JP2007270098A - 高屈折率コーティング用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、該超微粒子が水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液、及びそれを含んだ分散安定性、塗布適性に優れたコーティング用組成物、さらには樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性、紫外線遮蔽性等が良好であり、且つ基材に形成した際に干渉縞の発生しないコーティング用組成物、コート膜、およびその製造法を提供する。
【解決手段】
屈折率が1.5〜2.8である、ルチル型酸化チタン超微粒子を核とし、特定の手法でケイ素酸化物からなる被覆層を設けた被覆型酸化物超微粒子を水または有機溶媒に分散してなるゾル液および当該超微粒子とマトリックス形成成分とを含むコーティング用組成物、それを用いてなるコート膜、およびコート膜が施された基材である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、該超微粒子が水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液、及びそれを用いてなる分散安定性、塗布適性に優れたコーティング用組成物および、さらには樹脂あるいはガラスなどの透明基材などに塗布した際の耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性、紫外線遮蔽性等が良好であり、基材に形成した際に干渉縞の発生しないコーティング用組成物、それを用いたコート膜、およびその製造法に関する。
プラスチック製メガネレンズは、低屈折率のジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(屈折率1.50)が用いられてきたが、近年、硫黄元素を導入した高屈折率樹脂が開発されている。例えば特許文献1に記載されているチオール化合物とイソシアネート化合物を熱重合し、チオウレタン結合を形成して得られる樹脂レンズ(屈折率1.60〜1.70)、さらには特許文献2に記載されているチオエポキシ系化合物を重合して得られる樹脂樹脂レンズ(屈折率1.70以上)が開発されている。ところが、プラスチックレンズは耐擦傷性が低く傷が付き易いという欠点を持つため、シリカゾルおよび有機ケイ素化合物を用いたコーティング用組成物を調製し、ハードコート膜を表面に設ける方法が行われている。
また、光硬化型ハードコート膜は簡便に製膜出来るため、同様に耐擦傷性向上のためのハードコート膜として用いられている。
また、プラスチックレンズは耐衝撃性が低いという欠点を持つ。そのため、基材とハードコート膜との間にプライマー膜を施し、衝撃を吸収させるといった方法が用いられている。しかしながら、基材が高屈折率であるのに対して低い屈折率であるため、塗膜に基材との屈折率差による干渉縞が見え、外観不良となるという問題が生じる。そのため、ハードコート膜、プライマー膜あるいは光硬化型ハードコート膜の屈折率も、基材の屈折率同等レベルにまでに近づける必要がある。
ところで、酸化チタンには代表的な結晶型としてルチル型とアナターゼ型とがある。これまで高屈折率用の金属酸化物超微粒子ゾル液として、屈折率no=2.56、ne=2.49を有するアナターゼ型酸化チタン超微粒子を主成分とした材料が、主に用いられている。これに対し、ルチル型酸化チタンはその屈折率が屈折率no=2.61、ne=2.9(no:常光線に対する屈折率、ne:異常光線に対する屈折率)(実験科学講座 日本化学会編)であり、アナターゼ型に比べて高屈折率、紫外線吸収といった光学特性などに優れていることが知られており、このルチル型酸化チタン超微粒子、及びゾル液を合成する試みが積極的に行われている。しかしながら、産業的に用い得るルチル型酸化チタン超微粒子、及びゾル液は未だ得られていないのが現状である。
例えば、元々低屈折率タイプのアナターゼ型酸化チタンを製造する方法において、スズをドーピング剤として添加し、強制的にルチル型に変異させようとする方法が報告されている。H.Chengらによる、Chem. Mater., 7, 663, (1995)に記載された方法によれば、強酸性、高濃度条件下、水熱合成法により合成する。しかし220℃という高温であるために、結晶径が20nmを越え、しかも酸化スズが混じるため良好なルチル型酸化チタンは得られないという欠点を有する。また、X.Z.Dingらによる、Nano Mater., 4, 663, (1994)記載の方法によれば、60℃条件下、チタニウムテトラブトキシドの水、エタノール混合溶液を原料とし、ドーピング剤として四塩化スズ五水和物、触媒として塩酸を添加し、アナターゼ型をルチル型へ変換する。しかし、この方法でもアナターゼ型が残存あるいは酸化スズが生成するという欠点がある。特許文献3には通常アナターゼ型になるところをスズ化合物添加でルチル型にするが、同様の欠点がある。
一方、ルチル型酸化チタンを低温で合成する方法が、H.D.Namらにより、Jpn. J. Appl. Phys., 37, 4603(1998)に報告されている。しかし、この方法によれば、長繊維状のルチル型酸化チタンが寄せ集まった凝集粒子径200〜400nmの凝集体が生成する。
これまでコート膜高屈折率化のためにコーティング用組成物に添加する金属酸化物超微粒子、ゾル液として、酸化アンチモンが推奨されてきたが、プラスチックレンズ基材の屈折率が最近のように1.6以上の場合には、もはやこの酸化アンチモンでは対応できない。酸化アンチモン自体は屈折率1.7を有しているが、屈折率の低い有機ケイ素化合物等に充填させて用いるため、コート膜としての屈折率が基材よりも低くなるためである。
このような問題を解決する手段として、上記記載の酸化アンチモンなどよりも屈折率の高いアナターゼ型酸化チタンからなる超微粒子をハードコート膜、プライマー膜及び光硬化型ハードコート膜に含有させるという手法が用いられている。
しかしながらアナターゼ型酸化チタン超微粒子を用いたコート膜は耐光性に劣ることが分かっている。すなわち、酸化チタンの光触媒作用により、光吸収で発生した電子−ホールによる有機物分解を起こし、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候性、紫外線遮蔽性能等が問題となっている。
現在ではこのような干渉縞、およびアナターゼ型酸化チタン超微粒子含有コート膜の耐光性を改善させる目的で、例えば特許文献4記載のような、アナターゼ型酸化チタンと金属酸化物を複合した超微粒子、あるいはアナターゼ型酸化チタンを金属酸化物で被覆した超微粒子及びこれを用いたコーティング用組成物、コート膜が適用されている。
これらはいずれも金属酸化物被覆によるアナターゼ型酸化チタン超微粒子の不活性化を目標としたものである。このように酸化チタン超微粒子を各種金属酸化物で被覆することで耐光性は改善される。しかし、周辺有機物劣化による変色や退色、硬度の低下等、長期間にわたる耐光安定性を満足し得るものではなかった。さらには用いる金属によっては着色が見られるといった問題があった。
また、使用されている酸化チタンはアナターゼ型であるために、屈折率が約2.5であり、耐光性向上のために金属酸化物で被覆した場合には大幅に屈折率が低下してしまい、本来のアナターゼ型酸化チタンの屈折率よりは低くなり、コート膜の屈折率を向上させる効果は低い。被覆する金属酸化物の量を減らし屈折率を上げたとしても耐光性が不十分となり、高屈折率基材、特に1.70以上のメガネレンズ基材に用いた場合には、耐光性を持たせたままコート膜の屈折率を向上させることは困難であり、干渉縞を完全に消失させることが出来ていないのが現状である。
これに対して従来のアナターゼ型酸化チタンより屈折率の高いルチル型酸化チタンは、前記した通り、用い得る超微粒子、ゾル液が無いのが現状であった。
同様に高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、ゾル液が光学レンズ(メガネレンズ、CD、DVDなどの情報記録機器におけるピックアップレンズ、デジタルカメラなどの撮影機器用レンズ等)、光学プリズム、光導波路、光ファイバー、薄膜成形物、光学用接着剤、光半導体用封止材料等の高屈折光学部材の材料等だけでなくプラスチック劣化防止添加剤、化粧品添加剤、自動車用窓ガラス、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、光学フィルター等の光学部材、屈折率調製用に金属材料、セラミックス材料、ガラス材料、プラスチック材料などといった製品分野でも求められている。
特開平9−110956号公報 特開2002−194083号公報 特許第2783417号公報 特開2001−123115号公報
