JP2008255472A - ZnO蒸着材及びそれにより形成されたZnO膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】ITO膜に迫る高い導電率の膜を高速成膜することができる。
【解決手段】透明導電膜を成膜するために用いられるZnO蒸着材において、ZnOを主成分としたペレットからなり、ペレットがCeとBの双方の元素を含み、CeがBよりも含有割合が高く、Ceの含有割合が0.1〜14.9質量%、Bの含有割合が0.1〜10質量%の範囲内であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば太陽電池などに用いられる透明導電膜や、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置、タッチパネル装置の透明圧電センサーの透明電極、また表示装置を構成するアクティブマトリクス駆動装置、帯電防止導電膜コーティング、ガスセンサー、電磁遮蔽パネル、圧電デバイス、光電変換装置、発光装置、薄膜型二次電池などに用いられる膜を成膜するために用いられるZnO蒸着材及びそれにより形成されたZnO膜に関するものである。
近年、太陽電池などの光電変換装置などを製造する場合には、透明導電膜が不可欠である。従来の透明導電膜としては、ITO膜(錫をドープしたインジウム酸化物膜)が知られている。ITO膜は、透明性に優れ、低抵抗であるという利点を有する。
一方、太陽電池や液晶表示装置等にあっては、その低コスト化が求められている。しかし、インジウムが高価なことから、ITO膜を透明導電膜として用いると、その太陽電池も必然的に高価なものになってしまう難点があった。また、太陽電池などを製造する場合などには、透明導電膜上にアモルファスシリコンをプラズマCVD法により成膜することになるが、その際に、透明導電膜がITO膜であると、プラズマCVD時の水素プラズマにより、ITO膜が劣化するという問題点もあった。
これらの点を解消するために、一層安価に作製することのできるAl、B、Siなどの導電活性元素をドープした酸化亜鉛系膜を太陽電池等の透明導電膜として使用することが提案され、この酸化亜鉛系膜をスパッタリングにより形成するための酸化亜鉛系スパッタリング用ターゲットが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この酸化亜鉛系スパッタリング用ターゲットによると、上記導電活性元素を亜鉛に対して所定量含有させることにより極めて低抵抗な酸化亜鉛系焼結体が得られ、この焼結体は、原料粉末が微細で高分散性を有するほど焼結密度が向上し導電性が向上するとされている。
特開平6−2130号公報(特許請求の範囲の請求項2,請求項3及び請求項4)
しかし、上記従来の酸化亜鉛系スパッタリング用ターゲットを用いて高速成膜するために高電圧をかけながらスパッタリングを行うと、異常放電が発生しやすく、放電状態が不安定でターゲットが不均一に消耗し、得られた膜に組成ずれが生じて低抵抗の膜を得ることが困難となる不具合があった。一方、投入電力を小さくして電圧を低くすると成膜速度が遅くなり、酸化亜鉛系膜の成膜効率は大幅に低下する不具合があった。
本発明の目的は、ITO膜に迫る高い導電率の膜を高速成膜することのできるZnO蒸着材及びこれを用いたZnO膜を提供することにある。
請求項1に係る発明は、透明導電膜を成膜するために用いられるZnO蒸着材である。
その特徴ある構成は、ZnOを主成分としたペレットからなり、ペレットがCeとBの双方の元素を含み、CeがBよりも含有割合が高く、Ceの含有割合が0.1〜14.9質量%、Bの含有割合が0.1〜10質量%の範囲内であるところにある。
請求項1に係る発明では、ZnOを主成分としたペレットに、CeとBの2元素が上記含有割合で含むので、このZnO蒸着材を用いると、ITO膜に迫る高い導電性を有するZnO膜を成膜できる。
請求項2に係る発明は、CeとBの合計の含有割合が0.2〜15質量%の範囲内であるZnO蒸着材である。
請求項2に係る発明では、ZnO蒸着材中のCeとBの合計の含有割合が0.2〜15質量%の範囲内であることにより、導電特性及び分光特性において優れた効果が得られる。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、ZnOのペレットが多結晶体又は単結晶体であるZnO蒸着材である。
