JP5082928B2 - ZnO蒸着材及びその製造方法並びにそれにより形成されたZnO膜 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、ITO膜に迫る高い導電率の膜を高速成膜することのできるZnO蒸着材及びその製造方法並びにこれを用いたZnO膜を提供することにある。
その特徴ある構成は、ZnOを主成分としたペレットからなり、ペレットがYと、B又はScのいずれか一方或いは双方の元素を含み、YがB又はScのいずれか一方或いは双方の元素よりも含有割合が高く、Yの含有割合が0.1質量%を越え14.9質量%以下、B又はScのいずれか一方或いは双方の元素の含有割合が0.1〜10質量%の範囲内であるところにあり、Yと、B又はScのいずれか一方或いは双方の元素の合計の含有割合が0.2質量%を越え15質量%以下の範囲内である。
請求項1に係る発明では、ZnOを主成分としたペレットに、Yと、B又はScのいずれか一方或いは双方の元素が上記含有割合で含むので、このZnO蒸着材を用いると、ITO膜に迫る高い導電性を有するZnO膜を成膜できる。
請求項2に係る発明では、ZnOのペレットが多結晶体であり、請求項1に記載された範囲内の組成を有すれば、そのZnO蒸着材を用いてZnO膜を成膜すると、そのZnO膜は広い温度範囲にわたってITO膜に迫る高い導電性が得られる。
請求項3に係る発明は、請求項2記載のZnO蒸着材を製造する方法であり、ZnO粉末と、ZnO蒸着材中のYの含有割合が0.1質量%を越え14.9質量%以下の範囲となるY2O3粉末と、ZnO蒸着材中のB又はScのいずれか一方或いは双方の含有割合が0.1〜10質量%の範囲となるB2O3粉末又はSc2O3粉末と、バインダと、有機溶媒とを混合して濃度が30〜75質量%であって、ZnO蒸着材中のYの含有割合がScの含有割合よりも高いスラリーを調製し、スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜250μmの混合造粒粉末を作製し、混合造粒粉末を所定の型に入れて所定の圧力で成形し、成形により得られた成形体を1000℃以上の温度で1〜10時間焼結してペレットからなる多結晶ZnO蒸着材を得ることを特徴とするZnO蒸着材の製造方法である。
請求項4に係る発明では、上記請求項1又は2記載のZnO蒸着材、或いは請求項3記載の製造方法により得られたZnO蒸着材を用いてZnO膜を成膜するため、このZnO膜は、ITO膜に迫る高い導電性が得られる。
また、本発明に係るZnO膜は、本発明に係るZnO蒸着材、或いは本発明の製造方法により得られたZnO蒸着材を用いて成膜されるため、高い導電率、高い透過率が得られ、更に、膜の耐久性が向上する。
本発明者は、ZnO蒸着材及びこの蒸着材を用いて成膜されたZnO膜中の添加物種及びその含有量における導電性への影響を詳細に調査したところ、ZnOのペレット中に添加元素として含まれるYと、B又はScのいずれか一方或いは双方の元素のそれぞれの含有割合が大きく影響していることが確認された。ZnOのペレット中において、このYと、B又はScのいずれか一方或いは双方の元素の含有割合が増加するほど概して導電性は良好となるが、更に増加すると逆に劣化することから、製品への適用を考えた場合、これら2元素の最適な含有割合の範囲が存在することが判った。
先ず、高純度ZnO粉末と、ZnO蒸着材中のYの含有割合が0.1質量%を越え14.9質量%以下の範囲となる量のY2O3粉末と、ZnO蒸着材中のBの含有割合が0.1〜10質量%の範囲となる量のB2O3粉末と、バインダと、有機溶媒とを混合して、濃度が30〜75質量%、好ましくは40〜65質量%のスラリーを調製する。高純度ZnO粉末は、純度が98%以上であることが好ましく、98.4%以上であることが更に好ましい。ZnO粉末の純度が98%以上であれば、不純物の影響による導電率の低下を抑えることができるからである。スラリーの濃度を30〜75質量%に限定したのは、75質量%を越えると上記スラリーが非水系であるため、安定した混合造粒が難しく、30質量%未満では均一な組織を有する緻密なZnO焼結体が得られ難いからである。ZnO粉末の平均粒径は0.1〜5.0μmの範囲内にあることが好ましい。0.1μm未満では、粉末が細かすぎて凝集するため、粉末のハンドリングが悪くなり、高濃度スラリーを調製し難い傾向があり、5.0μmを越えると、微細構造の制御が難しく、緻密なペレットが得られ難い傾向があるからである。
<実施例1>