本発明は、高屈折率で分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた超微粒子、該超微粒子が水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液、及びそれを用いてなる屈折率1.50以上、特に1.70以上の基材に塗布した際に、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性、紫外線遮蔽性等が良好であり、且つ干渉縞の発生しないコーティング用組成物、それを用いたコート膜、およびその製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、焼結剤として用いられるスズ化合物が長繊維化を防止すると共に凝集も防止し、ルチル型酸化チタン超微粒子、分散性に優れたゾル液が得られることを見出した。さらには、これを核超微粒子とし特定の方法でケイ素酸化物を含む被覆層を設けることによって、従来の被覆法では得られなかった分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた高屈折率の平均粒子径が1〜100nmの被覆型無機酸化物超微粒子が得られることを見出した。さらに屈折率1.50以上、特に1.70以上の基材に塗布した際に、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性、紫外線遮蔽性等が良好であり、且つ干渉縞の発生しないコーティング用組成物、それを用いたコート膜、およびその製造法を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、
[1] 少なくとも下記の(A)および(B)を主成分とするコーティング用組成物。
(A)屈折率が1.5〜2.8であるルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子を核(a)とし、ケイ素酸化物を含む被覆層(b)から構成される無機酸化物被覆層を有する被覆型無機酸化物超微粒子
(B)有機ケイ素化合物、その加水分解物及びその縮合物の中から選択される一種以上、または樹脂あるいは樹脂モノマー一種以上、または光硬化型モノマー一種以上
[2] 前記核(a)のルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子中のルチル型酸化チタン超微粒子が、
チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であり、
前記(b)のケイ素酸化物を含む被覆層が、二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られる被覆層を有し、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆型無機酸化物超微粒子である[1]記載のコーティング用組成物。
(1)核(b)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(a)と反応させる工程
(2)核(b)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程。
[3] 前記被覆型無機酸化物超微粒子の結晶径の短軸、長軸が2〜20nmである[1]または[2]記載のコーティング用組成物。
[4] 前記被覆型無機酸化物超微粒子からなる凝集体の平均凝集粒子径が、10〜100nmである[1]〜[3]の何れかに記載のコーティング用組成物。
[5] 前記被覆型無機酸化物超微粒子が、水あるいは有機溶媒に分散してなるゾルを用いることを特徴とする[1]〜[4]の何れかに記載のコーティング用組成物。
[6] 前記の被覆型無機酸化物超微粒子の表面が有機ケイ素化合物またはアミン類で処理されていることを特徴とする[1]〜[5]の何れかに記載のコーティング用組成物。
[7] [1]〜[6]記載のコーティング用組成物を用いて硬化して得られるハードコート膜。
[8] 屈折率が1.5〜2.8である[7]記載のハードコート膜。
[9] [7]または[8]記載のハードコート膜が施された基材。
[10] [1]〜[6]記載のコーティング用組成物を用いて硬化して得られるプライマー膜。
[11] 屈折率が1.5〜2.8である[10]記載のプライマー膜。
[12] [10]または[11]記載のプライマー膜が施された基材。
[13] [10]または[11]に記載のプライマー膜の上に[7]または[8]に記載のハードコート膜が施されてなる基材。
[14] 基材の屈折率が1.5〜2.8である[9]、[12]または[13]の何れかに記載の基材。
[15] [9]、[12]、[13]または[14]の何れかに記載の基材上にさらに反射防止膜を施してなる基材。
に関するものである。
本発明のスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子は、従来の製法では成し得なかったものであり、かつアナターゼ型では得られない高屈折率の超微粒子、ゾル液を提供することが出来る。このスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子に特定の方法でケイ素酸化物を含む被覆層を設けることによって、従来の被覆法では得られなかった分散性、耐光性、耐候性、透明性に優れた高屈折率の平均粒子径が1〜100nmの被覆型無機酸化物超微粒子を提供することが出来る。さらに、超微粒子、ゾル液をコーティング用組成物およびコート膜に適用した場合に、ハードコート、プライマー、光硬化型コート膜を有する1.50以上、特に1.70以上の高屈折率基材において、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性、紫外線遮蔽性等が良好であり、且つ干渉縞の発生しないコート膜、あるいはコート膜が施された基材を提供することが可能になった。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本願発明におけるコーティング用組成物とは少なくとも下記の(A)および(B)を主成分とするコーティング用組成物である。
(A)屈折率が1.5〜2.8であるルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子を核(a)とし、ケイ素酸化物を含む被覆層(b)から構成される無機酸化物被覆層を有する被覆型無機酸化物超微粒子
(B)有機ケイ素化合物、その加水分解物及びその縮合物の中から選択される一種以上、または樹脂あるいは樹脂モノマー一種以上、または光硬化型モノマー一種以上
より好ましくは、
前記核(a)のルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子中のルチル型酸化チタン超微粒子が、
チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であり、
前記(b)のケイ素酸化物を含む被覆層が、二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られる被覆層を有し、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆型無機酸化物超微粒子である、コーティング用組成物、である。
(1)核(b)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(a)と反応させる工程
(2)核(b)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程。
本発明の(A)屈折率が1.5〜2.8である、ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子とケイ素酸化物を含む被覆層から構成される被覆型無機酸化物超微粒子は、アナターゼ型酸化チタンを用いた場合に比べて屈折率を大きくでき、従って高屈折率のコーティング用組成物、それを用いたコート膜を形成することが可能となる。
本発明における、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子、とは、上記のように、超微粒子化したルチル型酸化チタンを含んでいればよく、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンとの複合体であっても、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを被覆するような形状であってもよく、特に制限はないが、通常、当該無機酸化物超微粒子中、ルチル型酸化チタンの割合は5〜100%(重量比)、好ましくは、50〜100%、さらに好ましくは70〜100%である。
また、超微粒子化したルチル型酸化チタン以外の成分については、本発明の超微粒子の分散安定性を損なわないものであればよく、特に制限はないが、中でも無機酸化物が望ましい。具体的には、例えば、Al、Si、V、Fe、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Sb、W等の酸化物が挙げられ、好ましくは、Al、Si、Zr、Sn、Sbの酸化物である。