請求項3に係る発明では、ZnOのペレットが多結晶体か或いは単結晶体であるかの組織の相違ではなく、組成の相違によって効果が著しく変化するため、ZnOのペレットが多結晶である場合だけでなく、単結晶であっても請求項1に記載された範囲内の組成を有すれば、そのZnO蒸着材を用いてZnO膜を成膜すると、そのZnO膜はITO膜に迫る高い導電性が得られる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれか1項に記載のZnO蒸着材をターゲット材とする真空成膜法により形成されたZnO膜である。
請求項4に係る発明では、上記請求項1ないし3いずれか1項に記載のZnO蒸着材を用いてZnO膜を成膜するため、このZnO膜は、ITO膜に迫る高い導電性が得られる。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、真空成膜法が電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法又はプラズマ蒸着法であるZnO膜である。
以上述べたように、本発明の透明導電膜を成膜するために用いられるZnO蒸着材によれば、ZnOを主成分としたペレットからなり、ペレットがCeとBの双方の元素を含み、CeがBよりも含有割合が高く、Ceの含有割合が0.1〜14.9質量%、Bの含有割合が0.1〜10質量%の範囲内であるので、このZnO蒸着材を用いると、ITO膜に迫る高い導電性を有するZnO膜を成膜できる。本発明のZnO蒸着材は、添加元素としてCeとBの双方を含むため、イオン半径がZnより大きいCeにより歪んだ結晶を、イオン半径の小さいBを添加して回復整合させることにより、透過率の高いZnO膜が成膜でき、更に、緻密性に優れた膜を得られることにより、耐久性が高いZnO膜が成膜できる。
また、本発明に係るZnO膜は、本発明に係るZnO蒸着材を用いて成膜されるため、
高い導電率、高い透過率が得られ、更に、膜の耐久性が向上する。
次に本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明者は、ZnO蒸着材及びこの蒸着材を用いて成膜されたZnO膜中の添加物種及びその含有量における導電性への影響を詳細に調査したところ、ZnOのペレット中に添加元素として含まれるCeとBの2元素のそれぞれの含有割合が大きく影響していることが確認された。ZnOのペレット中において、このCeとBの2元素の含有割合が増加するほど概して導電性は良好となるが、更に増加すると逆に劣化することから、製品への適用を考えた場合、これら2元素の最適な含有割合の範囲が存在することが判った。
本発明に係るZnO蒸着材は、ZnOを主成分とし、CeとBの双方の元素を含有する。イオン半径が小さいBを使用することで膜の整合性を向上させることができる。添加元素としてCeとBの2種類の元素を含むため、導電に寄与する過電子を大量に発現させ維持することにより、高い導電率を有するZnO膜を成膜できる。本発明に係るZnO蒸着材中のCeは0.1〜14.9質量%の範囲内とする。Ceが下限値である0.1質量%未満になると、導電性が著しく低下し、上限値である14.9質量%を越えると、透過率が著しく低下するからである。また、Bは0.1〜10質量%の範囲内とする。Bが下限値である0.1質量%未満になると、導電性が著しく低下し、上限値である10質量%を越えると、蒸着時の組成ずれを生じさせるからである。このうち、Ce元素は3〜6質量%の範囲内が好ましく、Bは1〜3質量%の範囲内であることが好ましい。なお、緻密な結晶構造を維持するために、Ceの含有割合は、Bの含有割合よりも高くする。一方、Ceの含有割合がBの含有割合よりも高くなると、導電性及び透過率が悪化する。また、CeとBの合計の含有割合は0.2〜15質量%の範囲内であることが好ましい。これらの添加元素は、ZnO蒸着材中に微量に含まれる場合には、ZnOマトリックスの粒界や粒内に粒状の析出物として存在するのではなく、ZnO蒸着材中に均一に分散している。また、ZnO蒸着材中では、CeはCeO2又はCe23のような酸化物として存在し、BはB23として存在すると考えられる。
