JP2008230954A - 日射遮蔽体形成用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法、日射遮蔽体形成用分散液、日射遮蔽体、および、日射遮蔽用基材 - Google Patents

日射遮蔽体形成用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法、日射遮蔽体形成用分散液、日射遮蔽体、および、日射遮蔽用基材 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた分散性と日射遮蔽特性を有するアンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法を提供し、さらに当該製造方法により製造されたアンチモン含有酸化錫微粒子を用いた日射遮蔽体形成用分散液、日射遮蔽体、および、日射遮蔽用基材を提供する。
【解決手段】50℃以下の錫化合物の溶液に、アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液とアルカリ溶液とを並行滴下するか、または、50℃以下のアルカリ溶液に、錫化合物の溶液と、アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液とを並行滴下して、錫とアンチモンとを含む水酸化物を生成して沈殿物とする工程と、前記沈殿物をデカンテーションし濾過洗浄物を得る工程と、前記洗浄物をアルコール溶液で湿潤処理し、その後乾燥することによってアンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体を得る工程と、前記前駆体を焼成する工程とにより、日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、車両、ビル、事務所、一般住宅などの窓材や、電話ボックス、ショーウィンドー、照明ランプ、透明ケース、などに使用される単板ガラス、合わせガラス、プラスチックスや繊維などに適用される日射遮蔽体、当該日射遮蔽体が透明基材上に形成されている日射遮蔽用基材、当該日射遮蔽体を形成するための日射遮蔽体形成用分散液、当該日射遮蔽体形成用分散液に含まれる日射遮蔽体形成用アンチモン含有酸化錫微粒子に係る。
従来、太陽光や電球などの外部光源よりの光から熱成分を除去・減少する方法として、ガラスなどの透明基材の表面に、熱効果に大きく寄与する赤外線を反射する材料を含有する膜を成膜して熱線反射透明基材とし、この熱線反射透明基材を用いることが行われていた。そして、前記材料にはFeOx、CoOx、CrOx、TiOxなどの金属酸化物やAg、Au、Cu、Ni、Alなどの自由電子を多量にもつ金属材料が用いられてきた。
しかし、これらの金属酸化物や金属材料は、熱効果に大きく寄与する赤外線以外に、可視光も同時に反射および吸収する性質があるため、可視光透過率が低下する問題があった。ところが、建物、乗り物、電話ボックスなどの窓材に用いられるガラスなどの透明基材は、可視光領域における高い透過率が必要とされる。そこで、前記建物、乗り物の透明基材等に、前記金属酸化物や金属材料を使用する場合は、その膜厚を非常に薄くしなければならなかった。
この為、前記金属酸化物や金属材料を透明基材上に成膜するときは、スプレー焼付け法やCVD法、または、スパッタリング法や真空蒸着法などの物理成膜法を用い、膜厚10nmレベルの薄膜を形成して用いることが通常行われてきた。
しかし、これらの物理成膜方法は、いずれも大がかりな装置や真空設備を必要とし、生産性や大面積化に問題があり、膜の製造コストが高くなるという欠点がある。さらに、前記金属酸化物や金属材料で日射遮蔽特性(波長域300〜2100nmの光を遮蔽する特性)を高くしようとすると、可視光領域の反射率も同時に高くなってしまう傾向がある。この為、透明基材へ鏡のようなギラギラした外観を与えて、美観を損ねてしまうという問題があった。
更に、上述したFeOx、CoOxなどの金属酸化物やAg、Auなどの金属材料から成る無機系皮膜を透明基材に設けた場合、当該無機系皮膜の導電性が高くなることが多い。そして、当該無機系皮膜の導電性が高くなると、携帯電話やTV、ラジオなどの電波を反射して受信不能としたり、周辺地域に電波障害を引き起こしたりするなどの問題も起こった。
他方、外部光源よりの光から熱成分を除去・減少する方法として、有機系の近赤外線吸収剤が添加された樹脂フィルムを用いる方法がある。
しかし、当該樹脂フィルムを用いる方法では、有機系の近赤外線吸収剤が、無機系の近赤外線吸収剤に較べて熱や湿度による劣化が著しい、という耐候性に致命的な欠点があった。
さらに、当該樹脂フィルムにおいて可視光透過率を高くしようとすると日射遮蔽特性が低下し、逆に日射遮蔽特性を高くすると可視光透過率が低下してしまう欠点があった。
さらに、例えば窓材などに用いられる日射遮蔽体には、上述した光学特性、電気的特性以外にも、膜の曇りが少ないなどの性質が求められる。この膜の曇りは、ヘイズ値という数値で評価される。ヘイズ値は、全透過光に対する拡散透過光の割合として定義され、この値が高いと人間の目には曇って見える。従って、透明性を要求される窓材などでは1%未満の低ヘイズが望まれている。
ここで、可視光透過率が高く、かつ、日射遮蔽機能を有する金属酸化物や金属材料以外の無機系材料としては、アンチモン含有酸化錫(ATO)が知られている。当該アンチモン含有酸化錫は、可視光反射率が比較的低く透明基材へギラギラした外観を与えることはない。
例えば、特許文献1は、アンチモン含有酸化錫微粒子を、シラザン重合体溶液に分散することによって得られた熱線遮蔽コーティング液をガラスに塗布、焼成することによって、熱線遮蔽ガラスを得ることを提案している。
一方、本発明者等は、特許文献2において、可視光に近い近赤外域における反射・吸収効果を改善するために、6ホウ化物微粒子と、インジウム錫酸化物微粒子またはアンチモン錫酸化物微粒子とを含有する日射遮蔽膜形成用塗布液を提案している。
また、本発明者等は特許文献3において、高い可視光透過率と低い日射透過率とを有しながらヘイズ値が低いという光学特性を有する日射遮蔽膜を形成できる日射遮蔽用アンチモン錫酸化物粒子を提案した。
また、本発明者等は特許文献4において、高い可視光透過率と低い日射透過率と低いヘイズ値とを有する日射遮蔽材料の製造方法を提案した。
さらに、本発明者等は特許文献5において、透明基材上あるいは基材中に形成されたとき、高い可視光透過率と、低い日射透過率と、ヘイズ値が低いという光学特性を発揮することのできるATO微粒子の物理特性を提案した。そして、当該物理特性を備えるアンチモン錫酸化物微粒子と、当該アンチモン錫酸化物微粒子を含有し、簡便な塗布法や練り込み法で日射遮蔽体を形成できる日射遮蔽体形成用分散液と、この物理特性を備えるアンチモン錫酸化物微粒子を含有する日射遮蔽体とを提案した。
特開平7−257922号公報 特開2002−194291号公報 特開2003−176132号公報 特開2004−75510号公報 特開2004−83397号公報
しかし、本発明者等の検討によると、これら従来の技術に係るアンチモン錫酸化物を用いて日射遮蔽膜形成用の日射遮蔽材料分散液を製造しようとする際、当該アンチモン錫酸化物が塊状の強凝集体である為、粉砕に長時間を要していた。また、当該長時間粉砕後であっても、粉砕物中に強凝集体が一部混在してしまう。この為、日射遮蔽材料分散液を製造した後に、当該一部混在した強凝集体が沈降を起こし、安定した日射遮蔽材料分散液が得られないという課題を残していた。
本発明は、上述の状況のもとになされたものであり、優れた分散性と日射遮蔽特性を有するアンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法を提供し、さらに当該製造方法により製造さ
