JP5910242B2 - 六ホウ化ランタン微粒子の製造方法、六ホウ化ランタン微粒子、六ホウ化ランタン焼結体、六ホウ化ランタン膜及び有機半導体デバイス - Google Patents

六ホウ化ランタン微粒子の製造方法、六ホウ化ランタン微粒子、六ホウ化ランタン焼結体、六ホウ化ランタン膜及び有機半導体デバイス Download PDF

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Description

本発明は、六ホウ化ランタン(LaB6)微粒子の製造方法、六ホウ化ランタン微粒子、六ホウ化ランタン焼結体、六ホウ化ランタン膜及び有機半導体デバイスに関し、さらに詳しくは、スパッタリングターゲットとして用いられるLaB6焼結体作製用の原料粉末として好適な、高純度で粒径の小さな六ホウ化ランタン微粒子を製造する方法、及び前記用途に好適な高純度で粒径の小さな六ホウ化ランタン微粒子、この微粒子を用いて作製される六ホウ化ランタン焼結体、六ホウ化ランタン膜並びに有機半導体デバイスに関するものである。
ホウ化物は化学的に安定で、水、酸、アルカリ等に侵され難く、ホウ素の含有量によって金属的から半金属的性質を示す材料である。また、電気的・磁気的性質に特徴があることから、電子材料などの様々な用途開発が期待されている材料である。
ホウ化物としては、例えば、ホウ化ハフニウム、ホウ化チタン、ホウ化タングステン、ホウ化ランタン等を挙げることができる。
これらの中で六ホウ化ランタン(LaB6)は仕事関数が小さいことから、硬質材料や耐久材料としてだけでなく、太陽電池や照明等の電子放出材料としての開発が進められている。仕事関数とは物質の表面から電子を取り出すのに必要な最小エネルギーのことで、電子放出材料としては小さい値であるほど好ましい。
電子放出材料としてのLaB6は薄膜として用いられることが多く、その製膜手法には種々の手法が検討されている。それらの中でもLaB6ターゲットを用いたスパッタリング法は、緻密な膜を形成できるので好適に用いられている。
従来LaB6ターゲット材料は1〜10μm程度の粒径を持つ市販のLaB6粉末を焼結した焼結体が用いられてきた。しかしLaB6は難焼結性で緻密化しにくい物質であるため、通常の焼結では焼結体の相対密度は80%程度であり、緻密な焼結体を得るのは困難であった。そして密度が低いLaB6焼結体には空孔が多数存在し、その空孔部には水分や有機物等の不純物が吸着している。そのため、この様な焼結体をターゲットとして用いると、これらの不純物が膜に取り込まれて仕事関数が大きくなり、電子放出材料としての特性が低下するという問題があった。
また、LaB6焼結体の密度を向上させるために焼結助剤を添加する方法がある。しかしその焼結助剤が不純物となり、緻密化できても高純度の焼結体を得ることができなかった。そのため、このような焼結助剤を添加したLaB6焼結体をターゲット材として用いた場合は、不純物がスパッタ膜に取り込まれ、仕事関数の値が大きくなり、電子放出材料としての特性が低下する問題があった。
焼結性を向上させるには、表面エネルギーが大きく、粒子自体が大きな焼結駆動力を持つ粒径の小さな微粒子を原料として用いる方法がある。微粒子だけでは充填性が悪く、粒子どうしの接触点が少ないため焼結が起こりにくく、緻密化しにくいが、数μmの粒子に適宜それよりも小さい微粒子を混合することで、焼結密度を高くすることができる。すなわち、高純度の数μm程度の粒子及びそれよりも小さい微粒子を適宜混合して焼結体を製造することで、高純度化と緻密化を両立するLaB6のターゲット材料を得ることができる。
しかし、従来のLaB6微粒子の製造方法は、粒径を小さくするために粉砕工程が必要であったり、粒成長を防止するために過剰の炭素を加えたりしているため、高純度かつ微粒子の特徴を持つLaB6粒子を得ることは難しく、高純度化と緻密化を両立することは困難であった。
LaB6微粒子の製造法として特許文献1には、金属水酸化物及び水和物、またはそれらを熱処理して得られる金属酸化物に、ホウ素化合物を混合した後、真空または不活性雰囲気下において1600℃未満で熱処理したものを、ジェットミルで解砕処理し、LaB6微粒子を製造する方法が提案されている。
特許文献2には、反応性向上のためにLa源にやや過剰のB源を混合させ、粒子の成長防止のために炭素を加えたものを、不活性ガス雰囲気下で3段階の熱処理工程を経ることにより、20〜100nmのLaB6微粒子を製造する方法が提案されている。
特開2007―210826号公報 特開2008−63191号公報
しかしながら、特許文献1では解砕処理過程でLaB6以外の物質が混入することを避けられなかった。そのため、ターゲット材用途としての利用が十分にできないという問題があった。
特許文献2では、La源に、化学量論比以上のB源を混合させると共に、さらに過剰に炭素を加えているため、過剰なホウ素および炭素を完全に除去できなかった。そのため、高純度ターゲット用途としての利用が十分にできないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、スパッタリングターゲットとして用いられる六ホウ化ランタン焼結体作製用の原料粉末として好適な、高純度で粒径の小さな六ホウ化ランタン微粒子及びその製造方法、並びにこの六ホウ化ランタン微粒子を用いた六ホウ化ランタン焼結体、六ホウ化ランタン膜及び有機半導体デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得た。
すなわち、原料であるLa化合物微粒子とB化合物微粒子との混合において、LaB6の化学量論比よりもLa化合物微粒子が過剰になるようにこれらを混合することで、熱処理時に未反応のB化合物が残存しにくくなることを見出した。これにより、焼結体の高純度化を阻害する要因であったホウ素の残留が抑制され、未反応物あるいは残留物としては、無機酸洗浄、特に塩酸洗浄で簡単に除去可能なLa化合物が中心となり、高純度なLaB6微粒子を得ることができる。
また、これらLa化合物微粒子とB化合物微粒子を溶媒及び所定量の樹脂に混合してなる混合液を、乾燥及び炭化処理し、次いで所定の熱処理を行うことにより、粒径が小さいLaB6微粒子が合成できることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[9]を提供するものである。
