JP2002226826A - 紫外線吸収剤およびその使用 - Google Patents

紫外線吸収剤およびその使用

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JP2002226826A
JP2002226826A JP2001026802A JP2001026802A JP2002226826A JP 2002226826 A JP2002226826 A JP 2002226826A JP 2001026802 A JP2001026802 A JP 2001026802A JP 2001026802 A JP2001026802 A JP 2001026802A JP 2002226826 A JP2002226826 A JP 2002226826A
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ultraviolet
ultraviolet absorber
zinc oxide
formula
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Shigeo Miyata
宮田茂男
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KAISUI KAGAKU KENKYUSHO KK
Sea Water Chemical Institute Inc
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KAISUI KAGAKU KENKYUSHO KK
Sea Water Chemical Institute Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化亜鉛系固溶体の欠点である耐水和性を克
服して、紫外線吸収性と透明性に優れた無毒性の紫外線
吸収剤を提供する。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 (式中、M3+はAl,Fe,Ce,Ti等の三価金属を
示し、xは0<x<0.5の範囲の数を示し、δはカチ
オン格子欠陥を示す)で表わされ、且つ平均2次粒子径
が0.1〜1.5μmの六角板状で、BET比表面積が
5〜20平方メートル/g未満である酸化亜鉛系固溶体
を有効成分とする紫外線吸収剤および該紫外線吸収剤を
配合した日焼け止め化粧料および耐紫外線性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な紫外線吸収剤
およびその製造方法、該紫外線吸収剤を配合した日焼け
止め化粧料および紫外線吸収性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック、ゴム、繊維等の有機高分
子化合物(以後、樹脂と省略)は光に当たると、紫外線に
より物性が劣化する。そのため紫外線吸収剤を添加し
て、耐紫外線性を付与している。また、人間の皮膚も紫
外線により日焼け、色素沈着、光線過敏性皮膚炎を起こ
し、さらにDNA損傷や生体内にフリーラジカルを生成
し、悪性腫瘍などの発生を誘発する。また、老人性皮膚
の発生を助長する。これらを防止するため、紫外線吸収
剤を配合した日焼け止め化粧料が市販されている。
【0003】紫外線吸収剤にはベンゾトリアゾール系、
ベンゾフェノン系等の有機化合物系と、酸化チタン、酸
化亜鉛等の無機化合物系とがある。有機化合物系は透明
性が良く、紫外線吸収性も優れているが毒性がある。こ
れに対し、無機化合物系は透明性が比較的悪く、紫外線
吸収性も有機化合物系に比べて劣っている。しかし安全
性が高いため、近年注目されるようになってきた。そし
て超微粒子状の酸化亜鉛とか酸化チタンが開発され、透
明性と紫外線吸収性が向上した結果、これ等が有機系紫
外線吸収剤に代わって、主として日焼け止め化粧料に使
用されるようになってきた。さらに最近、新しい紫外線
吸収剤として酸化亜鉛系固溶体が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】酸化亜鉛と酸化チタン
の超微粒子が開発され、透明性と紫外線吸収性が改善さ
れたが、微粒子により凝集性が強くなり分散性が悪化す
ると共に、伸びが悪く、使用性が悪化し、酸化チタンで
は光触媒活性増加による肌への悪影響などの新たな問題
が出てきた。また、超微粒子酸化チタンはなお透明性が