先ず、ZnO粉末994.48gと、Y2O3粉末2.50gと、B2O3粉末3.22gと、バインダと、有機溶媒とを湿式ボールミルを用い、湿式混合してスラリーを調製した。調製したスラリーを噴霧乾燥し、得られた混合造粒粉末を100.0MPaの圧力で加圧成形した後、1300℃の温度で焼結し、ZnO蒸着材を作製した。
ZnO粉末を929.7g、Y2O3粉末を38.1g、B2O3粉末を32.2gとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Y濃度が3質量%、B濃度が1質量%であった。
ZnO粉末を827.2g、Y2O3粉末を76.2g、B2O3粉末を96.6gとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Y濃度が6質量%、B濃度が3質量%であった。
ZnO粉末を488.78g、Y2O3粉末を189.20g、B2O3粉末を322.02gとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Y濃度が14.9質量%、B濃度が10質量%であった。
ZnO粉末を999.43g、Y2O3粉末を0.25g、B2O3粉末を0.32gとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Y濃度が0.02質量%、B濃度が0.01質量%であった。
ZnO粉末を746g、Y2O3粉末を254gとし、B2O3粉末は添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Y濃度が20質量%であった。即ち、得られたZnO蒸着材はBを含まない。
ZnO粉末を262.98g、Y2O3粉末を254.00g、B2O3粉末を483.02gとしたこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、Y濃度が20質量%、B濃度が15質量%であった。
ZnO粉末を516.98g、B2O3粉末を483.02gとし、Y2O3粉末は添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表1に示すように、B濃度が15質量%であった。即ち、得られたZnO蒸着材は、Yを含まない。
実施例1〜4及び比較例1〜4で成膜したZnO膜について、比抵抗及び透過率を測定した。その結果を以下の表1に示す。比抵抗は測定器(三菱化学株式会社 商品名:ロレスタ HP型、MCP−T410、プローブ:直列1.5mmピッチ)を用い、雰囲気が25℃において定電流印加による4端子4探針法により測定した。また透過率は分光光度計(株式会社日立製作所製 U−4000)を用い、可視光波長域(380〜780mm)について、成膜後の基板を測定光に対して垂直に設置して測定した。
先ず、ZnO粉末995.61gと、Y2O3粉末2.50gと、Al2O3粉末1.89gと、バインダと、有機溶媒とを湿式ボールミルを用い、湿式混合してスラリーを調製した。調製したスラリーを噴霧乾燥し、得られた混合造粒粉末を100.0MPaの圧力で加圧成形した後、1300℃の温度で焼結し、ZnO蒸着材を作製した。
ZnO粉末を943.0g、Y2O3粉末を38.1g、Al2O3粉末を18.9gとしたこと以外は、実施例5と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表2に示すように、Y濃度が3質量%、Al濃度が1質量%であった。
ZnO粉末を86.11g、Y2O3粉末を76.20g、Al2O3粉末を56.69gとしたこと以外は、実施例5と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表2に示すように、Y濃度が6質量%、Al濃度が3質量%であった。
ZnO粉末を621.85g、Y2O3粉末を189.20g、Al2O3粉末を188.95gとしたこと以外は、実施例5と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表2に示すように、Y濃度が14.9質量%、Al濃度が10質量%であった。
ZnO粉末を999.56g、Y2O3粉末を0.25g、Al2O3粉末を0.19gとしたこと以外は、実施例5と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表2に示すように、Y濃度が0.02質量%、Al濃度が0.01質量%であった。
ZnO粉末を746g、Y2O3粉末を254gとし、Al2O3粉末は添加しなかったこと以外は、実施例5と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表2に示すように、Y濃度が20質量%であった。即ち、得られたZnO蒸着材はAlを含まない。
