JP4375531B2 - ホウ化物微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホウ化物微粒子の製造方法、ホウ化物微粒子および当該ホウ化物微粒子を用いた日射遮蔽体形成用分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光や電球などの外部光源から熱成分を除去・減少する方法として、従来、ガラス表面に赤外線を反射する材料を含有する被膜を形成して、熱線反射ガラスとすることが行われていた。そして、その材料には、FeOx、CoOx、CrOx、TiOxなどの金属酸化物やAg、Au、Cu、Ni、Alなどの金属材料が選択されてきた。
【0003】
しかし、これらの材料には、熱効果に大きく寄与する赤外線以外に、可視光も同時に反射もしくは吸収する性質があるため、可視光透過率が低下してしまう問題があった。特に、建材、乗り物、電話ボックスなどに用いられる基材においては、可視光領域で高い透過率が必要とされることから、上記金属酸化物などの材料を利用する場合に、その膜厚を非常に薄くしなければならなかった。このため、スプレー焼付けやCVD法、あるいはスパッタ法や真空蒸着法などの物理成膜法を用いて10nmレベルの薄膜として成膜して用いる方法が採られている。
【0004】
しかし、これらの成膜方法は大がかりな装置や真空設備を必要とし、生産性や大面積化に難点があり、膜の生産コストが高くなる欠点がある。また、これらの材料で日射遮蔽特性を高くしようとすると、可視光領域の反射率も同時に高くなってしまう傾向があり、鏡のようなギラギラした外観を与えて、美観を損ねてしまう欠点もあった。更に、これらの材料で成膜された膜は、表面抵抗が比較的低くなって、電波に対する反射が高くなり、例えば携帯電話やテレビ、ラジオなどの電波を反射して受信不能になったり、周辺地域に電波障害を引き起こすなどの欠点もあった。このような欠点を改善するためには、膜の物理特性として、可視光領域の光の反射率が低く、赤外線領域の反射率が高く、かつ膜の表面抵抗値が概ね106Ω/□以上に制御可能な膜である必要があった。
【0005】
ここで、可視光透過率が高く、しかも優れた日射遮蔽機能を持つ材料として、アンチモン錫酸化物(以下、ATOと略す)や、インジウム錫酸化物(以下、ITOと略す)が知られている。そして、これらの材料は、可視光反射率が比較的低いためギラギラした外観を与えることはない。しかし、これらの材料のプラズマ周波数は近赤外線領域にあるために、可視光により近い近赤外域において反射・吸収効果が未だ十分でなかった。更に、これらの材料は、単位重量当たりの日射遮蔽能が低いため、高遮蔽機能を得るには使用量を多くせざるを得ず、コストが割高となるという問題を有していた。
【0006】
そこで、本出願人は、先に、日射遮蔽成分として六ホウ化物微粒子を用いた日射遮蔽体用分散液、及びこれを用いた日射遮蔽体を開発し、特許文献1として提供した。六ホウ化物微粒子は、製造条件により灰黒色、茶黒色、緑黒色などに着色した粉体であるが、粉体の粒子径を可視光波長に比べて十分小さくし、中間膜中あるいは日射遮蔽体中に分散した状態とすると、当該中間膜あるいは日射遮蔽体に、赤外光遮蔽能を十分強く保持させながら可視光透過性を付与することができる。
【0007】
この理由は詳細には判明していないが、これら六ホウ化物は、粒子中の自由電子の量が多く、微粒子内部および表面の自由電子によるバンド間間接遷移の吸収エネルギーが、まさに可視〜近赤外領域の付近にあるために、この波長領域の熱線が選択的に反射・吸収されるものと考えられる。
【0008】
実験によれば、六ホウ化物微粒子の比表面積を10m2/g以上とし、かつ溶媒中に均一に分散した膜は、透過率が波長400nm〜700nmの間に極大値を持ち、また波長700nm〜1800nmの間に極小値を持ち、さらにこれらの透過率の極大値と極小値の差が15ポイント以上であることが観察された。ここで、可視光波長が380nm〜780nmであり、視感度が550nm付近をピークとする釣鐘型であることを考慮すると、当該膜において可視光は十分に透過させながら、熱線は有効に反射もしくは吸収される。
【0009】
さらに、六ホウ化物微粒子の単位重量当たりの日射遮蔽能力は非常に高く、例えば、ITO微粒子、ATO微粒子と比較して、10分の1以下の使用量でその効果を発揮する。また、六ホウ化物微粒子と、ITO微粒子および/またはATO微粒子とを併用することによって、一定の可視光透過率を保ちながら日射遮蔽特性のみをさらに向上させることができることも判明した。この結果、日射遮蔽用微粒子の使用総量の削減、および生産コストの削減ができる。
【0010】
さらに加えて、六ホウ化物微粒子は可視光領域にも吸収を有するため、日射遮蔽体への添加量を制御することにより、その日射遮蔽体の可視光領域の吸収を自由に制御することができ、明るさ調整やプライバシー保護などの付加機能を持たせることも可能となる。
【0011】
