JP2005076008A - 紫外線・赤外線遮断物質、これを用いた紫外線・赤外線遮断材料、及び紫外線・赤外線の遮蔽方法 - Google Patents
紫外線・赤外線遮断物質、これを用いた紫外線・赤外線遮断材料、及び紫外線・赤外線の遮蔽方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005076008A JP2005076008A JP2003311559A JP2003311559A JP2005076008A JP 2005076008 A JP2005076008 A JP 2005076008A JP 2003311559 A JP2003311559 A JP 2003311559A JP 2003311559 A JP2003311559 A JP 2003311559A JP 2005076008 A JP2005076008 A JP 2005076008A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ultraviolet
- screening
- infrared ray
- shielding material
- infrared
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Optical Filters (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
【課題】 紫外線と赤外線を遮蔽し、かつ可視光を透過させる特性を持ち、しかも、毒性がなく、安全で安価な物質からなる紫外線・赤外線遮断物質を提供する。
【解決手段】 亜鉛とランタノイドを含有する複合酸化物を含む紫外線・赤外線遮蔽物質であり、この複合酸化物における亜鉛に対するランタノイドの原子比xが、0<x<0.5であることが好ましい。基体上に、この紫外線・赤外線遮蔽物質を含む薄膜を形成した紫外線・赤外線遮蔽材料は、紫外線と赤外線を遮蔽し、かつ可視光を透過させる特性を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 亜鉛とランタノイドを含有する複合酸化物を含む紫外線・赤外線遮蔽物質であり、この複合酸化物における亜鉛に対するランタノイドの原子比xが、0<x<0.5であることが好ましい。基体上に、この紫外線・赤外線遮蔽物質を含む薄膜を形成した紫外線・赤外線遮蔽材料は、紫外線と赤外線を遮蔽し、かつ可視光を透過させる特性を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、住宅や自動車の窓等に適用される紫外線・赤外線遮蔽材料に使用される熱線遮蔽物質に関する。
近年、エネルギーの節約等の見地から、住宅や自動車の窓等に熱線遮蔽材料を使用することが要求されている。熱線遮蔽材料を製造するには、可視光はよく透過させる一方、近赤外から中・遠赤外線(熱線)を効果的に遮蔽する物質が必要である。
従来、このような用途に使用される熱線遮蔽材料としては、ガラス材や透明プラスチック材の表面に、金属薄膜層(数百Å)を形成することが行われている。
しかし、この種の金属薄膜層を形成したガラスは、熱線遮蔽効果は大きいものの、同時に可視光の透過も遮蔽するため、金属薄膜を形成した面が鏡面のように光って見えるという課題がある。
従来、このような用途に使用される熱線遮蔽材料としては、ガラス材や透明プラスチック材の表面に、金属薄膜層(数百Å)を形成することが行われている。
しかし、この種の金属薄膜層を形成したガラスは、熱線遮蔽効果は大きいものの、同時に可視光の透過も遮蔽するため、金属薄膜を形成した面が鏡面のように光って見えるという課題がある。
この課題に対し、上記の金属薄膜とは異なり、可視光域において高い透過率を維持しつつ、熱線遮蔽効果が期待されるものとして、金属酸化物の透明導電物質がある。その代表的な物として、ATO(酸化スズ−酸化アンチモン)やインジウム・スズ・オキサイド(ITO)が知られている。
これらの金属酸化物を、ガラス材や透明プラスチック材の表面に、蒸着やスパッタリング等のドライコーティング法により塗工したり、インキ、塗料等のコーティング液を、ウェットコーティング法により塗工することによって、目的とする光学機能(紫外線吸収、赤外線遮蔽等)を付与する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかし、ATOはアンチモンという毒性物質を含んでいるという問題があり、また、ITOは高価である等の問題がある。
日本印刷学会誌第36巻、第1号、50頁、1999年
