JP5434583B2 - 金属ホウ化物焼結体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属ホウ化物焼結体の製造方法、ホウ化ランタン焼結体及びそれを用いたターゲットに関する。さらに詳しくは、本発明は、電子放出素子、照明用、ディスプレイ用の電極材などの製造プロセスや、透明熱線遮蔽膜の蒸着などに適用されるスパッタリング装置用のスパッタリングターゲットの構成材料として好適な高純度かつ高密度の金属ホウ化物焼結体、特に仕事関数の小さなホウ化ランタン薄膜を得ることのできるホウ化ランタン焼結体の効果的な製造方法、上記性状を有するホウ化ランタン焼結体及びそれを用いたターゲットに関するものである。
金属ホウ化物は化学的に安定であり、ホウ素の含有量によって種々の電気的特性を示すことから様々な用途展開が期待されている。その中で特に六ホウ化ランタン(LaB6)は仕事関数が低いことから、電子放出素子や照明等の電極材料としての用途開発が進められている。
前記LaB6は薄膜として用いられることが多く、ウェットコーティング後に焼成した膜、LaB6ターゲット材料を用いたスパッタリング法により形成された膜が適用される。
一般的にターゲット材料は緻密で高純度であることが必要とされており、これまでのLaB6ターゲット材料は市販粉末を焼成したものが用いられてきた。
LaB6ターゲット材料は、市販のLaB6粉末を真空中や不活性雰囲気中で焼結して作製されているが、市販粉末には不純物としてランタン酸化物、ホウ素酸化物、ランタン−ホウ素複合酸化物が酸素換算で1.5質量%以上、ランタン炭化物、ホウ素炭化物が炭素換算で0.2質量%以上含まれている。
LaB6市販粉末中に含まれるランタン酸化物及びホウ素酸化物は主に大気中の酸素によってLaB6が酸化したものである。LaB6市販粉末の工業的な製造プロセスでは、合成した粉末を焼結体原料として適する粒子径に粉砕するプロセスが必要であり、完全に大気を遮断して取り扱うことは、現実的に不可能である。このプロセスで粉砕により新しく生成する粒子表面部分が大気中の酸素と反応して、ランタン酸化物及びホウ素酸化物となる。
また、ランタン−ホウ素複合酸化物は、LaB6粉末の合成の際に各種La原料に含まれているランタン酸化物と、B原料に含まれているホウ素酸化物が反応して生成した物である。
さらに、ランタン炭化物及びホウ素炭化物は、LaB6粉末の合成の際に各種のLa原料をBと反応可能な金属La状態に還元するために添加された炭素に起因している。すなわち、通常は完全にLaを反応させるために過剰に炭素が添加されているために、残留炭素成分がLa、Bと反応してランタン炭化物及びホウ素炭化物となるためで、こちらも避けることは現実的には不可能である。したがって、LaB6の工業的製造方法による市販粉末で、ランタン酸化物、ホウ素酸化物、ランタン−ホウ素複合酸化物、ランタン炭化物、ホウ素炭化物が含有することを避けることは非常に困難である。
さらにLaB6粉末中に含まれるこのような不純物は、焼結温度で加熱しても揮散しないために、焼結することでは除去できない上に、焼結温度で不純物同士が反応して非晶質物質となって、LaB6焼結体の粒界に存在する。そのため市販粉末を用いて作製した現状のLaB6焼結体には原料粉末由来の不純物が3体積%以上含むことはさけられない状況であった。
このため、このような焼結体をスパッタリング用のターゲットとして用いると、ターゲット材料中に含まれている不純物がスパッタ膜にも不純物が取り込まれてしまうことになる。したがって、市販粉末を焼結して作製した従来のLaB6ターゲットを用いると、純度が高いLaB6膜が得られないという問題があった。
またLaB6は難焼結性であるため、市販粉末を焼結して作製した従来のLaB6ターゲットは80%程度の相対密度しかなく、多量の空孔を含んでいる。この空孔内には、通常有機成分、水分等が吸着されている。この有機成分や水分はスパッタリングの際に真空チャンバー内に放出されて、チャンバーを汚染したり、スパッタ膜に取り込まれて膜の性能低下を引き起こすという問題がある。この空孔の影響を抑えるためには、LaB6スパッタターゲットの場合で、相対密度が88%以上あることが好ましいとされている。
このため、焼結体の緻密化を行う方法として、焼結助剤をホウ化ランタン粉末に添加して、焼結を行う方法がある(特許文献1及び2参照)。この場合、通常焼結助剤として金属酸化物が使用されるため、金属酸化物が焼結後も焼結体中に不純物として残存し、ターゲット材として使用した際に、焼結体内の不純物が、スパッタ膜に取り込まれて膜の性能低下を引き起こすという問題がある。