本発明において、好適なルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子とケイ素酸化物を含む被覆層から構成される被覆型無機酸化物超微粒子としては、より具体的には、ルチル型酸化チタン超微粒子が、チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であって、該超微粒子のSn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であり、且つ結晶径の短軸、長軸が2〜20nm、超微粒子凝集体の結晶の平均凝集粒子径が、10〜100nmであることを特徴とするスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を核微粒子とし、当該核微粒子とケイ素酸化物を含む被覆層から構成される被覆型無機酸化物超微粒子である。
なお、ここで言う結晶径とは、いわゆる一次粒子径のことであって、化学便覧改訂3版(基礎編 丸善株式会社)記載のようにa、c軸方向長さで表現される。本明細書ではそれぞれ短軸、長軸と呼ぶ。また、平均凝集粒子径とは、一次粒子が凝集してなる粒子径を表す。
まず、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の製造法について説明する。
本発明において用いられるスズ化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には例えば塩化スズ、硝酸スズ、硫酸スズ、スズ酸塩などのスズ塩化合物あるいは酸化物、水酸化物、金属スズ等から選ばれるスズ化合物等が好ましいものとして挙げられる。
本発明において用いられるチタン化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には例えば、塩化酸化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン、チタンアルコキシド、水和酸化チタン(あらかじめチタン化合物をアルカリ条件で加水分解させたものも含む)などから選ばれるチタン化合物等が好ましいものとして挙げられる。
まず、スズ化合物を水溶液に添加しておき、これにチタン化合物を加える。スズ化合物とチタン化合物は同時に加えてもよいし、どちらが先であってもよい。また、混合化合物の形態であってもよい。反応溶媒は水が望ましいが、アルコール等の有機溶媒あるいは水と有機溶媒の混合溶媒でもよい。
ルチル型酸化チタンの結晶成長制御のための修飾剤として反応に用いるスズ化合物の量は、チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2、好ましくは0.01〜1であることが望ましい。スズ量を上記範囲より少なくしていくとルチル型酸化チタン超微粒子は生成するが、結晶径、凝集粒子径が大きくなり、したがって分散性が悪くなる可能性がある。また、コート膜とした際に透明性が低下する可能性がある。また、上記範囲より多くしていっても、ルチル型を有する酸化チタン超微粒子の合成は可能であるが、反応に要する時間が長くなり、この場合はルチル型酸化チタン超微粒子に多量のスズ化合物が付着したものが得られる可能性がある。また、これより大きいと残存スズ化合物量が多くなり、粒子屈折率が低下する可能性がある。
反応液中のTi濃度は0.07〜5mol/l、好ましくは0.1mol/lから1mol/lが望ましい。上記範囲より低いTi濃度では、Sn/Ti(モル比)として0.01〜0.03の範囲でスズ化合物を添加してもアナターゼ型とルチル型の混合酸化チタン超微粒子が生成する可能性がある。同様に上記範囲より低いTi濃度では、Sn/Ti(モル比)として0.03より大きい範囲でスズ化合物を添加すると、ルチル型酸化スズを有する酸化チタン酸化スズ混合超微粒子が生成する可能性がある。
反応液のpHは−1〜3が望ましい。必要に応じて塩酸や硝酸などで調節する。pHが3より大きい条件で反応させると、スズ化合物を加えない場合ではアナターゼ型酸化チタンになってしまい、これを避けるためにスズ化合物を添加してルチル構造を得ようとすると、酸化スズなどのルチル型酸化チタンではない異種物質が生成してしまう可能性がある。
反応温度に関しては、Ti濃度とpHが上記の範囲であれば良く、特に制限は無いが、好ましくは−10〜100℃、さらに好ましくは20〜60℃が推奨される。反応温度に応じて反応完了時間が決定されるが、通常は0.5〜10時間で実施する。
上記の反応により生成したスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子中に含まれるスズ化合物量として、Sn/Tiモル比=0.001〜0.5であることが好ましい。スズ量を上記範囲より少なくしていくとルチル型酸化チタン超微粒子の粒子径が大きくなり、分散性が悪くなる可能性がある。また、上記範囲より多くしていくと、より効率よく結晶成長及び凝集を制御し、粒子径の小さな超微粒子が得られるが、ルチル型酸化チタン超微粒子に多量のスズ化合物が付着したものが得られ、結果として屈折率の低い超微粒子が得られる可能性がある。
この方法により得られたスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmである。
本発明のスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が得られる反応機構(反応メカニズム)は現在十分に明らかではないが、これは表面がスズ化合物で修飾されていることを特徴としている。原料に用いたスズ化合物、あるいは溶液中で解離したスズイオン、あるいは加水分解等により溶液中で生成したスズ化合物が、酸化チタン表面に配位、吸着、化学結合等により付着したものと推測される。また、元々アナターゼ型ではなくルチル型酸化チタン生成条件でスズ化合物を修飾剤として添加したもので、長軸方向への結晶成長が阻止された結果生じたものと推測される。このことは超微粒子の結晶径が2〜20nmであるスズ修飾酸化チタン超微粒子を得るために必要な修飾スズ化合物量が酸化チタンを隙間無く被覆する量には程遠い、チタンに対するモル比が0.001〜0.5という少量であることからも窺える。
上記により得られた反応生成物は、そのままスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、ゾル液として用いてもよいし、所望の後処理を施してもよい。すなわち、エバポレーターによる減圧濃縮、限外ろ過などの公知の方法で精製、適当な濃度に濃縮することも可能である。遠心分離して白色沈殿物を得、水、その他所望の媒体に対して再分散させることも可能である。
本発明により得られたスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmであることが好ましい。結晶径が2nmより小さいと、これらを含むコーティング用組成物を用いてコート膜を作成した場合に耐擦傷性、硬度が不十分となり、また、本来得られる屈折率が得られなくなる可能性がある。20nmより大きいと、光の散乱が生じる可能性がある。平均凝集粒子径が100nmより大きいと、得られるコート膜が白濁し、不透明となる可能性がある。
次に、ケイ素酸化物を含む被覆層(b)の調製方法について述べる。
該被覆層(b)、即ちケイ素酸化物を含む被覆層とは、二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られ、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆層である。
(1)核(a)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(a)と反応させる工程
(2)核(a)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程
本発明において、上記で合成したスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子あるいはそのゾル液を反射防止膜形成用塗布液あるいは反射防止膜に用いる場合、酸化チタンの光触媒性による周辺有機物の劣化を防止するため、耐光性を付与することが必要になる。この目的のためにスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を、ケイ素酸化物を含む被覆層にて被覆することが行われる。なお、被覆とは微粒子表面を完全に覆った形態、あるいは隙間が空いた形態両方を意味する。
上記被覆に用いられるケイ素酸化物としては、コロイダルシリカ、ケイ酸ゾル、ケイ酸ナトリウム、あるいはケイ酸カリウムなどのケイ酸塩を挙げることが出来る。ここでいうケイ素酸化物とは無定形の酸化物、結晶性の酸化物、あるいは水和した状態であってもよい。また、ケイ酸、ケイ酸オリゴマーあるいはそれらの塩であってもよく、それらが核微粒子表面に吸着、結合した状態であってもよい。