ここでホウ化物粒子の製造法として、例えば、非特許文献1、2、あるいは特許文献2に製造方法が示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−169765号公報
【非特許文献1】
粉体と工業vol21(No.5)1989.P66−70 土井博司
【非特許文献2】
機能材料vol15(No.6)1995.P66−69
【特許文献2】
特開昭63−170212号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1、2には、La23とB23の炭素還元法による、ホウ化物粒子の1種であるLaB6の製造について記載されている。これら、非特許文献1、2に記載された方法は、比較的安価な原料からLaB6を製造できるが、焼成温度が高いために、得られるLaB6粒子は強固な塊状となって粗大粒子を形成する。
【0014】
ところが、日射遮蔽の分野に用いるためのホウ化物粒子には、上述したように、その粒子径が可視光波長に比べて十分小さいことが求められる。このため、ホウ化物粒子を粉砕しなければならないが、上述の方法で製造された、強固な塊状となって粗大化したホウ化物粒子は、ジェットミル等を用いたメカニカル法によって強力な粉砕を行っても微粒子化が非常に困難である。さらに、ホウ化物粒子は比較的硬度が高いため、メカニカルな粉砕工程で粉砕機内壁材料を摩耗させ、不純物混入という事態を招いてしまう。この結果、粉砕工程を経て得られるホウ化物微粒子は、非常に生産コストの高いものか、あるいは、不純物混入のため熱線遮蔽材料としての機能を十分発揮できないものであった。
【0015】
また、特許文献2には、原料を高温のプラズマ中で瞬時に蒸発、凝縮して、ホウ化物の超微粒子が得られることについて記載されている。しかし、プラズマ火炎の温度分布によって組成制御が難しく、目的生成物以外の不純物も含まれるため、不純物除去のための操作が不可欠である。また、プラズマ火炎の安定性の観点から、原料フィード量を高くできないため生産コストが高く、何らかの改善が求められていた。
【0016】
そこで、本発明の課題とするところは、優れた日射遮蔽機能を発揮する粒子径を有するホウ化物微粒子を、容易に、低コストで生産する製造方法、および当該製造方法にて製造されたホウ化物微粒子を提供し、さらには、当該ホウ物微粒子を用いた日射遮蔽体形成用分散液を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を継続した結果、ホウ化物微粒子を製造するための原料の粒子径を微細化すること、および微細化した原料の粒子を焼成してホウ化物微粒子を製造する際の焼成温度条件を最適化することによって、得られるホウ化物微粒子の粗大化を回避し、優れた日射遮蔽機能を発揮する粒子径を有する、ホウ化物微粒子の製造方法を見出し、本発明に至った。
【0018】
すなわち、課題を解決するための第1の手段は、一般式XB(但し、Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた金属元素。mは、X元素1原子に対するホウ素(B)元素の原子数比を示すものであり、4≦m<6.3)で表されるホウ化物微粒子の製造方法であって、前記Xを含む化合物の溶液と、アルカリ溶液とを攪拌しながら反応させて沈殿物を得る工程と、前記沈殿物を乾燥して、前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子を得る工程と、前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子と、ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)とを混合し、前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子と、ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)との混合物を得る工程と、前記混合物を、真空または不活性ガス雰囲気下において1500℃未満で熱処理して、前記一般式XBで表されるホウ化物微粒子を得る工程と、を具備することを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法である。
【0019】
第2の手段は、一般式XB(但し、Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた金属元素。mは、X元素1原子に対するホウ素(B)元素の原子数比を示すものであり、4≦m<6.3)で表されるホウ化物微粒子の製造方法であって、前記Xを含む化合物の溶液と、アルカリ溶液とを攪拌しながら反応させて沈殿物を得る工程と、前記沈殿物を乾燥して、Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子を得る工程と、
