JP2001139926A - 紫外線遮蔽剤とその製造法、およびこれを配合した化粧料、フィルム、プラスチックおよび塗料 - Google Patents

紫外線遮蔽剤とその製造法、およびこれを配合した化粧料、フィルム、プラスチックおよび塗料

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JP2001139926A
JP2001139926A JP2000133048A JP2000133048A JP2001139926A JP 2001139926 A JP2001139926 A JP 2001139926A JP 2000133048 A JP2000133048 A JP 2000133048A JP 2000133048 A JP2000133048 A JP 2000133048A JP 2001139926 A JP2001139926 A JP 2001139926A
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ultraviolet shielding
oxide
shielding agent
ultraviolet
cerium
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Kinya Adachi
吟也 足立
Toshiyuki Masui
敏行 増井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、分散性、滑沢性、耐熱性、耐候性に
優れ、さらに触媒活性を抑制した紫外線遮蔽剤とその製
造法を提供し、紫外線遮蔽性および透明性に優れた化粧
料、フィルム、プラスチック、塗料等を提供する。 【解決手段】 紫外線遮蔽剤が酸化セリウム超微粒子、
セリウム含有複合酸化物超微粒子、又はそれらの混合物
の表面を、1種または2種以上の不定形または結晶性の
無機化合物で被覆し、かつ上記紫外線遮蔽剤の平均1次
粒子径が1nm〜500nmであるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、分散性、
滑沢性(すべり性)、耐候性、耐熱性に優れる紫外線遮
蔽剤、及びそれを含む化粧料、フィルム、プラスチック
および塗料に関する。さらに詳細には、乳液、クリー
ム、ローション、ファンデーション、コンパクトパウダ
ー、マニキュア、口紅、アイシャドウ、化粧水、整髪料
等の化粧品用の化粧料、照明用カバー、電子基板及びE
L等の電気・電子材料、自動車用内装パネル等の自動車
部品、機械部品、食品および薬品等の包装や容器、繊
維、看板、鋼板、プラスチック板、シート、農業用被覆
資材、屋根、テント及び屋外倉庫等の屋外構築物、自動
車、車両、船舶、航空機、家庭用電化製品、機械類、建
築物外壁、橋梁、事務用品、眼鏡用レンズ、玩具、雑貨
等に用いられるフィルム、プラスチック、塗料の劣化防
止用紫外線遮蔽剤を提供する。
【0002】
【従来の技術】太陽光に含まれる紫外線には、180〜
280nmのUV−C、280〜320nmのUV−
B、320〜400nmのUV−Aがある。このうち、
UV−Cはオゾン層などに吸収されて地球の表面に到達
しない。しかし、UV−BとUV−Aの紫外線はフィル
ムやプラスチック等の有機材料を劣化、侵食して、変
色、光沢低下、亀裂、脆化させるのみならず、生体に対
しても悪影響を及ぼす作用が強い。その防止法の一つと
して、種々の有機系紫外線遮蔽剤や無機系紫外線遮蔽が
開発されてきた。
【0003】有機系紫外線遮蔽剤としては、ベンゾフェ
ノン系、パラアミノ安息香酸系、サリチル酸系、ケイ皮
酸系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等
の有機化合物が、フィルムやプラスチック、塗料や化粧
料に配合した場合に無色かつ透明であるため汎用されて
いるが、これらの有機化合物は、例えばアクリル樹脂で
は約200℃以上、含フッ素系樹脂では約300℃、ポ
リカーボネートに至っては約260〜340℃と、高温
での製造となるため、フィルムやプラスチック等を成形
する際の加熱により熱分解を起してしまうなど耐熱性に
問題がある。また化粧料としても耐候性の不足や、分解
生成物の毒性による安全性の面で問題が多く、使用が制
限されている。
【0004】一方、無機系紫外線遮蔽剤としては、従来
より酸化チタンや酸化亜鉛等の金属酸化物超微粒子が用
いられているが、酸化チタンは、UV−B領域の紫外線
に対しては効果的な紫外線遮蔽効果を示すものの、化粧
料に配合した際にしばしば青白い色調をおびるという問
題点を有している。また酸化亜鉛は透明性は高いもの
の、UV−B領域の紫外線に対しては遮蔽効果が十分で
