JP2018098084A - 点火プラグ - Google Patents

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昌幸 瀬川
Masayuki Segawa
昌幸 瀬川
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Abstract

【課題】点火プラグの耐火花消耗性が向上する。【解決手段】点火プラグの電極チップは、Irを主成分とする母材と、母材内に分散して配置された酸化物粒子と、を含む。酸化物粒子は、Al、Cr、Si、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hfからなる群より選択される一種の元素と、酸素元素と、からなる酸化物の粒子である。放電面の重心を通り、放電面に垂直な平面で電極チップを切断した断面において、放電面と平行で放電面から20μm離れた第1の仮想線から、放電面と平行で放電面から200μm離れた第2の仮想線までの領域を特定領域とするとき、特定領域の面積に占める酸化物粒子の面積の割合は、0.3%以上、かつ、15%以下である。【選択図】 図3

Description

本明細書は、内燃機関等において燃料ガスに点火するための点火プラグに関する。
内燃機関に用いられる点火プラグは、例えば、中心電極と接地電極との間に形成される間隙に火花放電を発生させて、内燃機関等において燃料ガスに点火する。耐消耗性の向上を図るべく、中心電極や接地電極のうち、火花放電が発生する間隙を形成する部位に、例えば、イリジウムなどの貴金属製の電極チップが接合された点火プラグが知られている。
また、内燃機関の燃費向上のために、内燃機関の燃料ガスは希薄化される傾向にあるが、燃料ガスが希薄になるほど、燃料ガスに着火するために要するエネルギーが高くなる。このために、点火プラグに生じた火花放電に電源から投入されるエネルギーも高くなる傾向にあるので、電極チップが火花放電によって消耗しやすい傾向にある。この結果、電極チップの耐火花消耗性を向上する技術が求められている。
例えば、特許文献1には、Irを主成分とする母材と、一般式ABOで示されるペロブスカイト酸化物と、を含む電極チップが開示されている。ペロブスカイト酸化物を所定量含むことで、耐火花消耗性が向上する、とされている。
特開2015−159000号
本明細書は、点火プラグの耐火花消耗性が向上することができる新たな技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]中心電極と、前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極と、を備え、前記中心電極と前記接地電極との少なくとも一方は、電極本体と、前記電極本体に接合され、前記間隙を形成する放電面を有する電極チップと、を備える点火プラグであって、
前記電極チップは、
Irを主成分とし、Irを含む貴金属を50重量%以上含む母材と、
前記母材内に分散して配置された酸化物粒子と、
を含み、
前記酸化物粒子は、Al、Cr、Si、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hfからなる群より選択される一種の元素と、酸素元素と、からなる酸化物の粒子であり、
前記放電面の重心を通り、前記放電面に垂直な平面で前記電極チップを切断した断面において、前記放電面と平行で前記放電面から20μm離れた第1の仮想線から、前記放電面と平行で前記放電面から200μm離れた第2の仮想線までの領域を特定領域とするとき、
前記特定領域の面積に占める前記酸化物粒子の面積の割合は、0.3%以上、かつ、15%以下であることを特徴とする、点火プラグ。
Irを主成分とし、貴金属を50重量%以上含む母材は、高融点であり、耐火花消耗性に優れている。さらに、酸化物粒子を放電面近傍に分散配置することによって、電極チップの耐火花消耗性がする。一方、酸化物粒子は、母材と比較して熱伝導性が低いために、過度に多量の酸化物粒子が含まれる場合には、電極チップの耐火花消耗性が低下し得る。上記構成によれば、適量の酸化物粒子が放電面近傍に分散配置されるので、電極チップの耐火花消耗性を向上することができる。
[適用例2]適用例1に記載の点火プラグであって、
前記特定領域の面積に占める前記酸化物粒子の面積の割合は、1.5%以上、かつ、10%以下であることを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、より適量の酸化物粒子が放電面近傍に分散配置されるので、電極チップの耐火花消耗性をより向上することができる。
[適用例3]適用例2に記載の点火プラグであって、
前記特定領域の面積に占める前記酸化物粒子の面積の割合は、3%以上、かつ、8%以下であることを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、特に適量の酸化物粒子が放電面近傍に分散配置されるので、電極チップの耐火花消耗性を特に向上することができる。
[適用例4]適用例1〜3のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記酸化物粒子は、Al、La、Nd、Smからなる群より選択される一種の元素と、酸素元素と、からなる酸化物の粒子であることを特徴とする、点火プラグ。
Al、La、Nd、Smからなる群より選択される一種の元素と、酸素元素と、からなる酸化物は、より耐火花消耗性を向上させる効果が高い。上記構成によれば、電極チップの耐火花消耗性をさらに向上することができる。
[適用例5]適用例1〜4のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記母材は、Pt、Ru、Rh、Reからなる群より選択される少なくとも一種の元素を合計で1重量%以上20重量%以下含有することを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、電極チップの母材の耐酸化性をさらに向上することができるので、さらに、電極チップの耐火花消耗性を向上することができる。
[適用例6]適用例5に記載の点火プラグであって、
前記母材は、80重量%を超えるIrを含有し、Pt、Ru、Rh、Reからなる群より選択される少なくとも一種の元素を合計で1重量%以上10重量%以下含有することを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、電極チップの耐酸化性を特に向上することができるので、特に、電極チップの耐火花消耗性を向上することができる。
[適用例7]適用例1〜6のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記電極チップは、円柱形状を有し、
前記電極チップの直径は、1.3mm以上、3.5mm以下であることを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、着火性と火花消耗性を両立することができる。
[適用例8]適用例9に記載の点火プラグであって、
前記電極チップの直径は、1.5mm以上、2.5mm以下であることを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、着火性と火花消耗性をさらに向上することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関や、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関、点火プラグの電極等の態様で実現することができる。