[1](a)平均粒径が20nm以上220nm以下のランタン化合物微粒子と、平均粒径が20nm以上10μm以下のホウ素化合物微粒子とを、B/La原子比で4以下になるように溶媒及び樹脂中に混合させる工程、(b)前記(a)工程で得られた混合液を乾燥させる工程、(c)前記(b)工程により得られる乾燥物を真空中又は不活性ガス雰囲気中で炭化させた後、真空、還元雰囲気及び不活性ガス雰囲気のいずれか1つから選択される雰囲気中にて1150℃以上1600℃以下で熱処理する工程、及び、(d)前記(c)工程により得られる熱処理物を、大気中にて500℃以上800℃以下で加熱酸化処理し、次いで無機酸中で酸処理する工程を有し、前記(a)工程において、樹脂の質量が、ランタン化合物微粒子及びホウ素化合物微粒子の合計質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であることを特徴とする、六ホウ化ランタン微粒子の製造方法、
[2]前記(a)工程で用いるランタン化合物微粒子の平均粒径が20nm以上100nm以下である、上記[1]に記載の六ホウ化ランタン微粒子の製造方法、
[3]前記(a)工程で用いる樹脂が、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリカーボネート及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記[1]又は[2]に記載の六ホウ化ランタン微粒子の製造方法、
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の六ホウ化ランタン微粒子の製造方法により得られる六ホウ化ランタン微粒子であって、炭素元素含有量が1質量%以下、酸素元素含有量が1質量%以下であり、かつ平均粒径が50nm以上160nm以下である、六ホウ化ランタン微粒子、
[5]前記炭素元素含有量が0.5質量%以下、前記酸素元素含有量が0.8質量%以下である、上記[4]に記載の六ホウ化ランタン微粒子、
[6]前記平均粒径が80nm以上130nm以下である、上記[4]又は[5]に記載の六ホウ化ランタン微粒子、
[7]上記[4]乃至[6]のいずれかに記載の六ホウ化ランタン微粒子と、炭素元素含有量が1質量%以下、酸素元素含有量が1質量%以下であり平均粒径が1μm以上5μm以下の高純度六ホウ化ランタン粉末とを含有しており、前記六ホウ化ランタン微粒子と前記高純度六ホウ化ランタン粉末との合計に対する、前記六ホウ化ランタン微粒子の含有量が、3質量%以上30質量%以下である六ホウ化ランタン焼結体、
[8]上記[7]に記載の六ホウ化ランタンをターゲットとして用い、成膜してなることを特徴とする六ホウ化ランタン膜、
[9]上記[8]に記載の六ホウ化ランタン膜を備えたことを特徴とする有機半導体デバイス。
本発明によると、高純度で粒径が小さく、スパッタリングターゲットの六ホウ化ランタン焼結体作製用の原料粉末として好適な六ホウ化ランタン微粒子及びその製造方法、並びにこの六ホウ化ランタン微粒子を用いた六ホウ化ランタン焼結体、六ホウ化ランタン膜及び有機半導体デバイスを提供することができる。
以下、本発明を実施形態により説明する。なお、この実施形態は、発明の趣旨をよりよく理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
まず本実施形態の六ホウ化ランタン微粒子の製造方法について説明する。
[六ホウ化ランタン微粒子の製造方法]
本実施形態の六ホウ化ランタン(LaB6)微粒子の製造方法は、(a)平均粒径が20nm以上220nm以下のランタン化合物微粒子と、平均粒径が20nm以上10μm以下のホウ素化合物微粒子とを、B/La原子比で4以下になるように溶媒及び樹脂中に混合させる工程、(b)前記(a)工程で得られた混合液を乾燥させる工程、(c)前記(b)工程により得られる乾燥物を不活性ガス雰囲気中で炭化させた後、真空、還元雰囲気及び不活性ガス雰囲気のいずれか1つから選択される雰囲気中にて1150℃以上1600℃以下で熱処理する工程、及び、(d)前記(c)工程により得られる熱処理物を、大気中にて500℃以上800℃以下で加熱酸化処理し、次いで無機酸中で酸処理する工程を有し、前記(a)工程において、樹脂の質量が、ランタン化合物微粒子及びホウ素化合物微粒子の合計質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であることを特徴とする。
((a)工程)
本実施形態の(a)工程は、平均粒径が20nm以上220nm以下のランタン化合物微粒子と、平均粒径が20nm以上10μm以下のホウ素化合物微粒子とを、B/La原子比で4以下になるように溶媒及び樹脂中に混合させる工程、すなわち、ランタン化合物微粒子とホウ素化合物微粒子の混合比を、LaB6の化学量論比よりもLaが過剰であるように溶媒及び所定量の樹脂中に混合させる工程である。
<ランタン化合物微粒子>
(a)工程において、出発原料となるランタン(La)化合物微粒子としては、ランタンの水酸化物、酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩よりなる微粒子などが挙げられるが、水酸化物[La(OH)3]、酸化物[La23]よりなる微粒子が好ましい。他の化合物微粒子は塩素、硫黄、窒素、炭素などの残留が懸念されるためである。
ランタン(La)化合物微粒子の粒径が最終的に合成されるLaB6微粒子の反応核となるため、La化合物微粒子は、平均粒径が220nm以下特に100nm以下のLa化合物微粒子(より好ましくはLa(OH)3あるいはLa23)であることが好ましい。またLa化合物微粒子の平均粒径が20nm以上の場合は、混合などの取り扱いが容易となる。すなわち、本発明におけるLa化合物微粒子の平均粒径は、20nm以上220nm以下であり、好ましくは20nm以上100nm以下であり、さらに好ましくは50nm以上100nm以下である。
La(OH)3については、塩化物、硫酸塩、硝酸塩などのLa塩の水溶液にアンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを、室温で化学量論比以上添加し、反応速度を上げて粒成長よりも核生成を促進させることで、粒径が小さいものでも簡単に合成することが可能であるので好ましい。
<ホウ素化合物微粒子>
(a)工程において、出発原料となるホウ素化合物微粒子としては、酸化ホウ素、炭化ホウ素よりなる微粒子などが挙げられるが、ランタン化合物微粒子の水酸基や酸素を還元反応によって除去するために炭化ホウ素[B4C]よりなる微粒子であることが好ましい。
なお、この炭化ホウ素微粒子中の炭素は、後述するように過剰に添加されているランタン化合物微粒子とすべて反応してしまうために最終的なLaB6微粒子には残らない。
ホウ素化合物微粒子の平均粒径は、微細なランタン化合物微粒子と十分に混合するために、20nm以上10μm以下とする。この平均粒径は、好ましくは20nm以上8μm以下であり、より好ましくは20nm以上5μm以下である。
