JP2000154046A - 合わせガラスおよびこれに用いる樹脂中間層 - Google Patents

合わせガラスおよびこれに用いる樹脂中間層

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JP2000154046A
JP2000154046A JP10325604A JP32560498A JP2000154046A JP 2000154046 A JP2000154046 A JP 2000154046A JP 10325604 A JP10325604 A JP 10325604A JP 32560498 A JP32560498 A JP 32560498A JP 2000154046 A JP2000154046 A JP 2000154046A
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resin
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film
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Mitsuo Takeda
光生 武田
Yumiko Ueda
弓子 上田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた可視光透過性・無色透明性を有し、安
全性の高い紫外線赤外線非透過性合わせガラスと樹脂中
間層とを提供する。 【解決手段】 樹脂中間層は、軟質樹脂層と、下記の酸
化亜鉛系粒子を含有する膜が少なくとも1つの表面に形
成されたフィルムとを含むことを特徴とする。合わせガ
ラスは、少なくも2枚の透明板とこれら2枚の透明板の
間に挟まれた樹脂中間層とを含む合わせガラスにおい
て、前記樹脂中間層が前記本発明にかかる樹脂中間層で
あることを特徴とする。 酸化亜鉛系粒子:3価および/または4価をとる金属元
素(Md)とZnとを金属成分としX線回折学的に酸化
亜鉛結晶性を示し、2つの格子面(100)および(0
02)に対して、シェラー法(コーシー関数近似)を用
いて、垂直方向の結晶子の大きさDs(hkl)を求め
たとき、Ds(002)/Ds(100)<2を満足
し、ウィルソン法を用いて求めた、結晶子の大きさをD
wとするとき、1<Dw<30(nm)を満足する酸化
亜鉛系粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材用等に用いら
れる紫外線赤外線非透過性合わせガラスとこれに使用す
る樹脂中間層に関する。
【0002】
【従来の技術】少なくとも2枚のガラス板とこれら2枚
のガラス板の間に挟まれた樹脂中間層とを含み赤外線お
よび紫外線を遮蔽するための粒子を前記中間樹脂層中に
分散させている合わせガラスは、自動車、鉄道、航空機
等の乗り物窓ガラスや、建築用窓ガラス、防犯ガラス等
の建材用ガラスに用いられている。たとえば、特開平8
−217500号公報には、金属酸化物赤外線遮断剤と
有機系紫外線吸収剤を含有する軟質樹脂中間層を2枚の
ガラス板で挟んだ合わせガラスが開示されている。
【0003】公知のこの合わせガラスは、建材用ガラス
としては適したものではなく、赤外線遮断剤として酸化
スズや酸化インジウム等を用いているため高価であると
言う問題のほか、金属酸化物が有機系紫外線吸収剤と反
応してキレート化合物を生成し、中間層に着色を生じさ
せたり曇りを生じさせたりすると言う問題も有してい
た。公知のこの合わせガラスはまた、初期においてはま
ずまずの紫外線赤外線非透過性を有するものの、紫外線
吸収剤の作用が徐々に劣化するため耐久性が低いという
問題も有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、優れた可視光透過性・無色透明性
を有し、安全性の高い紫外線赤外線非透過性合わせガラ
スと樹脂中間層とを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、樹脂中間層内にフィ
ルムを設け、このフィルムの少なくとも1つの表面に先
に開発した単分散性の高い酸化亜鉛系粒子を含有する膜
を形成させれば、紫外線も赤外線も遮断できることを見
い出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明にかかる合わせガラス用
紫外線赤外線非透過性樹脂中間層は、軟質樹脂層と、下
記の酸化亜鉛系粒子を含有する膜が少なくとも1つの表
面に形成されたフィルムとを含むことを特徴とし、本発
明にかかる合わせガラスは、少なくも2枚の透明板とこ
れら2枚の透明板の間に挟まれた樹脂中間層とを含む合
わせガラスにおいて、前記樹脂中間層が前記本発明にか
かる樹脂中間層であることを特徴とする。
【0007】酸化亜鉛系粒子:3価および/または4価
をとる金属元素(Md)とZnとを金属成分としX線回
折学的に酸化亜鉛結晶性を示し、2つの格子面(10
0)および(002)に対して、シェラー法(コーシー
関数近似)を用いて、垂直方向の結晶子の大きさDs
(hkl)を求めたとき、 Ds(002)/Ds(100)<2 を満足し、ウィルソン法を用いて求めた、結晶子の大き
さをDwとするとき、 1<Dw<30 (nm) を満足する酸化亜鉛系粒子。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明にかかる合わせガラスは、
透明板と、透明板の間に挟まれた樹脂中間層とを含み、
樹脂中間層は、軟質樹脂層と、下記の酸化亜鉛系粒子を
含有する膜が少なくとも1つの表面に形成されたフィル
ムとを含む。そこで、以下では、まず、必須成分たる酸
化亜鉛系粒子と必要に応じて併用されるその他の粒子を
説明し、次に、樹脂中間層を説明し、最後に合わせガラ
スを説明する。 〔酸化亜鉛系粒子その他の粒子〕本発明において、酸化
亜鉛系粒子その他の粒子は、フィルムの少なくとも1つ
の表面に形成された膜に分散含有していて、赤外線や紫
外線を吸収する等して遮断する。
【0009】本発明において、以下に述べる酸化亜鉛系
粒子を必須粒子とするが、これ以外に、粒子全体の50
重量%未満の範囲で、酸化スズ系粒子(たとえば、Sb
(V)を0.1〜20モル%(対Sn)ドープしたSn
2)、酸化インジウム系粒子(たとえば、Sn(I
V)を0.1〜20モル%(対In)ドープしたIn2
3)、無水アンチモン酸亜鉛粒子、スズ酸カドミウム
粒子等の平均粒子径0.1μm以下の赤外線非透過性超
微粒子;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の平均
粒子径0.1μm以下の紫外線非透過性超微粒子等や、
ベンゾトリアゾール系化合物等の有機系紫外線吸収剤;
フタロシアニン系化合物等の赤外線(熱線)吸収性色素
等が、酸化亜鉛系粒子とともに併用されても良い。
【0010】本発明で必須粒子として用いられる酸化亜
鉛系粒子は、酸化亜鉛系粒子本来の紫外線を吸収するこ
とによる紫外線非透過性、可視光透過性に加えて、赤外
線(熱線)非透過性、導電性、無色透明性等を示し、分
散性が高い粒子である。酸化亜鉛系粒子は、3価および
/または4価をとる金属元素(Md)とZnとを金属成
分とする。Mdの含有量は、Znの総原子数に対するM
dの原子数の比で表して0.1〜20%であることが好
ましく、より好ましくは1〜10%、さらに好ましくは
2〜8%、最も好ましく3〜6%である。前記範囲を上
回ると組成、結晶サイズ等の均一性に富む微粒子となり
にくく、前記範囲を下回ると赤外線(熱線)非透過性が
不十分となる。
【0011】添加元素であるMdとしては、B、Al、
Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb等のII
IB族元素およびIVB族元素の他、Sc、Y、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、T