これらの金属酸化物を、ガラス材や透明プラスチック材の表面に、蒸着やスパッタリング等のドライコーティング法により塗工したり、インキ、塗料等のコーティング液を、ウェットコーティング法により塗工することによって、目的とする光学機能(紫外線吸収、赤外線遮蔽等)を付与する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかし、ATOはアンチモンという毒性物質を含んでいるという問題があり、また、ITOは高価である等の問題がある。
日本印刷学会誌第36巻、第1号、50頁、1999年
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、紫外線と赤外線を遮蔽し、かつ可視光を透過させる特性を持ち、しかも、毒性がなく、安全で安価な物質からなる紫外線・赤外線遮断物質を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明者は、亜鉛元素とランタノイド元素を主体とする複合酸化物が、可視光線を十分に透過する一方で、紫外線及び赤外線を有効に遮蔽することを見出し、本発明を完成させた。
本発明の第一の態様によれば、亜鉛とランタノイドを含有する複合酸化物を含む紫外線・赤外線遮蔽物質が提供される。
本発明の第二の態様によれば、基体上に、上記の紫外線・赤外線遮蔽物質を含む薄膜を形成した紫外線・赤外線遮蔽材料が提供される。
本発明の第三の態様によれば、上記の紫外線・赤外線遮蔽物質を含む紫外線・赤外線遮蔽用コーティング材が提供される。
本発明の第四の態様によれば、上記の紫外線・赤外線遮蔽物質を用いた紫外線及び赤外線の遮蔽方法が提供される。
本発明の第一の態様によれば、亜鉛とランタノイドを含有する複合酸化物を含む紫外線・赤外線遮蔽物質が提供される。
本発明の第二の態様によれば、基体上に、上記の紫外線・赤外線遮蔽物質を含む薄膜を形成した紫外線・赤外線遮蔽材料が提供される。
本発明の第三の態様によれば、上記の紫外線・赤外線遮蔽物質を含む紫外線・赤外線遮蔽用コーティング材が提供される。
本発明の第四の態様によれば、上記の紫外線・赤外線遮蔽物質を用いた紫外線及び赤外線の遮蔽方法が提供される。
本発明によれば、紫外線と赤外線を遮断し、かつ可視光を透過させる特性を持ち、しかも、毒性がなく、安全で安価な物質からなる紫外線・赤外線遮蔽物質を提供できる。
以下、本発明の紫外線・赤外線遮蔽物質を具体的に説明する。
本発明の紫外線・赤外線遮蔽物質は、亜鉛(Zn)及びランタノイド(希土類)元素を主体とする酸化物を基本とする複合酸化物を含む。ランタノイド元素のうち、ランタンを除くランタノイド元素が好ましく、特に、ネオジム(Nd),セリウム(Ce),サマリウム(Sm)が好ましい。
この複合酸化物は、必要な元素源を含む原料を均一に混合し、焼成することにより得られる。
本発明の紫外線・赤外線遮蔽物質は、亜鉛(Zn)及びランタノイド(希土類)元素を主体とする酸化物を基本とする複合酸化物を含む。ランタノイド元素のうち、ランタンを除くランタノイド元素が好ましく、特に、ネオジム(Nd),セリウム(Ce),サマリウム(Sm)が好ましい。
この複合酸化物は、必要な元素源を含む原料を均一に混合し、焼成することにより得られる。
複合酸化物を製造するに際して用いられる元素源としては、各成分元素、各成分元素の酸化物又はその焼結期に酸化物となる原料が使用できる。
Zn源としては、例えば、金属(Zn)、酸化物(ZnO)、水酸化物[Zn(OH)2]、硝酸塩[Zn(NO3)2]等が用いられる。
希土類として、例えば、Ce源としては、金属(Ce)、酸化物(CeO2)、炭酸化物[Ce2(CO3)3・8H2O]、硝酸塩[Ce(NO3)3・6H2O]等が用いられる。
Zn源としては、例えば、金属(Zn)、酸化物(ZnO)、水酸化物[Zn(OH)2]、硝酸塩[Zn(NO3)2]等が用いられる。
希土類として、例えば、Ce源としては、金属(Ce)、酸化物(CeO2)、炭酸化物[Ce2(CO3)3・8H2O]、硝酸塩[Ce(NO3)3・6H2O]等が用いられる。
Sm源としては、酸化物(Sm2O3)、炭酸化物[Sm2(CO3)3]、硝酸塩[Sm(NO3)3]等が用いられる。
Nd源としては、酸化物(Nd2O3)、炭酸化物[Nd2(CO3)3]、硝酸塩[Nd(NO3)3]等が用いられる。
Yb源としては、酸化物(Yb2O3)、炭酸化物[Yb2(CO3)3]、硝酸塩[Yb(NO3)3]等が用いられる。
Nd源としては、酸化物(Nd2O3)、炭酸化物[Nd2(CO3)3]、硝酸塩[Nd(NO3)3]等が用いられる。
Yb源としては、酸化物(Yb2O3)、炭酸化物[Yb2(CO3)3]、硝酸塩[Yb(NO3)3]等が用いられる。
これらの元素源を含む原料を均一に混合する方法としては以下の方法がある。
Zn原料、希土類原料のいずれもが固体である場合には、各原料を十分に粉砕、混合できる方法、例えば、遊星ボールミル等を使用する方法が好適である。