本実施形態の点火プラグ100の断面図である。 中心電極20の先端近傍の構成の説明図である。 図2の断面CFにおいて破線で囲んだ領域SAの拡大図である。
A.第1実施形態:
A−1.点火プラグの構成:
図1は本実施形態の点火プラグ100の断面図である。図1の一点破線は、点火プラグ100の軸線COを示している。軸線COと平行な方向(図1の上下方向)を軸線方向とも呼ぶ。軸線COを中心とし、軸線COと垂直な平面上の円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、当該円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。図1における下方向を先端方向FDと呼び、上方向を後端方向BDとも呼ぶ。図1における下側を、点火プラグ100の先端側と呼び、図1における上側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、詳細は後述する中心電極20と接地電極30との間に形成される間隙(火花ギャップ)に、火花放電を発生させる。点火プラグ100は、内燃機関に取り付けられ、内燃機関の燃焼室内の燃料ガスに着火するために用いられる。点火プラグ100は、絶縁体としての絶縁体10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50と、を備える。
絶縁体10はアルミナ等を焼成して形成されている。絶縁体10は、軸線方向に沿って延び、絶縁体10を貫通する貫通孔12(軸孔)を有する略円筒形状の部材である。絶縁体10は、鍔部19と、後端側胴部18と、先端側胴部17と、段部15と、脚長部13と、を備えている。後端側胴部18は、鍔部19より後端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。先端側胴部17は、鍔部19より先端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。脚長部13は、先端側胴部17より先端側に位置し、先端側胴部17の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13は、点火プラグ100が内燃機関(図示せず)に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。段部15は、脚長部13と先端側胴部17との間に形成されている。
主体金具50は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)で形成され、内燃機関のエンジンヘッド(図示省略)に点火プラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具50は、軸線COに沿って貫通する挿入孔59が形成されている。主体金具50は、絶縁体10の径方向の周囲(すなわち、外周)に配置される。すなわち、主体金具50の挿入孔59内に、絶縁体10が挿入・保持されている。絶縁体10の先端は、主体金具50の先端より先端側に突出している。絶縁体10の後端は、主体金具50の後端より後端側に突出している。
主体金具50は、点火プラグレンチが係合する六角柱形状の工具係合部51と、内燃機関に取り付けるための取付ネジ部52と、工具係合部51と取付ネジ部52との間に形成された鍔状の座部54と、を備えている。取付ネジ部52の呼び径は、例えば、M8、M10、M12、M14、M18のいずれかとされている。
主体金具50の取付ネジ部52と座部54との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、点火プラグ100が内燃機関に取り付けられた際に、点火プラグ100と内燃機関(エンジンヘッド)との隙間を封止する。
主体金具50は、さらに、工具係合部51の後端側に設けられた薄肉の加締部53と、座部54と工具係合部51との間に設けられた薄肉の圧縮変形部58と、を備えている。主体金具50における工具係合部51から加締部53に至る部位の内周面と、絶縁体10の後端側胴部18の外周面との間に形成される環状の領域には、環状のリング部材6,7が配置されている。当該領域における2つのリング部材6,7の間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53の後端は、径方向内側に折り曲げられて、絶縁体10の外周面に固定されている。
中心電極20は、軸線方向に延びる棒状の中心電極本体21と、中心電極チップ29と、を備えている。中心電極本体21は、絶縁体10の貫通孔12の内部の先端側の部分に保持されている。中心電極本体21の内部には、芯部21Bが埋設されている。中心電極本体21は、例えば、ニッケル(Ni)またはNiを50重量%以上含む合金(例えば、INC600、INC601)を用いて形成されている。芯部21Bは、中心電極本体21よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金、本実施形態では、銅で形成されている。
また、中心電極本体21は、軸線方向の所定の位置に設けられた鍔部212、鍔部212よりも後端側の部分である頭部211と、鍔部212よりも先端側の部分である脚部213と、を備えている。鍔部212は、絶縁体10の段部16に支持されている。脚部213の先端部分、すなわち、中心電極本体21の先端は、絶縁体10の先端より先端側に突出している。
中心電極チップ29は、略円柱形状を有する部材であり、中心電極本体21の先端(脚部213の先端)に、例えば、レーザ溶接を用いて、接合されている。中心電極チップ29の先端面は、後述する接地電極チップ39との間で、火花放電が発生する間隙(火花ギャップとも呼ぶ)を形成する第1放電面295である。中心電極チップ29の詳細については、後述する。
接地電極30は、主体金具50の先端に接合された接地電極本体31と、略円柱形状の接地電極チップ39と、を備えている。接地電極本体31は、両端面として、自由端面311と、接合端面312と、を有している。接合端面312は、主体金具50の先端面50Aに、例えば、抵抗溶接によって、接合されている。これによって、主体金具50と接地電極本体31とは、電気的に接続される。接地電極本体31は、湾曲されており、接地電極本体31の一側面は、中心電極20の中心電極チップ29と、軸線CO上で軸線方向に対向している。
接地電極本体31は、例えば、NiまたはNiを50重量%以上含む合金(例えば、INC600、INC601)を用いて形成されている。接地電極本体31には、より熱伝導性が高い金属(例えば、銅)を用いて形成された芯部が埋設されていても良い。
接地電極チップ39は、自由端面311近傍の一側面において、中心電極チップ29と対抗する位置に溶接されている。接地電極チップ39は、例えば、中心電極チップ29と同じ材料を用いて形成される。接地電極チップ39の後端面は、中心電極チップ29の第1放電面295と対向し、第1放電面295との間に、間隙を形成する第2放電面395である。この間隙は、点火プラグ100の使用時に火花が放電するいわゆる火花ギャップである。
端子金具40は、軸線方向に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で形成され、端子金具40の表面には、防食のための金属層(例えば、Ni層)がめっきなどによって形成されている。