さらに、他の緻密化を行う方法としては、焼結方法としてホットプレスや熱間等方加圧(HIP)処理、その組み合わせ等を選択することにより、高圧力下で熱を加える方法がある。しかし、ホウ化ランタン原料粉末に含まれる酸化物や炭化物に起因する酸素や炭素が高温でランタン、ホウ素と反応し、粒界に非晶質化合物を生成する。そして、非晶質化合物はその後焼結助剤として働き見かけ上の相対密度は上昇するが、上記の炭素、酸素は焼結体中に残存しており、やはりターゲット材として使用した際に、焼結体内の酸素や炭素が、スパッタ膜に取り込まれて膜の性能低下を引き起こすという問題がある。
ここで、焼結体の高純度化を行うためには、ホウ化ランタン粉末中の酸素、炭素量を低減させ高純度化した粉末を原料粉末として用いて、焼結体を作製する方法が考えられる。ホウ化ランタン粉末を高純度化する方法として、非酸化物系粉末の不純物除去剤として一般的に使用されるフッ酸の使用が考えられるが、フッ酸は溶解力が強く、金属ホウ化物自体も溶解してしまうにもかかわらず、炭化物に対する溶解性に乏しいため、不純物炭化物が除去できない。したがって、フッ酸洗浄したホウ化ランタン粉末を、ホットプレスや熱間等方加圧(HIP)処理、その組み合わせ等により、高圧力下で熱を加える方法などの焼結方法を用いて焼結しても、粒界に酸素を含む非晶質化合物が存在し、やはりターゲット材として使用した際に問題となる。
したがって、特にターゲット材料として用いられるホウ化ランタン焼結体は、不純物が少なく高純度で、かつ相対密度が高い高密度の焼結体が望まれていた。
次に、金属ホウ化物を用いたスパッタリング用ターゲットとして、特許文献3に、ホウ化ハフニウム、ホウ化チタン、ホウ化タングステン、ホウ化ランタンから選択された1種以上を主成分とするスパッタリング用ターゲットであって、該ターゲットの焼結体密度比が80%以上であり、かつ、その結晶粒径が50μm以下であるスパッタリング用ターゲット、及びその製造方法が開示されている。
この技術は、ターゲットの粒子間の空隙を大幅に減少させて、該ターゲットの密度比(実際の焼結体の密度と理論密度との比)をさらに向上させることにより、高密度のホウ化物ターゲットとするものである。しかし、この技術は、このターゲットを用いて生産された製品の量産性を向上させるための技術であって、ターゲット中の不純物については、なんら言及されていない。
このように、スパッタリングターゲット用のLaB6焼結体としては、不純物の含有量が少なく、相対密度の高いものが望まれていながらも、不純物の低含有量と高い相対密度を両立したLaB6焼結体は得られていないのが実状であった。
特開昭61−261272号公報 特開平4−228474号公報 特開平6−248446号公報
本発明は、このような状況下になされたもので、電子放出素子、照明用、ディスプレイ用の電極材などの製造プロセスや、透明熱線遮蔽膜の蒸着などに適用されるスパッタリング装置用のスパッタリングターゲットの構成材料として好適な高純度かつ高密度(高緻密性)の金属ホウ化物焼結体、特に仕事関数の小さなホウ化ランタン薄膜を得ることのできるホウ化ランタン焼結体の効果的な製造方法、上記性状を有するホウ化ランタン焼結体及びそれを用いたターゲットを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得た。
金属ホウ化物粉末を無機酸で洗浄する場合、不純物酸化物として含まれている金属酸化物、ホウ素酸化物、金属−ホウ素複合酸化物は無機酸に溶解するが、不純物炭化物として含まれている金属炭化物、ホウ素炭化物は無機酸には溶解しない。そこで、金属ホウ化物粉末を大気中にて、特定の温度で加熱することにより、不純物炭化物を酸化して酸化物とし、この酸化処理を行った粉末を酸洗浄することで酸化物化した不純物を除去し得ることを見出した。
また、酸洗浄に用いる無機酸として、好ましくは塩酸、特に加熱した塩酸を使用することで、金属ホウ化物を溶解することなく酸化物化した不純物を除去して、不純物酸化物含有量が酸素換算で所定の値以下で、かつ不純物炭化物含有量が炭素換算で所定の値以下の金属ホウ化物粉末を製造できることを見出した。
