JPH11237506A - 光選択透過膜 - Google Patents

光選択透過膜

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JPH11237506A
JPH11237506A JP3866598A JP3866598A JPH11237506A JP H11237506 A JPH11237506 A JP H11237506A JP 3866598 A JP3866598 A JP 3866598A JP 3866598 A JP3866598 A JP 3866598A JP H11237506 A JPH11237506 A JP H11237506A
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light
resin
fine particles
film
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JP3866598A
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Mitsuo Takeda
光生 武田
Yumiko Ueda
弓子 上田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性に優れ、しかも光線選択率が高く、良
好な膜物性を有し、安価な光選択透過膜を提供する。 【解決手段】 光選択透過膜は、マトリックス中に紫外
線および/または熱線を選択的に遮蔽する光選択遮蔽性
粒子を含む光選択透過膜において、光拡散性粒子をさら
に含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射した光を選択
的に透過させる光選択透過膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光選択透過膜としては、マトリッ
クス中に光選択遮蔽性粒子を含む膜が知られている。光
選択遮蔽性粒子として、TiO2、ZnO、CeO2等の
紫外線吸収性粒子を用いた膜では、紫外線吸収性を付与
するためには、膜中における粒子濃度を高くする必要が
ある。しかしながら、粒子濃度を高くすると、膜の耐候
性や基材との密着性が低下する等の問題があった。一
方、可視光に対する高い透過率や透明性を達成するため
には、通常、微細な粒子径(たとえば、0.1μm以
下)の超微粒子を用いる必要がある。しかしながら、粒
子を超微粒子化することによって粒子自体の光触媒活性
が増大し、粒子とマトリックスとの界面の面積が大きく
なるため、膜の耐候性が顕著に低下し、粒子濃度を低く
する必要がある。粒子濃度が低いと、十分な紫外線遮蔽
性を有した膜とはならず、特殊な塗布方式を採用して膜
厚を厚くする必要があった。
【0003】光選択遮蔽性粒子として、熱線吸収性また
は反射性の粒子を用いた膜では、十分な熱線遮蔽性を付
与するために膜中における粒子の濃度を高くすると、膜
の機械的強度、可撓性、膜と基材との密着性等が不十分
となり、初期物性、耐久性等の点で問題があった。ま
た、十分な熱線遮蔽性を付与するために、膜厚を厚くす
ると、上記と同様に、特殊な塗布方式を採用する必要が
あった。
【0004】上記粒子がいずれも超微粒子である場合、
十分な可視光透過性および透明性を得るためには、粒子
を塗料中に高分散させる必要があるが、そのためには、
超音波ホモジナイザー等の高価な装置を必要とし、しか
も、分散処理に長時間を要するため、経済的に問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、透明性に優れ、しかも光線選択率が高く、
良好な膜物性を有し、安価な光選択透過膜を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、光選択遮蔽性粒
子とともに光選択透過膜に光拡散性粒子を含ませること
によって、入射した光が、まず、光拡散性粒子によって
十分に拡散され、光選択遮蔽性粒子がこの拡散された紫
外線および/または熱線を効率よく吸収することができ
るため、光線選択率が上がること、これらが衝突する
ことによって光選択遮蔽性粒子のみを含む膜と比較し
て、光選択遮蔽性粒子の分散性が高く、膜の可視光透過
性および透明性に優れること、上記およびから光
選択遮蔽性粒子の濃度を高めなくても、透明性に優れ、
しかも光線選択率が高くなることを発見し、本発明を完
成した。
【0007】すなわち、本発明にかかる光選択透過膜
は、マトリックス中に紫外線および/または熱線を選択
的に遮蔽する光選択遮蔽性粒子を含む光選択透過膜にお
いて、光拡散性粒子をさらに含むことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下では、まず、本発明にかかる
光選択透過膜を構成する、マトリックス、光選択遮蔽性
粒子および光拡散性粒子を説明した後、光選択透過膜の
構成とその製造方法について説明する。 〔マトリックス〕本発明にかかる光選択透過膜を構成す
る成分の1つであるマトリックスは、光選択遮蔽性粒子
および光拡散性粒子を保持し、光選択透過膜に機械的強
度を付与するとともに、耐候性、密着性および可撓性等
の良好な膜物性をも付与し、安価な成分である。マトリ
ックスは、たとえば、熱可塑性、熱硬化性、紫外線硬化
性、電子線硬化性、湿気硬化性等の各種合成樹脂や天然
樹脂等で構成することができ、透明性を有することが必
要である。
【0009】合成樹脂としては、たとえば、ポリウレタ
ン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、ア
ミノ樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、アク
リルシリコーン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ケトン
樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、液状ポリブタジエ
ン、クマロン樹脂等を挙げることができ、これらが1種
または2種以上併用し得る。天然樹脂としては、たとえ
ば、セラック、ロジン(松脂)、エステルガム、硬化ロ
ジン、脱色セラック、白セラック等を挙げることがで
き、これらが1種または2種以上併用し得る。
【0010】アルキド樹脂としては、たとえば、超短油
アルキド樹脂、短油アルキド樹脂、中油アルキド樹脂、
長油アルキド樹脂、超長油アルキド樹脂等の純アルキド
樹脂;ロジン、フェノール、エポキシ、スチレン、ウレ
タン、シリコン、アミノ樹脂、天然樹脂、合成樹脂、重
合性モノマー等で、上記純アルキド樹脂を変性した変性
アルキド樹脂;オイルフリーアルキド樹脂、高分子量オ
イルフリーアルキド樹脂を含むオイルフリーアルキド樹
脂等を挙げることができ、これらが1種または2種以上
併用し得る。
【0011】ポリウレタン樹脂としては、たとえば、油
変性型、湿気硬化型、加熱硬化型、ラッカー型等の1液
型ポリウレタン樹脂;ポリオール硬化型(アクリルポリ
オール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオ
ール等の各種ポリオールとイソシアネートプレポリマー
の組み合わせ)、触媒硬化型等の2液型ポリウレタン樹
脂等を挙げることができ、これらが1種または2種以上
併用し得る。
【0012】アクリル樹脂としては、たとえば、(メ
タ)アクリル酸およびそのエステルを主鎖の主成分とす
る共重合体;(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、
(メタ)アクリル酸エステルとビニル系モノマー(スチ
レン、ビニルエステル等)等の重合性モノマーとの共重
合体等の熱可塑性アクリル樹脂;熱可塑性アクリル樹脂
を構成するモノマーに、(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、(メタ)ア
クリル酸のグリシジルエステル等の架橋剤成分または加
熱硬化成分を付加したもの等の熱硬化性アクリル樹脂;
(メタ)アクリル系モノマー以外のスチレン、ビニルト
ルエン、酢酸ビニル等のモノマーで変性された共重合
体、加水分解性のシリル基(アルコキシシリル基)を有
するアクリルモノマーを共重合成分とする湿気硬化が可
能で、樹脂中に含まれるケイ素濃度が1重量%以下であ
るシリル変性樹脂;塩基性窒素を有するアクリルモノマ
ーを共重合成分とし架橋剤成分にエポキシ化合物を使用
するエポキシ硬化型アクリル樹脂;酸化重合機能を有す
るアクリル樹脂等を挙げることができ、これらが1種ま
たは2種以上併用し得る。
【0013】フッ素樹脂としては、たとえば、ポリビニ
ルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド、クロロ
トリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレ
ン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン・ク
ロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエ
チレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
等の熱可塑性フッ素樹脂;テトラフルオロエチレン等の
フルオロオレフィンとアルキルビニルエーテル、ヒドロ
キシアルキルビニルエーテル、カルボキシアルキルビニ
ルエーテル等のビニルエーテルとの交互共重合体(FE
VE樹脂)等の溶剤可溶型フッ素樹脂;ビニリデンフル
オライド・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラ
フルオロエチレン・プロピレン共重合体、含フッ素シリ
コーン系フッ素ゴム、含フッ素ビニルエーテル系フッ素
ゴム、含フッ素フォスファゼン系フッ素ゴム、含フッ素
サーモプラスチックエラストマー等のフッ素ゴム;含フ
ッ素エポキシ樹脂、含フッ素ポリイミド、含フッ素シリ
コーン等のその他フッ素ゴム等を挙げることができ、こ
れらが1種または2種以上併用し得る。
【0014】熱可塑性フッ素樹脂は、溶剤に溶解しない
ので、膜となる前は、水および/または有機溶剤に分散
させたり、粉体の形態で用いられる。ヒドロキシル基等
の架橋成分を導入した溶剤可溶型フッ素樹脂は、イソシ
アネートやメラミン樹脂で硬化することができる。アミ
ノ樹脂としては、たとえば、ブチル化メラミン樹脂、メ
チル化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のメラミ
ン樹脂・メラミンホルムアルデヒド樹脂;ブチル化尿素
樹脂、ブチル化尿素メラミン樹脂等のユリア樹脂・尿素
樹脂;メラミン樹脂や尿素樹脂とアルキド樹脂とを共縮
合したアミノアルキド共縮合樹脂等を挙げることがで
き、これらが1種または2種以上併用し得る。
【0015】ビニル樹脂としては、たとえば、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニルと他の重合性モノマー(酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等の低級脂肪酸ビニルエステ
ル、塩化ビニリデン等)との共重合体等の塩化ビニル樹
脂;ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルと他の重合性モノマー
(エチレン、プロピレン、スチレン、アクリル酸エステ
ル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニリデン等)との共重
合体等の酢酸ビニル樹脂;各種ケン化度のポリビニルア
ルコール、各種変性(シリコーン変性、カルボキシル変
性、アミノ変性、エポキシ変性、メルカプト変性等)ポ
リビニルアルコール等のポリビニルアルコール樹脂;ポ
リビニルブチラール、ビニルブチラールと他の重合性モ
ノマー(ビニルアルコール、酢酸ビニル等)との共重合