絶縁体10の貫通孔12内において、端子金具40の先端(脚部43の先端)と中心電極20の後端(頭部23の後端)との間には、火花発生時の電波ノイズを低減するための抵抗体70が配置されている。抵抗体70は、例えば、主成分であるガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、導電性材料と、を含む組成物で形成されている。貫通孔12内において、抵抗体70と中心電極20との隙間は、導電性シール60によって埋められている。抵抗体70と端子金具40との隙間は、導電性シール80によって埋められている。導電性シール60、80は、例えば、B23−SiO2系等のガラス粒子と、金属粒子(Cu、Feなど)と、を含む組成物で形成されている。
A−2. 中心電極の先端部分の構成:
図2は、中心電極20の先端近傍の構成の説明図である。図2には、点火プラグ100の中心電極チップ29の近傍を切断した断面CFが示されている。この断面CFは、第1放電面295の重心GCを通り、かつ、第1放電面295と垂直な平面で中心電極チップ29を切断した断面である。本実施形態では、第1放電面295の重心GCを通り、かつ、第1放電面295と垂直な線は、点火プラグ100の軸線COと一致するので、図2の断面CFは、点火プラグ100の軸線COを含む断面である、とも言うことができる。中心電極チップ29は、略円柱形状を有し、上述した第1放電面295と、第1放電面295と交差する側面293と、を有する。
中心電極チップ29は、中心電極本体21に対して、レーザ溶接によって接合されている。このために、中心電極チップ29と中心電極本体21との間には、レーザ溶接によって形成された溶接部25が配置されている。溶接部25は、溶接前の中心電極チップ29の一部分と、中心電極本体21の一部分と、が溶融・凝固した部分である。このために、溶接部25は、中心電極チップ29の成分と、中心電極本体21の成分と、を含んでいる。
図2の断面CFにおいて、第1放電面295と平行で第1放電面295から20μm中心電極本体21側へ離れた仮想的な直線を第1の仮想線L1とする。また、第1放電面295と平行で第1放電面295から200μm中心電極本体21側へ離れた仮想的な直線を第2の仮想線L2とする。すなわち、図2において、Δh1は、20μmであり、Δh2は、200μmである。断面CFにおいて、第1の仮想線L1から第2の仮想線L2までの領域を、特定領域TAとする。図2において、特定領域TAは、クロスハッチングが付された領域である。
図3は、図2の断面CFにおいて、破線で囲んだ領域SAの拡大図である。この領域SAは、上述した特定領域TAの一部分を含んでいる。図3に示すように、中心電極チップ29は、母材MPと、母材MPの内部に分散して配置された酸化物粒子OPと、を含んでいる。本実施形態の中心電極チップ29は、以下の(1)〜(3)を満たしている。
(1)母材MPは、イリジウム(Ir)を主成分とし、Irを含む貴金属を50重量%以上含む。
Irを主成分とするとは、母材MPに含まれる全ての元素のうち、最も含有率(単位は重量%)が高い元素がIrであることを意味する。貴金属は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)の8種類の元素を意味する。Irを主成分とし、貴金属を50重量%以上含む母材は、高融点であるので、耐酸化性、耐火花消耗性に優れている。このために、上記(1)を満たすことで、中心電極チップ29の耐火花消耗性を向上することができる。
(2)酸化物粒子OPは、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ケイ素(Si)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロジウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)からなる群(以下、特定元素群とも呼ぶ)より選択される一種の元素と、酸素元素と、からなる酸化物の粒子である。すなわち、酸化物粒子OPは、Al、Cr、SiO、Y、La、CeO、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、DyO、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、TiO、ZrO、Hfのいずれかである。酸化物粒子OPは、これらの酸化物のうちの複数種類の酸化物の粒子を含んでも良い。
これらの酸化物粒子OPが、母材MP内に分散して配置されることで、中心電極チップ29の耐火花消耗性を向上することができることが、後述する試験によって確かめられている。そのメカニズムは、明らかではないが、例えば、以下の(A)、(B)などが考えられる。
(A)これらの酸化物の仕事関数は、母材MPより低いため、酸化物が母材MP内に分散されることで、母材MPから電子が放出されやすくなる。このために、火花放電に必要なエネルギーが低下して、中心電極チップ29への損傷が低減される。ここで仕事関数は、物質の表面から電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小エネルギーを意味する。
(B)母材MP内において酸化物が火花のエネルギーを受けることで、酸化物内で、酸素の解離と再結合が繰り返されて、火花のエネルギーが吸収される。このために、母材MPが受ける火花のエネルギーが緩和される。
(3)断面CFにおいて、特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合は、0.3%以上、かつ、15%以下である。
酸化物粒子OPの割合が過度に小さい場合には、上述した(A)、(B)の作用が十分に得られない。一方、酸化物粒子OPの割合が過度に大きい場合には、酸化物は、母材MPより熱伝導性が低いために、中心電極チップ29の第1放電面295の近傍の熱伝導性が低下する。この結果、点火プラグ100の使用中に、中心電極チップ29の第1放電面295近傍の温度が過度に高くなるので、中心電極チップ29の耐火花消耗性が低下し得る。上記(3)が満たされることで、酸化物粒子OPの割合が適切になり、中心電極チップ29の耐火花消耗性を向上できる。
ここで、特定領域TAにおける酸化物の割合が、耐火花消耗性を向上する観点から重要である理由を説明する。点火プラグ100が使用されて、中心電極チップ29が加熱されると、中心電極チップ29の表面(例えば、第1放電面295)には、中心電極チップ29に含まれる元素の酸化物の被膜が形成される。このために、中心電極チップ29の第1の仮想線L1より第1放電面295側の領域では、酸化物の被膜が存在するために、酸化物の割合が高くなるのは、当然であり、母材MPの内部に分散して配置された酸化物の割合とは、異なる。このために、本実施形態にて中心電極チップ29の耐火花消耗性を向上させるために母材MPの内部に分散配置された酸化物の割合を適切に評価するためには、第1の仮想線L1より第1放電面295側(先端側)の領域は除外することが適切である。また、第2の仮想線L2より後端側の領域は、第1放電面295から大幅に離れているので、該領域内の酸化物粒子OPは、上述の(A)、(B)の効果をあまり発揮できない。このために、特定領域TAにおける酸化物の割合が、耐火花消耗性を向上する観点から重要となる。
本実施形態の点火プラグ100では、上記の(1)〜(3)が満たされることで、中心電極チップ29の耐火花消耗性を従来と比較して向上することができる。
さらに、実施形態の点火プラグ100の断面CFにおいて、特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合は、1.5%以上、かつ、10%以下であることが好ましい。こうすれば、より適量の酸化物粒子が放電面近傍に分散配置されるので、上記(A)、(B)の作用がより発揮され、かつ、中心電極チップ29の第1放電面295の近傍の熱伝導性の低下がより抑制される。この結果、中心電極チップ29の耐火花消耗性をより向上することができる。