c、Re、Fe、Rv、Os、Rh、Ir、La、C
e、Sb等が挙げられる。これらのうちでも、Al、G
aおよびInから選ばれた少なくとも1種が好ましく、
導電性および赤外線(熱線)非透過性が高まる。相乗効
果によってそれぞれを単独で添加する場合よりも、無色
透明性、赤外線(熱線)非透過性および導電性がさらに
高くなるので、Mdは2種類以上からなると好ましく、
そのうちの少なくとも1種がAl、GaおよびInから
選ばれるとさらに好ましく、2種がAl、GaおよびI
nから選ばれると最も好ましい。
【0012】酸化亜鉛系粒子中のMd含有量について
は、特に限定はないが、好ましくは、Znに対し0.1
〜8原子%、さらに好ましくは0.4〜8原子%であ
る。Md含有量が0.1原子%未満であると、導電性お
よび赤外線(熱線)非透過性が低下するおそれがある。
他方、Md含有量が8原子%を超えると2次凝集しやす
くなり、分散性が低下するおそれがある。赤外線(熱
線)非透過性に優れた酸化亜鉛系粒子では、Md含有量
はZnに対し0.8〜5原子%である。
【0013】Mdが2種類からなる場合、Md合計含有
量については、Znに対し0.8〜5原子%であると好
ましい。Mdの一方をMd1、他方をMd2として、それ
ぞれの配合比率(Md1およびMd2の総原子量に対する
Md1の割合)は、好ましくは10〜90原子%であ
る。本発明では、紫外線透過端TIUVは、粉末拡散反射
率測定によって得られる350nmにおける反射率をR
(350)(%)として、反射率が〔R(350)+
2〕(%)となる波長と定義される。粉末拡散反射率測
定については、以下で詳述する。本発明で用いられる酸
化亜鉛系粒子では、好ましくはTIUV≧370nmであ
り、さらに好ましくはTIUV≧372nm、最も好まし
くはTIUV≧374nmである。TIUVが370nm未
満であると、紫外線非透過性が低下する。
【0014】本発明で用いられる酸化亜鉛系粒子では、
粉末拡散反射率測定によって得られる波長1000nm
での反射率をR(1000)とし、波長380〜780
nmでの最大反射率をR(λmax)としたとき、好まし
くはR(1000)/R(λm ax)<0.8である。こ
こで、R(1000)/R(λmax)をR(NIR)と
して、さらに好ましくはR(NIR)<0.6、最も好
ましくはR(NIR)<0.3である。R(NIR)が
0.8以上であると、膜等に含ませたときの赤外線(熱
線)非透過性が低下する。
【0015】本発明で用いられる酸化亜鉛系粒子では、
粉末拡散反射率測定によって得られる波長780nmで
の反射率をR(780)とし、波長380〜780nm
での最大反射率をR(λmax)としたとき、R(78
0)/R(λmax)>0.3であると好ましい。ここ
で、R(780)/R(λmax)をR(BL)として、
より好ましくはR(BL)>0.4、さらに好ましくは
R(BL)>0.6、特に好ましくはR(BL)>0.
8である。R(BL)が0.3以下であると、膜等に含
ませたときに透明であっても青く着色して、無色透明性
が低下するおそれがある。
【0016】本発明で用いられる酸化亜鉛系粒子が、後
述する酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bを必須
成分とする混合粒子の場合は、800kg/cm2の加
圧状態で測定した、この混合粒子の粉末抵抗ρBが、好
ましくはρB<1×109Ω・cmであり、さらに好ま
しくは1×103Ω・cm<ρB<1×107Ω・cmで
ある。混合粒子のρBが上記範囲にあると分散性に優
れ、透明性の高い膜が得られる。
【0017】酸化亜鉛系粒子は、X線回折学的に酸化亜
鉛結晶性を示すことが必要であり、酸化亜鉛系粒子の1
次粒子が2次凝集せずに分散していることが好ましい。
酸化亜鉛系粒子の分散粒径Ddは、透明感が高く、酸化
亜鉛系粒子を含む組成物の色相に実質的に影響を与えな
い点や、赤外線の遮蔽効率の点から0.5μm以下であ
ることが好ましい。より好ましくは0.1μm以下、さ
らに好ましくは0.05μm以下である。特に0.03
μm以下が好ましい。無色透明性と赤外線非透過性の点
から単分散性が高いことが好ましい。単分散性は、後述
の結晶子径DwとDdとの比R(Dd/Dw)で定義さ
れ、Rが4以下であることが好ましく、2以下であるこ
とがより好ましく、特に1.5以下が好ましい。
【0018】分散粒径Ddは、動的光散乱法、遠心沈降
法などにより測定することができる重量基準の平均粒子
径である。0.1μm未満の場合には前者の値を、0.
1μm以上の場合には後者の測定装置で測定される。酸
化亜鉛系粒子としては、ポリマーがマトリックスを構成
し、このマトリックス中に粒子が分散している形態のも
の(ポリマー複合体粒子)も含まれ、中空状であると光
拡散透過性に優れるものとなる。この粒子における酸化
亜鉛系粒子の含有量は特に限定されないが、酸化亜鉛換
算で複合体粒子全量に対して1〜90重量%の範囲であ
ることが望ましい。
【0019】複合化に用いられるポリマーとしては、ア
クリル樹脂系ポリマー、アルキド樹脂系ポリマー、アミ
ノ樹脂系ポリマー、ビニル樹脂系ポリマー、エポキシ樹
脂系ポリマー、ポリアミド樹脂系ポリマー、ポリイミド
樹脂系ポリマー、ポリウレタン樹脂系ポリマー、ポリエ
ステル樹脂系ポリマー、フェノール樹脂系ポリマー、オ
ルガノポリシロキサン系ポリマー、アクリルシリコーン
樹脂系ポリマー、ポリアルキレングリコール等の他、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリ
マー、ポリスチレン系ポリマー、フッ素樹脂系などの熱
可塑性または熱硬化性樹脂;エチレン−プロピレン共重
合ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴムなどの合成ゴムや天然ゴム;ポリシロキサン
基含有ポリマー等を挙げることができる。
【0020】複合体粒子の形状としては、球状又は楕円
球状であることが好ましい。粒子の外形状とは無関係
に、表面が凹凸性に富むことが好ましい。表面に凹凸が
あると、複合体粒子を含む膜等においてバインダー成分
等との親和性が高くなるためである。複合体粒子の平均
粒子径としては、特に限定されないが、通常、0.00
1〜10μmの範囲である。
【0021】酸化亜鉛系粒子は、1価または2価の金属
元素MaをMdに対するMaの原子比で、0.0001
≦Ma/Md≦1の範囲で含むことが好ましい。0.0
01≦Ma/Md≦0.4の範囲であることがより好ま
しい。また亜鉛に対する原子比で、0.0001〜2%
の範囲であることが好ましい。Maの存在効果は、Zn
O結晶中にMdを均質に(よりモノメリックな状態で)
含有させ、しかも結晶表面を安定化し、2次凝集や粗大
な結晶成長を抑制する点にある。したがって、単分散性
の高い微細な結晶となり、Md量を多くして無色透明性
に優れながら赤外線非透過性を向上させることも可能と
なる。Ma量が少なすぎると効果が発現せず、Ma量が
多すぎると、該粒子を含有する膜の耐候性が低下する場
合がある。1価または2価の金属元素Maとは、アルカ
リ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素であ
り、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セ
シウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、スト
ロンチウム、バリウム等が挙げられる。これらのうちで
も、アルカリ土類金属元素が好ましい。
【0022】酸化亜鉛系粒子は、Fを除くハロゲン元素
(すなわち、塩素Cl、臭素Br、ヨウ素I)のイオン
および/または原子と、硫酸根SO4 2-および硝酸根N