体等のブチラール樹脂等を挙げることができ、これらが
1種または2種以上併用し得る。
【0016】エポキシ樹脂としては、たとえば、ビスフ
ェノールA型、ビスフェノールF型、2,6−キシレノ
ール型、臭素化ビスフェノールA型、フェノールノボラ
ック型、オルソクレゾールノボラック型等のグリシジル
エーテル型;ダイマー酸等の合成脂肪酸のグリシジルエ
ステル型;芳香族アミン型(グリシジルアミン型)等を
挙げることができ、これらが1種または2種以上併用し
得る。
【0017】フェノール樹脂としては、たとえば、レゾ
ール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂
や、これらフェノール樹脂をエポキシ樹脂、アルキド樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド、アクリル
樹脂、乾性油、ロジン、石油樹脂等で変性したもの等を
挙げることができ、これらが1種または2種以上併用し
得る。
【0018】塩素化ポリオレフィンとしては、たとえ
ば、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹
脂、塩化ゴム等を挙げることができ、これらが1種また
は2種以上併用し得る。シリコーン樹脂(オルガノポリ
シロキサン)としては、たとえば、ジメチルシリコー
ン、メチルフェニルシリコーン等のストレートシリコー
ン樹脂;アルキド変性、エポキシ変性、ポリエステル変
性、アクリル変性、ウレタン変性された変性シリコーン
樹脂等を挙げることができ、これらが1種または2種以
上併用し得る。
【0019】アクリルシリコーン樹脂は、樹脂中に含ま
れるケイ素濃度が1重量%以上のものであり、たとえ
ば、ケイ素濃度が1重量%以上のアルコキシシリル基含
有アクリル系共重合体等を挙げることができ、これらが
1種または2種以上併用し得る。キシレン樹脂として
は、たとえば、未変性キシレン樹脂;フェノール変性、
ロジン変性等の変性キシレン樹脂等を挙げることがで
き、これらが1種または2種以上併用し得る。
【0020】石油樹脂としては、たとえば、炭素数9系
の石油樹脂;炭素数5系の石油樹脂ノール変性等を挙げ
ることができ、これらが1種または2種以上併用し得
る。合成樹脂として、エチレン−プロピレン共重合ゴ
ム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等の天然また
は合成のゴム等を用いてもよい。合成樹脂と併用する成
分として、硝酸セルロース、セルロースアセテートブチ
レート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース等を挙げることができる。
【0021】マトリックスとなる成分としては、光選択
透過膜の可撓性や耐候性の観点からは、ポリウレタン樹
脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等が好ましい。マトリッ
クスとなる成分は、架橋によって膜を構成することがあ
るが、この場合、架橋剤としては、たとえば、単官能ま
たは多官能の不飽和モノマー等のポリエステル樹脂、ポ
リアクリル樹脂、エポキシ樹脂用の架橋剤;1級、2級
アミノ基を含むポリアミン、ポリアミドや、メチロール
基を有するアミノ樹脂、カルボキシル基を有する多塩基
酸や高酸価ポリエステル等のエポキシ基を有する樹脂用
の架橋剤;イソシアネート基を有するポリイソシアネー
ト、ウレタン基を有するポリイソシアネート、メチロー
ル基、1級および/または2級のアミノ基、アルコキシ
メチレン基を有するアミノ樹脂等の水酸基を有する樹脂
用の架橋剤;金属キレート剤等のカルボキシル基を有す
る樹脂用の架橋剤;水分、多官能エポキシ化合物、水酸
基含有化合物等のシリコーン基を有する樹脂用の架橋剤
等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使
用される。
【0022】上記架橋剤のうちのポリイソシアネートと
しては、たとえば、トリレンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキ
シルメタン−4,4’−ジイソシアネート等のジイソシ
アネート;トリレンジイソシアネートとトリメチロール
プロパンの付加体、ヘキサメチレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパンの付加体、イソホロンジイソシ
アネートとトリメチロールプロパンの付加体等の上記ジ
イソシアネートのトリメチロールプロパン付加体;イソ
シアヌレート変性トリレンジイソシアネート、イソシア
ヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシ
アヌレート変性イソホロンジイソシアネート等の上記ジ
イソシアネートのイソシアヌレート変性物;ビウレット
変性ヘキサメチレンジイソシアネート等の上記ジイソシ
アネートのビウレット変性物;上記ジイソシアネート、
トリメチロールプロパン付加体、イソシアヌレート変性
物、ビウレット変性物等をプレポリマー化、高分子化し
た変性物;上記ジイソシアネート、トリメチロールプロ
パン付加体、イソシアヌレート変性物、ビウレット変性
物、プレポリマー化、高分子化した変性物中のイソシア
ネート基をアルコール類、フェノール類、オキシム類、
活性メチレン化合物等で保護したブロック型ポリイソシ
アネート等を挙げることができ、これらが1種または2
種以上使用される。
【0023】マトリックスとなる成分が硬化性の樹脂で
ある場合の硬化触媒としては、たとえば、ポリメルカプ
タン、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミ
ド、3級アミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イミ
ダゾール、3級アミン塩、脂環式アミン、酸無水物、フ
ッ化ホウ素・アミン塩、ジシアンジアミド、ポリフェノ
ール等のエポキシ樹脂用の硬化触媒;ナフテン酸亜鉛、
ナフテン酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウム等の金
属ドライヤー、有機ドライヤー等の乾性油系に用いられ
る硬化触媒;レドックス系開始剤、増感剤(紫外線、電
子線等が必要)等のポリエステル樹脂、ポリアクリル樹
脂、エポキシ樹脂用の硬化触媒;アミン類、金属化合物
(熱が必要)や、有機酸(熱が必要)、無機酸(熱が必
要の場合もある)等の水酸基を有する樹脂用の硬化触
媒;金属化合物やアミン類(湿気や熱が必要)等のシリ
コーン基を有する樹脂用の硬化触媒等を挙げることがで
き、これらが1種または2種以上使用される。
【0024】本発明の光選択透過膜が膜物性として可撓
性を要求されない場合は、マトリックスとして、シリカ
ゾル、アルカリケイ酸塩、シリコンアルコキシドおよび
それらの(加水分解)縮合物、リン酸塩塩等の無機系バ
インダーを使用することができる。 〔光選択遮蔽性粒子〕光選択遮蔽性粒子は、入射した光
のうちの紫外線および/または熱線を選択的に遮蔽し、
可視光線を遮蔽しない粒子である。光選択遮蔽性粒子と
しては、たとえば、主として紫外線を吸収する紫外線吸
収性粒子や、主として熱線を吸収および/または反射す
る熱線遮蔽性粒子等を挙げることができ、これらが光選
択透過膜中に1種のみ存在するほか、2種以上共存する
こともできる。
【0025】紫外線吸収性粒子としては、たとえば、酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等を主成分とする無
機系紫外線吸収性粒子;ベンゾフェノン系、ベンゾトリ
アゾール系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート
系、トリアジン系等の有機系紫外線吸収剤や、これらの
有機化合物を高分子鎖に含有した高分子系紫外線吸収剤
を、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂等
からなるポリマー粒子等の粒状物質に分散または溶解さ
せて得られる紫外線吸収剤含有ポリマー粒子;前記高分
子系紫外線吸収剤を、ポリマー粒子やシリカ、アルミナ
等の無機粒子の細孔内や外表面に結合させた粒子;アク
リル樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂等のポリマ
ー粒子の内部に、前記無機系紫外線吸収性粒子を分散含
有させてなる粒子や、前記ポリマー粒子、シリカ、アル
ミナ等の無機粒子の表面に前記無機系紫外線吸収性粒子
を固着または被膜を形成させてなる粒子等の、無機系紫
外線吸収性粒子とポリマーや無機物との複合体組成から
なる粒子;前記無機系紫外線吸収性粒子を後述の化合物
Aで表面処理して得られる粒子等を挙げることができ、
これらが光選択透過膜中に1種のみ存在するほか、2種
以上共存することもできる。
【0026】上記化合物Aとしては、たとえば、シリ
カ、アルミナ等の無機化合物;アクリルポリマー、アク
リルシリコーンポリマー等の高分子化合物;シラン系、
ジルコネート系、アルミネート系、チタネート系等のカ
ップリング剤や、テトラアルコキシシラン、アルキルト
リアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、
トリアルキルアルコキシシラン等の1〜4官能性アルコ
キシシラン等の有機金属化合物;アニオン系、カチオン
系、ノニオン系、両性各種界面活性剤;主鎖が炭素を主
体とする元素で構成され、この主鎖に下記一般式(1)
で表される基 M−Xn …(1) (ここで、Mは原子価mの金属原子;nは1からm−1
までのいずれか1つの整数;Xは水素原子、ハロゲン原
子およびOR1 から選ばれた少なくとも1種;R 1 は水
素原子、置換されていても良いアルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基およびアシル基から
選ばれた少なくとも1種である。)を有する結合鎖が少
なくとも1つ結合されてなる含金属ポリマー等の含金属
化合物等を挙げることができる。これらのうちでも含金
属ポリマーが好ましく、膜中での光選択遮蔽性粒子の分
散性や、膜の耐候性が高まる。
【0027】次に、熱線遮蔽性粒子としては、たとえ
ば、金属ドープ酸化スズ粒子、金属ドープ酸化インジウ
ム粒子、金属ドープ酸化亜鉛粒子、無水アンチモン酸亜
鉛粒子、スズ酸カドミウム粒子等の無機系熱線遮蔽性粒
子;シアニン色素、ピリリウム色素、スクワリウム色
素、ジオチールニッケル錯体色素、アゾ色素、ナフトキ
ノン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色
素、アミニウム色素、ジイモニウム色素、フタロシアニ
ン色素、ナフタロシアニン色素等の熱線域に吸収を有す
る有機化合物(熱線吸収性色素)を、アクリル樹脂、ナ
イロン樹脂、ポリエステル樹脂等からなるポリマー粒子
等の粒状物質に分散または溶解させて得られる熱線吸収
性色素含有ポリマー粒子;アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂、ナイロン樹脂等のポリマー粒子の内部に、前記無
機系熱線遮蔽性粒子を分散含有させてなる粒子や、前記
ポリマー粒子、シリカ、アルミナ等の無機粒子の表面に
前記無機系熱線遮蔽性粒子を固着または被膜を形成させ
てなる粒子等の、無機系熱線遮蔽性粒子とポリマーや無
機物との複合体組成からなる粒子;前記無機系熱線遮蔽
性粒子を前記化合物Aで表面処理して得られる粒子等を
挙げることができ、これらが光選択透過膜中に1種のみ
存在するほか、2種以上共存することもできる。
【0028】光選択遮蔽性粒子の形状については、特に
限定はないが、球状、楕円球状、立方体状、直方体状、
ピラミッド状、針状、棒状、筒状、鱗片状、薄片状、繊
維状、フレーク状等を挙げることができる。光選択遮蔽
性粒子の平均一次粒子径については、特に限定はない
が、好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.