不十分であり、しかもUV−Aの吸収が悪い。超微粒子
酸化亜鉛は透明性が良いが、UV−Bの吸収が悪い。
【0005】他方、特開平8−337768号公報に開
示されている酸化亜鉛系固溶体は、下記式(2)
【化2】 (式中、M2+はMg、Ca、NiおよびCuの中から選
ばれた1種以上の金属を示し、M3+はAlおよび/また
はFeより成り、x、y、zはそれぞれ次の範囲0.2
<x≦0.4、(y+z)=1、0≦z≦0.75を満
足する)で表わされ、且つアスペクト比が2〜200
で、平均2次粒子径が5μm以下である。この固溶体
は、透明性は良いが紫外線吸収性、特にUV−Aの吸収
性が良くない。
【0006】そこで本発明者は鋭意研究を行った結果、
下記式(1)
【化1】 (式中、M3+はAl、Fe、Ce、Ti等の三価金属を
示し、xは0<x<0.2の範囲の数を示し、δはカチ
オン格子欠陥を示す)で表わされ、且つ平均2次粒子径
が0.1〜1.5μmで、BET比表面積が20平方メ
ートル/g以上である酸化亜鉛系固溶体が、透明性と紫
外線吸収性の両方共良くなることを発見した。(特開2
000−144095号公報等)
【0007】さらに研究を行った結果、上記酸化亜鉛系
固溶体は水に長時間接触すると、水和反応を起こし紫外
線吸収性が低下する傾向があることが判った。
【0008】本発明は透明性、紫外線吸収性に優れ、且
つ耐水和性も良好な酸化亜鉛系固溶体紫外線吸収剤およ
び該紫外線吸収剤を含有する耐紫外線性樹脂組成物の提
供を目的とする。さらに紫外線による劣化を抑制できる
食品等の樹脂系包装材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は下記式(1)
【化1】 (式中、M3+はAl、Fe、Ce、Ti等の三価金属を
示し、xは0<x≦0.2、好ましくは0.05<x≦
0.2、特に好ましくは0.08≦x≦0.18の範囲
の数を示し、δはカチオン格子欠陥を示す)で表わさ
れ、且つ平均2次粒子径が0.1〜1.5μm、好まし
くは0.4〜1.0μmで、BET比表面積が5〜20
平方メートル/g未満、好ましくは10〜20平方メー
トル/g未満である酸化亜鉛系固溶体を有効成分とする
紫外線吸収剤を提供する。
【0010】さらに本発明は、式(1)の固溶体表面を
Fe、CeおよびTiの酸化物の少なくとも一種でコー
ティングした紫外線吸収剤を提供する。
【0011】さらに本発明は上記紫外線吸収剤の製造方
法を提供する。
【0012】本発明はさらに、100重量部の樹脂と
0.01〜10重量部の式(1)および/または式
(2)で表わされ、且つ平均2次粒子径が0.1〜1.
5μm、好ましくは0.1〜1.0μmで、BET比表
面積が5〜20平方メートル/g未満、好ましくは10
〜20平方メートル/g未満である酸化亜鉛系固溶体を
有効成分として含有する紫外線吸収性樹脂組成物を提供
する。
【0013】本発明はさらに、式(1)および/または
式(2)で表わされ、且つ平均2次粒子径が0.1〜
1.5μm、好ましくは0.1〜1.0μmで、BET
比表面積が5〜20平方メートル/g未満、好ましくは
10〜20平方メートル/g未満である酸化亜鉛系固溶
体を有効成分として含有する日焼け止め化粧料を提供す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者は透明性、紫外線吸収性
および耐水和性が良好な紫外線吸収剤、および該紫外線
吸収剤を含有する日焼け止め化粧料、および紫外線吸収
性樹脂組成物等を提供すべく鋭意研究に努めた結果、x
が0<x≦0.2の範囲にあり、且つBET比表面積が
5〜20平方メートル/g未満、好ましくは10〜20
平方メートル/g未満の範囲にある式(1)の固溶体が
特に有用であることを見出し本発明に到達した。式
(1)で表わされる酸化亜鉛系固溶体はZnOにAl等
の三価金属が置換固溶した2次粒子が板状の化合物であ
り、結晶構造は酸化亜鉛と同じである。Zn以外に少量
の二価金属が固溶していても差し支えない。三価金属と
してはAlおよび/またはFeが最も好ましい。xの範
囲は0<x≦0.2、好ましい範囲は0.05<x<
0.2、特に好ましい範囲は0.08≦x≦0.18で
ある。
【0015】樹脂に添加したときの分散性を良くし、或
いは化粧品として使用したときの付着性を良くするため
には、平均2次粒子径が0.1〜1.5μm、好ましく
は0.2〜1.0μm、さらに好ましくは0.4〜1.