ZnO粉末を462.57g、Y2O3粉末を254.00g、Al2O3粉末を283.43gとしたこと以外は、実施例5と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表2に示すように、Y濃度が20質量%、Al濃度が15質量%であった。
ZnO粉末を716.57g、Al2O3粉末を283.43gとし、Y2O3粉末は添加しなかったこと以外は、実施例5と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表2に示すように、Al濃度が15質量%であった。即ち、得られたZnO蒸着材は、Yを含まない。
参考例1〜4及び比較例5〜8で成膜したZnO膜について、上記比較試験及び評価1と同様の方法により、比抵抗及び透過率を測定した。その結果を以下の表2に示す。
先ず、ZnO粉末996.16gと、Y2O3粉末2.50gと、Ga2O3粉末1.34gと、バインダと、有機溶媒とを湿式ボールミルを用い、湿式混合してスラリーを調製した。調製したスラリーを噴霧乾燥し、得られた混合造粒粉末を100.0MPaの圧力で加圧成形した後、1300℃の温度で焼結し、ZnO蒸着材を作製した。
ZnO粉末を948.46g、Y2O3粉末を38.10g、Ga2O3粉末を13.44gとしたこと以外は、実施例9と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表3に示すように、Y濃度が3質量%、Ga濃度が1質量%であった。
ZnO粉末を883.47g、Y2O3粉末を76.20g、Ga2O3粉末を40.33gとしたこと以外は、実施例9と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表3に示すように、Y濃度が6質量%、Ga濃度が3質量%であった。
ZnO粉末を676.37g、Y2O3粉末を189.20g、Ga2O3粉末を134.43gとしたこと以外は、実施例9と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表3に示すように、Y濃度が14.9質量%、Ga濃度が10質量%であった。
ZnO粉末を999.62g、Y2O3粉末を0.25g、Ga2O3粉末を0.13gとしたこと以外は、実施例9と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表3に示すように、Y濃度が0.02質量%、Ga濃度が0.01質量%であった。
ZnO粉末を746g、Y2O3粉末を254gとし、Ga2O3粉末は添加しなかったこと以外は、実施例9と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表3に示すように、Y濃度が20質量%であった。即ち、得られたZnO蒸着材はGaを含まない。
ZnO粉末を544.35g、Y2O3粉末を254.00g、Ga2O3粉末を201.65gとしたこと以外は、実施例9と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表3に示すように、Y濃度が20質量%、Ga濃度が15質量%であった。
ZnO粉末を798.35g、Ga2O3粉末を201.65gとし、Y2O3粉末は添加しなかったこと以外は、実施例9と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表3に示すように、Ga濃度が15質量%であった。即ち、得られたZnO蒸着材は、Yを含まない。
参考例5〜8及び比較例9〜12で成膜したZnO膜について、上記比較試験及び評価1と同様の方法により、比抵抗及び透過率を測定した。その結果を以下の表3に示す。
先ず、ZnO粉末995.97gと、Y2O3粉末2.50gと、Sc2O3粉末1.53gと、バインダと、有機溶媒とを湿式ボールミルを用い、湿式混合してスラリーを調製した。調製したスラリーを噴霧乾燥し、得られた混合造粒粉末を100.0MPaの圧力で加圧成形した後、1300℃の温度で焼結し、ZnO蒸着材を作製した。
ZnO粉末を946.56g、Y2O3粉末を38.10g、Sc2O3粉末を15.34gとしたこと以外は、実施例13と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表4に示すように、Y濃度が3質量%、Sc濃度が1質量%であった。
