JP5619843B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

この発明は、スパークプラグに関し、特に、中心電極及び接地電極の少なくとも一方にチップが設けられたスパークプラグに関する。
自動車エンジン等の内燃機関の点火用に使用されるスパークプラグは、一般に、筒状の主体金具と、この主体金具の内孔に配置される筒状の絶縁体と、この絶縁体の先端側内孔に配置される中心電極と、一端が主体金具の先端側に接合され、他端が中心電極との間に火花放電間隙を有する接地電極とを備える。そして、スパークプラグは、内燃機関の燃焼室内で、中心電極の先端部と接地電極の先端部との間に形成される火花放電間隙に火花放電され、燃焼室内に充填された燃料を燃焼させる。
中心電極及び接地電極を形成する材料としては、Ni合金等が一般に使用される。Ni合金は、耐酸化性及び耐消耗性に関してPt及びIr等の貴金属を主成分とした貴金属合金に比べると多少劣るものの、貴金属に比べて安価であるため接地電極及び中心電極を形成する材料として好適に使用される。
近年、高出力化及び燃費向上を図るために燃焼室内の温度を高くする傾向にあり、また、着火性向上のために火花放電間隙を形成する放電部を燃焼室の内部に突き出させるように配置するエンジンが使用されるようになってきている。このような状況では、スパークプラグの放電部が高温に曝されるので、放電部を形成する中心電極及び接地電極の酸化消耗が進みやすくなる。そこで、中心電極と接地電極との対向するそれぞれの先端部にチップを設け、このチップで火花放電が生じるようにすることで、中心電極及び接地電極の酸化消耗を抑制する方法が開発されている。
例えば、特許文献1には、「・・前記中心電極および/または前記接地電極の先端部の放電部位に貴金属チップを接合した内燃機関用スパークプラグにおいて、前記貴金属チップは、Ir−Rh合金からなり、Rh添加量が1wt%〜60wt%の範囲であることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。」(特許文献1の請求項1参照。)が記載されている。この内燃機関用スパークプラグにおける貴金属チップでは、高融点であるIrにより耐消耗性が向上し、IrにRhが添加されることでIrの高温での揮発消耗が防止されることが開示されている(特許文献1の段落番号0022参照。)。
特許文献2には、「・・上記貴金属部材は、Irを主成分とし、Rhを6.5質量%以上43質量%以下と、Ruを5.2質量%以上41質量%以下と、Niを0.4質量%以上19質量%以下と、を含むスパークプラグ。」(特許文献2の請求項1参照。)が記載されている。このスパークプラグにおける貴金属部材では、高融点であるIrを主成分としているので耐熱性が良好であり、Rhが所定量添加されているので高温時でもIrの揮発消耗を抑制することができ、Niが所定量添加されているので使用条件によって貴金属部材に発生することのあるえぐれ状の異常消耗を抑制することができ、Ruが所定量添加されているので貴金属部材の消耗や粒状物の付着を生じる発汗現象の発生、及び、さらにこれが進行した剥離現象の発生を抑制することができることが開示されている(特許文献2の段落番号0011及び0012参照。)。
特許文献3には、高温でのIr成分の酸化・揮発による消耗が起こりにくく、ひいては耐久性に優れたスパークプラグを提供することを課題として(特許文献3の段落番号0004参照。)、火花放電ギャップを形成する発火部が、Irを主体に構成されるとともに、ビッカース硬度がHv400以下となる領域が、その表面から0.05mm以上の厚さで形成され、その断面組織を観察したときにその断面上に表れる粒子の最大径dmaxに対する最小径dminの比dmin/dmaxの平均値が0.7以上であるスパークプラグが開示されている(特許文献3の請求項1及び2参照。)。Irを主体とする金属素材に圧延、鍛造、切削、切断、打抜き等の加工を経て製造されたチップは、塑性加工による歪が相当程度に残留して加工硬化を起こしており、特に歪残留の程度が大きい表層部領域は硬度が相当に高くなっている。このようなチップでそのまま発火部を形成すると、Ir成分の酸化・揮発による消耗が進行し易いので、該チップに900〜1700℃で焼鈍を施して、ビッカース硬度がHv400以下となる所定厚さの表層部領域が形成されるように、チップを軟化させることで、Ir成分の酸化・揮発が効果的に抑制されることが開示されている(特許文献3の段落番号0008〜0010参照。)。また、上述したように加工硬化されたチップの素材における粒子は加工方向に大きく引き伸ばされ、上記dmin/dmaxはかなり小さい値を示す。しかし、前述の焼鈍を施せば再結晶が進んでdmin/dmaxは次第に大きくなり、発火部のIr成分の酸化・揮発が一層効果的に抑制されることが開示されている(特許文献3の段落番号0012参照。)。
特許文献4には、チップ長さにわたる、柱状の結晶を有し、加工後の硬度とその使用条件を模した、1100℃、20hrの熱処理後の硬度との比である硬化率[(加工後の硬度Hv)/(使用条件を模した、1100℃、20hrの熱処理後の硬度Hv)×100(%)]が、130%以下 である内燃機関用プラグ電極材料が記載されている(特許文献4の請求項1及び2参照。)。高温酸化消耗に対する抑制効果を向上した内燃機関用プラグ電極材料としては、「結晶粒が粗大であると共にその形状が長いこと、また、その使用温度条件下で再結晶が進行しないように、加工ひずみが残存しないことが必要となる。」(特許文献4の段落番号0011参照。)と記載されている。
特開平9−7733号公報 特許第4402046号公報 特開平11−154583号公報 特開2010−218778号公報 特許第3672718号公報
ところで、近年、過給器付きのエンジンの適用、燃費向上を目的としたさらなる着火性改善が求められており、点火コイルのエネルギーも大きいものが適用されつつあることから、高温下における酸化消耗だけでなく、高火花エネルギー条件で使用されるスパークプラグにおけるチップの火花放電面の酸化消耗及び火花消耗を抑制することが重要になっている。
この発明は、中心電極及び接地電極の少なくとも一方にチップが設けられたスパークプラグにおいて、前記チップの火花放電面の酸化消耗及び火花消耗を抑制することで、耐久性に優れたスパークプラグを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、
[1] 軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、前記軸孔の先端側に配置される中心電極と、前記軸孔の後端側に配置される端子金具と、前記中心電極と前記端子金具と前記軸孔内で電気的に接続する接続部と、前記絶縁体を収容する主体金具と、一端部が前記主体金具の先端部に接合されると共に他端部が前記中心電極と間隙を設けて配置された接地電極とを備えるスパークプラグであって、
