極チップの寸法のばらつきが抑制された前記電極チップを備えているので、高温環境下及び高放電電圧で使用される場合であっても長期間にわたって所望の性能を発揮することができる。
図1は、この発明に係る電極チップの一実施例である電極チップを軸線を含む平面で切断したときの断面説明図である。 図2は、この発明に係る電極チップの別の実施例である電極チップを軸線を含む平面で切断したときの断面説明図である。 図3(a)は、この発明に係る電極チップの別の実施例である電極チップを軸線を含む平面で切断したときの断面説明図である。図3(b)は、図3(a)における電極チップの境界点付近を拡大して示す要部断面拡大説明図である。 図4は、この発明に係る電極チップの別の実施例である電極チップを軸線を含む平面で切断したときの断面説明図である。 図5は、この発明に係る電極チップの別の一実施例である電極チップを軸線を含む平面で切断したときの断面説明図である。 図6は、この発明に係る電極チップの別の実施例である電極チップを軸線を含む平面で切断したときの断面説明図である。 図7は、この発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグの一部断面説明図である。 図8は、比較例である電極チップを軸線を含む平面で切断したときの断面説明図である。 図9は、細部の端面の面積S’と寸法ばらつき割合(%)との関係を示すグラフである。
この発明に係るスパークプラグ用の電極チップは、スパークプラグの中心電極及び接地電極の少なくとも一方に接合されて使用される。この発明に係るスパークプラグ用の電極チップは、Ptを主成分とし、Rhを7質量%以上含み、PtとRhとの合計含有量が95質量%より大きい。
前記電極チップはPtを主成分とするので、耐酸化性と耐火花消耗性との両方に優れる。前記電極チップは、PtとRhとを含むPt−Rh合金であり、Pt−Rh合金からなる前記電極チップは、Rhの含有量が大きくなるほど固溶強化によって硬くなる。電極チップを高硬度にする方法としては、加工硬化及び固溶強化等の種々の方法がある。これらの中でも、少なくとも固溶強化によって電極チップの硬度を上げるのが好ましい。すなわち、電極チップの硬度を加工硬化によって上げた場合には、電極チップを電極に溶接する際の熱で加工硬化によって形成された歪が回復し、硬度が低下してしまう。したがって、電極チップを電極に溶接する際に電極チップの硬度が低下することにより、溶接の直後に電極チップが変形し易くなる。一方、電極チップの硬度を固溶強化によって上げた場合には、溶接する際に熱が加えられても電極チップの硬度を一定以上に維持することができる。したがって、前記電極チップは、Rhを7質量%以上含有し、少なくとも固溶強化によって硬度が上げられているので、溶接の直後に電極チップが変形するのを抑制することができる。前記電極チップにおけるRhの含有量が7質量%より小さいと、溶接の後の電極チップの硬度を一定以上に維持することができず、後述するように電極チップが特定の形状を有していても、電極チップを電極に溶接をする際に変形し易い。前記電極チップにおけるRhの含有量は、溶接後の電極チップ又は電極チップと電極との溶融により形成される溶融部にクラックが形成され難い点で40質量%未満であるのが好ましい。なお、「主成分」とは、電極チップに含まれる成分のうちで最も質量割合の多い成分のことをいう。
前記電極チップにおけるPtとRhとの合計含有量は95質量%以上である。前記合計含有量は大きいほど好ましく、100質量%であるのがより好ましい。前記電極チップにおけるPtとRhとの合計含有量が95質量%より大きいと、耐酸化性及び耐火花消耗性に優れ、前記合計含有量が95質量%以下であると、耐酸化性及び耐火花消耗性に劣る。前記合計含有量が95質量%より大きいと、この電極チップが酸化消耗の進みやすい高温環境下で使用されても、酸化消耗を抑制することができる。一方、前記電極チップにおけるPtとRhとの合計含有量が95質量%より大きく、その合計含有量が大きくなるほど軟らかくなる。そのため、電極チップを電極に溶接する際に変形し易くなる。しかし、この発明の電極チップは、後述するように特定の形状を有し、塑性加工による加工硬化だけでなく、Rhを含有させることによる固溶強化によってチップの強度が向上しているので、必要な実機耐久性も確保しつつ電極チップを電極に溶接する際に変形するのを抑制し、溶接後の電極チップの寸法のばらつきを小さくすることができる。
前記電極チップは、Pt及びRh以外の元素が含有される場合には、前記元素はRu、Ir、W、Re、Ni、及びCoからなる元素群Aより選択される少なくとも一種、及び/又は、Y、Hf、Zr、希土類元素、及び周期表の第2族元素からなる元素群Bより選択される少なくとも一種であるのが好ましい。前記電極チップに前記元素群Aが含有される場合には、その含有率は5質量%以下であるのが好ましい。前記電極チップに前記元素群Bが含有される場合には、その含有率は0.1質量%以下であるのが好ましい。希土類元素は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luである。周期表の第2族元素は、無機化学命名法1990年 IUPAC勧告に基づく第2族元素であり、例えば、Mg、Ca、Sr、Baを挙げることができる。前記電極チップがPt及びRh以外の元素を含有すると、Pt及びRhを100質量%含有する場合に比べて耐酸化性及び耐火花消耗性が低下する。しかし、前記電極チップがPt及びRh以外の元素として、前記元素群Aの少なくとも一種を5質量%以下の割合で含有すると、地金代を安価に抑えることができ、また、Pt及びRh以外の元素を含有することによる耐酸化性の低下を抑えることができる。また、前記電極チップがPt及びRh以外の元素として、前記元素群Bの少なくとも一種を0.1質量%以下の割合で含有すると、地金代を安価に抑えることができ、また、Pt及びRh以外の元素を含有することによる耐火花消耗性の低下を抑えることができる。