0μmの板状である式(1)の酸化亜鉛固溶体を用いる
ことが好ましい。
【0016】本発明の紫外線吸収剤は樹脂との相溶性、
分散性を良くしたり、化粧品に用いたときの撥水性を良
くしたりするために、親油性の表面処理剤で表面処理す
ることが好ましい。表面処理剤として好ましく用いられ
るものを次に例示する。ステアリン酸、ラウリン酸、ベ
ヘニン酸等の高級脂肪酸類;前記高級脂肪酸のアルカリ
金属塩(アニオン系界面活性剤);ステアリルアシッド
フォスフェート、ラウリルアシッドフォスフェート、オ
レイルアシッドフォスフェート等のリン酸エステル類;
前記リン酸エステル類のアルカリ金属塩またはエタノー
ルアミン塩類;ポリフルオロアルキルリン酸エステルジ
エタノールアミン塩、ポリ(パ−フルオロアルキルエチ
ルアクリレート)等のフッ素系コ−ティング剤類;ビニ
ルエトキシシラン、ガンマーメタクリロキシプロピルト
リメトキシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート系およびアルミニウム系カップリング剤類;グ
リセリンモノステアレート等の多価アルコールと脂肪酸
のエステル類等。
【0017】表面処理剤による式(1)の固溶体の表面
処理は、それ自体公知の湿式または乾式法により実施で
きる。例えば湿式法としては、メタノール、エタノー
ル、水等の溶媒に該固溶体を分散させた系に、アルコー
ルに溶解またはアルコールと水の混合溶媒に溶解させた
表面処理剤を液体状またはエマルジョン状で加え、加熱
または非加熱下に十分に混合すればよい。表面処理剤の
添加量は適宜選択できるが、該固溶体の重量に基いて約
0.1〜10重量%とするのが好ましい。表面処理剤は
必要に応じ、例えば、ろ過、乾燥、粉砕、分級等の手段
を適宜選択実施し、最終製品形態とすることができる。
【0018】本発明紫外線吸収剤の製造は、下記式
(3)
【化3】 (式中、M3+はAl、Fe、Ce等の三価金属、好まし
くはAlおよび/またはFeを示し、An-はCl-、C
3 2-等のn(n=1〜6)価のアニオン、好ましくは
CO3 2-を示し、xは0<x≦0.2の範囲、mは0≦
m≦2の範囲の数を示す)で表わされるハイドロタルサ
イト類、またはハイドロタルサイト類と酸化亜鉛との混
合物を約100〜170℃、好ましくは約110〜15
0℃で少なくとも1時間以上、好ましくは10〜20時
間水熱処理後、ろ過、乾燥し、約600〜1100℃、
好ましくは約700〜1000℃、特に好ましくは70
0〜900℃で焼成することにより実施される。
【0019】式(3)のハイドロタルサイト類の製造は
従来公知の方法で実施できる。例えば塩化亜鉛、硝酸亜
鉛、硫酸亜鉛等の水溶性亜鉛塩と、塩化アルミニウム、
硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第ニ鉄、塩
化セリウム等の水溶性三価金属塩の混合水溶液を、水酸
化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸カリウム等のアル
カリを用いてpHを約6以上、好ましくは約7以上に保
って攪拌下に混合、反応させることにより実施できる。
【0020】式(1)の固溶体をTi、FeおよびCe
の中から選ばれた酸化物の1種以上でコーティングする
最も好ましい製造方法は、式(3)のハイドロタルサイ
ト類を水に分散し、攪拌下にTi、FeおよびCeの水
溶性塩の少なくとも1種を加え加水分解させた後、ろ
過、水洗、乾燥後、約600〜1100℃、好ましくは
700〜1000℃で焼成することにより実施できる。
これ以外の製造方法としては、式(1)の固溶体を水ま
たは少量の水を含むアルコールに分散し、攪拌下にT
i、FeおよびCeの水溶性またはアルコール溶解性化
合物を加え加水分解後、固液分離または固液分離後、約