Zn原料、希土類原料のいずれもが液体原料である場合には、液体原料を混合した後、炭酸アンモニウム溶液中に添加して、炭酸塩としてこれらの混合物を得たり、また、シュウ酸塩の混合物として得る、いわゆる共沈法等により混合する方法が好適である。
Zn原料が固体で、希土類原料が液体原料である場合、Zn原料固体に所定の希土類溶液を含浸させ、乾燥後に焼結する方法が好適である。
尚、上記の元素源を含む原料の他に、ステアリン酸等の滑剤や、ポリビニルアルコール等の成形助剤を加えてもよい。
Zn原料、希土類原料のいずれもが固体である場合には、各原料を十分に粉砕、混合できる方法、例えば、遊星ボールミル等を使用する方法が好適である。
Zn原料、希土類原料のいずれもが液体原料である場合には、液体原料を混合した後、炭酸アンモニウム溶液中に添加して、炭酸塩としてこれらの混合物を得たり、また、シュウ酸塩の混合物として得る、いわゆる共沈法等により混合する方法が好適である。
Zn原料が固体で、希土類原料が液体原料である場合、Zn原料固体に所定の希土類溶液を含浸させ、乾燥後に焼結する方法が好適である。
尚、上記の元素源を含む原料の他に、ステアリン酸等の滑剤や、ポリビニルアルコール等の成形助剤を加えてもよい。
上記の方法によって得られた均一混合物を加圧成形する。加圧成形の条件は、元素源の種類、混合物の配合比等に合わせて適宜調整すればよいが、一般的には、金型に所定量の粉末を入れ、数kg/cm2〜数トン/cm2の圧力を加えて成形する。
この成形体を焼結することによって、本発明の紫外線・赤外線遮蔽物質を作製できる。
焼結条件は、元素源の種類、混合物の配合比等に合わせて適宜調整すればよいが、一般的には、大気圧下又は還元雰囲気下、焼結温度を1000℃〜1600℃とし、焼結時間を0.01時間〜24時間で行う。
焼結条件は、元素源の種類、混合物の配合比等に合わせて適宜調整すればよいが、一般的には、大気圧下又は還元雰囲気下、焼結温度を1000℃〜1600℃とし、焼結時間を0.01時間〜24時間で行う。
本発明の紫外線・赤外線遮蔽物質における、ランタノイド元素の原子比xは、Zn元素を1としたときに、0<x<0.5であることが好ましい。特に、0<x<0.2であることが、得られる遮蔽物質の性能が良いため好ましい。xが0.5以上では、遮蔽物質の電気伝導度が下がり、熱線遮蔽物質に適さない場合がある。
本発明の紫外線・赤外線遮蔽物質を用いることによって、紫外線・赤外線を有効に遮蔽することができる。
例えば、本発明の紫外線・赤外線遮蔽物質は、この物質そのものを成形加工し、遮蔽板、遮蔽タイル等として使用することができる。
また、ガラス板、プラスチック板、プラスチックフィルム、光学部品等の基体に、この紫外線・赤外線遮蔽物質の薄膜を形成することによって、紫外線・赤外線遮蔽材料を作製できる。
例えば、本発明の紫外線・赤外線遮蔽物質は、この物質そのものを成形加工し、遮蔽板、遮蔽タイル等として使用することができる。
また、ガラス板、プラスチック板、プラスチックフィルム、光学部品等の基体に、この紫外線・赤外線遮蔽物質の薄膜を形成することによって、紫外線・赤外線遮蔽材料を作製できる。
例えば、スパッタリング等のドライプロセスによって、遮蔽材料を基体にコーティングすることで、紫外線・赤外線遮蔽材料を作製できる。この場合、紫外線・赤外線遮蔽物質を板状に加工したものをスパッタリングターゲットとして使用する。
また、紫外線・赤外線遮蔽物質を微粉化又はスラリー化したものを、一般的に使用される溶剤、分散剤、バインダー樹脂等と混合し、インキ、塗料等のコーティング材とすることができる。このコーティング材を、ドクターブレード等のウェットプロセスで塗工して、基体に成膜することで、目的とする光学機能(紫外線吸収、赤外線遮蔽等)を付与することができる。
この場合、コーティング材に含まれる紫外線・赤外線遮蔽物質の平均粒径は、0.1μm以下とすることが好ましく、0.05μm以下とすることが特に好ましい。
この場合、コーティング材に含まれる紫外線・赤外線遮蔽物質の平均粒径は、0.1μm以下とすることが好ましく、0.05μm以下とすることが特に好ましい。
本発明の紫外線・赤外線遮蔽物質を使用した紫外線・赤外線遮蔽材料は、可視光を十分に透過する一方、紫外線及び赤外線を有効に遮蔽できる。従って、外部の光を取り入れつつ、有害な紫外線を遮蔽でき、また、熱線を遮蔽することで、夏場の冷房効率を向上できるので、住宅、ビル等の建築物の採光材(窓、波板等)、自動車のフロントガラスや窓等、駐車場の屋根材、太陽電池の窓ガラス等に好適に使用できる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に限定されない。
実施例1