れたアンチモン含有酸化錫微粒子を用いた日射遮蔽体形成用分散液、日射遮蔽体、および、日射遮蔽用基材を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明者らは、優れた分散性と日射遮蔽特性を併せて有するアンチモン含有酸化錫微粒子が満たすべき要件を検討した。その結果、当該アンチモン含有酸化錫微粒子の製造法において、錫とアンチモンとを含む水酸化物の濾過洗浄物をアルコール溶液で湿潤処理し、その後乾燥することによってアンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体を製造し、当該前駆体を焼成することにより、焼成後のアンチモン含有酸化錫微粒子の物理特性において、タップ密度が特定値以下となり、当該アンチモン錫酸化物微粒子の媒体攪拌ミルでの粉砕と分散とがスムーズに進行することを見出した。そして、当該粉砕と分散とがスムーズに進行することで、優れた分散性と日射遮蔽特性を併せて有するアンチモン含有酸化錫微粒子が得られることに想到し、本発明を完成したものである。
すなわち、上述の課題を解決するための第1の手段は、
タップ密度が、1.85g/cm以下であり、L表色系による粉体色Lが40〜65、aが−5〜−1、bが−11〜−1であり、かつ比表面積が5〜110m2/gの範囲にある日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法であって、
50℃以下の錫化合物の溶液に、アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液とアルカリ溶液とを並行滴下して、錫とアンチモンとを含む水酸化物を生成して沈殿物とする工程と、
前記沈殿物をデカンテーションし、洗浄液の電導度が1mS/cm以下となる迄、当該デカンテーションを行って濾過洗浄物を得る工程と、
前記洗浄物をアルコール溶液で湿潤処理し、その後乾燥することによってアンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体を得る工程と、
前記前駆体を焼成することにより、日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を得る工程と、
を有することを特徴とする日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法である。
第2の手段は、
タップ密度が、1.85g/cm以下であり、L表色系による粉体色Lが40〜65、aが−5〜−1、bが−11〜−1であり、かつ比表面積が5〜110m/gの範囲にある日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法であって、
50℃以下のアルカリ溶液に、錫化合物の溶液と、アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液とを並行滴下して、錫とアンチモンとを含む水酸化物を生成して沈殿物とする工程と、
前記沈殿物をデカンテーションし、洗浄液の電導度が1mS/cm以下となる迄、当該デカンテーションを行って濾過洗浄物を得る工程と、
前記洗浄物をアルコール溶液で湿潤処理し、その後乾燥することによってアンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体を得る工程と、
前記前駆体を焼成することにより、日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を得る工程と、
を有することを特徴とする日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法である。
第3の手段は、
前記アンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体を、Si、Al、Zr、Tiから選択された1種以上の元素を酸化物換算で15重量%未満含有したアルコール溶液に浸漬処理した後、乾燥して、Si、Al、Zr、Tiから選択された1種以上の元素を含むアンチモン含有酸化錫微粒子前駆体を得る工程を具備することを特徴とする第1または第2の手段に記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法である。
第4の手段は、
前記アルコール溶液として、アルコールの割合が50wt%以上であるアルコール溶液を用いることを特徴とする第1から第3のいずれかの手段に記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法である。
第5の手段は、
前記アンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体を、500℃以上、1100℃未満の温度で焼成することを特徴とする第1から第3のいずれかの手段に記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法である。
第6の手段は、
前記アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液とアルカリ溶液との並行滴下時間を、0.5分間以上、30分間以下とすることを特徴とする第1の手段に記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法である。
第7の手段は、
前記錫化合物の溶液と、アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液との並行滴下時間を0.5分間以上、30分間以下とすることを特徴とする第2の手段に記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法である。
である。
第8の手段は、
前記日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の表面を、Si、Ti、Al、Zr、Yから選択される少なくとも1種類以上の元素を含む化合物で被覆することを特徴とする、第1から第7の手段のいずれかに記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法である。
第9の手段は、
第1から第8の手段のいずれかに記載の製造方法で製造された日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子と、溶媒とが混合され、当該混合後、媒体攪拌ミルで粉砕・分散され当該溶媒中における前記日射遮蔽用微粒子の分散粒子径が130nm以下であることを特徴とする日射遮蔽体形成用分散液である。
第10の手段は、
第9の手段に記載の日射遮蔽体形成用分散液であって、
さらに、無機バインダー、樹脂バインダーから選ばれる1種以上のバインダーを含有することを特徴とする日射遮蔽体形成用分散液である。
第11の手段は、
第1から第8の手段のいずれかに記載の製造方法で製造された日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を含むことを特徴とする日射遮蔽体である。
第12の手段は、
第9または第10の手段に記載の日射遮蔽体形成用分散液を用いて形成されたことを特徴とする日射遮蔽体である。
第13の手段は、
ガラスまたはプラスチック上に、第11または第12の手段に記載の日射遮蔽体が形成されたものであることを特徴とする日射遮蔽体である。
第14の手段は、
基材となる樹脂へ、第1から第8の手段のいずれかに記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法により製造された日射遮蔽用アンチモン錫酸化物微粒子、または、第9または第10の手段に記載の日射遮蔽体形成用分散液を練り込んだ後、当該樹脂を、板状、シート状、またはフィルム状に成形したものであることを特徴とする日射遮蔽体である。
第15の手段は、
第11から第14の手段のいずれかに記載の日射遮蔽体であって、当該日射遮蔽体の可視光透過率が60%以上80%以下であるとき、波長300〜2100nmの光の透過率が65%未満であり、かつ、当該日射遮蔽体のヘイズ値が1%未満であることを特徴とする日射遮蔽体である。
第16の手段は、