600〜1100℃、好ましくは700〜1000℃で
焼成する方法により実施できる。上記コーティング条件
において、加水分解の前または後でコーティング金属に
対し、当量以下の水酸化ナトリウム、アンモニア、酢酸
ソーダ等のアルカリを添加し、金属の一部または全部を
中和してもよい。コーティングする金属の量は、Zn1
に対する金属の原子比で0.5以下、好ましくは0.0
1〜0.2重量比で、酸化亜鉛系固溶体に対して50%
以下、好ましくは1〜25%である。
【0021】コーティングする金属は、式(3)の化合
物のZnの一部を置換えするか、または式(3)の化合
物の結晶表面に水酸化物または酸化物として折出する。
したがって、式(3)の化合物を前述の方法でコーティ
ング後、焼成して得られる化合物の化学組成は、下記式
(4)
【化4】 (式中、x、yおよびzは、それぞれxは0<x≦0.
2、0≦y≦0.2、0≦z<0.4、0≦y+z≦
0.4の範囲の数を示す)で表わすことができる。
【0022】本発明の紫外線吸収剤を処方した日焼け止
め化粧料としては、これ以外に、例えば、ビタミンC、
ビタミンE、カテキン等の抗酸化剤、フラボステロン、
アロエエキス、ジユエキス等のメラニン生成抑制剤、ヒ
アルロン酸、アミノ酸誘導体(サトウダイコンから抽出
したエキス)、ソルビトール、グリセリン、プロピレン
グリコール、コンドロイチン硫酸塩、dlピロリドンカ
ルボン酸等の保湿剤、茶エキス、オウゴンエキス、カン
ゾウエキス等の美白剤、ジユエキス、ユーカリエキス等
の抗菌剤、トンキンセンカ、マロニエ等の抗炎症剤、グ
リチルリチン等の抗アレルギー剤、スクワランオイル、
オリーブオイル、ラノリン、レシチン等のエモリエント
剤、タルク、マイカおよびそれ等の表面に、酸化チタン
とか酸化亜鉛を担持させた紫外線散乱剤等を配合するこ
とができる。
【0023】本発明で用いられる樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A
BS、ポリアクリレ−ト、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリメタクリレート、ポリアミ
ド、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ
メチルペンテン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニル等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキ
ド樹脂等の熱硬化性樹脂;EPDM,SBR,NBR,
ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロスルホン化ポリエ
チレン等のゴム;アクリル繊維、アセテ−ト繊維、ナイ
ロン、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエ
チレン繊維等の合成繊維等を例示できるが、これらに限
定されるものではない。
【0024】樹脂と本発明紫外線吸収剤との混合、混練
方法には特別な制約はなく、両者を均一に混合しうる任
意の混合手段を採用できる。例えば、押出機、ロール、
バンバリーミキサー、ホモジナイザー等である。成形方
法にも特別な制約はなく、例えば、射出成形、押出成
形、ブロー成形、プレス成形、回転成形、カレンダー成
形、シートフォ−ミング成形、真空成形、紡糸等であ
る。
【0025】本発明の透明で紫外線吸収性の樹脂組成物
および該樹脂系を用いた食品等の包装材料は、各種添加
剤を必要に応じ添加してもよい。例えば、酸化防止剤、
滑剤、帯電防止剤、顔料、発砲剤、可塑剤、充填剤、補
強剤、架橋剤、防カビ剤、粘着防止剤等を例示できる。
【0026】以下実施例に基き、本発明をより詳細に説
明する。
【0027】