前記電極チップに含有される元素の含有量は、次のようにして測定することができる。まず、電極チップ1を電極チップ1の軸線を含む平面で切断する。得られた切断面の中心付近における任意の複数箇所、例えば5箇所についてFE−EPMA(Field Emission Electron Probe Micro Analysis: 日本電子株式会社製 JXA-8500F)を利用して、WDS(Wavelength Dispersive X-ray Spectrometer)分析を行い、各々の箇所の質量組成を測定する。得られた測定値の算術平均を算出し、この平均値を電極チップ1が含有する元素の含有量とする。
この発明に係るスパークプラグ用の電極チップは、前記金属材料により形成されることにより、耐酸化性及び耐火花消耗性に優れる。さらに、前記電極チップは、以下に説明するように、特定の形状及び硬度を有することにより、溶接された電極から剥離し難く、かつ前記電極チップを電極に電気抵抗溶接及び/又はレーザ溶接する際に変形し難い。したがって、溶接された電極チップは、電極から剥離し難く、かつ、その寸法のばらつきが小さい。
(第1実施形態)
この発明に係るスパークプラグ用の電極チップの一実施例である電極チップの軸線を含む平面で切断したときの電極チップの断面説明図を図1に示す。なお、図1では紙面上方を軸線Xの先端方向、紙面下方を軸線Xの後端方向として説明する。図1に示すように、第1実施形態の電極チップ1は軸線X方向に同一の断面形状を有する柱状の細部2と、前記細部2に隣接し、かつ軸線Xに直交する方向の断面積が前記細部2よりも大きい太部3とを有する。前記太部3は前記細部2の端部からテーパ状に広がり、軸線Xに直交する方向の断面積が次第に大きくなるテーパ部4とこのテーパ部4の最大断面積を有する端部に隣接し、前記最大断面積と同一の面積を有し、かつ軸線X方向に同一の断面形状を有する柱状部5とを有する。電極チップ1を電極に接合する際には、太部3の端面が電極に接合され、細部2の端面が放電面になる。前記電極チップ1は、前記細部2と前記太部3とを有するので、着火性を維持しつつ電極からの耐剥離性を向上させることができる。なお、この実施形態の電極チップ1は、軸線Xに直交する方向の断面形状が、細部2、テーパ部4、及び柱状部5のいずれにおいても円形である。前記断面形状は、円形以外の形状であってもよく、例えば三角形、方形、六角形等の多角形、楕円形等でもよい。
前記細部2は、軸線X方向に同一の断面形状を有する。この実施形態の細部2は前記断面形状が円形であり、軸線X方向に同一の断面積を有する。この発明における細部は、前記断面積が軸線X方向に同一である場合に特に限定されず、前記断面積が細部の端面から後端側に向かってテーパ角度が3°以下の範囲内で大きくなる部位が存在してもよい。すなわち、この発明における細部は、例えば、図2に示すように、電極チップ101を軸線Xを含む平面で切断したときの任意の断面において、細部102の側面を表す輪郭線Pと軸線Xとのなす角θが3°以下である。なお、前記輪郭線Pが曲線である場合には、その曲線上の任意の点における接線と軸線Xとのなす角θが3°以下である。
図1に示すように、前記電極チップ1は、軸線Xを含む平面で切断したときの任意の断面において、細部2と太部3との外表面における細部2と太部3との境界点Aから太部3の端面の縁辺を表す2点B,B’のうちの前記境界点A側の端点Bまでの、太部2の外表面を示す輪郭線P23が境界点Aと端点Bとを結ぶ直線ABよりも軸線Xの径方向外側に存在している。前記輪郭線P23が前記直線ABよりも軸線Xの径方向外側に存在していると、電極チップ1を電極に溶接する際に太部3が変形し難くい。この発明の電極チップは、前記輪郭線の少なくとも一部が前記直線上及び/又は前記直線よりも軸線Xの径方向外側に存在していればよく、それによって太部の変形を抑制することができる。この実施形態の電極チップ1のように、前記輪郭線P23のすべてが前記直線ABよりも軸線Xの径方向外側に存在していると、より一層太部3が変形し難くなる。
前記境界点Aは、細部2の母線Pの後端側の点である。すなわち、前記母線Pは軸線Xに平行な直線であり、テーパ部4の母線Pは3°より大きなテーパ角度を有する直線であるので、前記境界点Aは母線Pと母線Pとの交点になる。図3(a)及び(b)に示すように、細部202とテーパ部204との間の境界付近が曲線状に形成されている場合には、電極チップ201を軸線Xを含む平面で切断したときの任意の断面において、細部202とテーパ部204との外表面を示す輪郭線上の任意の点における接線と軸線Xとのなす角θが3°以下の範囲が細部202であるので、細部202とテーパ部204との境界付近における前記なす角θが3°である点が境界点Aである。
前記端点Bは、図1において、太部3の端面を表す直線の端点である。第1実施形態において、太部3は軸線X方向に同一の断面形状及び断面積である円柱体であり、図1において、太部3の母線Pは直線である。したがって、前記端点Bは太部3の母線Pの軸線X方向後端の点でもある。この発明における電極チップは、図3に示すように、太部203の後端角部に曲率半径0.1mm以下の丸みが付いていてもよい。太部203の後端角部に丸みが付いている場合には、端点Bは太部203の端面を表す直線の端点であり、曲線部分は太部203の端面に含まれない。この発明における電極チップは、図4に示すように、太部303の端面から後端方向に突出する突起部306を有していてもよい。前記突起部306は、電極チップ301を電極に電気抵抗溶接する際に、突起部306に電流を集中させて、突起部306を中心とした広い範囲にわたって電極チップ301と電極とを互いに溶融混合して溶融部を形成することで、電極チップ301と電極とを確実に接合させるために設けられることがある。図4に示すように、突起部306は、通常、細部302の直径よりも小さい直径、例えば0.6mm以下の直径を有する。この発明に係る電極チップは、突起部の有無にかかわらず所望の効果が得られる。したがって、図4に示すように、電極チップ301が突起部306を有する場合には、前記端点Bは、突起部306が存在しないと仮定し、突起部306が設けられている面を直線とみなして、この直線の端点とする。