前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方には前記間隙を形成するチップを有し、
前記チップは、IrとRhとRuとを全質量に対して合計で95質量%以上含有し、Rh及びRuの含有率(Rh,Ru)(質量%)が各点A(6,1)、B(6,15)、C(33,18)、D(33,4)、A(6,1)をこの順に結ぶ線分で囲まれた領域内(線上を含む。)にあり、
前記チップを前記軸線を含む平面で切断したときの切断面におけるビッカース硬度をHas、前記チップをAr雰囲気の炉内に1300℃で10時間維持した後に冷却した後に測定した、前記チップの前記切断面におけるビッカース硬度をHanとしたとき、1.5≦Has/Han≦2.2
を満たすことを特徴とするスパークプラグである。
(尚、「冷却」とは、Arを2L/minで流しながら加熱した状態から前記炉内の加熱を止め、加熱を止めた後も同じようにArを前記炉内に流すことで行う。)
前記[1]の好ましい態様は、
[2] 前記チップは、Rh及びRuの含有率(Rh,Ru)(質量%)が各点E(11,4)、F(11,14)、G(31,16)、H(31,6)、E(11,4)をこの順に結ぶ線分で囲まれた領域内(線上を含む。)にある。
[3] 前記チップは、Rh及びRuの含有率(Rh,Ru)(質量%)が各点I(15,7)、J(15,13)、K(27,14)、L(27,8)、I(15,7)をこの順に結ぶ線分で囲まれた領域内(線上を含む。)にある。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載のスパークプラグにおいて、前記中心電極は、前記接続部に接する後端部と前記後端部から先端側に延びる棒状部とを有し、
(1)前記棒状部における同径の部位のうち前記軸線方向の長さが最も長い胴部の直径dが大きくとも2.25mmであり、
(2)前記棒状部と前記主体金具との前記軸線に直交する方向の距離hが3mm以下である領域の前記軸線方向の長さHが少なくとも9mmである。
この発明によると、前記チップがIrとRhとRuとを特定の割合で含有し、硬度比(Has/Han)が特定の範囲にあるので、チップの火花放電面の酸化消耗と火花消耗とを抑制することができることにより、耐久性を有するスパークプラグを提供することができる。
中心電極における直径dが小さいと、火花放電により生じた熱をチップから中心電極及び絶縁体へと伝達し難くなるので、チップが高温化して、酸化消耗のみならず、火花消耗し易くなる。また、中心電極と主体金具との距離hの小さい領域の前記軸線方向の長さHが大きいと、中心電極に蓄えられる電荷量が増大し、容量放電エネルギーが大きくなり、チップが酸化消耗のみならず、火花消耗し易くなる。この発明におけるチップは、前記直径dが大きくとも2.25mmであり、前記距離hが3mm以下である領域の前記軸線方向の長さHが少なくとも9mmという耐酸化性及び耐火花消耗性に対して厳しい構造を有するスパークプラグに備えられると、放電部付近の酸化消耗及び火花消耗を抑制する効果が高い。
図1は、この発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグの一部断面全体説明図である。 図2は、図1に示すスパークプラグにおける要部を示す要部断面説明図である。 図3は、チップにおけるビッカース硬度を測定する位置を示す断面説明図である。 図4は、チップに含有されるRhとRuとの質量割合の関係を示す図である。
この発明に係るスパークプラグは、前記軸孔の先端側に配置される中心電極と、前記軸孔の後端側に配置される端子金具と、前記中心電極と前記端子金具と前記軸孔内で電気的に接続する接続部と、前記絶縁体を収容する主体金具と、一端部が前記主体金具の先端部に接合されると共に他端部が前記中心電極と間隙を設けて配置された接地電極とを備える。この発明に係るスパークプラグは、このような構成を有するスパークプラグであれば、その他の構成は特に限定されず、公知の種々の構成を採ることができる。
この発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグを図1及び図2に示す。図1はこの発明に係るスパークプラグの一実施例であるスパークプラグ1の一部断面全体説明図である。図2は、図1に示すスパークプラグにおける要部を示す要部断面説明図である。なお、図1及び図2では紙面下方を軸線Oの先端方向、紙面上方を軸線Oの後端方向として説明する。
このスパークプラグ1は、図1及び図2に示されるように、軸線O方向に延びる軸孔2を有する略円筒形状の絶縁体3と、前記軸孔2内の先端側に配置された略棒状の中心電極4と、前記軸孔2内の後端側に配置された端子金具5と、前記中心電極4と前記端子金具5とを前記軸孔2内で電気的に接続する接続部6と、前記絶縁体3を保持する略円筒形状の主体金具7と、一端部が前記主体金具7の先端部に接合されると共に他端部が前記中心電極4と間隙Gを介して対向するように配置された接地電極8とを備え、前記中心電極4はその先端面にチップ9が設けられている。
前記絶縁体3は、略円筒形状を有しており、端子金具5を収容し、端子金具5と主体金具7とを絶縁する後端側胴部11と、該後端側胴部よりも先端側において径方向外向きに突出した大径部12と、該大径部12の先端側において接続部6を収容し、大径部12よりも外径の小さい先端側胴部13と、この先端側胴部13の先端側において中心電極4を収容し、先端側胴部13より外径及び内径の小さい脚長部14とを備えている。先端側胴部13と脚長部14との内周面は棚部15を介して接続され、この棚部15に後述する中心電極4の鍔部16が当接するように配置され、中心電極4が軸孔2内に固定されている。先端側胴部13と脚長部14との外周面は段部17を介して接続され、この段部17に後述する主体金具7のテーパ部18が板パッキン19を介して当接し、絶縁体3が主体金具7に対して固定されている。絶縁体3は、絶縁体3における先端方向の端部が主体金具7の先端面から突出した状態で、主体金具7に固定されている。絶縁体3は、機械的強度、熱的強度、電気的強度を有する材料で形成されることが望ましく、このような材料として、例えば、アルミナを主体とするセラミック焼結体が挙げられる。
前記絶縁体3の軸孔2内には、その先端側に中心電極4、後端側に端子金具5、中心電極4と端子金具5との間には中心電極4及び端子金具5を軸孔2内に固定するための接続部6とが設けられている。前記接続部6は、伝播雑音を低減するための抵抗体21と、該抵抗体21と中心電極4との間に設けられた第1シール体22と、該抵抗体21と端子金具5との間に設けられた第2シール体23とにより形成されている。抵抗体21は、ガラス粉末、非金属導電性粉末及び金属粉末等を含有する組成物を焼結して形成され、その抵抗値は通常100Ω以上である。第1シール体22及び第2シール体23は、ガラス粉末及び金属粉末等を含有する組成物を焼結して形成され、その抵抗値は通常100mΩ以下である。この実施態様における接続部6は、抵抗体21と第1シール体22と第2シール体23とにより形成されているが、抵抗体21と第1シール体22と第2シール体23の少なくとも1つにより形成されていてもよい。
