JP2002069258A - フッ素樹脂フィルム - Google Patents

フッ素樹脂フィルム

Info

Publication number
JP2002069258A
JP2002069258A JP2000256059A JP2000256059A JP2002069258A JP 2002069258 A JP2002069258 A JP 2002069258A JP 2000256059 A JP2000256059 A JP 2000256059A JP 2000256059 A JP2000256059 A JP 2000256059A JP 2002069258 A JP2002069258 A JP 2002069258A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite particles
group
film
fluororesin
amorphous silica
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000256059A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ariga
広志 有賀
Hideaki Miyazawa
英明 宮澤
Yasusuke Kurooka
庸介 黒岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2000256059A priority Critical patent/JP2002069258A/ja
Publication of JP2002069258A publication Critical patent/JP2002069258A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】長期間使用でき、耐候性、透明性及び熱線遮断
性に優れるフッ素樹脂フィルムを得る。 【解決手段】粒子径の95%分布範囲が0.1〜30μ
mである複合粒子を含むフッ素樹脂(例えばエチレン/
テトラフルオロエチレン系重合体)フィルムであって、
該複合粒子は熱線遮断性の金属酸化物(例えばアンチモ
ンをドープした酸化錫)をSiO2換算で1.2〜5.
0倍の質量の不定形シリカ(例えばテトラエチルシリケ
ートの縮合物)で表面処理したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱線遮断性、透明
性及び耐候性に優れるフッ素樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂フィルムは、耐候性、透明性
及び耐汚染性に優れ、10年以上の長期間使用できる農
業ハウス用途に使用されている。近年、夏季にも作物を
栽培する、いわゆる周年栽培が進んでおり、夏季にも適
用できるように、熱線遮断性の農業ハウス用フィルムの
開発が要望されている。
【0003】特開平10−139489号公報では、農
業ハウスとして、表面に金属酸化物の薄膜を形成させた
熱線遮断性の炭化水素系フィルムを透明なガラス板の片
面に添付した構造体を使用することが提案されている。
この方法では、ガラス板とフィルムを張り合わせる粘着
剤の耐候性が充分でないため、ガラスとフィルムの間で
剥離する問題があった。また、それぞれが単独でも農業
用資材として使用されるガラス板とフィルムを重複して
使用するため製造コストが高い問題があった。特開平9
−151203号公報では、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムの表面に、熱線遮断性の酸化錫微粒子又はア
ンチモンをドープした酸化錫微粒子を分散した、アクリ
ル樹脂組成物の塗膜を形成する方法が提案されている。
この方法で得た熱線遮断性のフィルムは、長期間の屋外
使用中に塗膜とフィルムが剥離する問題があった。特に
農業ハウスにおいては、風雨によりフィルムが常に変形
を受けるため、塗膜とフィルムが剥離しやすい傾向があ
った。
【0004】特開平11−246570号公報では、熱
線吸収性の二フッ化錫ナフタロシアニンをポリエステ
ル、ポリエチレン又はポリ塩化ビニルに分散させた農業
ハウス用フィルムが提案されているが、二フッ化錫ナフ
タロシアニンは耐候性が充分でなく、屋外での長期間の
使用は困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術に鑑みてなされたものであり、長期間使用でき、耐候
性、透明性及び熱線遮断性に優れるフッ素樹脂フィルム
の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、複合粒子を含
むフッ素樹脂フィルムであって、該複合粒子が不定形シ
リカで表面処理された熱線遮断性の金属酸化物を含有