05μm以下、最も好ましくは0.03μm以下であ
る。平均一次粒子径が0.1μmを超えると、透明性が
低下し、透過させたくない光線が光選択遮蔽性粒子に吸
収されずに透過してしまい、光線の透過・遮蔽の選択率
が低下するおそれがある。 〔光拡散性粒子〕光拡散性粒子は、入射した光が光選択
透過膜をそのまま透過することを防止し、入射光を一
旦、光選択透過膜中に広く拡散させて、入射光が光選択
遮蔽性粒子に衝突する頻度を高めることにより、透過さ
せたくない光線を効率よく光選択遮蔽性粒子に吸収させ
る作用を有する。
【0029】光拡散性粒子としては、たとえば、光学的
に均質な粒子(A)や、光学的に異質な(屈折率が異な
る)2成分以上からなる粒子(B)を挙げることができ
る。粒子(A)の光拡散性は、膜を構成する粒子(A)
およびマトリックスの界面での光の屈折および反射によ
って生じる。したがって、粒子(A)での光拡散性は、
粒子(A)およびマトリックスの屈折率の差、粒子
(A)の形状、大きさ等に依存する。粒子(A)は、単
一組成または複合組成からなっていてもよいが、複合組
成の場合、0.05μm以下の各成分が混ざりあうこと
によって、光学的に均質であってもよい。
【0030】粒子(A)としては、金属酸化物、水酸化
物、窒化物、炭化物、酸窒化物、ハロゲン化物、硝酸
塩、硫酸塩等を含む無機質微粒子;(メタ)アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、アミド樹脂等を含む有機ポリマ
ー系粒子等を挙げることができる。粒子(A)として
は、凝集性のないか、または、凝集性の低い粒子が好ま
しい。このような粒子(A)としては、たとえば、有機
ポリマー系粒子、金属(水)酸化物を含む無機質微粒子
等が好ましく、上記金属(水)酸化物としては、着色が
なく(可視光域での吸収がなく)、Mg、Ca、Ba、
Ti、Zr、Zn、Al、Si、Sb、Y、Laおよび
Ceから選ばれた少なくとも1種を挙げることができ
る。
【0031】粒子(A)の平均粒子径については、粒子
(A)の光拡散性および透明性の釣り合いの観点から
は、好ましくは0.1〜50μm、さらに好ましくは
0.5〜30μm、最も好ましくは1〜20μmであ
る。粒子(B)の光拡散性は、膜を構成する粒子(B)
およびマトリックスの界面での光拡散や、粒子(B)を
構成する成分間の界面による拡散の多重拡散作用等に基
づいて生じる。したがって、粒子(B)での光拡散性
は、主に、粒子(B)およびマトリックスの屈折率の
差、粒子(B)の形状、大きさ、構造、屈折率分布等に
依存する。
【0032】粒子(B)の平均粒子径については、粒子
(B)の光拡散性および透明性の釣り合いの観点から
は、好ましくは0.1〜50μm、さらに好ましくは
0.5〜30μm、最も好ましくは1〜20μmであ
る。粒子(B)としては、金属酸化物、水酸化物、窒化
物、炭化物、酸窒化物、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩
等を含む無機物;(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂、アミド樹脂等の有機物等の常温で固体状の物質を
1成分とし、他の成分(上記成分でもよい)の混合組成
からなるものを挙げることができる。
【0033】粒子(B)としては、たとえば、粒子径
0.005μm以上の無機物および/または有機物微粒
子が、屈折率が異なる無機物および/または有機物から
なる粒子(母粒子)中に複数個分散含有されている複合
粒子(B1)を挙げることができる。粒子(B1)とし
ては、以下の(1a)〜(1d)を満たすものが好まし
い。
【0034】(1a) 粒子(B1)を構成する無機物
および/または有機物微粒子の粒子径としては、好まし
くは0.005〜0.1μm、さらに好ましくは0.0
1〜0.05μmであり、拡散性および透明性の釣り合
いがとれるようになる。 (1b) 粒子(B1)を構成する無機物および/また
は有機物微粒子の含有量としては、好ましくは粒子(B
1)の0.5〜50重量%、さらに好ましくは1〜20
重量%であり、拡散性および透明性の釣り合いがとれる
ようになる。
【0035】(1c) 粒子(B1)を構成する無機物
および/または有機物微粒子としては、上記無機物微粒
子が好ましく、粒子(B1)を構成する母粒子として
は、上記有機ポリマー系粒子が好ましい。このような粒
子では、平均粒子径および屈折率を制御しやすく、無機
物微粒子の複合粒子中での分散状態を制御でき、複合粒
子を安価に得られやすくなる。
【0036】(1d) 粒子(B1)を構成する無機物
微粒子としては、Mg、Ca、Ba、Ti、Zr、Z
n、Al、Si、Sb、Y、LaおよびCeから選ばれ
た少なくとも1種を金属成分とする(水)酸化物を挙げ
ることができ、着色がなく(可視域の吸収がなく)、安
価である。 上記粒子(B1)の特別なものとして、母粒子中に微粒
子状に分散含有される成分が、たとえば、水、アルコー
ル、ケトン、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エーテ
ル、エステル、シリコーンオイル、アマニ油等の液状
物;空気、ヘリウム、窒素等の気体状物等の非固体状の
ものを挙げることができる。液状物としては、常圧にお
ける沸点が95℃以上の物質が好ましく、膜の耐熱性が
高まる。これらのうちでも、水、エチレングリコール、
プロピレングリコール等のグリコール等が好ましく、化
学的に安定である。
【0037】粒子(B)は、コアとこのコアを覆うシェ
ルとを備えたコアシェル粒子(B2)であってもよい。
粒子(B2)の光拡散性は、粒子(B2)とマトリック
スの界面における光拡散や、コアとシェルの界面におけ
る光拡散との多重拡散作用等に基づいて生じる。したが
って、粒子(B2)の光拡散性は、粒子(B2)とマト
リックスの屈折率の差、粒子(B2)の形状、大きさ、
粒子(B2)を構成するコアの大きさ、形状、シェルの
厚み、コア−シェル間の屈折率の差等に依存する。
【0038】コア、シェルの材質としては、粒子(B
1)を構成する無機物や有機物と同様のものを挙げるこ
とができる。粒子(B2)は、そのコアが空気、ヘリウ
ム等の気体や、真空である中空体であってもよく、この
ような中空体としては、ガラスバルーン、シリカバルー
ン、ポリマーバルーン等を挙げることができる。コアま
たはシェルは、光学的に均質でなくてもよく、前記粒子
(B1)と同様な構成であってもよい。
【0039】粒子(B2)でシェルが複合組成である場
合、粒子(B2)としては、以下の(2a)〜(2c)
を満たすものが好ましい。 (2a) 粒子(B2)のシェルが、有機ポリマー中に
無機物微粒子が分散含有されているものであると好まし
い。このような粒子では、平均粒子径および屈折率が制
御されやすく、無機物微粒子の複合粒子中での分散状態
が制御され、複合粒子を安価に得られやすくなる。
【0040】(2b) 粒子(B2)のシェル中に含ま
れる無機物微粒子は、好ましくはシェル全体の50〜9
5重量%、さらに好ましくは70〜90重量%であり、
光拡散透過性に優れる。 (2c) 粒子(B2)のシェル中に含まれる無機物微
粒子の平均粒子径は、好ましくは0.005〜0.1μ
m、さらに好ましくは0.01〜0.05μmある。
【0041】光拡散性粒子は後述の無機化合物微粒子で
あってもよい。光拡散性粒子は、固体状粒子である必要
はなく、たとえば、水、アルコール、ケトン、芳香族炭
化水素、脂肪族炭化水素、エーテル、エステル、シリコ
ーンオイル、アマニ油等の液状物;空気、ヘリウム、窒
素等の気体状物等の非固体状粒子であってもよい。非固
体状粒子の平均粒子径は、好ましくは0.005〜1μ
m、さらに好ましくは0.01〜0.1μmある。
【0042】光拡散性粒子としては、粒子(B)や無機
物微粒子が好ましい。粒子(B)としては、粒子(B
1)では(1a)〜(1d)を満足する粒子が好まし
く、後述の無機化合物とポリマーとの複合体微粒子はこ
れに含まれる。粒子(B)としては、粒子(B2)では
(2a)〜(2c)を満足する粒子が好ましく、後述の
複合体微粒子の中空体粒子はこれに含まれる。
【0043】以下、無機化合物微粒子および複合体微粒
子について詳しく説明する。光拡散性粒子として用いら
れる無機化合物微粒子は、表面から突起が多数出ている
粒子構造を有し、無機化合物を60〜100重量%含む
微粒子である。無機化合物微粒子は、たとえば、多数の
薄片が凝集したものであり、各薄片は、主成分が無機化
合物であって、その先端が微粒子表面の突起となってい
る。薄片凝集体である粒子においては、多数の薄片が積
層しているか、および/または放射状に集合している場
合に、高い光拡散性が顕著に現れ、光が光選択遮蔽性粒
子に衝突する頻度を高めて、入射した光が光選択透過膜
をそのまま透過することを防止する点で好ましい。
【0044】薄片は、たとえば、2〜200、好ましく