本発明に係るZnO蒸着材は、ZnOを主成分としたペレットからなる。このペレットは直径が5〜50mmであって、厚さが2〜30mmであることが好ましい。このペレットの直径を5〜50mmとするのは安定かつ高速な成膜の実施のためであり、その直径が5mm未満ではスプラッシュ等が発生する不具合があり、50mmを越えるとハース(蒸着材溜)への充填率が低下することに起因する蒸着における膜の不均一及び成膜速度の低下をもたらす不具合がある。また、その厚さを2〜30mmとするのは安定かつ高速な成膜の実施のためであり、その厚さが2mm未満ではスプラッシュ等が発生する不具合があり、30mmを越えるとハース(蒸着材溜)への充填率が低下することに起因する蒸着における膜の不均一及び成膜速度の低下をもたらす不具合がある。また、このZnOのペレットは、多結晶体であっても単結晶体であってもよい。
このように構成された本発明のZnO蒸着材では、3価又は4価の希土類元素であるCeを添加元素として含むため、2価であるZnに対して過剰のキャリア電子を発生させることにより、高い導電率を確保できる。また、希土類はZnO蒸着材に添加した場合、蒸着時の組成ずれを起こしにくい材料であり、膜で所望の組成比率を維持することができる。また、導電の機構としては、キャリア電子の強制投入以外に酸素欠損によるものがある。通常蒸着法では酸素ガスを導入するが、一般的には膜組成において酸素が不足状態となる。透明導電膜形成において酸素欠損を生成させ抵抗を下げる手法が採られるけれども、希土類元素を添加する場合、蒸発性能に優れるため制御しやすいといった特徴がある。本発明では、この特徴に加え、Bを添加元素として含むことで、ITOに迫る高い導電率を得ることができるものである。
次に、ZnO蒸着材の製造方法を、焼結法により作製する場合を代表して説明する。
先ず、高純度ZnO粉末と、ZnO蒸着材中のCeの含有割合が0.1〜14.9質量%の範囲となる量のCeO2粉末と、ZnO蒸着材中のBの含有割合が0.1〜10質量%の範囲となる量のB23粉末と、バインダと、有機溶媒とを混合して、濃度が30〜75質量%、好ましくは40〜65質量%のスラリーを調製する。高純度ZnO粉末は、純度が98%以上であることが好ましく、98.4%以上であることが更に好ましい。ZnO粉末の純度が98%以上であれば、不純物の影響による導電率の低下を抑えることができるからである。スラリーの濃度を30〜75質量%に限定したのは、75質量%を越えると上記スラリーが非水系であるため、安定した混合造粒が難しく、30質量%未満では均一な組織を有する緻密なZnO焼結体が得られ難いからである。ZnO粉末の平均粒径は0.1〜5.0μmの範囲内にあることが好ましい。0.1μm未満では、粉末が細かすぎて凝集するため、粉末のハンドリングが悪くなり、高濃度スラリーを調製し難い傾向があり、5.0μmを越えると、微細構造の制御が難しく、緻密なペレットが得られ難い傾向があるからである。
CeO2粉末はCe存在量の偏在の防止とZnOマトリックスとの反応性及びCe化合物の純度を考慮した場合、1次粒子径がナノスケールの酸化セリウム粒子を添加することが好ましい。B23粉末は平均粒径が0.01〜1μmの範囲内のものを使用することが好ましい。0.01〜1μmの範囲内のものを使用すれば、B23粉末を均一に分散するのに好適であるからである。このうち、0.05〜0.5μmの範囲のものが特に好ましい。
バインダとしてはポリエチレングリコールやポリビニールブチラール等を、有機溶媒としてはエタノールやプロパノール等を用いることが好ましい。バインダは0.2〜5.0質量%添加することが好ましい。
また高純度粉末とバインダと有機溶媒との湿式混合、特に高純度粉末と分散媒である有機溶媒との湿式混合は、湿式ボールミル又は撹拌ミルにより行われる。湿式ボールミルでは、ZrO2製ボールを用いる場合には、直径5〜10mmの多数のZrO2製ボールを用いて8〜24時間、好ましくは20〜24時間湿式混合される。ZrO2製ボールの直径を5〜10mmと限定したのは、5mm未満では混合が不十分となることからであり、10mmを越えると不純物が増える不具合があるからである。また混合時間が最長24時間と長いのは、長時間連続混合しても不純物の発生が少ないからである。
