JP2015193757A - 塗料組成物、ハードコート層およびハードコート層付き光学基材ならびにこれらの製造方法 - Google Patents

塗料組成物、ハードコート層およびハードコート層付き光学基材ならびにこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】厚く、耐擦傷性、透明性および耐候密着性に優れたハードコート層を形成するための塗料組成物の製造方法等を提供すること。
【解決手段】平均粒子径が5〜50nmの範囲にありTi、Zn、SnおよびZrから選ばれる1種または2種以上の金属成分を含む結晶性無機酸化物微粒子と、重合性有機ケイ素化合物と、硬化触媒と、分散媒とを含む分散液を準備する工程(I)、および前記分散液から前記分散媒の全部または一部を揮発させて除去することにより、粘度が10〜40mPa・sの塗料組成物を得る工程(II)を含むハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は塗料組成物、ハードコート層およびハードコート層付き光学基材ならびにこれらの製造方法に関し、より詳細には、プラスチックレンズ等の光学基材の表面に設けられるハードコート層の形成に有用な塗料組成物等に関する。
プラスチックレンズの耐擦傷性を改善するために、プラスチックレンズの表面に、有機ケイ素化合物の重縮合物からなりシリカ微粒子などを含むハードコート層を形成することが多く提案されている(特許文献1〜2など)。
ハードコート層の耐擦傷性は、その膜厚に依存することが知られており、一般的には膜厚が厚いほど耐擦傷性は良くなる傾向にある。したがって、優れた耐擦傷性を実現するためには、ハードコート層を厚膜化することが望まれる。
ハードコート層の膜厚に関して、特許文献1には「ハードコート層の膜厚は、0.05〜30μmであることが好ましい。」([0080])、特許文献2には「ハードコート層の膜厚は、1.0〜5.0μm、・・・であることが望ましい。」([0091])といった記載があるが、いずれの文献においても、実施例として開示されたハードコート層の膜厚は2〜3μm程度であり、これよりもさらに厚いハードコート層やその具体的な製造方法は開示されていない。
特開2006−146131号公報 国際公開2007/46357号
膜厚の厚いハードコート層を形成する方法としては、たとえば、被塗布物に高濃度の塗料を塗布するという方法が考えられる。しかしながら、そのような塗料を調製するために、少量の溶媒(分散媒)に微粒子および重合性有機ケイ素化合物を分散させようとすると、固形分の凝集、ゲル化等が生じるなど塗料の安定性に問題が生じたり、その結果、該塗料から形成される塗膜にタレが生じたり、塗膜の透明性が低下してしまう。
高粘度の塗料を塗布して膜厚の厚いハードコート層を形成するために、塗料に増粘剤を添加した場合は、塗料の安定性やポットライフに問題が生じる。
さらに、薄い塗膜の形成を複数回を繰り返して厚いハードコート層を形成することは可能であるが、この方法では、ハードコート層の形成に時間がかかり、生産性に劣る。
本発明は、従来技術における上記の問題点に鑑み、厚く、耐擦傷性、透明性、耐候密着性に優れたハードコート層を形成するための塗料組成物の製造方法等を提供することを目的としている。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
(I)平均粒子径が5〜50nmの範囲にありTi、Zn、SnおよびZrから選ばれる1種または2種以上の金属成分を含む結晶性無機酸化物微粒子と、重合性有機ケイ素化合物と、硬化触媒と、分散媒とを含む分散液を準備する工程、および
(II)前記分散液から前記分散媒の全部または一部を揮発させて除去することにより、粘度が10〜40mPa・sの塗料組成物を得る工程
を含むハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
[2]
前記分散媒を含まないか40質量%以下の割合で含有する上記[1]に記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
[3]
前記工程(II)を温度25〜50℃で実施する上記[1]または[2]に記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
[4]
前記工程(II)を減圧下で実施する上記[1]〜[3]のいずれかに記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
[5]
前記工程(I)において、前記結晶性無機酸化物微粒子、前記重合性有機ケイ素化合物、前記硬化触媒および前記分散媒を含む混合液を、熟成させ、次いでレベリング剤と混合して前記分散液を得る、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
[6]
前記結晶性無機酸化物微粒子が、表面にグリシドキシ基および/または(メタ)アクリロイルオキシ基を有するコアシェル型粒子である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
[7]
前記重合性有機ケイ素化合物の一部または全部がγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである上記[1]〜[6]のいずれかに記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
[8]
上記[1]〜[7]のいずれかに記載の方法で製造されるハードコート層形成用塗料組成物。
[9]
上記[1]〜[7]のいずれかに記載の方法でハードコート層形成用塗料組成物を製造する工程、および
被塗布物の表面に、ディップコート法により前記塗料組成物を塗布し、次いで硬化させてハードコート層を形成する工程
を含むハードコート層の製造方法。
[10]
ディップコート法による前記塗料組成物の1回の塗布で形成される前記ハードコート層の厚さが6〜30μmである、上記[9]に記載のハードコート層の製造方法。
[11]
前記ハードコート層の屈折率が1.50〜1.80の範囲にある上記[9]または[10]に記載のハードコート層の製造方法。
[12]
上記[9]〜[11]のいずれかの方法で製造されるハードコート層。
[13]
上記[1]〜[7]のいずれかに記載の方法でハードコート層形成用塗料組成物を製造する工程、および
光学基材の表面に、ディップコート法により前記塗料組成物を塗布し、硬化させてハードコート層を形成する工程
を含むハードコート層付き光学基材の製造方法。
[14]
ディップコート法による前記塗料組成物の1回の塗布で形成される前記ハードコート層の厚さが6〜30μmである、上記[13]に記載のハードコート層付き光学基材の製造方法。
[15]
前記ハードコート層の屈折率が1.50〜1.80の範囲にある上記[13]または[14]に記載のハードコート層の製造方法。
[16]
上記[13]〜[15]のいずれかに記載の方法で製造されるハードコート層付き光学基材。
本発明の塗料組成物の製造方法によれば、厚く、耐擦傷性、透明性、耐候密着性等に優れたハードコート層を形成可能な、塗料組成物を提供することができる。
また、本発明のハードコート層の製造方法またはハードコート層付き光学基材の製造方法によれば、厚く、耐擦傷性、透明性等に優れたハードコート層、ないしこのようなハードコート層を備えたハードコート層付き光学基材を提供することができる。
[ハードコート層形成用塗料組成物およびその製造方法]
本発明に係るハードコート層形成用塗料組成物の製造方法は、
(I)平均粒子径が5〜50nmの範囲にありTi、Zn、SnおよびZrから選ばれる1種または2種以上の金属成分を含む結晶性無機酸化物微粒子と、重合性有機ケイ素化合物と、硬化触媒と、分散媒とを含む分散液を準備する工程、および
(II)前記分散液から前記分散媒の全部または一部を揮発させて除去することにより、粘度が10〜40mPa・sの塗料組成物を得る工程
を含む製造方法である。
また、本発明に係るハードコート層形成用塗料組成物は、本発明に係るハードコート層形成用塗料組成物の製造方法によって得られる塗料組成物である。
<工程(I)>
前記工程(I)では、無機酸化物微粒子(A)、重合性有機ケイ素化合物(B)、硬化触媒(C)および分散媒(D)を含む分散液を準備する。
(A)結晶性無機酸化物微粒子:
結晶性無機酸化物微粒子は、その粒子形状は、球状、鎖状、異形状、金平糖状などを用いることができ、特に規定されるものではない。
前記分散液には平均粒子径が5〜50nmの範囲にありTi、Zn、SnおよびZrから選ばれる1種または2種以上の金属成分を含むコアシェル型の結晶性無機酸化物微粒子(A)が含まれる。前記結晶性無機酸化物微粒子(A)は紫外線吸収能を有するため、該微粒子(A)を含有する本発明に係る塗料組成物を硬化させて形成される塗膜(たとえば、ハードコート層は、紫外線を吸収し、光学基材等の表面に前記ハードコート層が設けられた場合であれば、前記ハードコート層付光学基材の耐候劣化を防ぐことができる。