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)11.064g、酸化ネオジム(純度99.9%)0.936g、及びステアリン酸0.24gを秤量して混合し、遊星ボールミルで16時間粉砕、混合した。
得られた粉末を、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状形状の金型に入れて、成形圧力を900kg/cm2として加圧成形した。
この成形体を、焼結炉を使用して、室温から2時間かけて1450℃まで昇温し、10時間保持した後、2時間かけて室温まで冷却することによって、紫外線・赤外線遮蔽物質を作製した。
尚、この遮蔽物質中の、亜鉛に対するネオジムの原子比xは0.04である。
得られた遮蔽物質を乳鉢で粉砕し、拡散反射法により、紫外、可視、近赤外領域の反射スペクトルを測定した。
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)11.064g、酸化ネオジム(純度99.9%)0.936g、及びステアリン酸0.24gを秤量して混合し、遊星ボールミルで16時間粉砕、混合した。
得られた粉末を、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状形状の金型に入れて、成形圧力を900kg/cm2として加圧成形した。
この成形体を、焼結炉を使用して、室温から2時間かけて1450℃まで昇温し、10時間保持した後、2時間かけて室温まで冷却することによって、紫外線・赤外線遮蔽物質を作製した。
尚、この遮蔽物質中の、亜鉛に対するネオジムの原子比xは0.04である。
得られた遮蔽物質を乳鉢で粉砕し、拡散反射法により、紫外、可視、近赤外領域の反射スペクトルを測定した。
図1に、実施例1で作製した遮蔽物質の反射スペクトルを示す。このスペクトルから、380nm以下である紫外域では、反射率は約7%程度であり、反射光はないに等しく、紫外線をほぼ完全に遮蔽していることが確認できた。
一方、380nm〜800nmである可視光領域においては、反射率はピークで約75%と高い値を示している。即ち、可視光領域では光を通し、ほぼ透明であることが確認できた。
また、可視光領域である700nm前後をピークに、800nm〜2400nmである近赤外領域では、反射光強度は低下している。従って、この領域の光、即ち、熱線を遮断していることが確認できた。
以上の結果、可視光は透過するものの、紫外光はほぼ完全に遮断するとともに、近赤外光の熱線もかなり遮断できることが明らかになった。
一方、380nm〜800nmである可視光領域においては、反射率はピークで約75%と高い値を示している。即ち、可視光領域では光を通し、ほぼ透明であることが確認できた。
また、可視光領域である700nm前後をピークに、800nm〜2400nmである近赤外領域では、反射光強度は低下している。従って、この領域の光、即ち、熱線を遮断していることが確認できた。
以上の結果、可視光は透過するものの、紫外光はほぼ完全に遮断するとともに、近赤外光の熱線もかなり遮断できることが明らかになった。
実施例2
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)11.752g、酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)0.248g、及びステアリン酸0.24gを秤量して混合し、遊星ボールミルで16時間粉砕、混合した。以下、実施例1と同様にして遮蔽物質を作製し、反射スペクトルを測定した。
尚、この遮蔽物質中の、亜鉛に対するセリウムの原子比xは0.01である。
図2に、実施例2の遮蔽物質の反射スペクトルを示す。
この結果、実施例1と同様に、紫外域では380nm以下での反射光はなく、800nm〜2400nmでの近赤外領域での反射光強度は低下しており、熱線を遮断している。即ち、可視光領域では透明であり、紫外光をほぼ完全に遮断するとともに、近赤外光の熱線もかなり遮断することができることが明らかになった。
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)11.752g、酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)0.248g、及びステアリン酸0.24gを秤量して混合し、遊星ボールミルで16時間粉砕、混合した。以下、実施例1と同様にして遮蔽物質を作製し、反射スペクトルを測定した。
尚、この遮蔽物質中の、亜鉛に対するセリウムの原子比xは0.01である。
図2に、実施例2の遮蔽物質の反射スペクトルを示す。
この結果、実施例1と同様に、紫外域では380nm以下での反射光はなく、800nm〜2400nmでの近赤外領域での反射光強度は低下しており、熱線を遮断している。即ち、可視光領域では透明であり、紫外光をほぼ完全に遮断するとともに、近赤外光の熱線もかなり遮断することができることが明らかになった。