次に、上記スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜250μm、好ましくは50〜200μmの混合造粒粉末を得る。この造粒粉末を所定の型に入れて所定の圧力で成形する。上記噴霧乾燥はスプレードライヤを用いて行われることが好ましく、所定の型は一軸プレス装置又は冷間静水圧成形装置(CIP(Cold Isostatic Press)成形装置)が用いられる。一軸プレス装置では、造粒粉末を750〜2000kg/cm2(735.5〜1961.3MPa)、好ましくは1000〜1500kg/cm2(980.7〜1471.0MPa)の圧力で一軸加圧成形し、CIP成形装置では、造粒粉末を1000〜3000kg/cm2(980.7〜2942.0MPa)、好ましくは1500〜2000kg/cm2(1471.0〜1961.3MPa)の圧力でCIP成形する。圧力を上記範囲に限定したのは、成形体の密度を高めるとともに焼結後の変形を防止し、後加工を不要にするためである。
更に、成形体を所定の温度で焼結する。焼結は大気、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で1000℃以上、好ましくは1200〜1400℃の温度で1〜10時間、好ましくは2〜5時間行う。これにより所望のZnOを主成分とするペレットが得られる。ペレットの相対密度は90%以上であることが好ましく、95%以上であることが更に好ましい。相対密度が90%以上であれば、成膜時のスプラッシュを低減できるからである。上記焼結は大気圧下で行うが、ホットプレス(HP)焼結や熱間静水圧プレス(HIP、Hot Isostatic Press)焼結のように加圧焼結を行う場合には、不活性ガス、真空又は還元ガス雰囲気中で1000℃以上の温度で1〜5時間行うことが好ましい。
次いで、得られたペレットの多結晶ZnO蒸着材をターゲット材として、真空成膜法により基板表面にZnO膜を形成する。本発明のZnO蒸着材を用いて成膜するのに適する真空成膜法としては、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法及びプラズマ蒸着法が挙げられる。これらの成膜方法により成膜される本発明のZnO膜は、本発明のZnO蒸着材を使用しているため、ITOに迫るような、比抵抗が3〜5×10-4Ω・cmの高い導電率、可視光透過率が90%以上の高い透過率が得られる。更に、イオン半径がZnより大きいCeにより歪んだ結晶を、イオン半径の小さいBを添加して回復整合させることにより、膜の耐久性も向上する。
なお、本発明で使用されるZnO粉末、B23粉末及び混合造粒粉末の平均粒径の値はレーザー回折法により算出又は測定される値である。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、ZnO粉末994.28gと、CeO2粉末2.50gと、B23粉末3.22gと、バインダと、有機溶媒とを湿式ボールミルを用い、湿式混合してスラリーを調製した。調製したスラリーを噴霧乾燥し、得られた混合造粒粉末を1000MPaの圧力で加圧成形した後、1300℃の温度で焼結し、ZnO蒸着材を作製した。
得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Ce濃度が0.2質量%、B濃度が0.1質量%である多結晶ZnOのペレットであった。またペレットの直径及び厚さはそれぞれ5mm及び1.6mmであった。
次に、ガラス基板(無アルカリガラス)上に、上記ZnO蒸着材を用いて電子ビーム蒸着法により、膜厚200nmのZnO膜を成膜した。具体的には、直径50mm、深さ25mmの電子ビーム蒸着装置のハースに仕込まれた上記ZnO蒸着材に、到達真空度2.66×10-4Pa、酸素分圧1.33×10-2の雰囲気において、加速電圧10kV、ビームスキャンエリア約40mmφの電子ビームを照射、加熱することにより行った。
<実施例2>
ZnO粉末を930.9g、CeO2粉末を36.9g、B23粉末を32.2gとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Ce濃度が3質量%、B濃度が1質量%であった。