前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子を熱処理して、前記Xの酸化物粒子を得る工程と、前記Xの酸化物粒子と、ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)とを混合し、前記Xの酸化物粒子と、ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)との混合物を得る工程と、
前記混合物を、真空または不活性ガス雰囲気下において1500℃未満で熱処理して、前記一般式XBで表されるホウ化物微粒子を得る工程と、を具備することを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法である。
【0020】
第3の手段は、第1または第2の手段に記載のホウ化物微粒子の製造方法であって、
前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子、または、前記Xの酸化物の粒子と、
ホウ素(B)を含む化合物と、
炭素(C)と、を混合する際、X元素とホウ素(B)元素の混合割合において、X元素:ホウ素(B)元素の原子数比が1:4〜1:7となるように混合することを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法である。
【0021】
第4の手段は、第1または第2の手段に記載のホウ化物微粒子の製造方法であって、前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子、または、前記Xの酸化物の粒子と、ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)と、を混合する際、X元素とホウ素(B)元素の混合割合において、X元素:ホウ素(B)元素原子数比が1:6となるように混合することを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法である。
【0022】
第5の手段は、第1〜第4の手段のいずれかに記載のホウ化物微粒子の製造方法であって、
前記製造されたホウ化物微粒子へ、さらにメカニカル法による解砕処理を施すことを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法である。
【0023】
第1〜第5の手段に係る製造方法によれば、例えば日射遮蔽体用として、最適な粒子径を有すると共に、不純物混入も少ないホウ化物微粒子を、容易に、低い生産コストで製造することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1に示す製造フロー図を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る一般式XBmで表されるホウ化物微粒子、及び当該微粒子を用いた日射遮蔽体形成用分散液の製造フロー図である。
図1において、X化合物溶液11中の、Xを含む化合物はアルカリ土類元素、またはジルコニウム(Zr)、またはイットリウム(Y)を含む希土類元素から選ばれる金属元素である。これらの金属元素の中でも、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Zr,Sr,BaまたはCaを好個に用いることができる。そして、Xを含む化合物としては、例えば、X元素の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、等を好個に用いることができる。
【0029】
アルカリ溶液12は、特に限定されないが、例えば、炭酸水素アンモニウム、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの各水溶液を好個に用いることができる。また、アルカリ溶液12の濃度は、X化合物の塩が水酸化物となるのに必要な化学当量以上、好ましくは当該当量〜1.5倍過剰量である。アルカリ溶液12の濃度がこの範囲であると、X化合物溶液11とアルカリ溶液12とが十分に反応すると共に、後工程の洗浄に必要な時間が短時間で済むことから好ましい。
【0030】
ここで、X化合物溶液11と、アルカリ溶液12とを、混合51し、継続的攪拌52を行って、中和反応により沈殿13の生成を行う。このときの溶液温度の上限は、特に限定されないが、通常100℃以下とする。一方、溶液温度の下限も特に限定されないが、あまり低く設定すると新たに冷却装置などが必要になり、生産コストの上昇要因となるため、当該装置を要しない温度とすることが好ましい。中和反応の時間は特に限定されないが、生産性の観点から30分間未満、好ましくは25分間以下とする。中和反応完了後も、系内の均一化を図るために、攪拌52を継続しながら沈殿13の熟成を行うが、そのときの温度は中和温度と同温度とする。また、攪拌52の継続時間は特に限定されないが、生産性の観点から30分間以下、好ましくは15分間程度、あるいはそれ以下でもよい。
【0031】