前記コアシェル型の結晶性無機酸化物微粒子(A)の核粒子としては、Ti、Zn、SnおよびZrから選ばれる1種の金属の酸化物または2種以上の金属の複合酸化物からなる結晶性微粒子(i)が挙げられる。
前記結晶性無機酸化物微粒子(A)は、Ti、Zn、Sn、ZrおよびO以外の元素(たとえばアルカリ金属)を少量(たとえば5質量%以下)含んでいてもよく、これらの元素のみからなるものであってもよい。
前記結晶性無機酸化物微粒子(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
紫外線吸収能が高いことからは、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)は、その大半(例えば80質量%以上)または全部がTi、Zn、Snから選ばれる金属元素を含む微粒子であることが好ましい。
前記微粒子(A)は結晶性を有するため、これを含む本発明に係る塗料組成物により、透明性、被着体への耐侯密着性が高く、光学基材等の表面に設けた場合には、前記塗膜付基材の耐侯劣化を抑える塗膜を形成することができる。
前記無機酸化物微粒子(A)が結晶性であることは、たとえば後述した実施例で採用した方法または同等の方法で微粒子をXRD測定した際に、該微粒子が結晶性であることを示すピークが観測されることにより確認できる。
たとえば前記結晶性無機酸化物微粒子(A)がTiO2微粒子である場合には、前記微粒子(A)自身の光活性を抑制する観点からは、その結晶構造としてルチル型が好ましい。
前記無機酸化物微粒子(A)は、前記結晶性微粒子(i)を核粒子として有し、これを覆う、前記核粒子とは異なる組成の被覆層を有するコアシェル型微粒子(ii)であってもよい。
前記被覆層は、好ましくは、Si、ZrおよびSbから選ばれる1種の金属の酸化物または2種以上の金属の複合酸化物からなる(なお、ここではSiを金属とみなす。)。
前記コアシェル型微粒子(ii)を構成する核粒子と被覆層との質量比(被覆層/核粒子)は、好ましくは5〜100であり、より好ましくは10〜80である。前記質量比がこの範囲にあると、前記コアシェル型微粒子(ii)は分散液中で安定性に優れ、この分散液を用いると、均一で安定な塗膜を形成できるだけでなく、核粒子に光活性点が存在したとき、被覆層でその性質を抑制する効果も奏される。
また、前記コアシェル型微粒子(ii)は、前記結晶性微粒子(i)と前記被覆層との間には、ケイ素酸化物からなるケイ素酸化物層を有していてもよい。
ケイ素酸化物層を有すると、コアシェル型微粒子の屈折率を調整することができるほか、得られる塗膜の耐光性、耐候性、密着性を向上させることができる。
また、前記ケイ素酸化物層の割合は、核粒子としての前記結晶性微粒子(i)の質量100質量部に対して好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは0.5〜15質量部である。
前記結晶性無機酸化物微粒子(A)としては、前記コアシェル型微粒子(ii)が好ましい。前記コアシェル型微粒子(ii)は、工程(I)で準備される分散液および工程(II)で製造される塗料組成物の中で安定しており、この塗料組成物を用いると、均一で、微粒子の分散状態が安定しており、透明な塗膜を形成できるからである。
前記結晶性無機酸化物微粒子(A)は、好ましくは、表面にエポキシ基を有している。エポキシ基を含む基としてはグリシドキシ基が挙げられる。表面にエポキシ基を有する前記結晶性無機酸化物微粒子(A)は、工程(I)で準備される分散液および工程(II)で得られる塗料組成物の中での分散安定性が高いため、この塗料組成物を用いると、耐擦傷性および透明性がより高い塗膜を得ることができる。
表面にエポキシ基を有する前記結晶性無機酸化物微粒子(A)は、たとえば、前記結晶性無機酸化物微粒子を従来公知の条件下、エポキシ基を有するシランカップリング剤で表面修飾することにより形成できる。このシランカップリングとしては、たとえばα−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)としては、表面に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものも好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基は、前記結晶性無機酸化物微粒子を従来公知の条件下、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリメトキシシラン((メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12、例、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリエトキシシラン((メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12、例、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等)等のシランカップリング剤で表面修飾することにより形成できる。
前記結晶性無機酸化物微粒子(A)の平均粒子径は、結晶性無機酸化物微粒子(A)の凝集を防ぐ観点から、5nm以上、好ましくは8nm以上、より好ましくは10nm以上であり、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)の、透明性および分散液中での分散安定性の観点から、50nm以下、45nm以下、より好ましくは40nm以下である。
なお、前記平均粒子径の値は、後述する実施例で採用した方法または同等の方法で測定した場合ものである。
前記結晶性無機酸化物微粒子(A)の比表面積は、好ましくは60〜400m2/g、より好ましくは100〜300m2/gの範囲にある。
これらの値は、後述する実施例で採用された方法または同等の方法により測定した場合のものである。
前記結晶性無機酸化物微粒子(A)は、たとえば特開2000−204301号公報、特開2002−363442号公報、特開2010-168266号公報などに記載された方法により製造することができる。
工程(I)で準備される前記分散液を調製する際に、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)は、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)の分散液の形態で供給されてもよい。
工程(I)で準備される前記分散液および工程(II)で得られる塗料組成物に含まれる前記結晶性無機酸化物微粒子(A)の量は、後述する重合性有機ケイ素化合物(B)の量を100質量部とすると、分散液および塗料組成物中での前記結晶性無機酸化物微粒子(A)の安定性に優れ、この塗料組成物を用いると、均一で安定でかつ膜強度を有する塗膜を得られることから、好ましくは10質量部以上、より好ましくは25質量部以上であり、分散液および塗料組成物中での前記結晶性無機酸化物微粒子(A)の安定性に優れ、この塗料組成物を用いると、均一で安定な透明塗膜を得られることから、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下である。
(B)重合性有機ケイ素化合物:
前記重合性有機ケイ素化合物(B)は、重合することにより、本発明に係る塗料組成物から形成される塗膜の中で、前記無機酸化物微粒子(A)のバインダーとして機能する。
前記重合性有機ケイ素化合物(B)としては、たとえば下記式(I)で表される有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物が挙げられる。
1 a2 bSi(OR34-(a+b) (I)
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基を含有する炭素数8以下の有機基、エポキシ基を含有する炭素数8以下の有機基、メタクリロキシ基を含有する炭素数8以下の有機基、メルカプト基を含有する炭素数1〜5の有機基またはアミノ基を含有する炭素数1〜5の有機基であり、
2は炭素数3以下のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基またはアリル基であり、
3は炭素数3以下のアルキル基、アルキレン基またはシクロアルキル基である。
また、aは0または1の整数、bは0、1または2の整数である。)
前記一般式(I)で表される有機ケイ素化合物としては、アルコキシシラン化合物が代表例として挙げられ、具体的には、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、α−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の、エポキシ基を有する有機ケイ素化合物が好ましい。したがって、前記重合性有機ケイ素化合物(B)としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の、エポキシ基を有する有機ケイ素化合物、またはエポキシ基を有する有機ケイ素化合物と他の有機ケイ素化合物との組み合わせが好ましい。