前記主体金具7は、略円筒形状を有しており、絶縁体3を内装することにより絶縁体3を保持するように形成されている。主体金具7における先端方向の外周面にはネジ部24が形成されており、このネジ部24を利用して図示しない内燃機関のシリンダヘッドにスパークプラグ1が装着される。前記主体金具7は、ネジ部24の後端側にフランジ状のガスシール部25を有し、ガスシール部25の後端側にスパナやレンチ等の工具を係合させるための工具係合部26、工具係合部26の後端側に加締め部27を有する。加締め部27及び工具係合部26の内周面と絶縁体3の外周面との間に形成される環状の空間にはリング状のパッキン28,29及び滑石30が配置され、絶縁体3が主体金具7に対して固定されている。ネジ部24は、その内周面における先端側に絶縁体3の脚長部14に対して空間を有するように配置された先端側内周面31と、該先端側内周面31より後端側に径方向内向きに突出する突起部32と、該突起部32より後端側にこれより内径が小さく、絶縁体3の先端側胴部13を取り囲むように配置された後端側内周面33とを有する。前記突起部32は、その後端側にテーパ状に拡径するテーパ部18を有し、テーパ部18と絶縁体3の段部17とが環状の板パッキン19を介して当接している。前記突起部32の軸線O方向長さt、すなわち前記先端側内周面31から後端側に向かって径方向内向きに縮径し始める点と前記後端側内周面33から先端側に向かって径方向内向きに縮径し始める点との距離tは、通常1.8〜3.0mmに設定される。主体金具7は、導電性の鉄鋼材料、例えば、低炭素鋼により形成されることができる。
端子金具5は、中心電極4と接地電極8との間で火花放電を行うための電圧を外部から中心電極4に印加するための端子であり、絶縁体3の後端側からその一部が露出した状態で軸孔2内に挿入されてシール体11により固定されている。端子金具5は点火コイルによって電圧が印加される(図示なし。)。例えば、点火コイルによって端子金具5に高電圧が印加され、チップ9と接地電極8との間に高電流が流れることで高い火花エネルギーの火花放電が生じる。火花エネルギーは、通常10〜60mJであり、この発明におけるチップを備えたスパークプラグは、70mJ以上という高火花エネルギーであっても、放電部付近の酸化消耗及び火花消耗を抑制することができる。端子金具5は、低炭素鋼等の金属材料により形成されることができる。
前記中心電極4は、前記接続部6に接する後端部34と、前記後端部34から先端側に延びる棒状部35と、該棒状部35の先端面に接合されたチップ9とを有する。後端部34は、径方向外向きに突出する鍔部16と該鍔部16から後端側に延びる頭部36とを有する。該鍔部16が絶縁体3の棚部15に当接するように配置され、軸孔2内周面と後端部34の外周面との間に第1シール体22が充填されていることで、中心電極4は、その先端が絶縁体3の先端面から突出した状態で絶縁体3の軸孔2内に固定され、主体金具7に対して絶縁保持されている。棒状部35は円柱状に軸線O方向に延びる胴部37とその先端に円錐台形状の先端部38とを有し、該先端部38にチップ9が接合されている。中心電極4における後端部34と棒状部35とは、Ni合金等の中心電極4に使用される公知の材料で形成されることができる。中心電極4は、Ni合金等により形成される外層と、Ni合金よりも熱伝導率の高い材料により形成され、該外層の内部の軸心部に同心に埋め込まれるように形成されてなる芯部とにより形成されてもよい。芯部を形成する材料としては、例えば、Cu、Cu合金、Ag、Ag合金、純Ni等を挙げることができる。
前記チップ9は、後述する特性を有する材料により形成され、円柱形状及び角柱形状等適宜の形状を有することができる。前記チップ9は、レーザ溶接及び抵抗溶接等の適宜の方法により棒状部35の先端面に接合される。
前記接地電極8は、例えば、略角柱形状に形成されてなり、一端部が主体金具7の先端部に接合され、途中で略L字状に屈曲され、他端部が中心電極4の先端部との間に間隙Gを介して対向するように形成されている。前記接地電極8は、Ni合金等の接地電極8に使用される公知の材料で形成されることができる。この実施形態のスパークプラグ1における間隙Gは、中心電極4の先端部に設けられたチップ9と接地電極8との間の最短距離であり、この間隙Gは、通常、0.3〜1.5mmに設定される。チップは、中心電極4と接地電極8との両方に設けられていてもよく、少なくとも一方のチップが後述する特性を有する材料により形成されたチップにより形成されていればよく、他方のチップはチップとして用いられる公知の材料で形成されてもよい。接地電極8の先端部にチップが設けられている場合には、接地電極8に設けられたチップと中心電極4に設けられたチップ9との対向するそれぞれの対向面の間の最短距離が間隙Gとなり、この間隙Gで火花放電が生じる。
次に、この発明の特徴部分である中心電極4に設けられたチップ9について、さらに詳しく説明する。
特許文献3及び特許文献4に示されているように、これまで、歪の残留の程度の大きいチップは、酸化消耗が進行し易く、焼鈍により再結晶が進んだ粒状の結晶組織は酸化消耗が抑制されると考えられていた。また、これまで、チップを形成する材料の融点が高い程、また熱伝導率が高い程、耐火花消耗性に有利であると考えられてきた。この点からすると、歪の残留の程度の大きいチップは、歪の残留の程度が小さいチップや歪の残留していない再結晶組織からなるチップに比べて熱伝導率が低くなるため、耐火花消耗性に対して不利であると考えられる。また、従来から考えられている火花消耗のメカニズムとしては、チップ表面から原子が弾き飛ばされるスパッタリング及びチップ表面の金属の溶融及び蒸発等が挙げられる。歪の残留の程度の大きいチップは、熱力学的に不安定な状態にあるので、スパッタリング及び金属の溶融及び蒸発が進みやすく、消耗し易いと考えられる。したがって、どのような組成の材料によりチップが形成されたとしても、歪の残留の程度の小さいチップや再結晶組織からなるチップが、耐酸化性及び耐火花消耗性に有利であると考えられる。
しかしながら、発明者らが検討したところ、歪の残留の程度の小さいチップや再結晶組織からなるチップは、高温下における耐酸化性に優れる結果として、耐久性に優れるスパークプラグが得られるが、高火花エネルギー条件下では、耐火花消耗性に劣り、その結果、耐久性に劣るスパークプラグとなってしまうことが分った。
さらなる検討の結果、特定の組成範囲にあり、一定の歪を有するチップ9とすることで、高火花エネルギー条件下で使用されるスパークプラグであっても、火花放電面の耐酸化性を維持しつつ耐火花消耗性が向上し、それによって耐久性に優れるスパークプラグを提供することができることが分った。