さらに、このようにして得られた高純度金属ホウ化物粉末を加圧焼結することにより、好ましくは真空中又は不活性雰囲気中、温度1800℃以上、圧力20MPa以上の条件で加圧焼結することにより、スパッタリングターゲットの構成材料として好適な高純度かつ高密度(高緻密性)の金属ホウ化物焼結体、特に仕事関数の小さなホウ化ランタン薄膜を得ることのできるホウ化ランタン焼結体が効率よく得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1](a)金属炭化物、金属酸化物、金属−ホウ素複合酸化物、ホウ素炭化物及びホウ素酸化物の中から選ばれる少なくとも一種の不純物を含む金属ホウ化物粉末を、大気中にて600〜800℃の温度で加熱処理して、前記不純物を酸化する工程、(b)前記(a)工程で得られた金属ホウ化物粉末の加熱処理物を無機酸中で処理することで酸化した不純物を溶出させ、不純物の除去を行う工程、及び(c)前記(b)工程で得られた金属ホウ化物粉末を加圧焼結する工程を含むことを特徴とする金属ホウ化物焼結体の製造方法、
[2]前記(c)工程が、ホットプレス装置を用い、真空中又は不活性雰囲気中、温度1800℃以上、圧力20MPa以上で加圧焼結する工程を含む上記[1]に記載の金属ホウ化物焼結体の製造方法、
[3]金属ホウ化物焼結体がターゲット用の焼結体である上記[1]または[2]に記載の金属ホウ化物焼結体の製造方法、
[4]LaB6を主成分とし、La、C、O及びBのうち少なくとも2つ以上の元素から構成されるLaB6以外の不純物含有量が0.3体積%以下であり、焼結体相対密度が88%以上であることを特徴とするホウ化ランタン焼結体、
[5]不純物相がランタン炭化物、ホウ素炭化物及びランタン−ホウ素複合酸化物のうち少なくとも1種であり、その含有量が酸素換算で0.5質量%以下、且つ炭素換算で0.1質量%以下である上記[4]に記載のホウ化ランタン焼結体、及び
[6]上記[4]又は[5]に記載のホウ化ランタン焼結体を用いたことを特徴とするターゲット、を提供するものである。
本発明によれば、電子放出素子、照明用、ディスプレイ用の電極材などの製造プロセスや、透明熱線遮蔽膜の蒸着などに適用されるスパッタリング装置用のスパッタリングターゲットの構成材料として好適な高純度かつ高密度(高緻密性)の金属ホウ化物焼結体、特に仕事関数の小さなホウ化ランタン薄膜を得ることのできるホウ化ランタン焼結体の効果的な製造方法、上記性状を有するホウ化ランタン焼結体及びそれを用いたターゲットを提供することができる。
まず、本発明の金属ホウ化物焼結体の製造方法について説明する。
[金属ホウ化物焼結体の製造方法]
本発明の金属ホウ化物焼結体の製造方法は、(a)金属炭化物、金属酸化物、金属−ホウ素複合酸化物、ホウ素炭化物及びホウ素酸化物の中から選ばれる少なくとも一種の不純物を含む金属ホウ化物粉末を、大気中にて600〜800℃の温度で加熱処理して、前記不純物を酸化する工程、(b)前記(a)工程で得られた金属ホウ化物粉末の加熱処理物を無機酸中で処理することで酸化した不純物を溶出させ、不純物の除去を行う工程、及び(c)前記(b)工程で得られた金属ホウ化物粉末を加圧焼結する工程を含むことを特徴とする。
(金属ホウ化物粉末)
本発明の金属ホウ化物焼結体の製造方法において、原料として用いる金属ホウ化物粉末としては特に制限はなく、例えばXB6(ただし、XはLa、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Sr及びCaの中から選ばれる少なくとも一種である。)で示される六ホウ化物粉末を挙げることができるが、本発明においては、六ホウ化ランタン(LaB6)粉末が好ましい。
前記の金属ホウ化物粉末は、合成して用いてもよいし、市販品を用いてもよいが、その製造時に不可避的に混入する金属炭化物、金属酸化物、金属−ホウ素複合酸化物、ホウ素炭化物及びホウ素酸化物の中から選ばれる少なくとも一種の不純物を含む。
この金属ホウ化物粉末の平均粒径は、本発明のように焼結用原料として用いる場合には、成形性の観点から、通常0.1〜20μm程度、好ましくは0.5〜10μmである。
((a)工程)
前述したように、原料の金属ホウ化物粉末に含まれる不純物は、金属酸化物や金属炭化物、ホウ素炭化物、ホウ素酸化物、金属−ホウ素複合酸化物であることから、まず、酸処理により除去可能な酸化物にする必要がある。すなわち不純物酸化物は酸に溶解するが、不純物炭化物は酸に溶解しないからである。
したがって、本発明においては、この(a)工程において、前述した原料の金属ホウ化物粉末を、大気中にて600〜800℃の温度で加熱処理して、前記不純物を酸化させる。ここで大気中の酸化処理温度を、600℃以上800℃以下とした理由は600℃未満では金属炭化物及びホウ素炭化物が十分に酸化されないためであり、800℃を超えると金属ホウ化物自体が酸化されて収率が低下するためである。好ましい酸化処理温度は700〜800℃である。