沈殿生成により生成した沈殿13を十分に洗浄53し、残余のアルカリ分等を除去する。洗浄53方法は、純水によるデカンテーションを好個に用いることができる。
洗浄53の完了した沈殿13を乾燥54すると、Xの水酸化物および/または水和物14の粒子が得られる。乾燥54において、その温度や時間は、特に限定されるものではない。
【0032】
得られたXの水酸化物および/または水和物14粒子を用いて、このまま後工程に進んでも良いが、このXの水酸化物および/または水和物14の粒子を、さらに熱処理55して、Xの酸化物15としてから後工程に進んでも良い。
Xの水酸化物および/または水和物14粒子を熱処理55する場合は、生成するXの酸化物15の粒子が粗大化するのを回避する観点より、熱処理温度を400〜1000℃とし、熱処理時間は30分間以上あれば特に限定されないが、生産性の観点から30分間〜4時間とすることが好ましい。熱処理55により、Xの水酸化物および/または水和物14は、Xの酸化物15粒子と当該粒子が凝集した凝集体となる。
【0033】
上述の生産工程を採ることにより、得られたXの水酸化物および/または水和物14の粒子径、および、酸化物15の粒子の粒子径を、例えば優れた日射遮蔽機能を発揮するホウ化物微粒子を製造するために、必要とされる範囲のものとすることができる。
因みに、優れた日射遮蔽機能を発揮するホウ化物微粒子を製造するために、必要とされる範囲の粒子径とは、Xの水酸化物および/または水和物14粒子の場合、平均粒子径が100nm以下、好ましくは80nm以下、さらに好ましくは60nm以下であり、Xの酸化物15粒子の場合、平均粒子径が1500nm以下、好ましくは1000nm以下、さらに好ましくは800nm以下であった。
Xの水酸化物および/または水和物14粒子径や、Xの酸化物15粒子径が、前記必要とされる範囲内であれば、後工程において所望の粒子径を有するホウ化物微粒子が得られ、優れた日射遮蔽機能を発揮したからである。
【0034】
Xの水酸化物および/または水和物14粒子、または、Xの酸化物15粒子と、ホウ素(B)を含む化合物16と、炭素(C)17とを混合56する。
この混合56の際、X元素とホウ素(B)元素との原子数比が1:4〜1:7となるように均一に混合する。
一方、添加する炭素(C)17は、Xの水酸化物および/または水和物14粒子、または、Xの酸化物15粒子と、ホウ素(B)を含む化合物16との反応において、一般式XBm(但し、Xは、アルカリ土類元素、ジルコニウム(Zr)またはイットリウム(Y)を含む希土類元素から選ばれた金属元素)で表されるホウ化物微粒子を生成するための還元剤となる。例えば、X23、B23およびCを原料としたXB6生成の反応式は
0.5X23+3B23+10.5C→XB6+10.5CO
となる。従って、炭素(C)17の添加量はXBmで表されるホウ化物微粒子を生成するに必要な化学当量とすることが好ましい。多過ぎると炭素(C)が残留し、少なすぎると未反応Xやホウ素(B)の化合物が残留し、いずれの場合も所望の光学特性が得られない。
【0035】
また、ホウ素(B)を含む化合物16や炭素(C)17粒子の平均粒子径は、XB4、XB6等の微粒子生成の観点から、できるだけ微粒子であることが好ましい。これは、各原料粉体の粒子径を微粒子化することで、製造されるホウ化物微粒子において平均粒子径を小さくし、可視光透過率を高く維持しながら日射遮蔽能に優れたホウ化物微粒子を低コストで、容易に製造できるからである。
ここで、ホウ素(B)を含む化合物16としては、原料入手のし易さ、原料コスト等の観点も合わせて考えると、平均粒径20μm以下が好ましく、さらに好ましくは平均粒径10μm以下のものがあげられる。
一方、炭素(C)17としては、原料入手のし易さ、原料コスト等の観点も合わせて考えると、平均粒径100nm以下が好ましく、さらに好ましくは平均粒径80nm以下のカーボンブラック、コークス、あるいは糖等から加熱によって生成された炭素等があげられる。
そして、得られた均一混合物を、真空または不活性ガス雰囲気下1500℃未満で熱処理57して一般式XBmで表されるホウ化物微粒子18を得る。
【0036】
ここで、ホウ化物微粒子18について、さらに説明する。
ホウ化物微粒子18は、一般式XBmで表され、XB4、XB6、XB12等で表されるホウ化物が挙げられるが、日射遮蔽体の材料としては、4≦m<6.3であることが好ましい。すなわち、ホウ化物微粒子18としては、上記ホウ化物の内XB4、XB6が主体となっていることが好ましく、さらに一部XB12を含んでいても良い。ここで、mとは、得られたホウ化物微粒子を含む粉体を化学分析し、X元素の1原子に対するBの原子数比を示すものである。
【0037】