ないという問題がある。また、超微粒子酸化チタンは光
酸化触媒作用、超微粒子酸化亜鉛は熱触媒作用がそれぞ
れあるため、フィルム、プラスチック、塗料に配合する
と、樹脂の紫外線による直接分解に加え、超微粒子の触
媒作用による分解がおこる。一方化粧料においては共存
する油脂成分や高級アルコール類などを変質、変臭、着
色させるという問題がある。
【0005】これらの問題点の解決策として、例えば、
特開平5−319808号や特開平10−167929
号に見られるように、金属酸化物微粒子の被覆に関する
技術が提案されているが、これらの技術においては、表
面が被覆される核微粒子としてシリカ、酸化アルミニウ
ム、酸化チタンが用いられており、紫外線遮蔽剤として
は、本発明で核微粒子として用いる酸化セリウムと比べ
た場合、UV−AからUV−Bまでの幅広い紫外線のカ
ットが得られない、あるいは可視光領域において高い透
明性が得られない等の問題がある。
【0006】また、例えば特開平8−199000号や
特開平11−228135号に見られるように、酸化セ
リウム系化合物を紫外線遮蔽剤として利用する技術が開
発されているが、これらの技術では高い紫外線遮蔽能が
得られるものの、酸化セリウムもまた高い触媒活性を有
しているため、加熱による樹脂、プラスチック、および
フィルムの変質や、化粧料における共存成分などの酸化
などの問題がある。
【0007】このほかにも、例えば特開平9−1186
10号にみられるように、酸化セリウムに不定形シリカ
を複合化する技術が提案されているが、シリカは屈折率
が約1.5と酸化セリウムの約2.1に比べて低く、ま
たバンドギャップが約8〜9eVと酸化セリウムの約
3.1eVに比べ著しく大きいため、この技術では本発
明で得られるような高い紫外線遮断能を得ることは難し
いという問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようという課題】本発明の目的は、従来
提案されている技術で得られた紫外線遮蔽剤やその製造
法に見られる種々の問題点を解決し、UV−BからUV
−A領域のほぼ全域の紫外線遮蔽に有効であり、透明
性、分散性、滑沢性、耐熱性、耐候性に優れ、化粧品、
フィルム、プラスチックおよび塗料に最適な紫外線遮蔽
剤ならびにその製造法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明の紫外線遮蔽剤は、酸化セ
リウム超微粒子、セリウム含有複合酸化物超微粒子、又
はそれらの混合物の表面を、1種または2種以上の不定
形または結晶性の無機化合物で被覆したことを特徴とす
る。この構成によれば、酸化セリウムのもつ優れた紫外
線遮蔽効果を保持したまま、表面被覆により高い触媒活
性を抑制することができるので、耐熱性及び耐候性に優
れた複合粒子が得られ、厳しい環境にさらされる用途に
おいても紫外線遮蔽剤として好適に使用できる。さら
に、平均1次粒子径を1nm〜500nmにすることに
より、400〜800nmの可視光線に対する透明性が
高くなる効果がある。
【0010】上記紫外線遮蔽剤において、表面を被覆さ
れるセリウム含有複合酸化物超微粒子におけるセリウム
以外の構成元素およびその配合量としては、構成された
複合酸化物のバンドギャップが幅広い紫外線遮蔽に有効
である2.9〜3.2eVの間に調節されており、また
屈折率も紫外線遮蔽性と可視光透明性の両方に有効な
1.8〜2.2の間に調節されていればいかなるもので
もよく、特に限定されないが、例えば、バリウム、カル
シウム、マグネシウム、ストロンチウム、ケイ素、ホウ
素、アルミニウム、ガリウム、鉄、銅、銀、ニッケル、
パラジウム、コバルト、スズ、モリブデン、タングステ
ン、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、チタン、マンガ
ン、バナジウム、ニオブ、タンタル、アンチモン、ビス
マス、ゲルマニウム、スカンジウム、イットリウム、セ
リウムを除く原子番号57〜71の希土類元素から選ば
れる1種または2種以上の元素がセリウム以外の構成元
素としてあげられ、配合量としては酸化物のモル比換算
で複合酸化物全体に対して0.1〜70モル%があげら
れる。さらに好ましくは酸化セリウムと固溶体を形成す
ることが比較的容易であるカルシウム、ジルコニウム、
イットリウム、セリウムを除く原子番号57〜71の希
土類元素から選ばれる1種または2種以上の元素を、元
来酸化セリウムのもつ紫外線遮蔽特性や可視光透明性が
損なわれない1〜50モル%で配合し複合化することが
望ましい。
【0011】上記紫外線遮蔽剤において、酸化セリウム
系超微粒子の表面を被覆する不定形または結晶性の無機
化合物としては、化学的に安定なものであればいかなる