金属炭化物及びホウ素炭化物が酸化して生成される酸化物は、酸に溶解することから、次の(b)工程において無機酸で処理することで、金属炭化物とホウ素炭化物を効果的に除去することができる。
なお、不純物が、ホウ素酸化物、金属−ホウ素複合酸化物のみである場合、これらは既に酸化されて酸化物になっているで、この(a)工程は必要ないように思える。しかし、ホウ素酸化物、金属−ホウ素複合酸化物の酸化の程度が充分でないことがあり、またホウ素酸化物、金属−ホウ素複合酸化物のみが不純物として存在していることはほとんどなく、金属炭化物、ホウ素炭化物なども含まれているのが通常であるから、この(a)工程が必要となる。
((b)工程)
本発明における(b)工程は、前記(a)工程で得られた金属ホウ化物粉末の加熱処理物を無機酸中で処理することで酸化した不純物を溶出させる工程である。
当該(b)工程における酸化した不純物を溶出させるための無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸から選択することができる。ここで、使用する無機酸の種類、濃度、処理温度及び処理時間は、溶解させる酸化物の成分や量により、選択することが好ましい。これは、無機酸の酸化力が高すぎる場合は、酸化物のみならず金属ホウ化物自体を酸化溶解させてしまい、金属ホウ化物自体の収率が低下してしまうためであり、一方、無機酸の酸化物溶解力が低い場合には、酸化物の溶解に時間を要したり、場合によっては溶解が不十分となり酸化物が十分に除去できなくなるためである。なお、無機酸としては、リン酸、フッ酸もあるが、リン酸は溶解力に乏しく、フッ酸は溶解力が強く、金属ホウ化物自体も溶解する上、毒物であり危険性が高い等の欠点を有しており、好適な無機酸ではない。一方、有機酸は酸化物溶解力に乏しいため不適当である。
これらの点を考慮すると、硝酸、硫酸は強い酸化力を有しているために金属ホウ化物自体を酸化溶解させてしまう可能性が高く、処理条件の選択や制御を厳密に行う必要が生じるため、使用には注意を要する。一方、塩酸は酸化力がほとんど無いことから、金属ホウ化物自体を酸化溶解させてしまう可能性が低く、好適に用いることができる。
例えば、塩酸を使用する場合、濃度は1mol/dm3以上かつ6mol/dm3以下が好ましい。その理由は1mol/dm3未満では不純物の溶出速度が遅く時間がかかるためであり、6mol/dm3を越えるとでは金属ホウ化物自体が酸化されやすくなるためである。より好ましい濃度は、2〜6mol/dm3であり、特に好ましい濃度は4〜6mol/dm3である。
また、この処理は常温で行ってもよいが、加熱して行うのが好ましく、加熱処理する場合の処理温度は、40℃以上かつ80℃以下が望ましい。40℃未満では不純物の溶出に時間がかかるためであり、80℃を越えると金属ホウ化物自体が酸化されやすくなるからである。
酸処理後の粉末は、純水やイオン交換水にて酸成分を除去した後に水分を除去するために乾燥処理、特に真空乾燥処理することが好ましい。
ここで真空乾燥しているのは、水分が蒸発する際に金属ホウ化物と反応して酸化不純物を生成するのを避けるためである。
このように、金属炭化物、金属酸化物、金属−ホウ素複合酸化物、ホウ素炭化物及びホウ素酸化物の中から選ばれる少なくとも一種の不純物を含む金属ホウ化物粉末に、前記(a)工程及び(b)工程を施すことにより、不純物酸化物含有量が酸素換算で、通常0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下で、かつ不純物炭化物含有量が炭素換算で、通常0.05質量%以下、好ましくは0.02質量%以下の金属ホウ化物粉末が得られる。
なお、前記の不純物酸化物含有量(酸素換算量)及び不純物炭化物含有量(炭素換算量)は、以下に示す方法で測定した値である。
まず、不純物酸化物の酸素量は、グラファイト中の試料を不活性ガス雰囲気で加熱し、試料から分解あるいは解離してくる酸素を炭素と反応させ、生成した一酸化炭素あるいは二酸化炭素を赤外線吸光度で定量する方法、すなわち通常不活性ガス溶融法と呼ばれる方法により測定する。
また、不純物炭化物の炭素量は、石英管状炉内で試料を加熱し、試料から揮発、分解、燃焼等により発生した炭素成分を赤外線吸収法を用いて測定する方法により測定する。
((c)工程)
本発明における(c)工程は、前記(b)工程で得られた不純物が除去されてなる金属ホウ化物粉末を加圧焼結する工程である。