工程(I)において前記分散液を調製する際には、前記重合性有機ケイ素化合物(B)は、無溶媒下またはアルコール等の極性有機溶媒中で、酸および水の存在下で部分加水分解または加水分解した後に、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)と混合することが好ましい。ただし、前記重合性有機ケイ素化合物(B)は、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)と混合した後に、部分加水分解または加水分解してもよい。
(C)硬化触媒:
前記硬化触媒(C)としては、アジピン酸、イタコン酸、リンゴ酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の有機カルボン酸;トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III)などの一般式:M(CH2COCH2COCH3n(ここで、Mは金属元素であり、nは金属元素Mの価数である。)で示される金属アセチルアセトナート;チタンアルコキシド、ジルコアルコキシド等の金属アルコキシド;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属有機カルボン酸塩;過塩素酸リチウム、過塩素酸マグネシウム等の過塩素酸類;グアニジン、グアニジン有機酸、グアニジン無機酸塩、アルキルグアニジン、アミノグアニジン、ジシアンジアミド等のシアナミド骨格を有する化合物などを挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
光学基材または後述する中間層の表面に本発明に係る塗料組成物から塗膜を形成した際に、該塗膜と光学基材または中間層との密着性が高く、しかも該塗膜の変色を防止できることから、前記硬化触媒(C)としては、シアナミド骨格を有する化合物、またはシアナミド骨格を有する化合物と他の硬化触媒との組み合わせが好ましい。
工程(I)で準備される前記分散液および工程(II)で得られる前記塗料組成物に含まれる前記硬化触媒(C)の量は、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)および重合性有機ケイ素化合物(B)の量を100質量部とすると、所望の膜硬度、耐候密着性および耐光性を得るため、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下である。
(D)分散媒:
前記分散媒(D)としては、水および有機溶媒(本明細書においては、溶媒と分散媒とを特に区別せずに、溶媒と記載することがある。)が挙げられる。前記有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセルソルブ類などが挙げられる。これらの中でも、メタノール等の低級アルコールや水が好ましい。これらの溶媒は1種単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
前記分散液に含まれる前記水の量は、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)および重合性有機ケイ素化合物(B)の量を100質量部とすると、塗膜の耐擦傷性及び硬度の点から好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上であり、塗料組成物の濡れ性確保のため好ましくは150質量部以下、より好ましくは140質量部以下である。
また、前記分散液に含まれる前記有機溶媒の量は、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)および重合性有機ケイ素化合物(B)の量を100質量部とすると、塗料組成物の濡れ性確保のため好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上であり、塗料組成物の粘性の点から好ましくは120質量部以下、より好ましくは115質量部以下である。
さらに、前記分散液に含まれる前記水の量は、塗料組成物の濡れ性確保のため、80以下、より好ましくは60以下であり、有機溶剤の量は、溶媒を除去する経済性のため、110以下、より好ましくは100以下である。
(E)添加剤:
工程(I)で準備される前記分散液および工程(II)で得られる前記塗料組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、添加剤(E)が配合されていてもよい。添加剤(E)としては、例えば、レベリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料、可塑剤、光増感剤、安定剤等の添加剤が挙げられる。
添加剤(E)の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で、これらの添加剤の通常の配合量を考慮して決定すればよい。レベリング剤の配合量は、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)および重合性有機ケイ素化合物(B)の量を100質量部とすると、たとえば0.01〜5質量部程度である。
分散液の調製:
工程(I)では、上記の各成分を混合して前記分散液を調製することによって前記分散液を準備してもよく、市販品を入手することによって前記分散液を準備してもよい。
前者の場合、前記分散液は、上記の各成分を公知の方法で混合することにより調製できる。混合の際に、前記結晶性無機酸化物微粒子(A)は、前記重合性有機ケイ素化合物(B)を溶媒(分散媒)とするゾルの形態で供されてもよい。
前記分散液は、好ましくは、前記結晶性無機酸化物微粒子、前記重合性有機ケイ素化合物、前記硬化触媒および前記分散媒を含む混合液を、熟成させ、次いでレベリング剤と混合することにより調製される。
前記分散液をこのように調製することは、塗膜透明性の優れた塗料組成物が得られる点で好ましい。
熟成は、好ましくは前記混合液を5〜40℃で1〜48時間撹拌することにより実施される。
前記分散液の固形分濃度は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜55質量%である。
<工程(II)>
前記工程(II)では、工程(I)で準備された前記分散液から前記分散媒の全部または一部を揮発させて除去することにより、粘度が10〜40mPa・sの塗料組成物を得る。
前記分散液の除去は、前記分散媒を効率的に除去する観点から、好ましくは減圧下で行われ、たとえば前記分散液をロータリーエバポレーター等の容器に入れて、容器内を減圧して行われる。
前記分散液を除去する際の好ましい条件は、前記分散液の組成等によって異なるので一概には決められないが、目安としては、たとえば温度は室温以上で作業を行うであることから好ましくは25℃以上、より好ましくは30℃以上であり、所望の塗料組成物の粘度に調整できることから好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。
時間は、好ましくは0.3〜6時間、より好ましくは0.5〜4時間である。
このように前記工程(I)で得られた前記分散液から前記分散媒の全部または一部を揮発させて除去することにより、ハードコート層形成用塗料組成物が得られる。
前記ハードコート層形成用塗料組成物の粘度は、10〜40mPa・s、好ましくは15〜35mPa・sである。この粘度の値は、後述する実施例で採用した方法または同等の方法で測定した場合のものである。
前記ハードコート層形成用塗料組成物の粘度は、前記分散媒の除去の際の温度を高くする、時間を長くするなどして前記分散媒の除去量を増やすことによって、高めることができる。
本発明に係る製造方法で製造されるハードコート層形成用塗料組成物は、粘度が高く、かつ固形分がゲル化せず良好に分散しているため、このハードコート層形成用塗料組成物を基材等の表面に塗布して硬化させることにより、厚くかつ透明なハードコート層を形成することができる。
前記ハードコート層形成用塗料組成物は、前記分散媒を、好ましくは含まないか塗料組成物100質量%に対して40質量%以下の割合で含有し、より好ましくは1〜30質量%の割合で含有する。
[ハードコート層およびハードコート層付き光学基材ならびにこれらの製造方法]
本発明に係るハードコート層の製造方法は、上述した本発明に係るハードコート層形成用塗料組成物の製造方法によりハードコート層形成用塗料組成物を製造する工程、および被塗布物(たとえば、光学基材)の表面に、ディップコート法により前記塗料組成物を塗布し、次いで硬化させてハードコート層を形成する工程を含むことを特徴としている。
また、本発明に係るハードコート層付き光学基材の製造方法は、上述した本発明に係るハードコート層形成用塗料組成物の製造方法によりハードコート層形成用塗料組成物を製造する工程、および光学基材の表面に、ディップコート法により前記塗料組成物を塗布し、硬化させてハードコート層を形成する工程を含むことを特徴としている。