前記電極チップ1は、図1に示すように、細部2の端面から太部3の端面までの距離であるチップ高さをH、境界点Aから太部3の端面までの距離である太部高さをhとすると、チップ高さHに対する太部高さhの割合(h/H×100)が35%以上である。前記電極チップ1における前記割合が35%以上であると、電極チップ1を電極に溶接する際の荷重負荷による太部3の変形と発熱による太部3の変形とが抑制される。また、前記割合が大きいほど、細部2の高さである細部高さLが小さくなる。細部高さLが小さいほど、電極チップ1を溶接する直前の荷重負荷による細部2の変形を抑制することができる。前記電極チップ1における前記割合が35%より小さくなるほど、太部3が薄くなり、電極チップ1を電極に溶接する際に、太部3が変形又はクラックが発生し易くなる。その結果、電極チップ1の電極への接合強度が低下し、歩留りも低下する。太部が薄いために接合強度が低下し易い場合には、電気抵抗溶接の際に太部に対して直接に軸線方向に荷重をかけることのできる特別な形状を有する溶接電極を使用することが考えられる。しかしながら、特別な形状を有する溶接電極は非常に高価であり、また、溶接部に近い位置で電極チップを保持するので、溶接電極の寿命が短くなり、その結果、この電極チップ1が接合されたスパークプラグは高価になる。さらに、太部に直接荷重をかけると、太部だけに荷重が集中するため、太部がより変形及び過熱し易くなり、スパッタの発生及び溶接後のチップの寸法の不安定化が生じる。また、太部に直接荷重をかけると、溶接される面の中心部分すなわち細部の端面を軸線方向に溶接される面に投影した部分には直接荷重がかからず、この部分の面積は溶接される面積の大部分を占めるため、十分な溶接強度が得られない。
前記細部高さLは、0.25mm以上であるのが好ましく、0.3mm以上であるのがより好ましい。前記細部高さLが0.25mm以上、特に0.3mm以上であると、この電極チップ1を備えたスパークプラグの着火性を向上させることができる。したがって、電極チップ1は、前記割合が35%以上であり、かつ細部高さLが0.25mm以上であると、電極チップ1を電極に溶接する際の荷重負荷による太部3の変形と発熱による太部3の変形とを抑制することができると共に、この電極チップ1が接合されたスパークプラグの着火性を向上させることができる。
前記電極チップ1は、細部2の端面の面積S’に対する太部3の端面の面積Sの比(S/S’)が1.2以上である。また、前記比は2.2以下であるのが好ましい。前記比(S/S’)が1.2以上であると、電極チップ1を電極に溶接する際に、太部3が変形し難く、溶接による寸法ばらつきが小さくなり、また、着火性を維持しつつ耐剥離性に優れる。前記比(S/S’)が1.2未満であると、電極チップ1を電極に溶接する際に、太部3が変形し易く、溶接による寸法ばらつきが大きくなり、また、電極チップ1が傾斜して接合され易く、着火性又は耐剥離性に劣る。前記比(S/S’)が2.2以下であると、電極チップ1を製造する際に、ヘッダー加工し易く、製造し易い点から好ましい。
前記比(S/S’)が1.2以上であるとき、前記面積S’は0.5mmより大きいのが好ましい。前記面積S’が大きくなるほど、前記面積Sが大きくなり、また、電極チップ1の体積が大きくなる。電極チップ1の体積が大きくなるほど、電極チップ1を電極に電気抵抗溶接する際の熱量が大きくなり、そのため電極チップ1を電極に電気抵抗溶接する際に電極チップ1が変形し易くなる。しかし、この電極チップ1は、前述したように特定の形状及び硬度を有しているので、電極チップを電気抵抗溶接する際に変形し易い大きさになるほど、変形を抑制する効果が大きくなる。
前記面積S’ 及び前記面積Sは、前記細部2及び前記太部3それぞれの端面すなわち平坦面の面積である。この発明における電極チップは、図3に示すように、細部202の先端角部及び太部203の後端角部に曲率半径0.1mm以下の丸みが付いていてもよい。細部202の先端角部に丸みが付いている場合には、前記面積S’は、この丸みを表す曲線部分を除く細部202の平坦面を表す直線部分の面積である。同様にして、太部203の後端角部に丸みが付いている場合には、前記面積Sは、この丸みを表す曲線部分を除く太部203の平坦面を表す直線部分の面積である。図4に示すように、電極チップ301が突起部306を有する場合には、前記面積Sは、突起部306が存在しないと仮定し、突起部306が接合されている面が平坦面であるとみなして、この平坦面の面積とする。
前記細部2の硬度は、220Hv以上である。すなわち、前記細部2の内部の硬度が220Hv以上であり、かつ前記細部2の端面の硬度が220Hv以上である。また、前記細部2の内部の硬度が220Hv以上であり、かつ前記細部2の端面の硬度が310Hv以上であるのが好ましい。また、前記細部2の内部の硬度が220Hv以上310Hv未満であり、前記細部2の端面の硬度が310Hv以上であるのがより好ましい。前記細部2の硬度が220Hv以上であると、電極チップ1を電極に溶接する直前の荷重負荷による細部2の変形を抑制することができる。また、前記細部2の端面の硬度が310Hv以上であると、電極チップ1を電極に溶接する直前の荷重負荷による細部2の変形をより一層抑制することができる。また、前記細部2の内部の硬度が220Hv以上310Hv未満であり、前記細部2の端面の硬度が310Hv以上であると、溶接の際に細部2にクラックが発生するのを抑制することができる。