実施例3
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径2μm)11.053g、酸化サマリウム(純度99.9%)0.947g、及びステアリン酸0.24gを秤量して混合し、遊星ボールミルで16時間粉砕、混合した。以下、実施例1と同様にして遮蔽物質を作製し、反射スペクトルを測定した。
尚、この遮蔽物質中の、亜鉛に対するサマリウムの原子比xは0.04である。
図3に、実施例3の遮蔽物質の反射スペクトルを示す。
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径2μm)11.053g、酸化サマリウム(純度99.9%)0.947g、及びステアリン酸0.24gを秤量して混合し、遊星ボールミルで16時間粉砕、混合した。以下、実施例1と同様にして遮蔽物質を作製し、反射スペクトルを測定した。
尚、この遮蔽物質中の、亜鉛に対するサマリウムの原子比xは0.04である。
図3に、実施例3の遮蔽物質の反射スペクトルを示す。
実施例4
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)9.572g、酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)2.428g、及びステアリン酸0.24gを秤量して混合し、遊星ボールミルで16時間粉砕、混合した。以下、実施例1と同様にして遮蔽物質を作製し、反射スペクトルを測定した。
尚、この遮蔽物質中の、亜鉛に対するセリウムの原子比xは0.12である。
図4に、実施例4の遮蔽物質の反射スペクトルを示す。
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)9.572g、酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)2.428g、及びステアリン酸0.24gを秤量して混合し、遊星ボールミルで16時間粉砕、混合した。以下、実施例1と同様にして遮蔽物質を作製し、反射スペクトルを測定した。
尚、この遮蔽物質中の、亜鉛に対するセリウムの原子比xは0.12である。
図4に、実施例4の遮蔽物質の反射スペクトルを示す。
比較例1
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径2μm)12gとステアリン酸0.24gを秤量して混合し、遊星ボールミルで16時間粉砕、混合した。以下、実施例1と同様にして焼結体を作製し、反射スペクトルを測定した。
図5に、比較例1の焼結体の反射スペクトルを示す。
紫外域では380nm以下での透過光はなく、可視光領域では95%以上の透過強度となったが、800nm〜2000nmでの近赤外領域での透過強度の低下は少なく、近赤外光の熱線を遮断することは余り期待できないことが明らかになった。
酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径2μm)12gとステアリン酸0.24gを秤量して混合し、遊星ボールミルで16時間粉砕、混合した。以下、実施例1と同様にして焼結体を作製し、反射スペクトルを測定した。
図5に、比較例1の焼結体の反射スペクトルを示す。
紫外域では380nm以下での透過光はなく、可視光領域では95%以上の透過強度となったが、800nm〜2000nmでの近赤外領域での透過強度の低下は少なく、近赤外光の熱線を遮断することは余り期待できないことが明らかになった。
Claims (6)
- 亜鉛とランタノイドを含有する複合酸化物を含む紫外線・赤外線遮蔽物質。
- 前記複合酸化物における亜鉛に対するランタノイドの原子比xが、0<x<0.5である請求項1に記載の紫外線・赤外線遮蔽物質。
- 基体上に、請求項1又は2に記載の紫外線・赤外線遮蔽物質を含む薄膜を形成した紫外線・赤外線遮蔽材料。
- 前記基体が、ガラス板、プラスチック板又はプラスチックフィルムである請求項3に記載の紫外線・赤外線遮蔽材料。
- 請求項1又は2に記載の紫外線・赤外線遮蔽物質を含む紫外線・赤外線遮蔽用コーティング材。
- 請求項1又は2に記載の紫外線・赤外線遮蔽物質を用いた紫外線及び赤外線の遮蔽方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003311559A JP2005076008A (ja) | 2003-09-03 | 2003-09-03 | 紫外線・赤外線遮断物質、これを用いた紫外線・赤外線遮断材料、及び紫外線・赤外線の遮蔽方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003311559A JP2005076008A (ja) | 2003-09-03 | 2003-09-03 | 紫外線・赤外線遮断物質、これを用いた紫外線・赤外線遮断材料、及び紫外線・赤外線の遮蔽方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005076008A true JP2005076008A (ja) | 2005-03-24 |