被覆層の形成方法としては、まず、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子のゾル液を調製する。上記で調製したゾル液を希釈あるいは濃縮し、固形分として0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にすることが望ましい。分散液の固形分濃度が0.01重量%未満の場合は生産性が低く工業的に有効でなく、分散液の固形分濃度が20重量%を越えると得られる超微粒子が凝集体となる可能性がある。
核微粒子(この場合、核(a)であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、をさす)を含む反応液にケイ素酸化物を水および/または有機溶媒に溶解した溶液を連続的あるいは断続的に添加して核微粒子表面において反応させる。0.1〜100時間かけて(核微粒子ゾル液がゲル化しない程度に)滴下することが望ましい。反応液中でのケイ素酸化物の滴下終了後の濃度は酸化ケイ素換算で0.01〜5wt%が好ましい。これより小さいと生産性が低く工業的に有効でなく、これより大きいと(ケイ素酸化物のみで)重合が進行しすぎてケイ素酸化物の不溶物が生成する可能性がある。
[ 工程(1):核(a)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(a)と反応させる工程 ]
まず、核微粒子即ち核(a)と、核(a)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物を、pH<7の条件下で反応させる。
ここで用いられるケイ素酸化物としては特に制限はないが、コロイダルシリカ、ケイ酸ゾルが好ましい。用いる量としては、核(a)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10が好ましく、0.01〜0.5であることが好ましい。この範囲、即ち10より大きいと十分な屈折率が得られなくなる可能性がある。この範囲、即ち0.001より小さいと分散安定性が低くなる可能性がある。
反応液のpHは7より小さいことが好ましく、さらには2〜4が好ましい。pHが7以上だと核微粒子であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が、凝集、ゲル化を引き起こす可能性がある。さらにpHが1よりも小さすぎると、核微粒子のもつ電気二重層が過剰のプラスイオンによって遮蔽され、凝集を引き起こす可能性がある。pHは必要に応じて酸性化合物あるいは塩基性化合物を加えて調整してもよい。例えば酸性化合物としては塩酸、硫酸、硝酸などが、塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
本工程では、核微粒子を含む反応液にケイ素酸化物を水および/または有機溶媒に溶解した溶液を連続的あるいは断続的に添加して核微粒子表面において反応させる。0.1〜100時間かけて核微粒子ゾル液がゲル化しない程度に滴下することが望ましい。これより長いと経済的に効率的でない。これより短いと反応が不十分となる可能性がある。
反応温度は特に制限はないが、0〜200℃が好ましく、30〜100℃がより好ましい。この範囲、即ち200℃より大きいと超微粒子が凝集する可能性がある。この範囲、即ち0℃より小さいと反応が十分に進行しない可能性がある。
[ 工程(2):核(a)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程 ]
工程(1)で得られた被覆超微粒子あるいはゾル液を必要に応じて解こうした後、続いて、(1)で得られた被覆超微粒子と、核(a)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物を、pH≧7の条件下で反応させる。
ここで用いられるケイ素酸化物としては特に制限はないが、コロイダルシリカ、ケイ酸ゾルが好ましい。用いる量としては、核(a)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10が好ましく、0.1〜1であることが好ましい。この範囲、即ち10より大きいと十分な屈折率が得られなくなる可能性がある。この範囲、即ち0.001より小さいと十分な耐光性が得られなくなる可能性がある。
反応液のpHは7以上であることが好ましく、さらには8〜11が好ましい。適宜この範囲にpHを調節すればよい。pHが7より小さいと緻密な被覆層が形成できない可能性がある。pHは塩基性化合物を加えて適宜調整すればよい。該塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
本工程では、核微粒子を含む反応液にケイ素酸化物を水および/または有機溶媒に溶解した溶液を連続的あるいは断続的に添加して核微粒子表面において反応させる。0.1〜100時間かけて添加することが望ましい。これより長いと経済的に効率的でない。これより短いと反応が不十分となる可能性がある。
反応温度は特に制限はないが、0〜200℃が好ましく、80〜200℃がより好ましい。この範囲、即ち200℃より大きいと微粒子が凝集する可能性がある。この範囲、即ち0℃より小さいと反応が十分に進行しない可能性がある。
なお、該被覆層(b)、即ちケイ素酸化物を含む被覆層に含まれるその他の無機酸化物としては得られる微粒子の耐光性、分散性、保存安定性を損なうものでなければ特に制限はないが、具体的には、例えば、Al、Si、V、Fe、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Sb、W等の酸化物が挙げられ、好ましくは、Al、Si、Zr、Sn、Sbの酸化物が挙げられる。
また、被覆層としては上記記載の二層のケイ素酸化物からなる被覆層のみが望ましいが、他の無機酸化物の被覆層を設けても良い。この場合、上記記載の二層のケイ素酸化物からなる被覆層の内側に設けることが望ましい。
本発明により得られた二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmであることが好ましい。結晶径が2nmより小さいと、本来得られる屈折率が得られなくなる可能性がある。20nmより大きいと、光の散乱が生じる可能性がある。平均凝集粒子径が100nmより大きいと、ゾル液が白濁し、不透明となる可能性がある。
上記手法によって得られる核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比はSiO2換算で0.001〜20である。被覆層の量により、超微粒子自体の屈折率と耐光性を調節することが出来る。これにより所望する耐光性を付与出来、かつ屈折率が1.5〜2.8で調節可能である。
上記により得られた反応生成物は、そのまま二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液として用いてもよいし、所望の後処理を施してもよい。すなわち、エバポレーターによる減圧濃縮、限外ろ過などの公知の方法で精製、適当な濃度に濃縮することも可能である。遠心分離して白色沈殿物を得、水、その他所望の有機溶媒に対して再分散させることも可能である。特に限外ろ過を行うことによって、微粒子周りの電気二重層を遮蔽して微粒子の凝集を引き起こす原因となるイオン分を取り除くことが出来るため、分散安定性が向上する。
酸化チタン超微粒子は通常中性域に等電位点を持ち、従来の製法では酸性領域で安定なゾルである。そのため従来の手法で製造した酸化チタン超微粒子ゾル液は中性〜塩基性では凝集、ゲル化を引き起こし、使用範囲が限定されるという問題があった。また有機溶媒に置換しようとすると凝集、ゲル化を引き起こし、安定性を損なうという問題があった。さらには分散媒が水の場合でも10重量%以上に濃縮しようとするとゲル化を引き起こし、高濃度に分散したゾル液を得るのは困難であり、生産性が低いといった問題があった。本発明に係るケイ素酸化物をpH<7の範囲で反応させることによって、広範囲pH、特に14>pH>3の条件において、凝集、ゲル化を生じず、分散性、保存安定性に優れた薄層のケイ素酸化物で被覆された酸化チタン超微粒子ゾル液が得られ、かつpH≧7の範囲で反応させることによって緻密で厚いケイ素酸化物被覆層を設けることができる。
通常酸性領域において安定な酸化チタン超微粒子ゾル液はその表面がプラスに帯電している。そこに上記条件において反応させることによって反対符号の電荷を持ち、かつ核微粒子よりもサイズの小さな超微粒子を選択することによって核微粒子表面でヘテロ凝集を引き起こし、より効果的に一様に薄層のケイ素酸化物被膜が形成され、これにより、核微粒子表面にSiO2の特性が付与され、本発明に係る酸化チタン超微粒子ゾルはpH=3〜14という広範囲のpH領域において安定となると考えられる。pH≧7の塩基性条件下で緻密で厚いケイ素酸化物層に成長させることによって高分散性を保ちながら耐光性、耐候性を有する超微粒子が得られる。すなわち、pH<7で形成される被覆内層及びpH≧7で形成される被覆外層の二層構造を持つ透明性、分散性、保存安定性、耐光性、耐候性等に優れた酸化チタン超微粒子、ゾル液である。
前記ケイ素酸化物被覆によりゾル液の濃度は固形分換算で20重量%以上、さらには35重量%以上の高濃度にした場合でも広範囲のpHで安定に存在する。