し、該複合粒子中の不定形シリカのSiO2換算量と熱
線遮断性の金属酸化物量との質量比率が120〜50
0:100であり、該複合粒子の粒子径の95%分布範
囲が0.1〜30μmであることを特徴とするフッ素樹
脂フィルムを提供する。
【0007】本発明においてフッ素樹脂フィルムとして
は、公知の種々のフッ素樹脂を用いたフィルムが使用で
きる。フッ素樹脂の具体例として、エチレン/テトラフ
ルオロエチレン系共重合体(以下、ETFEとい
う。)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン系共重合体(以下、FEPという。)、テトラフ
ルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)系共重合体(以下、PFAという。)、テトラフル
オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニ
リデン系共重合体(以下、PTHVという。)、フッ化
ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、フッ化ビ
ニリデン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、テト
ラフルオロエチレン/プロピレン系共重合体などが好ま
しい。特に、ETFE、FEP、PFA、又はPTHV
が好ましい。これらは、単独で又は2種以上を組み合わ
せて使用できる。
【0008】これらのフッ素樹脂は、柔軟性を付与させ
るためにフッ素ゴムを含有してもよい。フッ素ゴムとし
ては、テトラフルオロエチレン/プロピレン系弾性共重
合体、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/プ
ロピレン系弾性共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフ
ルオロプロピレン系弾性共重合体、テトラフルオロエチ
レン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン系
弾性共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)系弾性共重合体などが好ま
しい。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使
用できる。フッ素ゴムの含有量は、フッ素樹脂100質
量部に対して、40質量部以下、特に20質量部以下、
が好ましい。
【0009】本発明において、フッ素樹脂フィルムの厚
さは特に制限はないが、通常6〜500μmであり、好
ましくは10〜200μmである。フィルムの厚さがあ
まりに薄いと農業ハウスの支柱等との擦れにより破れを
5年程度で生ずるため好ましくない。また、あまりに厚
いと透過する太陽光の量が減少するため好ましくない。
【0010】本発明のフッ素樹脂フィルムは、不定形シ
リカで表面処理された熱線遮断性の金属酸化物を含有す
る複合粒子を含む。熱線遮断性の金属酸化物としては、
酸化錫、アンチモンをドープした酸化錫(以下、ATO
という。)、酸化インジウム、錫をドープした酸化イン
ジウム、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、インジウ
ムをドープした酸化亜鉛、酸化バナジウム、無水アンチ
モン酸亜鉛等が例示される。熱線遮断性の金属酸化物
は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0011】熱線遮断性の金属酸化物の平均粒子径は
0.005〜0.2μmが好ましい。あまりに小さいと
不定形シリカで表面処理することが困難になり、あまり
に大きいと農作物の光合成に必要な400〜750nm
の波長の可視光が遮断されるので好ましくない。平均粒
子径は0.007〜0.15μmがより好ましい。
【0012】不定形シリカとしては、非晶性の無定形の
シリカが挙げられ、具体例としては、3号ケイ酸ナトリ
ウム(SiO2含有量:28.5%)、テトラエチルシ
リケート、テトラメチルシリケート、テトラプロピルシ
リケート、テトラブチルシリケートなどのケイ酸化合
物、又はそれらの部分縮合物等を加水分解して得られる
不定形シリカが好ましい。不定形シリカは、ケイ酸化合
物又はその部分縮合物を単独で又は2種以上を組み合わ
せて使用できる。
【0013】不定形シリカの使用量は、SiO2に換算
して、熱線遮断性の金属酸化物の100質量部に対し、
120〜500質量部である。不定形シリカの使用量
が、あまりに少ないと後述する光酸化触媒活性の制御が
不充分であり、あまりに多いと熱線遮断性の金属酸化物
の含有率が少なくなるため、熱線遮断性を発現するため
のフィルム中の含有量が多くなり透明性が不充分となり