【実施例1】硝酸アルミニウムと硝酸亜鉛の混合水溶液
(Al3+=0.25モル/リットル,Zn2+=1.25
モル/リットル)と水酸化ナトリウム水溶液(4モル/
リットル)を予め2リットルの水を入れた容量3リット
ルの反応槽(オ−バ−フロ−付き)に攪拌下、それぞれ
100ミリリットル/分、約75ミリリットル/分定量
的に供給した。水酸化ナトリウム供給量を調節して、こ
の反応pHを約11に保持した。また、反応温度を約3
0℃で行った。得られた白色沈殿を含むスラリーを減圧
ろ過後、炭酸ナトリウム水溶液で十分に洗浄した後、乳
化させ、これをオートクレーブに入れ120℃で20時
間水熱処理を行った。この後、ろ過、水洗し、乾燥し
た。
【0028】乾燥物のX線回析パターンを測定した結
果、ハイドロタルサイト類であることが確かめられた。
この乾燥物を粉砕後、770℃で1時間焼成した。この
焼成物のX線回析パターンを測定した結果、ZnOより
少し高角度側にシフトしているが、ZnOのみの回析パ
タ−ンであった。したがって、この物質はZnOにAl
が固溶した化合物である。この物のBET比表面積は1
5平方メートル/gであった。イソプロピルアルコ−ル
溶媒中で、超音波で5分間分散処理した後にレーザー回
析法粒度分布測定器で測定した粒度分析は、平均2次粒
子径が0.58μm、最大2次粒子径が1.81μmで
あった。化学組成は次の通りであった。
【化5】
【0029】
【実施例2】実施例1において、硝酸アルミニウムと硝
酸亜鉛の混合水溶液をAl3+=0.14モル/リット
ル、Zn2+=1.36モル/リットルとする以外は同様
の操作を行った。得られた乾燥物はハイドロタルサイト
と少量の酸化亜鉛のX線回析パターンを示した。この乾
燥物を粉砕後、800℃で1時間焼成した。焼成物のX
線回析パターンはZnOより少し高角度側にシフトして
いるが、ZnOのみの回析パタ−ンであった。したがっ
て、この物質はAlが固溶したZnO系固溶体である。
この固溶体のBET比表面積は9平方メートル/g、平
均2次粒子径は0.62μm、最大2次粒子径は1.8
1μmで、化学組成は次の通りであった。
【化6】
【0030】
【実施例3】実施例2で得られた焼成前の粉末100g
を約2リットルの水にホモジナイザーを用いて分散させ
た後、ホモジナイザーで攪拌下に塩化第二鉄(FeCl
3として39%含有)水溶液21gを加え約30分間攪
拌した。その後、ろ過、水洗、乾燥、粉砕し、800℃
で1時間焼成した。この焼成物は肌色に近い色を示し、
X線回析パターンはZnOより少し高角度側にシフトし
ているが、ZnOのみの回析パタ−ンであった。したが
って、この物質はAlとFeが固溶したZnO系固溶体
またはAlが固溶したZnO系固溶体と非晶質のFeO
3の混合物である。この固溶体のBET比表面積は12
平方メートル/g、平均2次粒子径は0.56μm、最
大2次粒子径は1.81μmで、化学組成は次の通りで
あった。
【化7】
【0031】
【比較例1】実施例1で得られたハイドロタルサイト類
を600℃で1時間焼成した。この焼成物のX線回析パ
ターンはZnOのみの回析パタ−ンであった。この物の
BET比表面積は56平方メートル/g、平均2次粒子
径は0.64μm、最大2次粒子径は1.81μmで、
化学組成は実施例1と同じであった。
【0032】[水和試験]試料粉末5gを脱イオン水1
00ミリリットルが入ったエルレンマイヤーフラスコ
(容量300ミリリットル)に加えよく振り混ぜた後、
50℃のオーブンに入れ24時間水和反応させた。その
後、減圧ろ過し、続いてエチルアルコールで洗浄し、3
0℃のオーブン中で30分間乾燥させた。この粉末を用
い、電圧40kV、電流20mAの条件でX線回析パタ
ーンを測定し、約d=7.6Å(オングストローム)の
位置に最大ピークを示すハイドロタルサイト類の生成の
