JPWO2010131690A1 - コーティング組成物、被膜形成方法、及びその被膜を有する物品 - Google Patents

コーティング組成物、被膜形成方法、及びその被膜を有する物品 Download PDF

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Abstract

スズ酸(A)、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及び水溶性アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、水(C)、並びに、光触媒粒子、紫外線遮蔽剤及び赤外線遮蔽剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(D)を含有する組成物であって、光触媒被膜若しくは紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜等の各種の被膜を形成する場合、光触媒活性、若しくは、紫外線及び/又は赤外線遮蔽性など所望の諸特性を有する被膜を低温での熱処理かつ簡便な方法により形成でき、かつ貯蔵安定性に優れたコーティング組成物が開示される。

Description

本発明は、例えば、光触媒被膜や紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜を形成する為に有用なコーティング組成物、そのコーティング組成物を用いて被膜を形成する方法、並びに、被膜を有する物品に関する。
まず、光触媒被膜に関する背景技術と課題について説明する。
光触媒とは、バンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光が照射されると光触媒機能を発現する物質である。通常、光触媒は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウムなどの金属化合物半導体粒子のことをいう。
これらの物質にバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光が照射されると、光励起により伝導帯に電子が生じ、価電子帯に正孔が生じる。これら電子−正孔対のうち、電子の有する高い還元力、正孔の有する高い酸化力が、脱臭、殺菌、防汚、水の浄化、大気処理等の光触媒機能を発揮させる。
これら光触媒機能を利用するために、陶磁器、金属、プラスチック等の各種基材表面に光触媒被膜を形成することが行われている。光触媒被膜が形成された基材は、光触媒機能により防汚性、脱臭性、抗菌性、大気浄化性等を発揮する。
光触媒被膜を形成するには、光触媒を基材表面に固定化させる必要がある。ただし、有機樹脂を固定化の結着剤として用いた場合、光触媒の光触媒活性により有機樹脂が分解又は劣化する。そこで、光触媒を基材表面に有効に固定化させるために種々の検討が行われている。
例えば、特開平11−267517号公報には、予め焼成処理を施した結晶化度90%以上の高結晶性の光触媒微粒子を金属酸化物からなるマトリックスに分散させたことを特徴とする光触媒被膜に関する発明が開示されている。この発明においては、金属酸化物用ゾルゲル溶液に、予め焼成処理を施した結晶化度90%以上の高結晶性の光触媒微粒子と分散剤を混合し、光触媒微粒子を溶液中に均一に分散し、この溶液を基材表面に塗布し、乾燥・焼成し光触媒を基材表面に固定化させている。この発明によれば、光触媒活性に優れかつ高耐久性の光触媒機能を有する光触媒被膜が得られる。しかし、光触媒を基材表面に固定化させる際に、高温での焼成工程が必要である。
また例えば、特開平11−347418号公報には、光触媒微粒子と、数平均分子量が1,500以下のテトラアルコキシシラン加水分解縮合物を主成分とする無機系結合材とを含むことを特徴とする光触媒コーティング液に関する発明が開示されている。この発明によれば、基体樹脂フィルムの軟化点以下の温度で充分に硬化し、基体樹脂フィルムに対する密着性、曲げ追随性が良好であり、液性が酸性を示さず、コーティング装置を腐食することがない光触媒コーティング液を得ることができる。しかし、この光触媒コーティング液を用いた場合、被膜を形成する条件によっては、被膜を構成するテトラアルコキシシラン加水分解縮合物を主成分とする無機系結合材中にアルコキシ基が残存する可能性がある。この場合の被膜は実質的に無機成分のみからなる被膜とはならず、残存有機基が光触媒活性により分解又は劣化し、被膜を脆弱にする恐れがある。
次に、紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜に関する背景技術と課題について説明する。
太陽光には、可視光以外に紫外線及び赤外線が含まれている。紫外線は、人体に皮膚の老化、日焼け、皮膚癌等の影響を及ぼす。また、紫外線によって、衣服、カーテン等の変色、有機樹脂のフィルム、パネル、成形品、有機樹脂複合材料等の黄変及び強度劣化、食品の変質等が起こる。したがって、紫外線を遮蔽することは日常生活を送る上で重要である。
一方、赤外線は、紫外線と比較すると光エネルギーは小さいが熱的作用が大きく、物質に吸収されると熱として放出され温度上昇を伴う。したがって、ビルの窓、家庭用の窓、自動車の窓等に赤外線遮蔽機能を持たせると、太陽光による室内の温度上昇を低減でき、夏場の大幅な冷房用電力の低減効果が期待できる。したがって、赤外線を遮蔽することは省エネルギーの点から大きな意味がある。
従来より、紫外線及び/又は赤外線を遮蔽するフィルムをガラスに貼り付け、可視光を十分に透過しながら紫外線及び/又は赤外線の入射を防ぐ方法が知られている。例えば、透明なフィルム表面に紫外線及び/又は赤外線を遮蔽する機能を持つ物質の薄膜を真空蒸着又はスパッタリングで形成する方法がある。しかし、この方法は高価な装置が必要で工程も複雑であり、また、金属薄膜を形成する場合は基板フィルムの透明性を犠牲にしてしまう。
そこで、紫外線及び/又は赤外線を遮蔽する材料を基材に塗布する方法が行われている。例えば、特開2001−262061号公報には、バインダー成分、希釈溶媒、硬化触媒及び近赤外光遮蔽成分を含有する日射遮蔽膜形成用コーティング組成物であって、バインダー成分の少なくとも1種がグリシドキシプロピル基含有アルコキシシランとアミノプロピル基含有アルコキシシランとを反応させてなる特定の物質であり、かつ近赤外光遮蔽成分が六ホウ化物の中から選ばれた少なくとも1種からなる平均粒径200nm以下の微粒子であることを特徴とする常温で硬化可能な日射遮蔽膜形成用コーティング組成物に関する発明が開示されている。この発明は、透明基材に適応でき、常温での被膜形成が可能で、かつ優れた膜強度が得られる日射遮蔽膜形成用コーティング組成物を提供しうる。しかし、このコーティング組成物は、常温での被膜形成を可能にすべく硬化触媒を用いているので貯蔵安定性が十分ではなく、低温で保管する必要がある。また、このコーティング組成物は作製に時間がかかり、さらに均一な被膜を形成するのが困難な場合がある。