前記の(a)工程及び(b)工程によって高純度化処理された金属ホウ化物粉末はそのまま成形して加圧焼結してもよいし、適当なバインダーを用いて造粒したのち成形し、加圧焼結してもよい。
一般的に金属ホウ化物粉末は難焼結性であるため、通常の焼結方法で緻密化が困難である上に、焼結に寄与する体積拡散や粒界拡散よりも表面拡散が優先して起こり、表面で焼結雰囲気中のCOやCO2などの成分と反応が起こり、再度金属酸化物やホウ素炭化物を生成してしまう恐れがある。
そこで本発明者らは、高純度化処理を行った金属ホウ化物粉末を高純度維持したままで焼結する方法として、表面拡散を抑制して体積拡散や粒界拡散を促進する焼結方法である加圧焼結を用いることを検討した結果、良好な結果を得ることができた。加圧焼結方法としては、ホットプレス(HP)焼結を使用し、高純度化処理後の金属ホウ化物粉末をアルゴンや窒素等の不活性雰囲気中または真空中にて1800℃以上1950℃以下、圧力20MPa以上で加圧焼結することで、LaB6の場合、相対密度88%以上の焼結体が得ることができ、従来のLaB6焼結体よりも高密度を得ることができる。
ここで、1800℃未満では緻密化に必要な温度に足りないために、加圧量を増しても相対密度が88%以上の焼結体を得ることができず、1950℃を越えると粒成長が促進されるために、相対密度が低下する。
また圧力が20MPa未満では、十分な緻密化が行われず、やはり相対密度が88%以上の焼結体を得ることができない。なお、加圧力は高い方が良いが、通常ホットプレス焼結に使用する焼結冶具の耐圧力は40MPaであり、それ以上の高耐圧冶具はほとんど存在しないことから、上限は40MPaが目安となる。
このようにして得られたLaB6焼結体には、通常は大量に含まれるLaBO3、非晶質のランタン炭化物、ホウ素炭化物からなる不純物は極めて低減されており、その不純物量は0.3体積%以下、炭素換算で0.1質量%以下、酸素換算で0.5質量%以下とすることができる。
なお、加圧焼結方法としては等方加圧(HIP)焼結法を用いることもできる。HIP焼結を行う場合、温度は1850℃以上1950℃以下、圧力は150MPa以上で行いことが好ましい。その理由としては、1850℃未満では緻密化がほとんど起こらず相対密度が向上しないこと、1950℃を越えると粒成長が促進されるために,相対密度が低下するほか、HIP装置の耐熱・耐圧性から、2000℃が装置上の上限温度となっているためである。
また圧力が150MPa未満では、十分な緻密化が行われない。なお、加圧力は高い方が良いが、通常HIP焼結装置の耐圧は200MPa程度であるから、上限は200MPaが目安となる。
ここで、HIP焼結法を用いて金属ホウ化物粉末を焼結するためには、HIP焼結を行う原型(仮焼体等)をHIP焼結に適した状態とする前処理が必要である。その理由は、HIP焼結はガス加圧のため、焼結体を緻密化するためには加圧ガスが原型内部に入り込まないようにする必要があるためである。
加圧ガスが原型内部に入り込まないようにする方法としては、原型を高融点金属板等でシールする方法もあるが、通常は原型をあらかじめホットプレス焼結し、ある程度緻密化しておく方法が採られることが多い。すなわち、HIP焼結を行う場合には、事前のホットプレス焼結と合わせ、2度の加圧焼結を行うこととなる。
HIP焼結を行うことにより、原型であるホットプレス焼結体をより緻密化(高密度化)することができる。例えばLaB6の場合、条件にも依るが、HIP焼結によりホットプレス焼結体に比べて0.5〜1.5%程度の緻密化が可能である。したがって、より高密度の焼結体を得る方法として、HIP焼結は有効である。
一方で、本発明においては、上記のようにホットプレス焼結により良好な金属ホウ化物焼結体が得られており、あえてHIP焼結を行う必要性は高くない。また、ホットプレス焼結であれば粉末をそのまま焼結できるのに対して、HIP焼結では前記のように前処理を必要とする。これらのことから、特にHIP焼結を行う必要がある場合を除いては、ホットプレス焼結が好適に用いられる。
本発明の金属ホウ化物焼結体の製造方法は、ターゲット用の金属ホウ化物焼結体、特にターゲット用のホウ化ランタン焼結体の製造に適用することが好ましい。
金属ホウ化物焼結体中の不純物量は、金属ホウ化物粉末中の不純物量に依存する。金属ホウ化物焼結対中の不純物量を0.3体積%以下にするためには、金属ホウ化物粉末の高純度化処理において、不純物酸化物を酸素換算で1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下で、且つ、不純物炭化物を炭素換算で0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下とするのがよい。