<実施例3>
ZnO粉末を829.7g、CeO2粉末を73.7g、B23粉末を96.6gとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Ce濃度が6質量%、B濃度が3質量%であった。
<実施例4>
ZnO粉末を494.98g、CeO2粉末を183.00g、B23粉末を322.02gとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Ce濃度が14.9質量%、B濃度が10質量%であった。
<比較例1>
ZnO粉末を999.43g、CeO2粉末を0.25g、B23粉末を0.32gとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Ce濃度が0.02質量%、B濃度が0.01質量%であった。
<比較例2>
ZnO粉末を754.3g、CeO2粉末を245.7gとし、B23粉末は添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Ce濃度が20質量%であった。即ち、得られたZnO蒸着材はBを含まない。
<比較例3>
ZnO粉末を271.28g、CeO2粉末を245.70g、B23粉末を483.02gとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Ce濃度が20質量%、B濃度が15質量%であった。
<比較例4>
ZnO粉末を516.98g、B23粉末を483.02gとし、CeO2粉末は添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、B濃度が15質量%であった。即ち、得られたZnO蒸着材は、Ceを含まない。
<比較例5>
ZnO粉末を1000gとし、B23粉末及びCeO2粉末を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、Ce及びBを含まないZnO蒸着材であった。
<比較試験及び評価>
実施例1〜4及び比較例1〜5で成膜したZnO膜について、比抵抗及び透過率を測定した。その結果を以下の表1に示す。比抵抗は測定器(三菱化学株式会社 商品名:ロレスタ HP型、MCP−T410、プローブ:直列1.5mmピッチ)を用い、雰囲気が25℃において定電流印加による4端子4探針法により測定した。また透過率は分光光度計(株式会社日立製作所製 U−4000)を用い、可視光波長域(380〜780mm)について、成膜後の基板を測定光に対して垂直に設置して測定した。
Figure 2008255472
表1から明らかなように、実施例1〜4と比較例1〜5を比較すると、実施例1〜4のZnO膜が有する比抵抗はいずれも比較例1〜5よりも低い結果となった。また透過率については、実施例2〜4のZnO膜が、比較例1及び5よりも若干低かったものの、比較例2〜4と比較すれば、十分に高い透過率が得られたと言える。このことから、本発明のZnO蒸着材が効果的であることが確認された。

Claims (5)

  1. 透明導電膜を成膜するために用いられるZnO蒸着材において、
    ZnOを主成分としたペレットからなり、
    前記ペレットがCeとBの双方の元素を含み、
    前記Ceが前記Bよりも含有割合が高く、
    前記Ceの含有割合が0.1〜14.9質量%、前記Bの含有割合が0.1〜10質量%の範囲内である
    ことを特徴とするZnO蒸着材。
  2. CeとBの合計の含有割合が0.2〜15質量%の範囲内である請求項1記載のZnO蒸着材。
  3. ZnOのペレットが多結晶体又は単結晶体である請求項1記載のZnO蒸着材。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載のZnO蒸着材をターゲット材とする真空成膜法により形成されたZnO膜。
  5. 真空成膜法が電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法又はプラズマ蒸着法である請求項4記載のZnO膜。
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