やすい。不定形シリカの使用量は、130〜450質量
部が好ましく、150〜400質量部がより好ましい。
【0014】本発明において、複合粒子は、熱線遮断性
の金属酸化物とケイ酸化合物又はその部分縮合物を混合
し、ケイ酸化合物又はその部分縮合物を加水分解した
後、焼成して製造されることが好ましい。混合方法とし
ては、水や有機溶剤等の媒体中で実施する湿式法が、金
属酸化物とケイ酸化合物又はその部分縮合物の分散性に
優れるので好ましい。
【0015】ケイ酸化合物又はその部分縮合物の加水分
解は、無機酸や有機酸を添加して促進することが好まし
い。酸としては、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機
酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、安息香酸等が挙げ
られ、特に硝酸又は塩酸が好ましい。
【0016】焼成温度は、200〜1000℃、特に4
00〜600℃、が好ましい。焼成温度が、あまりに低
いと不定形シリカが熱線遮断性の金属酸化物から脱落す
る傾向となり、あまりに高いと金属酸化物の熱線遮断性
を喪失する傾向となる。焼成によって、熱線遮断性の金
属酸化物を表面処理した不定形シリカが融着されて複合
粒子が製造される。
【0017】該複合粒子の粒子径の95%分布範囲は
0.1〜30μmである。複合粒子の粒子径があまりに
小さいとフッ素樹脂に分散する際に凝集体を生じやす
い。また、複合粒子の粒子径があまりに大きいとフィル
ムに孔や破断を発生しやすい。複合粒子の粒子径の95
%分布範囲は0.2〜25μmが好ましく、0.5〜2
0μmがより好ましい。上記の複合粒子の粒子径の95
%分布範囲は、後述のレーザー回折・散乱法で測定さ
れ、この粒子径範囲外の複合粒子が5%以内で含まれて
いてもよい。
【0018】また、複合粒子の平均粒子径としては、
0.5〜10μmが好ましく、1〜8μmがより好まし
い。複合粒子の平均粒子径があまりに小さいとフッ素樹
脂に分散する際に凝集体を生じやすい。また、複合粒子
の粒子径があまりに大きいとフィルムに孔や破断を発生
しやすい。
【0019】本発明において、複合粒子が、熱線遮断性
の金属酸化物の他に、硫化亜鉛、酸化亜鉛、二酸化チタ
ン、酸化セリウム等の蛍光特性や紫外線遮断性等の特性
を有する微粒子を含有することも好ましい。複合粒子が
不定形シリカで表面処理された熱線遮断性の金属粒子の
みから実質的になることが、より好ましい。
【0020】本発明において、複合粒子の表面が、有機
ケイ素化合物により疎水化処理されていることも好まし
い。疎水化処理により複合粒子の凝集がさらに防止さ
れ、フッ素樹脂への分散性が向上する。疎水化処理の方
法としては、溶剤に有機ケイ素化合物を溶解した後、該
溶剤に複合粒子を分散させ、その後乾燥する方法が好ま
しい。
【0021】溶剤としては、水、エタノールなどのアル
コール類、アセトンなどのケトン類、n−ヘキサンなど
のアルカン類、ハイドロフルオロカーボン類、クロロフ
ルオロカーボン類、クロロハイドロフルオロカーボン類
などが好ましい。有機ケイ素化合物としては、有機シラ
ン類、シリコーンオイル類等が、少量の使用で複合粒子
を疎水化できるので好ましい。有機シラン類としては、
加水分解性基と有機基とを有するシラン類が好ましい。
【0022】有機シラン類中の加水分解性基としては、
アルコキシ基、アシルオキシ基、イソシアナート基、ケ
トオキシム基、塩素原子、アミノ基、水酸基などが好ま
しい。加水分解性基は、ケイ素原子1個に対して1〜3
個結合していることが好ましい。特に、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜6
のアルコキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ
基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基、2,2,
3,3−テトラフルオロプロポキシ基、4,4,5,
5,5−ペンタフルオロペンチルオキシ基、2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキ
シ基等の炭素数1〜6のフルオロアルコキシ基が好まし
い。
【0023】有機シラン類中の有機基としては、反応性
の高い官能基や親水性基を有しない有機基が好ましく、
アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル
基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基などが好
ましい。有機基の具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、
オクタデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基類、
2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリ
フルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピル基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペン
チル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2−
(パーフルオロヘキシル)エチル基、2−(パーフルオ
ロオクチル)エチル基などのフッ素原子を有する炭素数
2〜20のフルオロアルキル基類、4−メチルフェニル
基、4−ノニルフェニル基、4−トリフルオロメチルフ
ェニル基、4−ノニルフェニル基などの炭素数6〜20
のアリール基類などが好ましい。
【0024】シリコーンオイル類としては、置換基とし
て、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のフ
ルオロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、加水
分解性基、水酸基、水素原子等を有するシリコーンオイ
ルが好ましい。
【0025】有機ケイ素化合物の具体例としては、メチ
ルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラ
ン、ヘキシルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメ
トキシシランなどのトリアルコキシシラン類、ジメチル
シリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、フェ
ニルメチルシリコーンオイルなどのシリコーンオイルが
好ましい。
【0026】有機ケイ素化合物の使用量は、複合粒子の
比表面積などにより適宜選定される。複合粒子の100
質量部に対して、5〜50質量部の有機ケイ素化合物の
使用が好ましい。より好ましくは10〜30質量部、さ
らに好ましくは15〜25質量部である。有機ケイ素化
合物の使用量が、あまりに少ないと疎水化効果が小さ
く、あまりに多いと有機ケイ素化合物同士が結合しやす
くなって、複合粒子が凝集し、粒状となってフィルムに
分散する結果、フィルムの外観が悪くなることがある。
【0027】複合粒子は、後述する方法で測定したメタ
ノール疎水化度として、30〜80%に疎水化されるこ
とが好ましい。疎水化度があまりに小さいとフッ素樹脂
フィルム中での分散性が不良で、かつ、フッ素樹脂フィ
ルムを着色させるおそれも大きい。また、あまりに大き
いと押出機でフッ素樹脂と複合粒子を混練してコンパウ
ンド化する前に行うドライブレンドの際に、両材料が分
離しやすく、コンパウンドの組成が不均一になりやす
い。より好ましくは40〜75%である。なお、有機ケ
イ素化合物で処理しない複合粒子のメタノール疎水化度
は10%未満である。メタノール疎水化度は、フッ素樹
脂の種類に応じて選定され、例えば、ETFEでは40
〜70%、FEPでは60〜75%、PFAでは60〜
75%、PTHVでは40〜70%、が好ましい。
【0028】本発明のフッ素樹脂フィルムにおいて、複
合粒子の含有量は、フッ素樹脂の100質量部に対して
0.4〜10質量部が好ましい。複合粒子の含有量が、
あまりに少ないと熱線遮断性が充分でなく、あまりに多
いと光合成に関与する400〜750nmの光の透過量
が少なくなる。より好ましくは3〜8質量部である。
【0029】本発明のフッ素樹脂フィルムの製造方法と
しては、フッ素樹脂と複合粒子を2軸押出機を使用して
溶融混練しペレット化した後、1軸押出機でTダイ方式
によりフィルム化する方法が好ましい。溶融混練条件と
しては、不定形シリカが熱線遮断性の金属酸化物から剥
離しないような条件を選定することが好ましい。その条
件としては、スクリューの形状及び押出機の温度の選定
が重要である。複合粒子が疎水化処理されている場合
は、複合粒子のフッ素樹脂に対する分散性が高く、押出
機中で高い剪断力をかける必要はない。溶融混練温度と
しては、フッ素樹脂の融点より40〜60℃程度高い温
度が好ましい。
【0030】フィルムの押出条件としては、複合粒子を
配合していないフッ素樹脂のフィルム化条件と同様の温
度条件が好ましく、フッ素樹脂の融点より40〜60℃
程度高い押出温度が好ましい。
【0031】本発明において、不定形シリカで表面処理
された熱線遮断性の金属酸化物を含有する複合粒子の奏
する効果の作用機構は必ずしも明確でないが、次のよう
に推定される。熱線遮断性の金属酸化物は、通常、凝集
性と高い光酸化触媒活性を有する。そのため、熱線遮断
性の金属酸化物を含有するフッ素樹脂フィルムは、該金
