JP5325947B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

この発明は、スパークプラグに関し、特に、接地電極及び中心電極の少なくとも一方にチップが設けられたスパークプラグに関する。
自動車エンジン等の内燃機関の点火用に使用されるスパークプラグは、一般に、筒状の主体金具と、この主体金具の内孔に配置される筒状の絶縁体と、この絶縁体の先端側内孔に配置される中心電極と、一端が主体金具の先端側に接合され、他端が中心電極との間に火花放電間隙を有する接地電極とを備える。そして、スパークプラグは、内燃機関の燃焼室内で、中心電極の先端部と接地電極の先端部との間に形成される火花放電間隙に火花放電され、燃焼室内に充填された燃料を燃焼させる。
ところで、接地電極及び中心電極を形成する材料としては、Ni合金等が一般に使用される。Ni合金は、耐酸化性及び耐消耗性に関してPt及びIr等の貴金属を主成分とした貴金属合金に比べると多少劣るものの、貴金属に比べて安価であるため接地電極及び中心電極を形成する材料として好適に使用される。しかし、近年、燃焼室内の温度が高温化する傾向にあり、Ni合金等で形成された、接地電極の先端部と中心電極の先端部との間で火花放電が生じると、接地電極及び中心電極との対向するそれぞれの先端部が火花消耗を生じ易くなることがあった。そこで、接地電極と中心電極との対向するそれぞれの先端部にチップを設け、このチップで火花放電が生じるようにすることで接地電極及び中心電極の耐消耗性を向上させる方法が開発された。チップを形成する材料としては、耐酸化性及び耐消耗性に優れる貴金属を主成分とする材料が使用されることが多かった。
例えば、特許文献1には、「中心電極及び外側電極の火花放電面に貴金属チップを備えて成るスパークプラグの更に高温耐久性を向上させることを目的としたスパークプラグ」(特許文献1の1頁右欄13〜16行目参照。)を提供することを課題とし、この課題を解決するための手段として「前記Pt−Ni合金材チップが5〜23重量%Niと残部Ptから成る」(特許文献1の特許請求の範囲第2項参照。)スパークプラグが記載されている。
特許文献2には、「耐久性に優れてプラグの長寿命化をなしたスパークプラグを提供」(特許文献2の2頁左上欄11〜13行目参照。)することを目的として、「・・・火花放電部としてPt−Ni系合金を固着したスパークプラグ又は前記火花放電部として耐消耗性に優れたPt合金を使用すると共にこのPt合金と母材金属との間にPt−Ni系合金から成る中間層を配設したスパークプラグにおいて、前記Pt−Ni合金が5〜40重量%Niと95〜60重量%Ptの合金中にRe,Y,Zr,Hf,Al,Ti,Laの金属酸化物の1種又は2種を0.02〜1重量部を分散させた合金材を使用することを特徴とするスパークプラグ」(特許文献2の特許請求の範囲の第1項参照。)が記載されている。
特開昭59−160988号公報 特開昭61−135083号公報
近年、資源の節約及びスパークプラグの原価低減が一層求められるようになってきた。このような要望に対して、前述したように貴金属を主成分とする貴金属合金で形成されるチップにおいて、希少で高価な資源である貴金属の含有量を削減することが考えられる。しかし、貴金属の含有量を低減させると、後述するように、様々な要因によってチップに突出物が形成され、この突出物により耐消耗性及び火花放電間隙を維持し難くなることがあった。
この発明は、中心電極及び接地電極の少なくとも一方にチップを備えたスパークプラグにおいて、従来より前記チップの貴金属含有量を低減させても、耐消耗性を有し、中心電極と接地電極との間の火花放電間隙を維持することにより、耐久性を有するスパークプラグを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、
(1) 中心電極、前記中心電極との間に間隙を設けて配置された接地電極、及び前記接地電極と前記中心電極との対向するそれぞれの先端部の少なくとも一方に設けられたチップを備えるスパークプラグであって、
前記チップは、元素群M(MはPt及びRhの少なくとも一種)を3質量%以上35質量%以下、元素群L(LはIr、Ru、及びPdの少なくとも一種)を0質量%以上15質量%以下含有し、前記元素群M及び前記元素群Lの含有量の合計が多くとも35質量%であり、Ni、前記元素群M、及び前記元素群Lの含有量の合計が少なくとも94質量%であることを特徴とするスパークプラグである。
前記(1)の好ましい態様は、
(2)前記チップは、元素群S(SはSi、Al、Ti、Cr、Mnの少なくとも一種)を0.2質量%以上6質量%以下含有し、
(3)前記元素群Mを5質量%以上30質量%以下含有し、前記元素群M及び前記元素群Lの含有量の合計が多くとも30質量%であり、
(4)前記元素群Lを1質量%以上10質量%以下含有し、
(5)前記元素群Sの含有量が0.5質量%以上3質量%以下であり、