Family
ID=34413099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003311559A Pending JP2005076008A (ja) | 2003-09-03 | 2003-09-03 | 紫外線・赤外線遮断物質、これを用いた紫外線・赤外線遮断材料、及び紫外線・赤外線の遮蔽方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005076008A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007051273A (ja) * | 2005-07-22 | 2007-03-01 | Toshiba Lighting & Technology Corp | 紫外線遮断材料、紫外線遮断可視選択透過フィルター、可視選択透過樹脂材料、光源及び照明装置 |
JP2008546042A (ja) * | 2005-05-25 | 2008-12-18 | ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド | 赤外抑制材料 |
JP2015113512A (ja) * | 2013-12-13 | 2015-06-22 | 三菱マテリアル株式会社 | 酸化物スパッタリングターゲット |
CN115322658A (zh) * | 2022-09-19 | 2022-11-11 | 福州创先工程材料有限公司 | 一种纳米隔热降温涂料 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0275683A (ja) * | 1988-09-13 | 1990-03-15 | Japan Carlit Co Ltd:The | 紫外線及び赤外線吸収剤及びその処理方法 |
JPH05222317A (ja) * | 1991-09-18 | 1993-08-31 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | 紫外線遮蔽用複合酸化物およびその製造方法 |
JPH0725646A (ja) * | 1992-10-23 | 1995-01-27 | Asahi Glass Co Ltd | 紫外線吸収膜形成用塗布液 |
JPH10310759A (ja) * | 1997-05-14 | 1998-11-24 | Nippon Shokubai Co Ltd | 赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子、その製造方法およびその用途 |
JPH11237506A (ja) * | 1998-02-20 | 1999-08-31 | Nippon Shokubai Co Ltd | 光選択透過膜 |
JP2000154046A (ja) * | 1998-11-16 | 2000-06-06 | Nippon Shokubai Co Ltd | 合わせガラスおよびこれに用いる樹脂中間層 |
JP2000191957A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-11 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 熱線・紫外線遮蔽膜形成用塗布液及びこれを用いた膜、基材 |
JP2001139926A (ja) * | 1999-08-30 | 2001-05-22 | Kinya Adachi | 紫外線遮蔽剤とその製造法、およびこれを配合した化粧料、フィルム、プラスチックおよび塗料 |
JP2002080823A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-22 | Kinya Adachi | 紫外線遮断剤 |
JP2002226826A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-14 | Kaisui Kagaku Kenkyusho:Kk | 紫外線吸収剤およびその使用 |
-
2003
