JP7068758B2 - スパークプラグ - Google Patents
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Description
すなわち、IrにRu、Rh、Ptを添加することによって、耐火花消耗性を向上させる技術である。また、Irに酸化物を添加することによって、耐火花消耗性を向上させる技術も提案されている。これらの添加剤の添加量がそれ程多くなければ、溶解にて鋳塊を得たのち、熱間加工により細い材料(発火部の予備成形体)が得られる。ここでの熱間加工とは、鍛造、圧延、線引き加工等を意味する。ところが、耐火花消耗性を向上させようとして、添加量を増やしすぎると、材料が硬くて脆くなり、熱間加工で割れてしまう。その結果、この場合には、細い材料が得られない。
よって、耐火花消耗性を向上させるためには、発火部の焼結密度を上げればよい。
現状、焼結体たる発火部は、ホットプレス法で製造されている。ここで、ホットプレス法とは、カーボン型に焼結材料(粉末)を封入し、昇温しながら加圧する方法である。Irの融点は、2457℃と高いため、焼結温度やプレス圧を上げれば、焼結密度が向上すると考えられる。
しかし、Irを主成分とした場合には、焼結温度やプレス圧を上げても、焼結密度は向上せず、却って火花消耗量は増大する傾向にある。これは、焼結温度が上昇すると、カーボン型や、カーボン型と焼結材料の間に挿入して用いられるカーボンシートに由来するカーボンが焼結材料中に固溶し、焼結材料が低融点化するためと思われる。よって、現状は、火花消耗量が最少となる、焼結温度及びプレス圧の条件で、ホットプレス法を実施して発火部を製造している。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、火花消耗量を抑制して耐久性の高いスパークプラグを提供することを目的とする。本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
前記中心電極の外側に設けられた絶縁体と、
前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、
前記中心電極と対向するように配置された接地電極と、
前記中心電極と接地電極との少なくとも一方に固着されて火花放電ギャップを形成する発火部とを備えるスパークプラグであって、
前記発火部は、主成分、副成分、及び不可避不純物からなる金属材料の焼結体より構成され、
前記主成分は、Ir、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記副成分は、Al、Ge、Sn、Mn、Co、Fe、Cd、Zn、Mg、Be、及びInからなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記副成分は、前記焼結体の全体を100体積%とした場合に合計で1~10体積%含有されていることを特徴とするスパークプラグ。
前記中心電極の外側に設けられた絶縁体と、
前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、
前記中心電極と対向するように配置された接地電極と、
前記中心電極と接地電極との少なくとも一方に固着されて火花放電ギャップを形成する発火部とを備えるスパークプラグであって、
前記発火部は、主成分、副成分、酸化物、及び不可避不純物からなる金属-酸化物複合材料の焼結体より構成され、
前記主成分は、Ir、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記副成分は、Al、Ge、Sn、Mn、Co、Fe、Cd、Zn、Mg、Be、及びInからなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記酸化物は、Al2O3、Y2O3、ZrO2、希土類元素の酸化物、及び3A族と4A族の複合酸化物からなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記副成分は、前記焼結体の全体を100体積%とした場合に合計で1~10体積%含有され、
前記酸化物は、前記焼結体の全体を100体積%とした場合に合計で3~10体積%含有されていることを特徴とするスパークプラグ。
この場合、上記金属元素の体積%の値は、次のようにして算出されるものを採用するものとする。希土類元素の酸化物は、希土類元素(Sc、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の各金属元素について、Ceは全てCeO2、Prは全てPr6O11、Tbは全てTb4O7、他は全てM2O3(ただしMは、Ce、Pr及びTbを除く前記希土類元素)の各組成式で表される希土類酸化物の形で存在していると仮定する。