塗布された前記塗料組成物の硬化は、該塗料組成物を熱処理して、前記重合性有機ケイ素化合物を重合させ、かつ前記溶媒を除去することにより実施される。熱処理温度はたとえば80〜130℃であり、熱処理温度はたとえば0.5〜5時間である。
本発明に係るハードコート層の製造方法ないしハードコート層付き光学基材の製造方法によれば、塗料組成物として本発明に係る方法で製造されたハードコート層形成用塗料組成物が用いられるため、ディップコート法による1回の塗布操作で、厚く透明なハードコート層を形成することができる。
前記ハードコート層は、膜厚が好ましくは6〜30μm、より好ましくは9〜25μmと厚いため耐擦傷性に優れ、かつ透明性にも優れているため、光学基材に設けられるハードコート層として好ましい。
前記ハードコート層は、好ましくは1.50〜1.80、より好ましくは1.53〜1.78の屈折率を有する。屈折率がこの範囲にあると光学基材の屈折率とインデックスマッチができ優れた外観干渉縞を実現できるである。前記屈折率は、前記結晶性無機酸化物微粒子の種類、割合等を調節することにより、調節することができる。
本発明に係る塗膜は、光学基材または後述する中間層の表面に、本発明に係る塗料組成物を塗布し、硬化させることにより形成することができる。
(光学基材)
前記光学基材としては、公知のものを特に制限なく使用することが可能であり、ガラス板、眼鏡レンズ、光学レンズ等、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル、自動車用樹脂窓等が挙げられる。中でも樹脂系基材は好適に用いることができる。
この光学基材は、フォトクロミック性を有していてもよい。フォトクロミック性を有する光学基材は、従来公知の方法により、光学基材にフォトクロミック性を有する化合物を含ませることにより得ることができる。
(中間層)
前記光学基材と前記塗膜(ハードコート層)との間には、光学基材と前記塗膜との接着性の向上、塗膜付きプラスチックレンズの耐衝撃性の向上などを目的として光学基材とハードコート層等の塗膜との間に従来設けられていた中間層(プライマー層などともいう。)が設けられてもよい。
前記中間層を形成するための塗料組成物は、膜形成成分として、たとえば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。さらに、これらの樹脂のモノマー成分等から製造された共重合体を使用することもできる。
特に、ウレタンやメラミン由来の骨格を有する樹脂、ポリエステルポリオール、ポリイソシアネート、ポリカーボネートポリオール、ポリカルボキシポリオールやポリオールを反応させて得られたものを用いることが好ましい。
前記中間層は、耐擦傷性、透明性、被着体への耐侯密着性を向上させるために、無機酸化物微粒子を含有していてもよい。前記無機酸化物微粒子は、前記樹脂と反応して複合体を形成していてもよい。
前記金属酸化物微粒子としては、従来公知の、Ti、Fe、Zn、W、Sn、Ta、Zr、Sb、Nb、In、Ce、Si、Al、Y、Pb、Moの群から選ばれる1種または2種以上の金属酸化物微粒子および/または複合酸化物微粒子が挙げられる。
前記中間層は、前記中間層を形成するための塗料組成物を用いて従来公知の方法で製造することができる。
また前記中間層は、フォトクロミック性を有していてもよい。フォトクロミック性を有する中間層は、前記中間層を形成するため塗料組成物として、フォトクロミック性を有する化合物が配合されたものを使用することにより、形成することができる。
前記中間層の厚さは、たとえば0.1〜200μm、さらに好ましくは0.5〜100μmである。
(反射防止層)
本発明に係る塗膜付き光学物品において、前記塗膜(ハードコート層)の表面にはさらに反射防止層が設けられていてもよい。前記反射防止層を形成する方法としては、公知の方法を使用することができる。
(塗膜付き光学物品の構成)
本発明に係る塗膜付きプラスチックレンズにおける積層構成の例としては、
ハードコート層/光学基材/ハードコート層、
ハードコート層/中間層/光学基材/ハードコート層、
反射防止層/ハードコート層/光学基材/ハードコート層、
反射防止層/ハードコート層/中間層/光学基材/ハードコート層
ハードコート層/光学基材/ハードコート層、
ハードコート層/中間層/光学基材/ハードコート層、
ハードコート層/中間層/光学基材/中間層/ハードコート層、
反射防止層/ハードコート層/光学基材/ハードコート層/反射防止層
反射防止層/ハードコート層/中間層/光学基材/ハードコート層/反射防止層
反射防止層/ハードコート層/中間層/光学基材/中間層/ハードコート層/反射防止層
などが挙げられ、中間層および光学基材は、それぞれフォトクロミック性を有するものであってもよい。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例に記載された範囲に限定されるものではない。
[測定方法および評価試験方法]
本発明の実施例その他で使用された測定方法および評価試験方法は以下の通りである。
<結晶性無機酸化物微粒子の測定>
(1)平均粒子径の測定方法
結晶性無機酸化物微粒子の平均粒子径は、次のように測定した。まず、結晶性無機酸化物微粒子を含む分散液(または混合液)を水分散液(ゾル)の場合は蒸留水で、メタノール分散液(ゾル)の場合はメタノールにて約1,000倍希釈してコロジオン膜付金属グリッド(応研商事(株))に塗布し250Wランプにて30分間照射して溶媒を飛散し測定用サンプルを調製した。この測定用サンプルを用いて、高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)((株)日立ハイテクノロジーズ製S−5500)を用いて、加速電圧30kVの条件下、倍率25万倍でSEM写真を撮影し、この写真に撮影された任意の100個以上の結晶性無機酸化物微粒子について、それぞれの粒子径を写真上で計測し、それらの平均をとることにより平均粒子径を求めた。
(2)比表面積の測定方法
結晶性無機酸化物微粒子を含む分散液を乾燥させて得られた粉体を磁製ルツボ(B−2型)に約30ml採取し、300℃の温度で2時間乾燥後、デシケータに入れて室温まで冷却し、測定用サンプルを得た。次に、このサンプルを1g取り、全自動表面積測定装置(湯浅アイオニクス社製、マルチソーブ12型)を用いて、粒子の比表面積(m2/g)をBET法にて測定した。
(3)組成分析方法
<チタニウム、ケイ素、スズの含有量>
固形分濃度10重量%の結晶性無機酸化物微粒子を含む水分散液3gを容量30mlの蓋付きジルコニアボールに採取し、乾燥(200℃、20分)させ、焼成(700℃、5分)した後、Na22 2gおよびNaOH 1gを加えて15分間溶融した。さらに、HCl 50mlと水200mlを加えて溶解したのち、純水で500mlになるよう希釈して試料とした。得られた試料について、ICP装置(島津製作所(株)製、ICPS−8100、解析ソフトウェアICPS−8000)を用いて、チタニウム、スズ、ケイ素の含有量を酸化物換算基準(TiO2、SnO2、SiO2)で測定した。
<ジルコニウム、カリウムの含有量>
固形分濃度10重量%の結晶性無機酸化物微粒子を含む水分散液9gを容量100mlの白金皿に採取し、サンドバス上で200℃、20分間加熱して乾燥させた後、バーナーで700℃、5分間加熱して有機物を除去後、HF 10mlおよびH2SO4 5mlを加えて白煙が出るまで加熱した。さらに、これを100mlとなるように純水で希釈した後、ジルコニウムはICP装置((株)島津製作所製、ICPS−8100、解析ソフトウェアICPS−8000)を用いて酸化物換算基準(ZrO2)で測定し、カリウムは原子吸光装置((株)日立製作所製、Z−5300、ソフトウェアZ−2000)を用いて酸化物換算基準(K2O)で測定した。
(4)結晶性の測定方法
結晶性無機酸化物微粒子の分散液を磁製ルツボ(B−2型)に約30ml採取し、110℃で12時間加熱して乾燥させた後、デシケータに入れて室温まで冷却した。次に、冷却物を乳鉢で15分間粉砕した後、X線回折装置(理学電気(株)製、RINT−2100、Cu−Kα線、40kV、30mA)を用いて結晶形態を測定した。なお、本発明でいう結晶形態は、この測定結果から判定された形態(たとえば、ルチル型など)を示す。
<分散液等の測定>
(5)pHの測定方法
試料50mlを入れたセルに、25℃の温度に保たれた恒温槽中で、pH4、7および9の標準液で更正が完了したpHメータ(堀場製作所製、F22)のガラス電極を挿入して、pH値を測定した。
このとき、分散液の分散媒(ないし、溶液の溶媒)が水である場合には、前記水分散液ないし水溶液を試料とし、前記分散媒が有機溶媒である場合には、有機溶媒分散液を蒸留水で10倍に希釈したものを試料とした。
<塗料組成物の測定>
(6)塗料組成物の粘度測定方法