属酸化物の凝集によりフィルムが白化し、フィルムの可
視光域の透過率が低下したり、耐候性に優れるフッ素樹
脂でさえ長期的には部分的に酸化分解され、フィルム内
に空洞が発生したりする。
【0032】一方、本発明においては、熱線遮断性の金
属酸化物粒子が不定形シリカで表面処理される結果、フ
ッ素樹脂と熱線遮断性の金属酸化物粒子が直接接触せ
ず、熱線遮断性は保持されたまま、光酸化触媒活性によ
るフッ素樹脂の劣化が生起しない。また、複合粒子の表
面を疎水化処理することによって複合粒子の分散性が向
上し、複合粒子が2次凝集又は3次凝集することがな
く、フィルムの白化が生起しないうえ、熱線遮断性にも
優れると考えられる。さらに、不定形シリカは透明性が
高く、光の波長に比べて大きな上記粒子径範囲の複合粒
子であっても透明性を損なうことが少ないと考えられ
る。
【0033】本発明のフッ素樹脂フィルムは、赤外線に
加えてある程度の紫外線を遮断する性質を有することが
多いが、紫外線遮断率を向上するために、酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化チタン等の紫外線遮断性化合物を複合
粒子に加えて添加することもできる。
【0034】本発明のフッ素樹脂フィルムは、好ましく
は、その片面にコロナ放電処理等の表面処理を行い、シ
リカ等の流滴剤を塗工した後、展張される。本発明のフ
ッ素樹脂フィルムは、農業用の外張り資材、カーテン材
等に用いることにより、今まで夏季に栽培できないとさ
れていた作物、例えば、ほうれんそう、いちごの栽培が
可能となる。
【0035】
【実施例】粒子径、メタノール疎水化度、熱線遮断性、
全光線透過率、熱線透過率、耐候性は、以下の方法で測
定した。 粒子径(単位:μm):レーザー回折・散乱式粒度分布
測定機(LMS−24、セイシン企業社製)で測定し
た。粒子径は、95%の分布範囲を表す。また、平均粒
子径を算出した。
【0036】メタノール疎水化度(単位:%):300
mLのビーカーに蒸留水50mLを入れ、5gの複合粒
子をよく撹拌させながら投入する。粒子が均一に分散さ
れれば、この粒子は蒸留水ときわめてなじみが良く、メ
タノール疎水化度は0%である。複合粒子が均一に分散
しない場合、メタノールを徐々に滴下しながら撹拌し、
水溶液に複合粒子が均一に分散されるようになるまでの
メタノール総添加量M(単位:mL)から、メタノール
疎水化度Dは式D=100M/(M+50)によって求
められる。
【0037】熱線遮断性:空間容積50×50×50c
mの発泡ポリスチレン製容器の内側5面を黒色に塗装し
た容器を用意し、その開口部に各例で作成した厚さ10
0μmのフィルムを展張し、7月中旬に直射日光下(天
候:快晴)に朝9時から午後2時まで放置し、午後2時
における容器の内部温度を測定した。厚さ100μm
の、複合粒子を含まないETFEフィルムを展張した場
合の内部温度を基準として、内部温度が低い場合をマイ
ナス、高い場合をプラスで表示した。マイナスの値が大
きいほど熱線遮断性に優れていることを示す。
【0038】全光線透過率(単位:%):JIS K7
105に準拠した測定法によって求めた。拡散光線と平
行光線の総量である。使用される標準光Cは、300〜
780nmで、太陽光線の波長分布に合わせた相対分布
を有するため、光合成に有効な光の入射量を推算する数
値であり、80%以上の透過率が好ましい。 熱線透過率(単位:%):分光光度計(UV3100P
C、島津製作所製)を用いて、1500nmにおける全
光線透過率を測定した。 耐候性:JIS A1415のプラスチック建築材料の
促進暴露試験方法に準拠し、光源用のカーボンの種類と
してサンシャインカーボンを用い、5000時間促進暴
露した。その後、全光線透過率及び熱線透過率を測定し
た。
【0039】[例1]不定形シリカで表面処理したAT
O複合粒子を以下のようにして作成した。すなわち、内
容積2Lのガラス容器に、エタノールの75gとATO
粉末(商品名TL−30、粒子径範囲0.01〜0.1
μm、触媒化成工業社製)の25gを仕込み、撹拌し
て、25質量%分散液の100gを作成した。ついで、
よく撹拌しながら、テトラエチルシリケートの20質量
%溶液(溶媒:エタノール)の1040gを滴下した。
テトラエチルシリケートの添加量は、ATO粉末の10
0質量部に対し、SiO2換算で240質量部であっ
た。さらに、1時間以上撹拌を続け、最後に硝酸の4質
量%水溶液の10gを添加し、不定形シリカにより表面
処理されたATO粉末を得た。
【0040】ついで、不定形シリカにより表面処理され
たATO粉末を、水洗、乾燥、粉砕した後、500℃で
1時間焼成し、不定形シリカで表面処理されたATOの
複合粒子の81gを得た。この複合粒子の粒子径は1〜
30μmで、平均粒子径は3.2μmであった。この複
合粒子の200gを小型ヘンシェルミキサに投入し、続