また例えば、特開2006−334530号公報には、紫外線遮蔽剤及び/又は赤外線遮蔽剤とバインダ成分と多価アルコール系溶媒とを少なくとも配合し、多価アルコールの配合量が50〜95重量%である塗液を、特定の塗装条件で基材に塗布し乾燥して、基材の表面に紫外線遮蔽剤及び/又は赤外線遮蔽剤を含有した塗膜を形成する塗装方法に関する発明が開示されている。この発明によれば、耐久性及び耐摩耗性に優れ、しかも塗布むらや色むらが生じ難く、また斑点、白化、欠損、クラックが生じ難い、紫外線遮蔽剤及び/又は赤外線遮蔽剤を含有した塗膜を形成できる。しかし、具体的に使用されているバインダ成分であるシリコーン樹脂を用いたコーティング組成物は、貯蔵安定性が十分ではなく、低温で保管する必要がある。
本発明は、上記の光触媒被膜、若しくは、紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜を形成する際の課題を解決すべくなされたものである。
すなわち本発明の目的は、例えば光触媒被膜、若しくは、紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜等の各種の被膜を形成する場合、光触媒活性、若しくは、紫外線及び/又は赤外線遮蔽性など所望の諸特性を有する被膜を低温での熱処理かつ簡便な方法により形成でき、かつ貯蔵安定性に優れたコーティング組成物;このコーティング組成物を用いた被膜形成方法、及びこの被膜を有する物品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の組成物が非常に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、スズ酸(A)、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及び水溶性アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、水(C)、並びに、光触媒粒子、紫外線遮蔽剤及び赤外線遮蔽剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(D)を含有するコーティング組成物である。
さらに本発明は、上記コーティング組成物を、基材上に霧化塗装して被膜を形成する被膜形成方法である。
さらに本発明は、上記方法により形成された被膜を有する物品である。
本発明のコーティング組成物が成分(D)として光触媒粒子を含有する場合は、光触媒コーティング組成物となり、このコーティング組成物を用いることによって、光触媒活性に優れた無機被膜を低温での熱処理かつ簡便な方法により形成できる。また、本発明のコーティング組成物が成分(D)として紫外線遮蔽剤及び/又は赤外線遮蔽剤を含有する場合は、紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物となり、このコーティング組成物を用いることによって、紫外線及び/又は赤外線遮蔽性に優れた被膜を低温での熱処理かつ簡便な方法により形成できる。またこのコーティング組成物は、貯蔵安定性にも優れている。
<コーティング組成物>
本発明のコーティング組成物は、スズ酸(A)、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及び水溶性アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、水(C)、並びに、光触媒粒子、紫外線遮蔽剤及び赤外線遮蔽剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(D)を含有する。
スズ酸(A)は、形成される被膜においてSnOとなり、成分(D)を基材表面に固定化させるバインダー成分の役割を果たす。スズ酸(A)の含有量は、特に限定されるものではないが、コーティング組成物100質量%中、SnOに換算して、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。これら範囲の下限値は、塗装効率の点で意義がある。また上限値は、貯蔵性の点で意義がある。
化合物(B)は、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及び水溶性アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。この化合物(B)は、コーティング組成物のpHを高くしてスズ酸(A)を溶解させる役割を果たす。特に化合物(B)としては、有機成分を含有せず、化合物(B)に由来する有機成分が残存していない点、さらにはそれに因り無機被膜を容易に形成できる点から、アンモニアが好ましい。
化合物(B)のうち、水溶性アミンとは、20℃の水に対する溶解度が0.01質量%以上、好ましくは5.0質量%以上のアミンをいう。この溶解度の範囲は、スズ酸(A)を溶解させる為の水の量を低減し、塗装効率を向上する点で意義が有る。また水溶性アミンは、水溶性アミンが有機成分として残存していない無機被膜をより低温の熱処理で形成する点から、大気圧下における沸点が150℃以下であることが好ましい。水溶性アミンとしては、例えば、アルキルアミン、アルカノールアミン、ポリアミン、ヒドロキシルアミン、環式アミンを使用できる。水溶性アミンの好適な具体例としては、エチレンジアミン(沸点117.0℃、溶解度:自由混合)、トリエチルアミン(沸点89.4℃、溶解度10.1質量%)が挙げられる。なお、自由混合とは、水と所望の割合で混合しうることを意味する。
化合物(B)の含有量は、コーティング組成物中にスズ酸(A)を溶解させることができる量であれば特に限定されないが、コーティング組成物100質量%中、0.001〜1質量%が好ましい。
水(C)の含有量は、特に限定されないが、コーティング組成物100質量%中、50〜95質量%が好ましい。