(6)前記チップが前記接地電極及び/又は前記中心電極(以下において電極と称する。)の表面に、前記チップと前記電極との溶融により形成されてなる溶融部を介さずに、もしくは前記チップの少なくとも一部が前記溶融部を介して接合されており、前記チップが接合された電極を前記表面と面一な面で切断したときに現れる切断面において、前記チップ及び/又は前記溶融部と前記電極との境界線で囲まれた部分の面積Sが少なくとも0.7mmであり、
(7)前記面積Sが少なくとも1.2mmである。
この発明によると、従来よりもチップの貴金属含有量を低減させても、前述したように、前記チップが所定量の、Ni、元素群M及び所望により元素群Lを含有するので、耐消耗性を有し、突出物の形成を抑制することができる。突出物の形成が抑制されると、突出物によるチップの過熱が抑制されることにより消耗が加速されるのを抑制することができ、また、突出物による火花放電間隙の縮小を抑制することができる。したがって、耐消耗性を有し、火花放電間隙を維持することができ、耐久性を有するスパークプラグを提供することができる。
この発明によると、前記チップが所定量の元素群Sを含有するので、突出物の形成をより一層抑制できる。したがって、耐消耗性に優れ、火花放電間隙を維持することができ、より一層耐久性に優れたスパークプラグを提供することができる。
この発明によると、前記面積Sが少なくとも0.7mm、特に1.2mmであるので、火花放電により受熱した熱を接地電極及び/又は中心電極に移動し易くなり、チップの過熱を抑制することができる。その結果、チップの過熱により形成され易くなる傾向にある突出物の形成が抑制される。したがって、耐消耗性に優れ、火花放電間隙を維持することができ、より一層耐久性に優れたスパークプラグを提供することができる。
図1は、この発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグの一部断面全体説明図である。 図2は、従来のスパークプラグに形成された突出物の写真である。 図3(a)は、チップが接合された接地電極の要部断面説明図である。図3(b)は、図3(a)に示すチップが接合された接地電極の表面と面一な面で切断したときのチップの切断面である。 図4は、実機耐久試験前後における、突出物の突出高さを説明する説明図である。
この発明に係るスパークプラグは、中心電極、前記中心電極との間に間隙を設けて配置された接地電極、及び前記接地電極と前記中心電極との少なくとも一方に設けられたチップを備える。この発明に係るスパークプラグは、このような構成を有するスパークプラグであれば、その他の構成は特に限定されず、公知の種々の構成を採ることができる。
この発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグを図1に示す。図1はこの発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグ1の一部断面全体説明図である。なお、図1では紙面下方を軸線Oの先端方向、紙面上方を軸線Oの後端方向として説明する。
このスパークプラグ1は、図1に示されるように、軸線O方向に延在する軸孔2を有する略円筒状の絶縁体3と、前記軸孔2内の先端側に設けられた略棒状の中心電極4と、前記軸孔2内の後端側に設けられた端子金具5と、前記絶縁体3を保持する略円筒状の主体金具6と、一端が中心電極4の先端面と火花放電間隙Gを介して対向するように配置されると共に他端が主体金具6の端面に接合された接地電極7と、前記中心電極4と前記接地電極7との少なくとも一方に設けられたチップ8,9とを備えている。
前記絶縁体3は、該軸孔2内の先端側に中心電極4、後端側に端子金具5、中心電極4と端子金具5との間には中心電極4及び端子金具5を軸孔2内に固定するためのシール体10,11及び伝播雑音を低減するための抵抗体12が設けられている。絶縁体3の軸線O方向の中央付近には径方向に突出した鍔部13が形成され、該鍔部13の後端側には端子金具5を収容し、端子金具5と主体金具6とを絶縁する後端側胴部14が形成されている。該鍔部13の先端側には抵抗体12を収容する先端側胴部15、この先端側胴部15の先端側には中心電極4を収容し、先端側胴部15より外径の小さい脚長部16が形成されている。絶縁体3は、絶縁体3における先端方向の端部が主体金具6の先端面から突出した状態で、主体金具6に固着されている。絶縁体3は、機械的強度、熱的強度、電気的強度を有する材料で形成されることが望ましく、このような材料として、例えば、アルミナを主体とするセラミック焼結体が挙げられる。
前記主体金具6は、円筒形状を有しており、絶縁体3を内装することにより絶縁体3を保持するように形成されている。主体金具6における先端方向の外周面にはネジ部17が形成されており、このネジ部17を利用して図示しない内燃機関のシリンダヘッドにスパークプラグ1が装着される。ネジ部17の後端側にはフランジ状のガスシール部18が形成され、このガスシール部18とネジ部17との間にはガスケット19がはめ込まれている。ガスシール部18の後端側にはスパナやレンチ等の工具を係合させるための工具係合部20、工具係合部20の後端側には加締め部21が形成されている。加締め部21及び工具係合部20の内周面と絶縁体3の外周面との間に形成される環状の空間にはリング状のパッキン22,23及び滑石24が配置され、絶縁体3が主体金具6に対して固定されている。主体金具6は、導電性の鉄鋼材料、例えば、低炭素鋼により形成されることができる。