さらに、実施形態の点火プラグ100の断面CFにおいて、特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合は、3%以上、かつ、8%以下であることが好ましい。こうすれば、特に適量の酸化物粒子が放電面近傍に分散配置されるので、上記(A)、(B)の作用が特に発揮され、かつ、中心電極チップ29の第1放電面295の近傍の熱伝導性の低下が特に抑制される。この結果、中心電極チップ29の耐火花消耗性を特に向上することができる。
さらに、実施形態の点火プラグ100の断面CFにおいて、酸化物粒子OPは、Al、La、Nd、Smからなる群より選択される一種の元素と、酸素元素と、からなる酸化物の粒子であることが、好ましい。すなわち、酸化物粒子OPは、Al、La、Nd、Smのうちの1種以上の酸化物の粒子であることが好ましい。酸化物粒子OPは、これらの酸化物のうちの複数種類の酸化物の粒子を含んでも良い。これらの酸化物粒子OPは、より耐火花消耗性を向上させる効果が高い。この結果、中心電極チップ29の耐火花消耗性をさらに向上することができる。
また、実施形態の点火プラグ100において、中心電極チップ29の母材MPは、Pt、Ru、Rh、Reからなる群より選択される少なくとも一種の元素を合計で1重量%以上20重量%以下含有することが好ましい。これらの元素が添加されると、Irの高温での酸化揮発が抑制できるので、中心電極チップ29の母材MPの耐酸化性を向上することができる。したがって、中心電極チップ29の耐火花消耗性を向上することができる。ただし、添加元素の量が過度に多い場合には、母材MPの熱伝導性が低下するので、中心電極チップ29が過度に高温となって耐火花消耗性が低下する。これらの添加元素を合計で1重量%以上20重量%以下含有する場合には、母材MPの耐酸化性を向上しつつ、母材MPの熱伝導性の低下を抑制できるので、中心電極チップ29の耐火花消耗性をさらに向上することができる。
さらに、実施形態の点火プラグ100において、中心電極チップ29の母材MPは、Irを80重量%以上含有し、Pt、Ru、Rh、Reからなる群より選択される少なくとも一種の元素を合計で1重量%以上10重量%以下含有することが好ましい。Irの含有率が過度に低いと、熱伝導性が低下する。Irを80重量%以上含有し、かつ、これらの添加元素を合計で1重量%以上10重量%以下含有する場合には、母材MPの耐酸化性を向上しつつ、母材MPの熱伝導性の低下を抑制できるので、中心電極チップ29の耐火花消耗性を特に向上することができる。
さらに、実施形態の点火プラグ100において、中心電極チップ29の直径R1(すなわち、第1放電面295の直径)は、1.3mm以上、3.5mm以下であることが好ましい。中心電極チップ29の直径R1が大きいほど、中心電極チップ29の第1放電面295の近傍の熱を効率良く後端側に逃がすことができるので、熱引き性能が向上する。また、中心電極チップ29の直径R1が大きいほど、中心電極チップ29の熱容量が大きくなる。この結果、中心電極チップ29の温度上昇を抑制できるので、中心電極チップ29の耐火花消耗性を向上できる。中心電極チップ29の直径R1が過度に大きいと、発生した火花の熱エネルギーを吸収する消炎作用が過度に大きくなり、着火性が低下する。中心電極チップ29の直径R1が、1.3mm以上、3.5mm以下であると、耐火花消耗性を向上しつつ、着火性能の低下を抑制することができる。
中心電極チップ29の直径R1は、1.5mm以上、2.5mm以下であることがより好ましい。こうすれば、耐火花消耗性をさらに向上することができ、着火性能の低下をさらに抑制することができる。
特に、点火プラグ100に生じた火花放電に対して、電源から比較的高いエネルギーを投入して、火花放電をプラズマ化させる場合には、中心電極チップ29が火花放電によって消耗しやすい。このため、火花放電をプラズマ化させる場合には、火花放電をプラズマ化させない場合と比較して、特に、中心電極チップ29の直径R1が、上記範囲内にあることが好ましい。
なお、上述した断面CFにおける特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合は、例えば、以下のように測定することができる。中心電極チップ29を、軸線を含む面で切断し、該断面を研磨することによって、断面CFの研磨面が得られる。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影することによって、研磨面のCOMPO像が得られる。COMPO像において、酸化物粒子OPは、母材MPより濃い黒色の領域として表れるため、母材MPの領域と酸化物粒子OPの領域とを区別することができる。COMPO像において、特定領域TAを特定し、該特定領域TA内において酸化物粒子OPが占める領域が特定される。特定された特定領域TAおよび酸化物粒子OPの面積を測定することによって、特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合が算出される。
また、酸化物粒子OPの種類は、上記の研磨面に対して、ICP(Inductively Coupled Plasma)分析とX線回折(XRD:X-ray diffraction)とEPMA(Electron Probe Micro Analyser)とによって、酸化物粒子OPの成分および構造を調べることで特定される。母材MPの組成は、ICP分析とEPMAとによって特定される。
中心電極チップ29は、以下のように製造することができる。形成すべき母材MPの組成に合わせて配合された金属粉末と、分散配置すべき酸化物粒子OPの粉末と、を混合することによって、原料粉末が得られる。得られた原料粉末を、所定の圧力(例えば、10MPa〜20MPa)で加圧しながら、所定の温度(例えば、摂氏1500度〜1600度)で、焼結する。焼結密度は、例えば、98%とされる。その後、焼結体を所望の寸法に切削加工が行われて、中心電極チップ29が得られる。
B.評価試験
B−1.第1評価試験
第1評価試験では、まず、母材MPの耐火花消耗性を評価すべく、酸化物粒子OPが分散配置されていない母材MPのみの中心電極チップ29を備える点火プラグのサンプルA1〜A20を作製した。各サンプルの中心電極チップ29は、Ru、Pt、Rh、Re、Niを以下の表1に示す含有率(単位は重量%)だけ含む。各サンプルの中心電極チップ29の残余は、Irと不可避不純物である。
Figure 2018098084
サンプルA1の中心電極チップ29は、Irのみで形成されており、Irの含有率は、100重量%である。
サンプルA2〜A8の中心電極チップ29は、PtとIrとを含有している。サンプルA2〜A8では、Ptの含有率は、1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、68重量%であり、残余のIrの含有率は、およそ、99重量%、98重量%、95重量%、90重量%、80重量%、70重量%、32重量%である。
サンプルA9、A10の中心電極チップ29は、PtとRhとNiとIrとを含有している。サンプルA9、A10では、Ptの含有率は、2重量%、5重量%であり、Rhの含有率は、ともに1重量%であり、Niの含有率は、ともに1重量%である。サンプルA9、A10では、残余のIrの含有率は、およそ、96重量%、93重量%である。
サンプルA11の中心電極チップ29は、RuとRhとNiとIrとを含有している。サンプルA11では、Ruの含有率は、10重量%であり、Rhの含有率は、20重量%であり、Niの含有率は、1重量%である。サンプルA11では、残余のIrの含有率は、およそ、69重量%である。