焼結体中の各酸化物(m種類とする)の重量含有比率Nj(j=1、2、…、m)を算出する。そして、それら酸化物の常温での密度をそれぞれd1、d2、‥‥、dmとした場合、前述のvol%iを下記数2により算出する。
スパークプラグ100の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。スパークプラグ100は、筒状の主体金具1と、主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2と、を備えている。絶縁体2は、その先端部21が突出するように主体金具1に嵌め込まれている。さらに、スパークプラグ100は、中心電極3と、接地電極4とを備えている。中心電極3は、その先端に形成された発火部31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられている。接地電極4は、その一端が主体金具1に溶接等により結合されるとともに、他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配置されている。接地電極4には、上記発火部31に対向する発火部32が形成されている。発火部31と、発火部32との間の隙間が火花放電ギャップgとされている。
図2に示すように、中心電極3の本体部3aは、先端側が縮径されるとともにその先端面が平坦に構成されている。発火部31は、本体部3aの先端面に、発火部31を構成する合金組成からなる円板状のチップを重ね合わせて、レーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部Wを形成して、チップを本体部3aに固着して形成されている。対向する発火部32は、発火部31に対応する位置において、接地電極4にチップを位置合わせし、レーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部Wを形成し、チップを接地電極4に固着して形成されている。
ここで、主成分は、Ir(イリジウム)、Ru(ルテニウム)、Pt(白金)、及びRh(ロジウム)からなる群より選択された少なくとも1種である。なお、主成分とは、含有率(体積%)が50体積%以上の物質をいう。
副成分は、Al(アルミニウム)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、Mn(マンガン)、Co(コバルト)、Fe(鉄)、Cd(カドミウム)、Zn(亜鉛)、Mg(マグネシウム)、Be(ベリリウム)、及びIn(インジウム)からなる群より選択された少なくとも1種である。
残部がIr、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種である主成分、及び不可避不純物とされている。
この範囲内で、上述の副成分を含有することによって、発火部31等を形成する際の焼結温度を上げることなく、発火部31等の焼結密度を向上できる。すなわち、副成分は、主成分よりも低融点の材料である。焼結の際には、この副成分が液化し、Ir、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種を主成分とした金属相粒の粒子間に形成された隙間に副成分が配されることにより、焼結体からなる発火部31等の焼結密度が向上すると考えられる。その結果、発火部31等の火花消耗量が抑制されると推測される。
図3は、上記副成分がない場合の焼結体の組織の一例を概念的に示す図である。図4は、上記副成分がある場合の焼結体の組織の一例を概念的に示す図である。なお、図3,4において、符号51は金属相粒の粒子、符号53は空孔、符号55は副成分を示している。
図3のように、副成分55がない場合には、焼結が進まずに、Ir、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種を主成分とした金属相粒の粒子51間に、空孔53(隙間)が残ってしまう。
これに対して、副成分55がある場合には、副成分55が主成分に比べて低融点であるから、焼結の際に副成分55は融解して、金属相粒の粒子51間に液体の状態で入り込む。そして、副成分55は、金属相粒の粒子51間に液体の状態で入り込んだ状態で焼結される。すなわち、副成分55は、液相焼結される。従って、この場合の焼結体は、図4に示すように、金属相粒の粒子51間に副成分55が配されて空孔53が埋まった状態となり、焼結密度が向上するものと考えられる。なお、副成分55により、全ての空孔53が埋まる必要はなく、空孔53の一部が埋まっていてもよい。
第1実施形態では、発火部31等の焼結密度が向上することによって、火花消耗量が抑制されて耐久性の高いスパークプラグが提供される。