3 -(以下、不純物Hと言うことがある)との合計含有
量が、亜鉛に対する原子数(ただし、硫酸根の場合はS
の原子数、硝酸根の場合はNの原子数として計算する)
比で0.5%以下であることが好ましい。より好ましく
は0.1%以下、さらに好ましくは0.01%以下、特
に好ましくは0.001%以下である。これには、不純
物Hを全く含まない場合も含む。不純物Hを含有しない
か、含有する場合にでもこの範囲を越えない場合にの
み、赤外線非透過性に優れた粒子となり得る。
【0023】従来、微粒子の大きさや無色透明性等の尺
度として、電子顕微鏡で測定される粒子径や比表面積径
が1次粒子径として用いられているが、結晶性酸化亜鉛
に特有の回折ピークである、格子面(100)、(00
2)、(101)に回折ピークを示し、以下の結晶子パ
ラメータを満たす場合に、可視光透過性が良好で、着色
が抑制され、無色透明性が高くなることが明らかになっ
た。
【0024】酸化亜鉛系粒子は、シェラー法(Sche
rrer法)でコーシー関数近似(Cauchy関数近
似)を用いて、各回折面(hkl)に対して垂直方向の
結晶子の大きさDs(hkl)を求めたとき、Ds(0
02)/Ds(100)<2を満足し、好ましくはDs
(002)/Ds(100)<1.2、より好ましくは
Ds(002)/Ds(100)<1.1、さらに好ま
しくは0.2<Ds(002)/Ds(100)<1.
0、最も好ましくは0.4<Ds(002)/Ds(1
00)<0.8を満足する。この範囲にある場合に、可
視光透過性および無色透明性に優れるためである。
【0025】Ds(002)については、特に限定はな
いが、好ましくは1nm<Ds(002)<30nm、
さらに好ましくは5nm<Ds(002)<20nm、
最も好ましくは5nm<Ds(002)<15nmであ
る。そして、Wilson法を用いて求めた結晶子の大
きさをDwとするとき、1nm<Dw<30nmであ
り、好ましくは5nm<Dw<20nm、さらに好まし
くは5nm<Dw<15nmの範囲である。Dwが小さ
すぎると紫外線非透過性および赤外線非透過性が低下
し、大きすぎると無色透明性が低下する。Dwが前記範
囲にある場合に、無色透明性、赤外線非透過性および紫
外線非透過性に優れたものとなる。
【0026】Wilson法を用いて求めた結晶子の格
子歪みをAwとするとき、0%≦Aw≦1%を満足する
と好ましく、0%≦Aw≦0.5%を満足するとさらに
好ましい。Awが前記範囲にあるときには、Mdがより
モノメリックに含有されているためと考えられるが、赤
外線非透過性が最も高くなる。本発明で用いられる酸化
亜鉛系粒子の形状、粒子径等のモルフォルジーは特に限
定されない。
【0027】形状の具体例としては、球状、楕円球状、
立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒
状、筒状、りん片状、(六角)板状等の薄片状などが例
示されるが、結晶子形態が上述の範囲にあること、すな
わち、薄片性を帯びていることが好ましい。本発明で用
いられる酸化亜鉛系粒子は、カルボン酸(残)基を含有
していると好ましい。本発明でいうカルボン酸(残)基
とは、−COO−基を意味し、具体的には、カルボキシ
ル基(−COOH)、カルボキシレート基(−CO
-)、加水分解によってカルボキシル基および/また
はカルボキシレート基を生成するエステル基等のことで
ある。
【0028】カルボン酸(残)基は、吸着および/また
は化学結合等して酸化亜鉛系粒子の表面に存在すること
によって、2次凝集が抑えられて分散性が向上し、成膜
用組成物等としたときに透明性が高くなる。カルボン酸
(残)基としては、飽和脂肪酸(残)基が好ましく、炭
素数1〜4の脂肪酸(残)基がさらに好ましく、アセト
キシ基(CH3COO−)が最も好ましい。
【0029】カルボン酸(残)基の含有量は、好ましく
はZnに対するモル比で0.01〜7%、さらに好まし
くは0.1〜4%である。カルボン酸(残)基が粒子表
面に存在することで、2次凝集が抑えられ、無色透明性
が高くなるとともに、紫外線非透過性および赤外線(熱
線)非透過性に優れるようになる。一方、カルボン酸
(残)基が多すぎると、赤外線非透過性が低下する。カ
ルボン酸(残)基量が前記範囲にあるときに単分散性と
赤外線非透過性能の両方に優れたものとなる。また、酸
化亜鉛系粒子は炭酸基をZnOに対する重量比で10%
以下、好ましくは3%以下の範囲で含有していてもよ
い。
【0030】本発明で用いられる酸化亜鉛系粒子として
は、800kg/cm2の加圧状態で測定した粉末抵抗
ρBが1×105Ω・cm未満である酸化亜鉛系粒子A
と、800kg/cm2の加圧状態で測定した粉末抵抗
ρBが5×105Ω・cm以上である酸化亜鉛系粒子B
とを必須成分とする混合粒子が好ましい。酸化亜鉛系粒
子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bの合計量に対する酸化亜鉛
系粒子Aの配合割合については、特に限定はないが、好
ましくは5〜95重量%、より好ましくは10〜90重
量%、さらに好ましくは20〜60重量%、最も好まし
くは30〜45重量%である。
【0031】本発明で用いられる酸化亜鉛系粒子は、表
面処理剤で表面処理されているものであってもよい。表
面処理剤は、有機化合物、無機化合物のいずれであって
もよく、電子伝導性化合物、非電子伝導性化合物を挙げ
ることができる。電子伝導性化合物としては、たとえ
ば、Re、In、Sn、Zn、Ni、Fe、Ti、Sb
等の金属元素の(水)酸化物や、ドーパントをさらに有
する(水)酸化物(たとえば、酸化スズにSb、酸化イ
ンジウムにSn、酸化亜鉛にAl等)等の電子伝導性を
有する(水)酸化物等の電子伝導性金属(水)酸化物;
電子伝導性有機ポリマー等を挙げることができる。
【0032】非電子伝導性化合物としては、たとえば、
無機物が好ましく、たとえば、Al、Si、Zr、M
g、Ca、La、Y、Be、Sr、Ba等の金属元素の
(水)酸化物等の非電子伝導性を有する金属元素の
(水)酸化物を挙げることができる。ここでいう、
(水)酸化物には、水酸化物モノマー、水酸化物オリゴ
マー、水酸化物ポリマーや、加水分解や結合形成等によ
って、水酸化物モノマー、水酸化物オリゴマー、あるい
は水酸化物ポリマー等を形成し得るアルコキシ基や金属
カルボン酸(残)基を残した状態で金属−O−Znの結
合等によって酸化亜鉛表面に付着しているものも含まれ
る。
【0033】酸化亜鉛系粒子Aは、Re、In、Sn、
Sb等の金属元素の(水)酸化物等の電子伝導性化合物
で処理されたものであると好ましく、粉末抵抗ρBが低
下する。他方、酸化亜鉛系粒子Bは、非電子伝導性化合
物で処理されたものであると好ましく、粉末抵抗ρBが
高くなる。特に、Al、Si、Zrの化合物で処理され
た酸化亜鉛系粒子Bは、耐侯性が向上する。
【0034】表面処理剤としては、たとえば、金属アル
コキシド、カルボン酸塩およびこれらの加水分解縮合
物;有機ケイ素化合物、有機スズ化合物等の有機金属化
合物;金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩等を挙げることが
できる。表面処理は、粒子を表面処理剤で処理した後、
加熱すること等によって行われる。表面処理剤の表面処
理量については、特に限定はないが、酸化亜鉛系粒子に
含まれる亜鉛に対し、金属元素が0.1〜20原子%で
あると好ましくは、さらに好ましくは、0.5〜12原
子%、最も好ましくは1〜8原子%である。
【0035】表面処理剤としては、耐候性付与の目的か
らは、金属カルボン酸塩および金属アルコキシドより選
ばれた少なくとも1種が好ましい。金属カルボン酸塩お
よび金属アルコキシド中の金属元素としては、表面処理
された酸化亜鉛系粒子Aおよび酸化亜鉛系粒子Bで用い
られる表面処理剤(電子伝導性化合物、非電子伝導性化
合物)に含まれる金属元素が好ましい。