〈樹脂〉
(a)工程において、樹脂としては、後述する(c)工程で炭化処理後に残渣として炭素を含み、後述する(d)工程の無機酸により除去できるものであれば特に限定されないが、コスト及び取扱性の観点から、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチルセルロース、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が好ましい。
〈溶媒〉
溶媒は上記樹脂を溶解させやすいものを適宜選択すればよく、コスト及び取扱性の観点からは純水やアルコール等が好ましい。
<ランタン化合物微粒子、ホウ素化合物微粒子を溶媒及び樹脂に混合する方法>
(a)工程では、ランタン化合物微粒子とホウ素化合物微粒子とが、B/La原子比で4以下となるように溶媒及び樹脂に混合させる。このB/La原子比が4より大きい場合、Laが少なすぎるため、未反応のホウ素や炭素が残留するおそれがある。これら残留したホウ素や炭素は酸洗浄で完全に除去できないために最終的なLaB6粒子中に不純物として残ってしまい、高純度化を達成できない。B/La原子比は好ましくは2以上4以下である。原子比が2以上4以下であれば、未反応のホウ素や炭素の残留がなく、また未反応のLa化合物量を低減でき、後述の(d)工程における酸洗浄による除去物量も低減できるため、生産性を向上させることができる。この観点から、B/La原子比は、より好ましくは2.8以上3.2以下である。
(a)工程における混合液の製造方法は、B/La原子比で4以下となるようにランタン化合物微粒子とホウ素化合物微粒子を溶媒及び樹脂中に混合させることができれば、特に限定されない。
たとえば、ランタン化合物微粒子とホウ素化合物微粒子を、B/La原子比で4以下とランタンが過剰になるように溶媒に均一に分散させた後、この分散液に樹脂を溶解させてもよい。ただし、溶媒中にランタン化合物微粒子とホウ素化合物微粒子をより均一に分散させるためには、ランタン化合物微粒子とホウ素化合物微粒子をそれぞれ溶媒に均一に分散させて2種類の分散液を製造した後、それぞれの分散液に樹脂を溶解させて2種類の混合液A及び混合液Bを得、B/La原子比で4以下とランタンが過剰になるようにこれら混合液A及びBを混合させる方法が好ましい。また、樹脂を溶媒に溶解させるタイミングは、上記のように、ランタン化合物微粒子及びホウ素化合物微粒子を溶媒に分散させるタイミングよりも後としてもよいが、前としてもよく、同時としてもよい。但し、ランタン化合物微粒子及びホウ素化合物微粒子の表面に樹脂をより均一に被覆させる観点からは、溶媒に対して、先ずランタン化合物微粒子及びホウ素化合物微粒子をそれぞれ溶媒に均一に分散させ、次いで樹脂を溶解させることがより好ましい。
ランタン化合物微粒子、ホウ素化合物微粒子、樹脂をそれぞれ分散、溶解、混合させる装置は特に限定されず、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ボールミル等の公知の分散装置等を用いることができる。
樹脂は、ランタン化合物及びホウ素化合物の合計質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下混合させる。樹脂が0.5質量%未満であると、粒成長を抑制することができない。樹脂が10質量%を超えると、後述する(d)工程での不純物の除去が困難となる。樹脂は、好ましくは2質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは4質量%以上12質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以上10質量%以下である。
溶媒にランタン化合物及びホウ素化合物を合計で1質量%以上10質量%以下含有させることが好ましい。含有量が1質量%以上の場合、後述する(b)工程で溶媒の除去が容易であるため好ましい。含有量が10質量%以下の場合、最終的に得られる六ホウ化ランタンの粒径が小さくなるため好ましい。
((b)工程)
実施形態の(b)工程は、前記(a)工程で得られた混合液を乾燥させる工程である。乾燥方法は溶媒を除去できれば特に限定されず、スプレードライ法、凍結乾燥法、大気乾燥法、真空乾燥法が挙げられる。La化合物とホウ素化合物がより均一な混合状態を保って乾燥できる点で、スプレードライ法が好ましい。
((c)工程)
本実施形態の(c)工程は、前記(b)工程で得られた乾燥物を真空中又は不活性ガス雰囲気中で炭化した後、真空、還元雰囲気及び不活性ガス雰囲気のいずれか1つから選択される雰囲気中にて熱処理する工程である。本工程により、LaB6微粒子が合成される。
炭化温度は、樹脂を分解し、かつLaB6微粒子の粒成長を抑制するための炭素を残留させる必要があるため、500℃以上700℃以下、特に520℃以上650℃以下、とりわけ550℃以上600℃以下が好ましい。炭化処理時間は適宜調整して実施すればよいが、炭化温度の場合と同様の必要性と生産性のバランスの観点から、1時間以上4時間以下、特に2時間以上3時間以下が好ましい。
本実施の形態において、炭化処理とは、前記(a)工程の分散液製造時に加えられた樹脂を分解する処理をいう。
熱処理温度は、LaB6微粒子を製造する観点から、1600℃以下であり、またLaB6の合成反応を促進させる観点から、1150℃以上である。すなわち、熱処理温度は1150℃以上1600℃以下であり、微粒子を製造する観点から1200℃以上1400℃以下がより好ましく、1200℃以上1300℃以下であることがさらに好ましい。
一方、焼成時間は、合成反応性及び生産性のバランスの観点から、1〜4時間程度、特に1〜3時間、とりわけ2〜3時間が好ましい。
真空中でLaB6を合成することが好ましい。これにより、炭化ホウ素中の炭素とランタン化合物中の酸素により生成する一酸化炭素や、ランタン化合物中の水分などの副生成物が系外に速やかに除去されることから、焼成物に不純物が残留しにくい。
還元雰囲気とは、還元性成分を共存させた状態をいい、例えば、一酸化炭素、水素等のような還元性ガスや、カーボン等の還元性成分と共存させることをいう。例えば、上記炭化後の混合物を水素雰囲気中で熱処理させる方法や、上記炭化後の混合物をカーボン坩堝に入れた状態で、真空中で熱処理させる方法が挙げられる。還元雰囲気は、LaB6合成反応が進行しやすい点で好ましい。