結晶性無機酸化物微粒子を含む塗料組成物を20ml秤量して、粘度計(東機産業(株)製、TV−10M)を用いて室温にて粘度測定を行った。このとき、粘度計のローターの回転数は、試料の粘度が1.0〜10.0mPa・sの範囲にあるときは60rpm、粘度が10.0〜20.0mPa・sの範囲にあるときは30rpm、粘度が20.0〜50.0mPa・sの範囲にあるときは12rpm、粘度が50.0〜100.0mPa・sの範囲にあるときには6rpmとした。
(7)塗料組成物の固形分測定方法
結晶性無機酸化物微粒子を含む塗料組成物を磁製ルツボに約10g採取し、120℃で1時間加熱して乾燥させた後、デシケータに入れて室温まで冷却した。次に、乾燥前後の重量変化から塗料組成物の固形分を下式により算出した。
(塗布組成物の固形分)=100×(乾燥後重量−磁製ルツボ重量)/(乾燥前重量−磁製ルツボ重量)
<硬化塗膜の測定>
(8)塗膜の膜硬度(Bayer値)の測定方法
磨耗試験機BTM(米コルツ社製)およびヘーズ値測定装置(NIPPON DENSHOKU製NDH2000)を使用し、プラスチックレンズ基板(後述する試験片。以下「被試験レンズ」ともいう。)と基準レンズとのヘーズ値の変化に基づいてBayer値を算出した。基準レンズとしては、市販のプラスチックレンズ基材CR−39基材(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、PPG社製モノマー使用、基材の屈折率1.60)を使用した。
具体的には、まずそれぞれのレンズのヘーズ値を測定し、基準レンズの初期ヘーズ値をD(std0)、被試験レンズの初期ヘーズ値をD(test0)とした。それぞれのレンズを上記磨耗試験機のパンに設置し、その上に研磨材(専用砂)500gを充填し、パンを600回左右に振動させた。振動後のレンズのヘーズ値を測定し、基準レンズのヘーズ値をD(stdf)、被試験レンズのヘーズ値をD(testf)とした。Bayer試験値(R)を以下の数式から算出した。
R=[D(stdf)−D(std0)]/[D(testf)−D(test0)]
(9)塗膜の外観(曇り)の評価方法
内壁が黒色である箱の中に蛍光灯「商品名:メロウ5N」(東芝ライテック(株)製、三波長型昼白色蛍光灯)を取り付け、プラスチックレンズ基板(後述する試験片)を蛍光灯の直下に、ハードコート層側または反射防止層側を蛍光灯に向けて置き、これらの透明度(曇りの程度)をヘーズメーター(NIPPON DENSHOKU製NDH2000)にて確認し、以下の基準で評価した。
A:ヘーズ値が0.3%未満
B:ヘーズ値が0.3%以上〜1.0%未満
C:ヘーズ値が1.0%以上〜5.0%未満
D:ヘーズ値が5.0%以上
(10)塗膜の耐擦傷性の評価方法
プラスチックレンズ基板(後述する試験片)のハードコート層側または反射防止層側の表面を、#0000スチールウール(日本スチールウール(株)製)を用い、荷重1kg/cm2で幅1cm、3cmの距離を50往復/100秒の条件で擦った後、スチールウール摺動面積に対する傷自体の面積の割合を目視にて判定し、以下の基準で評価した。
評価基準:
A:2%未満
B:2%以上〜30%未満
C:30%以上〜60%未満
D:60%以上
(11)塗膜の密着性の評価方法
プラスチックレンズ基板(後述する試験片)のハードコート層側または反射防止層側の表面に、ナイフで縦横1mmの間隔でそれぞれ11本の平行な傷を付けて100個の升目を作り、これにセロハンテープを接着し、次いで、セロハンテープを90度方向へ急激に引っ張り、この操作を合計5回行い、塗膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の2段階に分類することによって密着性を評価した。
評価基準:
残存升目の数95個以上 :○
残存升目の数95個未満 :×
(12)塗膜の耐候的な密着性(耐候的密着性)の評価方法
プラスチックレンズ基板(後述する試験片)をキセノンウエザーメーター(スガ試験機(株)製X−75型)で曝露試験した後、外観の確認および前記の密着性の評価と同様の評価を行い、以下の基準で評価した。なお、曝露時間は、反射防止層を有している基板は250時間、反射防止層を有していない基板は50時間とした。
○:剥離していないマス目の数が95個以上
×:剥離していないマス目の数が95個未満。
(13)塗膜ハードコート層の耐光性の評価方法
プラスチックレンズ基板(後述する試験片)に退色試験用水銀ランプ(東芝(株)製H400−E)により紫外線を50時間照射し、照射前後に塗膜プラスチックレンズ基板の透過率測定(日本電子(株)製、V−550)を行い、照射前後での透過率変化((照射前の透過率−照射後の透過率)/照射前の透過率×100(%))を以下の基準で耐光性を評価した。なお、ランプと塗膜プラスチックレンズ基板との距離は、70mmとし、ランプの出力は、塗膜プラスチックレンズ基板の表面温度が45±5℃となるように調整した。また、この試験は、反射防止層をハードコート層の表面に設けた塗膜プラスチックレンズ基板を対象として行った。
○:透過率変化が5%未満
△:透過率変化が5%以上〜10%未満
×:透過率変化が10%以上
(14)塗膜の膜厚および屈折率の測定方法
顕微分光測定機(OLYMPUS製USPM−RU)を用いて、プラスチック基板(後述する試験片)の反射率から、塗膜の膜厚および屈折率を測定した。
[製造例1]
結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−1)の調製
(工程1)チタニウムを主成分とする複合酸化物微粒子(コア粒子)の調製
四塩化チタン(大阪チタニウムテクノロジーズ(株)製)をTiO2換算基準で7.75重量%含む四塩化チタン水溶液93.7kgと、アンモニアを15重量%含むアンモニア水(宇部興産(株)製)36.3kgとを混合し、pH9.5の白色スラリー液を調製した。次いで、このスラリーを濾過した後、純水で洗浄して、固形分含有量が10重量%の含水チタン酸ケーキ72.6kgを得た。
次に、このケーキに、過酸化水素を35重量%含む過酸化水素水(三菱瓦斯化学(株)製)83.0kgと純水411.4kgとを加えた後、80℃の温度で1時間、撹拌下で加熱し、さらに純水159.0kgを加えて、過酸化チタン酸をTiO2換算基準で1重量%含む過酸化チタン酸水溶液を726.0kg得た。この過酸化チタン酸水溶液は、透明な黄褐色でpHは8.5であった。
次いで、前記過酸化チタン酸水溶液72.9kgに、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製)3.5kgを混合して、さらにスズ酸カリウム(昭和化工(株)製)をSnO2換算基準で1重量%含むスズ酸カリウム水溶液9.1kgを撹拌下で徐々に添加した。
次に、得られた混合物に、カリウムイオンなどを取り込んだ前記陽イオン交換樹脂を分離した後、平均粒子径が7nmのシリカ微粒子を15重量%含むシリカゾル(日揮触媒化成(株)製)0.8kgおよび純水18.0kgを混合し、オートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製、120L)中で165℃の温度で18時間、加熱することにより、チタニウムを主成分とする複合酸化物微粒子(コア粒子)の水分散液を得た。
得られた水分散液を室温まで冷却した後、限外濾過膜装置(旭化成(株)製、ACV−3010)で濃縮して、固形分含有量が10重量%の水分散液(チタニウムを主成分とするコア粒子を含む水分散液(C−1))10.0kgを得た。
この水分散液(C−1)の中に含まれるコア粒子はルチル型の結晶構造を有し、このコア粒子に含まれる金属元素の含有量(酸化物換算値)を測定したところ、TiO2が75.2重量%、SnO2が9.3重量%、SiO2が12.2重量%、K2Oが3.3重量%であった。またこのコア粒子の平均粒子径は12nmであった。
(工程2)コアシェル型結晶性無機酸化物微粒子の水分散液(P−1)の調製
<工程2.1>
オキシ塩化ジルコニウム(太陽鉱工(株)製)をZrO2換算基準で2重量%含むオキシ塩化ジルコニウム水溶液26.3kgに、アンモニアを15重量%含むアンモニア水を撹拌下で徐々に添加して、pH8.5のスラリー液を得た。次いで、このスラリーを濾過した後、純水で洗浄して、ジルコニウム成分をZrO2に換算基準で10重量%含むケーキ5.26kgを得た。
次に、このケーキ200gに純水1.80kgを加え、さらに水酸化カリウム(関東化学(株)製)を10重量%含む水酸化カリウム水溶液120gを加えてアルカリ性にした後、過酸化水素を35重量%含む過酸化水素水400gを加えて、50℃の温度に加熱してこのケーキを溶解した。さらに、純水1.48kgを加えて、過酸化ジルコン酸をZrO2換算基準で0.5重量%含む過酸化ジルコン酸水溶液(1)4.0kgを得た。なお、この過酸化ジルコン酸水溶液のpHは、12.2であった。
また、市販の水ガラス(AGCエスアイテック(株)製)を純水にて希釈した後、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製)を用いて脱アルカリして、珪酸をSiO2換算基準で2重量%含む珪酸水溶液(1)を得た。なお、この珪酸水溶液液のpHは、2.3であった。