ものでも良く、特に限定されないが、例えばバリウム、
カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、ケイ素、
ホウ素、アルミニウム、ガリウム、鉄、銅、銀、ニッケ
ル、パラジウム、コバルト、スズ、モリブデン、タング
ステン、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、チタン、マ
ンガン、バナジウム、ニオブ、タンタル、アンチモン、
ビスマス、ゲルマニウム、スカンジウム、イットリウ
ム、セリウムを除く原子番号57〜71の希土類元素の
各酸化物、水酸化物、複合酸化物や複合水酸化物、窒化
物、オキシ窒化物、炭化物、炭酸塩、オキシ炭酸塩から
選ばれる1種または2種以上の不定形または結晶性の化
合物を使用できる。
【0012】前記無機化合物のうち、酸化亜鉛のバンド
ギャップは約3.2eV、酸化チタンのバンドギャップ
はルチル型が約3.0eV、アナターゼ型が約3.2e
Vであり、酸化セリウムの約3.1eVと非常に近い。
これらは紫外線領域の光を効率よく遮蔽できることを意
味しており、これらを使用すれば、紫外線遮蔽効果が大
きくなる効果がある。また酸化亜鉛、酸化ジルコニウ
ム、酸化アルミニウム、酸化スカンジウム、酸化イット
リウム、原子番号57〜71の希土類元素の酸化物は屈
折率がいずれも1.8〜2.2の間にあり、酸化セリウ
ムの屈折率は約2.1とこれらの値に極めて近いため、
これらを使用すれば、紫外線領域の光を効率よく散乱す
る効果や可視光線に対する高い透明性を維持または向上
させる効果がある。これらの理由により、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化
スカンジウム、酸化イットリウム、原子番号57〜71
の希土類元素の酸化物から選ばれる1種または2種以上
の不定形または結晶性の無機化合物が好ましく使用され
る。そして、紫外線遮蔽効果と可視光透明性効果の両方
をみたす酸化亜鉛が最も好ましく使用される。
【0013】また、上記紫外線遮蔽剤の最外層を不定形
または結晶性の窒化ホウ素あるいはオキシ窒化ホウ素で
被覆した構成とすることにより、前述の効果に加え、触
媒活性を制止又は抑制する効果、および滑沢性、分散性
が向上する効果がある。さらに、このときの窒化ホウ素
またはオキシ窒化ホウ素、あるいはこれらの混合物の形
態としては、不定形、結晶形に加え、フラーレンのよう
な形をし、タマネギのような層状構造をもつバッキーオ
ニオン型粒子も含まれる。
【0014】上記紫外線遮蔽剤における不定形または結
晶性の無機化合物の割合は、任意に設定することができ
るが、得られた紫外線遮蔽剤における不定形または結晶
性の無機化合物のモル分率を、30〜90モル%となる
ように調節すると、滑沢性、紫外線遮蔽性、触媒活性の
抑制効果等が大きくなるという効果がある。
【0015】ここで、本発明における不定形とはアモル
ファス及び/又はガラス及び/又は乱層構造を意味す
る。表面を被覆する無機化合物層を不定形化すること
で、製造時の熱処理温度を低温化できるという効果があ
る。
【0016】さらに、上記の紫外線遮蔽剤は酸化セリウ
ム系超微粒子、セリウム含有複合酸化物超微粒子、又は
これらの混合物表面の被覆の形態としては、単一化合物
を層状に被覆しても良いし、複数の化合物の混合物を層
状に被覆しても良い。また被覆層は1層または2層以上
の構成とすることができるが、いずれにせよ無機化合物
の結晶形態は任意に設定でき、何ら制限を受けない。す
なわち、すべて結晶性の無機化合物で被覆しても良い
し、すべて不定形の無機化合物で被覆しても良いし、結
晶性の無機化合物と不定形の無機化合物を任意に組み合
わせて被覆しても良い。
【0017】本発明による紫外線遮蔽剤は、UV−Bか
らUV−A領域のほぼ全域にわたる紫外線領域の光透過
を実質的に遮蔽し、かつ可視領域の光透過を実質的に遮
蔽しない特性を有する。
【0018】上記特性において、「UV−BからUV−
A領域のほぼ全域にわたる紫外線領域の光線の透過を実
質的に遮蔽する」なる語は、波長280〜400nmの
紫外線領域の光線の透過を完全に遮蔽する場合のみなら
ず、該紫外線領域の光線の透過率を少なくとも30%以
上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以
上、特に好ましくは90%以上遮蔽する場合も包含する
意味で用いるものである。
【0019】また、「可視光領域の光透過を実質的に遮
蔽しない」なる語は、波長400〜800nmの可視光
領域の光線の透過を完全に透過する場合のみならず、可
視光領域の光線の透過率を少なくとも70%以上、好ま
しくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に