上記還元雰囲気で水素を使用する場合は、水素のみの雰囲気でもよいし、安全に配慮して、アルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスと混合させた雰囲気でもよい。不活性ガスと混合して水素を用いる場合は、還元反応を促進させて生産効率を挙げるために、水素の混合比が50体積%以上であることが好ましい。より好ましくは60体積%以上100体積%以下であり、特に好ましくは70体積%以上80体積%以下である。
不活性雰囲気に用いるガスの種類は特に限定されず、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素等が挙げられる。
ランタン化合物微粒子とホウ素化合物微粒子を溶媒及び樹脂中に均一に混合させた乾燥物を炭化、熱処理させることにより粒径の小さい微粒子が製造できる詳細は不明であるが、炭化により樹脂から分解された炭素成分が、ランタン化合物微粒子とホウ素化合物微粒子の混合物の表面を被覆し、その被覆された状態で熱処理によりLaB6が合成されるため、被覆した炭素がLaB6の粒成長を抑制する作用をしているものと推定される。また、炭素が表面に存在するために、後述する工程により、容易に炭素を除去することができ、これらの被覆した炭素が不純物として残留することもないと推定される。
((d)工程)
本実施形態の(d)工程は、前記(c)工程で得られた熱処理物(LaB6合成微粒子)を大気中にて加熱酸化処理させ、次いで無機酸中で酸処理させる工程である。
前記(c)工程で得られるLaB6合成微粒子には、未反応物や副生成物であるランタン酸化物、ランタン炭化物、ホウ素酸化物、ランタン−ホウ素複合酸化物、ホウ素炭化物等が存在していると考えられる。そこで、大気中で加熱酸化処理して、ランタン炭化物やホウ素炭化物を、それぞれ酸化物に変換する。これらのランタン酸化物、ホウ素酸化物、及びランタン−ホウ素複合酸化物は、後述する酸処理工程によって容易に除去することができる。
大気中でLaB6合成微粒子を酸化する温度は、500℃以上800℃以下とする。500℃未満ではLaB6合成微粒子中に含まれるランタン炭化物やホウ素炭化物が十分に酸化されないためであり、800℃を超えるとLaB6合成微粒子自体が酸化されるため望ましくない。
好ましい酸化処理温度は550℃以上700℃以下であり、より好ましくは600℃以上650℃以下である。また、大気中で熱処理する時間は、0.5時間以上4時間以下が好ましい。熱処理時間を上記範囲とすることにより、LaB6合成微粒子の酸化を抑制しつつ不純物炭化物を酸化できる。この熱処理時間は1時間以上4時間以下、特に2時間以上4時間以下であることが好ましい。
次に、得られた酸化処理後のLaB6微粒子を無機酸で洗浄処理(酸処理)することで、上記加熱酸化処理で生成した不純物由来の酸化物を、酸に溶解させて除去させる。
酸処理に用いる無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられるが、無機酸が強い酸化力を持つと、LaB6自体を酸化させて収率を低下させてしまう場合があることから、塩酸を用いることが好ましい。
酸洗浄の方法としては、副生成物を除去できれば特に限定されないが、無機酸の濃度は1mol/dm3以上6mol/dm3以下が好ましい。濃度がこの範囲にあると、LaB6自体が酸化されにくく、不純物の溶出速度も速いため、十分な生産性を得ることができる。より好ましい濃度は2mol/dm3以上6mol/dm3以下であり、特に好ましい濃度は4mol/dm3以上6mol/dm3以下である。
攪拌時間は1〜2時間程度、特に1〜1.5時間であることが好ましい。攪拌時間がこの程度であれば、酸洗浄として十分であり、副生成物、残留物の除去を十分に行うことができる。
また、この処理は常温で行ってもよいが、加熱して行うのが好ましく、加熱処理する場合の処理温度は、40℃以上80℃以下が好ましい。処理温度がこの範囲にあれば、LaB6自体が酸化されることなく、短時間で不純物の溶出を行うことができるため生産性が良好となる。この処理時間は、30分以上2時間以下、特に1時間以上1.5時間以下であることが好ましい。
洗浄後はデカンテーションなどの方法によって純水ですすぐことで酸を取り除き、水分を除去するために乾燥処理させる。乾燥処理としては、水分が蒸発する際にLaB6と反応して不純物酸化物が生成するのを避けることができるため、真空乾燥処理されることが好ましい。
上記加熱酸化処理及び酸処理といった高純度化処理により、LaB6微粒子が高純度化されたLaB6微粒子を好適に得ることができる。
以上述べた本実施形態の六ホウ化ランタン微粒子の製造方法により、以下に説明する六ホウ化ランタン微粒子を得ることができる。
[六ホウ化ランタン(LaB6)微粒子]
本実施形態のLaB6微粒子は、炭素元素含有量が1質量%以下、酸素元素含有量が1質量%以下であり、かつ平均粒径が50nm以上160nm以下であることを特徴とする。このLaB6微粒子は、前記の製造方法によって好適に製造することができる。
上記特性を有するLaB6微粒子であれば、高純度で緻密なLaB6焼結体を得ることができる。
前記炭素元素含有量は0.5質量%以下、特に0.3質量%以下であることがより好ましい。酸素元素含有量は0.8質量%以下、特に0.6質量%以下であることがより好ましい。
前記平均粒径は70nm以上かつ150nm以下であることが好ましく、80nm以上130nm以下であることがより好ましい。
[六ホウ化ランタン(LaB6)焼結体]
本実施形態のLaB6焼結体は、本実施形態の六ホウ化ランタン微粒子と、炭素元素含有量が1質量%以下、酸素元素含有量が1質量%以下であり平均粒径が1μm以上5μm以下の高純度六ホウ化ランタン粉末とを含有しており、前記六ホウ化ランタン微粒子と前記高純度六ホウ化ランタン粉末との合計に対する、前記六ホウ化ランタン微粒子の含有量が、3質量%以上30質量%以下であるものである。
本実施の形態に係る六ホウ化ランタン焼結体は、前記実施の形態に係る六ホウ化ランタン微粒子を含有してなるので、高純度で緻密であって、結晶性に優れ、仕事関数が低いという優れた効果を奏する。
本実施形態のLaB6焼結体は、窒素元素が0.1質量%以上かつ3質量%以下含有されてなることが好ましい。
上記六ホウ化ランタン微粒子の含有量が3質量%未満であると、六ホウ化ランタン微粒子の大きな表面エネルギーが寄与するには添加量が不十分なため、相対密度向上の効果が得られない場合がある。30質量%より多いと、六ホウ化ランタン微粒子の凝集の影響により、充填性が低下して、焼結反応が起こりにくくなる場合がある。また、30質量%より多いと、なんらかの方法で凝集を回避したとしても、六ホウ化ランタン微粒子の製造コストの面で実用的ではない。また、六ホウ化ランタン微粒子は表面積が大きく表面酸化物層由来の酸素元素含有量が多いため、六ホウ化ランタン微粒子の添加量が多すぎると焼結体中に含まれる酸素元素含有量が多くなり、ターゲット材料として使用された際、LaB6膜の性能低下を引き起こす場合がある。六ホウ化ランタン微粒子の含有量は、上記観点から、4質量%以上10質量%以下であるのが好ましい。