は4〜100の範囲の偏平度〔長径(l)/厚み
(t)〕を有する。偏平度が上記範囲よりも小さいと薄
片形状に基づく特性のうち、光拡散性が低下するおそれ
があり、上記範囲よりも大きいと機械的強度が低下する
おそれがある。薄片は、その長径(l)が5〜1000
nmの範囲にあることが好ましく、50〜400nmの
範囲にあることがより好ましい。上記範囲を下回ると薄
片形状に基づく特性のうち、光拡散性が低下するおそれ
があり、上記範囲を上回ると機械的強度が低下するおそ
れがある。薄片はまた、厚み(t)が1〜100nmの
範囲にあることが好ましく、2〜50nmの範囲にある
ことがより好ましい。厚みが上記範囲を下回ると機械的
に破砕され易くなるおそれがあり、上回ると可視光透過
性が低下し、透明性が低くなるおそれがある。長径
(l)および厚み(t)は、それぞれ、薄片について測
定された三軸径のうちの長さと高さである。
【0045】無機化合物微粒子の形状および大きさは特
に限定されない。無機化合物微粒子の形状は、特に限定
はなく、たとえば、球状、亜球状、円筒状、円柱状、六
角柱状、紡錘状、四角錐状(ピラミッド状)、立方体状
などである。無機化合物微粒子が球状および亜球状から
選ばれる少なくとも1つの形状を有するときには、分散
し易く、また、機械的シェアによって破砕されにくい。
球状とは、微粒子が全体的に丸みを帯びた形状を持って
おり、しかも、長短度(長径(L)/短径(B))が
1.0以上、1.2未満の範囲にあるものと定義され
る。亜球状とは、微粒子が全体的に丸みを帯びた形状を
持っており、長短度が1.2以上、5.0以下の範囲に
あるものと定義される。微粒子が、5.0よりも大きい
長短度を有するときには、樹脂に分散しにくいか、また
は、機械的シェアにより破砕されやすいことがある。長
径(L)は、無機化合物微粒子について測定された三軸
径のうちの最長の長さであり、短径(B)は、その三軸
径のうちの幅および高さのうちの大きくない方である。
【0046】無機化合物微粒子の数平均粒子径は、たと
えば長径基準で、好ましくは0.1〜50μm、さらに
好ましくは0.5〜30μm、最も好ましくは1〜20
μmである。数平均粒子径が前記範囲を下回ると光拡散
効果が低下する場合があり、前記範囲を上回ると分散安
定性が悪くなるおそれがある。無機化合物微粒子の粒子
径の変動係数は、たとえば長径基準で、好ましくは30
%以下、さらに好ましくは10%以下である。粒子径の
変動係数が前記範囲を上回ると微粒子の分散性が低下す
る場合がある。
【0047】無機化合物微粒子は、中空であってもよ
い。微粒子が中空であるときには、光拡散性がより高く
なる。中空部を有するか、および/または、薄片間に細
孔を有する無機化合物微粒子は、マトリックスとの結着
性がさらに高まり、また、多孔質微粒子またはマイクロ
カプセルとしての機能、たとえば、吸油能、吸湿能、有
害金属イオンの吸着能、有毒ガス・悪臭などの吸収能な
どの吸着分離、除去、捕集機能;断熱性、遮音性等の熱
や音の遮蔽機能(断熱フィラー、遮音フィラー);金属
イオン、酵素・菌固定等の固定化機能(触媒担体、クロ
マトグラフィー充填剤など);軽量性;内部に保持した
液体、香料などの徐放機能をも持たせることもできる。
【0048】無機化合物微粒子を構成する無機化合物の
種類は、特に限定されないが、耐溶剤性、耐酸性、耐ア
ルカリ性などの化学的安定性、機械的強度等に優れると
いう理由から、金属の酸化物、水酸化物、炭化物、窒化
物および硫化物からなる群から選ばれる少なくとも1つ
の金属化合物であることが好ましい。これらのうちで
も、酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物は、機械的堅牢
性、耐熱性に優れるため、さらに好ましい。
【0049】無機化合物微粒子を構成する無機化合物
は、金属酸化物の、結晶および/または非晶質であって
もよい。無機化合物は、より好ましくは、金属の単独酸
化物と、金属の単独水酸化物と、少なくとも2つの金属
の複合酸化物と、少なくとも2つの金属の複合水酸化物
とからなる群から選ばれる少なくとも1つである。これ
は、機械的堅牢性、耐熱性に特に優れ、しかも、安価に
製造することができるという理由による。
【0050】好ましい金属は、チタン、ジルコニウム、
バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、
タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜
鉛、カドミウム、ランタン、セリウム、ベリリウム、マ
グネシウム、カルシウム、アルミニウム、ガリウム、イ
ンジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモ
ン、ビスマス、セレンおよびテルルからなる群から選ば
れる少なくとも1つである。これらの金属は、比較的安
価な材質であり、しかも、その酸化物および水酸化物は
安定な化合物として経時安定性に優れるからである。
【0051】無機化合物微粒子を構成する無機化合物と
しては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、イット
リウム、ランタン、チタン、アルミニウム、ジルコニウ
ム、ケイ素、亜鉛およびセリウムからなる群から選ばれ
る少なくとも1つの金属の、酸化物および/または水酸
化物が好ましい。この酸化物は単独酸化物でも複合酸化
物でもよく、この水酸化物は単独水酸化物でも複合水酸
化物でもよい。これらの金属の、酸化物および/または
水酸化物は、化学的、熱的安定性に優れ、特に原料が安
価に供給されるという点で有利である。より好ましい酸
化物および/または水酸化物は、酸化亜鉛、酸化チタン
および酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも
1つである。この酸化物は、優れた紫外線遮蔽能をも有
するという点からは、結晶であることが好ましい。さら
に好ましい酸化物は酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、可視
光の透過性に優れ着色がなく、紫外線の吸収波長が広い
ため紫外線を効率良く吸収することもでき、毒性が低い
という点からは、結晶であることが好ましい。
【0052】無機化合物微粒子は、無機化合物の量が上
述した範囲内であれば、シラン系、アルミニウム系、ジ
ルコニウム系、チタン系等のカップリング剤またはオル
ガノシロキサン、キレート化合物等の有機金属化合物が
無機化合物の表面に結合または表面に被覆層を形成して
いたり、あるいは、ハロゲン元素、硫酸根、硝酸根等の
無機酸根、または脂肪酸根、アルコール残基、アミン残
基等の有機化合物が微粒子内部および/または表面に含
有されていたりしてもよい。
【0053】無機化合物微粒子を構成する無機化合物が
酸化亜鉛である場合には、この微粒子は、亜鉛原子と酸
素原子を必須成分としZnOとして60〜100重量
%、好ましくは80〜100重量%含む。酸化亜鉛の量
が前記範囲を下回ると微粒子の機械的強度が低下すると
いう問題がある。酸化亜鉛は、通常、六方晶(ウルツ鉱
型構造)、立方晶(食塩型構造)、立方晶面心構造いず
れかのX線回折パターンを示す。従って、亜鉛原子と酸
素原子の量が上述した範囲内であれば、アルカリ金属、
アルカリ土類金属等の亜鉛以外の金属元素が原子または
イオンとして酸化亜鉛結晶と複合化している微粒子、亜
鉛以外の金属元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒化
物、炭化物、炭酸塩等の無機化合物が酸化亜鉛結晶中に
固溶している微粒子、シラン系、アルミニウム系、ジル
コニウム系、チタン系等のカップリング剤またはオルガ
ノシロキサン、キレート化合物等の有機金属化合物が、
酸化亜鉛結晶の表面に結合または表面に被覆層を形成し
てなる微粒子、ハロゲン元素、硫酸根、硝酸根等の無機
酸根、または脂肪酸根、アルコール残基、アミン残基等
の有機化合物が、微粒子内部および/または表面に含有
されている粒子等も無機化合物微粒子に包含される。
【0054】無機化合物微粒子は、無機化合物を60〜
100重量%含み、表面に外向きの先端を有する薄片部
群を有するので、従来の微粒子が持たなかった次の特性
を有する。 (a)異常な光散乱・透過特性(透過光のフィルター機
能)を有する。このため、美しい色彩を放つ意匠性(フ
ァッション性)フィラーとして有用である。 (b)可視域に於ける拡散透過率を低下させずに近赤外
領域の電磁波を遮断する。このため、透明感のある赤外
線カット用フィラーとして有用である。 (c)表面凹凸に富む。
【0055】無機化合物微粒子は、無機化合物として酸
化亜鉛、酸化チタンおよび酸化セリウムからなる群から
選ばれる少なくとも1つの酸化物結晶を60〜100重
量%含むときには、上記(a)〜(c)の特性と下記
(d)の特性も有する。 (d)紫外線遮蔽能に優れる。無機化合物微粒子は、無