前記細部2の内部及び端面の硬度は、固溶強化及び塑性加工による加工硬化等により調整することができる。また、細部2の端面の硬度は、後述する電極チップ1の製造工程における丸棒材を切断する際の、シャー切断等のせん断加工によって、細部2の内部よりも高硬度になるように調整することができる。つまり、せん断加工前後に行われる熱処理条件、及び丸棒材をせん断加工する際の加工速度等を適宜変更することにより、所望の硬度に調整することができる。一方、ワイヤーカットを行うと、細部2の端面の硬度が細部2の内部の硬度よりも低硬度になり易い。したがって、潤滑剤及び結束材の種類、潤滑剤の量、加工速度、丸棒材の線径等を適宜変更することにより硬度が220Hv以下にならないように調整する必要がある。また、丸棒材を切断した後に得られるカット部材を塑性加工して外形を整える場合には、塑性加工の加工条件、熱処理の有無、熱処理をする場合にはその条件等を適宜変更することにより、細部2の内部及び端面の硬度を調整することができる。また、細部2の端面は、ショットピーニングを用いても、細部2の内部よりも高硬度になるように調整することができる。
前記硬度は、ビッカース硬度計を用いて荷重1N、保持時間10秒でJIS Z 2244に準拠して測定をする。前記細部2の端面の硬度の測定領域に関しては、軸線X方向から見て、端面の中心付近における任意の複数箇所、例えば5箇所とする。また、前記細部2の内部の硬度に関しては、前記細部2の端面の硬度を測定後、電極チップ1を軸線Xを含む平面で切断する。この切断面において、前記細部2の内部の硬度の測定領域は、前記切断面の細部の中心付近における任意の複数箇所、例えば5箇所とする。測定した硬度それぞれの算術平均を算出し、得られた平均値を細部2の内部の硬度及び細部2の端面の硬度とする。
前記電極チップ1は、例えば、次のようにして製造される。まず、各成分の含有率が前述した範囲となる金属成分を配合し、原料粉末を用意する。これをアーク溶解してインゴットを形成し、このインゴットを熱間鍛造して、棒材とする。次に、この棒材を複数回溝ロール圧延して、必要に応じてスエージングを行い、ダイス引きにて伸線加工を施すことによって、断面円形状の丸棒材とし、この丸棒材を所定の長さに切断する。なお、電極チップの断面形状が円形以外の形状、例えば方形である場合には、前記インゴットを四角形ダイスを用いて伸線加工を行い、角材に加工し、その角材を所定の長さに切断することによって、例えば断面方形状の角棒状に形成することもできる。
前記丸棒材の切断は、例えば、シャー切断等のせん断加工又はワイヤーカット等により、することができる。シャー切断等のせん断加工で丸棒材を切断する場合は、丸棒材が塑性加工されるため、切断面の硬度を上げ易く、電極チップ1の端面の硬度を所望の硬度に調製し易い。ワイヤーカットで丸棒材を切断する場合は、摩擦による熱により硬度が低下し易いので、潤滑剤及び結束材の種類、潤滑剤の量、加工速度、丸棒材の線径等を適宜調整することにより、電極チップ1の端面の硬度が220Hv以上になるように調製する。
次いで、前記丸棒材を切断して得られた略円柱状のカット部材の外形を所望の形状に整える。カット部材の整形又は成型は、切削により行う方法及び型を用いる方法等を挙げることができる。このようにして、電極チップ1が製造される。
前記電極チップ1、101、201は、スパークプラグの中心電極及び接地電極の少なくとも一方に接合されて使用される。前記電極チップ1は、耐酸化性、耐火花消耗性、及び耐剥離性を有し、電極に溶接する際に変形し難いので溶接された後の電極チップ1の寸法特に高さ寸法のばらつきが小さい。また、電極チップ1、101、201は、細部2、102、202の母線P及び太部3、103、203の母線Pが軸線X、X、Xと平行であるので、レーザ溶接を行う際に、電極チップ1、101、201の中心と溶接設備の回転機構の中心とを合わせるために、放電面の上部からカメラで位置確認を行う場合に、放電面を検出し易く、また、溶接前にチップを所定の位置に搬送する際、チャック等で保持し易い。さらに、後述する第2実施形態と比較して、レーザ溶接を行う際に形成される溶融部中の貴金属量が多くなるため、耐剥離性が良好である。また、後述する第3実施形態と比較して、電極チップ1、101、201を製造する際に塑性加工によって太部3、103、203を形成させる場合に、加工し易い。
(第2実施形態)
この発明に係るスパークプラグ用の電極チップの別の実施例である電極チップの軸線を含む平面で切断したときの断面説明図を図4に示す。この実施形態の電極チップ301は、軸線Xを含む平面で切断したときの任意の断面において、細部302と太部303との外表面における細部302と太部303との境界点Aから太部303の端面の縁辺を表す2点B,B’のうちの前記境界点A側の端点Bまでの、太部303の外表面を示す輪郭線P23が境界点Aと端点Bとを結ぶ直線AB上にあること、及び太部303の端面から後端方向に突出する突起部306を有すること以外は、第1実施形態の電極チップ1と同様である。この実施形態の電極チップ301は、前記輪郭線P23が直線AB上に存在するので、電極チップ301を電極に溶接する際に、太部303が変形し難く、その結果、溶接された電極チップはその寸法のばらつきが小さい。また、この実施形態の電極チップ301は、太部303の端面に突起部306を有するので、電極チップ301と電極とを確実に接合することができ、その結果、より一層耐剥離性に優れる。
(第3実施形態)
この発明に係るスパークプラグ用の電極チップの別の実施例である電極チップの軸線を含む平面で切断したときの断面説明図を図5に示す。この実施形態の電極チップ401は、太部403が軸線Xに直交する方向の断面積が細部402よりも大きく、かつ軸線X方向に同一の断面形状及び断面積を有する円柱体であること以外は、第1実施形態の電極チップ1と同様である。この実施形態の電極チップ401は、太部403が円柱体であるので、電極チップ401を電極に溶接する際に、太部403が変形し難く、その結果、溶接された電極チップはその寸法のばらつきが小さい。