本発明により得られた被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の表面はアミン類、有機ケイ素酸化物で処理されていることが望ましい。これによってコーティング用組成物中で超微粒子の長期にわたる分散安定性が大きく向上する。特にメタノールよりも比誘電率が小さい溶媒を用いる場合には表面処理により溶媒との親和性を向上させることが好ましい。これによってコート膜の透明性、耐擦傷性、硬度、耐摩耗性等が向上する。なおここでの表面処理とは表面に、化学結合したもの、化学吸着、物理吸着などの何れであってもよい。
有機ケイ素化合物で表面処理する際には、シランカップリング剤として知られている化合物が好適である。具体的には、以下の一般式(1)、(2)で表される有機ケイ素化合物が好ましいものとして挙げられる。
(Ra(RbSi(OR(3-a-b) (1)
Si(OR4 (2)
(式中、R、Rはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ビニル基、アリル基、アシル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基等を有する有機基であり、Si−C結合によりケイ素と結合するものである。Rは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基等の有機基である。)
一般式(1)、(2)におけるR、R及びRとしては、具体的には例えば、アルキル基を有する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が、ハロゲン化アルキル基を有する有機基としては、クロロメチル基、3−クロロプロピル基等が、アシル基を有する有機基としては、アセトキシプロピル基等が、アクリロキシ基を有する有機基としては、3−アクリロキシプロピル基等が、メタクリロキシ基を有する有機基としては、メタクリロキシプロピル基等が、メルカプト基を有する有機基としては、メルカプトメチル基等が、アミノ基を有する有機基としては、3−アミノプロピル基等が、エポキシ基を含有する有機基としては、3−グリシドキシプロピル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシエチル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどが挙げられる。
一般式(2)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン等が挙げられる。
一般式で表される有機ケイ素化合物の加水分解は塩酸などを添加することにより行われる。これによりアルコキシ基の一部または全てが加水分解される。メタノールなどのアルコール類、メチルセロソルブなどのセロソルブ類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などで希釈して行ってもよい。
これらは、加水分解せずに反応を行っても、加水分解した後、その加水分解物、部分加水分解物、部分縮合物を超微粒子と反応させてもよい。さらにはこれらが縮合した形である加水分解性基、ヒドロキシル基を有するポリシロキサンのようなシリコーン樹脂で反応させてもよい。また、これらを単独で又は混合物として使用する事も可能である。
(OR)基が加水分解した後、超微粒子表面の−OH基と脱水反応を起こしSi−O−Mの結合を生じる事が好ましいが、一部が(OR)あるいは加水分解した−OH基として残存していてもかまわない。
処理方法としては有機ケイ素酸化物を含む溶剤にゾル液を混合し、必要に応じて触媒を加えた後、一定時間加熱して得る。必要に応じて限外ろ過、遠心分離などの方法で混合液中の未反応分を除去する等の方法で行われる。
また、表面処理に用いられるアミン(類)としては、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、トリエチルアミン、ドデシルアミンなどが好適に用いられる。これらで表面処理を行うには、例えばこれらの水あるいはアルコールなどの溶液に超微粒子あるいはゾル液を混合し、必要に応じて触媒を加えた後、所定時間常温で放置するか、加熱処理を行うとよい。
また上記官能基を有するポリマーなども効果的である。例えばポリスチレンをアミノ化した、さらにはそれらの誘導体であるスチロール系樹脂、ポリメチルメタクリレート側鎖に加水分解性ケイ素基を持つポリマー、加水分解性基あるいはヒドロキシル基を持つシリコーン樹脂等が挙げられる。表面処理方法は上記記載の方法で行えばよい。
用いられる表面処理剤の量は、用いる溶媒、コーティング用組成物中への分散性を考慮して適宜設定される。
また、酸化チタン超微粒子表面はカルボン酸と反応しやすいため、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酒石酸、グリコール酸、ポリアクリル酸などを用いることも可能である。ケイ素酸化物被覆層を考慮して適宜設定される。
この方法により結晶径の短軸、長軸は2〜20nm、平均凝集粒子径は10〜100nmのケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子が得られる。 結晶径が2nmより小さいと、これらを含むコート膜等に用いた場合に本来得られる屈折率が得られなくなる可能性がある。20nmより大きいと、光の散乱が生じる可能性がある。平均凝集粒子径が100nmより大きいと、ゾル液が白濁し、コート膜等が不透明となる可能性がある。
本発明において超微粒子を分散するのに用いられる有機溶媒(分散媒)としては、特に制限はなく、具体的には例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などが挙げられ、2種以上混合して用いてもよい。いずれもエバポレーター等によって分散媒を置換する方法がとられる。
次に本発明のコーティング用組成物のマトリックス成分である(B)有機ケイ素化合物、その加水分解物及びその縮合物の中から選択される一種以上、または樹脂あるいは樹脂モノマー一種以上、または光硬化型モノマー一種以上、について説明する。
まず、有機ケイ素化合物、その加水分解物及びその縮合物の中から選択される一種以上、とは、より具体的には、有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物、部分加水分解物、部分縮合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質から成り、用いられる有機ケイ素化合物としては特に制限はないが、以下の一般式(1)で表される有機ケイ素化合物が好ましいものとして挙げられる。
(Ra(RbSi(OR(3-a-b) (1)
(式中、R、Rはアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ビニル基、アリル基、アシル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基またはエポキシ基等を有する有機基であり、Si−C結合によりケイ素と結合するものである。Rは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基等の有機基である。)
一般式(1)におけるR、R及びRとしては、具体的には例えば、アルキル基を有する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が、ハロゲン化アルキル基を有する有機基としては、クロロメチル基、3−クロロプロピル基等が、アシル基を有する有機基としては、アセトキシプロピル基等が、アクリロキシ基を有する有機基としては、3−アクリロキシプロピル基等が、メタクリロキシ基を有する有機基としては、メタクリロキシプロピル基等が、メルカプト基を有する有機基としては、メルカプトメチル基等が、アミノ基を有する有機基としては、3−アミノプロピル基等が、エポキシ基を含有する有機基としては、3−グリシドキシプロピル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシエチル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミニプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、などが挙げられる。
本発明においては、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の中で、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン及びこれらの加水分解物、部分加水分解物、部分縮合物がより好適に用いられる。また、これらを単独で又は混合物として使用する事が可能である。
また、上記有機ケイ素化合物以外の有機ケイ素化合物として以下の一般式(2)で表される化合物を併用することもできる。
Si(OR4 (2)
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基またはアシル基等の有機基である。)