この発明におけるチップ9は、前記チップ9を前記軸線Oを含む平面で切断したときの切断面におけるビッカース硬度をHasとし、前記チップ9を炉内に載置して、Arを2L/分で流しつつ加熱して、1300℃で10時間維持した後に加熱を止め、加熱を止めた後もArを2L/分で流し続けた状態で自然冷却した(以下において、加熱処理と称することがある。)後に炉内から取り出して測定した、前記チップ9の前記切断面におけるビッカース硬度をHanとしたとき、1.5≦Has/Han≦2.2 を満たす。
Hanに対するHasの比である硬度比(Has/Han)は、チップに残留する歪の程度を示している。後述する工程を経て形成されたチップは、特定の組成を有し、ある一定の歪を有する。得られたチップはチップの組成等に応じて決まる硬度と歪の残留の程度に応じて決まる硬度とを合わせた結果としての硬度(Has)を示す。このチップを加熱処理すると、歪が完全に除去され、粒状の再結晶組織となる。よって、加熱処理後のチップの硬度(Han)の値は、チップの組成等に応じて決まる硬度と歪の残留していないときの硬度とを合わせた結果としての硬度を示す。したがって、チップの硬度の比(Has/Han)は、歪の残留していないチップの硬度(Han)に対する歪を有するチップの硬度(Has)の比を示し、チップに残留する歪の程度の指標となる。
硬度比(Has/Han)が前記範囲にあるチップは、一定の歪を有する。前記加熱処理後のチップは、再結晶が起こることで歪が完全に除去される。
前記硬度比(Has/Han)が前記範囲内にあると、スパークプラグを高火花エネルギー条件下で使用しても、チップに残留している歪が除去されにくい。チップに一定の歪が残留していると火花消耗を抑制することができ、それによって、耐久性に優れたスパークプラグを提供することができる。チップが一定の歪を有することで、火花消耗を抑制できる理由は次のように推定される。火花放電の際には、チップの火花放電面に非常に大きな熱エネルギーが投入されるので、チップの火花放電面は局所的に非常に高温になる。そのため、高温下における金属の酸化及び金属の溶融及び蒸発によりチップが消耗する。また、火花放電によりスパッタリングが生じ、また火花放電の衝撃によりチップの火花放電面に変形が生じ、そのため金属の塊の一部が脱落し、火花消耗が加速すると考えられる。一定の歪が残留しているチップは高い強度を有する。すなわち、一定の歪が残留しているチップは、歪の残留していないチップよりもその降伏応力が大きくなり、火花放電の衝撃により、降伏応力以上の応力が加わった際の塑性変形量が少なくなるので、金属の塊が脱落し難く、火花消耗が抑制されると考えられる。一方、歪の残留の程度が小さいチップや歪が完全に除去された再結晶組織からなるチップは、相対的に降伏応力が小さくなり、降伏応力以上の応力が加わった際の塑性変形量が大きくなるので、金属の塊が脱落し易くなると考えられる。
前記硬度比(Has/Han)が1.5より小さいと、チップに残留している歪の程度が小さいので、火花放電の衝撃によりチップの火花放電面が変形し、金属が脱落し易くなり、耐火花消耗性に劣る。前記比(Has/Han)が2.2より大きいと、チップに残留している歪が多すぎ、再結晶温度が下がる。このため、実機耐久のような高温の燃焼ガス下及び高火花エネルギー条件下で使用すると、火花放電によって広範囲にわたって歪が除去されてしまうので、上述したように、耐火花消耗性に劣る。
もちろん、チップの組成によって決まる融点や熱伝導率等により、耐火花消耗性は異なるので、理想的な組成範囲はあるが、組成範囲を好適化(耐酸化性や耐火花消耗性を最適化)するだけでは不十分であり、特定の組成範囲で一定の歪を有するチップとすることで、火花放電面の酸化消耗や火花消耗を抑制し、その結果、耐久性に優れたスパークプラグを提供することができる。
チップ9におけるビッカース硬度Has及びHanは、次のようにして測定することができる。図3は、チップ9におけるビッカース硬度を測定する位置を示す断面説明図である。まず、チップ9を中心軸線Oを含む平面で切断し、この切断面Sにおいて、前記中心軸線O上であって、火花放電を受ける面(火花放電面)を示す先端縁Tから内部に0.05mmの位置を測定点とし、この点から径方向両側に0.1mm間隔で複数の測定点を採る。さらに前記中心軸線O上であって、先端縁Tから内部に0.15mmの位置において、同様にして、径方向両側に0.1mm間隔で複数の測定点を採る。ビッカース硬度は、これらの複数の測定点において、ビッカース硬度計により荷重1N、保持時間10秒としたこと以外は、JIS Z 2244 に準拠して測定する。これらの複数の測定値の算術平均値を算出し、これをビッカース硬度Hasとする。なお、測定によって形成される圧痕がチップ9と中心電極4との溶融により形成されて成る溶融部上にある場合及びチップ9の火花放電面を示す先端縁Tから0.05mm以内の領域にある場合には、測定値から除く。ビッカース硬度Hanは、ビッカース硬度Hasを測定するのに使用した半割のチップとは異なる他方の半割のチップを、電気炉等の炉内に載置して、前記加熱処理を行った後に、ビッカース硬度Hasの場合と同様にしてビッカース硬度を測定する。
硬度比(Has/Han)が前記範囲内にあるチップは、繊維状の結晶組織を有しており、その繊維は軸線O方向に配向している場合もあるし、軸線Oに直交する方向に配向している場合もある。歪が完全に除去されたチップは粒状の再結晶組織を有する。前記チップ9の結晶組織は、金属顕微鏡により確認することができる。
この発明におけるチップ9は、IrとRhとRuとを全質量に対して合計で95質量%以上含有し、Rh及びRuの含有率(Rh,Ru)(質量%)が各点A(6,1)、B(6,15)、C(33,18)、D(33,4)、A(6,1)をこの順に結ぶ線分で囲まれた領域内(線上を含む。)にある(図4参照。)。前記チップが、上述したように、一定の歪を有し、また、その組成が前記範囲内にあると、火花放電面の耐酸化性を維持しつつ耐火花消耗性を向上させることができるので、耐久性に優れたスパークプラグを提供することができる。
この発明におけるチップ9は、IrとRhとRuとを全質量に対して合計で95質量%以上含有し、Rh及びRuの含有率(Rh,Ru)(質量%)が各点E(11,4)、F(11,14)、G(31,16)、H(31,6)、E(11,4)をこの順に結ぶ線分で囲まれた領域内(線上を含む。)にあるのが好ましく、IrとRhとRuとを全質量に対して合計で95質量%以上含有し、Rh及びRuの含有率(Rh,Ru)(質量%)が各点I(15,7)、J(15,13)、K(27,14)、L(27,8)、I(15,7)をこの順に結ぶ線分で囲まれた領域内(線上を含む。)にあるのが特に好ましい(図4参照。)。