製造されたホウ化物微粒子18を含む粉体は、実際には、XB4、XB6、XB12等の混合物である。例えば、代表的なホウ化物微粒子である六ホウ化物の場合において、X線回折の結果から単一相であると判断されても、実際には5.8<m<6.2となり、微量に他相を含んでいると考えられる。ここで、m>4となる場合は、XB、XB2などの生成が抑制されており、理由は不明であるが、日射遮蔽特性が向上する。一方、m≦6.3となる場合は、ホウ化物微粒子以外に酸化ホウ素粒子が発生することが抑制される。酸化ホウ素粒子は吸湿性があるため、ホウ化物粉体中に酸化ホウ素粒子が混入すると、ホウ化物粉体の耐湿性が低下し、日射遮蔽特性の経時劣化が大きくなってしまう。そこで、m≦6.3として、酸化ホウ素粒子の発生を抑制することが好ましい。
【0038】
以上のことから、Xの水酸化物および/または水和物14の粒子、または、Xの酸化物15粒子と、Bを含む化合物16と炭素(C)17との混合56の際、X元素とホウ素B元素の原子数比を好ましくは1:4〜1:7、さらに好ましくは1:4.8〜1:6.3、最も好ましくは、概ね1:6となるように均一混合物とする。
【0039】
そのとき、炭素(C)17は、X元素に対して元素換算で10〜11、より好ましくは概ね10.5となるように混合し、Xの水酸化物および/または水和物14の粒子、または、Xの酸化物15粒子と、Bを含む化合物16との均一混合物とする。
【0040】
Xの水酸化物および/または水和物14粒子、または、Xの酸化物15粒子と、ホウ素(B)を含む化合物16と炭素(C)17との均一混合物を、熱処理57する際の雰囲気は、真空または不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。雰囲気を真空とするなら、真空度はホウ化物微粒子18の安定性の観点から高い方が好ましい。また、雰囲気を不活性ガスとするなら、ホウ素(B)の窒化物の生成を回避する観点から、窒素以外のガスを用いることが好ましい。
【0041】
熱処理57の温度は1500℃未満とすることが好ましく、さらに好ましくは、概ね1500〜1300℃である。1500℃未満であればホウ化物微粒子18の粗大化を回避できるからである。また、焼成時間は、ホウ化物微粒子18において、所望の平均粒子径等が得られるよう適宜選択すれば良いが、概ね1〜4時間程度が好ましい。
【0042】
以上2つのどちらかの方法で得られたホウ化物微粒子18を、さらにメカニカルな方法によって解砕58処理するのも好ましい構成である。その解砕処理方法は一次粒子の凝集体を壊し、一部粒成長した粒子を粉砕して微粒子化できる方法であれば、特に限定されないが、解砕効率を考慮するとジェットミルのような自粉衝突型粉砕機やビーズミルのようなメディア媒介型の解砕装置が好ましい。ここで、ビーズミルやジェットミルといったメカニカル法によりホウ化物微粒子18の解砕58を行うことで、ホウ化物微粒子18による粉砕機内壁材料の摩耗による不純物混入の可能性が考えられる。しかし、本発明に係る解砕58は、既に微粒子の状態となっているホウ化物微粒子18に対し、補完的に解砕を行うだけのため、粉砕機内壁材料からの不純物混入は実質的に問題とならない。
【0043】
このようにして、一般式XBmで表される、例えば日射遮蔽に適したホウ化物微粒子19(以下、ホウ化物微粒子19と記載する)が得られる。このホウ化物微粒子19はその表面が酸化していないことが好ましいが、通常得られるものは僅かに酸化していることが多く、また粒子の分散工程で表面の酸化が起こることは、ある程度避けられない。また、ホウ化物微粒子19は、結晶としての完全性が高いほど大きい日射遮蔽効果を発揮するが、結晶性が低くX線回折で極めてブロードな回折ピークを生じるようなものであっても、粒子内部の基本的な結合が、ランタン(La)を始めとするX元素と、ホウ素(B)との結合から成り立っていれば所望の日射遮蔽効果を発現する。
【0044】
次に、本発明に係る日射遮蔽体形成用分散液21は、ホウ化物微粒子19を溶媒中に混合、分散59したものである。
溶媒20は、特に限定されるものではなく、日射遮蔽体形成用分散液21の、塗布条件、塗布環境、および適宜、添加される無機バインダーや樹脂バインダー等に合わせて選択すればよい。例えば、溶媒20として、水やエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、メチルエーテル,エチルエーテル,プロピルエーテルなどのエーテル類、エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、イソブチルケトンなどのケトン類といった各種の有機溶媒が使用可能であり、また必要に応じて酸やアルカリを添加してpH調整を行ってもよい。さらに、日射遮蔽体形成用分散液21中におけるホウ化物微粒子19の分散安定性を一層向上させるためには、各種の界面活性剤、カップリング剤などの添加も勿論可能である。
【0045】
本発明に係る日射遮蔽体形成用分散液21は、ホウ化物微粒子19を溶媒20中に分散した時の、ホウ化物微粒子19の分散状態を測定することで特定される。この特定は、本発明に係るホウ化物微粒子19が、溶媒20中において、粒子および粒子の凝集体として存在する状態サンプリングを行い、動的光散乱法を原理とした、例えば大塚電子(株)製ELS−800を用いて測定した粒子径を、分散
粒子径とすることで行う。
【0046】