- 2003-09-03 JP JP2003311559A patent/JP2005076008A/ja active Pending
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0275683A (ja) * | 1988-09-13 | 1990-03-15 | Japan Carlit Co Ltd:The | 紫外線及び赤外線吸収剤及びその処理方法 |
JPH05222317A (ja) * | 1991-09-18 | 1993-08-31 | Mitsui Mining & Smelting Co Ltd | 紫外線遮蔽用複合酸化物およびその製造方法 |
JPH0725646A (ja) * | 1992-10-23 | 1995-01-27 | Asahi Glass Co Ltd | 紫外線吸収膜形成用塗布液 |
JPH10310759A (ja) * | 1997-05-14 | 1998-11-24 | Nippon Shokubai Co Ltd | 赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子、その製造方法およびその用途 |
JPH11237506A (ja) * | 1998-02-20 | 1999-08-31 | Nippon Shokubai Co Ltd | 光選択透過膜 |
JP2000154046A (ja) * | 1998-11-16 | 2000-06-06 | Nippon Shokubai Co Ltd | 合わせガラスおよびこれに用いる樹脂中間層 |
JP2000191957A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-11 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 熱線・紫外線遮蔽膜形成用塗布液及びこれを用いた膜、基材 |
JP2001139926A (ja) * | 1999-08-30 | 2001-05-22 | Kinya Adachi | 紫外線遮蔽剤とその製造法、およびこれを配合した化粧料、フィルム、プラスチックおよび塗料 |
JP2002080823A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-22 | Kinya Adachi | 紫外線遮断剤 |
JP2002226826A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-14 | Kaisui Kagaku Kenkyusho:Kk | 紫外線吸収剤およびその使用 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008546042A (ja) * | 2005-05-25 | 2008-12-18 | ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド | 赤外抑制材料 |
JP2007051273A (ja) * | 2005-07-22 | 2007-03-01 | Toshiba Lighting & Technology Corp | 紫外線遮断材料、紫外線遮断可視選択透過フィルター、可視選択透過樹脂材料、光源及び照明装置 |
JP2015113512A (ja) * | 2013-12-13 | 2015-06-22 | 三菱マテリアル株式会社 | 酸化物スパッタリングターゲット |
CN115322658A (zh) * | 2022-09-19 | 2022-11-11 | 福州创先工程材料有限公司 | 一种纳米隔热降温涂料 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8083847B2 (en) | Fine particle dispersion of infrared-shielding material, infrared-shielding body, and production method of fine particles of infrared-shielding material and fine particles of infrared-shielding material | |
EP3395924B1 (en) | Near infrared shielding ultrafine particle dispersion, interlayer for solar shading, infrared shielding laminated structure, and method for producing near infrared shielding ultrafine particle dispersion | |