前記チップ9は、Irを主成分として含むIr合金である。ここで、主成分とはチップ9に含有される成分の中で最も含有率の多い成分のことをいう。Irの含有率は、チップ全質量に対して44質量%以上93質量%以下であり、IrとRhとRuとの合計質量が95質量%以上100質量%以下となる範囲で、前記RhとRuとの含有率に応じて適宜設定される。Irは、融点が2454℃という高融点の材料であり、耐火花消耗性に優れる。
前記チップ9は、Rhを前記範囲の割合で含有する。Rhが含まれると、燃焼雰囲気と接するチップ表面からIrが酸化揮発し難くなるので、純Irにより形成されるチップよりも放電部付近の耐酸化性が向上する。Rhの含有率が低すぎると、放電部付近の耐酸化性を維持することができない。Rhの含有率が高すぎると、再結晶温度が低下するので歪が除去されやすく、また相対的にIrの含有率が減るので、高融点であるIrの特性が生かされず、耐火花消耗性に劣る。
前記チップ9は、Ruを前記範囲の割合で含有する。Irを主成分としてRhを含有するチップは、放電部付近の耐酸化性が向上する一方で、再結晶温度が下がるので、歪が除去されやすくなる。しかし、Ir及びRhに加えてRuを含有すると、材料自体の降伏応力が大きくなるだけでなく、再結晶温度も高くなり、歪の除去を防ぐことができる。一般に、Irに所定量以上のRuを含有させた場合、その含有量の増加に伴い、再結晶温度が下がる。しかし、本発明の範囲内でIr−Rh合金にRuを含有させた場合には再結晶温度が上がる。
また、高火花エネルギー条件下でスパークプラグを使用すると、通常の火花エネルギー条件下と比較して、火花放電面が非常に高温となり、オゾン等が大量に発生し、より酸化し易い環境になる。IrとRhのみを含有するチップであると、このような環境下では、チップ表面や結晶粒界でRhリッチな層が形成される。Rhリッチな層が形成される理由は、次のように推定される。つまり、オゾン等の存在によってIrの酸化揮発は加速するが、上記のような高温条件は、Rhにとっては還元雰囲気といえるので、Rhは酸化せずにIrが優先的にIrOとなって酸化揮発してしまい、Rhが濃化すると考える。Rhの融点は低く、Rhリッチな層となった部分は、歪が完全に除去されるので、Rhリッチな層がチップ表面及び結晶粒界に厚く形成されるほど火花消耗し易くなる。すなわち、IrとRhのみを含有するチップでは、材料自体の降伏応力や再結晶温度が低いだけではなく、火花放電面におけるIrの酸化揮発が進行することで、一層耐火花消耗性が低下してしまうことがわかった。一方、Ir及びRhに加えてRuを含有するチップは、上記のようにIrが酸化揮発しやすい環境下でも、RuがIrの酸化を抑制することでRhリッチな層の形成を抑制することができ、火花消耗を抑制することができる。
Ruは、図4に示すように、Rhの含有率に応じた含有率で含有されることで、再結晶温度を上げ、材料自体の降伏応力を大きくし、また、Rhリッチな層の形成を抑制することができる。Ruの含有率が低すぎると、前記効果が得られず、Ruの含有率が高すぎると、却って再結晶温度が下がり、歪が除去されやすくなり、耐火花消耗性に劣ってしまう。さらに、Rhの含有率が増えるほど、再結晶温度は下がり、Rhリッチな層が厚く形成されやすくなるため、Rhの含有率に比例して、Ruの含有率を増やさなければ、再結晶温度を上げ、かつRhリッチな層の形成を抑制することができない。また、Rhの含有率が少ないと、再結晶温度が下がるのを抑制するのに必要なRuの含有率が少なくなるため、Rhの含有率が少ない場合は、Ruの含有率も少なくなる。
この発明におけるチップは、IrとRhとRuとを全質量に対して合計で95質量%以上含有していればよく、5質量%より小さい含有率で、Ni、Pt,Co、Mo、Re、W、Al等と不可避不純物とを含有していてもよい。不可避不純物としては、例えば、Cr、Si、Fe等を挙げることができる。これらの不可避不純物の含有率は少ない方が好ましいが、この発明の課題を達成することができる範囲内で含有していてもよく、前述した成分の合計質量を100質量部としたときに、前述した1種類の不可避不純物の割合は0.1質量部以下、含有される全種類の不可避不純物の合計割合は0.2質量部以下であるのがよい。
前記チップ9に含まれる各成分の含有率は、次のようにして測定することができる。すなわち、まずチップ9を中心軸線Oを含む平面で切断して切断面を露出させ、このチップ9の切断面において任意の複数箇所、例えば、前述したビッカース硬度を測定する測定点を選択し、EPMAを利用して、WDS(Wavelength Dispersive X-ray Spectrometer)分析を行うことにより、各々の箇所の質量組成を測定する。次に、測定した複数箇所の測定値の算術平均値を算出して、この平均値をチップ9の組成とする。
特定の組成範囲にあり、かつ一定の歪を有する、この発明におけるチップは、負極である中心電極4の先端面に設けられることにより、その効果がより一層発揮される。火花放電の際には、正極である接地電極8から負極である中心電極4に向かって陽子が飛び、中心電極4の先端に接合されたチップ9の表面に衝突する。チップ9の表面に重い陽子が衝突すると、その表面が変形し、金属の塊の一部が脱落し、火花消耗し易くなる。一方、この発明におけるチップは、特定の組成範囲にあり、かつ一定の歪を有するので、火花放電によってもその歪が除去されず、高い強度を有するので、重い陽子がチップの表面に衝突しても変形しにくく、火花消耗を抑制することができると推定される。
この発明に係るスパークプラグ1は、中心電極4及び接地電極8の少なくとも一方、特に中心電極4に、前述したチップを有することで火花放電面の耐酸化性を維持しつつ耐火花消耗性を向上させることができ、その他の構成は特に限定されないが、次の条件(1)及び(2)の両方を満たすスパークプラグであると、条件(1)及び条件(2)の少なくとも一方を満たさないスパークプラグより、放電部付近の耐酸化性及び耐火花消耗性の向上効果が高い。
条件(1):前記棒状部における同径の部位のうち前記軸線方向の長さが最も長い胴部の直径dが大きくとも2.25mmである。
条件(2):前記棒状部と前記主体金具との前記軸線に直交する方向の距離hが3mm以下である領域の前記軸線方向の長さHが少なくとも9mmである。
スパークプラグ1が条件(1)を満たす場合、条件(1)を満たさないスパークプラグよりも中心電極が細くなり、火花放電により生じた熱をチップ9から中心電極4及び絶縁体3へと伝達し難くなるので、チップ9が高温化し易くなる。そうすると、チップ9の放電部付近の酸化消耗だけでなく、火花消耗もまた加速し易くなる。
スパークプラグ1が条件(2)を満たす場合、条件(2)を満たさないスパークプラグよりも中心電極4と主体金具7との距離hの小さい領域が広範囲に存在するので、放電直前に中心電極4に蓄積される静電容量が大きくなり、容量放電のエネルギーが増大する。そうすると、火花放電時におけるチップの火花放電面の変形による金属の塊の一部の脱落により火花消耗し易くなる。
