JP5954620B2 - 透明酸化物膜形成用スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents
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Description
なお、EPMAによる元素分布像は、本来カラー像であるが、図1の写真では、白黒像に変換して示しているため、その写真中において、白いほど、当該元素の濃度が高いことを表している。具体的には、Alに関する分布像では、Al元素が白く斑点状(比較的白い部分)に分布し、Znに関する分布像では、Zn元素が全体的に存在し、その中でも、その濃度が高いと観られる白い部分が分布し、Oに関する分布像では、O元素が全体的にある程度の濃度で存在していることが観察される。そして、Siに関する分布像では、O元素が、ある程度の濃度で存在しているが、Zn元素の濃度が高い部分においては、存在していないことが観察できる。これらのことから、ZnOと、SiとZnとの複合酸化物(Zn2SiO4)とが、別々に存在すると推定される。
(1)本発明の透明酸化物膜形成用スパッタリングターゲットは、全金属成分量に対してAl及びGaのいずれか1種又は2種:0.6〜8.0at%と、Si:28.4〜33at%とを含有し、残部がZnおよび不可避不純物からなる組成の酸化物であり、前記Siは、前記酸化物中において、ZnとSiとの複合酸化物として存在し、或いは、その一部が、ZnとSiとの複合酸化物、その残部が、非晶質酸化物として存在し、さらに、前記Al又はGaは、前記酸化物中において、Al 2 O 3 又はGa 2 O 3 として存在し、或いは、その一部が、Al又はGaとZnと複合酸化物として存在していることを特徴としている。
酸化亜鉛(化学式:ZnO、D50=1μm)と、二酸化ケイ素(非晶質、化学式:SiO2、D90=5μm)と、酸化アルミニウム(化学式:Al2O3、D50=0.2μm)または、酸化ガリウム化学式:Ga2O3、D50=1.7μm)との各原料粉末を、表1に示す所定の比率になるように秤量した。
スパッタリングターゲットの比較例として、本発明の成分組成割合の設定範囲外としたものについても、表1に示す組成で、同様に、比較例1〜8のスパッタリングターゲットを作製した。なお、比較例8では、結晶質のSiO2粉末が使用されている。
<XRD分析>
XRD分析は、図2に示したXRD分析の場合と同様の手法で行った。スパッタリングターゲットについてのXRD分析により、XRDピークの有無を確認した。このXRD分析は、以下の条件で行った。
試料の準備:試料はSiC−Paper(grit 180)にて湿式研磨、乾燥の後、測定試料とした。
装置:理学電気社製(RINT−Ultima/PC)
管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:40mA
走査範囲(2θ):5°〜80°
スリットサイズ:発散(DS)2/3度、散乱(SS)2/3度、受光(RS)0.8mm
測定ステップ幅:2θで0.02度
スキャンスピード:毎分2度
試料台回転スピード:30rpm
<EPMA分析>
ターゲットの組織中における非晶質SiO2の粒子についてEPMA等で得られた分布画像から、その大きさを確認した。
<比抵抗測定>
スパッタリングターゲットの比抵抗測定は、三菱化学(株)製の抵抗測定器ロレスタGPを用いて測定した。
以上の結果を表3に示した。
さらに、上記実施例1〜10のスパッタリングターゲットのいずれにおいても、非晶質のSiO2の粒子は確認されなかった。即ち、確認できる程の大きさの粒子が存在すれば、図3に示されたEPMAにより取得された画像例のように、粒子部分が明瞭に表出されるが、実施例1〜10のスパッタリングターゲットのいずれについても、その粒子部分を確認できなかった。これは、焼成時に配合されたSiO2粉末の粒径が、5μmであったところ、焼成によって、画像中では確認できないほど粒径が小さくなったことを示している。
<成膜条件>
・電源:DC500WまたはRF500W
・全圧:0.4Pa
・スパッタリングガス:Ar=45sccm、O2:5sccm
・ターゲット−基板(TS)距離:70mm
なお、屈折率及び透過率測定用として、ガラス基板上に膜厚150nmを、また、水蒸気透過測定用として、PETフィルム(縦:100nm×横:100、厚さ:120μm)上に膜厚50nmを有する透明酸化物膜をそれぞれ成膜し、各種の測定を行った。
得られた各透明膜の屈折率は分光エリプソメーター(HORIBA Jobin Yvon社製UVISEL NIA AGMS)によって、透過率の測定には、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製V−550)を用いた。
水蒸気バリア性(水蒸気透過率)は、モコン法を用い、mocon社製PERMATRAN−W MODEL 3/33を用いてJIS規格のK7129法に基づいて測定した。
上述の条件において12時間のスパッタリングを行い、異常放電の回数を計測した。その後、スパッタチャンバーを開放し、チャンバー内のパーティクルを確認した。
なお、表4においては、プラズマが生じず、スパッタリング不能な場合「スパッタ不能」、異常放電の多発により、10秒以上の連続スパッタリングができなかった場合「不可」と表記した。
Claims (4)
- 全金属成分量に対して、Al及びGaのいずれか1種又は2種:0.6〜8.0at%と、Si:28.4〜33at%とを含有し、残部がZnおよび不可避不純物からなる組成の酸化物であり、
前記Siは、前記酸化物中において、ZnとSiとの複合酸化物として存在し、或いは、その一部が、ZnとSiとの複合酸化物、その残部が、非晶質酸化物として存在し、さらに、前記Al又はGaは、前記酸化物中において、Al 2 O 3 又はGa 2 O 3 として存在し、或いは、その一部が、Al又はGaとZnと複合酸化物として存在していることを特徴とする透明酸化物膜形成用スパッタリングターゲット。 - Al2O3粉末及びGa2O3粉末のいずれか1種又は2種:0.4〜4.0mol%と、非晶質のSiO2粉末:29〜34mol%と、ZnO粉末:残部とを配合し混合して得られた混合粉末を真空中または不活性ガス中で加圧焼成することを特徴とする透明酸化物膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記SiO2 粉末の粒径を10μm以下とし、前記Al2O3又はGa2O3:の平均粒径を5μm以下としたことを特徴とする請求項2に記載の透明酸化物膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記混合粉末を、温度1100〜1300℃、圧力100〜400kgf/cm2にて2〜10時間、真空または不活性ガス中で加圧焼成することを特徴とする請求項2又は3に記載の透明酸化物膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法。
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