サンプルA12〜A14の中心電極チップ29は、RhとIrとを含有している。サンプルA12〜A14では、Rhの含有率は、1重量%、10重量%、20重量%であり、残余のIrの含有率は、およそ、99重量%、90重量%、80重量%である。
サンプルA15〜A17の中心電極チップ29は、ReとIrとを含有している。サンプルA15〜A17では、Reの含有率は、1重量%、10重量%、20重量%であり、残余のIrの含有率は、およそ、99重量%、90重量%、80重量%である。
サンプルA18〜A20の中心電極チップ29は、RuとIrとを含有している。サンプルA18〜A20では、Ruの含有率は、1重量%、10重量%、20重量%であり、残余のIrの含有率は、およそ、99重量%、90重量%、80重量%である。
なお、サンプルA1〜A20に共通する事項は、以下の通りである。
中心電極チップ29の直径R1:1.5mm
第1放電面295と第2放電面395との初期の距離(初期ギャップ):0.8mm
第1評価試験では、耐火花消耗性の評価試験として火花試験が行われた。火花試験では、各サンプルに対し、0.4MPaに加圧した窒素が充填されたチャンバ内で、1秒間に30回の火花放電を発生させる火花試験を10時間行った。1回の放電時には、放電用電源を用いて発生させた火花放電に、周波数13MHzの高周波電源装置を用いて、8Aの電流を1msに亘って供給した。試験後の各サンプルの中心電極チップ29について、CTスキャナー(東芝ITコントロールシステム株式会社製TOSCANER−32250μhd)を用いて、試験前の体積に対する試験後の体積の減少量(以下、消耗量と呼ぶ)を測定した。
消耗量が0.6mm未満であるサンプルの耐火花消耗性の評価を「A」とし、消耗量が0.6mm以上0.8mm未満であるサンプルの耐火花消耗性の評価を「B」とし、消耗量が0.8mm以上であるサンプルの耐火花消耗性の評価を「C」とした。A、B、Cの順に耐火花消耗性が優れている。試験の結果は、表1に示す通りである。
Irを主成分とせず、Ptを主成分とするサンプルA8の評価は、「C」であった。Irを主成分とするサンプルA1〜A7、A9〜A20の評価は、「B」以上であった。この結果から、Irを主成分とする母材は、Ptを主成分とする母材より耐火花消耗性が優れていることが確認された。
評価が「B」以上であるサンプルA1〜A7、A9〜A20のうち、Pt、Ru、Rh、Reからなる群より選択される少なくとも一種の元素を合計で、1重量%以上20重量%以下含有するサンプルA2〜A6、A9、A10、A12〜A20の評価は、「A」であった。これに対して、評価が「B」以上であるサンプルA1〜A7、A9〜A20のうち、Pt、Ru、Rh、Reのいずれも含有しないサンプルA1の評価は、「B」であった。また、Pt、Ru、Rh、Reからなる群より選択される少なくとも一種の元素を合計で20重量%を超えて含有するサンプルA7、A11の評価は、「B」であった。サンプルA7、A11は、消耗量が0.7mm以上であり、サンプルA2〜A6、A9、A10、A12〜A20と比較して、耐火花消耗性が大幅に劣っていた。この結果から、母材MPは、Pt、Ru、Rh、Reからなる群より選択される少なくとも一種の元素を合計で1重量%以上20重量%以下含有することが好ましいことが確認された。
また、Ptの含有率が1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、20重量%であるサンプルA2〜A6の評価はいずれも「A」であるが、サンプルA2〜A6のうち、Ptの含有率が2重量%のサンプルA3の消耗量が最も小さかった。サンプルA2〜A6のうち、Ptの含有率が5重量%のサンプルA4の消耗量が2番目に小さく、Ptの含有率が1重量%のサンプルA2の消耗量が3番目に小さかった。サンプルA2〜A6のうち、Ptの含有率が10重量%のサンプルA4の消耗量が4番目に小さく、Ptの含有率が20重量%のサンプルA6の消耗量が最も大きかった。以上から、80重量%を超えるIrを含有し、1重量%以上10重量%以下のPtを含有するサンプルA2〜5は、Irの含有率が80重量%を超えず、20重量%のPtを含有するサンプルA6より耐火花消耗性が優れていることが確認された。
また、Rhの含有率が1重量%、10重量%、20重量%であるサンプルA12〜A14の評価はいずれも「A」であるが、サンプルA12〜A14のうち、Rhの含有率が1重量%のサンプルA12の消耗量が最も小さく、Rhの含有率が10重量%のサンプルA13の消耗量が2番目に小さく、Rhの含有率が20重量%のサンプルA14の消耗量が最も大きかった。以上から、80重量%を超えるIrを含有し、1重量%以上10重量%以下のRhを含有するサンプルA12、A13は、Irの含有率が80重量%を超えず、20重量%のRhを含有するサンプルA14より耐火花消耗性が優れていることが確認された。
また、Reの含有率が1重量%、10重量%、20重量%であるサンプルA15〜A17の評価はいずれも「A」であるが、サンプルA15〜A17のうち、Reの含有率が10重量%のサンプルA16の消耗量が最も小さく、Reの含有率が1重量%のサンプルA15の消耗量が2番目に小さく、Reの含有率が20重量%のサンプルA17の消耗量が最も大きかった。以上から、80重量%を超えるIrを含有し、1重量%以上10重量%以下のReを含有するサンプルA15、A16は、Irの含有率が80重量%を超えず、20重量%のReを含有するサンプルA17より耐火花消耗性が優れていることが確認された。
また、Ruの含有率が1重量%、10重量%、20重量%であるサンプルA18〜A20の評価はいずれも「A」であるが、サンプルA18〜A20のうち、Ruの含有率が1重量%のサンプルA18の消耗量が最も小さく、Ruの含有率が10重量%のサンプルA19の消耗量が2番目に小さく、Reの含有率が20重量%のサンプルA20の消耗量が最も大きかった。以上から、80重量%を超えるIrを含有し、1重量%以上10重量%以下のRuを含有するサンプルA18、A19は、Irの含有率が80重量%を超えず、20重量%のRuを含有するサンプルA20より耐火花消耗性が優れていることが確認された。
以上の結果から、母材MPは、80重量%を超えるIrを含有し、Pt、Ru、Rh、Reからなる群より選択される少なくとも一種の元素を合計で1重量%以上10重量%以下含有することがより好ましいと考えられる。
B−2.第2評価試験
第2評価試験では、Irの含有率が100重量%である純Irを母材MPとし、該母材MP内に、酸化物粒子OPが分散配置された中心電極チップ29を備える点火プラグのサンプルB2〜B23を作製した。なお、サンプルB1は、酸化物粒子OPを含んでいないサンプルであり、第1評価試験のサンプルA1と同一である。サンプルB2〜B23の中心電極チップ29に含まれる酸化物粒子OPは、下記の表1に示すように、Al、La、Y、Nd、Sm、CeO、Lu、Yb、Gd、DyO、Er、TiO、Hf、Cr、SiO、ZrO、Pr、Tb、Ho、Tm、CaO、NiOである。
Figure 2018098084
なお、サンプルB1〜B23に共通する事項は、以下の通りである。
中心電極チップ29の直径R1:1.5mm
第1放電面295と第2放電面395との初期の距離(初期ギャップ):0.8mm
断面CFの特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合:7%
なお、サンプルB1〜B23は、2個ずつ同じ製法で作製され、1個について、特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合を、日本電子株式会社製の走査電子顕微鏡JSM−IT300を用いて撮影されたCOMPO像を用いて、上述した方法で算出して、当該割合が7%であることを確認した。