条件(1)及び条件(2)の両方を満たすスパークプラグは、上述したように、特にチップが消耗し易くなるところ、この発明におけるチップ9は、特定の組成範囲にあり、かつ一定の歪を有するので、火花放電によってもその歪が全て除去されてしまうことがなく、高い強度を有し、かつ、放電部付近におけるIrの酸化揮発が進行することでRhリッチな層が形成されるのを抑制することができ、放電部付近の耐酸化性及び耐火花消耗性の向上効果がより一層高くなる。
前記スパークプラグ1は、例えば次のようにして製造される。まず、中心電極4に接合されるチップ9は、各成分の含有率が前述した範囲となる金属成分を配合し、原料粉末を用意する。これをアーク溶解してインゴットを形成し、このインゴットを熱間鍛造して、棒材とする。次に、この棒材を複数回溝ロール圧延して、必要に応じてスエージングを行い、ダイス引きにて伸線加工を施すことによって、微細な繊維状の結晶組織を有する断面円形状の円形棒材とし、この円形棒材を所定の長さに切断することによって、円柱状のチップを形成する。なお、チップ9の形状は円柱状に限定されず、例えば前記インゴットを四角形ダイスを用いて伸線加工を行い、角材に加工し、その角材を所定の長さに切断することによって例えば角棒状に形成することもできる。
この発明におけるチップ9は、前記工程に加えて、熱処理工程を行う。というのも、RuはIrとは結晶構造が異なる元素であり、IrにRuを含有する合金は、例え加工性が向上すると言われるRhが含有されていたとしても、塑性加工が難しく、加工硬化しやすい性質を持つためである。熱処理工程は、前述したチップの各加工工程の間、又は全加工工程の終了後、つまり、加工中以外に行い、これによりチップに残留する歪の程度を調整する。すなわち、チップが前述した硬度比(Has/Han)の範囲となるように、調製する。この熱処理工程は、再結晶が生じず、歪が一定程度除去される程度の温度で所定時間維持されることにより行われ、温度は、例えば800〜1500℃であり、保持時間は例えば1時間以下とするのが好ましい。0時間を含む理由は、熱処理なしという訳ではなく、昇温して目的の温度に達したら、保持せずに降温させることを示す。より好ましくは、900〜1300℃の範囲内で、保持時間は30秒〜45分とするのがよい。昇温速度は2〜30℃/minの範囲で調整するのがよい。より好ましくは、5〜20℃/minの範囲がよい。加熱方法は、前述した硬度比を有するチップが得られる限り、その方法は特に限定されず、電気炉を用いて雰囲気制御してもよいし、バーナーによる加熱であってもよいし、複数回上記熱処理工程を加えてもよい。また、上記熱処理温度は、歪を完全に除去できるとした請求項1に記載の温度よりも高温の場合があるが、加熱時間を短くすれば、歪が完全に除去されることはなく、再結晶化のおそれもない。
接地電極8にチップが接合される場合には、中心電極4に接合されるチップ9と同様の方法によりチップを製造してもよいし、従来公知の方法によりチップを製造してもよい。
中心電極4及び/又は接地電極8は、例えば、真空溶解炉を用いて、所望の組成を有する合金の溶湯を調製し、線引き加工等して、所定の形状及び所定の寸法に適宜調整して、中心電極4及び/又は接地電極8を作製することができる。中心電極4が、外層とこの外層の軸心部に埋め込まれるように設けられた芯部とにより形成されている場合には、中心電極4はカップ状に形成したNi合金等からなる外材に、外材より熱伝導率の高いCu合金等からなる内材を挿入し、押し出し加工等の塑性加工にて、外層の内部に芯部を有する中心電極4を形成する。接地電極もまた中心電極4と同様に外層と芯部とにより形成されてもよく、この場合には中心電極4と同様にしてカップ状に形成した外材に内材を挿入し、押し出し加工等の塑性加工した後、略角柱状に塑性加工したものを、接地電極にすることができる。
次いで、所定の形状に塑性加工等によって形成した主体金具7の端面に、接地電極8の一端部を電気抵抗溶接又はレーザ溶接等によって接合する。次いで、接地電極8が接合された主体金具7にZnめっき又はNiめっきを施す。Znめっき又はNiめっきの後に3価クロメート処理を行ってもよい。また、接地電極に施されためっきは剥離してもよい。
次いで、上述のように作製したチップ9を中心電極4に抵抗溶接及び/又はレーザ溶接等により溶融固着する。抵抗溶接でチップ9を中心電極4に接合する場合には、例えば、チップ9を中心電極4の所定位置に設置して押し当てながら抵抗溶接を施す。レーザ溶接でチップ9を中心電極4に接合する場合には、例えば、チップ9を中心電極4の所定位置に設置し、チップ9と中心電極4との接触面と平行方向からチップ9と中心電極4との接触部分を部分的に又は全周に渡ってレーザビームを照射する。なお、抵抗溶接をした後にレーザ溶接を施してもよい。また、接地電極8にチップを接合する場合には、中心電極4にチップ9を接合する方法と同様にして接合することができる。
一方、セラミック等を所定の形状に焼成することによって絶縁体3を作製し、この絶縁体3の軸孔2内にチップ9が接合された中心電極4を挿設し、第1シール体22を形成する組成物、抵抗体21を形成する組成物、第2シール体23を形成する組成物をこの順に前記軸孔2内に予備圧縮しつつ充填する。次いで前記軸孔2内の端部から端子金具5を圧入しつつ前記組成物を圧縮加熱する。こうして前記組成物が焼結して抵抗体21、第1シール体22及び第2シール体23が形成される。次いで接地電極8が接合された主体金具7にこの中心電極4等が固定された絶縁体3を組み付ける。最後に接地電極8の先端部を中心電極4側に折り曲げて、接地電極8の一端が中心電極4の先端部と対向するようにして、スパークプラグ1が製造される。
本発明に係るスパークプラグ1は、自動車用の内燃機関例えばガソリンエンジン等の点火栓として使用され、内燃機関の燃焼室を区画形成するヘッド(図示せず)に設けられたネジ穴に前記ネジ部24が螺合されて、所定の位置に固定される。この発明に係るスパークプラグ1は、如何なる内燃機関にも使用することができるが、高火花エネルギー条件で使用されるときのチップの耐酸化性及び耐火花消耗性に特に優れるので、高火花エネルギー条件で使用されることが要求される内燃機関に特に好適である。
この発明に係るスパークプラグ1は、前述した実施例に限定されることはなく、本発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、前記スパークプラグ1は、中心電極4の先端面と接地電極8の先端部における外周面とが、軸線O方向で、間隙Gを介して対向するように配置されているが、この発明において、中心電極の側面と接地電極の先端面とが、中心電極の半径方向で、間隙を介して対向するように配置されていてもよい。この場合に、中心電極の側面に対向する接地電極は、単数が設けられても、複数が設けられてもよい。
<スパークプラグ試験体の作製>