【0036】金属カルボン酸塩としては、カルボン酸塩
が好ましい。また、金属アルコキシドとしては、下記一
般式(1)で示される化合物が好ましい。 Ma(ORam-nb m (1) (但し、Maは、金属原子;Raは、水素原子、置換され
ていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アシル
基、アラルキル基、アリール基から選ばれた少なくとも
1種;Rbは、水素原子、置換されていてもよいアルキ
ル基、シクロアルキル基、アシル基、アラルキル基、ア
リール基、不飽和脂肪族残基から選ばれた少なくとも1
種;nは、金属原子Maの価数であり、2、3または
4;mは、0〜3の範囲の整数である。) 一般式(1)中、Raが、水素原子および/または置換
されていてもよいアルキル基であり、Rbが、置換され
ていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アシル
基、アラルキル基、アリール基、不飽和脂肪族残基から
選ばれた少なくとも1種であるものが好ましく、R
1が、水素原子および炭素数1〜4のアルキル基から選
ばれた少なくとも1種であると、さらに好ましい。ま
た、Maは、アルミニウム、ジルコニウム、シリコンが
好ましく、シリコンがさらに好ましく、耐候性が付与さ
れるようになる。
【0037】金属アルコキシドおよびその(部分)加水
分解縮合物等の誘導体中の縮合度(1分子中のMa−O
結合数)は、好ましくは、1〜1000である。金属ア
ルコキシドの配合組成としては、Maが価数Nの場合、
モル比でMa(ORaN:Ma(ORaN-1b 1:M
a(ORaN-2b 2=100:0〜10000:0〜1
000であるのが好ましい。
【0038】本発明で用いられる酸化亜鉛系粒子を製造
する方法については、特に限定されないが、好ましいも
のとして、たとえば、亜鉛化合物および/またはその加
水分解縮合物と、3価および/または4価をとる金属元
素(Md)の化合物および/またはその加水分解縮合物
と、アルコールとを混合して得られる溶液から酸化亜鉛
系粒子を析出させる、酸化亜鉛系粒子の製造方法におい
て、前記溶液は、亜鉛化合物として下記一般式(I)で
示される化合物が用いられ、MdがZnに対し0.1〜
20原子%となり、水分量がZnに対しモル比で4以下
になるように調製されていることを特徴とする製造方法
を挙げることができる。
【0039】 Zn(O)k(OCOR)x(OH)y(OR’)z (I) (但し、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた少なく
とも1種;R’は、アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基から選ばれた少なくとも1
種;k、x、yおよびzは、k=(2−x−y−z)/
2、x+y+z≦2、0<x≦2、0≦y<2、0≦z
<2を満たす。) 上記製造方法で得られた粒子について、表面処理剤で表
面処理を行って、酸化亜鉛系粒子を製造してもよい。酸
化亜鉛系粒子Bは、たとえば、この表面処理を行うこと
により得られる。 〔樹脂中間層〕本発明にかかる樹脂中間層は、軟質樹脂
層と、前述の酸化亜鉛系粒子を含有する膜が少なくとも
1つの表面に形成されたフィルムとを含む層である。
【0040】本発明の樹脂中間層に用いられる軟質樹脂
層は、必須成分として、ポリビニルブチラール系、ポリ
ウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル重合体系等の軟質樹脂
や硬質樹脂等の樹脂と、可塑剤とを含み、必要に応じ
て、接着調整剤を含む層である。軟質樹脂層の膜厚は、
好ましくは0.01〜5mmであり、さらに好ましくは
0.02〜1mmである。透明板がガラスの場合は、さ
らに好ましくは0.1〜2mmであり、最も好ましくは
0.5〜1mmである。他方、透明板が有機樹脂板の場
合は、さらに好ましくは0.02〜1mmである。
【0041】本発明の樹脂中間層に用いられるフィルム
は、基材となるフィルム(基材フィルム)の少なくとも
1つの表面に、前述の酸化亜鉛系粒子を含有する膜が形
成されたフィルムである。このフィルムは、以下に述べ
る成膜用組成物から得られる被膜を基材フィルムに形成
してなるものである。成膜用組成物は、上記した酸化亜
鉛系粒子と、バインダー成分とを含む組成物である。こ
の成膜用組成物は、酸化亜鉛系粒子を含むため、紫外線
非透過性や赤外線(熱線)非透過性に優れるとともに、
分散性、無色透明性および可撓性の高い被膜を得ること
ができる。また、酸化亜鉛系粒子が、酸化亜鉛系粒子A
および酸化亜鉛系粒子Bを必須成分とする混合粒子であ
ると、耐侯性がさらに高い被膜を得ることができる。
【0042】成膜用組成物に用いられるバインダー成分
としては、熱可塑性または熱硬化性(熱硬化性、紫外線
硬化性、電子線硬化性、湿気硬化性、これらの併用等も
含む)の各種合成樹脂や天然樹脂等の有機系バインダー
や、無機系バインダー等を挙げることができる。合成樹
脂としては、たとえば、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ビ
ニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、シリ
コーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、液状ポリブタジエン、クマロン樹脂等を挙げ
ることができ、これらが1種または2種以上使用され
る。天然樹脂としては、たとえば、セラック、ロジン
(松脂)、エステルガム、硬化ロジン、脱色セラック、
白セラック等を挙げることができ、これらが1種または
2種以上使用される。
【0043】合成樹脂として、エチレン−プロピレン共
重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等の天
然または合成のゴム等を用いてもよい。合成樹脂と併用
する成分として、硝酸セルロース、セルロースアセテー
トブチレート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース等を挙げることができる。
【0044】成膜用組成物に用いられるバインダー成分
の形態については、特に限定はなく、溶剤可溶型、水溶
性型、エマルション型、分散型(水/有機溶剤等の任意
の溶剤)等を挙げることができる。水溶性型のバインダ
ー成分としては、たとえば、水溶性アルキド樹脂、水溶
性アクリル変性アルキド樹脂、水溶性オイルフリーアル
キド樹脂(水溶性ポリエステル樹脂)、水溶性アクリル
樹脂、水溶性エポキシエステル樹脂、水溶性メラミン樹
脂等を挙げることができる。
【0045】エマルション型のバインダー成分として
は、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合ディ
スパージョン;酢酸ビニル樹脂エマルション、酢酸ビニ
ル共重合樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂エマルション、アクリル酸エステル(共)重合樹
脂エマルション、スチレン−アクリル酸エステル(共)
重合樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、ウ
レタン樹脂エマルション、アクリル−シリコーンエマル
ション、フッ素樹脂エマルション等を挙げることができ
る。
【0046】無機系バインダーとしては、シリカゾル、
アルカリケイ酸、シリコンアルコキシド等の金属アルコ
キシド、これらの(加水分解)縮合物、リン酸塩等を挙
げることができる。成膜用組成物中の酸化亜鉛系粒子の
割合は、酸化亜鉛系粒子およびバインダー成分の固形分
合計量に対して0.1〜99重量%であり、好ましくは
10〜90重量%である。酸化亜鉛系粒子の割合が0.
