JP3785731B2 - フッ素樹脂フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素樹脂に配合された紫外線遮断材料の分散性が良好であり、透明性、紫外線遮断性および耐摩耗性に優れたフッ素樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
フッ素樹脂、特にテトラフルオロエチレン系共重体のフッ素樹脂は、耐候性、透明性および耐汚染性が屋外暴露20年以上にわたり維持される材料として、農業用ハウスフィルム、屋根材料として使用されている。しかし、フッ素樹脂自体は耐候性があるものの、フッ素樹脂を軟質塩化ビニル樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリカーボネートなどのプラスチックやステンレス板、アルミニウム板、亜鉛メッキ鋼板などの金属板とラミネートして屋外建材に用いる場合、接着剤を介してラミネートすることを要する。
【0003】
したがって、接着剤の紫外線による劣化を防ぐために、最外層のフッ素樹脂フィルム層で紫外線を遮断する工夫がなされている。たとえば、フッ素樹脂フィルム中に顔料を分散させ完全に紫外線を遮断する方法である。
【0004】
しかし、この方法は、フッ素樹脂フィルムの透明性が損なわれ、たとえば表面に印刷が施された鋼板にラミネートして使う場合、その印刷が全く見えないという問題がある。
【0005】
これに対処するために、可視光線の透過率が80%以上でありかつ接着剤の光劣化を生じさせる320nm以下の紫外線を完全に遮断するフィルムが必要である。また、農業用ハウスフィルムとして用いる場合、果実、花、野菜等の、栽培する植物の色、糖度、収穫量を向上させるため、フィルムの紫外線透過率を調節したフィルムが要求されている。
【0006】
テトラフルオロエチレン系共重体に紫外線カット機能を付与する方法として、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(以下、ETFEという)に粒径が0.01〜0.05μmの酸化チタンを添加する方法が提案されている(特開平3−101933)。この方法は、酸化チタンを表面処理しないままETFEに分散、混練するため、微粒子酸化チタンが凝集する他、ETFEとの溶融混練時に発生する微量のフッ化水素ガスと反応し、黒色化する問題があった。
【0007】
また、ケイ素と結合したメチル基を有するシランカップリング剤で表面処理した酸化チタンをETFEに分散、混練して紫外線カット性のフィルムを製造する方法が提案されている(特開平7−304924)が、上記のシランカップリング剤で表面処理した場合、ETFEと分散、混練する320℃程度の温度では着色はないが、酸化チタンの分散性が良くないため、ヘイズ(曇度)の大きいフィルムしか得られない。
【0008】
また、特開平8−37942には粒径0.01μm程度の酸化セリウム微粉末を使用する記述がある。酸化セリウム微粉末の粒径が小さいほど、微粉末を分散させたフッ素樹脂フィルムの透明性は高いが、微粉末の分散が困難である。この粒子をシランカップリング剤等により被覆しても、フッ素樹脂フィルム成形時には褐色に着色し、可視光域(400〜700nm)の光線透過率が低下する。
【0009】
一般的な酸化セリウム微粉末は、その粒径が0.01μm以下のものについては、水分散液として製造でき、実際このような水分散液が市販されている。しかし、フッ素樹脂にこの超微粒子を混練させるためには、粉末固体として混練分散する必要がある。分散液から水を除いて固体粉末とする工程において、超微粒子の2次凝集、3次凝集を生じ、粒径が大きくなる問題がある。
【0010】
また、フッ素樹脂は柔らかく、たとえば農業用ハウスフィルムとして屋外に展張した際、農地の小石、砂により、表面に傷が付きやすい。また、フィルムをパイプに固定する際には、ナイロン樹脂を被覆したマイカ線をフィルムに接してパイプに固定するが、台風等によりフィルムがパイプと擦れ、フィルム表面に傷が付きやすく、その箇所からフィルムが破れる場合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、透明性、紫外線遮断性および耐摩耗性に優れたフッ素樹脂フィルムの提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、従来、良好な透明性を確保するために分散粒子の粒径が0.01μm以下であることが望ましいとされていたが、0.01μm以下に比べて100倍以上大きい、従来技術の常識からは考えられない大粒径の不定形シリカ−酸化セリウム材料複合体粒子をフッ素樹脂中に分散させたフィルムは、優れた透明性を有し、さらに紫外線遮断性および耐摩耗性にも優れることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明は、不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子中、粒径1〜30μmの粒子を95重量%以上含み、かつ複合体粒子表面を水酸基または加水分解性基がケイ素原子に直接結合している反応性の有機ケイ素化合物で処理してメタノール疎水化度40〜75%にした不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子がフッ素樹脂に分散されていることを特徴とするフッ素樹脂フィルムである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子とは、不溶性セリウム化合物を不定形シリカで被覆した粒子の焼成物である。すなわち、酸化セリウム微粉またはシランカップリング剤で処理して得られる酸化セリウム微粉末とは異なる。
【0015】
不溶性セリウム化合物は、水に不溶なセリウム化合物であり、その具体例としては、たとえば水酸化セリウム、リン酸セリウム、ポリリン酸セリウム、炭酸セリウム、シュウ酸セリウム等が挙げられ、これらのうち、水酸化セリウムが特に好ましい。
【0016】
不定形シリカは結晶性を有しない無定形のシリカであり、具体例としては、たとえばケイ酸ナトリウムを加水分解して得られる不定形シリカが挙げられる。
【0017】
不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子の製造例としては、たとえば不溶性セリウム化合物粒子を水に加え分散機や乳化機を用いて水分散液とし、ケイ酸塩溶液を上記セリウム化合物水分散液に撹拌しながら滴下し、シリカ被覆不溶性セリウム化合物を得て、その後、乾燥し、さらに200〜1000℃、好ましくは400〜600℃で焼成する方法が挙げられる。焼成時間は、特に制限ないが、通常10分〜4時間であればよい。この焼成により、不溶性セリウム化合物は酸化セリウムとなり、不定形シリカで被覆された不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子が得られる。なお、ケイ酸塩溶液としては、たとえば3号ケイ酸ナトリウム(SiO2含有率28.5重量%)が挙げられる。
【0018】
本発明に用いる不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子は、その95重量%以上が粒径1〜30μmの範囲、好ましくは粒径2〜10μmの範囲にある。また、不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子の平均粒径としては2〜8μmが好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