そして、各サンプルの残りの1個を用いて、上述した第1評価試験と同様の条件で火花試験を行い、第1評価試験と同様の方法で中心電極チップ29の消耗量を測定した。そして、消耗量が純Irの中心電極チップ29を備えるサンプルB1より大幅に減少して、0.4mm未満となったサンプルの耐火花消耗性の評価を「A」以上とし、消耗量が0.4mm以上であるサンプルの耐火花消耗性の評価を「B」とした。また、0.4mm未満となったサンプルのうち、特に消耗量が大幅に減少して約0.2mmとなったサンプルおよび0.2mm未満となったサンプルの評価を「S」とした。試験の結果は、表2に示す通りである。
酸化物粒子OPとして、Al、La、Y、Nd、Sm、CeO、Lu、Yb、Gd、DyO、Er、TiO、Hf、Cr、SiO、ZrO、Pr、Tb、Ho、Tmが用いられたサンプルB2〜B21の評価は、「A」以上であり、酸化物粒子OPとして、CaO、NiOが用いられたサンプルB22、B23の評価は、「B」であった。この結果から、Al、Cr、Si、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hfからなる群より選択される一種の元素と、酸素元素と、からなる酸化物粒子OPを、母材MPの内部に分散配置することによって、耐火花消耗性を大幅に向上できることが確認できた。
さらに、評価が「A」以上であったサンプルB2〜B21のうち、酸化物粒子OPとして、Al、La、Nd、Smが用いられたサンプルB2、B3、B5、B6の評価は、「S」であった。これに対して、評価が「A」以上であったサンプルB2〜B21のうち、残りの16種類のサンプルの評価は、「A」であった。この結果から、Al、La、Nd、Smからなる群より選択される一種の元素と、酸素元素と、からなる酸化物粒子OPを、母材MPの内部に分散配置することによって、耐火花消耗性を特に大幅に向上できることが確認できた。
B−3.第3評価試験
第3評価試験では、Irの含有率が100重量%である純Irを母材MPとし、該母材MP内に、酸化物粒子OPとしてLaが分散配置された中心電極チップ29を備える点火プラグのサンプルC1〜C12を作製した。さらに、Irの含有率が100重量%である純Irを母材MPとし、該母材MP内に、酸化物粒子OPとしてAlが分散配置された中心電極チップ29を備える点火プラグのサンプルD1〜D12を作製した。サンプルC7、D7は、第2評価試験のサンプルB3、B2と同一である。
サンプルC1〜C12、D1〜D12において、断面CFの特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合は、以下の表3に示すように、0%、0.1%、0.3%、1.5%、3%、4.5%、7%、8%、10%、15%、20%、30%のいずれかである。
Figure 2018098084
なお、サンプルC1〜C12、D1〜D12に共通する事項は、以下の通りである。
中心電極チップ29の直径R1:1.5mm
第1放電面295と第2放電面395との初期の距離(初期ギャップ):0.8mm
これらのサンプルC1〜C12、D1〜D12は、2個ずつ同じ製法で作製され、1個について、特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合を、日本電子株式会社製の走査電子顕微鏡JSM−IT300を用いて撮影されたCOMPO像を用いて、上述した方法で算出して、当該割合が上記の割合であることを確認した。
そして、各サンプルの残りの1個を用いて、上述した第1、第2評価試験と同様の条件で火花試験を行い、第1、第2評価試験と同様の方法で中心電極チップ29の消耗量を測定した。消耗量が0.2mm未満であったサンプルの耐火花消耗性の評価を「SS」とし、消耗量が0.2mm以上0.22mm未満であったサンプルの耐火花消耗性の評価を「S」とした。消耗量が0.22mm以上0.4mm未満であったサンプルの耐火花消耗性の評価を「A」とし、消耗量が0.4mm以上であったサンプルの耐火花消耗性の評価を「B」とした。試験の結果は、表3に示す通りである。
酸化物粒子OPとしてLaが用いられたサンプルC1〜C12のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が0.3%未満であるサンプルC1、C2、および、該割合が15%を超えるサンプルC11、C12の評価は、「B」であった。サンプルC1〜C12のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が0.3%以上15%以下であるサンプルC3〜C10の評価は、「A」以上であった。
評価が「A」以上であったサンプルC3〜C10のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が1.5%未満であるサンプルC3、および、該割合が10%を超えるサンプルC10の評価は、「A」であった。サンプルC3〜C10のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が1.5%以上10%以下であるサンプルC4〜C9の評価は、「S」以上であった。
評価が「S」以上であったサンプルC4〜C9のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が3%未満であるサンプルC4、および、該割合が8%を超えるサンプルC9の評価は、「S」であった。サンプルC4〜C9のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が3%以上8%以下であるサンプルC5〜C8の評価は、「SS」であった。また、評価が「SS」であるサンプルC5〜C8のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が4.5%であるサンプルC6が最も消耗量が小さく、耐火花消耗性に優れていた。
酸化物粒子OPとしてAlが用いられたサンプルD1〜D12のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が0.3%未満であるサンプルD1、D2、および、該割合が15%を超えるサンプルD11、D12の評価は、「B」であった。サンプルD1〜D12のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が0.3%以上15%以下であるサンプルD3〜D10の評価は、「A」以上であった。
評価が「A」以上であったサンプルD3〜D10のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が1.5%未満であるサンプルD3、および、該割合が10%を超えるサンプルD10の評価は、「A」であった。サンプルD3〜D10のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が1.5%以上10%以下であるサンプルD4〜D9の評価は、「S」以上であった。
評価が「S」以上であったサンプルD4〜D9のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が3%未満であるサンプルD4、および、該割合が8%を超えるサンプルD9の評価は、「S」であった。サンプルD4〜D9のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が3%以上8%以下であるサンプルD5〜D8の評価は、「SS」であった。また、評価が「SS」であるサンプルD5〜D8のうち、酸化物粒子OPの面積の割合が4.5%であるサンプルD6が最も消耗量が小さく、耐火花消耗性に優れていた。