次に、上記工程1で得られた、チタニウムを主成分とするコア粒子を含む水分散液(C−1)3.0kgに純水12.0kgを加えて固形分含有量を2重量%としたものを90℃の温度に加熱した後、これに前記過酸化ジルコン酸水溶液(1)3.7kgおよび珪酸水溶液(1)2.8kgを同時に徐々に添加し、添加終了後、さらに90℃の温度に保ちながら撹拌下で1時間熟成を行い、混合液(1c)を得た。ここで、過酸化ジルコン酸水溶液(1)中に含まれるジルコン酸をZrO2で表し、珪酸水溶液(1)中に含まれる珪酸をSiO2で表したとき(以下の重量比の式では「SiO2-(1)」と表す。)、これらの重量比(ZrO2/SiO2-(1))は14/86であった。また、混合液(1c)中の無機酸化物微粒子に含まれる金属の重量を酸化物(TiO2、SnO2、SiO2(以下の重量比の式では「SiO2-(2)」と表す。))の重量に換算すると、重量比((ZrO2+SiO2-(1))/(TiO2+SnO2+SiO2-(2)))は25/100であった。
<工程2.2>
次いで、この混合液(1c)をオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製、50L)に入れて、160℃の温度で18時間、加熱処理を行なったのち、室温まで冷却して、限外濾過膜装置(旭化成(株)製、SIP−1013)を用いて固形分含有量10重量%に濃縮することにより、チタニウムを主成分とするコア粒子の表面を、ジルコニウムおよびケイ素を含む複合酸化物からなるシェルで被覆してなる結晶性無機酸化物微粒子(1)の透明乳白色水分散液(以下、「結晶性無機酸化物微粒子の水分散液(P−1)」ともいう。)3.8kgを調製した。
この結晶性無機酸化物微粒子(1)のX線回折では結晶性ピークが検出され、結晶構造はルチル型であった。
(工程3)結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−1)の調製
上記工程2で得られた結晶性無機酸化物微粒子の水分散液(P−1)1470gに陽イオン交換樹脂を混合して脱イオン処理した後、前記イオン交換樹脂を分離して得られた分散液に、メタノール(林純薬(株)製、メチルアルコール濃度:99.9重量%)2940gに表面処理剤としてテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製、正珪酸エチル)133.6gを溶解させたメタノール溶液を撹拌下で添加した後、60℃の温度で20時間、加熱した。
次に、得られた混合液を室温まで冷却してから、限外濾過膜(旭化成(株)製濾過膜、SIP−1013)を用いて分散媒を水からメタノール(林純薬(株)製、メチルアルコール濃度:99.9重量%)に置換した。
得られた結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−1)の水分含有量、固形分濃度およびpH、ならびに分散液(MP−1)中の結晶性無機酸化物微粒子の物性値を表1に示す。
[製造例2]
結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−2)の調製
(工程1)チタニウムを主成分とする複合酸化物微粒子(コア粒子)の調製
製造例1の工程1と同様の操作を行った。
(工程2)コアシェル型結晶性無機酸化物微粒子の水分散液(P−2)の調製
<工程2.1>
製造例1の工程2.1において、水分散液(C−1)3.0kgに純水12.0kgを加えて固形分含有量を2重量%としたものを90℃の温度に加熱した後、これに前記過酸化ジルコン酸水溶液(1)および珪酸水溶液(1)添加する際に、前記過酸化ジルコン酸水溶液(1)および珪酸水溶液(1)をそれぞれ1.0kgおよび0.8kgに変更したこと以外は、製造例1の工程2.1と同様の操作を行い、混合液(2c)を得た。ここで、過酸化ジルコン酸水溶液(1)中に含まれるジルコン酸をZrO2で表し、珪酸水溶液(1)中に含まれる珪酸をSiO2で表したとき(以下の重量比の式では「SiO2-(1)」と表す。)、これらの重量比(ZrO2/SiO2-(1))は14/86であった。また、混合液(2c)中の無機酸化物微粒子に含まれる金属の重量を酸化物(TiO2、SnO2、SiO2(以下の重量比の式では「SiO2-(2)」と表す。))の重量に換算すると、重量比((ZrO2+SiO2-(1))/(TiO2+SnO2+SiO2-(2)))は7/100であった。
<工程2.2>
混合液(1c)を混合液(2c)に変更したこと以外は製造例1の工程2.2と同様の操作を行い、チタニウムを主成分とするコア粒子の表面を、ジルコニウムおよびケイ素を含む複合酸化物からなるシェルで被覆してなる結晶性無機酸化物微粒子(2)の透明乳白色水分散液(以下、「結晶性無機酸化物微粒子の水分散液(P−2)」ともいう。)3.8kgを調製した。
この結晶性無機酸化物微粒子(1)のX線回折では結晶性ピークが検出され、結晶構造はルチル型であった。
(工程3)結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−2)の調製
上記工程2で得られた結晶性無機酸化物微粒子の水分散液(P−2)1470gに陽イオン交換樹脂を混合して脱イオン処理した後、前記イオン交換樹脂を分離して得られた分散液に、メタノール(林純薬(株)製、メチルアルコール濃度:99.9重量%)2940gに表面処理剤としてテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製、正珪酸エチル)133.6gを溶解させたメタノール溶液を撹拌下で添加した後、60℃の温度で20時間、加熱した。
次に、得られた混合液を室温まで冷却してから、限外濾過膜(旭化成(株)製濾過膜、SIP−1013)を用いて分散媒を水からメタノール(林純薬(株)製、メチルアルコール濃度:99.9重量%)に置換した。
得られた結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−2)の水分含有量、固形分濃度は20.5重量%およびpH、ならびに分散液(MP−2)中の結晶性無機酸化物微粒子の物性値を表1に示す。
[製造例3]
結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−3)の調製
結晶性無機酸化物微粒子の水分散液(C−3)の調製
四塩化チタン(大阪チタニウムテクノロジ-ズ(株)製)をTiO2換算基準で7.75重量%含む四塩化チタン水溶液12.1kgと、アンモニアを15重量%含むアンモニア水(宇部興産(株)製)4.7kgとを混合し、pH9.5の白色スラリー液を調製した。次いで、このスラリーを濾過した後、純水で洗浄して、固形分含有量が10重量%の含水チタン酸ケーキ9.9kgを得た。
次に、このケーキに、過酸化水素を35重量%含む過酸化水素水(三菱瓦斯化学(株)製)11.3kgと純水20.0kgとを加えた後、80℃の温度で1時間、撹拌下で加熱し、さらに純水57.52kgを加えて、過酸化チタン酸をTiO2換算基準で1重量%含む過酸化チタン酸水溶液を98.7kg得た。この過酸化チタン酸水溶液は、透明な黄褐色でpHは8.5であった。
次いで、前記過酸化チタン酸水溶液98.7kgに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製)4.7kgを混合して、これに、スズ酸カリウム(昭和化工(株)製)をSnO2換算基準で1重量%含むスズ酸カリウム水溶液12.3kgを撹拌下で徐々に添加した。
次に、カリウムイオンなどを取り込んだ陽イオン交換樹脂を分離した後、オートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製、120L)に入れて、165℃の温度で18時間、加熱した。
次に、得られた混合水溶液を室温まで冷却した後、限外濾過膜装置(旭化成(株)製、ACV−3010)で濃縮して、固形分含有量が10重量%のチタンおよびスズを含む複合酸化物微粒子(チタン系微粒子)を含む混合水溶液9.9kgを得た。
このようにして得られた混合水溶液中に含まれる固形物を上記の方法で測定したところ、ルチル型の結晶構造を有する、チタン系微粒子であった。さらに、このチタン系微粒子中に含まれる金属成分の含有量を測定したところ、各金属成分の酸化物換算基準で、TiO2が87.2重量%、SnO2が11.0重量%、およびK2Oが1.8重量%であった。また、該混合水溶液のpHは10.0であった。
次いで、前記チタン系微粒子を含む混合水溶液9.00kgをスプレードライヤー(NIRO社製NIRO ATOMIZER)に供して噴霧乾燥(入口温度:260℃、出口温度:55℃)した。これにより、平均粒子径が約2μmの複合酸化物粒子からなる乾燥粉体0.63kgを得た。
次に、上記で得られたチタン系微粒子の乾燥粉体0.63kgを、空気雰囲気下、700℃の温度にて1時間焼成して、チタン系微粒子の焼成粉体0.59kgを得た。