程度をそのピークの回析強度で比較した。その結果を表
1に示す。
【0033】
【表1】 この結果は、ZnO系固溶体のBET比表面積を20平
方メートル/g未満にすることにより、水和性が顕著に
抑制されていることを示す。
【0034】[UV吸収スペクトルの測定]実施例1、
2および3、比較例1で得られた酸化亜鉛系固溶体およ
びBET比表面積10平方メートル/g、平均2次粒子
径0.17μm、最大2次粒子径0.96μmの市販微
粒1号亜鉛華の粉末を用い、波長が250〜500nm
の範囲の光線透過率を測定した。測定試料の作成は、上
記粉末をカスターオイルに0.5重量%混合後、乳鉢で
均一に分散させた後、厚さ2mmの石英板2枚により厚
さ40μmになるように挟んだ。2枚の石英板の間に4
0μmのスペーサーを置いて厚さをコントロールした。
この測定結果を図1に示す。実施例1〜3で得られた酸
化亜鉛系固溶体はこの結果から、微粒酸化亜鉛よりも紫
外線吸収性が優れ、透明性も勝っている(500nmの
光線透過率が高い)ことが判る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、透明性(可視光線透過
率が高い)と紫外線吸収性に優れ、且つ耐水和性が良好
な無毒性の無機の紫外線吸収剤、該吸収剤を利用した日
焼け止め化粧料、耐紫外線性樹脂組成物および紫外線透
過を抑制した樹脂包装材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施例、比較例の光線透過率測定結果を示す
グラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、M3+はAl、Fe、Ce等の三価金属を示し、
    xは0<x≦0.2の範囲の数を示し、δはカチオン格
    子欠陥を示す)で表わされ、且つ平均2次粒子径が0.
    1〜1.5μmで、BET比表面積が5〜20平方メー
    トル/g未満である酸化亜鉛系固溶体を有効成分とする
    ことを特徴とする紫外線吸収剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の式(1)において、M3+がA
    lまたはAlとFeであることを特徴とする請求項1記
    載の紫外線吸収剤。
  3. 【請求項3】 請求項1の式(1)の固溶体表面が、固
    溶体の重量に対して50%以下のFe、CeおよびTi
    の酸化物の少なくとも一種でコ−ティングされているこ
    とを特徴とする請求項1記載の紫外線吸収剤。
  4. 【請求項4】 ZnとAlの混合水溶液(モル比:Zn
    /Al=4以上、好ましくは4〜15)を、アルカリを
    用いてpHを6以上に保って共沈後、100℃〜170
    ℃で水熱処理し、ハイドロタルサイト類含有化合物を合
    成し、これにFe(3+)および/またはCe(3+)
    の水溶液を添加し、または添加前または後に、Fe(3
    +)および/またはCe(3+)に対し、当量以下のア
    ルカリを加え反応後、ろ過、水洗、乾燥、粉砕等の工程
    を適宜選択採用した後、焼成することを特徴とする請求
    項3記載の紫外線吸収剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2および3記載の酸化亜鉛系
    固溶体の少なくとも一種以上を有効成分として含有する
    ことを特徴とする日焼け止め化粧料。
  6. 【請求項6】 樹脂100重量部に対して、請求項1,
    2および3記載の酸化亜鉛系固溶体を0.01〜10重
    量部含有することを特徴とする紫外線吸収性樹脂組成
    物。
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