成分(D)は、光触媒粒子、紫外線遮蔽剤及び赤外線遮蔽剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分である。この成分(D)は、コーティング組成物に所望の特性を付与する役割を果たす。例えば、成分(D)として光触媒粒子を含有する場合は光触媒コーティング組成物となり、これを用いて光触媒被膜を良好に形成できる。また、成分(D)として紫外線遮蔽剤及び/又は赤外線遮蔽剤を含有する場合は紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物となり、これを用いて紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜を良好に形成できる。
成分(D)として用いる光触媒粒子は、それが実用上十分な光触媒活性を発揮し得る限り、その種類、組成等は限定されない。ただし、二酸化チタン等のチタン酸化物系化合物が特に好ましい。チタン酸化物系化合物の具体例としては、アナターゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸化チタン、ブルッカイト型二酸化チタンが挙げられる。中でも、アナターゼ型二酸化チタンが好ましい。また、波長400nm以上の可視光に対しても応答する性質を有するいわゆる可視光応答性二酸化チタンが好ましい。これらは酸素欠陥型でも窒素ドープ型でもよい。更に他の光触媒粒子としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化すず、酸化ジルコニウムが挙げられる。
成分(D)として用いる光触媒粒子の粒径は特に限定されない。ただし、光触媒被膜の光触媒活性及び透明性の点から、平均1次粒子径は1〜100nmが好ましく、3〜50nmがより好ましい。この平均1次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真によって50個の光触媒粒子の長径を計測し、それらを平均することで求めた値である。
成分(D)として用いる光触媒粒子は、公知の方法により製造できる。二酸化チタンの製造方法としては、例えば、塩化チタン、オキシ塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニル等の無機チタン化合物を水中に溶解し、必要に応じて塩酸や硝酸などの触媒を添加し、加熱によりチタン化合物を加水分解して二酸化チタンを得る方法が挙げられる。さらに他の方法としては、例えば、塩化チタン等の化合物の蒸気を燃焼酸化して二酸化チタンを得る方法、或いは、チタニウムアルコキシド、チタニウムアセチルアセトネート等の有機チタン化合物を加水分解して二酸化チタンを得る方法が挙げられる。可視光応答性二酸化チタンの製造方法としては、例えば、水和酸化チタン又は結晶性二酸化チタンを、300〜600℃の温度でアンモニアと接触させて可視光応答性二酸化チタンを得る方法が挙げられる。
成分(D)として用いる紫外線遮蔽剤は、紫外線を反射及び/又は吸収する材料であればよい。公知の有機系紫外線遮蔽剤及び無機系紫外線遮蔽剤のどちらも使用できる。有機系紫外線遮蔽剤の具体例としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤が挙げられる。無機系紫外線遮蔽剤の具体例としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化セリウム(CeO)等の粒子が挙げられる。無機系紫外線遮蔽剤としては、表面修飾などによって触媒活性能を抑制したものも使用用できる。
成分(D)として用いる赤外線遮蔽剤は、赤外線を反射及び/又は吸収する材料であればよい。赤外線遮蔽剤の具体例としては、ペリレン系ブラック顔料、アニリン系顔料、ポリアニリン系顔料、シアニン系顔料、フタロシアニン系顔料等の顔料;酸化錫(SnO)、Sbをドープした酸化錫[ATO(SnO:Sb)]、酸化インジウム(In)、Snをドープした酸化インジウム[ITO(In:Sn)]、酸化亜鉛(ZnO)、Alをドープした酸化亜鉛[AZO(ZnO:Al)]、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛(ZnO・Sb)、及びこれらの混合物等の導電性を有する酸化物微粒子;LaB、CeB、PrB、NdB、SmB、GdB、TbB、DyB、SrB、CaB等のホウ化物粒子並びにこれらのホウ素原子を窒素原子(N)に置換した窒化物粒子、及びこれらの混合物;が挙げられる。
成分(D)の含有量は特に限定されない。ただし、この成分(D)の含有量は、コーティング組成物中のスズ酸(A)から形成されるSnO及び成分(D)の合計体積に対して、好ましくは35〜95体積%、より好ましくは55〜85体積%である。これら範囲の下限値は、被膜の所望の特性(光触媒活性又は遮蔽性能)の点で意義がある。また上限値は、被膜の硬度及び耐久性の点で意義がある。この「体積%」は、成分(D)の体積を、スズ酸(A)から形成されるSnOの体積と成分(D)の体積の合計量で除した値を百分率で表したものである。成分(D)の体積は、成分(D)の重量をその密度で除して求められる。スズ酸(A)から形成されるSnOの体積は、スズ酸(A)から形成されるSnOの重量をその密度(6.95g/cm)で除して求められる。
本発明のコーティング組成物は、界面活性剤(E)をさらに含有してもよい。被膜を形成する際の揮発、蒸発、沸騰、分解等によっては除去されない有機成分として、界面活性剤(E)を少量含有する場合、様々な基材への塗布が容易となり、平滑性に優れた被膜を得ることができる。界面活性剤(E)としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤;第4級アンモニウム塩、アルキルアミン酢酸塩等のカチオン系界面活性剤;アルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤;を使用できる。なかでも貯蔵安定性の点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン系界面活性剤;アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤が好ましく、アンモニウム塩型のアニオン系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤(E)の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を併用して使用できる。
界面活性剤(E)の含有量は特に限定されない。ただし、その含有量は、コーティング組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.05〜0.50質量部である。これら範囲の下限値は、均一な被膜を形成する点で意義がある。また上限値は、被膜の耐候性の点で意義がある。また、