第11から第15の手段のいずれかに記載の日射遮蔽体が、透明基材上に形成されていることを特徴とする日射遮蔽用基材である。
本発明に係る日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法によれば、タップ密度が、1.85g/cm以下であり、L表色系による粉体色Lが40〜65、aが−5〜−1、bが−11〜−1であり、かつ比表面積が5〜110m/gの範囲にある日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を容易に得ることができる。当該アンチモン錫酸化物微粒子は、媒体攪拌ミルでの粉砕と分散がスムーズに進行し、当該日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を含有した分散性に優れる日射遮蔽体形成用分散液を、高い生産性をもって製造することができる。さらに当該日射遮蔽体形成用分散液へ塗布法または練り込み法、等を適用することで、赤外域や近赤外域の遮蔽性能に優れながら、可視光線領域での光透過性も高い日射遮蔽体、日射遮蔽用基材を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、1.アンチモン含有酸化錫微粒子、2.アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法、3.日射遮蔽体形成用分散液、4.日射遮蔽体、の順で詳細に説明する。
1.アンチモン含有酸化錫微粒子
本発明に係る日射遮蔽体形成用分散液に用いられる日射遮蔽用微粒子は、タップ密度が1.85g/cm以下であるアンチモン含有酸化錫微粒子である。さらに、当該微粒子の粉体色は、国際照明委員会(CIE)が推奨しているL表色系にて評価した粉体色において、Lが40〜65、aが−5〜−1、bが−11〜−1を有している。さらに、比表面積は5〜110m/gの範囲にある。また、本発明のアンチモン含有酸化錫微粒子は、好ましくは、結晶子径が4〜125nmであることが良い。好ましくは5〜80nm、さらに好ましくは6〜60nmである。このアンチモン含有酸化錫微粒子を溶媒中に分散したときの分散粒子径を130nm以下にした分散液を用いて形成した日射遮蔽体は望ましい日射遮蔽特性を発揮する。アンチモン含有酸化錫微粒子の結晶子径が日射遮蔽機能におよぼす影響については、本発明に係るアンチモン含有酸化錫微粒子においては、比表面積が大きくなる程、結晶子径が小さくなっており、比表面積と結晶子径との間には負の相関がある。詳細は不明であるが、結晶子径も比表面積と同様に日射遮蔽機能へ影響をおよぼし、日射遮蔽機能に対して結晶子径の最適範囲があることが推察された。
詳細は後述するが、本発明に係る日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子のタップ密度
が上記規定値以下にあることで、当該アンチモン含有酸化錫微粒子の媒体攪拌ミルでの粉砕と分散がスムーズに進行する。この結果、当該アンチモン錫酸化物微粒子を溶媒中に分散して当該日射遮蔽体形成用分散液を製造する際、当該アンチモン錫酸化物微粒子の分散は安定し、その際の分散粒子径は130nm以下となる。そして、当該日射遮蔽体形成用分散液は分散性に優れ、かつ、当該日射遮蔽体形成用分散液へ塗布法または練り込み法、等を適用することで、赤外域や近赤外域の遮蔽性能に優れながら、可視光線領域での光透過性も高い日射遮蔽体、日射遮蔽用基材を得ることができる。
2.アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法
本発明に係る日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法を、以下に説明する。
まず、液温50℃以下とした錫化合物の溶液へ、アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液とアルカリ溶液とを並行滴下する。または、液温50℃以下のアルカリ溶液に、錫化合物の溶液と、アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液を並行滴下する。そして、当該いずれかの並行滴下により、錫とアンチモンとを含む微粒子前駆体である水酸化物を、生成沈殿させる。なお、当該錫化合物の溶液へ予めHClを添加しても良い。
溶液温度が50℃以下であれば、溶媒である水の蒸発などによって系内の錫化合物やアンチモン化合物の濃度が変化することがないため、得られる前記微粒子前駆体の粒径などの再現性が得られる。さらに、溶液温度が50℃以下であれば、前記微粒子前駆体の成長が抑制され所望の光学特性が得られるからである。一方、溶液温度の下限は特に限定されないが、例えば、室温より低くするためには新たに冷却装置などが必要となり、装置コストや生産コストが発生することから、そのような装置を要しない温度とすることが好ましい。
上記錫化合物溶液へのアンチモン化合物添加量は、所望とする光学特性の観点から、酸化錫に対して元素換算で1〜20重量%とするのが好ましく、さらに好ましくは3〜15重量%である。尚、用いる錫化合物やアンチモン化合物は、特に限定されるものではなく、例えば塩化錫、硝酸錫、硫化錫、塩化アンチモン、臭化アンチモンなどが挙げられる。
上記沈殿剤として用いるアルカリ溶液としては、炭酸水素アンモンニウム、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの各水溶液が挙げられるが、特に炭酸水素アンモニウムやアンモニア水が好ましい。そして、当該アルカリ溶液のアルカリ濃度は、錫化合物とアンチモン化合物が水酸化物となるのに必要な化学当量以上であれば良いが、より好ましくは当量〜当量の3倍とすることが良い。
前記アルコール溶液とアルカリ溶液との並行滴下時間、または、前記錫化合物の溶液とアルコ−ル溶液との並行滴下時間は、沈殿する水酸化物の粒子径と生産性との観点から、0.5分間以上であって、60分間以下、好ましくは30分間以下とすることが望ましい。滴下終了後も系内の均一化を図るために、水溶液の攪拌を継続して行うが、そのときの水溶液の温度は、並行滴下の際の温度と同温とし、50℃以下とすることが好ましい。攪拌の継続時間は特に限定されないが、生産性の観点から0.5分間以上であって、30分間以下、好ましくは15分間以下が良い。
次に、前記沈殿物へデカンテーションを繰り返し行い、当該デカンテーションにおける洗浄液の上澄み液の導電率が1mS/cm以下となるまで十分洗浄し、濾過する。当該沈殿物中に残留する塩素イオン、硫酸イオンなどの不純物が1.5重量%を超えると、焼成工程において酸化錫に対するアンチモンの固溶が阻害され、所望とする光学特性を発揮しないため、当該デカンテーションにおける洗浄液の上澄み液の導電率が1mS/cm以下となるまで十分洗浄、濾過することが好ましい。当該上澄み液の導電率が1mS/cm以下であれば、当該沈殿物中に残留する不純物量を1.5重量%以下とすることができる。
次に、洗浄された沈殿物をアルコール溶液で湿潤処理して湿潤処理物とした後、乾燥する。ここで、当該湿潤処理に用いるアルコール溶液として、Si、Al、Zr、Tiから選択された1種以上の元素を酸化物換算で15重量%未満含有するアルコール溶液を用いるのも好ましい構成である。当該構成の採用により、Si、Al、Zr、Tiから選択された1種以上の元素の酸化物が、アンチモン含有酸化錫の近傍に独立して存在することとなり、焼成の際にアンチモン含有酸化錫の粒成長を抑制するからである。尚、当該元素の酸化物換算での含有量が15重量%未満であれば、アンチモン含有酸化錫の含有割合が確保されるため、日射遮蔽特性が低下することを回避できる。
そして、得られた当該前駆体を焼成し、本発明に係るアンチモン含有酸化錫微粒子を得る。このとき、上記アルコール溶液の濃度は50%以上であることが好ましい。アルコール溶液の濃度が50%以上であれば、アンチモン含有酸化錫微粒子が塊状の強凝集体となることを回避できるからである。