第2実施形態は、第1実施形態と、発火部31等の構成が異なる。この点について、説明する。なお、その他の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
ここで、主成分は、Ir(イリジウム)、Ru(ルテニウム)、Pt(白金)、及びRh(ロジウム)からなる群より選択された少なくとも1種である。なお、主成分とは、含有率(体積%)が50体積%以上の物質をいう。
副成分は、Al(アルミニウム)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、Mn(マンガン)、Co(コバルト)、Fe(鉄)、Cd(カドミウム)、Zn(亜鉛)、Mg(マグネシウム)、Be(ベリリウム)、及びIn(インジウム)からなる群より選択された少なくとも1種である。
酸化物は、Al2O3、Y2O3、ZrO2、希土類元素の酸化物、及び3A族と4A族の複合酸化物からなる群より選択された少なくとも1種である。
ここで、希土類元素とは、ランタノイド元素(La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)の15元素)、及びSc(スカンジウム)を意味する。
3A族とは、元素周期律表の3A族の希土類元素を意味する。
4A族とは、元素周期律表の4A族のTi(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)を意味する。
Al2O3、Y2O3、ZrO2、希土類元素の酸化物、及び3A族と4A族の複合酸化物からなる群より選択された少なくとも1種である酸化物を含み、
残部がIr、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種である主成分、及び不可避不純物とされている。
酸化物は、焼結体の全体を100体積%とした場合に合計で3~10体積%含有されている。
この範囲内で、上述の副成分及び酸化物を含有することによって、発火部31等を形成する際の焼結温度を上げることなく、発火部31等の焼結密度を向上できる。すなわち、副成分は、主成分よりも低融点の材料である。焼結の際には、この副成分が液化し、Ir、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種を主成分とした金属相粒の粒子間に形成された隙間に副成分が配されることにより、焼結体からなる発火部31等の焼結密度が向上すると考えられる。その結果、発火部31等の火花消耗量が抑制されると推測される。
図5は、上記副成分がない場合の焼結体の組織の一例を概念的に示す図である。図6は、上記副成分がある場合の焼結体の組織の一例を概念的に示す図である。なお、図5,6において、符号51は金属相粒の粒子、符号53は空孔、符号55は副成分、符号57は酸化物を示している。
図5のように、副成分55がない場合には、焼結が進まずに、Ir、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種を主成分とした金属相粒の粒子51間に、空孔53(隙間)が残ってしまう。
これに対して、副成分55がある場合には、副成分55が主成分に比べて低融点であるから、焼結の際に副成分55は融解して、金属相粒の粒子51間に液体の状態で入り込む。そして、副成分55は、金属相粒の粒子51間に液体の状態で入り込んだ状態で焼結される。すなわち、副成分55は、液相焼結される。従って、この場合の焼結体は、図6に示すように、金属相粒の粒子51間に副成分55が配されて空孔53が埋まった状態となり、焼結密度が向上するものと考えられる。なお、副成分55により、全ての空孔53が埋まる必要はなく、空孔53の一部が埋まっていてもよい。
第2実施形態では、発火部31等の焼結密度が向上することによって、火花消耗量が抑制されて耐久性の高いスパークプラグが提供される。
(1)中心電極(発火部)の作製
Ir金属粉末(平均粒径20μm)に対し、Pt粉末(平均粒径10μm)、及びAl粉末(平均粒径45μm)を所定の比率にて乳鉢で混合し、カーボン型に充填し、1570℃、10Mpa、Ar雰囲気中で1時間、ホットプレス焼成を実施した。その結果、22mm×22mm×3mmの板状サンプルを得た。板状サンプルから切断して、円柱状に研削することで、φ1.6mm×20mmの中心電極(発火部)を得た。各実験例における中心電極は、Ir95重量%とPt5重量%の金属材料(Ir-5重量%Pt)を基本材料としている。表1では、焼結体である中心電極の全体(Ir、Pt及びAlの合計)を100体積%とした場合の、Alの含有量が体積%(vol%)で示されている。実験例3,4,5,6,7は実施例であり、実験例1,2,8は比較例である。
なお、Alの含有量は、IPC法により同定した。
(2.1)試験装置の構成