<高純度六ホウ化ランタン粉末>
本実施形態の高純度六ホウ化ランタン粉末(以下、「高純度LaB6粉末」と略記する場合がある)は、炭素元素含有量が1質量%以下、酸素元素含有量が1質量%以下であり、平均粒径が1μm以上5μm以下であれば特に限定されない。平均粒径を上記範囲とすることで、酸素、炭素の除去が容易であり、焼結の駆動力となる表面エネルギーが大きくなり高密度の焼結体を得ることが容易である。
このような高純度六ホウ化ランタン粉末は、例えば市販のLaB6粉末を上記(d)工程同様に、大気中で加熱し、次いで酸処理することにより得ることができる。
なお、原料のLaB6粉末を前記高純度化処理により高純度LaB6粉末とした際の粒径減少率は、数%程度と小さいことから、原料のLaB6粉末の平均粒径は、所望の高純度LaB6粉末の平均粒径と同等であるものを用いればよい。
<窒素元素>
上記LaB6焼結体に窒素元素を0.1質量%以上3質量%以下含有させることが好ましい理由は、得られるLaB6膜の仕事関数を低くし、電気特性を向上させるためである。窒素元素を含有させることによりこれらの特性が向上する理由は、次のように考えられる。
LaB6焼結体をターゲットとして用い、例えばスパッタリングによりLaB6膜を成膜させる場合には、一般的にLaB6膜と成膜基板との組成や結晶構造が異なるので、これらの物性の違いにより膜内に内部応力が発生して、LaB6膜の結晶性が悪くなり、LaB6膜の剥離が発生するなどの問題が生じる。
これに対し、本実施形態におけるLaB6焼結体では、該焼結体中に所定量の窒素元素が含有されることにより、該焼結体のLaB6結晶格子内に窒素の一部が固溶され、LaB6膜内の内部応力が緩和され、上記結晶性低下が改善されると考えられる。
このような観点から、窒素元素の含有量は、0.1質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
窒素元素は、周期表(長周期型)15族に属する元素である。窒素元素以外の他の15族元素(P、As、Sb、Bi)はLaB6に固溶しないか、固溶できたとしても、窒素を固溶させたものと同様の結果は得られない。この理由は、窒素元素以外の他の15族元素はvan der waals半径が著しく大きいため、窒素元素以外の15族元素が存在すると、LaB6結晶格子の歪みが大きくなりすぎ、成膜基板とLaB6膜の特性差により発生する膜内応力を緩和できなくなるためと考えられる。一方、van der waals半径が小さい窒素はLaB6の結晶格子内に比較的簡単に固溶する。
また、15族元素はLaB6と比較して仕事関数が大きいため、固溶できない15族元素がLaB6膜内に存在していると仕事関数が大きくなる。しかし、窒素元素の固溶量が少量であれば、結晶構造が大きく変化しないため、LaB6の仕事関数に影響を殆ど与えない。
したがって、窒素を固溶させることで仕事関数に悪影響を与えることなく、LaB6膜の内部応力を緩和することができるので、LaB6膜の結晶性が改善され、仕事関数を小さく維持しつつ、かつLaB6膜の剥離の発生を抑制することができる。
なお、LaB6焼結体に窒素が固溶する場合、基本的にはLaB6結晶格子の原子間隙に窒素が侵入する侵入型固溶体となる。侵入型固溶体を形成する場合、無固溶体と比較して格子定数が大きくなる。そこで、LaB6焼結体の格子定数をXRD(X線回折法)により評価することにより、窒素元素がLaB6焼結体の格子内に固溶していることを確認することができる。
窒素元素含有量とLaB6焼結体の格子定数との間には必ずしも一定の関係は成立しないが、窒素元素の含有量が0.1質量%以上3質量%以下である場合、LaB6焼結体の格子定数を4.1570Å以上4.1750Å以下に収めることが、結晶性に優れたLaB6膜を得ることができる点で好ましい。窒素元素の含有量が1質量%以下である場合には、格子定数が4.1590Å以下であれば、より結晶性の良いLaB6膜を得ることができるので、より好ましい。
なお、LaB6焼結体中の窒素元素含有量は、粉砕した焼結体をグラファイト坩堝内に入れ、燃焼管内でHeガス中で加熱融解させ、発生したガス中の窒素を熱伝導度法により測定することで確認することができる。
窒素を所定量含有させることにより電子濃度等の電気特性が向上する理由は、次のように考えられる。
LaB6膜の導電性は、ホウ素の2s、2p軌道とランタンの5d軌道が混在状態となって伝導帯の幅が拡大していることに由来する。
窒素が所定量含有されたLaB6焼結体をターゲットとして用い、そのターゲットにより成膜されてなるLaB6膜の導電性が向上するのは、LaB6膜のLaB6結晶格子内に窒素が固溶されているので、ホウ素の2p軌道よりもエネルギー準位が高い窒素の2p軌道も、ランタンの5d軌道と混在状態となり、窒素が固溶していないLaB6と比較して、伝導帯の幅がより拡大しているためと考えられる。
例えば、本実施形態の窒素が0.4質量%含有されてその一部が固溶された六ホウ化ランタン焼結体によりスパッタ成膜された六ホウ化ランタン膜と、本実施形態の窒素がほとんど含有されておらず従ってほとんど固溶されていない六ホウ化ランタン焼結体(窒素の含有量が0.1質量%未満)によりスパッタ成膜された六ホウ化ランタン膜では次のような差が見られた。すなわち、窒素が固溶された前者の六ホウ化ランタン膜は、窒素がほとんど固溶されていない後者の六ホウ化ランタン膜と比較し、電子密度が1桁程度高く、電子移動度が倍以上になり、体積低効率が1桁小さく、電気特性に優れていた。
また、窒素が0.4質量%含有された焼結体によりスパッタ成膜された窒素固溶量の多い前者の六ホウ化ランタン膜のほうが、窒素がほとんど固溶されていない六ホウ化ランタン焼結体(窒素含有量0.1質量%未満)によりスパッタ成膜された後者の六ホウ化ランタン膜よりも、仕事関数が低かった。
<LaB6焼結体の製造方法>
本実施形態におけるLaB6焼結体は、例えば、(e)本実施形態の六ホウ化ランタン微粒子と、炭素元素含有量が1質量%以下、酸素元素含有量が1質量%以下であり平均粒径が1μm以上5μm以下の高純度六ホウ化ランタン粉末を混合する工程と、(f)真空雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、または窒素ガス雰囲気下において、温度1700℃以上1950℃以下、圧力10MPa以上40MPa以下で焼結する工程を有する製造方法により得ることができる。