ここで、当該アルコール溶液に用いられるアルコールは特に限定されないが、水に対する溶解性に優れ、沸点100℃以下のアルコールが好ましい。例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、tert-ブチルアルコ−ルが挙げられる。
当該湿潤処理は、濾過洗浄された沈殿物をアルコール溶液中へ投入して攪拌すればよく、このときの時間や攪拌速度は処理量に応じて適宜選択すればよい。沈殿物をアルコール溶液中に投入する際のアルコール溶液量は、沈殿物を容易に攪拌できる流動性を確保できる液量があれば良い。攪拌時間や攪拌速度は、濾過洗浄時に一部凝集した部分を含む沈殿物がアルコール溶液中において、凝集部が無くなるまで均一に混合されることを条件に適宜選択される。
また、湿潤処理の温度は通常室温下で行えば良いが、必要に応じて、アルコ−ルが蒸発して失われない程度に加温しながら行うことも勿論可能である。好ましくは、アルコールの沸点以下の温度で加熱することにより、湿潤処理中にアルコールが蒸発して失われ、湿潤処理の効果がなくなってしまうことを回避できる。湿潤処理中にアルコールが蒸発して失われ、湿潤処理の効果がなくなった後、当該湿潤処理物を乾燥すると強凝集体となってしまうため、好ましくない。
当該湿潤処理後、湿潤処理物をアルコールに湿潤した状態のまま加熱乾燥する。当該湿潤処理物の乾燥温度や乾燥時間は特に限定されるものではない。湿潤処理後であれば、当該湿潤処理物の乾燥を行っても強凝集体となることはないので、当該湿潤処理物の処理量や処理装置など条件によって乾燥温度や乾燥時間を適宜選択して良い。当該乾燥処理により、湿潤処理を受けたアンチモン含有酸化錫酸化物前駆体を得た。
そして、当該湿潤処理を受けたアンチモン含有酸化錫酸化物前駆体を、大気雰囲気下にて500℃以上に加熱し、30分間〜5時間焼成することで本発明に係るアンチモン含有酸化錫微粒子を製造する。当該焼成の際、500℃以上に加熱することで、アンチモンを錫酸化物中へ十分に固溶させることができ好ましい。一方、当該焼成を、1100℃を超えずに行うことで、アンチモン錫酸化物微粒子の粒径の粗大化を回避でき、後述するように可視光に対して透明性が高い日射遮蔽体を得ることができ好ましい。上記観点から、焼成温度の範囲を500℃以上1100℃未満とすることが好ましい。
上述した製造方法により、タップ密度が1.85g/cm以下であり、当該微粒子のL表色系による粉体色Lが40〜65、aが−5〜−1、bが−11〜−1であり、かつ比表面積が5〜110m/gの範囲にある日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を得ることができる。上記タップ密度、粉体色、比表面積を有しているアンチモン含有酸化錫を含有する日射遮蔽体形成用分散液を用いて得られた日射遮蔽体および日射遮蔽用基材は、望ましい光学的特性を有している。
この理由は、以下のように考えられる。
(1)タップ密度について
日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体に対し、上述した湿潤処理を行うことで、嵩高い粒子とすることができる。この結果、当該前駆体を焼成した際、弱凝集体となり、アンチモン含有酸化錫微粒子が塊状の強凝集体となることを回避できる。
このアンチモン含有酸化錫微粒子が塊状の強凝集体とらないことから、嵩高い弱凝集体となる。この結果、アンチモン含有酸化錫微粒子のタップ密度は1.85g/cm以下となる。
そして、当該アンチモン含有酸化錫微粒子のタップ密度は1.85g/cm以下であると、微粒子が沈降し難くなり、溶媒中で分散しやすくなる為、媒体攪拌ミルでの粉砕と分散がスムーズに進行する。このため、当該日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を用いた日射遮蔽体形成用分散液は、分散性に優れ、かつ、可視光透過率を高く保ったまま近赤外線の透過率を低くできる。
(2)粉体色、比表面積について
一般的な光と物質内の電子の相互作用について説明すると、ある物質には固有のプラズマ周波数があってこの周波数より長波長の光は反射され、短波長の光は透過されることが知られている。プラズマ周波数ωは式(1)で表される。
ω =nq/εm (1)
ここで、nは伝導電子密度、qは電子の電荷、εは誘電率、mは電子の有効質量である。
一般に、ある物質において伝導電子密度が増加するとプラズマ周波数が大きくなるため、短波長側の光まで反射されることになる。伝導電子密度は、金属で1022/cmの水準、アンチモン錫酸化物で1020/cmの水準である。この為、金属では可視光領域からすでに反射率が高いが、アンチモン錫酸化物では可視光線を透過し、近赤外線域から反射率が高くなるため日射遮蔽体として用いることができる。さらに、アンチモン錫酸化物微粒子においては、アンチモンのド−プ量、焼成温度などによってその粉体色が微妙に変化する。そして、当該粉体色の変化と伴にその圧粉抵抗値も変化する。つまり、アンチモン錫酸化物微粒子の粉体色と、伝導電子密度、プラズマ周波数との間には、密接な関係があると考えられる。
さらに、光学特性におよぼすアンチモン含有酸化錫微粒子の比表面積の影響について以下に考えられる。
アンチモン含有酸化錫微粒子の粒子径をr、比重をρとしたとき、アンチモン含有酸化錫微粒子の一定重量Mの総遮断面積Aは、式(2)で表される。
A=πr・M/ρ/(4πr/3) (2)
式(2)より、粒子径が小さくなれば比表面積は増大することから、総遮断面積Aは粒子径rが小さいほど、すなわち比表面積が大きいほど大きくなる。しかし、粒子径が小さくなり過ぎると、粒子の電子密度の変化などによって日射遮蔽機能が低下することから、日射遮蔽機能に対して粒子径r、すなわち比表面積の最適範囲があることが推察された。
そこで、本発明者らは、焼成して得られるアンチモン含有酸化錫酸化物微粒子の粉体色および比表面積と、当該アンチモン含有酸化錫微粒子を含有する日射遮蔽体の特性との関係を詳しく調査して、日射遮蔽に最適な粉体色と比表面積の条件を求めた。そして当該調査の結果、当該アンチモン含有酸化錫微粒子のL表色系による粉体色Lが40〜65、aが−5〜−1、bが−11〜−1で、かつ比表面積が5〜110m/gの範囲にあるとき、日射遮蔽体は可視光透過率60%以上80%以下のときの波長域300〜2100nmにおける日射透過率が65%未満で、かつヘイズ値が1%未満と優れた光学特性を発揮することが判明した。
また、必要に応じて、当該アンチモン含有酸化錫微粒子の触媒作用を抑制するため、当該微粒子の表面をSi、Ti、Al、Zr、Yから選択される少なくとも1種類以上の元素を含む化合物で被覆することも好ましい。
当該アンチモン含有酸化錫微粒子を当該化合物で被覆する方法は、特に限定されない。例えば、該当する金属を含む金属アルコキシドのゾルゲル反応を利用した方法や、当該化合物として塩化物のような金属塩を利用する方法がある。
3.日射遮蔽体形成用分散液
本発明に係る日射遮蔽体形成用分散液は、上記製造方法で得られた日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子と溶媒との混合スラリーを、媒体攪拌ミルで粉砕、分散させたもので、当該溶媒中における当該微粒子の分散状態が良好で、その分散粒子径が130nm以下であることを特徴とする。
分散粒子径が、130nm以下であれば、幾何学散乱またはミー散乱によって波長380nm〜780nmの可視光線領域の光を散乱することがないので、曇り(ヘイズ)が減少し、可視光透過率の増加を図ることが出来るので好ましい。さらに、レイリー散乱領域では、散乱光は粒子径の6乗に反比例して低減するため、分散粒子径の減少に伴い散乱が低減し透明性が向上する。そこで、分散粒子径が100nm以下となると、散乱光は非常に少なくなり、より透明性が増すことになり好ましい。
そして、上記溶媒中に分散されるアンチモン含有酸化錫微粒子の分散粒子径が130nm以下まで十分細かく、かつ安定に分散した日射遮蔽体形成用分散液を提供することにより、可視光透過率60%以上80%以下のときの波長域300〜2100nmにおける日射透過率が65%未満で、かつヘイズ値が1%未満の要件を満たす日射遮蔽体を得ることができた。