端子金具5は、中心電極4と接地電極7との間で火花放電を行うための電圧を外部から中心電極4に印加するための端子である。端子金具5は、軸孔2の内径よりも外径が大きく、軸孔2から露出して、軸線O方向の後端側端面にその鍔型部の一部が当接する露出部25と、該露出部25の軸線O方向の先端側から先端方向に延在し、軸孔2内に収容される略円柱状の柱状部26とを有する。端子金具5は、低炭素鋼等の金属材料により形成されることができる。
前記中心電極4は、略棒状であり、外層27と該外層27の内部の軸心部に同心に埋め込まれるように形成されてなる芯部28とにより形成されている。中心電極4は、その先端が絶縁体3の先端面から突出した状態で絶縁体3の軸孔2内に固定されており、主体金具6に対して絶縁保持されている。芯部28は外層27よりも熱伝導率の高い材料により形成され、例えば、Cu、Cu合金、Ag、Ag合金、純Ni等を挙げることができる。外層15は、Ni合金等の中心電極4に使用される公知の材料で形成されることができる。
前記接地電極7は、例えば、略角柱体に形成されてなり、一端部が主体金具6の先端面に接合され、途中で略L字状に屈曲され、他端部が中心電極4の先端部との間に火花放電間隙Gを介して対向するように形成されている。前記接地電極7は、Ni合金等の接地電極7に使用される公知の材料で形成されることができる。この実施形態のスパークプラグ1における火花放電間隙Gは、中心電極4の先端部に設けられたチップ8と接地電極7の先端部に設けられたチップ9との間の最短距離であり、この火花放電間隙Gは、通常、0.3〜1.5mmに設定される。前記チップ8,9は、接地電極7と中心電極4との対向するそれぞれの先端部の少なくとも一方に設けられればよく、例えば、より高温になり易い接地電極7の先端部にチップ9が設けられ、中心電極4の先端部にチップ8が設けられていない場合には、接地電極7に設けられたチップ9と中心電極4との対向するそれぞれの対向面の間の最短距離が火花放電間隙Gとなる。
この発明のスパークプラグ1におけるチップ8,9は、元素群M(MはPt及びRhの少なくとも一種)を3質量%以上35質量%以下、元素群L(LはIr、Ru、及びPdの少なくとも一種)を0質量%以上15質量%以下含有し、前記元素群M及び前記元素群Lの含有量の合計が3質量%以上35質量%以下であり、Ni、前記元素群M、及び前記元素群Lの含有量の合計が少なくとも94質量%である。これらの条件を満たすNiの含有量は59質量%以上97質量%以下である。
前記チップ8,9は、一般に主成分として使用されている貴金属の代わりにNiの含有量を多くすることで、高価な貴金属の含有量を低減させることができる。
元素群Mは、高温環境下において耐酸化性及び耐火花消耗性に優れる材料である。したがって、元素群Mの含有量が多くなるほど、スパークプラグ1を実機で使用することによりチップ8,9が冷熱サイクル環境下に置かれたときにチップ8,9の体積の減少のし難さとして評価される耐消耗性が向上することが推測される。しかし、この推測に反して、チップ8,9の主成分が元素群Mでない場合には、元素群Mの含有量が多くなるほど、耐消耗性が向上するとは限らないことが明らかとなった。チップ8,9の主成分が元素群Mでない場合には、チップに突出物が形成されることがあり、この突出物の形成により、チップの消耗が進み易くなり、また火花放電間隙Gを維持し難くなることがあった。そこで、発明者らが鋭意検討した結果、前述したように、元素群M及び元素群Lの含有量、元素群Mと元素群Lとの合計含有量、Niと元素群Mと元素群Lとの合計含有量が特定の範囲内にあるときに、突出物の形成が抑制されることで、耐消耗性を有し、かつ火花放電間隙Gを維持でき、耐久性を有するスパークプラグ1を提供することができることを見出した。
元素群Mの含有量が3質量%未満であると、耐酸化性及び耐火花消耗性に優れた元素群Mの効果が発揮されず、チップ8,9の耐消耗性が劣ってしまう。さらに、元素群Mの含有量が3質量%未満であると、例えば、図2に示す突出物がチップ8,9に形成し易くなり、火花放電間隙Gが縮小してしまう。火花放電間隙Gが縮小すると、短絡するおそれがあり、短絡した場合には失火に到ってしまう。また、突出物が形成されると、高温の空気層に接する面積が増大し、チップ8,9が受熱した熱が接地電極7及び/又は中心電極4の方へ移動し難くなり、チップ8,9が過熱し易くなる。チップ8,9が過熱するとチップ8,9の消耗が激しくなるので、耐消耗性に劣ってしまう。