1重量%未満であると、紫外線非透過性や赤外線(熱
線)非透過性が低下する。他方、酸化亜鉛系粒子の割合
が90重量%を超えると、透明性および可撓性が低下す
る。成膜用組成物に含まれる酸化亜鉛系粒子が導電性で
あり、成膜用組成物中の酸化亜鉛系粒子の割合は、酸化
亜鉛系粒子およびバインダー成分の固形分合計量に対し
て、さらに好ましくは20〜60重量%であり、最も好
ましくは30〜45重量%である。
【0047】成膜用組成物は、酸化亜鉛系粒子とバイン
ダー成分とを必須成分として含み、これら以外に要求性
能に従って、架橋剤等の硬化剤;硬化助剤等の硬化触
媒;可塑剤;消泡剤・レベリング剤;チクソトロピック
剤;艶消し剤;界面活性剤;難燃剤;顔料湿潤剤・分散
剤;滑剤;紫外線吸収剤;光安定剤;酸化防止剤;その
他(熱)安定剤;防腐剤;防かび剤;防藻剤;防食・防
錆剤;染料;顔料等の添加剤を含有するものでもよい。
【0048】成膜用組成物が光安定剤を含むものである
と、得られるフィルムの耐候性が向上する。成膜用組成
物が硬化剤としてポリイソシアネートを含むものである
と、汎用性が高い。また、成膜用組成物の硬化方法につ
いては、経済的に加熱硬化法が好ましい。成膜用組成物
は、溶媒を含むものでもよく、成膜用組成物の使用目的
やバインダー成分の種類によって適宜選択される。溶媒
としては、たとえば、アルコール類、脂肪族および芳香
族カルボン酸エステル類、ケトン類、エーテル類、エー
テルエステル類、脂肪族および芳香族炭化水素類、ハロ
ゲン化炭化水素類等の有機系溶剤;水;鉱物油;植物
油、ワックス油、シリコーン油等を挙げることができ、
これらが1種または2種以上使用される。
【0049】成膜用組成物の製造方法としては、たとえ
ば、有機溶剤に酸化亜鉛系粒子を添加しスラリー化した
後、この酸化亜鉛系粒子を含むスラリーに、バインダー
成分を混合して成膜用組成物を製造する方法等を挙げる
ことができる。基材フィルムに用いられる樹脂の材質と
しては、特に限定はなく、たとえば、LDPE、HDP
E、アモルファスポリエチレン、OPP(延伸ポリプロ
ピレン)、CPP(結晶化ポリプロピレン)等のポリプ
ロピレン、ポリイソブチレンなどのポリオレフィン系;
EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)系;ポリスチ
レン系;軟質又は硬質ポリ塩化ビニル;EVOH(エチ
レン・ビニルアルコール共重合体)系;PVA系(ビニ
ロン系);PVDC系(ポリ塩化ビニリデン);ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リブチレンナフタレート等のポリエステル系;ポリカー
ボネート系;ポリウレタン系;ポリアミド系;ポリイミ
ド系;ポリアクリロニトリル系;ポリサルフォン系;ポ
リエーテルサルフォン系;ポリフェニレンサルファイド
系;ポリアリレート系;ポリエーテルイミド系;アラミ
ド系;(メタ)アクリル系;ポリエーテルエーテルケト
ン系;テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テ
トラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重
合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロ
エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、
テトラフルオロエチレン・ペルフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロ
エチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ペルフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオ
ロエチレンなどのフッ素系樹脂等を挙げることができ
る。
【0050】光学レンズ等の極めて高度な可視光透過
性、透明性が要求される用途で用いる場合には、基材フ
ィルムの材質として、PMMA、MMA−スチレンラン
ダム共重合体、ポリカーボネート、透明ポリプロピレ
ン、MMAとα−メチルスチレンまたはシクロヘキシル
メタクリレート等の共重合体、ABS樹脂のMMA変性
タイプ、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリサルフォ
ン、ポリエーテルサルフォン、透明エポキシ樹脂、ポリ
−4−メチルペンテン−1、フッ素化ポリイミド、非晶
質フッ素樹脂、透明フェノキシ樹脂、非晶質ナイロン樹
脂、フルオレン系等の各種樹脂を使用することができ
る。
【0051】また、廃棄処理問題から、生分解性に対す
る要求に応えるものとして、生分解性樹脂を基材フィル
ムとして用いることは今後ますます重要になる。このよ
うな場合、基材フィルムの材質として、たとえば、ポリ
−3−ハイドロキシ酪酸エステル、キチン・キトサン
系、ポリアミノ酸系、セルロース系、ポリカプロラクト
ン系、アルギン酸系、ポリビニルアルコール系、脂肪族
ポリエステル系、糖類系、ポリウレタン系、ポリエーテ
ル系などの生分解性プラスチック等を用いることが好ま
しい。
【0052】基材フィルムとしては、上記基材に予め紫
外線吸収膜を配したものや、成膜用組成物から得られる
被膜と基材との密着性などを高める目的で、プライマー
層等を予め配したものものでもよい。基材フィルムの膜
厚については、特に限定はなく、好ましくは5〜500
μm、さらに好ましくは10〜200μmである。
【0053】基材フィルムは、その透明性が高いものが
好ましく、そのヘイズは好ましくは3%以下、さらに好
ましくは1%以下である。成膜用組成物を基材フィルム
表面に塗布する方法については、特に限定はなく、ディ
ッピング法、ロールコーター法、フローコート法、スク
リーン印刷法、バーコーター法、スピンコーター法、刷
毛塗り法、スプレー法等を挙げることができる。
【0054】成膜用組成物を塗布した後、耐水性、耐溶
剤性、耐酸、耐アルカリ等の耐薬品性、耐擦傷性等の物
性を向上させるために、熱硬化(室温硬化を含む)、湿
気硬化、紫外線硬化、電子線硬化等の方法で硬化させる
ことが好ましい。成膜用組成物から得られる被膜の乾燥
膜厚については、特に限定はなく、好ましくは0.1〜
60μm、さらに好ましくは5〜35μm、最も好まし
くは10〜25μmである。
【0055】成膜用組成物を塗布・成膜した後、耐水
性、耐溶剤性、耐酸、耐アルカリ等の耐薬品性、耐擦傷
性等の点から、熱硬化(室温硬化を含む)、湿気硬化、
紫外線硬化、電子線硬化等の硬化方法で硬化膜とするこ