いて、エチルトリエトキシシシランの14gを、水:メ
タノール=1:9(質量比)の溶剤の26gに溶解した
35質量%溶液をゆっくり添加し10分間撹拌した。得
られた疎水化処理された複合粒子を120℃で1時間乾
燥し、再度小型ヘンシェルミキサで2分間撹拌して充分
に解砕した。疎水化処理された複合粒子のメタノール疎
水化度は60%であった。
【0041】この疎水化処理された複合粒子の200g
とETFE(アフロンCOP88AX、旭硝子社製)の
4kgをVミキサにて乾式混合した後、2軸押出機にて
320℃でペレット化した。得られたペレットを、Tダ
イ方式により、320℃で100μmのフィルムに成形
した。このフィルムの全光線透過率は86.3%、熱線
遮断率は54.0%であった。耐候性試験後の全光線透
過率は86.2%、熱線遮断率は53.0%であった。
熱線遮断性を測定した結果、容器内温度は午後2時で3
1℃であった。一方、複合粒子を含まないETFEフィ
ルムの場合は36℃であり、例1のフィルムの熱線遮断
性は−5℃であった。
【0042】[例2〜4]例1と同様にして、Si
2:ATO=150:100 、300:100、及び
400:100の比率となるように不定形シリカで表面
処理されたATO複合粒子を作成し、エチルトリエトキ
シシランにより疎水化処理を行った。得られた疎水化処
理された複合粒子の物性を表1に示す。なお、表1で不
定形シリカをSiO2と表す。ETFEの100質量部
に対して、この疎水化処理された複合粒子を表1に記載
の質量部を用いる以外は例1と同様にして、厚さ100
μmの複合粒子を含むETFEフィルムを作成した。こ
のETFEフィルムの試験結果を表1に示す。
【0043】[例5(比較例)]例1と同様にして、S
iO2:ATO=100:100の比率で不定形シリカ
を表面処理したATO複合粒子を作成後、エチルトリエ
トキシシランにより疎水化処理を行った。得られた疎水
化処理された複合粒子の物性を表1に示す。この疎水化
処理されたATO複合粒子を、ETFEの100質量部
に対して4質量部添加する以外は例1と同様にして、厚
さ100μmのETFEフィルムを作成した。このフィ
ルムの試験結果を表1に示す。耐候性試験後には、フィ
ルムが白化し、光合成に関与する全光線透過率が著しく
減少した。
【0044】[例6(比較例)]厚さ100μmの、複
合粒子を含まないETFEフィルムを、例1と同様にし
て試験した結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明のフッ素樹脂フィルムは、透明
性、熱線遮断性、耐候性に優れる。このフッ素樹脂フィ
ルムを用いた農業ハウスは、夏季の温度の上昇が抑えら
れ、かつ例えば10年以上の長期にわたりその特性が維
持される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27/18 C08L 27/18 Fターム(参考) 2B024 DB01 2B029 EC06 EC09 EC18 EC19 4F071 AA26 AA27 AB18 AD02 AE22 AF44 AH01 BA01 BB06 BC01 4J002 BB041 BD121 BD131 BD141 BD151 BD161 DE096 DE106 FA086 FB076 FB096 FB116 FB266 FD206 GA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合粒子を含むフッ素樹脂フィルムであっ
    て、該複合粒子が不定形シリカで表面処理された熱線遮
    断性の金属酸化物を含有し、該複合粒子中の不定形シリ
    カのSiO2換算量と熱線遮断性の金属酸化物量との質
    量比率が120〜500:100であり、該複合粒子の
    粒子径の95%分布範囲が0.1〜30μmであること
    を特徴とするフッ素樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】前記複合粒子の表面が、有機ケイ素化合物
    により疎水化処理されている請求項1に記載のフッ素樹
    脂フィルム。
  3. 【請求項3】フッ素樹脂フィルムが、エチレン/テトラ
    フルオロエチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン
    /ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、テトラフルオ
    ロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
    系共重合体及びテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオ
    ロプロピレン/フッ化ビニリデン系共重合体からなる群