((e)工程)
本実施形態の六ホウ化ランタン微粒子と、高純度LaB6粉末を混合する方法については各種方法をとることができ、その方法は限定されないが、例えば、有機溶媒中でスラリー化しボールミル混合等を行う方法が挙げられる。また、任意のバインダーを添加し、有機溶媒中でスラリー化しボールミル混合を行ってもよい。
混合した粉末は、減圧下あるいは不活性雰囲気中乾燥するのが望ましい。またスプレードライ等で乾燥、造粒させ顆粒にしても良い。
(f)工程
この(f)工程では、前述した(e)工程により得られた混合粉末を、真空雰囲気下、不活性ガス雰囲気下及び窒素ガス雰囲気下において、温度1700℃以上1950℃以下、圧力10MPa以上40MPa以下の条件で焼結することにより、LaB6焼結体を好適に得ることができる。
この焼結工程においては、混合工程で得られた混合粉末はそのまま成型して焼結してもよいし、任意のバインダーとともに溶媒中に添加してスラリー化し、造粒した後に成型、脱脂しても良い。
加圧焼結は、ホットプレス装置を用いて行うのが好適である。ホットプレス装置内の黒鉛モールドに、得られた混合粉末を充填して、真空雰囲気下、不活性ガス雰囲気下及び窒素ガス雰囲気下のいずれかにおいて1700℃以上1950℃以下、プレス圧10MPa以上40MPa以下で加圧焼結する。
窒素ガス雰囲気下で上記条件で加圧焼結した場合には、これにより、窒素元素含有量が0.1質量%以上3質量%以下の焼結体を得ることができる。
なお、条件が整えば、熱間等方圧プレス(HIP)焼結法など、他の焼結法を用いてもよい。
焼結温度を1700℃以上1950℃以下とすることにより、緻密で相対密度が高いLaB6膜が得られるため好ましい。
また圧力を10MPa以上とすることにより十分な緻密化が行われ、相対密度が高いLaB6焼結体を得ることができる。加圧力は高い方が良いが、通常ホットプレス焼結に使用する焼結冶具の耐圧力は40MPaであり、それ以上の高耐圧冶具はほとんど存在しないことから、上限は40MPaが目安となる。
このような本実施形態のLaB6焼結体の製造方法により、高純度で緻密であって、結晶性に優れ、仕事関数が低いLaB6膜の製造用のターゲットとして好適なLaB6焼結体を、効果的に製造することができる。
焼結雰囲気を窒素ガス雰囲気にした場合には、高純度で緻密であって、結晶性に優れ、仕事関数が低く、電気特性に優れたLaB6膜の製造用のターゲットとして好適なLaB6焼結体を、効果的に製造することができる。
[六ホウ化ランタン(LaB6)膜]
本実施形態のLaB6膜は、上記LaB6焼結体をターゲットとして用い、成膜されてなる。
本実施形態のLaB6膜は、本実施の形態に係る六ホウ化ランタン焼結体をターゲットとして用い、成膜されてなるので、高純度かつ緻密であり、結晶性に優れ、仕事関数が低いという優れた効果を奏する。
成膜方法は、焼結体をターゲットとして用いる方法であれば特に限定されず、例えば、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法などが挙げられる。これらの方法の中でも、スパッタリング法が好ましい。
スパッタリング装置としては、一般的に2極DCグロー放電スパッタ装置、マグネトロンスパッタ装置、イオンビームスパッタ装置等があるが、本発明のLaB6焼結体を用いたターゲットは、いずれのスパッタリング装置にも適用できる。
スパッタリング時の雰囲気は、Arガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
LaB6スパッタ膜を成膜させる対象物(基板等)の材料には特に限定はないが、例えば、タングステンや銅等の金属、ガラス、Siウェハ、及びポリアミド樹脂等の合成樹脂が挙げられる。
スパッタリング時の温度は、0℃以上300℃以下であることが好ましい。スパッタリング時の温度が高い方が結晶性に優れたLaB6スパッタ膜が得られる。また、300℃以下であると、成膜後、室温まで冷却した場合における熱応力が低く抑えられ、またスパッタチャンバー内に基板を導入した際に基板温度が均一になるまでの時間が短縮されて生産性に優れる。
また、スパッタリング温度の上限は成膜基板により決定される。例えば、金属やSiウェハ等耐熱性を有する基板にスパッタする場合は問題ないが、樹脂基板にスパッタする場合、当該樹脂の耐熱温度以下で成膜する必要がある。従って、より一般的に適用するためには、好ましくは100℃以下で成膜することが望ましい。
また、スパッタリング時の温度が0℃以上であると、スパッタチャンバー内の温度を冷却するための冷媒として水を使用できるために好ましい。従ってスパッタリング時の温度は、好ましくは0℃以上300℃以下、より好ましくは0℃以上100℃以下である。
以上の方法により、仕事関数が低く、結晶性が高く、緻密なLaB6膜を得ることができる。
また、所定量の窒素が含有されたLaB6焼結体をターゲットして用いて成膜されたLaB6膜の場合には、仕事関数が低く、結晶性が高く、緻密で電気特性が良好なLaB6膜を得ることができる。
[有機半導体デバイス]
本実施形態の有機半導体デバイスは、本実施形態のLaB6膜を備えたことを特徴とする。有機半導体デバイスとしては、電子を運搬する役割を担う膜等を要する有機半導体デバイスであれば特に限定されず、例えば、有機EL素子や有機薄膜太陽電池等が挙げられる。
すなわち、本実施形態の有機半導体デバイスとしては、例えば、一対の電極によって、電子輸送層及び電子注入層の少なくともいずれかが挟持された有機半導体デバイスであって、前記電子輸送層及び電子注入層の少なくともいずれかが、本実施形態のLaB6膜を有してなるものが挙げられる。
また、電子輸送層または電子注入層と接する少なくとも一方の電極は、仕事関数の低い金属(リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、インジウム、銀、錫、鉛、クロムなど、及びそれらの合金等)から構成されていることが好ましい。
さらに、有機半導体デバイスが有機発光層、有機発電層等の透光性の層を必要とする場合には、その有機半導体デバイスは、透明導電性電極とそれに対向する対向電極を有する一対の電極と該一対の電極によって、上記透光性の層と、電子輸送層及び電子注入層の少なくともいずれかが挟持された構造であることが好ましい。電子輸送層及び電子注入層は、前記対向電極と前記透光性の層との間に設けられている。
本実施形態のLaB6膜を、電子輸送層及び電子注入層の少なくともいずれかとして有機半導体デバイスに備えさせる方法は、特に限定されず、例えば本実施形態のLaB6焼結体により成膜されてなるLaB6膜を、公知の方法で有機半導体デバイスに実装させればよい。