本発明のコーティング組成物は、有機成分としてシランカップリング剤(F)をさらに含有してもよい。有機成分としてシランカップリング剤(F)を少量含有する場合、様々な基材との付着性や被膜強度等の物性が向上した被膜を得ることができる。シランカップリング剤(F)の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;が挙げられる。
シランカップリング剤(F)の含有量は特に限定されない。ただし、その含有量は、コーティング組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.1〜1.0質量部である。
コーティング組成物のpHは、特に限定されない。ただし、好ましくはpH9.5〜12.0であり、より好ましくはpH10.0〜11.0である。これら範囲は、スズ酸(A)の溶解を容易にし、析出等が殆どない安定なコーティング組成物が得られる点及び成分(D)の凝集を抑制して貯蔵性に優れるコーティング組成物が得られる点で意義がある。
成分(D)として光触媒粒子を含有する光触媒コーティング組成物は、被膜を形成する際に揮発、蒸発、沸騰、分解等により除去されない有機成分[但し、先に説明した界面活性剤(E)及びシランカップリング剤(F)は除く]を実質的に含まないことが好ましい。有機成分の具体例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース等の有機樹脂が挙げられる。
光触媒コーティング組成物が、光触媒被膜を形成する際に揮発、蒸発、沸騰、分解等により除去されない有機成分を実質的に含まないことで、光触媒被膜は実質的に有機成分を含まない無機膜となる。ここで、「実質的に含まない」とは、スズ酸(A)をSnOに換算した質量及び含有される光触媒粒子(D)の質量の合計量に対して、有機成分の存在量が、5質量%以下、好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下であることを意味する。また、光触媒被膜の場合は、その光触媒被膜中のその成分の存在量が、5質量%以下、好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下であることを意味する。
光触媒コーティング組成物は、光触媒被膜を形成する際に揮発、蒸発、沸騰、分解等により除去される有機成分であれば、それら有機成分を含有してもよい。例えば、大気圧下における沸点が120℃以下の有機溶剤が挙げられる。また、先に述べたとおり、有機成分である界面活性剤(E)やシランカップリング剤(F)を少量含有することは、特定の性能の点で好ましい。
本発明のコーティング組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、スズ酸(A)、化合物(B)及び水(C)を含有する水溶液(スズ酸アンモニウム水溶液等)をまず作製し、この水溶液に成分(D)を混合してコーティング組成物を得ることができる。
この水溶液の作製方法は特に限定されない。例えば、特開2001−210156号公報に記載のように、スズ化合物を加水分解してスズの水酸化物(スズ酸)を得、必要によりろ別し、続いてアンモニア等の化合物(B)の存在下で水に溶解させて目的物を得る方法がある。このスズ化合物は、加水分解して水酸化物を得るものであればよく、例えば、塩化第二スズ等のハロゲン化物、ハロゲン化有機スズ、スズ酸塩並びにスズを含むエステルを使用できる。また例えば、特開平1−257129号公報に記載のように、ハロゲン化物と炭酸水素アルカリ又は炭酸水素アンモニウムとを反応させゲルを作製し、必要に応じて洗浄して不純物を除去し、続いてこのゲルをアンモニア等の化合物(B)の存在下で水に溶解させて目的物を得る方法がある。この炭酸水素アルカリとしては、例えば、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムを使用できる。
この水溶液に成分(D)を混合した後には、成分(D)を分散させる為の分散工程を行うことが好ましい。分散工程には、例えば、振とう型ペイントコンディショナー、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等の分散機を使用できる。分散の際の温度及び時間は特に限定されず、成分(D)の種類や含有量等を考慮して適宜決定すればよい。
[被膜形成方法]
以上説明したコーティング組成物を基材上に塗装することにより、被膜を形成することができる。
基材(基板等)は特に限定されない。基材を構成する材料としては、例えば、ガラス、金属、プラスチック、セラミックス、コンクリート、石、木が挙げられる。ガラスの具体例としては、ソーダガラス、石英ガラス、硼珪酸ガラスが挙げられる。金属の具体例としては、アルミニウムが挙げられる。プラスチックの具体例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等]、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、FRP、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ゴム等が挙げられる。基材の形状は特に限定されず、フィルム状、板状、成型品等の様々な形状が可能である。
基材は、表面処理が施されていてもよい。プラスチック基材(プラスチック基板等)の表面処理としては、例えば、薬品処理、機械的処理、コロナ処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理が挙げられる。基材を表面処理することは、コーティング組成物の基材に対するぬれ性を向上させ、より均一な膜厚を有する光触媒被膜を得ることができる点で意義がある。なかでも、プラズマ処理、紫外線照射処理、コロナ処理、グロー放電処理が好ましい。これら処理は、より均一な膜厚を有する被膜を得る点に加え、表面処理における基材の変形、収縮等の損傷が少ない点で意義がある。
コーティング組成物を基材上に塗装する方法は特に限定されない。例えば、霧化塗装、スピンコート塗装、ブレードコート塗装、ワイヤーバーコート塗装、ディップ塗装、エアーナイフコート塗装、ローラコート塗装、カーテンコート塗装の各種の塗装方法を採用できる。なかでも、均一な膜厚の被膜が得られる点から、霧化塗装が好ましい。