なお、金属ホウ化物焼結体中の不純物量は、SEM(走査型電子顕微鏡)観察により、視野内の不純物相の面積比より求めた値である。なお、1視野の大きさは、720μm×940μmであり、20視野の観察値を合計した。
また、金属ホウ化物焼結体中の不純物酸化物含有量(酸素換算量)及び不純物炭化物量(炭素換算量)は、焼結体試料を破砕粉にしたのち、前述した金属ホウ化物粉末と同様にして、酸素換算量及び炭素換算量を測定した。
次に、本発明のホウ化ランタン焼結体について説明する。
[ホウ化ランタン焼結体]
本発明のホウ化ランタン焼結体は、LaB6を主成分とし、不純物含有量が0.3体積%以下であり、焼結体相対密度が88%以上であることを特徴とする。
当該ホウ化ランタン(LaB6)焼結体において、不純物としては、例えばランタン炭化物、ホウ素炭化物、ランタン酸化物、ホウ素酸化物及びランタン−ホウ素複合酸化物の中から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
当該ホウ化ランタン焼結体においては、不純物含有量は0.3体積%以下であり、かつ焼結体相対密度が88%以上であることを要する。
上記不純物含有量が0.3体積%を超えると、当該ホウ化ランタン焼結体を用いて得られたターゲット中の不純物量が多くなり、その結果スパッタ膜にも不純物が取り込まれてしまい、純度の高いLaB6膜が得られない。好ましい不純物含有量は0.2体積%以下であり、より好ましくは0.1体積%以下である。
なお、当該ホウ化ランタン焼結体における不純物含有量は、前述した金属ホウ化物焼結体の製造方法において示したように、SEM観察により、視野内の不純物相の面積比より求めた値である。
また、相対密度が88%未満であると、当該ホウ化ランタン焼結体を用いて得られたターゲット中に多量の空孔が含まれるために、該空孔内に吸着されている有機成分や水分などが、スパッタリングの際に真空チャンバー内に放出されて、チャンバー内を汚染したり、スパッタ膜に取り込まれて、該スパッタ膜の性能低下を引き起こす。
なお、前記相対密度とは、理論密度に対する実際の焼結体の密度比を指す。
当該ホウ化ランタン焼結体においては、不純物相がランタン炭化物、ホウ素炭化物及びランタン−ホウ素複合酸化物の中から選ばれる少なくとも1種であって、その含有量は、前記不純物含有量を0.3体積%以下にするためには、酸素換算で、好ましくは0.5質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、炭素換算で、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下である。
なお、不純物酸化物含有量(酸素換算量)及び不純物炭化物含有量(炭素換算量)の測定方法は、前述した金属ホウ化物焼結体の製造方法において示したとおりである。
本発明は、前述した本発明のホウ化ランタン焼結体を用いてなるターゲットをも提供する。
このターゲットは、従来のホウ化ランタンターゲットよりも高純度かつ高密度(高緻密性)のものであって、特にスパッタリング用ターゲットとして好適である。
当該ターゲットを用いることにより、従来のホウ化ランタンターゲットと比較して、不純物含有量の少ない高純度のホウ化ランタン薄膜を成膜することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における諸特性は、下記の方法に従って測定した。
<高純度化処理LaB6粉末>
(1)不純物酸化物含有量(酸素換算量)及び不純物炭化物含有量(炭素換算量)の測定
不純物酸化物の酸素量は、試料粉末50mgを取り、LECO社製TC−436型を使用して、前記不活性ガス溶融法にて測定した。
また、不純物炭化物の炭素量は、試料粉末100mgを取り、LECO社製WC−200型を使用して,前記方法にて測定した。
(2)平均粒径の測定
走査型電子顕微鏡(SEM)[日立製作所社製、S−4000]により測定した。
<LaB6粉末の焼結体>
(3)不純物酸化物含有量(酸素換算量)及び不純物炭化物含有量(炭素換算量)
焼結体試料を破砕粉にしたのち、前記LaB6粉末と同様にして、酸素換算量及び炭素換算量を測定した。
(4)不純物量
破砕粉にされた焼結体試料について、走査型電子顕微鏡(SEM)[日立製作所製、S−4000]にて観察し、視野内の不純物相の面積比より求めた。