チャンバー内に、中心電極を固定した。この際、チャンバー内に、中心電極を突き出させて固定した。
中心電極の軸に対して交差する方向に接地電極を固定した。
接地電極にはPt-10重量%Niの電極チップ(φ1.6mm×0.5mm)が接合されており、この外側電極チップと中心電極の先端面が対向している。
この対向した隙間をギャップとした。ギャップ隙間は、1.05mmであった。
(2.2)試験方法及び判定基準
チャンバー内を一旦真空にした後、N2ガスを充填・加圧(0.6Mpa)した。この状態で電極間に12Vの電圧を印加し、キャップ間で放電させた。これを10時間維持して、10時間後のギャップ増加量が0.04mm以内であればOK、0.04mmを超えればNGとした。
試験結果を表1に併記する。表1の結果から、Alの含有量が1~10体積%の場合には、ギャップ増加量が抑制されており、耐久性が高いことが分かった。特に、Alの含有量が4~10体積%の場合には、ギャップ増加量が0.02mm以下であり、耐久性が極めて高いことが分かった。
(1)中心電極(発火部)の作製
Ir金属粉末(平均粒径20μm)に対し、Ru粉末(平均粒径10μm)、Rh粉末(平均粒径20μm)、及びAl粉末(平均粒径45μm)を所定の比率にて乳鉢で混合し、カーボン型に充填し、1570℃、10Mpa、Ar雰囲気中で1時間、ホットプレス焼成を実施した。その結果、22mm×22mm×3mmの板状サンプルを得た。板状サンプルから切断して、円柱状に研削することで、φ1.6mm×20mmの中心電極(発火部)を得た。各実験例における中心電極は、Ir81重量%とRu10重量%とRh9重量%の金属材料(Ir-10重量%Ru-9重量%Rh)を基本材料としている。表2では、焼結体である中心電極の全体(Ir、Ru、Rh及びAlの合計)を100体積%とした場合の、Alの含有量が体積%(vol%)で示されている。実験例11,12,13,14,15は実施例であり、実験例9,10,16は比較例である。
なお、Alの含有量は、IPC法により同定した。
火花消耗試験は、実験1と同様に実施した。
試験結果を表2に併記する。表2の結果から、Alの含有量が1~10体積%の場合には、ギャップ増加量が抑制されており、耐久性が高いことが分かった。特に、Alの含有量が2~10体積%の場合には、ギャップ増加量が0.03mm以下であり、耐久性が極めて高いことが分かった。
(1)中心電極(発火部)の作製
Ir金属粉末(平均粒径20μm)に対し、Pt粉末(平均粒径10μm)、Al2O3粉末(平均粒径15μm)、及びAl粉末(平均粒径45μm)を所定の比率にて乳鉢で混合し、カーボン型に充填し、1570℃、10Mpa、Ar雰囲気中で1時間、ホットプレス焼成を実施した。その結果、22mm×22mm×3mmの板状サンプルを得た。板状サンプルから切断して、円柱状に研削することで、φ1.6mm×20mmの中心電極(発火部)を得た。各実験例における中心電極は、Ir95重量%とPt5重量%の金属材料(Ir-5重量%Pt)を基本材料としている。表3では、焼結体である中心電極の全体(Ir、Pt、Al2O3及びAlの合計)を100体積%とした場合に、Al2O3の含有量及びAlの含有量が体積%(vol%)で示されている。実験例23,24,25,28,29,30,33,34,35は実施例であり、実験例17,18,19,20,21,22,26,27,31,32,36,37,38,39,40,41は比較例である。
なお、Alの含有量は、IPC法により同定した。
火花消耗試験は、実験1と同様に実施した。
試験結果を表3に併記する。表3の結果から、Al2O3の含有量が3~10体積%であり、かつAlの含有量が1~10体積%の場合には、ギャップ増加量が抑制されており、耐久性が高いことが分かった。特に、Alの含有量が8~10体積%の場合には、ギャップ増加量が0.03mm以下であり、耐久性が極めて高いことが分かった。
(1)中心電極(発火部)の作製
Ir金属粉末(平均粒径20μm)に対し、Pt粉末(平均粒径10μm)、及び表4に記載の所定の金属(以下、「所定金属」ともいう)の粉末(平均粒径10μm)を所定の比率にて乳鉢で混合し、カーボン型に充填し、1570℃、10Mpa、Ar雰囲気中で1時間、ホットプレス焼成を実施した。その結果、22mm×22mm×3mmの板状サンプルを得た。板状サンプルから切断して、円柱状に研削することで、φ1.6mm×20mmの中心電極(発火部)を得た。各実験例における中心電極は、Ir95重量%とPt5重量%の金属材料(Ir-5重量%Pt)を基本材料としている。表4では、焼結体である中心電極の全体(Ir、Pt及び所定金属の合計)を100体積%とした場合の、所定金属の含有量が体積%(vol%)で示されている。実験例42-51は、全て実施例である。
なお、所定金属の含有量は、IPC法により同定した。