測定された分散粒子径は、800nm以下、好ましくは400nm以下、より好ましくは100nm以下が良い。800nm以下であれば、所望とする日射遮蔽機能を発揮し、また凝集した粗大粒子が光散乱源となって膜に曇り(ヘイズ)を生じたり、可視光透過率が減少する原因となることが起きないので好ましい。ホウ化物微粒子19の分散粒径が800nm以下で十分細かく、かつ均一に分散した日射遮蔽体では、光の透過率において、波長400〜700nmに極大値を、波長700〜1800nmに極小値をもち、透過率の極大値と極小値とを百分率で表現したとき、極大値(%)−極小値(%)≧15%、即ち、極大値と極小値との差が百分率で15ポイント以上の特性を有する日射遮蔽体が得られる。
【0047】
日射遮蔽体における被膜透過率の極大値と極小値との差は、この値が大きいほど日射遮蔽特性が優れる。これは、ホウ化物微粒子19の透過プロファイルが、波長400nm〜700nmに極大値を、波長700〜1800nmに極小値を持っていること、及び、可視光波長域が380nm〜780nmで、視感度が550nm付近をピークとする釣鐘型であることを考慮すれば明らかである。すなわち、ホウ化物微粒子19の透過特性から、可視光を有効に透過しそれ以外の熱線を有効に反射・吸収することが理解される。
【0048】
一方、可視光透過率VLTは可視光透過率算出法(JIS A 5759)に基づき算出されるもので、具体的には、分光光度計を用いて波長380nm〜780nm間において10nm間隔で各波長の分光透過率τ(λ)を測定し、以下の数式(式1)により算出した値である。
【式1】
Figure 0004375531
ここで、τvは可視光透過率VLT、DλはCIE昼光色D65における分光分布の値(JIS A 5759の添付表参照)、VλはCIE明順応標準比視感度、τ(λ)は分光透過率である。尚、CIEは国際照明委員会の略称である。
【0049】
本発明に係るホウ化物微粒子19と、この微粒子を溶媒20中に分散させた日射遮蔽体形成用分散液21から形成される日射遮蔽体へ、さらに紫外線遮蔽機能を付与させるため、無機系の酸化チタンや酸化亜鉛、酸化セリウムなどの粒子や、有機系のベンゾフェノンやベンゾトリアゾールなどの1種もしくは2種以上を添加してもよい。
【0050】
また、当該日射遮蔽体の光の透過率を向上させるために、更に、ATO、ITO、アルミニウム添加酸化亜鉛などの粒子を混合してもよい。これらの透明粒子は、日射遮蔽体形成用分散液21への添加量を増すと、750nm付近の透過率が増加し、近赤外線を遮蔽するため、可視光透過率が高く、かつ日射遮蔽特性のより高い日射遮蔽体が得られる。
【0051】
また、逆にATO、ITO、アルミニウム添加酸化亜鉛などの粒子を分散した日射遮蔽体形成用分散液に、本発明に係る日射遮蔽体形成用分散液21を添加すれば、例えば、上述したホウ化ランタン(LaB6)の膜色は緑色のため、日射遮蔽膜に着色することができると同時に、その日射遮蔽効果を補助することもできる。この場合、主体となるATOやITOなどに対して、ほんの僅かの添加量で日射遮蔽効果を補助することができ、ATOやITOの必要量の大幅な減少が可能で、日射遮蔽体形成用分散液のコストを下げることができる。
【0052】
また、本発明に係る日射遮蔽体形成用分散液21は、焼成時の熱による液体成分の分解、あるいは、化学反応を利用して目的の日射遮蔽体を形成するものではないため、特性の安定した日射遮蔽体を形成することができる。
さらに、このような優れた日射遮蔽効果を発揮するホウ化物微粒子は、無機材料であるので有機材料と比べて耐候性に優れており、例えば太陽光線(紫外線)の当たる部位に使用しても、色や諸機能の劣化はほとんど生じない。
この結果、車両、ビル、事務所、一般住宅などの窓、電話ボックス、ショーウィンドー、照明用ランプ、透明ケースなど、単板ガラス、合わせガラス、プラスチックス、その他の日射遮蔽機能を必要とする透明基材などの広汎な分野に用いることができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明について、その実施例を挙げさらに具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0054】
[実施例1]
10%La(NO3)36H2O水溶液500gを、室温で攪拌しながら15%NH4OH溶液を20分間かけて滴下して沈殿を生成させ、滴下後さらに10分間攪拌を継続して沈澱を熟成した。
次に、純水を用い、デカンテーションにて生成した沈殿の洗浄を行い、上澄み液の電導度が1mS/cm以下になるまで、これを繰り返した。洗浄後の沈殿を105℃で乾燥したところ、平均粒子径20nmのLa水酸化物微粒子を含む粉体を得ることができた。
得られたLa水酸化物粉体と、平均粒子径16μmのB23と、平均粒子径13nmのカーボンブラックを含む粉体とを、La元素とB元素とC元素との原子数比が1:6:10.5となるよう混合して均一混合物とした後、この均一混合物を真空雰囲気下(約0.02Pa)、1400℃で3時間、熱処理してLaB6微粒子を主として含む粉体を得た。