    から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1又は2に
    記載のフッ素樹脂フィルム。
JP2000256059A 2000-08-25 2000-08-25 フッ素樹脂フィルム Withdrawn JP2002069258A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000256059A JP2002069258A (ja) 2000-08-25 2000-08-25 フッ素樹脂フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000256059A JP2002069258A (ja) 2000-08-25 2000-08-25 フッ素樹脂フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002069258A true JP2002069258A (ja) 2002-03-08

Family

ID=18744726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000256059A Withdrawn JP2002069258A (ja) 2000-08-25 2000-08-25 フッ素樹脂フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002069258A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008017743A (ja) * 2006-07-11 2008-01-31 Nisseki Plasto Co Ltd 作物育成用被覆資材
WO2010047338A1 (ja) * 2008-10-21 2010-04-29 旭硝子株式会社 農業用光散乱フッ素樹脂フィルム及びその製造方法
WO2011068129A1 (ja) * 2009-12-03 2011-06-09 旭硝子株式会社 含フッ素共重合体ナノコンポジットの製造方法
WO2013125548A1 (ja) 2012-02-23 2013-08-29 東レフィルム加工株式会社 フッ素樹脂フィルム
WO2014156824A1 (ja) 2013-03-25 2014-10-02 東レフィルム加工株式会社 熱線遮断性フッ素樹脂フィルム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5755966A (en) * 1980-09-22 1982-04-03 Sekisui Chem Co Ltd Light-transmitting heat-insulating material
JPH08501332A (ja) * 1992-09-09 1996-02-13 ハイプラスト エヌ.フアー. 放射線を遮蔽する複合材料
JPH08259731A (ja) * 1995-03-20 1996-10-08 Nippon Carbide Ind Co Inc 樹脂組成物及びそれからなる樹脂成形物
JPH09322659A (ja) * 1996-06-03 1997-12-16 Mitsubishi Chem Mkv Co 屋外展張用フィルム
JPH11237506A (ja) * 1998-02-20 1999-08-31 Nippon Shokubai Co Ltd 光選択透過膜
JPH11279358A (ja) * 1998-03-30 1999-10-12 Asahi Glass Co Ltd フッ素樹脂フィルム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5755966A (en) * 1980-09-22 1982-04-03 Sekisui Chem Co Ltd Light-transmitting heat-insulating material
JPH08501332A (ja) * 1992-09-09 1996-02-13 ハイプラスト エヌ.フアー. 放射線を遮蔽する複合材料
JPH08259731A (ja) * 1995-03-20 1996-10-08 Nippon Carbide Ind Co Inc 樹脂組成物及びそれからなる樹脂成形物
JPH09322659A (ja) * 1996-06-03 1997-12-16 Mitsubishi Chem Mkv Co 屋外展張用フィルム
JPH11237506A (ja) * 1998-02-20 1999-08-31 Nippon Shokubai Co Ltd 光選択透過膜
JPH11279358A (ja) * 1998-03-30 1999-10-12 Asahi Glass Co Ltd フッ素樹脂フィルム