とが好ましい。得られるフィルムに十分な赤外線(熱
線)非透過性を付与するためには、被膜中に酸化亜鉛系
粒子が5〜15g/m2となるように成膜用組成物を基
材フィルムに塗布するのが好ましい。
【0056】成膜用組成物から得られる被膜のヘイズに
ついては、特に限定はないが、好ましくは3%以下、さ
らに好ましくは1%以下、最も好ましくは0.5%以下
である。ヘイズは、濁度計で測定して得られた値であ
る。本発明の樹脂中間層に用いられるフィルムは、用
途、要求特性等に応じてさらに加工されたものでもよ
く、基材フィルムと接しない被膜の表面、および/また
は、被膜と接しない基材フィルムの表面に、離型性、粘
着性、接着性等を調整するための処理層や保護層(耐擦
傷性付与のためのハードコート膜等)を形成したもので
もよく、他のフィルムとラミネートしたラミネートフィ
ルムであってもよい。
【0057】本発明の樹脂中間層に用いられるフィルム
の紫外線透過率については、特に限定はないが、好適に
は50%以下、さらに好適には10%以下である。紫外
線透過率は、JIS R 3106記載の装置および測
定方法で得られた値である。本発明の樹脂中間層に用い
られるフィルムの可視光線透過率については、特に限定
はないが、好適には70%以上、さらに好適には75%
以上、最も好適には80%以上である。可視光線透過率
は、波長範囲380〜780nmで測定し、JIS R
3106記載の装置、測定方法および計算方法で得ら
れた値である。
【0058】本発明の樹脂中間層に用いられるフィルム
のヘイズについては、特に限定はないが、好適には5%
以下、さらに好適には2%以下、最も好適には1%以下
である。ヘイズは、濁度計で測定して得られた値であ
る。本発明の樹脂中間層に用いられるフィルムの耐侯性
は、JIS B 7753−93に記載のサイシャイン
カーボンアーク灯式耐光性および耐候性試験機を用い
て、促進耐候性試験を行って、初期100時間後のヘイ
ズ値および色相を基準にして、さらに240時間試験後
のヘイズ値および色相を比較した場合、ヘイズの変化が
2%未満であると好ましく、着色(変色)がないとさら
に好ましい。
【0059】本発明の樹脂中間層の詳しい構成について
は、後述する。 〔合わせガラス〕本発明にかかる合わせガラスは、少な
くも2枚の透明板を備え、図1に見るように、これら2
枚の透明板1、1の間に樹脂中間層2が挟まれてなる。
樹脂中間層2は、前述のフィルム4と軟質樹脂層5から
構成されている。フィルム4は、上記酸化亜鉛系粒子を
含有する膜が少なくとも1つの表面に形成されており、
成膜用組成物から得られる被膜を基材フィルム表面に形
成してなるものである。本発明の合わせガラスは、樹脂
中間層2がフィルム4を含むため、合わせガラスが破損
した時に透明板1の破片の飛散は防止され、その安全性
は高い。
【0060】樹脂中間層2は、その層方向に配置されフ
ィルム4を含み、図1に示されるように、その表面にフ
ィルム4が配置されているものでもよく、フィルム4が
2つの軟質樹脂層5、5の間に挟まれて樹脂中間層2の
内部に配置されているものでもよい(図示せず)。透明
板1については、特に限定はなく、ガラス板であっても
よく、アクリル板、ポリカーボネート板等の有機樹脂板
であってもよい。これらの透明板が、たとえば、熱線反
射ガラスのように熱性および/または紫外線の遮断機能
をもったものであってもよい。
【0061】本発明にかかる合わせガラスは、特に限定
はしないが、好適には70%以上、より好適には75%
以上、最も好適には80%以上の可視光透過率を有す
る。可視光透過率は、波長380〜780nmの範囲に
ついて測定し、JIS R 3106−1985記載の
方法にしたがって、各波長範囲の分光透過率と各波長の
重価係数を用いて計算された値である。ここで、分光透
過率は、JIS R 3106−1985の3.2項お
よび4.2項に記載された条件を満足する分光測定器を
使用して得られるものであり、分光測定率の測定には、
簡易的には、たとえば、積分球付属装置(ISR−31
00、島津製作所社製)を試料室に取り付けた自記分光
光度計(UV−3100)を使用することができる。
【0062】本発明にかかる合わせガラスは、特に限定
はしないが、好適には3%未満、より好適には2%未
満、最も好適には1%未満のヘイズ値を有する。ヘイズ
値は透明性の程度を示し、濁度計で測定された値であ
る。本発明にかかる合わせガラスは、特に限定はしない
が、波長360nm以下の紫外線を遮断すること(波長
360nm以下での透過率が5%以下となること)が好
ましく、波長370nm以下の紫外線を遮断すること
(波長370nm以下での透過率が5%以下となるこ
と)がさらに好ましい。
【0063】本発明にかかる合わせガラスは、特に限定
はしないが、70%以下、より好適には60%以下、最
も好適には50%以下の赤外線透過率を有する。赤外線
透過率は、波長800〜1800nmの範囲の光の分光
透過率と各波長の重価係数(日射透過率を計算する際に
用いるのと同じ重価係数)とを用いて、JIS R31
06−1985記載の方法に準じて計算された値であ
る。
【0064】本発明にかかる合わせガラスは、従来の合
わせガラスと同様、紫外線および赤外線(熱線を含む)
を透過させにくく、たとえば、自動車や電車等の窓材
や、建築物の窓材等に利用される。
【0065】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例と併せて示
すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」を意
味する。本実施例における評価等は次の手法により行っ
た。 1.酸化亜鉛系粒子の評価 <粉末試料の作製法>得られた分散体中の微粒子を遠心
分離操作によって分離した後、メタノールによる洗浄、
さらにアセトンによる洗浄を充分行った後、30℃で1
日真空乾燥し、さらに80℃にて1日真空乾燥し、揮発
成分を完全に除去して微粒子の粉末を得、これを粉末試
料とした。 <カルボン酸(残)基含有量(アセトキシ基含有量)>
粉末試料1gを0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液に
混合し、3日間攪拌した後、遠心分離操作によって得た
上澄みをイオンクロマト分析することによって測定し
た。 <結晶性>粉末X線回折により評価した。 <結晶子径Ds(hkl)、Dw>粉末試料の粉末X線
回折測定を行い求めた。
【0066】Ds(hkl):Scherrer法(C
auchy関数近似による)によって、得られる各回折
面(hkl)に対して垂直な方向の結晶子径 Dw:Wilson法を用いて求めた結晶子の大きさ及