この結果から、酸化物粒子OPとしてLaおよびAlが用いられる場合には、断面CFにおける特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合が、0.3%以上、かつ、15%以下であると、耐火花消耗性を向上できることが確認された。そして、該割合が、1.5%以上、かつ、10%以下である場合には、耐火花消耗性をさらに向上できることが確認された。また、該割合が、3%以上、かつ、8%以下である場合には、耐火花消耗性を特に向上できることが確認された。
なお、酸化物が分散配置されることによって、耐火花消耗性が向上するメカニズム、および、該酸化物が過度に多量に分散配置されると、中心電極チップ29の熱伝導性が低下して耐火花消耗性が低下するメカニズムは、LaおよびAlが用いられる場合に限らず、他の酸化物でも同様であると考えられる。このために、LaおよびAlが用いられる場合に限らず、酸化物粒子OPとして、Y、Nd、Sm、CeO、Lu、Yb、Gd、DyO、Er、TiO、Hf、Cr、SiO、ZrO、Pr、Tb、Ho、Tmが用いられる場合であっても、同様に、断面CFにおける特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合が、0.3%以上、かつ、15%以下であることが好ましいと推定される。また、この場合であっても、該割合は、1.5%以上、かつ、10%以下であることがより好ましく、3%以上、かつ、8%以下であることが特に好ましいと推定される。
B−4.第4評価試験
第4評価試験では、2重量%のPtを含有し、残余(98重量%)がIrであるIr合金を母材MPとし、該母材MP内に、酸化物粒子OPとしてLaが分散配置された中心電極チップ29を備える点火プラグのサンプルE1〜E7を作製した。さらに、同じIr合金を母材MPとし、該母材MP内に、酸化物粒子OPとしてAlが分散配置された中心電極チップ29を備える点火プラグのサンプルF1〜F7を作製した。
サンプルE1〜E7、F1〜F7において、中心電極チップ29の直径R1は、以下の表4に示すように、1mm、1.3mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3.5mm、4mmのいずれかである。
Figure 2018098084
なお、サンプルE1〜E7、F1〜F7に共通する事項は、以下の通りである。
第1放電面295と第2放電面395との初期の距離(初期ギャップ):0.8mm
断面CFの特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合:7%
これらのサンプルE1〜E7、F1〜F7は、3個ずつ同じ製法で作製された。これらのうちの1個について、特定領域TAの面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合を、日本電子株式会社製の走査電子顕微鏡JSM−IT300を用いて撮影されたCOMPO像を用いて、上述した方法で算出して、当該割合が7%であることを確認した。
そして、各サンプルの他の1個を用いて、上述した第1〜第3評価試験と同様の条件で火花試験を行い、第1〜第3評価試験と同様の方法で中心電極チップ29の消耗量を測定した。消耗量が0.15mm未満であったサンプルの耐火花消耗性の評価を「S」とした。消耗量が0.15mm以上0.25mm未満であったサンプルの耐火花消耗性の評価を「A」とし、消耗量が0.25mm以上であったサンプルの耐火花消耗性の評価を「B」とした。試験の結果は、表4に示す通りである。
さらに、各サンプルの残りの1個を用いて、実機運転試験を行った。実機運転試験では、サンプルを、直列4気筒、排気量2000cc、自然吸気のエンジンに、組み付けた。エンジンの運転条件を、回転速度=1600rpm、点火タイミング=60度BTDC、に設定した。この運転条件でエンジンを運転し、失火率を測定した。失火率としては、1つの気筒の1000回のサイクルにおける失火サイクル(着火できなかったサイクル)の数の割合を、採用した。そして、失火率が2%以上になるまで、空燃比(A/F)を徐々に上昇させた。そして、失火率が2%以上となった最小の空燃比を、限界空燃比として特定した。限界空燃比が大きいほどサンプルの着火性が高いことを示している。
限界空燃比が25以上であったサンプルの着火性の評価を「S」とした。限界空燃比が24以上25未満であったサンプルの着火性の評価を「A」とし、限界空燃比が24未満以上であったサンプルの着火性の評価を「B」とした。試験の結果は、表4に示す通りである。
酸化物粒子OPとしてLaが用いられたサンプルE1〜E7のうち、中心電極チップ29の直径R1が、1.3mm未満であるサンプルE1の耐火花消耗性の評価は、「B」であった。サンプルE1〜E7のうち、直径R1が1.3mmであるサンプルE2の耐火花消耗性の評価は、「A」であり、直径R1が1.5mm以上であるサンプルE3〜E7の耐火花消耗性の評価は、「S」であった。サンプルE1〜E7では、直径R1が大きくなるほど、消耗量が小さくなり、耐火花消耗性が向上していた。
酸化物粒子OPとしてAlが用いられたサンプルF1〜F7のうち、中心電極チップ29の直径R1が、1.3mm未満であるサンプルF1の耐火花消耗性の評価は、「B」であった。サンプルF1〜F7のうち、直径R1が1.3mmであるサンプルF2の耐火花消耗性の評価は、「A」であり、直径R1が1.5mm以上であるサンプルF3〜F7の耐火花消耗性の評価は、「S」であった。サンプルF1〜F7では、サンプルE1〜E7と同様に、直径R1が大きくなるほど、消耗量が小さくなり、耐火花消耗性が向上していた。
以上の結果から、酸化物粒子OPとしてAlやLaが用いられる場合には、耐火花消耗性の観点では、中心電極チップ29の直径R1は、1.3mm以上であることが好ましく、1.5mm以上であることが特に好ましいことが確認できた。酸化物粒子OPの種類に限らず、中心電極チップ29の直径R1が大きいほど熱引き性の向上および熱容量の増大により耐火花消耗性が向上するメカニズムは同じであるため、酸化物粒子OPとしてAlやLaが用いられる場合に限らず、耐火花消耗性の観点では、中心電極チップ29の直径R1は、1.3mm以上であることが好ましく、1.5mm以上であることが特に好ましいと推定できる。
また、酸化物粒子OPとしてLaが用いられたサンプルE1〜E7のうち、中心電極チップ29の直径R1が、3.5mmを超えるサンプルE7の着火性の評価は、「B」であった。サンプルE1〜E7のうち、直径R1が3.5mmであるサンプルE6の着火性の評価は、「A」であり、直径R1が2.5mm以下であるサンプルE1〜E5の着火性の評価は、「S」であった。サンプルE1〜E7では、直径R1が小さくなるほど、限界空燃比が大きくなり、着火性が向上していた。
酸化物粒子OPとしてAlが用いられたサンプルF1〜F7のうち、中心電極チップ29の直径R1が、3.5mmを超えるサンプルF7の着火性の評価は、「B」であった。サンプルF1〜F7のうち、直径R1が3.5mmであるサンプルF6の着火性の評価は、「A」であり、直径R1が2.5mm以下であるサンプルF1〜F5の着火性の評価は、「S」であった。サンプルF1〜F7では、直径R1が小さくなるほど、限界空燃比が大きくなり、着火性が向上していた。
以上の結果から、酸化物粒子OPとしてAlやLaが用いられる場合には、着火性の観点では、中心電極チップ29の直径R1は、3.5mm以下であることが好ましく、2.5mm以下であることが特に好ましいことが確認できた。酸化物粒子OPの種類に限らず、中心電極チップ29の直径R1が小さいほど、消炎作用が低下して着火性が向上するメカニズムは同じであるため、酸化物粒子OPとしてAlやLaが用いられる場合に限らず、着火性の観点では、中心電極チップ29の直径R1は、3.5mm以下であることが好ましく、2.5mm以下であることが特に好ましいと推定できる。