中心電極に設けられるチップは、所定の組成を有する原料粉末を配合し、アーク溶解してインゴットを形成し、このインゴットを熱間鍛造して、棒材とした。次に、この棒材を複数回溝ロール圧延を行い、その後、スエージングを行って丸棒状に形成し、さらに、複数回ダイスを用いて伸線加工を施すことによって、微細な繊維状の結晶組織を有する断面円形状の円形棒材とし、この円形棒材を所定の長さに切断することによって、直径0.8mm、高さ0.6mmの円柱状チップを形成した。
次いで、この円柱状チップを、熱処理工程として、電気炉で800〜1500℃の範囲内における所定の温度で、0秒〜1時間の範囲における所定の時間維持することで、表1及び表2に示す硬度比(Has/Han)を調整して、実施例の中心電極用のチップを形成した。得られたチップを金属顕微鏡で観察したところ、繊維状の結晶組織を有していた。
比較例の中心電極用のチップは、所定の組成を有する原料粉末を配合・溶解して合金を作製し、これを直径0.8mm、高さ0.6mmの円柱状チップに形成した。この円柱状チップに必要に応じて焼鈍を施して、種々の硬度比(Has/Han)を有するチップを作製した。つまり、Has/Hanが2.2より大きい比較例の中心電極用チップは、上記実施例における熱処理工程及び焼鈍のいずれも施しておらず、得られたチップを金属顕微鏡で観察したところ、繊維状の結晶組織を有していた。さらに、Has/Hanが1.5から2.2までの比較例の中心電極用チップは、上記熱処理工程を施して作製した。得られたチップを金属顕微鏡で観察したところ、繊維状の結晶組織を有していた。さらに、Has/Hanが1.5より小さい比較例の中心電極用チップは、焼鈍を施して作製した。得られたチップを金属顕微鏡で観察したところ、繊維状の結晶組織を有するチップ、繊維状の結晶組織と再結晶組織とを有するチップ、及び再結晶組織を有するチップがあることがわかった。
接地電極に接合するためのチップは、Pt90質量%、Ni10質量%を配合して溶解して得られた溶解材を、鍛造により角柱状に加工し、その角柱を圧延、伸線加工などによって丸線として、所定の長さに切断することで、直径1.0mm、高さ1mmの円柱状の接地電極用のチップを形成した。
中心電極及び接地電極は、前述したように、所定の組成を有する合金の溶湯を調製し、線引き加工等して、所定の形状及び所定の寸法に適宜調整して作製した。中心電極における同径の部位のうち軸線方向の長さが最も長い胴部の前記直径dは2.3mmであった。
次いで、主体金具の一端面に接地電極を接合し、接地電極用のチップを接地電極の主体金具が接合されていない接地電極の端部に抵抗溶接により接合した。また、中心電極用のチップを中心電極の先端部にレーザ溶接により接合した。一方、セラミックスを所定の形状に焼成することによって絶縁体を作製し、この絶縁体の軸孔内にチップが接合された中心電極を挿入し、第1シール体、抵抗体及び第2シール体を形成する組成物を順に軸孔内に充填し、最後に端子金具を挿入して封着固定した。
次いで、接地電極が接合された主体金具に、中心電極が固定された絶縁体を組み付けて、最後に接地電極の先端部を中心電極側に折り曲げて、接地電極に接合されたチップと中心電極の先端面に接合されたチップとが対向するようにして、スパークプラグ試験体を製造した。
なお、製造されたスパークプラグ試験体のネジ径はM14であり、前記棒状部と前記主体金具との前記軸線に直交する方向の距離hが3.0mm以下である領域の前記軸線方向長さHが9mm、主体金具における突起部の軸線方向長さtが1.8mm、チップ間の間隙Gは1.1mmであった。
表1及び表2に示される硬度比(Has/Han)は、次のようにして、ビッカース硬度(Has)及びビッカース硬度(Han)をそれぞれ測定し、その比を算出することにより求めた。中心電極用のチップのビッカース硬度(Has)は、まず、チップをその中心軸線を含む平面で切断し、この切断面において前述したように複数の測定点を選択し、ビッカース硬度計を用いて、荷重1N、保持時間10秒としたこと以外は、JIS Z 2244 に準拠して測定した。これらの複数の測定値の算術平均値を算出し、これをビッカース硬度(Has)とした。ビッカース硬度(Han)は、チップを炉内に載置して、前記加熱処理を行った後に、ビッカース硬度(Has)と同様にして、ビッカース硬度を測定した。これをビッカース硬度(Han)とした。
表1及び表2に示される中心電極用のチップの組成は、EPMA(日本電子株式会社製JXA-8500F)のWDS分析(加速電圧:20kV、スポット径:100μm)を行うことにより、質量組成を測定した。まず、チップをその中心軸線を含む平面で切断し、この切断面において前述したように複数の測定点を選択し、質量組成を測定した。次に、測定した複数の測定値の算術平均値を算出して、この平均値を中心電極用のチップの組成とした。なお、スポット径を考慮した測定領域がチップ9と中心電極4との溶融により形成されて成る溶融部上にある場合は、その測定点の結果を除いた。
<机上火花消耗試験>
製造したスパークプラグ試験体を加圧条件1.2MPa、窒素雰囲気の高圧チャンバに取り付け、イグニッションエネルギー150mJ、周波数100Hzで200時間放電を行った。試験前の容量放電成分の放電電圧を測定したところ、100発の平均で25kVであった。この試験前後の中心電極に接合されたチップと接地電極に接合されたチップとの間隙を測定し、試験後の間隙G’から試験前の間隙G(=1.1mm)を引いた値(G’−G)をギャップ増加量として、以下の基準にしたがって耐火花消耗性の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。

☆:ギャップ増加量が0.1mm未満のとき
◎:ギャップ増加量が0.1mm以上0.15mm未満のとき
○:ギャップ増加量が0.15mm以上0.2mm未満のとき
×:ギャップ増加量が0.2mm以上のとき
<実機耐久試験>
製造したスパークプラグ試験体を、試験用の過給器付エンジンに取り付け、イグニッションコイルエネルギー150mJ、スロットル全開で、エンジン回転数6000rpmの状態を維持し、150時間運転を行う耐久試験を行った。試験前の容量放電成分の放電電圧を測定したところ、100発の平均で20kVであった。さらに、中心電極母材の先端から0.5mmの位置の温度を熱電対によって測定したところ、900℃であった。この試験前後の、中心電極に接合されたチップと接地電極に接合されたチップとの間隙を測定し、試験後の間隙G’から試験前の間隙G(=1.1mm)を引いた値(G’−G)をギャップ増加量として、以下の基準にしたがって耐久性の評価を行った。結果を表1、表2に示す。また、表1及び表2に示す組成を有するチップのうち、硬度比(Has/Han)が1.5以上2.2以下の範囲にあるチップについてRhとRuとの質量割合を図4に示す。図4において、実機耐久性の試験結果が「×」のときの質量割合を「×」、「○」のときの質量割合を「○」、「◎」のときの質量割合を「◇」、「☆」のときの質量割合を「*」で示す。

☆:ギャップ増加量が0.06mm未満のとき
◎:ギャップ増加量が0.06mm以上0.09mm未満のとき