EP2360220B1 (en) | Infrared blocking particle, method for producing the same, infrared blocking particle dispersion using the same, and infrared blocking base | |
JP5034272B2 (ja) | タングステン含有酸化物微粒子、およびその製造方法、ならびにそれを用いた赤外線遮蔽体 | |
JP2005226008A (ja) | 日射遮蔽体形成用分散液及び日射遮蔽体並びにその製造方法 | |
KR101945546B1 (ko) | Ito 막 및 이 ito 막의 제조에 사용되는 ito 분말, ito 분말의 제조 방법 및 ito 막의 제조 방법 | |
Moon et al. | Near infrared shielding properties of quaternary tungsten bronze nanoparticle Na0. 11Cs0. 22WO3 | |
JP2011063739A (ja) | 近赤外線遮蔽材料微粒子とその製造方法および近赤外線遮蔽材料微粒子分散体と近赤外線遮蔽体 | |
JP2011063493A (ja) | 近赤外線遮蔽材料微粒子分散体および近赤外線遮蔽体および近赤外線遮蔽材料分散体の製造方法 | |
KR101602486B1 (ko) | 차광 구조물의 제조방법 | |
JP2005076008A (ja) | 紫外線・赤外線遮断物質、これを用いた紫外線・赤外線遮断材料、及び紫外線・赤外線の遮蔽方法 | |
Sokolovskiy et al. | Study of the optical property degradation of white thermal control coatings under high energy electron irradiation | |
EP3357865B1 (en) | Infrared absorbing particles, and dispersion liquid, dispersion, laminated transparent substrate, film, and glass using same, and method for manufacturing same | |
KR100891952B1 (ko) | 투명 도전막용 산화물계 타겟 및 그 제조방법, 그리고산화물계 투명 도전막 | |
JP2008230954A (ja) | 日射遮蔽体形成用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法、日射遮蔽体形成用分散液、日射遮蔽体、および、日射遮蔽用基材 | |
JP6627556B2 (ja) | ホウ化物粒子の製造方法 | |
JP2006299086A (ja) | 赤外線遮蔽材料微粒子分散体、赤外線遮蔽体、及び赤外線遮蔽材料微粒子の製造方法、並びに赤外線遮蔽材料微粒子 | |
JP4941637B2 (ja) | ホウ化物粒子の製造方法、およびホウ化物粒子 | |
Manivannan et al. | Effect of Gd doping on structural, surface and optical properties of ZnS prepared by chemical precipitation method | |
JP2011063484A (ja) | 近赤外線遮蔽材料微粒子とその製造方法および近赤外線遮蔽材料微粒子分散体と近赤外線遮蔽体 | |
JP4375531B2 (ja) | ホウ化物微粒子の製造方法 | |
JP6413969B2 (ja) | 日射遮蔽体形成用分散液および当該分散液を用いた日射遮蔽体 | |
CN1708567A (zh) | 日照屏蔽体及日照屏蔽体形成用分散液 | |
JP4399707B2 (ja) | 日射遮蔽体用ホウ化物微粒子の製造方法 | |
JP5999361B2 (ja) | 赤外線遮蔽材料、赤外線遮蔽材料微粒子分散液、赤外線遮蔽材料微粒子分散体、並びに赤外線遮蔽体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060510 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090701 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090707 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100105 |