好ましくは95%以上透過する場合も包含する意味で使
用するものである。
【0020】次に、上記の紫外線遮蔽剤の粒径は特に限
定されるものではないが、例えば、紫外線遮蔽剤を含有
する化粧料、フィルム、プラスチック、塗料等に透明性
が要求される場合、紫外線遮蔽剤の平均1次粒子径を1
nm〜500nm、好ましくは1nm〜100nm、さ
らに好ましくは1nm〜50nmとするのが良い。その
理由は粒子径が1nm未満では合成や取り扱いが極めて
困難になり、また50nmを超えると光透過性が低下し
て可視光領域の光に対する透明性が悪くなるからであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明によれば、酸化セリウム超
微粒子、セリウム含有複合酸化物超微粒子、又はそれら
の混合物の表面を、1種または2種以上の不定形または
結晶性の無機化合物で被覆し、かつ得られた紫外線遮蔽
剤の平均粒子径を1nm〜500nmにすることによ
り、透明性、分散性、滑沢性、耐熱性、耐候性に優れる
紫外線遮蔽性粉体が提供される。また、本発明の紫外線
遮蔽剤を化粧品、フィルム、プラスチックおよび塗料等
に配合することにより、これまで発生していた有機系の
紫外線遮蔽剤の添加あるいは紫外線遮蔽能を持つ無機系
の紫外線遮蔽剤の添加による様々な問題点を一挙に解決
することができる。以下、本発明を具体的に説明する。
【0022】本発明の紫外線遮蔽剤は、以下の製造方法
により容易に製造できる。すなわち、酸化セリウム超微
粒子、セリウム含有複合酸化物超微粒子、又はそれらの
混合物を、表面被覆する無機化合物の原料物質を溶解し
た溶媒中に均一分散後、沈殿剤を添加して得られた粒
子、あるいは沈殿剤を添加せずに溶媒を蒸発させ、得ら
れた粒子を洗浄、乾燥する。合成プロセスの途中におい
て、必要に応じて密閉容器内、あるいは開放容器内にお
いて加熱したり、水熱条件下や超臨界条件下において結
晶化を行っても良い。上記のプロセスを少なくとも1回
以上行った後、さらに必要ならば非酸化性または酸化性
雰囲気下で焼成することにより該紫外線遮蔽剤を得る。
【0023】前記表面被覆無機化合物の原料物質として
は、例えば、金属水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸
塩、ホウ酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸アンモニ
ウム塩、クエン酸、ホウ酸、尿素、シュウ酸、アルコキ
シド、アセチルアセトナト錯体、及び各種有機金属化合
物等が用いられる。
【0024】また、上記沈殿剤としては、例えば、水、
シュウ酸、ホウ酸、シュウ酸アンモニウム、アンモニ
ア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸水素ナトリウム、尿素、炭酸ナトリウムの水
またはアルコール溶液、アンモニアガス、炭酸ガス等が
用いられる。
【0025】上記溶媒としては、水、炭素数1以上のア
ルコールや各種有機溶媒、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘ
キサノール、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン、
ペンタン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、フェ
ノール、テトラヒドロフラン、ピリジン、ジエチルエー
テル、アセトン、およびこれらの混合物を用いることが
できるが、好ましくは安価で入手容易な水が用いられ
る。
【0026】上記酸化セリウム系超微粒子の分散には通
常超音波分散装置が用いられるが、このほかにマグネテ
ィックスターラーやホモジナイザー等の撹拌機を用いて
も良い。また、溶媒を蒸発させる場合は、自然蒸発、加
熱蒸発のほかに、恒温乾燥器やロータリーエバポレータ
ー等を用いる乾燥や、あるいは凍結乾燥や超臨界乾燥を
行っても良い。
【0027】上記粒子の洗浄は、水、炭化水素、アルコ
ール、アセトン、石油エーテル等により行うことができ
る。洗浄手段は遠心分離、濾別、デカンテーションを繰
り返すか、セラミックフィルターや限外ろ過膜を使った
微粉洗浄装置でもよい。また、粒子の乾燥は室温による
自然乾燥、あるいはオーブン等を用いた加熱乾燥により
乾燥する。このときに真空乾燥装置、凍結乾燥装置やス
プレードライヤーなどを用いても良い。
【0028】また、上記非酸化性雰囲気としては、例え
ば、窒素、水素、アンモニア、アルゴン、ヘリウム等の
非酸化性および不活性ガス雰囲気、あるいは真空中等を
意味し、このときの酸素分圧はガスの全圧に対して0.