機化合物として酸化亜鉛を60〜100重量%含むとき
には、上記(a)〜(d)の特性と下記(e)と(f)
の特性も有する。 (e)光半導体である。 (f)抗菌性と防かび能を有する。
【0056】微粒子は、耐熱性に優れるため、成形温度
の高い樹脂例えばポリエステルやポリカーボネート等に
配合できることは勿論、ガラス等に無機系バインダーを
用いてこの微粒子を含有する膜を製膜した後、高温で加
熱することも可能であり、熱的にも用途制限のない微粒
子である。無機化合物微粒子を製造する方法は特に限定
されないが、無機化合物微粒子が無機化合物として酸化
亜鉛を含む場合には、亜鉛およびモノカルボン酸が少な
くともアルコールからなる媒体中に溶解または分散され
ている混合物(m)を100℃以上の温度に保持し、か
つ、乳酸を共存させることにより、酸化亜鉛を60〜1
00重量%含み、表面に外向きに突出する先端を有する
薄片状酸化亜鉛結晶群を有する無機化合物微粒子を析出
させる製造方法を好ましいものとして挙げることができ
る。次に、光拡散性粒子として用いられる無機化合物−
ポリマー複合体微粒子(以下、複合体微粒子ということ
がある。)は、無機化合物微粒子とポリマーとを含有す
る。複合体微粒子は、優れた光拡散性を有するととも
に、紫外線吸収性をも有する。
【0057】複合体微粒子を構成する無機化合物として
は特に限定はないが、酸化亜鉛が好ましい。以下では、
無機化合物が酸化亜鉛である複合体微粒子について詳述
する。複合体微粒子を構成する酸化亜鉛は、可視光の透
過性に優れ着色がなく、紫外線の吸収波長が広いため紫
外線を効率良くカットでき、毒性が低いという点から
は、結晶であることが好ましい。酸化亜鉛結晶は、通
常、六方晶(ウルツ鉱型構造)、立方晶(食塩型構
造)、立方晶面心構造いずれかのX線回折パターンを示
す。
【0058】複合体微粒子は、アルカリ金属、アルカリ
土類金属等の亜鉛以外の金属元素が原子またはイオンと
して酸化亜鉛結晶と複合化している微粒子;亜鉛以外の
金属元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒化物、炭化
物、炭酸塩等の無機化合物が酸化亜鉛結晶中に固溶して
いる微粒子;シラン系、アルミニウム系、ジルコニウム
系、チタン系等のカップリング剤またはオルガノシロキ
サン、キレート化合物等の有機金属化合物が酸化亜鉛結
晶の表面に結合または表面に被覆層を形成してなる微粒
子;ハロゲン元素、硫酸根、硝酸根等の無機酸根、また
は脂肪酸根、アルコール残基、アミン残基等の有機化合
物が、微粒子内部および/または表面に含有されている
粒子等も含みうる。複合体微粒子では、酸化亜鉛微粒子
とポリマーとの合計重量は、好ましくは75〜100重
量%、より好ましくは85〜100重量%である。上記
範囲を下回ると複合体微粒子1個あたりの紫外線遮蔽能
が低下したり、複合体微粒子の機械的強度が弱く実用性
に欠けたりするおそれがある。
【0059】複合体微粒子の形状および大きさ等は特に
限定されず、無機化合物微粒子と同様の数平均粒子径、
粒子径の変動係数、形状および長短度を有するものが好
ましい。複合体微粒子では、酸化亜鉛微粒子は、全体に
均一に分散していてもよいが、部分的に凝集していても
よい。特に、酸化亜鉛微粒子が凝集して外殻を構成して
いる場合には、複合体微粒子において酸化亜鉛微粒子が
外殻に局在して複層構造を形成しているので、複合体微
粒子表面における光の散乱(これは、従来の無機透明微
粒子表面における光の散乱に相当する)に加えて、複合
体微粒子中での酸化亜鉛微粒子表面における光の散乱
と、複合体微粒子中での外殻と内殻との界面における光
の散乱とが起こり、高い光透過性を有しながら、高い拡
散性を発揮する。酸化亜鉛微粒子が凝集して構成された
外殻の厚みは特に限定はないが、複合体微粒子の数平均
粒子径の値に対して、好ましくは0.1〜0.4であ
る。上記範囲を下回ると複合体微粒子の機械的強度が低
下するおそれがあり、上記範囲を上回ると複層構造を有
することによる上記効果が十分発揮されないおそれがあ
る。
【0060】酸化亜鉛微粒子の形状および大きさは特に
限定されないが、複合体微粒子よりも小さくなければな
らない。たとえば、複合体微粒子が0.1〜10μm
(好ましくは0.1〜2μm)の数平均粒子径を有する
ときには、酸化亜鉛微粒子の数平均粒子径は、0.00
5〜0.1μmであり、複合体微粒子の数平均粒子径に
対して1/10〜1/1000である。酸化亜鉛微粒子
の数平均粒子径が上記範囲を下回ると複合体微粒子の光
拡散性が低下するおそれがあり、上記範囲を上回ると光
透過性が低下するおそれがある。酸化亜鉛微粒子の数平
均粒子径の、複合体微粒子の数平均粒子径に対する比率
が上記範囲を下回ると複合体微粒子の光拡散性が低下す
るおそれがあり、上記範囲を上回ると複合体微粒子が実
用上十分な機械的強度を持たなかったり、複合効果が十
分に発揮されなかったりするおそれがある。
【0061】複合体微粒子は、酸化亜鉛微粒子が凝集し
て外殻を構成しているときには、ポリマーは、外殻にの
み、内殻にのみ、または、外殻と内殻との両方にそれぞ
れ含まれうる。しかし、ポリマーも外殻にのみ含まれて
いて、複合体微粒子が中空であることが好ましい。複合
体微粒子が中空であるときには、光拡散機能がより高く
なる。ポリマーが外殻に存在し複合体微粒子表層を覆う
場合には、複合体微粒子は、分散性に優れ、組成物とし
たときのマトリックスとの結着性がさらに高まる。ま
た、複合体微粒子が酸化亜鉛微粒子間に細孔を多数有す
る場合、さらに中空である場合には、多孔質微粒子また
はマイクロカプセルとしての機能、たとえば、吸油能、
吸湿能、有害金属イオンの吸着能、有毒ガス・悪臭など
の吸収能などの吸着分離、除去、捕集機能;断熱性、遮
音性等の熱や音の遮蔽機能(断熱フィラー、遮音フィラ
ー);金属イオン、酵素・菌固定等の固定化機能(触媒
担体、クロマトグラフィー充填剤など);軽量性;内部
に保持した液体、香料などの徐放機能を持つようにな
る。
【0062】複合体微粒子がコアとこのコアを覆うシェ
ルを備えた構造の中空体粒子の場合は、酸化亜鉛微粒子
とポリマーとの合計重量に対して、好ましくは、酸化亜
鉛微粒子をZnOとして50〜95重量%、さらに好ま
しくは、酸化亜鉛微粒子をZnOとして70〜90重量
%含む。上記中空体粒子でない場合は、酸化亜鉛微粒子
とポリマーとの合計重量に対して、好ましくは、酸化亜
鉛微粒子をZnOとし0.5〜50重量%、さらに好ま
しくは、酸化亜鉛微粒子をZnOとして1〜20重量%
含む。酸化亜鉛微粒子の量が上記範囲を下回ると複合体
微粒子1個あたりの光拡散性が低下するおそれがあり、
上記範囲を上回ると複合体微粒子の機械的強度が弱く実
用性に欠けるおそれがある。
【0063】複合体微粒子に含まれるポリマーは、特に
限定はないが、たとえば、重量平均分子量1000〜1
00万のものであり、一般にオリゴマー、プレポリマー
等と称されているものも含まれる。このようなポリマー
は、第1混合物、第2混合物、あるいは、複合体微粒子
を析出させるための加熱過程において、溶解しやすい
か、または、できるだけ微細な状態で乳化または懸濁し
やすいので、粒子径の揃った(粒子径の変動係数が30
%以下である)、粒子形状の均一な複合体微粒子が得ら
れやすい。複合体微粒子に含まれるポリマーは、たとえ
ば、次の(1) 〜(14)の樹脂群から選ばれる少なくとも1
つの樹脂である。これらの樹脂を使用した場合は、平均
粒子径0.1〜10μmの複合体微粒子が得られやす
い。
【0064】(1) アクリル樹脂系ポリマー (2) アルキド樹脂系ポリマー (3) アミノ樹脂系ポリマー (4) ビニル樹脂系ポリマー (5) エポキシ樹脂系ポリマー (6) ポリアミド樹脂系ポリマー (7) ポリイミド樹脂系ポリマー (8) ポリウレタン樹脂系ポリマー (9) ポリエステル樹脂系ポリマー (10)フェノール樹脂系ポリマー (11)オルガノポリシロキサン系ポリマー (12)アクリルシリコーン樹脂系ポリマー (13)フッ素樹脂系ポリマー (14)その他樹脂系ポリマー 前記(1)〜(14)で例示したポリマーのうち、(メ
タ)アクリル系、スチレン系、ビニル系、これらの共重
合系、アルキド系、ポリエステル系、およびポリアミド
系からなる群から選ばれる少なくとも1つの主鎖と、カ
ルボキシル基、アミノ基、アミド基、シラノール基、お
よびアルコキシシリル基からなる群から選ばれる少なく
とも1つの極性の原子団を有するポリマーは、複層構造
を持ち中空で球状の複合体微粒子が得られやすいので、
好ましい。ただし、使用するポリマーの量、極性の原子
団の当量、複合体微粒子生成時の反応液組成(溶媒組成
など)をポリマーの種類によって適宜選択することが好
ましい。
【0065】複合体微粒子は、耐熱性に優れるため、成
形温度の高い樹脂例えばポリエステルやポリカーボネー
ト等に配合できることは勿論、ガラス等に無機系バイン