霧化塗装は、コーティング組成物を霧化して塗装できる方法であればよく、特に限定されない。例えば、2流体ノズルを使用し、圧縮空気により霧化させて塗装する方法、超音波ノズルを使用し、超音波により霧化させて塗装する方法、静電気力により霧化させて塗装する方法、遠心力や圧力など物理的な力により霧化させて塗装する方法、霧化室にて一時的に霧化粒子を多く発生させその中から必要とする粒子のみを分級して塗装する方法がある。
霧化塗装の吐出量は特に限定されない。ただし、光触媒コーティング組成物の場合の吐出量は、好ましくは20g/分以下、より好ましくは0.1〜3.0g/分である。また、紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物の場合は、好ましくは20g/分以下、より好ましくは0.1〜15g/分である。これら範囲は、基材に対する密着性に優れる光触媒被膜が形成できる点、及びより均一な膜厚を有する光触媒被膜が形成できる点で意義がある。
霧化塗装の吐出量を上記範囲内にする為には、公知の方法を行なえばよい。少ない吐出量(例えば0.1〜3.0g/分程度)を実現する方法としては、例えば、コーティング組成物が充填されている圧送タンクからノズルまでの供給経路に電磁弁を設置する方法、2流体ノズルのノズル口径を50〜500μm程度に小さくする方法、吐出圧力を精密に制御できる装置を設置する方法、霧化室にて一時的に霧化粒子を多く発生させておいて、その中から必要とする量の粒子のみを吐出する方法が挙げられる。
霧化塗装の霧化粒子の50%体積平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは20μm以下、より好ましくは1.0〜13μmである。これら範囲は、より均一な膜厚を有する被膜が形成する点で意義がある。この50%体積平均粒子径は、2600型パーティクルサイザー(商品名、マルバーン社製)を用いて測定して得た値である。この測定は、実際に塗装する際に基材を置く位置を飛行する霧化粒子を吐出方向に対して直角方向から計測することにより行った。
霧化粒子の50%体積平均粒子径を上記範囲内にする為には、公知の方法を行なえばよい。例えば、ノズル口径、吐出量、霧化圧力、エアー流量等の条件を適宜調節する方法がある。50%体積平均粒子径を小さくする為には、例えば、2流体ノズルの吐出量を少なくする方法と霧化圧力を高くする方法がある。光触媒コーティング組成物の場合は、吐出量を0.1〜1g/分、霧化圧力を200〜400kPaとし、紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物の場合は、吐出量を0.1〜15g/分、霧化圧力を150〜400kPaとすると、50%体積平均粒子径を適度に小さくすることができる。また、超音波ノズルを用いる場合は、吐出量を少なくする方法と超音波の周波数を高くする方法がある。特に光触媒コーティング組成物の場合は、吐出量を0.1〜10g/分、超音波の周波数を50〜500kHzとし、紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物の場合は、吐出量を0.1〜15g/分、超音波の周波数を50〜500kHzとすると、50%体積平均粒子径を適度に小さくすることができる。
霧化塗装における基材とノズルの距離は特に限定されない。ただし、基材とノズル先端の距離は、光触媒コーティング組成物の場合は好ましくは10〜300mm、より好ましくは50〜150mmであり、紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物の場合は好ましくは10〜300mm、より好ましくは50〜200mmである。その距離を上記範囲内とすることにより、霧化粒子を適度な乾燥状態で基材に塗着でき、より均一な膜厚を有する被膜を形成できる。
本発明の被膜形成方法において、光触媒コーティング組成物を用いる場合は、大気圧下における沸点が60℃〜120℃でありかつ20℃の水に40質量%以上溶解する溶剤(G)をさらに含有することが好ましい。この溶剤(G)をコーティング組成物が含有することにより、均一な膜厚を有する光触媒被膜が得られる。かかる効果は、塗装方法として霧化塗装を採用した場合に特に顕著である。
溶剤(G)の具体例としては、エタノール(沸点78.3℃、溶解度:自由混合)、イソプロパノール(IPA)(沸点82.3℃、溶解度:自由混合)、アリルアルコール(沸点96.90〜96.98℃、溶解度:自由混合)、t−ブタノール(沸点82.5℃、溶解度:自由混合)、プロパルギルアルコール(沸点115.0℃、溶解度:自由混合)、1−プロパノール(沸点97.2℃、溶解度:自由混合)、メタノール(沸点64.7℃、溶解度:自由混合)、3−メチル−1−ブチン−3−オール(沸点104.0℃、溶解度:自由混合)等のアルコール;テトラヒドロフラン(沸点65.0℃、溶解度:自由混合);が挙げられる。なかでも、より均一な膜厚を有する光触媒被膜が形成できる点から、アルコールが好ましく、エタノール、イソプロパノールがより好ましい。なお、自由混合とは、先に述べたとおり水と所望の割合で混合しうることを意味する。
溶剤(G)の含有量は特に限定されない。ただし、コーティング組成物に含有される水(C)100質量部に対して、好ましくは40〜240質量部、より好ましくは60〜160質量部である。
本発明の被膜形成方法において、霧化塗装を採用し、かつコーティング組成物に溶剤(G)を含有させることが、均一な膜厚を有する光触媒被膜の形成を可能にする点で特に好ましい。これが他の塗装条件よりも優れる理由を、本発明者らは以下のように推測している。
大気圧下における沸点が60℃〜120℃でありかつ20℃の水に40質量%以上溶解する溶剤(G)は、水と良く混ざりかつその表面張力が水より低い。したがって、溶剤(G)を配合しない場合と比較して、コーティング組成物の表面張力を低下させ霧化塗装における霧化粒子が微細になると考えられる。そして、微細な霧化粒子は液膜よりも表面積が大きいので液膜よりも乾燥が早いと考えられる。また、溶剤(G)は、乾燥に適当な沸点を有するので、溶剤(G)を配合しない場合と比較して、コーティング組成物が基材に塗着した際の乾燥が早いと考えられる。これら作用により、霧化塗装されたコーティング組成物は、微細な霧化粒子として基材に塗着し、塗着後は早く乾燥することにより塗着した霧化粒子の流動性が少なくなる又は流動性がなくなる。一方、ディップ塗装やスピンコート塗装は、霧化塗装と異なり、コーティング組成物を霧化することがないので、基材に塗着した液膜の乾燥が遅く基材上において液膜が不均一に流動し易い。したがって、霧化塗装を採用しかつコーティング組成物に溶剤(G)を含有させる被膜形成方法は、均一な膜厚を有する被膜の形成を可能にする点において、ディップ塗装やスピンコート塗装等の他の塗装方法よりも優れている。