01%以下にするのが望ましい。一方、酸化性雰囲気と
は、例えば酸素又は空気中等、酸化性ガスを含有する雰
囲気を意味する。このときの処理温度は室温〜1000
℃の範囲の任意の温度で行うことができるが、粒子の凝
集や成長を抑えるには、室温〜600℃で行うことが望
ましい。また、室温以下では反応速度の減少により、表
面被覆無機化合物の生成効率が著しく低下し、他方60
0℃以上では粒子間の焼結や粒成長が起こり、分散性や
透明性が低下する。
【0029】上記焼成処理は、非酸化性または酸化性雰
囲気下で行われるが、非酸化性雰囲気下で焼成した場合
は、その後酸化性雰囲気下で再び焼成してもよい。この
際の焼成温度は室温〜700℃、好ましくは室温〜30
0℃であり、昇温速度は500℃/時間以下、好ましく
は100℃/時間で行い、また焼成時間は30分〜12
時間、好ましくは1〜3時間とする。焼成温度、焼成時
間及び昇温時間は、焼成処理による凝集、粒成長、焼結
が起こりやすくならないよう、その上限及び下限値を定
めることが望ましいといえる。
【0030】本発明において用いられる酸化セリウム超
微粒子およびセリウム含有複合酸化物超微粒子として
は、例えば、沈澱法、共沈法、均一沈澱法、水熱合成
法、加水分解法、アルコキシド法、化学気相輸送法、噴
霧熱分解法、スパッタ法、ガス中蒸発法、マイクロエマ
ルション法、エマルション法、レーザー合成法等、各種
の方法で製造したものを用いることが出来る。例えば、
水熱合成法は、セリウム塩の水溶液にアンモニア水など
の塩基を添加して沈殿を析出させた後、耐圧容器中で加
熱、結晶化させる。アルコキシド法は、セリウムのアル
コキシド化合物のアルコール溶液を加水分解する。ガス
中蒸発法は、不活性ガス中でセリウム粉末を瞬時に蒸発
させ、生成した金属セリウム超微粒子を酸素ガス等によ
り酸化する。噴霧熱分解法は、塩化セリウムや硝酸セリ
ウム水溶液などを高温雰囲気中に噴霧し、瞬時に分解焼
成する方法である。また、マイクロエマルション法は逆
ミセルの内殻水を反応場としてセリウム塩の加水分解を
行うことにより合成する。
【0031】本発明において用いられる酸化セリウム超
微粒子およびセリウム含有複合酸化物超微粒子として、
市販の酸化セリウム超微粒子、セリウム含有複合酸化物
超微粒子、あるいはこれらの分散液を用いても良い。
【0032】本発明において用いられる酸化セリウム超
微粒子およびセリウム含有複合酸化物超微粒子の形態は
特に限定されず、球状、針状、柱状、多面体形、多孔
体、中空形等、用途に応じて粒子の形態を変化させて用
いることができるが、分散性や均一性を高くする理由か
ら球状粒子や球状中空粒子を用いることが望ましい。
【0033】本発明において表面被覆に用いられる不定
形または結晶性の無機化合物の量は、原料の混合比、反
応温度や反応時間を変化させることにより、酸化セリウ
ム系超微粒子に対して任意の割合で制御することができ
るため、特に限定されるものではないが、得られた複合
粒子における無機化合物のモル分率が30〜90モル%
になるように調節するのが望ましい。その理由は、90
%以上のモル分率を選択することで、高い紫外線遮蔽効
果が得られにくくなり、他方、30%以下のモル分率を
選択することで、触媒活性の抑制や滑沢性の向上が困難
になるからである。また、配合の際に分散剤等の添加剤
を、その使用に起因する問題点を生じない範囲で加えて
も良い。
【0034】本発明において酸化セリウム系超微粒子の
表面を被覆する無機化合物の厚さは、例えば、原料濃
度、反応温度、反応時間、被覆する無機化合物の種類等
によって変化する。この厚さも特に限定されるものでは
ないが、高い紫外線遮蔽効果、触媒活性の抑制、及び優
れた滑沢性を同時に達成するために0.1〜20nmに
調整することが望ましい。
【0035】このようにして、透明性、分散性、滑沢
性、耐候性、耐熱性に優れた紫外線遮蔽剤を簡便に得る
ことができる。
【0036】本発明による紫外線遮蔽剤の用途として
は、特に制限するものではなく、紫外線の遮蔽を必要と
するいずれの用途でも使用できるが、例えば、日焼け止
めを目的とした紫外線カット化粧品、紫外線防止フィル
ム、耐紫外線用プラスチック、耐紫外線用塗料等に使用
することができる。なかでも日焼け止め化粧料や紫外線
劣化防止用フィルムに好適に使用される。
【0037】本発明の紫外線遮蔽剤を、例えば、化粧
料、フィルム、プラスチック、塗料等に配合すれば、可
視領域の透明性を損なうことなく、UV−BからUV−
A領域のほぼ全域にわたり優れた紫外線遮蔽効果を示
し、また、触媒活性が抑制されるので安定性及び安全性
が高い。
【0038】この際の紫外線遮蔽剤の配合量は特に限定
されるものではないが、好ましくは0.1〜80重量%
が配合される。この配合量が0.1重量%未満では、実