一般式(2)におけるRの具体例としては、一般式(1)のRと同じものが挙げられる。
一般式(2)で表される化合物ととしては、具体的には例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン等が挙げられる。また、これらを単独で又は混合物として使用する事が可能である。
一般式で表される有機ケイ素化合物の加水分解は塩酸などを添加することにより行われる。これによりアルコキシ基の一部または全てが加水分解される。メタノールなどのアルコール類、メチルセロソルブなどのセロソルブ類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などで希釈して行ってもよい。
本発明においては、上記コーティング用組成物を塗布・硬化して得られたハードコート膜中に含まれる(A)の固形分(超微粒子)の比率は1〜80重量%、好ましくは10〜60重量%が望ましい。これより小さいと、屈折率の向上など超微粒子を加える効果が小さく、これより大きいと密着性の低下、クラックの発生などといった膜性能が低下する可能性がある。
上記方法により屈折率1.5〜2.8を得ることが出来るが、干渉縞を防止するためには基材の屈折率に対して±0.05の範囲、好ましくは±0.02の範囲にハードコート膜の屈折率を調節する必要がある。このため、基材の屈折率に合わせて上記範囲内で添加する(A)成分量を変えてハードコート膜屈折率を調節することが必要である。屈折率が1.50のジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)樹脂基材などの低屈折率基材に対しては、添加する(A)成分量を少なくすることで当然対応出来る。
上記基材に対応するために、用いられる被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子の屈折率は、2.0〜2.8、特に屈折率が1.70以上の基材に対応するためには2.3〜2.8であることが望ましい。屈折率が1.70未満の基材に対しては従来の金属酸化物超微粒子に比べて少ない添加量で高屈折率化することが出来るため、従来技術におけるハードコート膜中の金属酸化物超微粒子添加量が多すぎることに起因するクラックの発生、密着性の低下などの可能性が無い。
本発明において、コーティング用組成物に用いられる有機溶媒としては、特に制限はなく、具体的には例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、クロロホルムなどのハロゲン炭化水素類、トルエン、ヘプタンなどの炭化水素類などが挙げられ、2種以上混合して用いてもよい。
本発明のコーティング用組成物の調製方法としては、(A)成分である二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子を、水あるいは有機溶媒に分散したゾル液と、(B)成分である有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物、部分加水分解物又は部分縮合物の溶液とを混合した後に必要に応じて上記の有機溶媒を添加してもよいし、あらかじめ(A)成分あるいは(B)成分に上記有機溶媒を添加した後、混合してもよい。
コーティング用組成物中の固形分(主にマトリックス成分+超微粒子成分)濃度は、コート膜を得るために固形分濃度を0.1〜40重量%にするよう調整することが好ましく、塗布方法、作製したい膜厚に応じて適宜設定される。この範囲より小さいと、用いるマトリックス成分や有機溶媒成分量が多くなり効率的ではなく、この範囲より大きいと、コーティング用組成物の粘度が大きくなり、コート膜作製が困難となる可能性がある。
また、上記有機ケイ素化合物は、触媒がなくても硬化は可能であるが、反応を促進するために硬化触媒を加えることが可能である。
硬化反応を促進するための硬化触媒としては、特に制限はなく、具体的には例えばアルミニウムアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、等の金属錯体、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属有機カルボン酸塩、過塩素酸アルミニウムなどの過塩素酸塩、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の有機カルボン酸、メチルイミダゾール、ジシアンジアミド等の窒素含有有機化合物、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等の金属アルコキシド、等を例示できる。これらの中から特にアルミニウムアセチルアセトナートを使用することが、耐擦傷性、ポットライフ等の観点から望ましい。
上記に用いる触媒量としては、膜中固形分に対して0.1〜5重量%の範囲で用いることが望ましい。この範囲より小さいと触媒としての効果が低い可能性がある。逆にこの範囲より大きいと硬度、耐擦傷性が不十分となる可能性がある。
(A)成分は二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子のみが望ましいが、屈折率向上などの効果が劣るものの他の金属超微粒子と併用することも可能である。例えばコロイダルシリカ、酸化アンチモンコロイドなどを挙げることが出来る。
また、塗布時におけるぬれ性およびハードコート膜の平滑性を向上させる目的で、シリコン系あるいはフッ素系など各種の界面活性剤をコーティング用組成物に含有させることが出来る。さらに、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、分散染料、顔料、色素、染色向上剤等も添加することも可能である。
上記のコーティング用組成物は基材上に塗布硬化してハードコート膜とする。ハードコート膜を基材上に塗布する方法としては、ディッピング法、スピン法、スプレー法等通常行われる方法が適用できるが、ディッピング法、スピン法が効率よく好ましい。
上記のコーティング用組成物を基材に塗布する前に、基材に対し酸、アルカリ、各種有機溶媒による化学処理、プラズマ、紫外線等による物理的処理、各種洗剤を用いる洗剤処理、さらには、各種樹脂を用いたプライマー処理を用いることによって基材とコート膜との密着性等を向上させることが出来る。
塗布したコーティング用組成物の硬化は熱風乾燥によって行い、硬化条件としては、80〜200℃の熱風中で行うことがよく、特に90〜120℃が好ましい。硬化時間としては0.5〜5時間、特に1〜2時間が好ましい。また、ハードコート膜厚は概ね0.01〜30μm、好ましくは0.5〜20μmが望ましい。膜厚が薄すぎると耐擦傷性が低くなり、また厚すぎると外観不良となる、あるいはクラックが生じるなどの問題が発生する可能性がある。
またプライマー膜についても同様に、基材との屈折率差が大きいと、干渉縞が生じる。この干渉縞をなくすためにはレンズと同程度の高屈折率プライマー膜を形成する必要があり、本発明に関わる被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液は、このような高屈折率プライマー膜形成用のコーティング用組成物としても好適である。
上記のプライマーコーティング用組成物の調製方法としては上記のハードコート膜中のマトリックス成分である有機ケイ素化合物に変えて、樹脂を用いることでプライマー膜として用いることも可能である。用いられる樹脂としては、通常プライマー膜用途に用いられる樹脂であれば特に制限はないが、本発明においては、ポリウレタン、ポリエステルなどの樹脂が好適である。
上記のプライマーコーティング用組成物の調整方法としては、特に制限はないが、例えば、上記樹脂を溶媒に溶解したもの、例えば水性分散体に、本発明の超微粒子又はそのゾル液を混合してプライマーコーティング用組成物とする方法が挙げられる。あるいはそれら樹脂のモノマー又はその部分重合物(プレポリマー)および重合触媒をコーティング用組成物に添加しておき、プライマー膜形成段階において、加熱等により重合させ、プライマー膜とすることも可能である。
さらに、ハードコート膜と基材との間にプライマー膜を形成することで、基材の耐衝撃性、密着性を向上させることが出来る。
プライマー膜中に含まれる超微粒子固形分の比率は1〜80重量%、好ましくは10〜60重量%が望ましい。これより小さいと、屈折率の向上など超微粒子を加える効果が小さく、これより大きいと密着性等のプライマー膜性能が低下する可能性がある。
また、コート膜中のマトリックス成分である有機ケイ素化合物に変えて光硬化型モノマーを用いることで光硬化型ハードコート膜などとして用いることも可能である。
上記において、光硬化型モノマーとしては、特に制限はないが、アクリル系化合物、あるいはメタクリル系化合物又はその部分重合物(プレポリマー)が好適である。