ここで、日射遮蔽体形成用分散液中における、当該アンチモン含有酸化錫微粒子の分散粒子径について簡単に説明する。アンチモン含有酸化錫微粒子の分散粒子径とは、溶媒中に分散しているアンチモン含有酸化錫微粒子の単体粒子や、当該アンチモン含有酸化錫微粒子が凝集した凝集粒子の粒子径を意味するものであり、市販されている種々の粒度分布計で測定することができる。例えば、当該日射遮蔽体形成用分散液のサンプルを採取し、当該サンプルを、動的光散乱法を原理とした大塚電子株式会社製ELS−8000を用いて測定することができる。
一方、日射遮蔽体形成用分散液に用いられる溶媒は特に限定されるものではなく、日射遮蔽体形成用分散液の塗布条件、塗布環境、および、適宜添加される無機バインダーや樹脂バインダーなどに合わせて適宜選択すればよい。例えば、水やエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、メチルエーテル,エチルエーテル,プロピルエーテルなどのエーテル類、エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、イソブチルケトンなどのケトン類といった各種の有機溶媒が使用可能である。さらに、必要に応じて酸やアルカリを添加してpH調整してもよい。
さらに、当該日射遮蔽体形成用分散液中におけるアンチモン含有酸化錫微粒子の分散安定性を一層向上させ、再凝集による粒子の粗大化を回避するために、各種の界面活性剤、カップリング剤などの添加も好ましい。そして当該日射遮蔽体形成用分散液を、適宜な方法で透明基材上に塗布、または、基材に練り込むことで、高い可視光透過率と、低い日射透過率を有しながら、ヘイズ値が低いという光学特性を有する日射遮蔽体を形成することができる。
当該日射遮蔽体形成用分散液には、適宜、無機バインダー、樹脂バインダーから選ばれる1種以上を含有させることができる。当該日射遮蔽体形成用分散液に含有させる無機バインダーや樹脂バインダーの種類は特に限定されるものではないが、無機バインダーとしては、珪素、ジルコニウム、チタン、若しくは、アルミニウムの金属アルコキシドやこれらの部分加水分解縮重合物、または、オルガノシラザンが、樹脂バインダーとしては、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが適用できる。
アンチモン含有酸化錫微粒子の分散液への分散方法は、当該微粒子を分散液中において、凝集させることなく均一に分散できる方法であれば特に限定されない。当該分散方法として、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、超音波ホモジナイザーなどの装置を用いた粉砕・分散処理方法が挙げられる。その中でも、媒体攪拌ミルで粉砕、分散させることが所望とする分散粒子径に要する時間が短いことから好ましい。これらの装置を用いた粉砕・分散処理によって、アンチモン含有酸化錫微粒子の分散液中への分散と同時に、アンチモン含有酸化錫微粒子同士の衝突などによる微粒子化も進行し、アンチモン含有酸化錫微粒子をより微粒子化して分散させることができる(すなわち、粉砕・分散処理される)。
また、本発明に係る日射遮蔽体の日射遮蔽特性を向上させるために、本発明に係る分散液へ一般式XB(但し、Xはアルカリ土類元素、またはイットリウムを含む希土類元素から選ばれた金属元素、4≦m≦6.3)で表されるホウ化物粒子や、一般式W(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.0<z/y<3.0)で表記されるタングステン酸化物の微粒子、および/または、一般式M(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Reの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物の微粒子を、所望に応じて適宜添加することも好ましい構成である。なお、このときの添加割合は、所望とする日射遮蔽特性に応じて適宜選択すればよい。
調製された当該日射遮蔽体形成用分散液を用いて透明基材上に被膜を形成したとき、当該日射遮蔽体の導電性は、アンチモン含有酸化錫微粒子の接触箇所を経由した導電パスに沿って発揮される。そこで、例えば、当該日射遮蔽体形成用分散液中に含有される界面活性剤やカップリング剤の量を加減することで、当該導電パスを部分的に切断することができ、日射遮蔽体の導電性を10Ω/□(オーム・パー・スクエアと読む)以上に制御することが可能となる。表面抵抗値を概ね10Ω/□以上に制御することで、日射遮蔽体の電波に対する反射を抑制することができる。この結果、例えば、当該日射遮蔽体が形成された透明基材を設置した建物の内外において、携帯電話やTV、ラジオなどの電波を反射して受信不能とさせたり、電波障害を引き起こすなどの問題を回避することができる。
当該日射遮蔽体形成用分散液を透明基材上に被膜形成した日射遮蔽体は、基材上にアンチモン含有酸化錫微粒子のみが堆積した膜の構造になる。この膜は、このままでも日射遮蔽効果を示すが、上述した日射遮蔽体形成用分散液の製造工程において、アンチモン含有酸化錫微粒子の分散時に無機バインダー、樹脂バインダーから選ばれる1種以上を添加するのも好ましい構成である。日射遮蔽体形成用分散液へ当該バインダーを添加することで、製造される日射遮蔽体において、当該バインダーの添加量の加減による導電性の制御が可能になると伴に、基材上へ塗布、硬化後におけるアンチモン含有酸化錫微粒子の基材への密着性が向上し、さらに膜の硬度を向上させる効果があるからである。
上記無機バインダーや樹脂バインダーの種類は特に限定されるものではないが、無機バインダーとしては、珪素、ジルコニウム、チタン、若しくは、アルミニウムの金属アルコキシドやこれらの部分加水分解縮重合物、または、オルガノシラザンが使用でき、樹脂バインダーとしてはアクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが使用できる。
さらに、当該膜上へ、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムのいずれか1種以上を含むアルコキシド、および/または、当該アルコキシドの部分加水分解縮重合物、を含有する塗布液を塗布した後、加熱することで、当該膜上へ、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムのいずれか1種以上を含む酸化物のコーティング膜を形成し、多層膜とするのも好ましい構成である。当該構成を採ることにより、コーティングされた成分が、第1層であるアンチモン含有酸化錫微粒子の堆積した間隙を埋めて成膜され、可視光の屈折を抑制するために、膜のヘイズ値がより低減して可視光透過率が向上し、またアンチモン含有酸化錫微粒子の基材への結着性が向上するからである。ここで、アンチモン含有酸化錫微粒子単体あるいはアンチモン含有酸化錫微粒子を主成分とする膜上に、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムのいずれか1種以上を含むアルコキシドや、これらの部分加水分解縮重合物からなるコーティング膜を形成する方法としては、成膜操作の容易さやコストの観点から塗布法が便宜である。
上記塗布法に用いるコーティング液としては、水やアルコールなどの溶媒中に、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムのいずれか1種以上を含むアルコキシドや、当該アルコキシドの部分加水分解縮重合物を1種以上含むものである。その含有量は、加熱後に得られるコーティング中の酸化物換算で40重量%以下が好ましい。また、必要に応じて酸やアルカリを添加してpH調整することも好ましい。当該コーティング液を、アンチモン含有酸化錫微粒子を主成分とする膜上に、第2層として塗布し加熱することで、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムなどの酸化物被膜を容易に形成することが可能である。さらに加えて、本発明に係る塗布液に使用するバインダー成分またはコーティング液の成分として、オルガノシラザン溶液を用いるのも好ましい。