質的に紫外線遮蔽能を付与することが難しく、また、含
有量が80重量%を超えると、逆に、十分過ぎるほどの
紫外線遮蔽能を有するが、過剰に添加されることになっ
て紫外線遮蔽剤が有効に使用されず、原料に無駄が生じ
るからである。
【0039】さらに、本発明の紫外線遮蔽剤は粒子その
ままの形態で、例えば、化粧品、フィルム、プラスチッ
ク、及び塗料等に配合することが出来るだけでなく、ペ
ースト状、スラリー状、分散液状などの各種形態で配合
することが出来る。
【0040】本発明の紫外線遮蔽剤を配合した化粧料は
透明性が高く、優れた紫外線遮蔽効果を発揮する。化粧
料の剤型としては、例えば、乳液、クリーム、ローショ
ン、ファンデーション、コンパクトパウダー、マニキュ
ア、口紅、アイシャドウ、化粧水、整髪料等に用いるこ
とができ、日焼け止め化粧料として用いるのが好まし
い。
【0041】さらに、化粧料に配合する場合、本発明の
紫外線遮蔽剤を、その効果を妨げない範囲でさらに表面
処理したものを用いても良い。表面処理としては、例え
ば、アミノ酸処理、コラーゲン処理、レシチン処理、ト
リグリセライド処理、シリコーン処理、金属石鹸処理、
キチン・キトサン処理等が挙げられる。
【0042】本発明の紫外線遮蔽剤を化粧料に用いる場
合、例えば、分散剤、界面活性剤、油剤、ゲル化剤、高
分子、保湿剤、美容成分、色素、防腐剤、粉体、香料等
の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲で使用すること
ができる。
【0043】また、本発明による紫外線遮蔽剤をフイル
ムに配合し、これを表面保護用途に使用することによ
り、フイルムより下層にある接着剤、プラスチック板、
木板、鋼板及び染料、願料等の着色剤等は、紫外線から
保護されるため長期間に亘って、使用することができる
資材となる。
【0044】さらに、本発明による紫外線遮蔽剤を配合
したプラスチックやフィルム、塗料としては、例えば、
照明用カバー、電子基板及びEL等の電気・電子材料、
自動車用内装パネル等の自動車部品、機械部品、食品お
よび薬品等の包装や容器、繊維、看板、鋼板、プラスチ
ック板、シート、農業用被覆資材、屋根、テント及び屋
外倉庫等の屋外構築物、自動車、車両、船舶、航空機、
家庭用電化製品、機械類、建築物外壁、橋梁、事務用
品、眼鏡用レンズ、玩具、雑貨等が例示されるが、紫外
線遮蔽性が必要とされるものであれば、いかなるフィル
ム、プラスチック、塗料等にも使用可能である。
【0045】前期プラスチックやフィルム、および塗料
の原料となる樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹
脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば含フッ
素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリカーボネイト樹脂、オレフィン系樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
エーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン酸樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレ
ート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ABS樹脂、酢酸
ビニル樹脂、およびポリエチレン樹脂等があり、なかで
も比較的高温で加熱成形できる含フッ素樹脂、アクリル
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエ
ステル樹脂が好ましい。
【0046】さらに熱硬化性樹脂としては、例えば、メ
ラミン樹脂、フエノール樹脂、ユリア樹脂、フラン樹
脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラバン酸樹脂等が
用いられ、なかでもエポキシ樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。
【0047】本発明の紫外線遮蔽剤を配合する塗料と
は、特に規定するものではなく、いずれの塗料でも良い
が、塗装法による分類のうち、常温乾燥塗料及び焼付け
塗料が好ましく使用される。
【0048】また、本発明の紫外線遮蔽剤に加えて、有
機系紫外線吸収剤を製品や環境の汚染等、その使用に起
因する問題点を生じない範囲で微量添加し、本発明の紫
外線遮蔽剤と有機系の紫外線遮蔽剤を併用することによ
り両者の利点を同時利用できるようにしてもよい。この
場合の有機系紫外線遮蔽剤としては、例えば、サリチル
酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系あるい
はシアノアクリレート系、4−ターシャリブチル−4’
−メトキシベンゾイルメタン等の各種紫外線遮蔽剤など
があげられる。具体例として、サリチル酸系紫外線遮蔽
剤としては、サリチル酸オクチル、サリチル酸ホモメン
チル、サリチル酸メチル等がある。ベンゾフェノン系紫
外線遮蔽剤としては、ヒドロキシベンゾフェノン、テト
ラヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベン
ゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェ
ノンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシメトキシベンゾ
フェノン、オキシベンゾン等がある。ベンゾトリアゾー
ル系紫外線遮蔽剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−5−ジターシャ
リブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等
がある。シアノアクリレート系紫外線遮蔽剤としては、
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル
アクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニ
ルアクリレート等がある。
【0049】
【物性の測定法】紫外線遮蔽剤の粉末X線回折測定
((株)マックサイエンス社製、M18XHF−SHA
型)を行い生成相を同定し、高分解能透過型電子顕微鏡
((株)日立製作所製 H−9000型)で超微粒子を観察
し、平均粒子径を1次粒子の数平均粒子径で算出した。
【0050】紫外線遮蔽性および可視光透明性は紫外可
視分光光度計((株)島津製作所製、UV−2200
型、積分球付き)を用いて測定した。ひまし油5.0g
とクリアラッカー7.0gの混合液に、紫外線遮蔽剤3
重量%を分散させる。この液を透明石英板に15μmの
厚さに塗布し、200〜800nmの波長の光を照射
し、波長300nm、400nm、600nmの光透過
率を測定して、紫外線遮蔽性および可視光透明性の評価
基準とした。
【0051】紫外線遮蔽剤の熱触媒活性は、例えば、粧
技誌、第31巻(1997年)第329〜332頁に記
載されている方法に準じ、ひまし油5.0g中に紫外線
遮蔽剤0.3gを混合し、1時間あたり15リットルの
空気流通下、130℃で加熱しながら流通後の空気を5
0ミリリットルの脱イオン水中へ導いて分解生成物を捕
集し、3時間後の水の導電率変化を測定することで評価
した。さらに、光触媒活性については130℃で3時間
加熱するかわりに、ソーラシミュレータ(山下電装
(株)製、YSS−80型)で9時間光照射した後の水
の導電率変化を測定することで評価した。
【0052】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0053】(実施例1)1モル/リットルの硝酸セリ
ウム水溶液100ミリリットルとと3モル/リットルの
アンモニア水200ミリリットルを調製した。その両者
を1リットルの容器に同時に投入、撹拌混合して酸化セ
リウムゲルを沈殿させた。次いでこの沈殿ゲルを遠心分
離により回収し、ここに1モル/リットルの酢酸亜鉛水
溶液500ミリリットルを投入して撹拌混合した。
【0054】得られたゲルをメタノール中に分散し、オ
ートクレーブで180℃で24時間加熱処理を行なっ
た。処理後の粉体を遠心分離器にて回収したのち、恒温
乾燥器を用いて80℃で一晩乾燥して紫外線遮蔽材粉末
を得た。
【0055】このようにして得られた紫外線遮蔽粉末の
X線回折測定を行なったところ、図1に示すように、酸
化セリウムの回折パターンに加え、酸化亜鉛のパターン
が観察された。蛍光X線分析により組成の分析を行った
ところ、その組成は酸化セリウム22モル%に対して酸
化亜鉛78モル%であった。さらに、透過型電子顕微鏡
観察を行ったところ、紫外線遮蔽剤粒子の表面が結晶性
の酸化亜鉛により均一に覆われている様子が観察され
た。
【0056】図2は実施例1により得られた紫外線遮蔽
剤の光反射率に関する測定結果を示すものであり、この
図から本発明の紫外線遮蔽剤は紫外領域において優れた
遮蔽能を有することが明らかとなっている。さらに、本
発明で得られた紫外線遮蔽剤は強い凝集がおこっておら
ず、極めて分散性に優れるものであった。
【0057】(実施例2)実施例1と全く同様にして得
られた紫外線遮蔽剤粉末を、理論上酸化セリウムの5.