前記突出物は、次のように形成されると考えられる。実機における燃焼室内では温度の上昇及び下降が繰り返されるので、チップ8,9は冷熱サイクル環境下に置かれることになる。このような冷熱サイクル環境下にチップ8,9が置かれると、チップ8,9の主成分であるNiが粒界で酸化及び腐食し易くなり、前記粒界に酸化物及び腐食生成物が生じて内部応力が生じ易くなる。燃焼室内が高温になり、チップ8,9が高温下に置かれると、応力を緩和するように塑性変形及びクリープ変形が生じると考えられ、これらの変形によってチップ8,9の表面の隆起又はチップ8,9表面からの結晶粒の突き出しが発生し、これが図2に示す突出物であると考えられる。
元素群Mの含有量が3質量%以上35質量%以下、好ましくは5質量%以上30質量%以下であると、元素群Mは酸化及び腐食し難い元素であるので、Niの粒界での酸化及び腐食が抑制される。その結果、チップ8,9の表面における突出物の形成が抑制される。突出物の形成が抑制されると、突出物によるチップ8,9の過熱が抑制されることによりチップの消耗を抑制することができる。よって元素群Mの含有量が3質量%以上35質量%以下、特に5質量%以上30質量%以下であると、耐消耗性に優れ、かつ火花放電間隙を維持することができ、耐久性を有するスパークプラグ1を提供することができる。
元素群Mの含有量が35質量%を超えると、例えば、図2に示す突出物がチップ8,9に形成し易くなる。突出物が形成されると、前述したように、耐消耗性に劣り、火花放電間隙Gが縮小する。前記突出物は元素群Mの含有量が少ないときとは別の原因により形成されると考えられる。元素群Mの含有量が増加するほどNiの酸化及び腐食の絶対量を抑制することができる。一方で、チップ8,9の表面から深さ方向にNiの酸化及び腐食が進行していく。Niは元素群Mより酸化及び腐食し易いので、Niが選択的に消耗することで、元素群Mが濃化した層がチップ8,9の内部にまで形成される。元素群Mが濃化した層は酸化及び腐食の生じ易いNiの粒界付近で形成され易く、また、元素群Mが濃化した層とチップ8,9を形成する母材すなわちNiの含有量の多い層とでは、熱膨張率が異なることから、元素群Mが濃化した層が多量に形成されると、冷熱サイクル環境下に置かれたチップ8,9の内部に応力が生じる。この応力によってチップ8,9の表面の隆起又はチップ8,9表面からの結晶粒の突き出しが発生し、これが図2に示す突出物であると考えられる。また、元素群Mの含有量が多いと、チップ8,9の延性が低下して脆くなるので、元素群Mか濃化した層によってチップ8,9に割れなどが生じて、その割れを起点にチップ8,9が過熱して、さらに突出物が形成し易くなる。
元素群Lの含有量は、多くとも15質量%であるのが好ましく、1質量%以上10質量%以下であるのが特に好ましい。元素群LはNiより融点が高いので、元素群Lを適量含有することにより耐消耗性が向上する。元素群Lが15質量%を超えて含有されると、チップ8,9の延性が低下して脆くなるので、チップ8,9に割れが発生し易くなり、この割れを起点にしてチップ8,9が過熱し易くなり、突出物が形成し易くなる。突出物が形成されると、前述したようにチップ8,9の消耗が進み易くなり、火花放電間隙Gを維持し難くなる。
元素群Mの含有量が3質量%以上35質量%以下であり、元素群Lの含有量が0質量%以上15質量%以下、特に1質量%以上10質量%以下であるとき、元素群Mと元素群Lとの合計含有量が3質量%以上35質量%以下、特に4質量%以上35質量%以下であると、耐消耗性が向上し、火花放電間隙を維持することができる。元素群Mの含有量が5質量%以上30質量%以下であり、元素群Lの含有量が0質量%以上15質量%以下、特に1質量%以上10質量%以下であるとき、元素群Mと元素群Lとの合計含有量が5質量%以上30質量%以下、特に6質量%以上30質量%以下であると、より一層チップ8,9の耐消耗性が向上し、火花放電間隙を維持することができる。元素群Mと元素群Lとの合計含有量が3質量%未満であると、元素群Mの含有量が3質量%未満のときと同様の理由により、チップ8,9に突出物が形成され易くなり、耐消耗性に劣り、火花放電間隙Gを維持し難くなる。元素群Mと元素群Lとの合計含有量が35質量%を超えると、元素群Mの含有量が35質量%を超えたときと同様の理由により、突出物が形成され易くなる。したがって、耐消耗性に劣り、火花放電間隙Gを維持し難くなる。
元素群Sは0.2質量%以上6質量%以下、特に0.5質量%以上3質量%以下含有されるのが好ましい。元素群Sが適量含有されると突出物の形成が抑制される。元素群Sが適量含有されると突出物の形成が抑制される理由は、以下のように考えられる。元素群Sは、酸素と反応し易いので、粒界で優先的に酸化して酸化物を形成する。酸化物が粒界に適量存在することで、オイルや未燃焼燃料等のデポジットに含まれる腐食性元素及び酸素がチップ8,9の内部へ拡散するのを抑制することができる。その結果、Niの酸化及び腐食を抑制することができ、これによって突出物の形成を抑制することができる。
元素群Sの含有量が0.5質量%以上3質量%以下であると、突出物の形成をより一層抑制することができるので好ましい。元素群Sの含有量が6質量%を超えると、チップ8,9の熱伝導率が低下するので、突出物の形成を抑制できたとしても耐消耗性に劣ってしまうおそれがある。