ZnO粉末を877.79g、Y2O3粉末を76.20g、Sc2O3粉末を46.01gとしたこと以外は、実施例13と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表4に示すように、Y濃度が6質量%、Sc濃度が3質量%であった。
ZnO粉末を657.42g、Y2O3粉末を189.20g、Sc2O3粉末を153.38gとしたこと以外は、実施例13と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表4に示すように、Y濃度が14.9質量%、Sc濃度が10質量%であった。
ZnO粉末を999.60g、Y2O3粉末を0.25g、Sc2O3粉末を0.15gとしたこと以外は、実施例13と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表4に示すように、Y濃度が0.02質量%、Sc濃度が0.01質量%であった。
ZnO粉末を746g、Y2O3粉末を254gとし、Sc2O3粉末は添加しなかったこと以外は、実施例13と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表4に示すように、Y濃度が20質量%であった。即ち、得られたZnO蒸着材はScを含まない。
ZnO粉末を515.93g、Y2O3粉末を254.00g、Sc2O3粉末を230.07gとしたこと以外は、実施例13と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表4に示すように、Y濃度が20質量%、Sc濃度が15質量%であった。
ZnO粉末を769.93g、Sc2O3粉末を230.07gとし、Y2O3粉末は添加しなかったこと以外は、実施例13と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、また以下の表4に示すように、Sc濃度が15質量%であった。即ち、得られたZnO蒸着材は、Yを含まない。
ZnO粉末を1000gとし、Y2O3粉末、B2O3粉末、Al2O3粉末、Ga2O3粉末又はSc2O3粉末を添加しなかったこと以外は、実施例1、5、9又は13と同様に、ZnO蒸着材を作製し、ガラス基板上にZnO膜を成膜した。なお、得られたZnO蒸着材は、相対密度が95%であり、Y、B、Al、Ga又はScのいずれをも含まないZnO蒸着材であった。
実施例5〜8及び比較例13〜17で成膜したZnO膜について、上記比較試験及び評価1と同様の方法により、比抵抗及び透過率を測定した。その結果を以下の表4に示す。
Claims (5)
- 透明導電膜を成膜するために用いられるZnO蒸着材において、
ZnOを主成分としたペレットからなり、
前記ペレットがYと、B又はScのいずれか一方或いは双方の元素を含み、
前記Yが前記B又はScのいずれか一方或いは双方の元素よりも含有割合が高く、
前記Yの含有割合が0.1質量%を越え14.9質量%以下、前記B又はScのいずれか一方或いは双方の元素の含有割合が0.1〜10質量%の範囲内であり、
前記Yと、B又はScのいずれか一方或いは双方の元素の合計の含有割合が0.2質量%を越え15質量%以下の範囲内である
ことを特徴とするZnO蒸着材。 - ZnOのペレットが多結晶体である請求項1記載のZnO蒸着材。
- 請求項2記載のZnO蒸着材を製造する方法であり、
ZnO粉末と、ZnO蒸着材中のYの含有割合が0.1質量%を越え14.9質量%以下の範囲となるY2O3粉末と、ZnO蒸着材中のB又はScのいずれか一方或いは双方の含有割合が0.1〜10質量%の範囲となるB2O3粉末又はSc2O3粉末と、バインダと、有機溶媒とを混合して濃度が30〜75質量%であって、前記ZnO蒸着材中のYの含有割合がScの含有割合よりも高いスラリーを調製し、
前記スラリーを噴霧乾燥して平均粒径が50〜250μmの混合造粒粉末を作製し、
前記混合造粒粉末を所定の型に入れて所定の圧力で成形し、
前記成形により得られた成形体を1000℃以上の温度で1〜10時間焼結してペレットからなるZnO蒸着材を得ることを特徴とするZnO蒸着材の製造方法。 - 請求項1又は2記載のZnO蒸着材、或いは請求項3記載の製造方法により得られたZnO蒸着材をターゲット材とする真空成膜法により形成されたZnO膜。
- 真空成膜法が電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法又はプラズマ蒸着法である請求項4記載のZnO膜。
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