JP2015113512A - 酸化物スパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸化物スパッタリングターゲットは、Zn:30〜90at%と、残部:Ce及び不可避不純物とを含む金属の酸化物焼成体であって、前記酸化物焼成体は、CeとZnとの複合酸化物が形成されていると、耐割れ性を低下させる原因となるので、添加されたZnはZnOのままで存在し、ZnO相とCeO2相なる組織を有する。
【選択図】なし
Description
さらに、上記の酸化物スパッタリングターゲットについて、X線回折(XRD)した結果によれば、ZnOに帰属する回折ピークと、CeO2に帰属する回折ピークとが検出され、この酸化物スパッタリングターゲットは、ZnO相とCeO2相とによる組織を有していることが確認された。
さらに、上記のAl元素を添加した場合の酸化物スパッタリングターゲットについて、X線回折(XRD)した結果を図2に示した。この結果によれば、ZnOに帰属する回折ピークと、CeO2に帰属する回折ピークとが検出されていることからも、この酸化物スパッタリングターゲットは、ZnO相とCeO2相とによる組織を有していることが確認できる。なお、Al2O3相は少量であり、さらに一部がZnO相に固溶されるため、回折ピークとして検出され難い。
(1)本発明のスパッタリングターゲットは、Zn:30〜90at%と、残部:Ce及び不可避不純物とを含む金属の酸化物焼成体であって、前記酸化物焼成体は、ZnO相とCeO2相とによる組織を有することを特徴とする。
(2)本発明のスパッタリングターゲットは、Zn及びM(但し、Mは、B、Al、Ga、In及びYの元素群から選ばれた1種以上の元素)の合計:30〜90at%と、残部:Ce及び不可避不純物とを含む金属の酸化物焼成体であって、M/(M+Zn)の割合が0.5〜9.5%であり、前記酸化物焼成体は、ZnO相とCeO2相とM酸化物相とによる組織を有することを特徴とする。
(3)前記(2)のスパッタリングターゲットは、前記酸化物焼成体の体積抵抗率が5×10−2Ω・cm以下であることを特徴とする。
先ず、本発明の酸化物スパッタリングターゲットを製造するために、CeO2粉末(3N、D50=3.5μm)、ZnO粉末(4N、D50=1.0μm)、Al2O3粉末(4N、D50=0.2μm)、Ga2O3粉末(4N、D50=1.7μm)、In2O3粉末(4N、D50=1.0μm)、B2O3粉末(4N)、Y2O3粉末(4N、D50=2.5μm)をそれぞれ用意し、原料粉末とした。ここで、例えば、D50=1.0とは、粉末における50%の粒子の径が、1.0μm以下であることを示している。
本発明に係る実施例と比較のため、比較例1、2の酸化物スパッタリングターゲットを用意した。比較例1、2の酸化物スパッタリングターゲットは、表1に示されるように、CeO2粉末(3N、D50=3.5μm)と、ZnO粉末(4N、D50=1.0μm)とを用いた場合であって、ターゲット製造においては、上記各実施例の場合と同様の手法が採用されている。なお、比較例1、2の酸化物スパッタリングターゲットにおけるZnの含有量が、本発明におけるZnの含有量の範囲外のもとになっている。
<相対密度の測定>
相対密度(%)は、作製された実施例1〜12及び比較例1、2の焼成体を所定寸法に機械加工した後、重量を測定し、嵩密度を求めた後、理論密度Dで割ることで算出した。なお、理論密度Dについては、原料の重量に基づいて、以下に示した式により求めた。この式は、CeO2粉末とZnO粉末の両方と、複数の添加元素Mi、Mj・・・とを混合した場合を示している。実施例1〜3及び比較例1、2の場合には、添加元素Mi、Mj・・・を含まないので、添加元素に係る項は全て無いものとして、相対密度を求める。また、他の実施例の場合には、添加元素を含んでいるので、CeO2とZnOに係る項と、該当する添加元素に係る項のみとで相対密度を求める。相対密度の測定結果を、表2の「相対密度(%)」欄に示した。
但し、上式中の記号は、以下のとおりである。
D:混合物の理論密度
WCeO2:CeO2の重量%