元素群Mの含有量が5質量%以上30質量%以下、かつ、元素群Sの含有量が0.5質量%以上3質量%以下であると、突出物の形成をより一層抑制することができ、その結果、チップ8,9の過熱を抑制することによりチップ8,9の消耗を抑制し、火花放電間隙Gを維持することができるので、特に好ましい。
前記チップ8,9は、接地電極7と中心電極4との火花放電が発生する面に設けられる。この実施の形態のチップ8,9の形状は円柱状であるが、チップ8,9の形状は特に限定されず、円柱状、角柱状、及び板状等適宜の形状を採用することができる。また、前記チップ8,9は、前記接地電極7及び/又は中心電極4の表面に適宜の手法で溶接されることにより接合されても良いし、また接地電極7及び/又は中心電極4に設けられた穴又は切欠きに一部が埋設されるように接合されてもよい。
図3(a)は、チップが接合された接地電極の要部断面説明図である。図3(b)は、図3(a)に示すチップが接合された接地電極の表面と面一な面で切断したときのチップの切断面である。図3(a)及び(b)に示すように、前記チップ9が前記接地電極7の表面31に前記チップ9と前記接地電極7との溶融により形成されてなる溶融部32を介して接合されてなり、前記チップ9が接合された接地電極7を前記表面31と面一な面で切断したときに現れる切断面において、前記溶融部32と前記接地電極7との境界線33で囲まれた部分の面積Sが少なくとも0.7mmであるのが好ましく、少なくとも1.2mmであるのが特に好ましい。前記面積Sが少なくとも0.7mm、さらに少なくとも1.2mmであると、火花放電によりチップ9が受熱した熱が接地電極7へ移動し易くなり、チップ9が過熱されるのを抑制することができるので、耐消耗性をより向上させることができると共に、チップ9に突出物が形成されるのを抑制することができる。図3(a)では、チップ9が接地電極7に溶融部32を介して接合されている場合を示したが、チップ9と接地電極7とが溶融部32を介さずに直接に接合されていてもよく、このときの面積Sはチップ9と接地電極7との境界線で囲まれた部分である。また、チップ9と接地電極7とが一部は溶融部32を介し、その他の部分は溶融部32を介さずに直接に接合されていてもよく、このときの面積Sはチップ9と接地電極7との境界線及び溶融部32と接地電極7との境界線で囲まれた部分である。また、図3(a)では、接地電極7に接合されたチップ9を示したが、中心電極4に接合されるチップ8に関しても、接地電極の場合と同様に、前記面積Sが少なくとも0.7mmであるのが好ましく、少なくとも1.2mmであるのが特に好ましい。
前記溶融部32においてもまた、チップ8,9の表面に形成される突出物より少ないものの、突出物が形成されることがある。溶融部32に突出物が形成されると、チップ8,9が受熱した熱が接地電極7及び/又は中心電極4(以下において電極と称することがある。)へ移動し難くなるので、チップ8,9が過熱されることにより、チップ8,9に突出物が形成され易くなり、耐消耗性及び火花放電間隙Gを維持し難くなる。ところで、チップ8,9が元素群Sを適量含有すると、前述したように、突出物の形成が抑制される。一方、チップ8,9が元素群Sを含有すると、酸化物が形成され、この酸化物はチップ8,9内部の応力を増大させるので、チップ8,9が電極4,7から剥離し易くなる。チップ8,9の電極4,7からの剥離が進むと、チップ8,9の先端が過熱されて突出物が形成され易くなるので、元素群Sによる突出物の形成の抑制効果を発揮できなくなってしまう。元素群Sは、表面及び表面近傍のチップ内部のみで酸化物を形成してさえいればNiの酸化、腐食抑制の効果をもたらすことができるため、チップ内部深くまで酸化しないように酸化量を出来る限り抑えられる設計が最適である。そこで、前記面積Sを少なくとも0.7mm、さらに少なくとも1.2mmにすると、受熱した熱が接地電極7及び/又は中心電極4へ移動しやすくなるため、チップの表面温度が下がり、元素群Sのチップ8,9内部における酸化がチップ8,9のごく表面に抑制されて、内部応力の増大を防ぐことで剥離を防ぐことができ、Niの酸化、腐食についても抑制することができる。よって、前記面積Sが所望の面積を有していると、突出物の形成を抑制し、またチップ8,9の剥離を防ぎ、チップ8,9の過熱を抑制することで、耐消耗性を向上させ、火花放電間隙を維持することができる。
前記面積Sは、次のように測定することができる。チップ8,9が接合された電極4,7の表面31(以下において接合面と称することがある。)に面一な面で、チップ8,9が接合された電極4,7を切断し、得られた切断面をSEM(本体:日本電子株式会社製JSM-6490LA、検出器:日本電子株式会社製EX-94300S4L1Q)を用いて、組成像を撮影する、もしくはマッピング分析を行う。次いで、撮影された組成像もしくはマッピング写真を用いて、Adobe Photoshop CSなどの画像処理ソフトでチップ8,9及び/又は溶融部32と電極4,7との境界線33で囲まれた部分の面積を測定する。なお、チップ8,9の形状が前記接合面31から直交する方向に延在する柱状または前記接合面31に底面を有する錘状である場合には、上述したようにチップ8,9が接合された電極4,7を切断せずに、電極4,7の上方すなわち前記接合面31に直交する方向からチップ8,9をデジタルマイクロスコープ(キーエンス製VHX-2000)で撮影し、上記同様、Photoshopなどを用いて、溶融部32と電極4,7との境界線33により囲まれた部分の面積を測定することもできる。