ダーを用いてこの微粒子を含有する膜を製膜した後、通
常200℃以下の温度であれば加熱することも可能であ
る。複合体微粒子を製造する方法は特に限定されない
が、好ましい製造方法として、亜鉛とモノカルボン酸と
ポリマーと少なくともアルコールからなる媒体とを含む
混合物を100℃以上の温度に保持することにより、酸
化亜鉛微粒子とポリマーとを含有する複合体微粒子を析
出させる方法を挙げることができる。 〔光選択透過膜の構成とその製造方法〕本発明にかかる
光選択透過膜は、次のような組成を有し、後述のように
して製造される。
【0066】光選択透過膜中の光選択遮蔽性粒子の割合
については、特に限定はないが、好ましくは光選択透過
膜全体の0.1〜50重量%であり、紫外線および/ま
たは熱線を選択的かつ効率よく遮蔽することができ、良
好な膜物性で安価な膜となる。光選択遮蔽性粒子の割合
は、より好ましくは1〜40重量%であり、光選択透過
膜の可視光透過性および透明性が高まる(ヘイズ値が低
下する。)。ここで、光拡散性粒子の割合が下記範囲に
あると、光拡散性粒子を含まない光選択透過膜と比較し
て、可視光透過性が高まり、しかも、紫外線および/ま
たは熱線を、より選択的かつ効率よく遮蔽することがで
きる。光選択遮蔽性粒子の割合は、最も好ましくは3〜
20重量%である。光選択遮蔽性粒子の割合が0.1重
量%未満であると、光選択遮蔽性粒子の量が少なすぎ
て、紫外線および/または熱線を選択的に遮蔽できなく
なるおそれがある。他方、光選択遮蔽性粒子の割合が5
0重量%を超えると、膜が脆くなり、可撓性、密着性お
よび機械的物性が低下し、高価な膜になるおそれがあ
る。
【0067】光選択透過膜中の光拡散性粒子の割合につ
いては、特に限定はないが、好ましくは光選択透過膜全
体の0.01〜10重量%であり。光拡散性粒子の割合
は、より好ましくは0.05〜5重量%であり、透明性
が高くなる。光拡散性粒子の割合は、さらに好ましくは
0.05〜2重量%であり、光拡散性粒子を含まない光
選択透過膜と比較して、可視光透過性が高まり、これは
膜の反射率が低減するためであると考えられる。光拡散
性粒子の割合は、最も好ましくは0.05〜1重量%で
あり、光拡散性粒子を含まない光選択透過膜と比較し
て、透明性が高まる。光拡散性粒子の割合が0.1重量
%未満であると、光拡散性粒子の量が少なすぎて、光選
択透過膜中に入射された光線を十分に拡散させることが
できず、透過させたくない光線を効率良く光選択遮蔽性
粒子て遮蔽させることができなくなるおそれがある。他
方、光拡散性粒子の割合が10重量%を超えると、膜が
脆くなり、可撓性、密着性および機械的物性が低下する
おそれがある。
【0068】本発明の光選択透過膜は、要求性能に従っ
て、上記で説明した各成分以外のその他成分を含むもの
でもよい。このようなその他成分としては、可塑剤;消
泡剤・レベリング剤;チクソトロピック剤;艶消し剤;
界面活性剤;難燃剤;顔料湿潤剤・分散剤;滑剤;光安
定剤;酸化防止剤;その他(熱)安定剤;防腐剤;防か
び剤;防藻剤;防食・防錆剤;染料;顔料等の添加剤を
挙げることができ、1種のみ存在するほか、2種以上共
存することもできる。
【0069】可塑剤としては、たとえば、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソ
デシル、リン酸トリクレシル、リン酸ジフェニルクレジ
ール、リン酸トリフェニルセバシン酸ジブチル等を挙げ
ることができ、これらが1種または2種以上併存し得
る。
【0070】消泡剤・レベリング剤としては、たとえ
ば、アクリル系消泡剤、アクリル系レベリング剤、ビニ
ル系消泡剤、ビニル系レベリング剤、シリコーン系消泡
剤、シリコーン系レベリング剤、鉱物系消泡剤、チクソ
トロピック剤(増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤)等を
挙げることができ、これらが1種または2種以上併存し
得る。
【0071】チクソトロピック剤の形態については、特
に限定はなく、溶剤系用チクソトロピック剤、水系用チ
クソトロピック剤等を挙げることができる。溶剤系用チ
クソトロピック剤としては、たとえば、有機ベントナイ
ト系、超微粉シリカ系、表面処理炭酸カルシウム系等の
無機微粒子系溶剤系用チクソトロピック剤;アマイドワ
ックス系、水添ひまし油ワックス系、ベンジリデンソル
ビトール系、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸アルミニウム等)、酸化ポリエチレン系、重合植物油
系、硫酸エステル系アニオン界面活性剤系、ポリエーテ
ル・エステル型界面活性剤系、ポリカルボン酸アミン塩
系等の有機系溶剤系用チクソトロピック剤等を挙げるこ
とができ、これらが1種または2種以上併存し得る。
【0072】水系用チクソトロピック剤としては、たと
えば、超微粉シリカ系、マグネシウムアルミニウムシリ
ケート系等の無機微粒子系水用チクソトロピック剤;キ
サンタンガム、グアーガム、ポリアクリル酸ソーダ系、
アクリル酸・アクリル酸エステル共重合体系、ポリビニ
ルアルコール系、ポリエチレンオキサイド系、ウレタン
変性ポリエーテル系等の有機系水用チクソトロピック剤
等を挙げることができ、これらが1種または2種以上併
存し得る。
【0073】艶消し剤としては、たとえば、ホワイトカ
ーボン等の含水二酸化ケイ素等を挙げることができ、こ
れらが1種または2種以上併存し得る。界面活性剤とし
ては、たとえば、ノニオン系(ポリエチレングリコール
型、多価アルコール型等)、アニオン系(硫酸エステル
型、スルホン酸型、カルボン酸型、リン酸エステル型
等)、カチオン系(アミン塩型、第4級アンモニウム塩
等)、両性系(アミン酸型、ベタイン型等)の界面活性
剤等を挙げることができ、これらが1種または2種以上
併存し得る。
【0074】難燃剤としては、たとえば、3酸化アンチ
モン、水酸化アルミニウム、塩素化パラフィン等を挙げ
ることができ、これらが1種または2種以上併存し得
る。顔料湿潤剤・分散剤としては、たとえば、溶剤系用
顔料湿潤剤・分散剤、水系用顔料湿潤剤・分散剤等を挙
げることができ、これらが1種または2種以上併存し得
る。
【0075】溶剤系用顔料湿潤剤・分散剤としては、た
とえば、高分子量不飽和ポリカルボン酸、ポリエーテル
・ポリエステルカルボン酸塩、高分子量ポリエステル酸
ポリアミン塩、ポリカルボン酸塩、高分子量ポリエステ
ル酸のアマイドアミン塩、長鎖ポリアミノアマイドリン
酸、脂肪族ポリアマイド、長鎖ポリアミノアマイドと高
分子ポリエステル酸の塩、高分子ポリエーテル系化合物
等の各種高分子量化合物;リン酸エステル、リン酸エス
テル塩、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、スルホン
化油、アルキルスルホン酸塩類等のアニオン性化合物;
脂肪族アミンの塩類、第4級アンモニウム塩等のカチオ
ン性化合物等を挙げることができ、これらが1種または
2種以上併存し得る。
【0076】水用顔料湿潤剤・分散剤としては、たとえ
ば、高分子量ポリカルボン酸の塩、スチレン・マレイン
酸共重合物の塩、ナフタレン・スルホン酸のホルマリン
縮合物、長鎖アルキル有機スルホン酸の塩、リグニンス
ルホン酸の塩、ポリリン酸、ポリケイ酸の塩、長鎖アル
キルアミン塩、ポリエチレングリコール誘導体、ソルビ
タン脂肪酸エステル等を挙げることができ、これらが1
種または2種以上併存し得る。
【0077】滑剤としては、たとえば、脂肪族炭化水素
系滑剤、高級脂肪族系アルコール・高級脂肪酸系滑剤、
脂肪酸アマイド系滑剤、金属石鹸系滑剤、脂肪酸エステ
ル系滑剤、複合滑剤等を挙げることができ、これらが1
種または2種以上併存し得る。光安定剤としては、たと
えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−
ピペリジル)デカンジオエート等のヒンダードアミン系
光安定剤等を挙げることができ、これらが1種または2
種以上併存し得る。
【0078】上記酸化防止剤としては、たとえば、フェ
ノール系(モノフェノール系、ビスフェノール系、高分
子系等)、イオウ化合物系(ジラウリルチオジプロピオ
ネート、ジミリスチルチオジプロピオネート等)、リン
化合物系(トリフェニルボスフィン、ジフェニルイソデ
シルホスフェート等)等を挙げることができ、これらが
1種または2種以上併存し得る。
【0079】その他(熱)安定剤としては、たとえば、
スズ系安定剤、鉛系安定剤、ステアリン酸系安定剤等を
挙げることができ、これらが1種または2種以上併存し
得る。スズ系安定剤としては、たとえば、ジ−n−オク
チルスズビス(イソオクチルチオグリコール酸エステ
ル)塩、ジ−n−オクチルスズマレイン酸塩ポリマー、
ジ−n−オクチルスズジラウリン酸塩、ジ−n−オクチ
ルスズマレイン酸エステル塩等のジ−n−オクチルスズ
系安定剤;ジ−n−ブチルスズビスマレイン酸エステル
塩、ジ−n−ブチルスズマレイン酸エステル塩等のマレ