以上の第4評価試験の結果から耐火花消耗性と着火性とを総合的に評価すると、本実施形態の点火プラグ100では、中心電極チップ29の直径R1は、1.3mm以上、3.5mm以下であることが好ましく、1.5mm以上、2.5mm以下であることが特に好ましいことが確認できた。
F.変形例
(1)上記実施形態では、IrまたはIr合金の母材MPに酸化物粒子OPを分散配置させた電極チップは、中心電極20の中心電極チップ29として採用されているが、接地電極30の接地電極チップ39に採用されても良い。この場合は、接地電極30の第2放電面395の重心を通り、第2放電面395に垂直な平面で接地電極チップ39を切断した断面において、第2放電面395と平行で第2放電面395から20μm離れた第1の仮想線から、第2放電面395と平行で第2放電面395から200μm離れた第2の仮想線までの領域を特定領域とするとき、該特定領域の面積に占める酸化物粒子OPの面積の割合は、0.3%以上、かつ、15%以下であることが好ましい。
(2)上記実施形態では、中心電極チップ29には、第1放電面295の近傍に限らず、中心電極チップ29の全体に、酸化物粒子OPが分散配置されている。これに代えて、中心電極チップ29には、第1放電面295の近傍、例えば、第1放電面295と平行で、第1放電面295から300μm離れた仮想的な平面より先端側の部分だけに、酸化物粒子OPが分散配置されていても良い。
(3)上記実施形態の点火プラグ100の着火に用いられる電源は、どのような電源であっても良いが、本実施形態の点火プラグ100は、火花放電に対して比較的高い電気エネルギーを投入可能な電源が用いられ、比較的高い耐火花消耗性が要求される場合に、より効果的である。例えば、火花放電の近傍でプラズマが発生する程度に高いエネルギーを投入可能な電源、具体的には、本実施形態の点火プラグ100は、1回の放電あたりに、120mJ以上の電気エネルギーを投入可能な電源が用いられる場合に、より効果的である。
(4)上記実施形態では、中心電極チップ29や接地電極チップ39は、円柱形状を有しているが、これに代えて、四角柱形状や、五角柱形状などの他の形状を有してもよい。
(5)上記実施形態では、第1放電面295と第2放電面395とは、点火プラグ100の軸線COと垂直であり、第1放電面295と第2放電面395とは、点火プラグ100軸線方向に対向している。これに代えて、第1放電面295と第2放電面395とは、点火プラグ100の軸線COと平行であり、第1放電面295と第2放電面395とは、点火プラグ100の軸線方向と垂直な方向に対向していても良い。
(6)点火プラグ100において、接地電極30、主体金具50、中心電極20、絶縁体10等の材質、寸法は、様々に変更可能である。例えば、主体金具50の材質は、亜鉛めっきまたはニッケルめっきされた低炭素鋼でも良いし、めっきがなされていない低炭素鋼でも良い。また、絶縁体10の材質は、アルミナ以外の様々な絶縁性セラミックスでもよい。中心電極本体21や接地電極本体31の材料は、INC600、INC601、Alloy601、Alloy602などのニッケルまたはニッケルを50重量%以上含む各種の合金で形成され得る。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
5...ガスケット、6...リング部材、8...板パッキン、9...タルク、10...絶縁体、12...貫通孔、13...脚長部、15...段部、16...段部、17...先端側胴部、18...後端側胴部、19...鍔部、20...中心電極、21...中心電極本体、21B...芯部、25...溶接部、29...中心電極チップ、30...接地電極、31...接地電極本体、39...接地電極チップ、40...端子金具、41...キャップ装着部、42...鍔部、43...脚部、50...主体金具、51...工具係合部、52...取付ネジ部、53...加締部、54...座部、56...段部、58...圧縮変形部、59...挿入孔、60...導電性シール、70...抵抗体、80...導電性シール、100...点火プラグ、293...側面、295...第1放電面、311...自由端面、312...接合端面、395...第2放電面、L1...第1の仮想線、L2...第2の仮想線、TA...特定領域、MP...母材、OP...酸化物粒子

Claims (8)

  1. 中心電極と、前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極と、を備え、前記中心電極と前記接地電極との少なくとも一方は、電極本体と、前記電極本体に接合され、前記間隙を形成する放電面を有する電極チップと、を備える点火プラグであって、
    前記電極チップは、
    Irを主成分とし、Irを含む貴金属を50重量%以上含む母材と、
    前記母材内に分散して配置された酸化物粒子と、
    を含み、
    前記酸化物粒子は、Al、Cr、Si、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hfからなる群より選択される一種の元素と、酸素元素と、からなる酸化物の粒子であり、
    前記放電面の重心を通り、前記放電面に垂直な平面で前記電極チップを切断した断面において、前記放電面と平行で前記放電面から20μm離れた第1の仮想線から、前記放電面と平行で前記放電面から200μm離れた第2の仮想線までの領域を特定領域とするとき、
    前記特定領域の面積に占める前記酸化物粒子の面積の割合は、0.3%以上、かつ、15%以下であることを特徴とする、点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグであって、
    前記特定領域の面積に占める前記酸化物粒子の面積の割合は、1.5%以上、かつ、10%以下であることを特徴とする、点火プラグ。
  3. 請求項2に記載の点火プラグであって、
    前記特定領域の面積に占める前記酸化物粒子の面積の割合は、3%以上、かつ、8%以下であることを特徴とする、点火プラグ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記酸化物粒子は、Al、La、Nd、Smからなる群より選択される一種の元素と、酸素元素と、からなる酸化物の粒子であることを特徴とする、点火プラグ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記母材は、Pt、Ru、Rh、Reからなる群より選択される少なくとも一種の元素を合計で1重量%以上20重量%以下含有することを特徴とする、点火プラグ。
  6. 請求項5に記載の点火プラグであって、
    前記母材は、80重量%を超えるIrを含有し、Pt、Ru、Rh、Reからなる群より選択される少なくとも一種の元素を合計で1重量%以上10重量%以下含有することを特徴とする、点火プラグ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記電極チップは、円柱形状を有し、
    前記電極チップの直径は、1.3mm以上、3.5mm以下であることを特徴とする、点火プラグ。
  8. 請求項9に記載の点火プラグであって、
    前記電極チップの直径は、1.5mm以上、2.5mm以下であることを特徴とする、点火プラグ。
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