前記チップ8,9は、Ni、元素群M、及び所望により含有される元素群Lを合計で94質量%以上と、所望により元素群Sを実質的に含有する。これらの各成分は、前述した各成分の含有率の範囲内で、これら各成分と前記成分以外の成分、例えば、Co、Fe、Re、Mo、及びTaと不可避不純物との合計が100質量%になるように含有される。Co、Fe、Re、Mo、及びTaと不可避不純物とは、本願発明の目的を達成することができる範囲内で含有されてもよく、元素群Sと合わせて多くとも6質量%含有されてもよい。
前記チップ8,9に含まれる各成分の含有率は、次のようにして測定することができる。すなわち、まずチップ8,9を切断して断面を露出させ、このチップ8,9の断面において任意の複数箇所(たとえば、5箇所)を選択し、EPMAを利用して、WDS(Wavelength Dispersive X-ray Spectrometer)分析を行うことにより、各々の箇所の質量組成を測定する。次に、測定した複数箇所の値の平均値を算出して、この平均値をチップ8,9の組成とする。なお、測定場所としては、チップ8,9と電極との溶融により形成されてなる溶接部32を除く。
前記スパークプラグ1は、例えば次のようにして製造される。まず、チップ8,9は、各成分の含有率が前述した範囲となるチップ材料を配合及び溶解して得られる溶解材を、例えば圧延により板材に加工し、その板材を打ち抜き加工により所定のチップ形状に打ち抜いて形成する方法、合金を圧延、鍛造又は伸線により線状又はロッド状の素材に加工した後に、これを長さ方向に所定長に切断して形成する方法等を採用することができる。また、材料の加工性によって、加工工程は熱間、もしくは冷間どちらかを適宜選定できる。
中心電極4及び/又は接地電極7は、例えば、真空溶解炉を用いて、所望の組成を有する合金の溶湯を調製し、線引き加工等して、所定の形状及び所定の寸法に適宜調整して、中心電極4及び/又は接地電極7を作製することができる。中心電極4はカップ状に形成したNi合金等からなる外材に、外材より熱伝導率の高いCu合金等からなる内材を挿入し、押し出し加工等の塑性加工にて、外層の内部に芯部を有する中心電極4を形成する。なお、この実施形態のスパークプラグ1の接地電極7は一種類の材料により形成されて成るが、接地電極7が中心電極4と同様に外層とこの外層の軸心部に埋め込まれるように設けられた芯部とにより形成されてもよく、この場合には中心電極4と同様にしてカップ状に形成した外材に内材を挿入し、押し出し加工等の塑性加工した後、略角柱状に塑性加工したものを、接地電極7にすることができる。
次いで、所定の形状に塑性加工等によって形成した主体金具6の端面に、接地電極7の一端部を電気抵抗溶接又はレーザ溶接等によって接合する。次いで、接地電極7が接合された主体金具6にZnめっき又はNiめっきを施す。Znめっき又はNiめっきの後に3価クロメート処理を行ってもよい。また、接地電極に施されためっきは剥離してもよい。
次いで、上述のように作製したチップ8,9を接地電極7及び中心電極4に抵抗溶接及び/又はレーザ溶接等により溶融固着する。抵抗溶接でチップ8,9を接地電極7及び/又は中心電極4に接合する場合には、例えば、チップ8,9を接地電極7及び/又は中心電極4の所定位置に設置して押し当てながら抵抗溶接を施す。レーザ溶接でチップ8,9を接地電極7及び/又は中心電極4に接合する場合には、例えば、チップ8,9を接地電極7及び/又は中心電極4の所定位置に設置し、チップ8,9の斜め上方からチップ8,9と接地電極7及び/又は中心電極4との接触部分を部分的に又は全周に渡ってレーザビームを照射する。なお、抵抗溶接をした後にレーザ溶接を施してもよい。
一方、セラミック等を所定の形状に焼成することによって絶縁体3を作製し、この絶縁体3の軸孔2内にチップ8が接合された中心電極4を挿設し、シール体10,11を形成するガラス粉末、抵抗体12を形成する抵抗体組成物、前記ガラス粉末をこの順に前記軸孔2内に予備圧縮しつつ充填する。次いで前記軸孔2内の端部から端子金具5を圧入しつつ抵抗体組成物及びガラス粉末を圧縮加熱する。こうして抵抗体組成物及びガラス粉末が焼結して抵抗体12及びシール体10,11が形成される。次いで接地電極7が接合された主体金具6にこの中心電極4等が固定された絶縁体3を組み付ける。最後に接地電極7の先端部を中心電極4側に折り曲げて、接地電極7の一端が中心電極4の先端部と対向するようにして、スパークプラグ1が製造される。