上記コーティング用組成物の調製方法としては、特に制限はないが、例えば、上記化合物を溶媒に溶解したものに、本発明の被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子又はそのゾル液及び開始剤等を混合してコーティング組成物とする方法が挙げられる。そして膜形成段階において、必要な波長の光を照射することで重合させ、ハードコート膜とすることが可能である。
上記光硬化型ハードコート膜中に含まれる超微粒子固形分の比率は1〜80重量%、好ましくは10〜60重量%が望ましい。これより小さいと、屈折率の向上など超微粒子を加える効果が小さく、これより大きいと密着性等の膜性能が低下する可能性がある。
プライマー膜、光硬化型ハードコート膜についても同様に、上記方法により屈折率1.50〜2.8を得ることが出来るが、干渉縞を防止するため基材の屈折率に対して±0.05の範囲、好ましくは±0.02の範囲にコート膜の屈折率を調節する必要がある。このため、基材の屈折率が1.50〜2.8の場合には、それに合わせて上記範囲内で添加する(A)成分量を変えてコート膜屈折率を1.50〜2.8に調節することが必要である。
本発明において、上記で作成した各コート膜の上に設けられる無機酸化物の蒸着膜からなる反射防止膜としては、特に限定されず、公知のTiO、SiO、Al、Nbなどの無機酸化物の蒸着膜からなる単層、多層の反射防止膜を使用できる。
本発明のコーティング用組成物を塗布・硬化される基材としては、本発明の用途に用いられる基材、例えばレンズ用等の光学部材であれば良く、特に制限されない。好適な基材の屈折率としては、1.5〜2.8、さらには1.7以上であることがより好ましく、例えば、チオール化合物とイソシアネート化合物を熱重合し、チオウレタン結合を形成して得られる樹脂レンズなどの硫黄元素を含有する樹脂レンズ等が挙げられる。
本発明により得られる被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、ゾル液、コーティング用組成物、コート膜は上記レンズの高屈折率コート膜だけでなく、カメラ用レンズ、自動車用窓ガラス、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、光学フィルター等のハードコート膜、反射防止膜としても適用することが可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、ゾル液の調製)
[製造例1]
四塩化スズ五水和物0.27gを100mlナス型フラスコに仕込み、イオン交換水50mlに溶解し、酸化塩化チタンの塩酸水溶液(Ti 15重量%含有)5mlを加えた。溶液のpHは−0.1であった。(仕込みTi濃度=0.45、Sn/Ti=0.03)マグネチックスターラーで攪拌し、50℃で1時間加熱したところ、白色の沈殿を得た。遠心分離を行い、白色沈殿を回収、イオン交換水に再分散させた。限外ろ過を行い、固形分2重量%のゾル液を得た。この固形分の粉末X線回折測定、電子顕微鏡観察を行った。120℃で2時間熱風乾燥を行った後に粉末X線回折測定を行ったところ、酸化チタンルチル型であった。結晶径は回折ピークの半値幅からDebye−Sherrerの式を用いて計算した。その結果、結晶径が平均それぞれ短軸5nm、長軸8nmであった。電子顕微鏡観察は透過型電子顕微鏡を用い、メッシュに希薄ゾル液を滴下したものを倍率20万倍、200万倍で観察した。その結果、平均凝集粒子径が23nmのルチル型酸化チタンであった。誘導結合プラズマ法分析によるSn/Tiの元素モル比は0.02であった。
上記固形分の2.0重量%ゾル液10gをとり、ポリビニルピロリドン200mgを加え、さらにイオン交換水10gを加えたものを石英基板にスピンコートし、120℃で乾燥後、すみやかにエリプソメーターで屈折率を測定した。含有される固形分の体積分率から固形分の屈折率を評価し、n=2.72を得た。
このスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子ゾル液2500gをpH<7に調整した後、80℃に加熱した。2重量%のケイ素酸化物水溶液125gを1時間かけて滴下し、さらに30分加熱した。室温にまで冷却した後、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性ゾル液にした。80℃に昇温し、2重量%ケイ素酸化物水溶液625gを2時間かけて滴下しさらに4時間加熱した。限外ろ過を行い精製し、2重量%ゾル液を得た。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を置換、濃縮し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。誘導結合プラズマ法分析による被覆層/微粒子の重量比は0.13/1であった。
[製造例2]
製造例1で四塩化スズ五水和物を0.9g用いた以外は製造例1と同様に実施し、た。(仕込みTi濃度=0.45、Sn/Ti=0.1)得られたゾル液の固形分を製造例1と同様に分析したところSn/Tiの元素モル比は0.06であった。結晶径が平均それぞれ短軸5nm、長軸8nmで、平均凝集粒子径が20nmのルチル型酸化チタンであった。同様に固形分の屈折率を評価し、n=2.65を得た。被覆層/微粒子の重量比は0.13/1であった。
(ルチル型酸化チタンの合成、樹脂組成物の調製)
[比較製造例1]
四塩化スズ五水和物を添加しない以外は製造例1と同様に実施した。得られた白色沈殿は再分散しなかった。同様に分析したところ、凝集粒子径200nm以上のルチル型酸化チタンであった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を置換、濃縮し、20重量%濃度にしたが、ゲル化、沈殿が生じた。
(アナターゼ型酸化チタン超微粒子ゾル液の調製)
[比較製造例2]
イオン交換水2Lに酸化塩化チタンの塩酸水溶液(Ti含有率15重量%)20mlを加え、60℃で6時間加熱した。室温まで冷却した後、限外ろ過により濃縮、脱イオン処理を行い、固形分2重量%ゾル液とした。得られたゾル液の固形分を製造例1と同様に分析したところ、結晶径が短軸、長軸共に平均5nmのアナターゼ型酸化チタンであった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を置換、濃縮し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。
(ジルコニウム酸化物被覆アナターゼ型酸化チタン超微粒子ゾル液の調製)
[比較製造例3]
イオン交換水2Lに酸化塩化チタンの塩酸水溶液(Ti含有率15重量%)20mlを加え、60℃で6時間加熱した。酸化塩化ジルコニウム八水和物32gを溶解した水溶液50gを滴下し、90℃に昇温し、1時間加熱した。室温まで冷却した後、限外ろ過を行った。室温まで冷却した後、限外ろ過により濃縮、脱イオン処理を行い、2重量%ゾル液とした。得られたゾル液の固形分を実施例1と同様に分析したところ、結晶径が短軸、長軸共に平均5nmのアナターゼ型酸化チタンであった。ジルコニウム酸化物被覆アナターゼ型酸化チタン超微粒子の組成は酸化物換算で酸化ジルコニウム/酸化チタン重量比=0.85/1であった。ロータリーエバポレーターによりメタノールへ溶媒を置換、濃縮し、20重量%メタノール分散ゾル液とした。
[比較製造例4]
市販の五酸化アンチモン超微粒子ゾル液を20重量%メタノール分散ゾル液とした。
(コーティング用組成物の調製、ハードコート膜の作成)
(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン15gに0.001規定塩酸 3.5gを2時間かけて滴下し、3時間攪拌した。エチルセロソルブを30g加え、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン部分加水分解物の溶液とした。次に、製造例1で得たメタノールゾル液(全固形濃度20重量%)10.5gに前述の(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン部分加水分解物溶液5.3gを添加、さらに硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトナート50mg、界面活性剤(日本ユニカー(株)製:L7604)10mgを添加し、攪拌しコーティング液を作成した。
屈折率1.74の樹脂レンズ(三井化学(株)製:MR−1.74)を用意し、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し超音波洗浄を行い、乾燥させた。この基材に上記により得られたコーティング液をスピンコート法で塗布し、90℃で30分、その後120℃で2時間加熱処理をして、硬化させた。このようにして得られたハードコート膜の厚みは2μmであった。
製造例2で得られたゾル液を用いた以外は実施例1と同様にしてハードコート膜を作成した。
(プライマーコーティング用組成物の調製、プライマー膜の作成)
ポリウレタン樹脂(全固形分濃度30重量%)の水分散体(第一工業製薬(株)製:スーパーフレックス150)5.3gに製造例1で調製したメタノールゾル液(固形分20重量%)9.3gを添加、さらにエチルセロソルブを加えて全固形分8重量%のコーティング液を作成した。