本発明に係る日射遮蔽体形成用分散液、および前記コーティング液の塗布方法は特に限定されない。例えば、スピンコート法、バーコート法、スプレーコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、ロールコート法、流し塗りなど、処理液を平坦かつ薄く均一に塗布する方法が好ましく適用できる。
また、例えば樹脂を基材とし、当該樹脂へ、上述した日射遮蔽用アンチモン錫酸化物微粒子または日射遮蔽体形成用分散液を練り込むときは、当該アンチモン含有酸化錫微粒子が樹脂中に均一に分散する方法であれば公知の方法を適宜選択すればよい。さらに、当該樹脂の融点付近の温度で溶融混合した後ペレット化し、公知の各方式で板状、シート状、またはフィルム状、等、種々の形状に成形することが可能である。当該樹脂としては、例えばPET樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
無機バインダーやコーティング膜として、珪素、ジルコニウム、チタン、もしくはアルミニウムの金属アルコキシドおよびその加水分解重合物を含む日射遮蔽体形成用分散液の塗布後の基材加熱温度は、100℃以上が好ましく、さらに好ましくは塗布液中の溶媒の沸点以上で加熱を行う。これは、基材加熱温度が100℃以上であると、塗膜中に含まれる金属アルコキシドまたは当該金属アルコキシドの加水分解重合物の重合反応が完結出来るからである。また、基材加熱温度が100℃以上であると、溶媒である水や有機溶媒が膜中に残留することがないので、加熱後の膜において、これら溶媒が可視光透過率低減の原因とならないからである。
日射遮蔽体形成用分散液に樹脂バインダーを添加した場合は、それぞれの樹脂の硬化方法に従って硬化させればよい。例えば、樹脂バインダーが紫外線硬化樹脂であれば、適宜、紫外線を照射すればよく、また、常温硬化樹脂であれば塗布後そのまま放置しておけばよい。この構成を採ると、既存の窓ガラスなどへの現場での塗布が可能である。
4.日射遮蔽体
上述したように、本発明に係る日射遮蔽体形成用分散液を用いて形成された日射遮蔽体は、可視光透過率60%以上80%以下のとき、波長域300〜2100nmの光に対する日射透過率が65%未満で、かつヘイズ値が1%未満である日射遮蔽特性を有する。
本発明に係る日射遮蔽体では、膜中にアンチモン含有酸化錫微粒子が分散している。この為、物理的成膜法により成膜された酸化物薄膜のように結晶が緻密に膜内を埋めた鏡面状表面をもつ膜に比べると、可視光領域での反射が少なく、ギラギラした外観を呈することが回避できる。ここで、可視光領域での反射をさらに抑制したい場合には、本発明のアンチモン含有酸化錫微粒子分散膜の上へ、SiOやMgFのような低屈折率の膜を成膜することにより、容易に視感反射率1%以下の多層膜を得ることができる。
本発明に係る日射遮蔽体へ、さらに紫外線遮蔽機能を付与させる場合には、分散液に無機系の酸化チタンや酸化亜鉛、酸化セリウムなどの微粒子、有機系のベンゾフェノンやベンゾトリアゾールなどの1種もしくは2種以上を添加するのも好ましい構成である。
以上詳述したように、本発明に係る日射遮蔽体形成用分散液は、焼成時の熱による塗布成分の分解あるいは化学反応を利用して目的の日射遮蔽体を形成するものではないため、特性の安定した均一な膜厚の日射遮蔽体を形成することができる。また、日射遮蔽効果を発揮するアンチモン錫酸化物微粒子は、無機材料であるので有機材料と比べて耐候性が非常に高く、例えば太陽光線(紫外線)の当たる部位に使用しても色や諸機能の劣化はほとんど生じない。
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、以下の各実施例および比較例において、用いているアンチモン錫酸化物微粒子a〜cの粉体色(標準光源D65、10o視野)や、当該各微粒子が分散された分散液を用
いて得られた日射遮蔽体A〜Eの光学特性については、日立製作所株式会社製の分光光度計U−4000を用いて測定した。
また、アンチモン錫酸化物微粒子a〜cのタップ密度は、ホソカワミクロン株式会社製のパウダーテスタPT−E型(タップ回数;200回)を用いて測定した。アンチモン錫
酸化物微粒子a〜cの比表面積は、カルロエルバ社製の装置を用いて窒素吸着法により測定した。さらに、日射遮蔽体のヘイズ値は、村上色彩技術研究所株式会社製HR−200を用いて測定した。測定結果は、一覧表として図1に示した。
[実施例1]
25℃の水340gにSnCl・5HOを55.74g溶解し、溶液とする。当該溶液へ、SbClを4.2g溶解したメタノール溶液12.7mlと、16%NHOH水溶液とを並行滴下する。当該並行滴下は、当該溶液のpHが7.5となるまで約25分間かけて行う。そして、当該並行滴下により沈殿物を生成させ、滴下終了後さらに10分間攪拌を継続する。
次に、この沈殿物をデカンテーションによって繰り返し洗浄する。当該デカンテーションは、洗浄液の上澄み部分の導電率が1mS/cm以下になるまで、繰り返し行う。当該
デカンテーションが完了したら、沈殿物を濾過する。
次に、濾過した沈殿物を無水のエチルアルコール溶液で湿潤処理した。当該湿潤処理の際、濾過した沈殿物:無水のエチルアルコール溶液の重量比を1:4の割合(アルコールの割合が80%相当)とし、濾過した沈殿物と無水のエチルアルコール溶液とを室温下で1時間攪拌することで湿潤処理し前駆体を得た。
当該湿潤処理の完了後に、当該前駆体を90℃で10時間乾燥させ、乾燥物を得た。得られた乾燥物を、大気雰囲気下700℃で1時間焼成してアンチモン錫酸化物微粒子aを得た。
当該アンチモン錫酸化物の微粒子aのタップ密度は1.39g/cmで、粉体色は、Lが55.0874、aが−3.8119、bが−8.0813で、比表面積は67.1m/gであった。
次に、当該微粒子aを25重量%、分散剤7.5重量%、トルエン67.5重量%とを混合したスラリーを、0.3mmのZrOビーズと共に媒体攪拌ミルに投入し、当該スラリーを2時間の連続循環による粉砕・分散処理することによって、微粒子aを含む分散液を調製した。この粉砕・分散処理後における、当該分散液内におけるアンチモン錫酸化物微粒子aの分散粒子径は110nmとなり、安定な分散液であった。
次に、得られた微粒子aを含む分散液75.0重量%とUV硬化樹脂25.0重量%とをよく混合し、日射遮蔽体形成用分散液aを調製した。
ここで、番手24のバーを用いて、膜厚50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上へ前記日射遮蔽体形成用分散液aを塗布した後、70℃で1分間の条件で高圧水銀ランプの紫外線を照射し、実施例1に係る日射遮蔽体Aを得た。
日射遮蔽体Aの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は70.0%、日射透過率は51.3%、ヘイズは0.7%であった。
[実施例2]
SnCl・5HOを溶解した溶液の温度を40℃とし、大気雰囲気下での焼成温度を800℃2時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行って、アンチモン錫酸化物微粒子bを製造し、さらに日射遮蔽体Bを製造した。
当該微粒子bのタップ密度は1.30g/cm、粉体色は、L52.1662、aが−3.2547、bが−4.4748、比表面積は34.3m/gであり、分散液内におけるアンチモン錫酸化物微粒子の分散粒子径は108.6nmであった。
日射遮蔽体Bの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は74.0%、日射透過率は55.7%、ヘイズは0.8%であった。
[実施例3]
濾過した沈殿物を、無水のエチルアルコール溶液で湿潤処理する際、濾過した沈殿物:無水エチルアルコール溶液の重量比を1:1(アルコールの割合が50%相当)とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、アンチモン錫酸化物微粒子cを製造し、さらに日射遮蔽体Cを製造した。