次に、得られたチタン系微粒子の焼成粉体0.17kgを純水250.4gに分散させ、これに10重量%濃度の水酸化カリウム水溶液24.8gを添加してpH11.0に調整した。次いで、この混合水溶液に粒子径0.1mmのアルミナビーズ(大明化学工業(株)製 高純度アルミナビーズ)1.27kgを加えて、これを湿式粉砕機(カンペ(株)製バッチ式卓上サンドミル)に供して180分間、前記チタン系微粒子の粉砕処理を行った。その後、石英ビーズを目開き44μmのステンレス製フィルターを用いて分離・除去したのち、さらに純水840.0gを添加して撹拌し、固形分含有量が11重量%の水分散ゾル1.17kgを得た。
このように粉砕して得られたチタン系微粒子を含む水分散ゾルは乳白色であった。また、この水分散ゾル中に含まれる前記チタン系微粒子の平均粒子径は106nmであり、さらに100nm以上の粒子径を有する粗大粒子の分布頻度は59.1%であった。
次いで、この固形分含有量が11重量%の水分散ゾル1.17kgに純水0.12kgを添加して、固形分濃度が10重量%の水分散ゾルとし、さらに陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製)0.29kgを混合して15分間攪拌した。次に、前記陰イオン交換樹脂を目開き44μmのステンレス製フィルターを用いて分離・除去したのち、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製)39.4gを混合して15分間攪拌した。次いで、前記陽イオン交換樹脂を目開き44μmのステンレス製フィルターを用いて分離・除去したのち、この水分散ゾルを遠心分離機(日立工機(株)製CR−21G)に供して12,000rpmの速度で1時間処理して、100nm以上の粒子径を有する粗大粒子を分級して取り除いた。これにより、固形分含有量が6.4重量%の水分散ゾル1.13kgを得た。
次いで、この固形分含有量が6.4重量%の水分散ゾル1.13kgに、純水2.49kgを混合して、固形分含有量が2.0重量%の水分散ゾル3.62kgを得た。次に、この水分散ゾルをオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製、5L)に入れて、165℃の温度で18時間、加熱処理した。
次に、オートクレーブから取り出して室温まで冷却された水分散ゾルに、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製)0.14kgを混合して15分間攪拌した。次いで、前記陰イオン交換樹脂を目開き44μmのステンレス製フィルターを用いて分離・除去したのち、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製)9.5gを混合して15分間攪拌した。さらに、前記陽イオン交換樹脂を目開き44μmのステンレス製フィルターを用いて分離・除去して、脱イオンされた固形分含有量が2.0重量%のチタン系微粒子(コア粒子)を含む水分散液(C−3)3.52kgを得た。
さらに、前記と同様な操作を4回繰返し、固形分含有量が2.0重量%のチタン系微粒子(コア粒子)を含む水分散液(C−3)を合計で17.6kgを得た。
コアシェル型結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−3)の調製
製造例2の工程2.2において、チタニウムを主成分とするコア粒子を含む水分散液(C−1)3.0kgを用いる代わりに、上記のチタン系微粒子(コア粒子)を含む水分散液(C−3)15.0kgを用いた以外は製造例2の工程2.2および工程3と同様の操作を行い、コアシェル型結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−3)を得た。結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−3)の水分含有量、固形分濃度およびpH、ならびに分散液(MP−3)中の結晶性無機酸化物微粒子の物性値を表1に示す。
[製造例4]
コアシェル型でない結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MF−1)の調製
製造例1の工程3において、結晶性無機酸化物微粒子の水分散液(P−1)1470gを使用するかわりに、製造例1の工程1で得られたチタニウムを主成分とするコア粒子を含む水分散液(C−1)1470gを使用した以外は製造例1の工程3と同様の操作を行い、コアシェル型でない結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MF−1)を調製した。結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MF−1)の水分含有量、固形分濃度およびpH、ならびに分散液(MF−1)中の結晶性無機酸化物微粒子の物性値を表1に示す。
Figure 2015193757
[実施例1]
ハードコート層形成用塗料組成物(H1)の調製
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Momentive Performance Materals Inc.製SILQUEST A−186 SILANE)160.1gとテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製、正珪酸エチル)40.1gの混合液を液温10℃で撹拌しながら、そこへ0.1Nの塩酸水溶液94.7gを滴下した。更に、この混合液を液温10℃で48時間撹拌して、シラン化合物の加水分解を行い、加水分解液を得た。
次いで、この加水分解液に、製造例1で調製した固形分濃度20.5重量%の結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−1)299.8g、イタコン酸(キシダ化学(株)製、特級)38.2g、ジシアンジアミド(キシダ化学(株)製、一級)13.1gを加え、この混合液を液温30℃で24時間撹拌して、シラン化合物加水分解物と結晶性無機酸化物微粒子とが結晶性無機酸化物微粒子群を含む溶液を得た。ついで、この溶液にレベリング剤としてのシリコーン系界面活性剤を10重量%に調整したメタノール溶液(東レ・ダウコーニング(株)製、L−7001)5.7gを加え、液温10℃で48時間撹拌して、この溶液をロータリーエバポレーター(柴田化学(株)製)で、温浴の温度を30℃にし、減圧度を徐々に上げ1時間で溶媒であるメタノールを除去し、ハードコート層形成用塗料組成物(H1)を調製した。塗料組成物の物性を表2に示す。
[実施例2]
ハードコート層形成用塗料組成物(H2)の調製
メタノール除去の際の温浴の温度を30℃から40℃に変更し、メタノール除去にかける時間を1時間から0.5時間に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、ハードコート層形成用塗料組成物(H2)を調製した。塗料組成物の物性を表2に示す。
[実施例3]
ハードコート層形成用塗料組成物(H3)の調製
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Momentive Performance Materals Inc.製SILQUEST A−186 SILANE)160.1gを液温10℃で撹拌しながら、そこへ0.01Nの塩酸水溶液47.2gを滴下した。更に、この混合液を液温10℃で48時間撹拌して、シラン化合物の加水分解を行い、加水分解液を得た。
次いで、この加水分解液に、製造例2で調製した固形分濃度20.5重量%の結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−2)637.9g、イタコン酸(キシダ化学(株)製、特級)27.4g、ジシアンジアミド(キシダ化学(株)製、一級)9.9gを加え、この混合液を液温30℃で24時間撹拌して、シラン化合物加水分解物と結晶性無機酸化物微粒子とが結晶性無機酸化物微粒子群を含む溶液を得た。ついで、この溶液にレベリング剤としてのシリコーン系界面活性剤を10重量%に調整したメタノール溶液(東レ・ダウコーニング(株)製、L−7001)6.4gを加え、液温10℃で48時間撹拌して、この溶液をロータリーエバポレーター(柴田化学(株)製)で、温浴の温度を30℃にし、減圧度を徐々に上げ0.5時間で溶媒であるメタノールを除去し、ハードコート層形成用塗料組成物(H3)を調製した。塗料組成物の物性を表2に示す。
[実施例4]
ハードコート層形成用塗料組成物(H4)の調製
メタノール分散液(MP−2)637.9gを製造例3で調製した固形分濃度20.5重量%の結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MP−3)637.9gに変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行い、ハードコート層形成用塗料組成物(H4)を調製した。塗料組成物の物性を表2に示す。
[比較例1]
ハードコート層形成用塗料組成物(C1)の調製