本発明の被膜形成方法においては、コーティング組成物を塗装により基材上に塗装した後、常温下(20℃程度)に放置して被膜を形成できるので、加熱工程は必須ではない。ただし、加熱工程を実施してもよい。加熱工程は、例えば、コーティング組成物を基材上に塗装している間中基材を加熱させておくこと、つまり加熱されている基材上にコーティング組成物を塗装することにより行うことができる。また例えば、コーティング組成物を基材上に塗装し、塗装が終了した後に基材を加熱することにより行うこともできる。加熱する方法は特に限定されない。例えば、基材をホットプレート上に載置して加熱する方法がある。
加熱工程における加熱温度は特に限定されない。本発明の被膜形成方法によれば低温での熱処理で被膜を形成できるので、加熱工程を行う際の温度は、好ましくは30℃〜150℃、より好ましくは40℃〜120℃である。これら範囲であれば、例えばプラスチック基材を使用した場合でも、基材に変形が生じることなく被膜を形成できる。
被膜の膜厚は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは1〜3μmである。被膜の膜厚をこれら範囲とすることにより、所望の特性(遮蔽性能等)を損なうことなく、透明性及び密着性に優れた被膜を形成できる。
被膜中の成分(D)の好適な含有量は、先に説明したコーティング組成物中の成分(D)の好適な含有量と同じである。
<被膜を有する物品>
上述した方法により形成された被膜を有する物品は、その被膜によって所望の機能が付与される。すなわち、基材上に光触媒被膜を形成してなる物品には、その光触媒被膜による脱臭、殺菌、防汚、水の浄化、大気処理等の光触媒機能が付与される。また、基材上に紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜を形成してなる物品には、その紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜による遮蔽機能が付与される。したがって、そのような機能が必要とされる物品には、本発明は非常に有用である。
例えば、建築物、構造物、車輌、電化製品等の外装や内装等の物品に有用である。その具体例としては、屋根材、瓦、カラートタン、カラー鉄板、窯業系建材、サイディング材、ケイカル板、セメント壁、アルミサイディング、カーテンウォール、塗装鋼板、石材、ALC、タイル、ガラスブロック、サッシ、ビルサッシ、網戸、雨戸、門扉、出窓、天窓、窓枠、トップライト、カーポート、サンルーム、ベランダ、ベランダ手すり、屋根樋、板ガラス、着色ガラス、ガラス用フィルム、太陽熱温水器等の集熱器用カバ−、エアコン室外機、店舗看板、サイン、広告塔、ショーケース、ショーウィンドウ、冷蔵・冷凍ショーケース、シャッタ−、屋外ベンチ、自動販売機、遮音壁、防音壁、道路化粧板、ガードフェンス、桁美装板、トンネル内装板、道路反射鏡、標識板、碍子、保護板、保護膜、料金所、料金ボックス、街灯、道路、舗装路、舗道、プラント外壁、プラント内壁、石油貯蔵タンク、煙突、機械装置、農業用ガラス、ガラス温室、ビニールハウス、テント、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、自転車、オ−トバイ、自動車用ガラス、キッチン設備部材、浴室設備部材、衛生陶器、陶磁器、便器、浴槽、洗面台、照明器具、台所用品、食器、食器乾燥器、食器洗い器、加熱調理器具、電磁調理器具、流し、調理レンジ、キッチンフ−ド、換気扇、扇風機、掃除機、衣類乾燥機、暖房機、加湿機、除湿機、ヘアードライヤー、脱臭機が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」及び「%」は、特にことわらない限り、「質量部」及び「質量%」である。
<製造例1>
500mlの三口フラスコに、7.0部の塩化第二スズ5水和物(SnCl・5HO)を入れ、これを35部の水に溶解した。次に、アンモニア水を加えてpHを8とし、沈殿物を得た。この沈殿物をろ過、洗浄後、採取した。続いて、この沈殿物に質量比で9倍量の蒸留水を加え、さらにそこへ25%アンモニア水を加えてpHを10.5とし、常温で24時間放置することにより、透明な水溶液(X−1)を得た。この水溶液(X−1)中のスズ酸の含有量はSnO換算で2.0質量%であった。
<製造例2>
25%アンモニア水の代わりに、エチレンジアミンを加えてpHを10.5としたこと以外は、製造例1と同様にして透明な水溶液(X−2)を得た。この水溶液(X−2)中のスズ酸の含有量はSnO換算で2.0質量%であった。
<製造例3>
25%アンモニア水の代わりに、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を加えてpHを10.5としたこと以外は、製造例1と同様にして透明な水溶液(X−3)を得た。この水溶液(X−3)中のスズ酸の含有量はSnO換算で2.0質量%であった。
以下、光触媒被膜を形成する為の実施例a1〜a29を記載する。
<実施例a1>
密閉可能なガラス容器に、製造例1で得た水溶液(X−1)100部、成分(D)として光触媒粒子0.6部(P25、デグサ社製、二酸化チタン光触媒粒子、平均1次粒子径約30nm)、及びジルコニア製メディア(粒径0.1mm)450部を入れ、密封し、DASH2000−K Disperser(商品名、LAU社製、振とう型ペイントコンディショナー)で1時間分散して、光触媒コーティング組成物No.a1を得た。光触媒コーティング組成物No.a1中の光触媒粒子の含有量は、スズ酸(A)から形成されるSnO及び成分(D)[光触媒粒子]の合計体積に対して30体積%であった。pHは10.5であった。
<実施例a2〜a7>
光触媒粒子の配合量を表1記載のように変更したこと以外は、実施例a1と同様にして光触媒コーティング組成物No.a2〜No.a7を得た。各光触媒コーティング組成物No.a2〜No.a7中の光触媒粒子の含有量及びpHを表1に示す。
<実施例a8>
水溶液(X−1)の代わりに水溶液(X−2)を使用し、光触媒粒子の配合量を3.5部に変更したこと以外は、実施例a1と同様にして光触媒コーティング組成物No.a8を得た。光触媒コーティング組成物No.a8中の光触媒粒子の含有量及びpHを表1に示す。
<実施例a9>
水溶液(X−1)の代わりに水溶液(X−3)を使用し、光触媒粒子の配合量を3.5部に変更したこと以外は、実施例a1と同様にして光触媒コーティング組成物No.a9を得た。光触媒コーティング組成物No.a9中の光触媒粒子の含有量及びpHを表1に示す。