当該微粒子cのタップ密度は1.64g/cm、粉体色は、Lが45.5509、aが−2.4358、bが−5.9250、比表面積は65.3m/gであり、分
散液内におけるアンチモン錫酸化物微粒子の分散粒子径は119.1nmであった。
日射遮蔽体Cの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は70.8%、日射透過率は51.6%、ヘイズは0.9%であった。
[実施例4]
実施例1に係る日射遮蔽体形成用分散液aを、アンチモン錫酸化物の濃度が0.07重量%となるようにポリカーボネート樹脂へ添加した後、ブレンダー、二軸押し出し機で均
一に溶融混合した。そして当該溶融混合物を、Tダイを用いて厚さ2mmに押し出し成形し、アンチモン錫酸化物微粒子が樹脂全体に均一に分散した日射遮蔽体D(熱線遮蔽ポリカーボネートシート)を得た。
日射遮蔽体Dの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は72.0%、日射透過率は52.7%、ヘイズは0.5%であった。
[実施例5]
ポリカーボネート樹脂の替わりにポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行い、厚さ2mmに押し出し成形し、アンチモン錫酸化物微粒子が樹脂全体に均一に分散した日射遮蔽体E(熱線遮蔽ポリエチレンテレフタレートシート)を得た。当該日射遮蔽体Eと、グリーンガラス基板とを、間に0.76mm厚の中間膜用ポリビニルブチラールシートを挟み込んで接合し、合わせ構造体Rを作製した。
合わせ構造体Rの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は72.5%、日射透過率は52.0%、ヘイズは0.4%であった。
[比較例1]
スラリーの連続循環による粉砕・分散処理時間を0.7時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行って、日射遮蔽体形成用分散液fおよび日射遮蔽体Fを製造した。このとき、日射遮蔽体形成用分散液f中のアンチモン錫酸化物微粒子の分散粒子径は、150.0nmであった。
日射遮蔽体Fの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は76.80%、日射透過率は58.9%、ヘイズは2.7%であった。
[比較例2]
洗浄後の沈殿物をエチルアルコールによって湿潤処理しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行ってアンチモン錫酸化物微粒子dを得た。当該微粒子dのタップ密度は1.96g/cm、粉体色は、Lが41.1238、aが−1.1615、bが−3.9406で、かつ比表面積が66.3m/gであった。
次に、実施例1と同様の操作により、スラリーの連続循環による粉砕・分散処理を3.5時間行ったが、アンチモン錫酸化物微粒子dが沈降し易く、分散液の調製が困難であった。この結果、日射遮蔽体製造に至らなかった。
[比較例3]
アンチモン錫酸化物微粒子を添加せずに日射遮蔽体形成用分散液を製造した以外は、実施例1と同様の操作を行って日射遮蔽体Gを得た。
日射遮蔽体Gの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は88.3%、日射透過率は88.3%、ヘイズは0.4%であった。
[比較例4]
洗浄液の上澄みの導電率が45.0mS/cmとなる迄デカンテーションし、且つ、焼成温度を400℃とした以外は、実施例1と同様の操作を行ってアンチモン錫酸化物の微粒子eを得、さらに実施例1と同様の操作を行って日射遮蔽体Hを得た。
当該微粒子eのタップ密度は1.30g/cm、粉体色は、Lが57.1253、aが−2.6472、bが−2.5241で、比表面積は、118.9m/gであった。分散液内におけるアンチモン錫酸化物微粒子eの分散粒子径は、107.5nmであった。
日射遮蔽体Hの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は75.5%、日射透過率は68.0%、ヘイズは0.7%であった。
[比較例5]
洗浄液の上澄みの導電率が48.1mS/cmとなる迄デカンテーションした以外は、実施例1と同様にして操作して、アンチモン錫酸化物微粒子f、および日射遮蔽体Iを製造した。
当該アンチモン錫酸化物微粒子fのタップ密度は1.30g/cm、粉体色はLが、50.1527、aが−3.1606、bが−4.0117で、比表面積は、38.5m/gであり、分散液内におけるアンチモン錫酸化物微粒子の分散粒子径は111.3nmであった。
日射遮蔽体Iの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は74.0%、日射透過率は57.2%、ヘイズは1.1%であった。
[比較例6]
大気雰囲気下での焼成温度を1050℃とした以外は、実施例1と同様に操作して、アンチモン錫酸化物の微粒子g、および日射遮蔽体Jを製造した。
当該微粒子gのタップ密度は1.64g/cm、粉体色は、Lが58.9986、aが−2.8520、bが−6.0153で、比表面積が2.3m/gであり、分散液内におけるアンチモン錫酸化物微粒子の分散粒子径は122.5nmであった。
日射遮蔽体Jの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は74.0%、日射透過率は66.2%、ヘイズは2.3%であった。
[実施例6]
25℃の8.7%NHOH水溶液30mlへ、水297gにSnCl・5HOを11.62g溶解した溶液と、SbClを1.04g溶解したメタノール溶液30mlとを、約6分間かけて並行滴下した以外は、実施例1と同様にして操作して、アンチモン錫酸化物微粒子h、および、日射遮蔽体Kを製造した。
当該微粒子hのタップ密度は1.29g/cm、粉体色は、Lが52.1479、aが−3.3895、bが−5.0440で、比表面積が44.9m/gであり、分散液内におけるアンチモン錫酸化物微粒子の分散粒子径は103.2nmであった。
日射遮蔽体Kの光学特性を測定したところ、図1に示すように、可視光透過率は70.0%、日射透過率は47.6%、ヘイズは0.7%であった。
[評価]
図1は、上述したアンチモン錫酸化物微粒子a〜hのタップ密度、粉体色、比表面積、分散粒子径の結果と、当該アンチモン錫酸化物微粒子a〜hを用いて成膜した日射遮蔽体A〜Kの光学特性を測定した結果とを併記した一覧表である。
図1に示すように、タップ密度は1.85g/cm以下で、粉体色は、Lが40〜65、aが−5〜−1、bが−11〜−1で、かつ比表面積は5〜110m/gの
範囲にあるアンチモン錫酸化物微粒子a〜c、hを用いて成膜した日射遮蔽体A〜E、K(実施例1〜6)は、可視光透過率が60%以上80%以下における波長域300〜2100nmの光に対する日射透過率が65%未満で、かつヘイズ値が1%未満であった。
一方、アンチモン錫酸化物微粒子d〜g(比較例)のタップ密度はアンチモン錫酸化物微粒子dを除いて1.85g/cm以下で、粉体色は、いずれもLが40〜65、a
が−5〜−1、bが−11〜−1の範囲で、比表面積はアンチモン錫酸化物微粒子e、gを除いて5〜110m/gの範囲にあった。しかし、スラリーの連続循環による粉砕・分散処理時間を短縮したアンチモン錫酸化物微粒子aを用いて成膜した日射遮蔽体F(比較例1)は、分散粒子径が130nmを超えているために日射透過率は65%未満であるが、ヘイズ値は1%を超えるものであった。
一方、スラリーの連続循環による粉砕・分散処理時間は短縮しなかったが、アルコール溶液による湿潤処理を行わなかったアンチモン錫酸化物微粒子dを用いた場合、当該アン
チモン錫酸化物微粒子dのタップ密度が1.85を超えていた為に、分散液の製造が困難
で日射遮蔽体製造に至らなかった(比較例2)。