得られたLaB6微粒子2重量%、高分子系分散剤2重量%、トルエン96重量%の混合物と、0.3mmφZrO2ビーズとを、ペイントシェーカーへ充填し、24時間分散処理することによってLaB6分散液を調製した。
ここで、分散粒子径を大塚電子(株)製のELS−800を用いて測定したところ、136nmであった。この値を、本発明に係る日射遮蔽体の光学特性の測定結果一覧表である図2に示す。
前記調製されたLaB6分散液へ、さらにトルエンとUV硬化樹脂とを加え、LaB6:0.62重量%、UV硬化樹脂:33.3重量%、トルエン:残部として、十分混合・攪拌し日射遮蔽体形成用分散液を調製した。
次に、バーNo8(JIS K5400)のバーコーターを用いて、前記日射遮蔽体形成用分散液を、50μm厚のPETフィルム上へ塗布した。その後、70℃で1分間の条件で高圧水銀ランプを照射し、日射遮蔽体aを得た。
ここで、日立製作所(株)製の分光光度計U−4000を用い、日射遮蔽体aの光学特性を測定し、可視光透過率と日射遮蔽特性とを測定した。尚、日射遮蔽特性については、上述したように、日射遮蔽体の百分率で表現した透過率の極大値と極小値との差をポイントとして求めた。そして、可視光透過率として73%、透過率の極大値と極小値との差として18ポイントの値を得た。この値を図2に示す。
【0055】
[実施例2][実施例3]
日射遮蔽体形成用分散液をPETフィルム上へ塗布する際のバーコーターを、バーNo8(JIS K5400)に代えて、バーNo24を適用した以外は実施例1と同様にして実施例2に係る日射遮蔽体bを得た。さらに、バーNo8(JIS K5400)に代えて、バーNo40を適用した以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る日射遮蔽体cを得た。
そして、日射遮蔽体b、cに対しても実施例1と同様に可視光透過率と日射遮蔽特性とを測定した。この値を図2に示す。
【0056】
[実施例4]〜[実施例7]
X化合物をLa(NO3)36H2Oに代えて、Ce(NO3)36H2Oとした以外は実施例1と同様にして、実施例4に係る日射遮蔽体dを得た。次に 、La(NO3)36H2Oに代えて、Pr(NO3)36H2Oを適用した以外は実施例1と同様にして、に係る日射遮蔽体eを得た。さらに 、La(NO3)36H2Oに代えて、Nd(NO3)36H2Oを適用した以外は実施例1と同様にして、実施例6に係る日射遮蔽体fを得た。最後に 、La(NO3)36H2Oに代えて、Gd(NO3)36H2O を適用した以外は実施例1と同様にして、実施例7に係る日射遮蔽体gを得た。
そして、日射遮蔽体d〜gに対しても実施例1と同様に可視光透過率と日射遮蔽特性とを測定した。この値を図2に示す。
【0057】
[比較例1]
La水酸化物粉体とB23とカーボンブラックとを含む均一混合物粉体を、真空雰囲気下で熱処理する際の温度を1400℃から1600℃へ変更した以外は、実施例1と同様にして日射遮蔽体hを得た。そして、日射遮蔽体hに対しても実施例1と同様に可視光透過率と日射遮蔽特性とを測定した。この値を図2に示す。
【0058】
図2に示すように、実施例1〜7に係る日射遮蔽体a〜gにおいて、透過率の極大値と極小値との差はいずれも百分率で15ポイント以上であった。一方、比較例1に係る日射遮蔽体hおいて、透過率の極大値と極小値との差は15ポイント未満であった。
以上のことより、本発明に係る、容易で生産コストの低い製造方法により得られたホウ化物微粒子より調製した日射遮蔽体は、透過率の極大値と極小値との差がいずれも百分率で15ポイント以上であるという優れた光学特性を有していることが判明した。
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は一般式XBm(但し、Xは、アルカリ土類元素、ジルコニウム(Zr)またはイットリウム(Y)を含む希土類元素から選ばれた金属元素)で表されるホウ化物微粒子の製造方法であって、
Xを含む化合物の溶液と、アルカリ溶液とを、攪拌しながら反応させて沈殿物を得る工程と、
前記沈殿物を乾燥して、Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子を得る工程、もしくは前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子を熱処理して、前記Xの酸化物粒子を得る工程と、
前記Xの水酸化物および/または水和物粒子、もしくは前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子を熱処理した前記Xの酸化物粒子と、ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)と、を混合し、前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子と、ホウ素Bを含む化合物と、炭素(C)との混合物を得る工程と、