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008017743A (ja) * 2006-07-11 2008-01-31 Nisseki Plasto Co Ltd 作物育成用被覆資材
WO2010047338A1 (ja) * 2008-10-21 2010-04-29 旭硝子株式会社 農業用光散乱フッ素樹脂フィルム及びその製造方法
JPWO2010047338A1 (ja) * 2008-10-21 2012-03-22 旭硝子株式会社 農業用光散乱フッ素樹脂フィルム及びその製造方法
JP5263298B2 (ja) * 2008-10-21 2013-08-14 旭硝子株式会社 農業用光散乱フッ素樹脂フィルム及びその製造方法
US8980400B2 (en) 2008-10-21 2015-03-17 Asahi Glass Company, Limited Light-scattering fluororesin film for agricultural applications, and method for producing same
WO2011068129A1 (ja) * 2009-12-03 2011-06-09 旭硝子株式会社 含フッ素共重合体ナノコンポジットの製造方法
WO2013125548A1 (ja) 2012-02-23 2013-08-29 東レフィルム加工株式会社 フッ素樹脂フィルム
JPWO2013125548A1 (ja) * 2012-02-23 2015-07-30 東レフィルム加工株式会社 フッ素樹脂フィルム
WO2014156824A1 (ja) 2013-03-25 2014-10-02 東レフィルム加工株式会社 熱線遮断性フッ素樹脂フィルム
EP2980131A4 (en) * 2013-03-25 2016-11-16 Toray Advanced Film Co Ltd FLUORINATED RESIN FILM BLOCKING THERMAL RADIATION
US10563454B2 (en) 2013-03-25 2020-02-18 Toray Advanced Film Co., Ltd. Heat-ray-blocking fluororesin film

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4872549B2 (ja) 熱線遮蔽膜形成基材の製法
JP3996632B2 (ja) フッ素樹脂フィルム
CN103635543B (zh) 无机亲水性涂布液和,由此所得到的亲水性涂膜以及使用其的部件
JP2010513006A (ja) ポリマー基材用の保護皮膜を製造するためのゾルゲル法
JPWO2008129901A1 (ja) 疎水化酸化ケイ素被覆金属酸化物粒子の製造方法
JP5365195B2 (ja) フッ素樹脂フィルムおよびその製造方法
JP5555082B2 (ja) 透明被膜形成用塗布液および透明被膜付基材
JP3746824B2 (ja) 可視域外光線吸収体
EP1319683B1 (en) Heat radiation blocking fluororesin film
JPH10292056A (ja) フッ素樹脂フィルム
JP5541285B2 (ja) フッ素樹脂フィルムおよびその製造方法
JP2008163139A (ja) フィルムまたはシート及びその製造方法、並びに外装材、ガラス、及び外装施工方法
JP2002069258A (ja) フッ素樹脂フィルム
JP2003176393A (ja) フッ素樹脂フィルム及びそれを用いてなる農業用被覆資材
JP2011225660A (ja) 酸化亜鉛分散液とその製造方法およびプライマー層形成用塗布液と高耐久性uvカットプラスチック基材
JP4820152B2 (ja) 複合被膜構造及び塗装外装材
JPH11279358A (ja) フッ素樹脂フィルム
KR100710463B1 (ko) 고투명 단열 점착제 및 그 점착제 코팅 필름
JPWO2010131690A1 (ja) コーティング組成物、被膜形成方法、及びその被膜を有する物品
JP2000094584A (ja) ウインドーフイルム
JP4048911B2 (ja) 赤外線遮断性フッ素樹脂フィルム
JP3785731B2 (ja) フッ素樹脂フィルム
JPH10195269A (ja) フッ素樹脂フィルム
KR100347666B1 (ko) 투명한 대전방지 내마모성 피복 조성물 및 그의 제조방법
JP2991952B2 (ja) 酸化第二セリウム及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070416

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090303