(5)相対密度
市販の電子天秤を用いて、焼結体試料の空気中の重量と水中の重量を測定し、得られた浮力値から密度を計算する、いわゆるアルキメデス法を用いて密度を求め、理論密度に対する密度比(相対密度)を求めた。
実施例1
不純物酸化物含有量が酸素換算で1.62質量%、不純物炭化物含有量が炭素換算で0.20質量%のLaB6市販粉末を、大気中700℃で120分間酸化処理を行い[(a)工程]、次いで6mol/L塩酸中60℃で120分間酸処理を行った[(b)工程]。酸処理後の粉末をイオン交換水にて十分に洗浄し、加熱真空乾燥した。得られた高純度化処理LaB6粉末は平均粒径1.5μmであり、不純物酸化物が酸素換算で0.38質量%、不純物炭化物が炭素換算で0.006質量%であった。
この高純度化処理LaB6粉末をホットプレス装置にてAr雰囲気中、1950℃、プレス圧40MPaで120分間焼結し、実施例1の焼結体を得た[(c)工程]。得られた焼結体は、89.5%の相対密度を有し、非晶質ホウ素炭化物と非晶質ランタン−ホウ素複合酸化物から構成された不純物含有量は0.005体積%であり、その不純物量は酸素換算で0.3質量%、炭素換算で0.015質量%であった。
実施例2
不純物酸化物含有量が酸素換算で1.62質量%、不純物炭化物含有量が炭素換算で0.20質量%のLaB6市販粉末を、大気中600℃で120分間酸化処理を行い[(a)工程]、次いで4mol/L塩酸中60℃で120分間酸処理を行った[(b)工程]。酸処理後の粉末をイオン交換水にて十分に洗浄し、加熱真空乾燥した。得られた高純度化処理LaB6粉末は平均粒径1.5μmであり、不純物酸化物が酸素換算で0.46質量%、不純物炭化物が炭素換算で0.013質量%であった。
この高純度化処理LaB6粉末をホットプレス装置にてAr雰囲気中、1950℃、プレス圧40MPaで120分間焼結し、実施例2の焼結体を得た[(c)工程]。得られた焼結体は、88.9%の相対密度を有し、非晶質ホウ素炭化物と非晶質ランタン炭化物から構成された不純物含有量は0.03体積%であり、その不純物量は酸素換算で0.3質量%、炭素換算で0.02質量%であった。
実施例3
不純物酸化物含有量が酸素換算で1.62質量%、不純物炭化物含有量が炭素換算で0.20質量%のLaB6市販粉末を、大気中650℃で120分間酸化処理を行い[(a)工程]、次いで6mol/L塩酸中40℃で120分間酸処理を行った[(b)工程]。酸処理後の粉末をイオン交換水にて十分に洗浄し、加熱真空乾燥した。得られた高純度化処理LaB6粉末は平均粒径1.5μmであり、不純物酸化物が酸素換算で0.42質量%、不純物炭化物が炭素換算で0.011質量%であった。
この高純度化処理LaB6粉末をホットプレス装置にてAr雰囲気中、1800℃、プレス圧40MPaで120分間焼結し、実施例3の焼結体を得た[(c)工程]。得られた焼結体は、88.5%の相対密度を有し、LaBO3と非晶質ホウ素炭化物から構成された不純物含有量は0.008体積%であり、その不純物量は酸素換算で0.3質量%、炭素換算で0.015質量%であった。
実施例4
ホットプレス焼結におけるプレス圧を20MPaにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、実施例4の焼結体を得た。得られた焼結体は、89.2%の相対密度を有し、非晶質ホウ素炭化物と非晶質ランタン−ホウ素複合酸化物から構成された不純物含有量は0.015体積%であり、その不純物量は酸素換算で0.4質量%、炭素換算で0.02質量%であった。
実施例5
ホットプレス焼結における温度を1800℃、プレス圧を20MPaにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、実施例5の焼結体を得た。得られた焼結体は、88.2%の相対密度を有し、非晶質ホウ素炭化物と非晶質ランタン−ホウ素複合酸化物から構成された不純物含有量は0.011体積%であり、その不純物量は酸素換算で0.43質量%、炭素換算で0.03質量%であった。
実施例6
不純物酸化物含有量が酸素換算で1.62質量%、不純物炭化物含有量が炭素換算で0.20質量%のLaB6市販粉末を、大気中700℃で120分間酸化処理を行い[(a)工程]、次いで6mol/L塩酸中60℃で120分間酸処理を行った[(b)工程]。酸処理後の粉末をイオン交換水にて十分に洗浄し、加熱真空乾燥した。得られた高純度化処理LaB6粉末は平均粒径1.5μmであり、不純物酸化物が酸素換算で0.38質量%、不純物炭化物が炭素換算で0.006質量%であった。