び格子歪 <不純物Hの量>F以外のハロゲン元素含有量は、粉末
試料の蛍光X線分析により、硝酸根、硫酸根含有量はア
セトキシ基含有量の分析と同様にしてイオンクロマト分
析により求めた。 <紫外線非透過性>粉末化した試料に関して、拡散反射
率測定を行い、波長範囲300〜400nmにおいて反
射率が実質的に0%となる350nmにおける反射率を
R(350)(%)として、反射率が〔R(350)+
2〕(%)となる波長を紫外線透過端TIUVとした。拡
散反射率測定は、積分球付属装置((株)島津製作所製
のISR−3100)を試料室に取り付けた自記分光光
度計((株)島津製作所製のUV−3100)を用いて
行った。紫外線非透過性は、以下の評価基準にしたがっ
て評価した。 ◎:TIUV≧374nm ○:370nm≦TIUV<374nm ×:TIUV<370nm <赤外線(熱線)非透過性>粉末拡散反射率測定によっ
て得られる波長1000nmでの反射率をR(100
0)とし、波長380〜780nmでの最大反射率をR
(λmax)としたとき、R(NIR)=R(1000)
/R(λmax)を計算した。 <無色性>粉末拡散反射率測定によって得られる波長7
80nmでの反射率をR(780)とし、波長380〜
780nmでの最大反射率をR(λmax)としたとき、
R(BL)=R(780)/R(λmax)を計算した。 <単分散度>粒子の生成反応により得られた分散液につ
いて、以下の測定装置および測定方法による動的光散乱
法で数平均粒径Ddnを求め、Dwに対する比率(r=
Ddn/Dw)により、以下の評価基準にしたがって評
価した。
【0067】測定装置:大塚電子(株)製のダイミック
光散光度計DLS−700 測定方法:分散液を金属酸化物(酸化亜鉛)換算濃度2
5重量%に減圧加熱濃縮し、遠心分離操作によってケー
キを得て、酸化物として0.5gを含むケーキ(酸化亜
鉛濃度50〜70重量%)を秤取し、ポリエステルポリ
アミンが0.15重量%溶解したトルエン溶液10gに
混合し、1時間マグネテックスターラーで攪拌した後、
測定を行った。測定に際して、希釈溶媒としてトルエン
を用いた。 A:r<1.5 B:1.5≦r<3 C:3≦r<5 D:5≦r <分散液中の粒子濃度>分散液の一部をるつぼに秤量
し、溶媒の沸点より40℃低い温度で24時間真空乾燥
した後、空気中で600℃1時間加熱して得られた灰分
量より求めた。 <粉末抵抗>800kg/cm2の加圧状態で測定し
た。 <金属元素MdおよびMaの含有量および表面処理剤含
有量>蛍光X線分析、原子吸光分析、プラズマ発光分
析、重量分析および元素分析で求めた。 2.フィルム、樹脂中間層および合わせガラスの評価 <可視光透過性>JIS R 3106−1985記載
の方法にしたがって、各波長範囲の分光透過率と各波長
の重価係数を用いて可視光透過率TVを計算し、可視光
透過性を下記の評価基準で評価した。 ○:TV≧70% ×:TV<70% <紫外線非透過性>分光透過率を測定し、波長360n
mにおける透過率が10%未満の場合を○、10%以上
を×と評価した。 <赤外線非透過性>JIS R 3106−1985記
載の方法に従い、各波長範囲の分光透過率と各波長の重
価係数を用いて、日射透過率Thを計算し、赤外線非透
過性を下記の評価基準で評価した。
【0068】上記分光透過率は、積分球付属装置(IS
R−3100、島津製作所社製)を試料室に取り付けた
自記分光光度計(UV−3100)を使用して測定し
た。 ○:Th≦70% ×:Th>70% <可視光透明性>市販の濁度計(日本電色工業社性、N
DH−1001 DP)を用いてヘイズ値を測定した。
ヘイズ値H(%)に基づき、樹脂中間層および合わせガ
ラスについては、下記の評価基準で評価した。 ○:H(%)<1% ×:H(%)≧1% <無色性>目視で判断した。 A:着色が気にならない。 B:着色が気になる。 <耐侯性>JIS B 7753−93に記載のサンシ
ャインカーボンアーク灯式耐光性および耐侯性試験機を
用いて、合わせガラスの促進耐侯性試験を行った。初期
100時間後を基準にして、さらに2000時間試験後
について、合わせガラスのヘイズの変化を、下記の評価
基準にしたがって評価した。 A:ヘイズの変化が0.5%未満 B:ヘイズの変化が0.5%以上、1%未満 C:ヘイズの変化が1%以上 −参考例1− 表1に示す物性の酸化亜鉛系粒子(P1)の分散体(D
E1)75部と、バインダー樹脂として、表2に示すア
クリル樹脂溶液(B1)120部と、トルエン30部と
を添加混合し、サンドミルを用いて分散処理した。さら
に、硬化剤としてのイソシアヌレート変性ヘキサメチレ
ンジイソシアナート10部を添加混合し、25℃で30
分間攪拌して、表3に示す成膜用組成物(1)を調製し
た。基材フィルムとしての高透明性PETフィルム(厚
み50μm)に成膜用組成物(1)を、ロールコーター
を用いて塗布し、熱風乾燥機で90℃で2分間乾燥し
て、フィルム(1)を得た。フィルム(1)の評価結果
を表3に示した。
【0069】−参考例2〜5− 参考例1と同様にして、表1に示す物性の酸化亜鉛系粒
子の分散体と、表2に示すバインダー樹脂とを混合し
て、表3に示す成膜用組成物(2)〜(5)を調製し
た。なお、成膜用組成物(2)〜(5)では、必要に応
じて、イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシア
ナートを配合した。成膜用組成物(2)〜(5)を用い
て、それぞれ、フィルム(2)〜(5)を得た。これら
のフィルムの評価結果を表3に示した。
【0070】−比較参考例1− 参考例1と同様にして、表4に示す酸化亜鉛系粒子(C
P1)、表2に示すバインター樹脂、硬化剤を混合し
て、表3に示す成膜用組成物(C1)を調製した。成膜
用組成物(C1)を用いて、それぞれ、フィルム(C
1)を得た。このフィルムの評価結果を表3に示した。
【0071】−比較参考例2− アンチモンドープ酸化スズ粒子を分散含有するアクリル
樹脂膜を、高透明性PETフィルムの表面に形成したフ
ィルム(C2)を得た。
【0072】
【表1】
【0073】(表1の注) *1:アルミニウムsec−ブトキシドで表面処理し
た。粒子の不純物Hの量は、いずれの粒子もZnに対し
0.001モル%未満であった。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】(表3の注)成膜用組成物の調製に当たっ
ては、バインダー樹脂の水酸基量と当量となるように、
硬化剤としてのイソシアヌレート変性ヘキサメチレンジ
イソシアナートを配合した。
【0077】
【表4】