○:ギャップ増加量が0.09mm以上0.12mm未満のとき
×:ギャップ増加量が0.12mm以上のとき
Figure 0005619843
Figure 0005619843
<硬度比(Has/Han)の違いによる評価試験>
表1及び表2における特定のスパークプラグ試験体について、チップの製造工程における熱処理工程で温度と時間とを調整することにより、硬度比(Has/Han)を1.4〜2.3の範囲で変化させたこと以外は、前述したスパークプラグ試験体の製造方法と同様にしてスパークプラグ試験体を作製し、前述したのと同様にして実機耐久試験を行い、ギャップの増加量により以下の基準にしたがって耐久性の評価を行った。結果を表3に示す。

☆:ギャップ増加量が0.06mm未満のとき
◎:ギャップ増加量が0.06mm以上0.09mm未満のとき
○:ギャップ増加量が0.09mm以上0.12mm未満のとき
×:ギャップ増加量が0.12mm以上のとき
Figure 0005619843
<スパークプラグ試験体の構成の違いによる評価試験>
組成が同じで硬度比の異なる、試験番号A−18及びA−19の中心電極用のチップを用いて、中心電極における前記直径d、前記距離h、前記軸線方向長さHを変化させたこと以外は、前述したスパークプラグ試験体の製造方法と同様にしてスパークプラグ試験体を作製した。これらのスパークプラグ試験体を用いて、前述したのと同様にして実機耐久試験を行い、実機耐久試験前後の中心電極に接合されたチップの体積をCTスキャン(東芝株式会社製TOSCANER-32250μhd)で測定し、減少した体積を消耗体積として測定した。試験番号A−19の消耗体積を試験番号A−18の消耗体積で割った値を消耗体積比として算出し、以下の基準にしたがって耐消耗性向上効果の評価を行った。結果を表4に示す。なお、表4において、試験番号C−3における距離h(=3.1mm)は棒状部と主体金具との最小の距離である。

◎:消耗体積比が0.6以下のとき
○:消耗体積比が0.6より大きく0.8以下のとき
△:消耗体積比が0.8以上のとき
Figure 0005619843
本発明の範囲に含まれるチップを中心電極に備えたスパークプラグは、表1及び表2に示されるように、耐火花消耗性及び実機耐久性の評価のいずれもが良好だった。特に耐火花消耗性の評価では、一般に融点や熱伝導率が高い材料により形成されたチップの方が耐火花消耗性に有利と考えられているのに対し、本発明の範囲に含まれるチップを備えたスパークプラグは、融点や熱伝導率の最も高いIrをチップとして用いたスパークプラグ(A-1)よりも良好だった。よって、この発明によると、チップの火花放電面の酸化消耗及び火花消耗を抑制することで耐久性に優れたスパークプラグを提供することができることが示された。
一方、本発明の範囲外にあるチップを中心電極に備えたスパークプラグは、表1及び表2に示されるように、耐火花消耗性と実機耐久性の評価のいずれもが劣っているか、或いは、耐火花消耗性の評価は良好であるが、実機耐久性の評価が劣っていた。よって、この発明の範囲外にあるチップを中心電極に備えたスパークプラグは、耐酸化性及び/又は耐火花消耗性が劣っていることにより耐久性が劣っていることが示された。
表4に示されるように、中心電極の直径dが小さく、特に2.25mm以下であり、前記距離hが3mm以下である領域の軸線方向の長さHが9mm以上であると、消耗体積比が小さく、耐消耗性向上効果がより高いことが示された。
1 スパークプラグ
2 軸孔
3 絶縁体
4 中心電極
5 端子金具
6 接続部
7 主体金具
8 接地電極
9 チップ
11 後端側胴部
12 大径部
13 先端側胴部
14 脚長部
15 棚部
16 鍔部
17 段部
18 テーパ部
19 板パッキン
21 抵抗体
22 第1シール体
23 第2シール体
24 ネジ部
25 ガスシール部
26 工具係合部
27 加締め部
28,29 パッキン
30 滑石
31 先端側内周面
32 突起部
33 後端側内周面
34 後端部
35 棒状部
36 頭部
37 胴部
38 先端部
G 火花放電間隙

Claims (4)

  1. 軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、前記軸孔の先端側に配置される中心電極と、前記軸孔の後端側に配置される端子金具と、前記中心電極と前記端子金具と前記軸孔内で電気的に接続する接続部と、前記絶縁体を収容する主体金具と、一端部が前記主体金具の先端部に接合されると共に他端部が前記中心電極と間隙を設けて配置された接地電極とを備えるスパークプラグであって、
    前記中心電極及び前記接地電極の少なくとも一方は前記間隙を形成するチップを有し、
    前記チップは、IrとRhとRuとを全質量に対して合計で95質量%以上含有し、Rh及びRuの含有率(Rh,Ru)(質量%)が各点A(6,1)、B(6,15)、C(33,18)、D(33,4)、A(6,1)をこの順に結ぶ線分で囲まれた領域内(線上を含む。)にあり、
    前記チップを前記軸線を含む平面で切断したときの切断面におけるビッカース硬度をHas、前記チップをAr雰囲気の炉内に1300℃で10時間維持した後に冷却した後に測定した、前記チップの前記切断面におけるビッカース硬度をHanとしたとき、1.5≦Has/Han≦2.2
    を満たすことを特徴とするスパークプラグ。
    (尚、「冷却」とは、Arを2L/minで流しながら加熱した状態から前記炉内の加熱を止め、加熱を止めた後も同じようにArを前記炉内に流すことで行う。)
  2. 前記チップは、Rh及びRuの含有率(Rh,Ru)(質量%)が各点E(11,4)、F(11,14)、G(31,16)、H(31,6)、E(11,4)をこの順に結ぶ線分で囲まれた領域内(線上を含む。)にあることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記チップは、Rh及びRuの含有率(Rh,Ru)(質量%)が各点I(15,7)、J(15,13)、K(27,14)、L(27,8)、I(15,7)をこの順に結ぶ線分で囲まれた領域内(線上を含む。)にあることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  4. 前記中心電極は、前記接続部に接する後端部と前記後端部から先端側に延びる棒状部とを有し、
    (1)前記棒状部における同径の部位のうち前記軸線方向の長さが最も長い胴部の直径dが大きくとも2.25mmであり、
    (2)前記棒状部と前記主体金具との前記軸線に直交する方向の距離hが3mm以下である領域の前記軸線方向の長さHが少なくとも9mmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
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