本発明に係るスパークプラグ1は、自動車用の内燃機関例えばガソリンエンジン等の点火栓として使用され、内燃機関の燃焼室を区画形成するヘッド(図示せず)に設けられたネジ穴に前記ネジ部17が螺合されて、所定の位置に固定される。この発明に係るスパークプラグ1は、如何なる内燃機関にも使用することができるが、希少で高価な貴金属の含有量を低減させても、冷熱サイクル環境下におけるチップ8,9の耐消耗性及び火花放電間隙を維持することができる。
この発明に係るスパークプラグ1は、前述した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、前記スパークプラグ1は、中心電極4の先端面と接地電極7の先端部における外周面とが、軸線O方向で、火花放電間隙Gを介して対向するように配置されているが、この発明において、中心電極の側面と接地電極の先端面とが、中心電極の半径方向で、火花放電間隙を介して対向するように配置されていてもよい。この場合に、中心電極の側面に対向する接地電極は、単数が設けられても、複数が設けられてもよい。
<スパークプラグ試験体の作製>
チップは、所定の組成を有するチップ材料を配合及び溶解して得られる溶解材を、鍛造により角柱状に加工し、その角柱を圧延、伸線加工などによって丸線として、所定の長さに切断することで円柱状のチップ形状に形成した。中心電極及び接地電極は、前述したように、所定の組成を有する合金の溶湯を調製し、線引き加工等して、所定の形状及び所定の寸法に適宜調整して作製し、Ni合金からなる外層とCu合金からなる芯部とにより形成される中心電極と、Ni合金からなる接地電極とした。
次いで、主体金具の一端面に接地電極を接合し、作製したチップを接地電極の主体金具が接合されていない接地電極の端部に抵抗溶接により接合した。一方、作製したチップを中心電極の先端部にレーザ溶接により接合した。一方、セラミックスを所定の形状に焼成することによって絶縁体を作製し、この絶縁体の軸孔内にチップが接合された中心電極を挿入し、ガラス粉末、抵抗体組成物、ガラス粉末の順に軸孔内に充填し、最後に端子金具を挿入して封着固定した。
次いで、接地電極が接合された主体金具に、中心電極が固定された絶縁体を組み付けて、最後に接地電極の先端部を中心電極側に折り曲げて、接地電極に接合されたチップと中心電極の先端面に接合されたチップとが対向するようにして、スパークプラグ試験体を製造した。
なお、製造されたスパークプラグ試験体のネジ径はM12であり、チップ間の最短距離を示す火花放電間隙Gは1.1mm、チップの直径は0.7mm、チップの高さは1.2mm、以下のようにして測定された面積Sは0.43mmであった。
面積Sは、電極のチップが接合されている接合面に直交する方向からチップをデジタルマイクロスコープ(キーエンス製VHX-2000)で撮影し、撮影された画像から、レーザ溶接する際に電極とチップとが溶融することにより形成された溶融部と電極との境界線により囲まれた部分の面積を測定した。
表1〜3に示されるチップの組成は、EPMA(日本電子株式会社製JXA-8500F)のWDS分析(加速電圧:20kV、スポット径:100μm)を行うことにより、質量組成を測定した。まず、チップを切断して断面を露出させ、このチップの断面において任意の5箇所を選択して測定した。次に、測定した5箇所の値の平均値を算出して、この平均値をチップの組成とした。
<机上火花消耗試験>
製造したスパークプラグ試験体を加圧条件0.6MPa、窒素流量0.5l/分の高圧チャンバに取り付け、周波数100Hzで250時間放電を行った。この試験前後の接地電極に接合されたチップの体積を投影機(東芝株式会社製 TOSCANER-32250μhd、170kV、100μAで測定。)で測定し、試験前の各種チップの体積から試験後の各種チップの体積を引いた値を消耗体積として、純Niの消耗体積を1とした場合の各種チップの消耗体積比(各種チップの消耗体積/Niの消耗体積)を用いて評価した。結果を表1〜表3に示す。

0:消耗体積比が0.95以上のとき
1:消耗体積比が0.85以上0.95未満のとき
2:消耗体積比が0.75以上0.85未満のとき
3:消耗体積比が0.75未満のとき
<実機耐久試験>
製造したスパークプラグ試験体を、試験用のエンジン(排気量2000cc、6気筒)に取り付け、スロットル全開で1分間、アイドリング状態で1分間というサイクルの運転を100時間繰り返す耐久試験を行った。
(突出物の評価)
実機耐久試験前の接地電極に接合されたチップの輪郭を前述の投影機でトレースし、運転時間が25時間経過する毎にチップの輪郭をトレースし、それぞれのトレース図面を得た。図4は実機耐久試験前後における、突出物の突出高さを説明する説明図である。図4に示すように、まず、実機耐久試験前の接地電極の接合面から先端面(点線)までの接合面に直交するX方向の距離hをトレース図面を用いて測定した。次いで、実機耐久試験25時間経過毎に接地電極の接合面から突出物の先端までのX方向の距離fをトレース図面を用いて測定し、25時間経過毎に測定した測定値のうち最も値の大きい測定値を採用した。突出長さdは、採用した前記距離fと前記距離hとの差を算出することにより求め、以下の基準にしたがって評価した。結果を表1〜表3に示す。

0:突出長さが0.50mm以上のとき