WZnO:ZnOの重量%
WMiOx:添加元素MiOxの重量%
WMjOy:添加元素MjOyの重量%
DCeO2:CeO2の理論密度
DZnO:ZnOの理論密度
DMiOx:MiOxの理論密度
DMjOy:MjOyの理論密度
ここで、CeO2の理論密度は、7.13g/cm3、ZnOの理論密度は、5.61g/cm3、B2O3の理論密度は、2.46g/cm3、Al2O3の理論密度は、3.99g/cm3、Ga2O3の理論密度は、6.44g/cm3、In2O3の理論密度は、7.18g/cm3、Y2O3の理論密度は、4.8g/cm3である。
上記実施例1〜12及び比較例1、2の酸化物スパッタリングターゲットについて、体積抵抗率の測定では、抵抗測定装置として、三菱化学株式会社製の低抵抗率計(Loresta-GP)を用い、四探針法で、抵抗率(Ω・cm)を測定した。その測定結果を、表2の「抵抗率(Ω・cm)」欄に示した。なお、実施例1〜3と比較例1、2の場合には、抵抗が高いため、オーバーレンジとなったので、「測定範囲外」と表記した。
上記実施例4〜12の酸化物スパッタリングターゲットについて、スパッタ安定性試験を行った。この試験では、直流(DC)電源の電力を1000Wとし、30分間放電させて、DCスパッタリングを実施した。このDCスパッタリングを30分継続して異常放電回数を測定した。その測定結果を、表2の「異常放電発生状況」欄に示した。ここで、異常放電回数が10回未満の場合に、「◎」を、30回未満の場合に、「○」を表記し、「◎」及び「○」の場合を、スパッタ安定性が良好と判定した。放電が起こらなかった場合又は異常放電が多発した場合には、「×」を表記することになるが、このDCスパッタリングによるスパッタ安定性試験では、このような場合は、無かった。
なお、上記実施例1〜3及び比較例1、2の場合には、上記で測定された抵抗率が測定範囲外と高いため、スパッタリングに、高周波(RF)電源を用いることとしたので、このスパッタ安定性試験を行わなかった。
実施例1〜12及び比較例1、2の場合について、直径125mm×厚さ10mmの酸化物スパッタリングターゲットを前述の製造方法で作製し、スパッタリング装置のチャンバー内に装着して、以下に示す条件で、放電を行った。先ず、その放電を、1000W、30分間行い、チャンバー開放して、ターゲット表面が割れていないかどうかを確認した。次いで、ターゲット表面が割れていなければ、電力を200wずつ上昇させて印加し、2000Wになるまで、その都度、チャンバー開放して、ターゲット表面が割れていないかを確認した。一方、ターゲット表面の割れが確認できたときには、それ以降のスパッタ割れ試験を中断した。その確認結果が、表3に示されている。
(放電条件)
・電源:DC1000W〜2000W
・全圧:0.67Pa
・スパッタリングガス:Ar=30sccm
なお、表3においては、ターゲット表面の割れが確認できなかった場合には、「○」を、そして、ターゲット表面の割れが確認できた場合には、「×」をそれぞれ表示した。さらに、スパッタ割れ試験を中断した場合には、「−」を表示した。
Claims (3)
- Zn:30〜90at%と、残部:Ce及び不可避不純物とを含む金属の酸化物焼成体であって、
前記酸化物焼成体は、ZnO相とCeO2相とによる組織を有することを特徴とするスパッタリングターゲット。 - Zn及びM(但し、Mは、B、Al、Ga、In及びYの元素群から選ばれた1種以上の元素)の合計:30〜90at%と、残部:Ce及び不可避不純物とを含む金属の酸化物焼成体であって、
Mの含有量とM及びZnの合計含有量との原子比:M/(M+Zn)が0.5〜9.5%であり、
前記酸化物焼成体は、ZnO相とCeO2相とM酸化物相とによる組織を有することを特徴とするスパッタリングターゲット。 - 前記酸化物焼成体の体積抵抗率が5×10−2Ω・cm以下であることを特徴とする請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
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