さらに、アンチモン錫酸化物微粒子の添加自体を行わなかった場合(比較例3)は、ヘイズ値が1%未満であるが、日射透過率は65%を超えるものであった。
洗浄液の上澄みの導電率が45.0mS/cmとなったところでデカンテーションを終了し、且つ、焼成温度を400℃としたアンチモン錫酸化物微粒子eは、比表面積が110m/gを超えていた。この為、当該アンチモン錫酸化物微粒子eを用いて成膜した日射遮蔽体H(比較例4)は、ヘイズ値は1%未満であるが、日射透過率は65%を超えるものであった。
焼成温度は700℃に戻したが、洗浄液の上澄みの導電率が48.10mS/cmとなる迄でデカンテーションを終了したアンチモン錫酸化物微粒子fを用いて成膜した日射遮蔽体I(比較例5)は、日射透過率は65%未満であるが、ヘイズ値は1%を超えるものであった。
大気雰囲気下での焼成温度を1050℃として製造したアンチモン錫酸化物微粒子gは、比表面積が5m/g未満となった。当該アンチモン錫酸化物微粒子gを用いて成膜した日射遮蔽体J(比較例6)は、日射透過率が65%を超え、且つ、ヘイズ値も1%を超えるものであった。
実施例および比較例に係る、アンチモン錫酸化物微粒子および日射遮蔽体の一覧表である。

Claims (16)

  1. タップ密度が、1.85g/cm以下であり、L表色系による粉体色Lが40〜65、aが−5〜−1、bが−11〜−1であり、かつ比表面積が5〜110m2/gの範囲にある日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法であって、
    50℃以下の錫化合物の溶液に、アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液とアルカリ溶液とを並行滴下して、錫とアンチモンとを含む水酸化物を生成して沈殿物とする工程と、
    前記沈殿物をデカンテーションし、洗浄液の電導度が1mS/cm以下となる迄、当該デカンテーションを行って濾過洗浄物を得る工程と、
    前記洗浄物をアルコール溶液で湿潤処理し、その後乾燥することによってアンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体を得る工程と、
    前記前駆体を焼成することにより、日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を得る工程と、
    を有することを特徴とする日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法。
  2. タップ密度が、1.85g/cm以下であり、L表色系による粉体色Lが40〜65、aが−5〜−1、bが−11〜−1であり、かつ比表面積が5〜110m/gの範囲にある日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法であって、
    50℃以下のアルカリ溶液に、錫化合物の溶液と、アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液とを並行滴下して、錫とアンチモンとを含む水酸化物を生成して沈殿物とする工程と、
    前記沈殿物をデカンテーションし、洗浄液の電導度が1mS/cm以下となる迄、当該デカンテーションを行って濾過洗浄物を得る工程と、
    前記洗浄物をアルコール溶液で湿潤処理し、その後乾燥することによってアンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体を得る工程と、
    前記前駆体を焼成することにより、日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を得る工程と、
    を有することを特徴とする日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法。
  3. 前記アンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体を、Si、Al、Zr、Tiから選択された1種以上の元素を酸化物換算で15重量%未満含有したアルコール溶液に浸漬処理した後、乾燥して、Si、Al、Zr、Tiから選択された1種以上の元素を含むアンチモン含有酸化錫微粒子前駆体を得る工程を具備することを特徴とする請求項1または2記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法。
  4. 前記アルコール溶液として、アルコールの割合が50wt%以上であるアルコール溶液を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法。
  5. 前記アンチモン含有酸化錫微粒子の前駆体を、500℃以上、1100℃未満の温度で焼成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法。
  6. 前記アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液とアルカリ溶液との並行滴下時間を、0.5分間以上、30分間以下とすることを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法。
  7. 前記錫化合物の溶液と、アンチモン化合物を溶解したアルコール溶液との並行滴下時間を0.5分間以上、30分間以下とすることを特徴とする請求項2に記載の日射遮蔽用ア
    ンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法。
  8. 前記日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の表面を、Si、Ti、Al、Zr、Yから選択される少なくとも1種類以上の元素を含む化合物で被覆することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の製造方法で製造された日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子と、溶媒とが混合され、当該混合後、媒体攪拌ミルで粉砕・分散され当該溶媒中における前記日射遮蔽用微粒子の分散粒子径が130nm以下であることを特徴とする日射遮蔽体形成用分散液。
  10. 請求項9に記載の日射遮蔽体形成用分散液であって、
    さらに、無機バインダー、樹脂バインダーから選ばれる1種以上のバインダーを含有することを特徴とする日射遮蔽体形成用分散液。
  11. 請求項1から8のいずれかに記載の製造方法で製造された日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子を含むことを特徴とする日射遮蔽体。
  12. 請求項9または10に記載の日射遮蔽体形成用分散液を用いて形成されたことを特徴とする日射遮蔽体。
  13. ガラスまたはプラスチック上に、請求項11または12に記載の日射遮蔽体が形成されたものであることを特徴とする日射遮蔽体。
  14. 基材となる樹脂へ、請求項1から8のいずれかに記載の日射遮蔽用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法により製造された日射遮蔽用アンチモン錫酸化物微粒子、または、請求項9または10に記載の日射遮蔽体形成用分散液を練り込んだ後、当該樹脂を、板状、シート状、またはフィルム状に成形したものであることを特徴とする日射遮蔽体。
  15. 請求項11から14のいずれかに記載の日射遮蔽体であって、当該日射遮蔽体の可視光透過率が60%以上80%以下であるとき、波長300〜2100nmの光の透過率が65%未満であり、かつ、当該日射遮蔽体のヘイズ値が1%未満であることを特徴とする日射遮蔽体。
  16. 請求項11から15のいずれかに記載の日射遮蔽体が、透明基材上に形成されていることを特徴とする日射遮蔽用基材。
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