ート系化合物、ジ−n−ブチルスズビスオクチルチオグ
リコールエステル塩、ジ−n−ブチルスズβ−メルカプ
トプロピオン酸塩ポリマー等のメルカプト系化合物、ジ
−n−ブチルスズジラウレート等のラウレート系化合物
等のジ−n−ブチルスズ系安定剤;ジメチルスズビス
(イソオクチルメルカプトアセテート)塩等のジメチル
スズ系安定剤等を挙げることができ、これらが1種また
は2種以上併存し得る。
【0080】鉛系安定剤としては、たとえば、3塩基性
硫酸鉛、2塩基性ステアリン酸鉛、2塩基性亜リン酸
鉛、ステアリン酸鉛等を挙げることができ、これらが1
種または2種以上併存し得る。ステアリン酸系安定剤と
しては、たとえば、ステアリン酸バリウム、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム、12−ヒドロ
キシステアリン酸リチウム等を挙げることができ、これ
らが1種または2種以上併存し得る。
【0081】その他(熱)安定剤として、上記スズ系安
定剤、鉛系安定剤、ステアリン酸系安定剤以外の安定剤
を用いてもよく、このような安定剤として、たとえば、
ベヘン酸リチウム、ミリスチン酸リチウム、トリフェニ
ルホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイ
ト、トリスノニルフェニルホスファイト、バリウム−亜
鉛液状複合安定剤、カルシウム−亜鉛液状複合安定剤、
カドミウム−バリウム−亜鉛液状複合安定剤等を挙げる
ことができ、これらが1種または2種以上併存し得る。
【0082】防腐剤、防かび剤および防藻剤としては、
たとえば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、p−クロロ−m−キシレノール、2−ヒドロキシメ
チルアミノエタノール等を挙げることができ、これらが
1種または2種以上併存し得る。防食・防錆剤として
は、たとえば、エチルアミン類、プロピルアミン類等を
挙げることができ、これらが1種または2種以上併存し
得る。
【0083】光選択透過膜が、光安定剤を含むものであ
ると、耐候性が向上する。本発明の光選択透過膜の可視
光透過率については、特に限定はなく、波長0.5μm
における透過率が、好ましくは75%以上、さらに好ま
しくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。
本発明の光選択透過膜の紫外線透過率については、特に
限定はなく、紫外領域(400nm以下の波長域)にお
いて透過率が10%となる波長が、好ましくは360n
m以上、さらに好ましくは370nm以上、最も好まし
くは380nm以上である。
【0084】本発明の光選択透過膜の熱線透過率につい
ては、特に限定はなく、波長2μmの光に対する透過率
が、好ましくは70%以下、さらに好ましくは60%以
下、最も好ましくは50%以下である。上記各透過率
は、たとえば、JIS R 3106−1985の3.
2項および4.2項に記載された条件を満足する分光測
定器を使用して得られるものである。上記分光測定器と
しては、たとえば、積分球付属装置(島津製作所社製、
ISR−3100)をその試料室に取り付けた自記分光
光度計(UV−3100)を挙げることができる。
【0085】本発明の光選択透過膜のヘイズについて
は、特に限定はないが、好ましくは4%未満、さらに好
ましくは2%未満、最も好ましくは1%未満である。ヘ
イズは透明性の程度を示し、濁度計で測定された値であ
る。本発明の光選択透過膜の膜厚については、特に限定
はなく、好ましくは2〜100μm、さらに好ましくは
5〜80μm、最も好ましくは15〜60μmである。
【0086】本発明の光選択透過膜は、任意の方法で製
造することができるが、以下に詳述する製造方法は、そ
の好ましい一例であり、この製造方法に限定されない。
光選択透過膜を製造するにあたっては、まず、下記の成
膜用組成物を調製し、この組成物を膜化する。成膜用組
成物は、前記マトリックスとなる樹脂成分、光選択遮蔽
性粒子および光拡散性粒子を必須成分とする組成物であ
り、必要に応じて、上記硬化触媒、架橋剤およびその他
成分や、下記の溶媒等を含むものでもよい。
【0087】溶媒としては、たとえば、アルコール類、
脂肪族および芳香族カルボン酸エステル類、ケトン類、
エーテル類、エーテルエステル類、脂肪族および芳香族
炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等の有機系溶剤;
水;鉱物油;植物油、ワックス油、シリコーン油等を挙
げることができ、これらが1種または2種以上使用され
る。
【0088】樹脂成分の形態については、特に限定はな
く、溶剤可溶型、水溶性型、エマルション型、分散型
(水/有機溶剤等の任意の溶剤)等を挙げることができ
る。水溶性型の樹脂成分としては、たとえば、水溶性ア
ルキド樹脂、水溶性アクリル変性アルキド樹脂、水溶性
オイルフリーアルキド樹脂(水溶性ポリエステル樹
脂)、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシエステル樹
脂、水溶性メラミン樹脂等を挙げることができる。
【0089】エマルション型の樹脂成分としては、たと
えば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合ディスパージ
ョン;酢酸ビニル樹脂エマルション、酢酸ビニル共重合
樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エ
マルション、アクリル酸エステル(共)重合樹脂エマル
ション、スチレン−アクリル酸エステル(共)重合樹脂
エマルション、エポキシ樹脂エマルション、ウレタン樹
脂エマルション、アクリル−シリコーンエマルション、
フッ素樹脂エマルション等を挙げることができる。
【0090】成膜用組成物に含有される光選択遮蔽性粒
子の濃度については、特に限定はなく、好ましくは、成
膜用組成物全体の0.03〜40重量%、さらに好まし
くは0.3〜32重量%、最も好ましくは1〜16重量
%である。光選択遮蔽性粒子の濃度が成膜用組成物全体
の0.1重量%以下であると、紫外線および/または熱
線を選択的に遮蔽することができず、十分な光選択遮蔽
性を得るためには、膜厚を厚くする必要があり、成膜方
法が限定されるおそれがある。
【0091】成膜用組成物では、光選択遮蔽性粒子およ
び光拡散性粒子の分散性が高く、光選択遮蔽性粒子が超
微粒子である場合に顕著である。これは、組成物中で光
選択遮蔽性粒子および光拡散性粒子が衝突することによ
って効果的に分散するためであると考えられる。成膜用
組成物は、前記マトリックスとなる樹脂成分、光選択遮
蔽性粒子および光拡散性粒子を必須成分とする組成物で
あり、必要に応じて、上記硬化触媒、架橋剤およびその
他成分や、下記の溶媒等を含むものでもよい。
【0092】成膜用組成物の調製方法については、特に
限定はないが、たとえば、光選択遮蔽性粒子および光拡
散性粒子を含む分散体に、樹脂成分を混合し、適宜、上
記添加剤をさらに混合する方法等を挙げることができ
る。本発明の光選択透過膜は、たとえば、上記成膜用組
成物を基材等に塗布し、硬化させることによって得られ
る。
【0093】成膜用組成物を塗布する方法については、
特に限定はなく、ディッピング法、ロールコーター法、
フローコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、
スピンコーター法、刷毛塗り法、スプレー法等を挙げる
ことができる。成膜用組成物を塗布した後、耐水性、耐
溶剤性、耐酸、耐アルカリ等の耐薬品性、耐擦傷性等の
物性を向上させるために、熱硬化(室温硬化を含む)、
湿気硬化、紫外線硬化、電子線硬化等の方法で硬化させ
ることが好ましく、経済的には熱硬化法がさらに好まし
い。
【0094】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例と併せて示
すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、可視光透過性、紫
外線透過性、熱線透過性および透明性は、次のようにし
て測定した。可視光透過性 試料の波長0.5μmの光に対する透過率を測定して可
視光透過率を求め、可視光透過性の尺度とした。紫外線透過性 試料の紫外領域(400nm以下の波長域)の光に対し
て、透過率が10%となる波長を求め、紫外線透過率と
し、紫外線透過性の尺度とした。熱線透過性 試料の波長1μmまたは2μmの光に対する透過率を測
定して熱線透過率を求め、熱線透過性の尺度とした。
【0095】上記各透過率は、積分球付属装置(島津製
作所社製、ISR−3100)をその試料室に取り付け
た自記分光光度計(UV−3100)を使用して測定
し、分光透過率曲線を作成して求めた。透明性 市販の濁度計(日本電色工業社製、NDH−1001
DP)を用いてヘイズ値を測定し、透明性の尺度とし