1:突出長さが0.45mm以上0.50mm未満のとき
2:突出長さが0.40mm以上0.45mm未満のとき
3:突出長さが0.35mm以上0.40mm未満のとき
4:突出長さが0.20mm以上0.35mm未満のとき
5:突出長さが0.10mm以上0.20mm未満のとき
6:突出長さが0.05mm以上0.10mm未満のとき
7:突出長さが0.05mm未満のとき
(耐消耗性の評価)
実機耐久試験前後の接地電極に接合されたチップの体積を、前述した投影機で測定し、試験前のチップの体積に対する試験後のチップの体積の比を算出して、この算出値を消耗体積比として以下の基準にしたがって評価した。結果を表1〜表3に示す。

0:消耗体積比が0.95以上のとき
1:消耗体積比が0.85以上0.95未満のとき
2:消耗体積比が0.75以上0.85未満のとき
3:消耗体積比が0.70以上0.75未満のとき
4:消耗体積比が0.70未満のとき
Figure 0005325947
Figure 0005325947
Figure 0005325947
<面積Sの違いによる評価>
円柱状のチップの直径及び高さを変化させたこと以外は、前述したスパークプラグ試験体の製造方法と同様にしてスパークプラグ試験体を作製し、実機耐久試験を行い、突出物の評価及び耐消耗性の評価を同様にして行った。結果を表4に示す。
Figure 0005325947
表1〜表4における判定は、「突出物の評価」と「耐消耗性の評価」とのそれぞれの評価数値を加算することにより、行った。「突出物の評価」と「耐消耗性の評価」とのいずれかの評価数値が「0」である場合には、判定を「0」とした。
本願発明の範囲に含まれるチップを備えたスパークプラグは、表1〜表3に示されるように、耐消耗性評価及び突出物の評価のいずれもが良好だった。したがって、実機耐久試験前後において火花放電間隙Gをほぼ維持することができた。
一方、本願発明の範囲外にあるチップを備えたスパークプラグは、表1〜表3に示されるように、耐消耗性評価及び突出物の評価の少なくとも一方が劣っていた。
表4に示されるように、面積Sが0.7mm以上であると、突出物の形成がより一層抑制され、面積Sが1.2mm以上であると、耐消耗性がより一層向上した。
1 スパークプラグ
2 軸孔
3 絶縁体
4 中心電極
5 端子金具
6 主体金具
7 接地電極
8,9 チップ
10,11 シール体
12 抵抗体
13 鍔部
14 後端側胴部
15 先端側胴部
16 脚長部
17 ネジ部
18 ガスシール部
19 ガスケット
20 工具係合部
21 加締め部
22,23 パッキン
24 滑石
25 露出部
26 柱状部
27 外層
28 芯部
31 表面、接合面
32 溶融部
33 境界線
34 突出物
G 火花放電間隙

Claims (7)

  1. 中心電極、前記中心電極との間に間隙を設けて配置された接地電極、及び前記接地電極と前記中心電極との対向するそれぞれの先端部の少なくとも一方に設けられたチップ、を備えるスパークプラグであって、
    前記チップは、元素群M(MはPt及びRhの少なくとも一種)を3質量%以上35質量%以下、元素群L(LはIr、Ru、及びPdの少なくとも一種)を0質量%以上15質量%以下含有し、前記元素群M及び前記元素群Lの含有量の合計が多くとも35質量%であり、Ni、前記元素群M、及び前記元素群Lの含有量の合計が少なくとも94質量%であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記チップは、元素群S(SはSi、Al、Ti、Cr、Mnの少なくとも一種)を0.2質量%以上6質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記元素群Mを5質量%以上30質量%以下含有し、前記元素群M及び前記元素群Lの含有量の合計が多くとも30質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記元素群Lを1質量%以上10質量%以下含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  5. 前記元素群Sの含有量が0.5質量%以上3質量%以下であることを特徴とする請求項に記載のスパークプラグ。
  6. 前記チップが前記接地電極及び/又は前記中心電極(以下において電極と称する。)の表面に、前記チップと前記電極との溶融により形成されてなる溶融部を介さずに、もしくは前記チップの少なくとも一部が前記溶融部を介して接合されており、前記チップが接合された電極を前記表面と面一な面で切断したときに現れる切断面において、前記チップ及び/又は前記溶融部と前記電極との境界線で囲まれた部分の面積Sが少なくとも0.7mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  7. 前記面積Sが少なくとも1.2mmであることを特徴とする請求項に記載のスパークプラグ。
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