(第4実施形態)
この発明に係るスパークプラグ用の電極チップの別の実施例である電極チップの軸線を含む平面で切断したときの断面説明図を図6に示す。この実施形態の電極チップ501は、太部503が細部502の端部からテーパ状に広がり、軸線Xに直交する方向の断面積が次第に大きくなるテーパ部504とこのテーパ部504の最大断面積を有する端部から前記テーパ部504のテーパ角度θよりも小さいテーパ角度θでテーパ状に広がり、軸線Xに直交する方向の断面積が次第に大きくなる第2テーパ部505とを有すること以外は、第1実施形態の電極チップ1と同様である。この実施形態の電極チップ401は、太部403が第1テーパ部504と第2テーパ部505とにより形成され、境界点Aから端点Bまでの太部503の外表面を示す輪郭線P23が直線ABより径方向外側に存在するので、電極チップ301を電極に溶接する際に、太部403が変形し難く、その結果、溶接された電極チップはその寸法のばらつきが小さい。
この発明に係るスパークプラグ用の電極チップを備えたスパークプラグの一実施例について、以下に説明する。図7はこの発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグ100の一部断面全体説明図である。なお、図7では紙面下方を軸線Oの先端方向、紙面上方を軸線Oの後端方向として説明する。
このスパークプラグ100は、図7に示されるように、軸線O方向に延在する軸孔200を有する略円筒状の絶縁体300と、前記軸孔200内の先端側に設けられた略棒状の中心電極400と、前記軸孔200内の後端側に設けられた端子金具500と、前記中心電極400と前記端子金具500とを前記軸孔200内で電気的に接続する接続部600と、前記絶縁体300を保持する略円筒形状の主体金具700と、一端部が前記主体金具700の先端部に接合されると共に他端部が前記中心電極400との間に間隙Gを介して対向するように配置された接地電極800とを備え、前記接地電極800にはその先端部の側面に電極チップ900が設けられている。この電極チップ900は、例えば前述した電極チップ1が電気抵抗溶接及び/又はレーザ溶接により接地電極800に接合されて形成されている。
前記絶縁体300は、軸線O方向に延びる軸孔200を有し、略円筒形状を有している。また、絶縁体300は、後端側胴部110と、大径部120と、先端側胴部130と、脚長部140とを備えている。後端側胴部110は、端子金具500を収容し、端子金具500と主体金具700とを絶縁する。大径部120は、該後端側胴部110よりも先端側において径方向外向きに突出する。先端側胴部130は、該大径部120の先端側において接続部600を収容し、大径部120よりも小さい外径を有する。脚長部140は、この先端側胴部130の先端側において中心電極400を収容し、先端側胴部130より小さい外径及び内径を有する。先端側胴部130と脚長部140との間の内周面には棚部150が設けられている。この棚部150に後述する中心電極400の鍔部160が当接するように配置され、中心電極400が軸孔200内に固定されている。先端側胴部130と脚長部140との間の外周面には段部170が設けられている。この段部170に後述する主体金具700のテーパ部180が板パッキン190を介して当接し、絶縁体300が主体金具700に対して固定されている。絶縁体300は、絶縁体300における先端方向の端部が主体金具700の先端面から突出した状態で、主体金具700に固定されている。絶縁体300は、機械的強度、熱的強度、電気的強度を有する材料で形成されることが望ましい。このような材料として、例えば、アルミナを主体とするセラミック焼結体が挙げられる。
前記絶縁体300の軸孔2内には、その先端側に中心電極400、後端側に端子金具500、中心電極400と端子金具500との間には中心電極400及び端子金具500を軸孔200内に固定すると共にこれらを電気的に接続する接続部600が設けられている。前記接続部600は、伝播雑音を低減するための抵抗体210と、該抵抗体210と中心電極400との間に設けられた第1シール体220と、該抵抗体210と端子金具500との間に設けられた第2シール体230とにより形成されている。抵抗体210は、ガラス粉末、非金属導電性粉末及び金属粉末等を含有する組成物を焼結して形成され、その抵抗値は通常100Ω以上である。第1シール体220及び第2シール体230は、ガラス粉末及び金属粉末等を含有する組成物を焼結して形成され、これらの抵抗値は通常100mΩ以下である。この実施形態における接続部600は、抵抗体210と第1シール体220と第2シール体230とにより形成されているが、抵抗体210と第1シール体220と第2シール体230との少なくとも1つにより形成されていてもよい。
前記主体金具700は、略円筒形状を有しており、絶縁体300を内装することにより絶縁体300を保持するように形成されている。主体金具700における先端方向の外周面にはネジ部240が形成されており、このネジ部240を利用して図示しない内燃機関のシリンダヘッドにスパークプラグ100が装着される。前記主体金具700は、ネジ部240の後端側にフランジ状のガスシール部250を有し、ガスシール部250の後端側にスパナやレンチ等の工具を係合させるための工具係合部260、工具係合部260の後端側に加締め部270を有する。加締め部270及び工具係合部260の内周面と絶縁体300の外周面との間に形成される環状の空間にはリング状のパッキン280,290及び滑石310が配置され、絶縁体300が主体金具700に対して固定されている。ネジ部240の内周面における先端側は、脚長部140に対して空間を有するように配置され、径方向内向きに突出する突起部320における後端側のテーパ状に拡径するテーパ部180と絶縁体300の段部170とが環状の板パッキン190を介して当接している。主体金具700は、導電性の鉄鋼材料、例えば、低炭素鋼により形成されることができる。