2倍のモル量の窒化ホウ素になるホウ酸を溶解させた水
溶液に投入し、超音波分散器を用いて12時間分散させ
た後、ロータリーエバポーレーターを用いて溶媒の留去
を行なった。得られた粉末を真空下、50℃で24時間
加熱真空乾燥した後、アンモニアガス中で600℃、6
時間の加熱処理を行なった。その後空気中、500℃で
3時間焼成した後、脱イオン水で10回、次いでエタノ
ールで1回洗浄し、自然乾燥して紫外線遮蔽剤粉末を得
た。
【0058】このようにして得られた紫外線遮蔽剤粉末
のX線回折測定を行なったところ、酸化セリウムの回折
パターンに加え、酸化亜鉛の回折パターン、および2θ
=20〜25°に乱層構造の窒化ホウ素に特有の回折パ
ターンが観察された。さらに、透過型電子顕微鏡観察を
行ったところ、紫外線遮蔽剤粒子の表面が不定形のオキ
シ窒化ホウ素により均一に覆われている様子が観察され
た。
【0059】
【比較例】(比較例1)市販のルチル型超微粒子酸化チ
タンを用い、第49項から第51項に記載の方法によ
り、平均粒子径、紫外線遮蔽性、可視光透明性、熱触媒
活性および光触媒活性についてそれぞれ評価した。ただ
し、可視光透明性をできるだけ大きくするため、紫外線
遮蔽性および可視光透明性評価用の薄膜試料に配合する
ルチル型超微粒子酸化チタンの配合量を1重量%とし
た。
【0060】(比較例2)市販の超微粒子酸化亜鉛を用
い、第49項から第51項に記載の方法により、平均粒
子径、紫外線遮蔽性、可視光透明性、熱触媒活性および
光触媒活性についてそれぞれ評価した。ただし、可視光
透明性をできるだけ大きくするため、紫外線遮蔽性およ
び可視光透明性評価用の薄膜試料に配合する超微粒子酸
化亜鉛の配合量を2重量%とした。
【0061】実施例1〜2で製造した紫外線遮蔽剤、並
びに比較例1〜2の紫外線遮蔽剤の物性測定結果を表1
に示す。これにより、比較例の紫外線遮蔽剤は可視光領
域における透明性が大きくなるように配合率を小さくし
たにもかかわらず、本発明の紫外線遮蔽剤にくらべ可視
領域の透明性に劣る。また本発明の紫外線遮蔽剤は紫外
線遮蔽効果が大きいうえに、可視領域の透明性も優れて
いることがわかる。さらに、本発明の紫外線遮蔽剤は
熱、光触媒活性のいずれも示さなかった。
【0062】
【表1】
【0063】表1における触媒活性抑制の評価項目と評
価基準は以下の通りである。 ◎:触媒活性が全くみられない。 ○:ごくわずかに触媒活性がみられるが、実用的には全
く問題ない。 △:わずかに触媒活性がみられ、実用上好ましくない。 ×:触媒活性があり、実用的には使用できない。
【0064】以上より、本発明の紫外線遮蔽剤は、透明
性、分散性、滑沢性、耐候性、耐熱性に優れ、化粧料、
フィルム、プラスチックおよび塗料に配合することによ
り、紫外線による劣化や変質の防止に極めて有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した紫外線遮蔽剤のX線回折図
である。
【図2】実施例1で製造した紫外線遮蔽剤の紫外線遮蔽
効果を示す曲線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/18 CEZ C08J 5/18 CEZ C08K 9/02 C08K 9/02 C08L 101/00 C08L 101/00 C09D 5/00 C09D 5/00 Z 201/00 201/00 Fターム(参考) 4C083 AB211 AB221 AB241 BB46 CC01 EE01 EE03 4F071 AA01 AB18 AF30 AH04 AH19 BA01 BB06 BC01 4G076 AA02 AB02 BF05 CA04 DA14 DA16 DA30 4J002 AA001 DE096 FA086 FB076 FD206 GB00 GG00 GH01 4J038 HA216 HA246 HA476 KA12 KA15 KA20 MA10 MA14 NA01 NA03 NA14 NA19 NA26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化セリウム超微粒子、セリウム含有複
    合酸化物超微粒子、又はこれらの混合物の表面を、不定
    形または結晶性の無機化合物で被覆したことを特徴とす
    る紫外線遮蔽剤。
  2. 【請求項2】 上記無機化合物が酸化亜鉛、酸化チタ
    ン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イット
    リウム、酸化スカンジウム、原子番号57〜71の希土
    類元素の酸化物から選ばれる1種または2種以上の無機
    化合物である請求項1に記載の紫外線遮蔽剤
  3. 【請求項3】 上記無機化合物による被覆層の最外層が
    不定形または結晶性の窒化ホウ素またはオキシ窒化ホウ
    素、あるいはこれらの混合物である請求項1ないし2に
    記載の紫外線遮蔽剤。
  4. 【請求項4】 平均1次粒子径が1nm〜500nmで
    ある請求項1ないし3に記載の紫外線遮蔽剤。
  5. 【請求項5】 酸化セリウム超微粒子、セリウム含有複
    合酸化物超微粒子、又はそれらの混合物を、表面を被覆
    する無機化合物の原料物質を溶解した溶媒中に均一分散
    後、沈殿剤を添加して得られた粒子、あるいは沈殿剤を
    添加せずに溶媒を蒸発させて得られた粒子を洗浄、乾燥
    し、必要に応じて密閉容器内、あるいは開放容器内にお
    いて加熱したり、水熱条件下や超臨界条件下において結
    晶化を行った後、さらに必要ならば非酸化性または酸化
    性雰囲気下で焼成することを特徴とする請求項1ないし
    4に記載の紫外線遮蔽剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の紫
    外線遮蔽剤を含むことを特徴とする化粧料。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載の紫
    外線遮蔽剤を含むことを特徴とするフィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし4のいずれかに記載の紫
    外線遮蔽剤を含むことを特徴とするプラスチック。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし4のいずれかに記載の紫
    外線遮蔽剤を含むことを特徴とする塗料。
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