メタノール除去の際の温浴の温度を30℃から15℃に変更し、減圧度を徐々に上げメタノール除去にかける時間を1時間から12時間に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、ハードコート層形成用塗料組成物(C1)を調製した。塗料組成物の物性を表2に示す。
[比較例2]
ハードコート層形成用塗料組成物(C2)の調製
メタノール除去の際の温浴の温度を30℃から60℃に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、ハードコート層形成用塗料組成物(C2)を調製した。塗料組成物の物性を表2に示す。
[比較例3]
ハードコート層形成用塗料組成物(C3)の調製
メタノール分散液(MP−1)299.8gを製造例4で調製した固形分濃度20.5重量%の結晶性無機酸化物微粒子のメタノール分散液(MF−1)299.8gに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、ハードコート層形成用塗料組成物(C3)を調製した。塗料組成物の物性を表2に示す。
Figure 2015193757
[製造例5]
プライマー層膜形成用塗料組成物(X1)の調製
市販の熱可塑性樹脂であるポリウレタンのエマルジョン「スーパーフレックス150」(第一工業製薬製、水分散型ウレタンエラストマー固形分含有量30%)205.3gに、上記製造例1で調製した結晶性無機酸化物微粒子群のメタノール分散液(MP−1)164.2gおよびイオン交換水96.9gを加えて10℃で1時間攪拌し、次いで、メタノール(林純薬(株)製、メチルアルコール濃度:99.9重量%)531.1g、およびレベリング剤としてのシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、L−7604)0.3gを加えて10℃で一昼夜攪拌して、プライマー層膜形成用塗料組成物(X1)を調製した。
[試験用プラスチックレンズ基板(試験片)の作製および評価]
<プラスチックレンズ基板(試験片)の作製>
(1)プラスチックレンズ基材の前処理
市販のプラスチックレンズ基材「モノマー名:MR−8」(三井化学(株)製、基材の屈折率1.60)、「モノマー名:MR−7」(三井化学(株)製、基材の屈折率1.67)および「モノマー名:MR−174」(三井化学(株)製、基材の屈折率1.74)を、40℃に保った10重量%濃度のKOH水溶液に2分間浸漬してエッチング処理を行った。更に、これらを取り出して水洗したのち、十分に乾燥させた。
(2)プライマー層の形成
前処理を行ったプラスチックレンズ基材にプライマー層膜形成用塗料組成物をそれぞれ塗布して塗膜を形成した。なお、この塗料組成物の塗布は、ディッピング法を用いて行った。
次に、前記塗膜を100℃で10分間、加熱処理して、塗膜(プライマー層)の予備乾燥を行った。
このようにして形成された前記プライマー層の予備硬化後の膜厚は、概ね0.5〜1.0μmであった。
(3)ハードコート層膜の形成
前記前処理を行ったプラスチックレンズ基材、またはプライマー層が形成されたプラスチックレンズ基材の表面に、ハードコート層膜形成用の塗料組成物を塗布して塗膜を形成した。なお、この塗料組成物の塗布は、ディッピング法を用いて行った。
次に、前記塗膜を90℃で10分間、乾燥させた後、110℃で2時間、加熱処理して、塗膜(ハードコート層)の硬化を行った。この際、前記プライマー層の本硬化も同時に行った。
このようにして形成された前記ハードコート層の硬化後の膜厚は、概ね10.0〜50.0μmであった。
(4)反射防止層の形成
前記ハードコート層の表面に、以下に示す構成の無機酸化物成分を真空蒸着法によって蒸着させた。ここでは、ハードコート層側から大気側に向かって、SiO2:0.06λ、ZrO2:0.15λ、SiO2:0.04λ、ZrO2:0.25λ、SiO2:0.25λの順序で積層された反射防止層をそれぞれ形成した。また、設計波長λは、520nmとした。
<プラスチックレンズ基板(試験片)の評価>
実施例1〜4、比較例1〜3で得られたハードコート層形成用の塗料組成物H1、H2、H3、H4、C1、C2、C3と、任意にプライマー層形成用塗料組成物X1を用いて、表3に示す組み合わせで前処理を行ったプラスチックレンズ基材上にプライマー層膜およびハードコート層膜を形成して試験片1〜13を作製した。試験片8、9、12および13では反射防止層も形成した。
なお、ハードコート層膜形成用塗料組成物H1を塗布し反射防止層膜を形成した試験片8の基材、および、ハードコート層膜形成用塗料組成物C1を塗布し反射防止層膜を形成した試験片9を作成した。
このようにして得られた試験片1〜13について、上記の評価試験法を用いて、外観(干渉縞)、外観(曇り)、耐擦傷性、膜硬度、密着性、耐候性、耐光性、屈折率を試験して評価した。その結果を表3に示す。
この結果から明らかなように、実施例で作成した塗料組成物を塗布して得られた試験片では耐擦傷性および膜硬度が非常に高いとともに、曇りがなく透明度が高いことがわかった。また、さらに密着性、耐候的密着性および耐光性が高いことがわかった。
Figure 2015193757

Claims (16)

  1. (I)平均粒子径が5〜50nmの範囲にありTi、Zn、SnおよびZrから選ばれる1種または2種以上の金属成分を含む結晶性無機酸化物微粒子と、重合性有機ケイ素化合物と、硬化触媒と、分散媒とを含む分散液を準備する工程、および
    (II)前記分散液から前記分散媒の全部または一部を揮発させて除去することにより、粘度が10〜40mPa・sの塗料組成物を得る工程
    を含むハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
  2. 前記分散媒を含まないか40質量%以下の割合で含有する請求項1に記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
  3. 前記工程(II)を温度25〜50℃で実施する請求項1または2に記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法
  4. 前記工程(II)を減圧下で実施する請求項1〜3のいずれかに記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
  5. 前記工程(I)において、前記結晶性無機酸化物微粒子、前記重合性有機ケイ素化合物、前記硬化触媒および前記分散媒を含む混合液を、熟成させ、次いでレベリング剤と混合して前記分散液を得る、請求項1〜4のいずれかに記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
  6. 前記結晶性無機酸化物微粒子が、表面にグリシドキシ基および/または(メタ)アクリロイルオキシ基を有するコアシェル型粒子である、請求項1〜5のいずれかに記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
  7. 前記重合性有機ケイ素化合物の一部または全部がγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである請求項1〜6のいずれかに記載のハードコート層形成用塗料組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で製造されるハードコート層形成用塗料組成物。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法でハードコート層形成用塗料組成物を製造する工程、および
    被塗布物の表面に、ディップコート法により前記塗料組成物を塗布し、次いで硬化させてハードコート層を形成する工程
    を含むハードコート層の製造方法。
  10. ディップコート法による前記塗料組成物の1回の塗布で形成される前記ハードコート層の厚さが6〜30μmである、請求項9に記載のハードコート層の製造方法。
  11. 前記ハードコート層の屈折率が1.50〜1.80の範囲にある請求項9または10に記載のハードコート層の製造方法。
  12. 請求項9〜11のいずれかの方法で製造されるハードコート層。
  13. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法でハードコート層形成用塗料組成物を製造する工程、および
    光学基材の表面に、ディップコート法により前記塗料組成物を塗布し、硬化させてハードコート層を形成する工程
    を含むハードコート層付き光学基材の製造方法。
  14. ディップコート法による前記塗料組成物の1回の塗布で形成される前記ハードコート層の厚さが6〜30μmである、請求項13に記載のハードコート層付き光学基材の製造方法。
  15. 前記ハードコート層の屈折率が1.50〜1.80の範囲にある請求項13または14に記載のハードコート層の製造方法。
  16. 請求項13〜15のいずれかに記載の方法で製造されるハードコート層付き光学基材。
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