端子金具500は、中心電極400と接地電極800との間で火花放電を行うための電圧を外部から中心電極400に印加するための端子であり、絶縁体300の後端側からその一部が露出した状態で軸孔200内に挿入されて第2シール体230により固定されている。端子金具500は、低炭素鋼等の金属材料により形成されることができる。
前記中心電極400は、前記接続部600に接する後端部340と、前記後端部340から先端側に延びる棒状部350とを有する。後端部340は、径方向外向きに突出する鍔部160を有する。該鍔部160が絶縁体300の棚部150に当接するように配置され、軸孔200内周面と後端部340の外周面との間に第1シール体220が充填されていることで、中心電極400は、その先端が絶縁体300の先端面から突出した状態で絶縁体300の軸孔200内に固定され、主体金具700に対して絶縁保持されている。中心電極400における後端部340と棒状部350とは、Ni又はNiを主成分とするNi合金等の中心電極400に使用される公知の材料で形成されることができる。中心電極400は、Ni合金等により形成される外層と、Ni合金よりも熱伝導率の高い材料により形成され、該外層の内部の軸心部に同心に埋め込まれるように形成されてなる芯部とにより形成されてもよい。芯部を形成する材料としては、例えば、Cu、Cu合金、Ag、Ag合金、純Ni等を挙げることができる。
前記接地電極800は、例えば、略角柱形状に形成されてなり、一端部が主体金具700の先端部に接合され、途中で略L字状に屈曲され、他端部が中心電極400の先端部との間に間隙Gを介して対向するように形成されている。前記接地電極800は、Ni又はNi合金等の接地電極800に使用される公知の材料で形成されることができる。また、中心電極400と同様に接地電極の軸芯部にNi合金よりも熱伝導率の高い材料により形成される芯部が設けられていてもよい。前記間隙Gは、この実施形態においては、接地電極800に設けられた電極チップ900の先端面とこの先端面に対向する中心電極400の先端面との間の最短距離であり、この間隙Gは、通常、0.3〜1.5mmに設定される。前記電極チップ900は、接地電極800と中心電極400との対向するそれぞれの先端部の少なくとも一方に設けられていればよい。例えば、接地電極800と中心電極400との両方に電極チップが設けられている場合には、接地電極800に設けられた電極チップ900と中心電極400とに設けられた電極チップとの対向するそれぞれの対向面の間の最短距離が火花放電間隙Gとなる。
前記スパークプラグ100は、例えば次のようにして製造される。
中心電極400及び/又は接地電極800は、例えば、真空溶解炉を用いて、所望の組成を有する合金の溶湯を調製し、線引き加工等して、所定の形状及び所定の寸法に適宜調整して、中心電極400及び/又は接地電極800を作製することができる。中心電極400はカップ状に形成したNi合金等からなる外材に、外材より熱伝導率の高いCu合金等からなる内材を挿入し、押し出し加工等の塑性加工にて、外層の内部に芯部を有する中心電極400を形成する。なお、この実施形態のスパークプラグ100の接地電極800は一種類の材料により形成されて成るが、接地電極800が中心電極400と同様に外層とこの外層の軸心部に埋め込まれるように設けられた芯部とにより形成されてもよく、この場合には中心電極400と同様にしてカップ状に形成した外材に内材を挿入し、押し出し加工等の塑性加工した後、略角柱状に塑性加工したものを、接地電極800にすることができる。
次いで、所定の形状に塑性加工等によって形成した主体金具700の端面に、接地電極800の一端部を電気抵抗溶接及び/又はレーザ溶接等によって接合する。次いで、接地電極800が接合された主体金具6にZnめっき又はNiめっきを施す。Znめっき又はNiめっきの後に3価クロメート処理を行ってもよい。また、接地電極に施されためっきは剥離してもよい。
次いで、上述のように作製した電極チップ900を電気抵抗溶接及び/又はレーザ溶接により接地電極800に溶融固着する。電気抵抗溶接で電極チップ900を接地電極800に接合する場合には、例えば、電極チップ900を接地電極800の所定位置に設置して、細部2の端面に溶接電極を押し当てながら電気抵抗溶接を施す。また、電気抵抗溶接した後にレーザ溶接により電極チップ900を接地電極800に接合してもよい。レーザ溶接する場合には、例えば、電極チップ900の斜め上方から又は電極チップ900の径方向外側から平行に、電極チップ900と接地電極800との接合部分に向かってレーザビームを照射する。また、レーザビームは、電極チップ900における前記接合部分を全周にわたって照射してもよいし、一部に照射してもよい。電気抵抗溶接をせずにレーザ溶接により電極チップ900を接地電極800に接合する場合には、電極チップ900を接地電極800の所定位置に設置して、細部2の端面を押えながらレーザ溶接を施す。
絶縁体300は、セラミック等を所定の形状に焼成することによって作製される。この絶縁体300の軸孔200内に中心電極400を挿設し、第1シール体220を形成する組成物、抵抗体210を形成する組成物、第2シール体230を形成する組成物をこの順に前記軸孔200内に予備圧縮しつつ充填する。次いで前記軸孔200内の端部から端子金具500を圧入しつつ前記組成物を圧縮加熱する。こうして前記組成物が焼結して抵抗体210、第1シール体220及び第2シール体230が形成される。次いで接地電極800が接合された主体金具700にこの中心電極400等が固定された絶縁体300を組み付ける。最後に接地電極800の先端部を中心電極400側に折り曲げて、接地電極800の一端が中心電極4の00先端部と対向するようにして、スパークプラグ100が製造される。