火花消耗試験は、実験1と同様に実施した。
試験結果を表4に併記する。表4の結果から、副成分として、Ge、Sn、Mn、Co、Fe、Cd、Zn、Mg、Be、Inを含有させた場合であっても、副成分の含有量が1~10体積%の場合には、ギャップ増加量が抑制されており、耐久性の高いことが分かった。
図7に実験例1(比較例)のEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)による反射電子像を示す。黒く示されている部分に空孔が観察された。
図8に実験例5(実施例)のEPMAによる反射電子像を示す。黒い空孔は、ほとんど観察されなかった。
図7,8より、図8の実験例5(実施例)では、金属相粒の粒子間に副成分であるAlが配されて空孔が埋まった状態となり、焼結密度が向上していることが確認された。
これらの組織写真を考慮しつつ、火花消耗試験の結果を検討すると、実験例5(実施例)の場合には、焼結密度が向上することによって、火花消耗量が抑制されて耐久性が高くなったものと推測される。
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
2 …絶縁体
3 …中心電極
3a …本体部
4 …接地電極
4a …本体部
6 …孔部
7 …ねじ部
21 …先端部
31 …発火部
32 …発火部
51 …粒子
53 …空孔
55 …副成分
57 …酸化物
100…スパークプラグ
W …溶接部
g …火花放電ギャップ
Claims (4)
- 中心電極と、
前記中心電極の外側に設けられた絶縁体と、
前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、
前記中心電極と対向するように配置された接地電極と、
前記中心電極と接地電極との少なくとも一方に固着されて火花放電ギャップを形成する発火部とを備えるスパークプラグであって、
前記発火部は、主成分、副成分、及び不可避不純物からなる金属材料の焼結体より構成され、
前記主成分は、Ir、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記副成分は、Al、Ge、Sn、Mn、Co、Fe、Cd、Zn、Mg、Be、及びInからなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記副成分は、前記焼結体の全体を100体積%とした場合に合計で1~10体積%含有されていることを特徴とするスパークプラグ。 - 前記発火部では、Ir、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種を主成分とした金属相粒の粒子間に形成された隙間の少なくとも一部に、Al、Ge、Sn、Mn、Co、Fe、Cd、Zn、Mg、Be、及びInからなる群より選択された少なくとも1種を主成分とした金属相が配されていることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
- 中心電極と、
前記中心電極の外側に設けられた絶縁体と、
前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、
前記中心電極と対向するように配置された接地電極と、
前記中心電極と接地電極との少なくとも一方に固着されて火花放電ギャップを形成する発火部とを備えるスパークプラグであって、
前記発火部は、主成分、副成分、酸化物、及び不可避不純物からなる金属-酸化物複合材料の焼結体より構成され、
前記主成分は、Ir、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記副成分は、Al、Ge、Sn、Mn、Co、Fe、Cd、Zn、Mg、Be、及びInからなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記酸化物は、Al2O3、Y2O3、ZrO2、希土類元素の酸化物、及び3A族と4A族の複合酸化物からなる群より選択された少なくとも1種であり、
前記副成分は、前記焼結体の全体を100体積%とした場合に合計で1~10体積%含有され、
前記酸化物は、前記焼結体の全体を100体積%とした場合に合計で3~10体積%含有されていることを特徴とするスパークプラグ。 - 前記発火部では、Ir、Ru、Pt、及びRhからなる群より選択された少なくとも1種を主成分とした金属相粒の粒子間に形成された隙間の少なくとも一部に、Al、Ge、Sn、Mn、Co、Fe、Cd、Zn、Mg、Be、及びInからなる群より選択された少なくとも1種を主成分とした金属相が配されていることを特徴とする請求項3に記載のスパークプラグ。
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