た。 (実施例1−1)アクリル樹脂バインダー(固形分30
重量%)333重量部、熱線遮蔽性粒子としてのIn含
有ZnO超微粒子(結晶子径Dw=21nm、D002
/D100=0.76、In/Zn=2モル%)を50
重量%含むトルエン分散体100重量部、光拡散性粒子
としての中空状ZnO粒子(平均粒子径:1.52μ
m、中空径:0.3μm)を50重量%含むメチルエチ
ルケトンスラリー2重量部を混合して、成膜用組成物
(1−1)を調製した。成膜用組成物(1−1)に含ま
れる熱線遮蔽性粒子および光拡散性粒子の配合量を表1
に示した。
【0096】成膜用組成物(1−1)をバーコーターを
用いてガラスに塗布し、100℃、5分間乾燥して、塗
工ガラス(1−1)を作製した。成膜用組成物(1−
1)の塗布量は、乾燥状態で10g/m2であった。塗
工ガラス(1−1)の0.5μmにおける可視光透過率
および2μmにおける熱線透過率を測定した。その結果
を表2に示す。 (実施例1−2)実施例1−1で、メチルエチルケトン
スラリーの配合量を2重量部から4重量部に変更した以
外は、実施例1と同様にして、成膜用組成物(1−2)
を調製しした。成膜用組成物(1−2)に含まれる熱線
遮蔽性粒子および光拡散性粒子の配合量を表1に示し
た。
【0097】成膜用組成物(1−2)をバーコーターを
用いてガラスに塗布し、100℃、5分間乾燥して、塗
工ガラス(1−2)を作製した。成膜用組成物(1−
2)の塗布量は、乾燥状態で10g/m2であった。塗
工ガラス(1−2)の可視光透過率および熱線透過率を
実施例1−1と同様にして測定した。その結果を表2に
示す。 (実施例1−3および1−4)実施例1−1で、光拡散
性粒子としての中空状ZnO粒子を、超微粒子シリカ
(1次粒子径:0.1μm以下)分散含有アクリルビー
ズ(平均粒子径:12μm、シリカ含有量5重量%)に
変更し、それぞれ、表1に示す配合量で成膜用組成物
(1−3)および成膜用組成物(1−4)を調製した。
【0098】成膜用組成物(1−3)および成膜用組成
物(1−4)を、それぞれ、バーコーターを用いてガラ
スに塗布し、100℃、5分間乾燥して、塗工ガラス
(1−3)および塗工ガラス(1−4)を作製した。成
膜用組成物(1−3)および成膜用組成物(1−4)の
塗布量は、それぞれ、乾燥状態で5g/m2であった。
塗工ガラス(1−3)および塗工ガラス(1−4)につ
いて、可視光透過率および熱線透過率を実施例1−1と
同様にして測定した。その結果を表2に示す。 (比較例1−1)光拡散性粒子を配合しない以外は、実
施例1−1と同様にして、比較成膜用組成物(1−1)
を調製した。比較成膜用組成物(1−1)に含まれる熱
線遮蔽性粒子および光拡散性粒子の配合量を表1に示し
た。
【0099】比較成膜用組成物(1−1)を、バーコー
ターを用いてガラスに塗布し、100℃、5分間乾燥し
て、比較塗工ガラス(1−1)を作製した。比較成膜用
組成物(1−1)の塗布量は、乾燥状態で10g/m2
であった。比較塗工ガラス(1−1)の可視光透過率お
よび熱線透過率を実施例1−1と同様にして測定した。
その結果を表2に示す。 (比較例1−2)熱線遮蔽性粒子を配合しない以外は、
実施例1−1と同様にして、比較成膜用組成物(1−
2)を調製した。比較成膜用組成物(1−2)に含まれ
る熱線遮蔽性粒子および光拡散性粒子の配合量を表1に
示した。
【0100】比較成膜用組成物(1−2)を、バーコー
ターを用いてガラスに塗布し、100℃、5分間乾燥し
て、比較塗工ガラス(1−2)を作製した。比較成膜用
組成物(1−1)の塗布量は、乾燥状態で0.12g/
2(中空体粒子換算)であった。比較塗工ガラス(1
−2)の可視光透過率および熱線透過率を実施例1−1
と同様にして測定した。その結果を表2に示す。 (比較例1−3)光拡散性粒子をを配合しない以外は、
実施例1−3と同様にして、比較成膜用組成物(1−
3)を調製した。比較成膜用組成物(1−3)に含まれ
る熱線遮蔽性粒子および光拡散性粒子の配合量を表1に
示した。
【0101】比較成膜用組成物(1−3)を、バーコー
ターを用いてガラスに塗布し、100℃、5分間乾燥し
て、比較塗工ガラス(1−3)を作製した。比較成膜用
組成物(1−3)の塗布量は、乾燥状態で5g/m2
あった。比較塗工ガラス(1−3)の可視光透過率およ
び熱線透過率を実施例1−1と同様にして測定した。そ
の結果を表2に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】(実施例1−5、実施例1−6および比較
例1−4)表3に示す配合量にそれぞれ変更する以外は
実施例1−3と同様にして、成膜用組成物(1−5)、
成膜用組成物(1−6)および比較成膜用組成物(1−
4)を、それぞれ調製した。上記組成物をそれぞれ、バ
ーコーターを用いてPETフィルム(ヘイズ:2%)に
塗布し、100℃、5分間乾燥して、塗工フィルム(1
−5)、塗工フィルム(1−6)および比較塗工フィル
ム(1−4)を作製した。それぞれの組成物の塗布量、
塗工フィルムの熱線透過率(2μm)および透明性(ヘ
イズ)を測定した。その結果も表3に示す。
【0105】
【表3】
【0106】(実施例2)アクリル樹脂バインダー(固
形分20重量%)2000重量部、熱線遮蔽性粒子とし
てのSb含有SnO2超微粒子(結晶子径Dw=5n
m、Sb/Sn=2モル%)100重量部、光拡散性粒
子としての超微粒子シリカ(1次粒子径0.1μm以
下)分散含有アクリルビーズ(平均粒子径12μm、シ
リカ含有量5重量%)5重量部を混合して、成膜用組成
物(2)を調製した。
【0107】成膜用組成物(2)をバーコーターを用い
てガラスに塗布し、100℃、5分間乾燥して、塗工ガ
ラス(2)を作製した。成膜用組成物(2)の塗布量
は、乾燥状態で5.2g/m2(熱線遮蔽性粒子換算)
であった。塗工ガラス(2)の0.5μmにおける可視
光透過率は76%であり、1μmにおける熱線透過率は
35%であった。 (比較例2)光拡散性粒子をを配合しない以外は、実施
例2と同様にして、比較成膜用組成物(2)を調製し
た。
【0108】比較成膜用組成物(2)を、バーコーター
を用いてガラスに塗布し、100℃、5分間乾燥して、
比較塗工ガラス(2)を作製した。比較成膜用組成物
(2)の塗布量は、乾燥状態で5.2g/m2(熱線遮
蔽性粒子換算)であった。比較塗工ガラス(2)の0.
5μmにおける可視光透過率は74%であり、1μmに
おける熱線透過率は43%であった。 (実施例3)アクリル樹脂バインダー(固形分20重量
%)900重量部、紫外線遮蔽性粒子としてのZnO超
微粒子を50重量%含むトルエン分散体40重量部、光
拡散性粒子としての針状酸化スズ(太さ0.1μm、長
さ1.5μm)含有ポリスチレンビーズ(平均粒子径1
0μm、酸化スズ含有量2重量%)1重量部を混合し
て、成膜用組成物(3)を調製した。
【0109】成膜用組成物(3)をバーコーターを用い
てガラスに塗布し、100℃、5分間乾燥して、塗工ガ
ラス(3)を作製した。成膜用組成物(3)の塗布量
は、乾燥状態で5g/m2(ZnO換算)であった。塗
工ガラス(3)の0.5μmにおける可視光透過率は8
8%であり、紫外線透過率が10%となる波長は380
nmであった。 (比較例3)光拡散性粒子をを配合しない以外は、実施
例3と同様にして、比較成膜用組成物(3)を調製し
た。
【0110】比較成膜用組成物(3)を、バーコーター
を用いてガラスに塗布し、100℃、5分間乾燥して、
比較塗工ガラス(3)を作製した。比較成膜用組成物
(3)の塗布量は、乾燥状態で5g/m2(ZnO換
算)であった。比較塗工ガラス(3)の0.5μmにお
ける可視光透過率は86%であり、紫外線透過率が10
%となる波長は374nmであった。
【0111】
【発明の効果】本発明にかかる光選択透過膜は、透明性
に優れ、しかも光線選択率が高く、良好な膜物性を有
し、安価である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08J 5/18 C08J 5/18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マトリックス中に紫外線および/または熱
    線を選択的に遮蔽する光選択遮蔽性粒子を含む光選択透
    過膜において、光拡散性粒子をさらに含むことを特徴と
    する、光選択透過膜。
  2. 【請求項2】前記光選択遮蔽性粒子の割合が光選択透過
    膜全体の0.1〜50重量%、前記光拡散性粒子の割合
    が0.01〜10重量%である、請求項1に記載の光選
    択透過膜。
  3. 【請求項3】前記光拡散性粒子が、無機化合物微粒子お
    よび/または無機化合物とポリマーとの複合体微粒子で
    ある、請求項1または2に記載の光選択透過膜。
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