本発明に係るスパークプラグ100は、自動車用の内燃機関例えばガソリンエンジン等の点火栓として使用され、内燃機関の燃焼室を区画形成するヘッド(図示せず)に設けられたネジ穴に前記ネジ部170が螺合されて、所定の位置に固定される。この発明に係るスパークプラグ100は、如何なる内燃機関にも使用することができ、特に、電極チップ900が高温環境下に曝される内燃機関や放電エネルギーが大きく、電極チップ900が火花消耗し易い内燃機関に好適に使用される。
この発明に係るスパークプラグ用の電極チップ及びこの電極チップを備えたスパークプラグは、前述した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
1.電極チップの寸法ばらつき評価
電極チップは、次のようにして作製した。まず、所定の組成を有する原料粉末を配合し、これをアーク溶解してインゴットを形成した。このインゴットを熱間及び/又は冷間鍛造、熱間及び/又は冷間圧延及び熱間及び/又は冷間スエージングし、さらに、伸線加工を施すことによって、断面円形状の丸棒材とした。この丸棒材をシャー切断又はワイヤーカットにより、所定の長さに切断し、略円柱状のカット部材を得た。このカット部材を切削及び/又は成型により所望の形状に整え、電極チップとした。
表1では、丸棒材をシャー切断した場合を「S」、ワイヤーカットした場合を「W」で示した。また、電極チップの外形は、突起部が設けられていないこと以外は図4に示す電極チップと同様であるときは「a」、図1に示す電極チップと同様であるときは「b」、図5に示す電極チップと同様であるときは「c」、図8に示す電極チップと同様であるときは「d」として、表1に示した。なお、図8に示す電極チップにおける太部603は、第1テーパ部604と第2テーパ部605とにより形成され、第1テーパ部604のテーパ角度θが第2テーパ部605のテーパ角度θよりも小さい。したがって、太部603の外表面を示す輪郭線P23の全てが、直線ABよりも径方向内側に存在している。
得られた電極チップは、Ni合金からなる接地電極に電気抵抗溶接した後にレーザ溶接により接合した。電気抵抗溶接をする際には、接地電極に電気抵抗溶接された電極チップに対して電極チップの径方向外側から荷重を加え、電極チップが接地電極から破断するときの破断強度が100Nになるように、電極チップと接地電極とに通電する電流値、及び電極チップの軸線方向にかける荷重値を決定した。レーザ溶接する際には、電極チップと接地電極とが溶融することにより形成される溶融部の軸線方向の先端部から電極チップの端面までの距離が0.25mmになるように、照射位置と照射エネルギーとを適宜調整した。
電極チップの組成は、FE−EPMA(日本電子株式会社製 JXA-8500F)のWDS分析を行うことにより、測定した。まず、電極チップをその軸線を含む平面で切断し、この切断面において前述したように複数の測定点を選択し、質量組成を測定した。次に、測定した複数の測定値の算術平均値を算出して、この平均値を電極チップの組成とした。
電極チップの細部の内部の硬度及び細部の端面の硬度は、ビッカース硬度計を用いて、上述したように、荷重1N、保持時間10秒でJIS Z 2244に準拠して測定した。細部の端面の硬度に関しては、軸線X方向から見て、電極チップの細部の端面表面の中心付近の任意の複数箇所を選択し、硬度を測定した。細部の内部の硬度に関しては、電極チップの組成を測定するときに準備した前記切断面における細部の中心付近の任意の複数箇所を選択し、硬度を測定した。測定した硬度それぞれの算術平均を算出し、得られた平均値を細部の内部硬度Hb、細部の端面硬度Hsとして、表1に示した。
電極チップを接地電極に溶接した後の寸法ばらつき評価は、次のようにして行った。電気抵抗溶接及びレーザ溶接により接地電極に溶接した後の、接地電極表面から電極チップの先端面までの距離Haを投影機により測定した。溶接前の電極チップのチップ高さをHとして、溶接前後のチップ高さの変位量Y(=H−Ha)を算出した。50個のサンプルについて同様にして変位量Yを求め、50個のサンプルの変位量の標準偏差σを算出し、以下の基準にしたがって寸法ばらつきの評価を行った。結果を表1に示す。

◎:標準偏差σが0.004mm未満のとき
○:標準偏差σが0.004mm以上0.007mm未満のとき
×:標準偏差σが0.007mm以上のとき
2.耐久性評価
「1.電極チップの寸法ばらつき評価」と同様にして、電極チップを作製して接地電極に接合し、これを用いて、図7に示すスパークプラグと同様の形状を有するスパークプラグ試験体を製造した。
製造したスパークプラグ試験体を、試験用の2Lの4気筒エンジン(放電電圧15kv)に取付け、スロットル全開(WOT)で、エンジン回転数5000rpmの状態を維持し、200時間運転を行う耐久試験を行った。このとき、接地電極の先端部の温度は950℃であった。
耐久試験前後の電極チップの体積をCTスキャン(東芝株式会社製TOSCANER-32250μhd)で測定し、耐久試験前の電極チップの体積Vと耐久試験後の電極チップの体積Vとの差である消耗量ΔV(=V−V)を求めた。また、Ptを65質量%、Rhを35質量%含有し、同様の形状を有する電極チップの消耗量を基準消耗量ΔVとして、基準消耗量ΔVに対する消耗量と基準消耗量との差(ΔV−ΔV)を消耗比(=(ΔV−ΔV)/ΔV)として算出し、以下の基準にしたがって耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。

○:消耗比が0.1未満のとき
×:消耗比が0.1以上のとき
3.接地電極に溶接後の電極チップの外観評価