Figure 2010131690
<実施例a10>
実施例a1で得た光触媒コーティング組成物No.a1 100部に、溶剤(G)としてイソプロパノール(IPA)を加え、イソプロパノールの含有量が水に対して100質量%の塗布溶液を得た。続いて、ガラス基板(100mm×100mm×1.8mm)を50℃に加熱し、基板上に上記塗布溶液を霧化塗装し、基板上に膜厚1.5μm(注1)の光触媒被膜を形成し、試験板を得た。光触媒被膜中の光触媒粒子の含有量は、SnO及び成分(D)[光触媒粒子]の合計体積に対して30体積%であった。試験板の評価結果を表2に示す。
(注1)膜厚の測定には、触針式表面形状測定器Dektak8(商品名、アルバック社製)を用いた。測定は、測定面積を100mm×100mm、測定点数を20点とした。各点についてスキャン長3mmの条件で各点における平均膜厚を測定した。各点の平均膜厚から20点の平均膜厚を算出し本測定における膜厚とした。
霧化塗装は、ノズル口径が1mmの超音波ノズルを具備した超音波霧化塗装機US−1(商品名、レヒラ−社製、空気搬送用30°)を用い、基板とノズル先端の距離100mm、吐出量1.0g/分、空気搬送用のエア圧力10kPaとなる条件で行った。霧化粒子の50%体積平均粒子径は10μmであった。
<実施例a11〜a20>
光触媒コーティング組成物及び溶剤(G)を表2に記載のように変更したこと以外は、実施例a10と同様にして光触媒被膜を形成し、試験板を得、同様に評価した。結果を表2に示す。
<比較例a1>
製造例1で得た水溶液(X−1)100部にイソプロパノール(IPA)を加え、イソプロパノールの含有量が水に対して100質量%の塗布溶液を得た。この塗布溶液を用いたこと以外は実施例a10と同様にして膜厚0.5μmの被膜を形成し、試験板を得、同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 2010131690
<実施例a21>
実施例a2で得た光触媒コーティング組成物No.a2 100部に、界面活性剤(E)としてニューコール707F(商品名、日本乳化剤社製、アンモニウム塩型のアニオン性界面活性剤、不揮発分30%)0.33部を加え塗布溶液を得た。続いて、室温において、ガラス基板(100mm×100mm×1.8mm)上に上記塗布溶液を霧化塗装し、基板上に膜厚1.6μmの光触媒被膜を形成し、試験板を得た。光触媒被膜中の光触媒粒子の含有量は、スズ酸(A)から形成されるSnO及び成分(D)の合計体積に対して40体積%であった。試験板の評価結果を表3に示す。
霧化塗装は、汎用的なスプレーガンであるW−100(商品名、アネスト岩田社製)を用い、基板とノズル先端の距離が150mm、吐出量が10.0g/分、空気搬送用のエア圧力が200kPaとなる条件で行った。霧化粒子の50%体積平均粒子径は10μmであった。
<実施例a22〜a29>
光触媒コーティング組成物の種類及び界面活性剤(E)の配合の有無を表3に記載のように変更し、さらに実施例a24〜a29ではシランカップリング剤(F)として、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製)を表3に記載のように加えたこと以外は、実施例a21と同様にして塗布溶液を得、光触媒被膜を形成し、試験板を得、同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 2010131690
表2及び3に示す評価結果は、以下の方法に従って得たものである。
<鉛筆硬度>
JIS K−5600−5−4に規定する引っかき硬度(鉛筆法)による評価を行なった。
<光触媒活性>
JIS R−1701−2に規定するアセトアルデヒドの除去性能試験方法に従い光触媒活性の評価を行った。100mm×50mmの試験板を設置した容器にアセトアルデヒド濃度5volppmの試験用ガス(温度25℃、水蒸気濃度1.56vol%)を1L/minで流し、300〜400nmの光を照射強度10W/mで試験板に照射した。容器を通過したガス中のアセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフを用いて測定し、アセトアルデヒド除去率を求めた。
<耐久性>
JIS K−5400 9.8.1に規定するサンシャインカーボンアーク灯式による促進耐候試験を、照射時間1000時間及び2000時間でそれぞれ行った。試験後の試験板を観察して、下記基準により評価した。
・「○」:異常無し。
・「△」:わずかに剥がれが見られる。
・「×」:剥がれが見られる。
次に、紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜を形成する為の実施例b1〜b39を記載する。
<実施例b1>
密閉可能なガラス容器に、製造例1で得た水溶液(X−1)100部、成分(D)[赤外線遮蔽剤]としてZnO・Sb粒子の30%ゾル溶液1.9部(粒子は0.6部)、及びジルコニア製メディア(粒径0.1mm)450部を入れ、密封し、実施例a1と同じ振とう型ペイントコンディショナーで1時間分散して、紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物No.b1を得た。コーティング組成物No.b1中の赤外線遮蔽剤の含有量は、スズ酸(A)から形成されるSnO及び成分(D)[紫外線遮蔽剤及び/又は赤外線遮蔽剤]の合計体積に対して30体積%であった。pHは10.5であった。
<実施例b2〜b7>
ZnO・Sb粒子の配合量を表4記載のように変更したこと以外は、実施例b1と同様にして光触媒コーティング組成物No.b2〜No.b7を得た。各コーティング組成物No.b2〜No.b7中のZnO・Sb粒子の含有量及びpHを表4に示す。
<実施例b8>
水溶液(X−1)の代わりに水溶液(X−2)を使用し、ZnO・Sb粒子の配合量を3.2部に変更したこと以外は、実施例b1と同様にして紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物No.b8を得た。コーティング組成物No.b8中の成分(D)の含有量及びpHを表4に示す。
<実施例b9>
水溶液(X−1)の代わりに水溶液(X−3)を使用し、ZnO・Sb粒子の配合量を3.2部に変更したこと以外は、実施例b1と同様にして紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物No.b9を得た。コーティング組成物No.b9中の成分(D)の含有量及びpHを表4に示す。
<実施例b10〜b18>