本実施形態のLaB6膜を有機半導体デバイス用途に用いる場合には、所定量の窒素が含有されたLaB6焼結体ターゲットして用いて成膜されたLaB6膜を用いるのが、電気特性にも優れる点で好ましい。
以上のように、本実施形態のLaB6微粒子の製造方法によれば、ランタン化合物微粒子をホウ素化合物微粒子に対して化学量論比以上に過剰に混合させているので、ホウ素化合物微粒子が残存しにくく、その後の酸処理工程での不純物の除去が容易である。また、樹脂を混合させて炭化処理することにより、炭素成分が六ホウ化ランタンの粒成長を抑制することができるので、粒径がそろった微粒子を製造することができる。なお、この炭素成分は粒子表面に存在するため、後述する工程で容易に除去することができ、炭素成分が不純物として残留することも防止される。さらに、無機酸中での洗浄工程により、六ホウ化ランタン微粒子中の不純物を除去することができるので、高純度な六ホウ化ランタン微粒子を製造することができる。
また本実施形態のLaB6微粒子は、高純度かつ微粒子であるので、スパッタリングターゲットとして用いられるLaB6焼結体作製用の原料粉末として好適に用いることができる。LaB6ターゲットを用い、スパッタリング法により成膜された薄膜は電子放出素子材料などとして有用である。
本実施形態の六ホウ化ランタン焼結体によれば、本実施形態のLaB6微粒子と高純度LaB6粉末を所定の範囲内で混合して焼結されているので、高純度で緻密であって、結晶性に優れ、仕事関数が低いLaB6膜の製造用のターゲットとして好適な六ホウ化ランタン焼結体を得ることができる。
さらに、所定量の窒素が含有された六ホウ化ランタン焼結体によれば、上記特性に加えて、さらに仕事関数が低く、電気特性に優れたLaB6膜の製造用のターゲットとして好適なLaB6焼結体を得ることができる。
本実施形態の六ホウ化ランタン膜によれば、本実施形態のLaB6焼結体をターゲットとして用い、成膜されてなるので、高純度で緻密であって、結晶性に優れ、仕事関数が低いLaB6膜を得ることができる。
さらに、所定量の窒素が含有された六ホウ化ランタン焼結体をターゲットとして用い、成膜されてなる六ホウ化ランタン膜の場合には、上記特性に加えて、さらに仕事関数が低く、電気特性に優れたLaB6膜を得ることができる。
本実施形態の有機半導体デバイスによれば、本実施形態の仕事関数が低いLaB6膜を備えてなるので、電子輸送効率が高い有機半導体デバイスを得ることができる。
さらに、所定量の窒素が含有された焼結体をターゲットとして用いて成膜された仕事関数が低く電気特性に優れたLaB6膜が備えられた場合には、さらに電子輸送効率が高い有機半導体デバイスを得ることができる。
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における諸特性は下記の方法に従って測定した。
(1)酸素元素含有量及び炭素元素含有量
酸素元素含有量は、試料粉末40mgを取り、LECO社製TC−436型を使用して、不活性ガス溶融法にて測定した。
また、炭素元素含有量は、試料粉末120mgを取り、LECO社製WC−200型を使用して,赤外線吸収を用いる方法にて測定した。
(2)La(OH)3粉末、B4C粉末及びLaB6微粒子の平均粒径
La(OH)3粉末、B4C粉末及びLaB6微粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S−4000)にて粒子を観察し、視野内の粒子100個の最大径(長径)の平均値として求めた。特に指定のない限り、La(OH)3粉末、B4C粉末及びLaB6微粒子の粒径とは、粒子の最大径を意味する。
[実施例1]
174.8質量部の純水(溶媒)に対して、平均粒径50nmのLa(OH)3粉末9.2質量部と、樹脂0.46質量部(La(OH)3粉末の質量に対して5質量%)とを投入し、超音波ホモジナイザーを用いて分散させた(混合液A)。また、38.0質量部の純水(溶媒)に対して、平均粒径600nmのB4C粉末2.0質量部と、樹脂0.1質量部(B4C粉末の質量に対して5質量%)とを投入し、超音波ホモジナイザーで分散させた(混合液B)。これらの混合液A及び混合液BをLaとBの原子比がB/La=3となるように混合した(混合液C)。
上記樹脂としては、ポリビニルピロリドン((株)日本触媒社製 K−30)を用いた。
この混合液Cをスプレードライ(入口温度130℃、出口温度70℃)を用いて乾燥させ、混合粉末を得た。
次いで、この混合粉末を窒素中550℃で2時間加熱して炭化処理を行った。次いで、真空中1300℃で2時間熱処理してLaB6微粒子を含む焼成物を得た。
このLaB6微粒子を含む焼成物を600℃で2時間大気中で加熱酸化処理した。この酸化させたLaB6微粒子を含む酸化処理物を、80℃塩酸中で加熱しながら1時間撹拌を行った。次いで、純水でデカンテーションにて洗浄を行い、水中の塩酸濃度が1mg/L以下になるまで洗浄を繰り返した。得られた洗浄物を真空乾燥110℃で乾燥し、LaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は80nm〜120nmであり、平均粒径は100nmであった。得られたLaB6微粒子の炭素元素含有量は0.11質量%、酸素元素含有量は0.40質量%であった。
[実施例2]
実施例1において、樹脂をLa(OH)3粉末の質量に対して1質量%とし、かつ樹脂をB4C粉末の質量に対して1質量%にした以外は同様にして、LaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は100nm〜150nmであり、平均粒径は130nmであった。このLaB6微粒子の炭素元素含有量は0.12質量%、酸素元素含有量は0.40質量%であった。
[実施例3]
実施例1において、樹脂をLa(OH)3粉末の質量に対して10質量%とし、かつ樹脂をB4C粉末の質量に対して10質量%にした以外は同様にして、LaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は80nm〜120nmであり、平均粒径は100nmであった。このLaB6微粒子の炭素元素含有量は0.50質量%、酸素元素含有量は0.60質量%であった。
[実施例4]
実施例1の真空中における熱処理温度を1200℃にした以外は同様にしてLaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は70nm〜110nmであり、平均粒径は80nmであった。このLaB6微粒子の炭素元素含有量は0.10質量%、酸素元素含有量は0.40質量%であった。
[実施例5]