屈折率1.74の樹脂レンズ(三井化学(株)製:MR−1.74)を用意し、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し超音波洗浄を行い、乾燥させた。この基材に上記により得られたコーティング液をスピンコート法で塗布し、83℃で1時間、その後120℃で30分加熱乾燥をして、塗膜を作成した。このようにして得られたコート膜の厚みは1μmであった。
製造例2で得られたゾル液を用いた以外は実施例3と同様にしてプライマー膜を作成した。
(プライマー膜付ハードコート膜の作成)
実施例3でプライマー膜を施したメガネレンズ基材上に、製造例1で調製したメタノールゾル液を用いて実施例1と同様にしてハードコート膜を作成した。
実施例4でプライマー膜を施したメガネレンズ基材上に、製造例2で調製したメタノールゾル液を用いて実施例1と同様にしてハードコート膜を作成した。
[比較例1]
比較製造例1で調製したゾル液を用いた以外は、実施例1と同様にしてハードコート膜を作成した。
[比較例2]
比較製造例2で調製したゾル液を用いた以外は、実施例1と同様にしてハードコート膜を作成した。
[比較例3]
比較製造例3で調製したゾル液を用いた以外は、実施例1と同様にしてハードコート膜を作成した。
[比較例4]
比較製造例4で調製したゾル液を用いた以外は、実施例1と同様にしてハードコート膜を作成した。
上記方法によりハードコート膜、プライマー膜を施したレンズ基材について、以下に示すように干渉縞、耐擦傷性、耐光性、およびコーティング用組成物について、分散安定性を評価した。その結果を表1に示す。
(a)干渉縞:蛍光灯下でハードコート膜を有する光学部材を目視で判断した。判断基準は以下の通りである。
○… 干渉縞がほとんど見えない。
△… 少し見える
×… かなり見える
(b)耐擦傷性:スチールウール(♯000)により500g荷重で表面を摩擦し、傷ついた程度を目視で評価した。判断基準は以下の通りである。
○… ほとんど傷がつかない
△… 少し傷がつく
×… ひどく傷がつく
(c)耐光性試験(密着性):得られたハードコート膜付基材をソーラーシュミレーター(Type:sss−252161−ER ウシオ電機(株)製)による500時間照射後の密着性試験で剥離が無いもの、及び黄変がないものを○とした。基材とハードコート膜との密着性は、JISK−5600に準じてクロスカットテープ試験によって行った。すなわち、ナイフを基材表面に1mm感覚に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を25個形成させる。次にその上へセロファン粘着テープを強く押し付けた後表面から90°方向へ急に引っ張り剥離した後コート膜の残っているマス目をもって密着性指標とした。
○… 剥がれなし(25/25)
×… 剥がれあり(24/25以下)
(d)耐光性試験(耐擦傷性):得られたハードコート膜付基材をソーラーシュミレーター(Type:sss−252161−ER ウシオ電機(株)製)による500時間照射後、スチールウール(♯000)により500g荷重で表面を摩擦し、傷ついた程度を目視で評価した。判断基準は以下の通りである。
○… ほとんど傷がつかない
△… 少し傷がつく
×… ひどく傷がつく
(e)塗膜屈折率の測定: 石英基板上にコーティング液をスピンコート法により膜厚約700Åに塗布し、熱風乾燥したコート膜を、自動波長走査型エリプソメーターM−150(日本分光(株)製)を用いて測定した。
(f)分散安定性:調製したコーティング用組成物を室温で一ヶ月保存した際の変化を以下の指標で評価した。
○… 変化しない
△… 増粘した
×… ゲル化した
Figure 2007270098
表1に示すように、スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子に本願発明者らが見出した二層ケイ素酸化物被覆法を適用することによって、高い屈折率かつ、従来の金属酸化物被覆より効率的に酸化チタンの光触媒作用を抑制していることが分かる。これにより干渉縞の発生しない高屈折率、かつ耐光性に優れたハードコート膜、プライマー膜が得られていることが分かる。
本発明により得られた被覆型無機酸化物超微粒子、即ち二層ケイ素酸化物被覆スズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子、または該超微粒子が水あるいは有機溶媒に分散してなるゾル液を用いてなるコーティング用組成物は、基材に塗布された時、耐光性、耐候性、透明性、耐擦傷性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性、帯電防止性、紫外線遮蔽性等が良好であり、且つ基材に形成した際に干渉縞の発生しないコーティング用組成物、ハードコート膜を提供出来る。さらには高屈折率化剤、光線反射剤、紫外線吸収剤などとして、光学レンズ(メガネレンズ、CD、DVDなどの情報記録機器におけるピックアップレンズ、デジタルカメラなどの撮影機器用レンズ等)、光学プリズム、光導波路、光ファイバー、薄膜成形物、光学用接着剤、光半導体用封止材料等の高屈折光学部材の材料等だけでなくプラスチック劣化防止添加剤、化粧品添加剤、自動車用窓ガラス、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、光学フィルター等の光学部材、屈折率調製用に金属材料、セラミックス材料、ガラス材料、プラスチック材料などといった製品を提供できるという有用性がある。

Claims (15)

  1. 少なくとも下記の(A)および(B)を主成分とするコーティング用組成物。
    (A)屈折率が1.5〜2.8であるルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子を核(a)とし、ケイ素酸化物を含む被覆層(b)から構成される無機酸化物被覆層を有する被覆型無機酸化物超微粒子
    (B)有機ケイ素化合物、その加水分解物及びその縮合物の中から選択される一種以上、または樹脂あるいは樹脂モノマー一種以上、または光硬化型モノマー一種以上
  2. 前記核(a)のルチル型結晶構造の酸化チタンを含有する無機酸化物超微粒子中のルチル型酸化チタン超微粒子が、
    チタンに対するスズのモル比(Sn/Ti)が0.001〜2のスズ化合物共存下、Ti濃度が0.07〜5mol/lのチタン化合物水溶液をpHが−1〜3の範囲で反応させて得られ、Sn/Ti組成モル比が0.001〜0.5であるスズ修飾ルチル型酸化チタン超微粒子であり、
    前記(b)のケイ素酸化物を含む被覆層が、二層被覆型であって、内層が(1)の工程、外層が(2)の工程によって得られる被覆層を有し、核微粒子に対するケイ素酸化物被覆層の重量比がSiO換算で0.001〜20であることを特徴とする被覆型無機酸化物超微粒子である請求項1記載のコーティング用組成物。
    (1)核(b)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH<7の条件下で、核(a)と反応させる工程
    (2)核(b)に対する重量比がSiO換算で0.001〜10となるケイ素酸化物をpH≧7の条件下で、(1)で得られた被覆超微粒子と反応させる工程。
  3. 前記被覆型無機酸化物超微粒子の結晶径の短軸、長軸が2〜20nmである請求項1または2記載のコーティング用組成物。
  4. 前記被覆型無機酸化物超微粒子からなる凝集体の平均凝集粒子径が、10〜100nmである請求項1〜3の何れかに記載のコーティング用組成物。
  5. 前記被覆型無機酸化物超微粒子が、水あるいは有機溶媒に分散してなるゾルを用いることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のコーティング用組成物。
  6. 前記の被覆型無機酸化物超微粒子の表面が有機ケイ素化合物またはアミン類で処理されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のコーティング用組成物。
  7. 請求項1〜6記載のコーティング用組成物を用いて硬化して得られるハードコート膜。
  8. 屈折率が1.5〜2.8である請求項7記載のハードコート膜。
  9. 請求項7または8記載のハードコート膜が施された基材。
  10. 請求項1〜6記載のコーティング用組成物を用いて硬化して得られるプライマー膜。
  11. 屈折率が1.5〜2.8である請求項10記載のプライマー膜。
  12. 請求項10または11記載のプライマー膜が施された基材。
  13. 請求項10または11に記載のプライマー膜の上に請求項7または8に記載のハードコート膜が施されてなる基材。
  14. 基材の屈折率が1.5〜2.8である請求項9、12または13の何れかに記載の基材。
  15. 請求項9、12、13または14の何れかに記載の基材上にさらに反射防止膜を施してなる基材。
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