この高純度化処理LaB6粉末をホットプレス装置にてAr雰囲気中、1950℃、プレス圧40MPaで120分間焼結し、次いで1850℃150MPaで120分間HIP焼結処理を行った[(c)工程]。得られた焼結体は、90.6%の相対密度を有し、非晶質ホウ素炭化物と非晶質ランタン−ホウ素複合酸化物から構成された不純物含有量は0.01体積%であり、その不純物量は酸素換算で0.3質量%、炭素換算で0.006質量%であった。
比較例1
不純物酸化物含有量が酸素換算で1.62質量%、不純物炭化物含有量が炭素換算で0.20質量%のLaB6市販粉末を用い、ホットプレス装置にてAr雰囲気中、1800℃、プレス圧40MPaで120分間焼結した。
得られた焼結体は、83.5%の相対密度を有し、非晶質ホウ素炭化物、非晶質ランタン酸化物、炭素、LaBO3から構成された不純物含有量は0.5体積%であり、その不純物量は酸素換算で1.6質量%、炭素換算で0.3質量%であった。
比較例2
不純物酸化物含有量が酸素換算で8.8質量%、不純物炭化物含有量が炭素換算で0.04質量%に調整したLaB6粉末(平均粒径1.5μm)を用い、ホットプレス装置にてAr雰囲気中、1950℃、プレス圧40MPaで120分間焼結した。
得られた焼結体は、相対密度85.5%、非晶質ランタン酸化物、炭素、LaBO3から構成された不純物含有量が1.5体積%と密度が低く、不純物含有量が多い焼結体であった。
比較例3
不純物酸化物含有量が酸素換算で1.5質量%、不純物炭化物含有量が炭素換算で0.17質量%に調整したLaB6粉末(平均粒径1.5μm)を用い、ホットプレス装置にてAr雰囲気中、1950℃、プレス圧40MPaで120分間焼結した。
得られた焼結体は、相対密度84.0%、非晶質ランタン酸化物、非晶質ホウ素炭化物から構成された不純物含有量が0.89体積%と密度が低く、不純物含有量が多い焼結体であった。
比較例4
実施例1で得られた不純物酸化物が酸素換算で0.38質量%、不純物炭化物が炭素換算で0.006質量%であったLaB6粉末を常圧雰囲気炉にてAr雰囲気中、1950℃で120分間焼結した。
得られた焼結体は、相対密度72.0%、非晶質ランタン酸化物、非晶質ホウ素炭化物から構成された不純物含有量が3.0体積%と密度が低く、不純物含有量が多い焼結体であった。
上記実施例1〜6及び比較例1〜4の原料粉末の高純度化処理条件(高純度化処)、加圧焼結条件(加圧焼結)、高純度化処理により得られた原料粉末(生成粉末)の平均粒径及び不純物濃度、並びに加圧焼結により得られた焼結体(生成焼結体)の相対密度、不純物含有量及び不純物濃度を表1に示す。
なお、比較例1〜3は、原料粉末の高純度化処理は行っていない(市販品のまま)ため、表1中の「生成粉末」における平均粒径、不純物濃度をかっこで示した。
Figure 0005434583
上記実施例1〜6の焼結体をスパッタリング装置用のスパッタリングターゲットとしてLaB6薄膜を製膜したところ、純度の高い高性能なLaB6薄膜が得られた。
本発明の金属ホウ化物焼結体の製造方法は、電子放出素子、照明用、ディスプレイ用の電極材などの製造プロセスや、透明熱線遮蔽膜の蒸着などに適用されるスパッタリング装置用のスパッタリングターゲットの構成材料として好適な高純度かつ高密度の金属ホウ化物焼結体、特にホウ化ランタン焼結体を効率よく与えることができる。

Claims (3)

  1. (a)金属炭化物、金属酸化物、金属−ホウ素複合酸化物、ホウ素炭化物及びホウ素酸化物の中から選ばれる少なくとも一種の不純物を含む金属ホウ化物粉末を、大気中にて600〜800℃の温度で加熱処理して、前記不純物を酸化する工程、(b)前記(a)工程で得られた金属ホウ化物粉末の加熱処理物を40℃以上かつ80℃以下の無機酸中で処理することで酸化した不純物を溶出させ、不純物の除去を行う工程、及び(c)前記(b)工程で得られた金属ホウ化物粉末を加圧焼結する工程を含むことを特徴とする金属ホウ化物焼結体の製造方法。
  2. 前記(c)工程が、ホットプレス装置を用い、真空中又は不活性雰囲気中、温度1800℃以上、圧力20MPa以上で加圧焼結する工程を含む請求項1に記載の金属ホウ化物焼結体の製造方法。
  3. 金属ホウ化物焼結体がターゲット用の焼結体である請求項1または2に記載の金属ホウ化物焼結体の製造方法。
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