成分(D)を表4記載のように変更したこと以外は、実施例b1と同様にして紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物No.b10〜No.b18を得た。各コーティング組成物No.b10〜No.b18中の成分(D)の含有量及びpHを表4に示す。
Figure 2010131690
<実施例b19>
実施例b1で得たコーティング組成物No.b1 100部に、界面活性剤(E)としてニューコール707F(商品名、日本乳化剤社製、アンモニウム塩型のアニオン性界面活性剤、不揮発分30%)0.33部を加え塗布溶液を得た。続いて、室温において、ガラス基板(100mm×100mm×1.8mm)上に上記塗布溶液を霧化塗装し、基板上に膜厚1.6μmの遮蔽被膜を形成し、試験板を得た。遮蔽被膜中の赤外線遮蔽剤の含有量は、スズ酸(A)から形成されるSnO及び成分(D)の合計体積に対して30体積%であった。試験板の評価結果を表5に示す。
霧化塗装は、汎用的なスプレーガンであるW−100(商品名、アネスト岩田社製)を用い、基板とノズル先端の距離が150mm、吐出量が10.0g/分、空気搬送用のエア圧力が200kPaとなる条件で行った。霧化粒子の50%体積平均粒子径は10μmであった。
<実施例b20〜b36>
コーティング組成物の種類を表5及び6記載のように変更したこと以外は、実施b19と同様にして塗布溶液を得、紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜被膜を形成し、試験板を得、同様に評価した。結果を表5及び6に示す。
<比較例b1>
製造例1で得た水溶液(X−1)100部に界面活性剤(E)としてニューコール707Fを加え、塗布溶液を得た。この塗布溶液を用いたこと以外は実施例b19と同様にして膜厚1.5μmの遮蔽被膜を形成し、試験板を得、同様に評価した。結果を表6に示す。
Figure 2010131690
Figure 2010131690
<実施例b37〜b39>
コーティング組成物No.b1の代わりにコーティング組成物No.b4を使用し、さらにシランカップリング剤(F)として、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランを表7に記載のように加えたこと以外は、実施例b19と同様にして塗布溶液を得、遮蔽被膜を形成し、試験板を得、同様に評価した。結果を表7に示す。
Figure 2010131690
表5〜7に示す評価結果は、以下の方法に従って得たものである。
<貯蔵安定性>
コーティング組成物を20℃で4週間放置し、初期のものと比較して、沈降、粘度変化及びゲル化の有無を確認して、下記基準により評価した。
・「○」:沈降及び粘度変化無し。
・「△」:わずかに沈降及び/又は粘度変化が見られる。
・「×」:沈降及び/又は粘度変化、又はゲル化が見られる。
<鉛筆硬度>
実施例a1〜a29の鉛筆硬度の評価法と同じ。
<遮蔽性能>
試験板の波長2500nmから300nmまでの領域の透過率を、分光光度計により測定し、赤外線遮蔽率、紫外線遮蔽率、可視光透過率を以下のようにして求めた。
(1)赤外線遮蔽率:
{Σ(100−Xi)/λi}/{Σ100/λi}を赤外線遮蔽率とした。
Xi:波長λiでの透過率(%)
λi:波長(2500〜800nmの範囲で、50nm毎の波長)
(2)紫外線遮蔽率:
波長360nmの遮蔽率で表わした。
(3)可視光透過率(透明性)
代表的な波長として700nm、500nmの透過率で表わした。
<耐久性>
実施例a1〜a29の耐久性の評価法と同じ。

Claims (15)

  1. スズ酸(A)、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及び水溶性アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、水(C)、並びに、光触媒粒子、紫外線遮蔽剤及び赤外線遮蔽剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(D)を含有するコーティング組成物。
  2. 成分(D)として光触媒粒子を含有する光触媒コーティング組成物である請求項1記載のコーティング組成物。
  3. 成分(D)として紫外線遮蔽剤及び/又は赤外線遮蔽剤を含有する紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物である請求項1記載のコーティング組成物。
  4. コーティング組成物のpHが、9.5〜12.0である請求項1記載のコーティング組成物。
  5. 界面活性剤(E)をさらに含有する請求項1記載のコーティング組成物。
  6. シランカップリング剤(F)をさらに含有する請求項1記載のコーティング組成物。
  7. スズ酸(A)、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及び水溶性アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、水(C)、並びに、光触媒粒子、紫外線遮蔽剤及び赤外線遮蔽剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(D)を含有するコーティング組成物を、基材上に霧化塗装して被膜を形成する被膜形成方法。
  8. 成分(D)として光触媒粒子を含有する光触媒コーティング組成物を、基材上に霧化塗装して光触媒被膜を形成する請求項7記載の被膜形成方法。
  9. コーティング組成物が、大気圧下における沸点が60℃〜120℃であり、且つ20℃の水100質量部に40質量部以上溶解する溶剤(G)をさらに含有する請求項8記載の被膜形成方法。
  10. 溶剤(G)が、エタノール及び/又はイソプロパノールである請求項9記載の被膜形成方法。
  11. 霧化塗装の吐出量が20g/分以下である請求項8記載の被膜形成方法。
  12. 成分(D)として紫外線遮蔽剤及び/又は赤外線遮蔽剤を含有する紫外線及び/又は赤外線遮蔽性コーティング組成物を、基材上に霧化塗装して紫外線及び/又は赤外線遮蔽被膜を形成する請求項7記載の被膜形成方法。
  13. 霧化塗装の吐出量が20g/分以下である請求項12記載の被膜形成方法。
  14. 霧化塗装の霧化粒子の50%体積平均粒子径が20μm以下である請求項7記載の被膜形成方法。
  15. 請求項7記載の方法により形成された被膜を有する物品。
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