【0078】−実施例1− 軟質樹脂および可塑剤を含む表5に示す接着性の軟質樹
脂シート(1)2枚を用いて、参考例1で得たフィルム
(1)を、サンドイッチ状に挟み、温度125℃、圧力
2kg/cm2で、熱圧着して、樹脂中間層(1)を得
た。上記と同様にして、それぞれ、軟質樹脂シート
(1)2枚およびフィルム(2)から樹脂中間層
(2);軟質樹脂シート(3)2枚およびフィルム
(3)から樹脂中間層(3);軟質樹脂シート(2)2
枚およびフィルム(4)から樹脂中間層(4);軟質樹
脂シート(1)2枚およびフィルム(5)から樹脂中間
層(5)を得た。
【0079】これらの樹脂中間層は、いずれも、可視光
透過性:○、紫外線非透過性:○、赤外線非透過性:
○、可視光透明性:○、無色性:○であった。
【0080】
【表5】
【0081】−比較例1− 実施例1と同様にして、それぞれ、軟質樹脂シート
(1)2枚およびフィルム(C1)から樹脂中間層(C
1);軟質樹脂シート(1)2枚およびフィルム(C
2)から樹脂中間層(C2)を得た。樹脂中間層(C
1)は、可視光透過性:×、紫外線非透過性:○、赤外
線非透過性:×、可視光透明性:×、無色性:×であっ
た。
【0082】樹脂中間層(C2)は、可視光透過性:
○、紫外線非透過性:×、赤外線非透過性:○、可視光
透明性:○、無色性:×であった。 −実施例2− 実施例1で得た樹脂中間層(1)を、厚み2mmのフロ
ートガラスに挟み、減圧下、100℃で1時間保持して
脱泡処理した後、常温にしてからオートクレーブ装置に
入れ、圧力8kg/cm2 、温度130±7℃で、30
分間処理して、合わせガラス(1)を得た。
【0083】上記と同様にして、それぞれ、樹脂中間層
(2)〜(5)から合わせガラス(2)〜(5)を得
た。これらの合わせガラスは、いずれも、可視光透過
性:○、紫外線非透過性:○、赤外線非透過性:○、可
視光透明性:○、無色性:○であった。合わせガラス
(1)、(2)、(3)および(5)の耐侯性について
は、合わせガラス(1)および(3)の耐侯性はC、合
わせガラス(2)の耐侯性はB、合わせガラス(5)の
耐侯性はAであった。
【0084】−比較例2− 実施例2と同様にして、それぞれ、樹脂中間層(C1)
〜(C2)から合わせガラス(C1)〜(C2)を得
た。合わせガラス(C1)は、可視光透過性:×、紫外
線非透過性:○、赤外線非透過性:×、可視光透明性:
×、無色性:×であった。
【0085】合わせガラス(C2)は、可視光透過性:
○、紫外線非透過性:×、赤外線非透過性:○、可視光
透明性:○、無色性:×であった。
【0086】
【発明の効果】本発明にかかる紫外線赤外線非透過性樹
脂中間層は、紫外線および赤外線を透過させず、優れた
可視光透過性・無色透明性を有する。本発明にかかる合
わせガラスは、上記樹脂中間層を備えるため、紫外線お
よび赤外線を透過させず、優れた可視光透過性・無色透
明性を有し、その安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる合わせガラスの断面図。
【符号の説明】
1 透明板 2 樹脂中間層 4 フィルム 5 軟質樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA25B AG00A AG00C AK01B AK25 AK25K AK68 AK70 BA03 BA08 BA10A BA10C BA26 CA04 DE01B GB07 JA11B JD09 JD09B JD10 JD10B JK13B JM02B JN01 JN01A JN01C 4G061 AA20 BA01 CB05 CB12 CB16 CD02 CD18 DA36

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくも2枚の透明板とこれら2枚の透明
    板の間に挟まれた樹脂中間層とを含む合わせガラスにお
    いて、前記樹脂中間層が、軟質樹脂層と、下記の酸化亜
    鉛系粒子を含有する膜が少なくとも1つの表面に形成さ
    れたフィルムとを含むことを特徴とする、紫外線赤外線
    非透過性合わせガラス。 酸化亜鉛系粒子:3価および/または4価をとる金属元
    素(Md)とZnとを金属成分としX線回折学的に酸化
    亜鉛結晶性を示し、2つの格子面(100)および(0
    02)に対して、シェラー法(コーシー関数近似)を用
    いて、垂直方向の結晶子の大きさDs(hkl)を求め
    たとき、 Ds(002)/Ds(100)<2 を満足し、 ウィルソン法を用いて求めた、結晶子の大きさをDwと
    するとき、 1<Dw<30 (nm) を満足する酸化亜鉛系粒子。
  2. 【請求項2】前記酸化亜鉛系粒子が、Fを除くハロゲン
    元素のイオンおよび/または原子と、硫酸根SO4 2-
    よび硝酸根NO3 -とからなる不純物の合計含有量が、亜
    鉛に対する原子数(ただし、硫酸根の場合はSの原子
    数、硝酸根の場合はNの原子数として計算する)比で
    0.5%以下である酸化亜鉛系粒子である、請求項1に
    記載の紫外線赤外線非透過性合わせガラス。
  3. 【請求項3】少なくも2枚の透明板とこれら2枚の透明
    板の間に挟まれた樹脂中間層において、軟質樹脂層と、
    下記の酸化亜鉛系粒子を含有する膜が少なくとも1つの
    表面に形成されたフィルムとを含むことを特徴とする、
    合わせガラス用紫外線赤外線非透過性樹脂中間層。 酸化亜鉛系粒子:3価および/または4価をとる金属元
    素(Md)とZnとを金属成分としX線回折学的に酸化
    亜鉛結晶性を示し、2つの格子面(100)および(0
    02)に対して、シェラー法(コーシー関数近似)を用
    いて、垂直方向の結晶子の大きさDs(hkl)を求め
    たとき、 Ds(002)/Ds(100)<2 を満足し、 ウィルソン法を用いて求めた、結晶子の大きさをDwと
    するとき、 1<Dw<30 (nm) を満足する酸化亜鉛系粒子。
  4. 【請求項4】前記酸化亜鉛系粒子が、Fを除くハロゲン
    元素のイオンおよび/または原子と、硫酸根SO4 2-
    よび硝酸根NO3 -とからなる不純物の合計含有量が、亜
    鉛に対する原子数(ただし、硫酸根の場合はSの原子
    数、硝酸根の場合はNの原子数として計算する)比で
    0.5%以下である酸化亜鉛系粒子である、請求項3に
    記載の合わせガラス用紫外線赤外線非透過性樹脂中間
    層。
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