前記混合物を、真空または不活性ガス雰囲気下において1500℃未満で熱処理して、一般式XBmで表されるホウ化物微粒子を得る工程と、を具備することを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法である。
当該製造方法は、例えば日射遮蔽体として、好個な粒子径を有したホウ化物微粒子を、容易に、安価な生産コストで製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホウ化物微粒子及び当該微粒子を用いた日射遮蔽体形成用分散液の製造工程を示すフロー図である。
【図2】本発明に係る日射遮蔽体の光学特性の測定結果一覧表である。

Claims (5)

  1. 一般式XB(但し、Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた金属元素。mは、X元素1原子に対するホウ素(B)元素の原子数比を示すものであり、4≦m<6.3)で表されるホウ化物微粒子の製造方法であって、
    前記Xを含む化合物の溶液と、アルカリ溶液とを攪拌しながら反応させて沈殿物を得る工程と、
    前記沈殿物を乾燥して、前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子を得る工程と、
    前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子と、ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)とを混合し、前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子と、ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)との混合物を得る工程と、
    前記混合物を、真空または不活性ガス雰囲気下において1500℃未満で熱処理して、前記一般式XBで表されるホウ化物微粒子を得る工程と、を具備することを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法。
  2. 一般式XB(但し、Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれた金属元素。mは、X元素1原子に対するホウ素(B)元素の原子数比を示すものであり、4≦m<6.3)で表されるホウ化物微粒子の製造方法であって、
    前記Xを含む化合物の溶液と、アルカリ溶液とを攪拌しながら反応させて沈殿物を得る工程と、
    前記沈殿物を乾燥して、Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子を得る工程と、
    前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子を熱処理して、前記Xの酸化物粒子を得る工程と、
    前記Xの酸化物粒子と、ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)とを混合し、前記Xの酸化物粒子と、ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)との混合物を得る工程と、
    前記混合物を、真空または不活性ガス雰囲気下において1500℃未満で熱処理して、前記一般式XBで表されるホウ化物微粒子を得る工程と、を具備することを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のホウ化物微粒子の製造方法であって、
    前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子、または、前記Xの酸化物の粒子と、
    ホウ素(B)を含む化合物と、炭素(C)と、を混合する際、X元素とホウ素(B)元素の混合割合において、X元素:ホウ素(B)元素の原子数比が1:4〜1:7となるように混合することを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載のホウ化物微粒子の製造方法であって、
    前記Xの水酸化物粒子および/または水和物粒子、または、前記Xの酸化物の粒子と、
    ホウ素(B)を含む化合物と、
    炭素(C)と、を混合する際、X元素とホウ素(B)元素の混合割合において、X元素:ホウ素(B)元素原子数比が1:6となるように混合することを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のホウ化物微粒子の製造方法であって、
    前記製造されたホウ化物微粒子へ、さらにメカニカル法による解砕処理を施すことを特徴とするホウ化物微粒子の製造方法。
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