実施例1の熱処理時の雰囲気を水素50体積%、アルゴン50体積%の還元雰囲気にした以外は同様にしてLaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は90nm〜130nmであり、平均粒径は120nmであった。このLaB6微粒子の炭素元素含有量は1.0質量%、酸素元素含有量は0.80質量%であった。
[実施例6]
実施例1において、分散液Bの純水量を47.5質量部、B4C粉末量を2.5質量部とし、LaとBの原子比をB/La=3.8となるように混合した以外は同様にして、LaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は80nm〜120nmであり、平均粒径は100nmであった。このLaB6微粒子の炭素元素含有量は0.16質量%、酸素元素含有量は0.44質量%であった。
[実施例7]
実施例1において、分散液Bの純水量を24.7質量部、B4C粉末量を1.3質量部とし、LaとBの原子比をB/La=2となるように混合した以外は同様にして、LaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は80nm〜120nmであり、平均粒径は100nmであった。このLaB6微粒子の炭素元素含有量は0.14質量%、酸素元素含有量は0.42質量%であった。
[実施例8]
実施例1におけるLa(OH)3粉末として、平均粒径100nmのLa(OH)3粉末を用いた以外は同様にして、LaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は100nm〜150nmであり、平均粒径は130nmであった。このLaB6微粒子の炭素元素含有量は0.18質量%、酸素元素含有量は0.42質量%であった。
[実施例9]
実施例1におけるLa(OH)3粉末として、平均粒径200nmのLa(OH)3粉末を用いた以外は同様にして、LaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は130nm〜180nmであり、平均粒径は150nmであった。このLaB6微粒子の炭素元素含有量は0.18質量%、酸素元素含有量は0.42質量%であった。
[比較例1]
実施例1のLa(OH)3粉末とB4C粉末に対して、樹脂を混合しなかった以外は同様にして、LaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は120nm〜250nmであり、平均粒径は180nmと大きかった。このLaB6微粒子の炭素元素含有量は0.15質量%、酸素元素含有量は0.43質量%であった。
[比較例2]
実施例1において、樹脂をLa(OH)3粉末の質量に対して20質量%とし、かつ樹脂をB4C粉末の質量に対して20質量%にした以外は同様にして、LaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子は、樹脂が完全には除去できておらず、樹脂どうしが凝集しているものも観察された。得られたLaB6微粒子の粒径は180nm〜250nmであり、平均粒径も200nmと大きかった。また、このLaB6微粒子の炭素元素含有量は1.8質量%、酸素元素含有量は2.0質量%と不純物量も多かった。
[比較例3]
実施例1のLa(OH)3粉末として、平均粒径が250nmのものを用いた以外は同様にして、LaB6微粒子を得た。
得られたLaB6微粒子の粒径は380nm〜500nmであり、平均粒径は400nmと大きかった。このLaB6微粒子の炭素元素含有量は0.32質量%、酸素元素含有量は0.55質量%であった。
上記実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例3における熱処理条件、得られたLaB6微粒子の粒径及び平均粒径、不純物炭素元素量、及び不純物酸素元素量を第1表に示す。
Figure 0005910242
本発明により製造されたLaB6微粒子は、高純度で粒径が小さく、焼結性に優れることから、高純度で緻密性の高いLaB6焼結体を製造する原料となり、仕事関数が小さく電子放出性に優れる薄膜を与えるLaB6スパッタリングターゲットを得ることができる。

Claims (7)

  1. (a)平均粒径が20nm以上220nm以下のランタン化合物微粒子と、平均粒径が20nm以上10μm以下のホウ素化合物微粒子とを、B/La原子比で4以下になるように溶媒及び樹脂中に混合させる工程、
    (b)前記(a)工程で得られた混合液を乾燥させる工程、
    (c)前記(b)工程により得られる乾燥物を真空中又は不活性ガス雰囲気中で炭化させた後、真空、還元雰囲気及び不活性ガス雰囲気のいずれか1つから選択される雰囲気中にて1150℃以上1600℃以下で熱処理する工程、及び、
    (d)前記(c)工程により得られる熱処理物を、大気中にて500℃以上800℃以下で加熱酸化処理し、次いで無機酸中で酸処理する工程
    を有し、
    前記(a)工程において、樹脂の質量が、ランタン化合物微粒子及びホウ素化合物微粒子の合計質量に対して、0.5質量%以上10質量%以下である六ホウ化ランタン微粒子の製造方法。
  2. 前記(a)工程で用いるランタン化合物微粒子の平均粒径が20nm以上100nm以下である、請求項1に記載の六ホウ化ランタン微粒子の製造方法。
  3. 前記(a)工程で用いる樹脂が、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリカーボネート及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の六ホウ化ランタン微粒子の製造方法。
  4. 炭素元素含有量が0.1質量%以上1質量%以下、酸素元素含有量が1質量%以下であり、かつ走査型電子顕微鏡にて観察した視野内の粒子100個の最大径の平均値である平均粒径が50nm以上160nm以下である、六ホウ化ランタン微粒子。
  5. 走査型電子顕微鏡にて観察した粒子の最大径である粒径が、前記平均粒径に対して上下限値30nm以下の範囲にある、請求項4に記載の六ホウ化ランタン微粒子。
  6. 前記炭素元素含有量が0.1質量%以上0.5質量%以下、前記酸素元素含有量が0.8質量%以下である、請求項4又は5に記載の六ホウ化ランタン微粒子。
  7. 前記平均粒径が80nm以上130nm以下である、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の六ホウ化ランタン微粒子。
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