電気抵抗溶接後、又はレーザ溶接後、又は耐久試験後において、電極チップ又は溶融部を拡大鏡を用いて30倍の倍率で観察して、電極チップ及び溶融部におけるクラックの発生の有無を確認した。クラックが観察された場合には、より高倍率で観察し、クラックの直線距離を測定した。例えば、稲妻状に屈折した形状のクラックの場合には、クラックの全長ではなく、クラックの端から端までの最短距離を測定した。表1において、クラックが観察され、その直線距離が0.05mm以上の場合には「△」、クラックが観察されなかった場合又はクラックが観察されたがその直線距離が0.05mm未満の場合には「○」で示した。
Figure 0005978250
表1に示されるように、本願発明の範囲に含まれる電極チップを備えたスパークプラグは、耐久性に優れ、電極に溶接した後の電極チップの寸法のばらつきが小さい。
4.電極チップの細部の端面の面積S’の違いによる寸法ばらつき評価
細部の端面の面積S’に対する太部の端面の面積Sの比(S/S’)を1.2に固定して、細部の端面の面積S’及び太部の端面の面積Sを種々に変更したときの電極チップの寸法ばらつきを、「1.電極チップの寸法ばらつき評価」と同様にして求めた。なお、試験に供した電極チップの組成及び構造は、細部の端面の面積S’及び太部の端面の面積S以外は試験番号42と同様にした。
また、端面の面積が細部の端面の面積S’と同じである円柱状の電極チップの寸法ばらつきを「1.電極チップの寸法ばらつき評価」と同様にして求め、この円柱状の電極チップの寸法ばらつきYSを基準として、寸法ばらつき割合((Ys/YS)×100%)を求めた。結果を図9に示す。
図9に示すように、電極チップの細部の端面の面積S’が0.5mm以下のときに比べて0.5mmより大きい場合には、寸法ばらつき割合が小さい。したがって、電極チップの細部の端面の面積S’が0.5mmより大きいと、電極に電気抵抗溶接する際に電極チップが変形し難くなる効果が高くなることが分る。
1,101,201,301,401,501,601 電極チップ
2,102,202,302,402,502,602 細部
3,103,203,303,403,503,603 太部
4,104,204,304,404,504,604 テーパ部
5,105,205,305,405,505,605 柱状部
306 突起部
100 スパークプラグ
200 軸孔
300 絶縁体
400 中心電極
500 端子金具
600 接続部
700 主体金具
800 接地電極
900 電極チップ
110 後端側胴部
120 大径部
130 先端側胴部
140 脚長部
150 棚部
160 鍔部
170 段部
180 テーパ部
190 板パッキン
210 抵抗体
220 第1シール体
230 第2シール体
240 ネジ部
250 ガスシール部
260 工具係合部
270 加締め部
280,290 パッキン
310 滑石
320 突起部
340 後端部
350 棒状部

Claims (6)

  1. Ptを主成分とし、Rhを7質量%以上含み、PtとRhとの合計含有量が95質量%以上であり、
    軸線方向に同一の断面形状を有する柱状の細部と、前記細部に隣接し、かつ前記軸線に直交する方向の断面積が前記細部よりも大きい太部とを有し、
    前記軸線を含む平面で切断したときの任意の断面において、前記細部と前記太部との外表面における前記細部と前記太部との境界点から前記太部の端面の縁辺を表す2点のうちの前記境界点側の端点までの、前記太部の外表面を示す輪郭線の少なくとも一部は、前記境界点と前記端点とを結ぶ直線上及び/又は前記直線よりも前記軸線の径方向外側に存在し、
    前記細部の端面から前記太部の端面までの距離であるチップ高さをH、前記境界点から前記太部の端面までの距離である太部高さをhとすると、チップ高さHに対する太部高さhの割合(h/H×100)が35%以上であり、
    前記細部の端面の面積S’と前記太部の端面の面積Sとの比(S/S’)が1.2以上であり、
    前記細部の硬度が220Hv以上であることを特徴とするスパークプラグ用の電極チップ。
  2. 前記面積S’が0.5mmより大きい請求項1に記載のスパークプラグ用の電極チップ。
  3. 前記細部の端面の硬度が310Hv以上である請求項1又は2に記載のスパークプラグ用の電極チップ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパークプラグ用の電極チップであって、
    前記軸線を含む平面で切断したときの任意の断面において、前記細部と前記太部との外表面における前記細部と前記太部との境界点から前記太部の端面の縁辺を表す2点のうちの前記境界点側の端点までの、前記太部の外表面を示す輪郭線の全部が、前記境界点と前記端点とを結ぶ直線上及び/又は前記直線よりも前記軸線の径方向外側に存在することを特徴とするスパークプラグ用の電極チップ。
  5. 絶縁体の軸線方向に延びる軸孔の一端側に保持された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた主体金具に一端部が接合されると共に、他端部が前記中心電極との間に間隙を設けて配置された接地電極と、を備えるスパークプラグにおいて、
    前記中心電極と前記接地電極との少なくとも一方に請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極チップが電気抵抗溶接部を介して接合されているスパークプラグ。
  6. 絶縁体の軸線方向に延びる軸孔の一端側に保持された中心電極と、
    前記絶縁体の外周に設けられた主体金具に一端部が接合されると共に、他端部が前記中心電極との間に間隙を設けて配置された接地電極と、を備えるスパークプラグにおいて、
    前記中心電極と前記接地電極との少なくとも一方に請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極チップがレーザ溶接部を介して接合されているスパークプラグ。
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