【0019】
不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子としては、複合体粒子製造時に、不溶性セリウム化合物の粒子を被覆した不定形シリカ同士を融着固化させているものが好ましい。不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子は、0.01μm以下の酸化セリウム超微粒子に見られる2次凝集物または3次凝集物とは異なる。
【0020】
すなわち、不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子は、不溶性セリウム化合物を不定形シリカで被覆した粒子を乾燥、焼成する工程において、被覆した不定形シリカどうしが融着固化されてはいるが、酸化セリウムは不定形シリカで被覆されているために、酸化セリウムどうしが2次凝集または3次凝集ない。一方、不定形シリカは透明性が高く、凝集体であってもフッ素樹脂フィルムの透明性に悪影響を与えない。
【0021】
したがって、本発明のフッ素樹脂フィルムは、用いる不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子が上記のような大きな粒径でも優れた透明性を維持できる。
【0022】
本発明に用いる不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子の95重量%以上、好ましくは99重量%以上は、1〜30μm(好ましくは2〜10μm)の範囲の粒径を有するが、粒径がこの範囲外の不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子が5重量%未満(好ましくは1重量%未満)含まれていても、支障ない。
【0023】
また、フッ素樹脂への分散性を向上させるため、また、不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子をフッ素樹脂に混練し分散させる際にフッ素樹脂の着色を防止するために、不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子の表面処理を行うことが好ましい。本発明に使用する不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子の大部分は、粒径が1〜30μmと大きいため、表面処理が容易に行える。
【0024】
本発明に用いる不定形シリカ−酸化セリウム複合体は、酸化セリウムがフッ素樹脂とは接することがないため、酸化セリウムの触媒作用によるフッ素樹脂の劣化を防止できる。
【0025】
本発明に用いる不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子中の酸化セリウム量は25〜70重量%が好ましい。特に、不定形シリカによる酸化セリウムの被覆率が高くかつ紫外線遮断効果が大きい組成は、酸化セリウム量を35〜60重量%とした複合体粒子である。
【0026】
本発明における不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子が溶融混練時に凝集することを防止するために、複合体粒子表面を表面被覆剤で処理してメタノール疎水化度を調整する。
【0027】
メタノール疎水化度は粒子の疎水性を示す指標である。その測定方法は次のとおりである。すなわち、300ccのビーカーに蒸留水50ccを入れ、5gの粒子を良く撹拌させながら投入する。粒子が均一に分散されれば、この粒子は蒸留水ときわめてなじみがよく、メタノール疎水化度は0%である。粒子が均一に分散しない場合、水溶液に粒子が均一に分散されるまでメタノールを徐々に滴下する。ちょうど均一に分散されるまでのメタノール総添加量M(単位:cc)からメタノール疎水化度D(単位:%)は次式によって求められる。
D=100M/(M+50)
【0028】
不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子のメタノール疎水化度は40〜75%であり、60〜70%が好ましい。不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子のメタノール疎水化度が低い場合は、フッ素樹脂に対して分散性が低く、かつ着色させるおそれも大きい。
【0029】
フッ素樹脂の種類により要求される好ましいメタノール疎水化度は若干異なり、ETFEの場合は40〜70%であることが好ましく、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体またはパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン系共重合体の場合は60〜75%であることが好ましく、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン系共重合体の場合は40〜70%であることが好ましい。
【0030】
上記の表面被覆剤としては、水酸基または加水分解性基がケイ素原子に直接結合している反応性の有機ケイ素化合物が用いられる。好ましくは、このような水酸基や加水分解性基を有し、しかも疎水性の有機基がケイ素原子に炭素−ケイ素結合で結合している有機ケイ素化合物が用いられる。
【0031】
なお、通常のシランカップリング剤では、この有機基に反応性官能基(たとえば、エポキシ基、アミノ基など)を有しているが、このような反応性官能基は親水性が高いものが多く、本発明における表面被覆剤としてあまり好ましくない。むしろ、反応性官能基や親水性基を有しない炭化水素基や、高い疎水性をもたらすフッ素化炭化水素基を有機基として有する有機ケイ素化合物が好ましい。
【0032】
有機ケイ素化合物における加水分解性基としては、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、イソシアネート基、塩素原子などがあり、炭素数4以下のアルコキシ基が特に好ましい。この加水分解性基は、ケイ素原子に対して1〜4個、特に2〜3個結合していることが好ましい。
【0033】
ケイ素原子に炭素−ケイ素結合で結合している有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基などが好ましい。特に、炭素数2〜20のアルキル基、1以上のフッ素原子を有する炭素数2〜20のフルオロアルキル基、アルキル基やフルオロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基などが好ましい。
【0034】
有機ケイ素化合物としては、さらに水酸基や加水分解性基がケイ素原子に直接結合しているオルガノシリコーン化合物であってもよい。このオルガノシリコーン化合物における有機基としては、炭素数4以下のアルキル基やフェニル基が好ましい。このようなオルガノシリコーン化合物としては、シリコーンオイルとよばれているものを用いうる。
【0035】
具体的な表面被覆剤としての有機ケイ素化合物は、たとえばテトラエトキシシラン、テトラメトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシランなどのトリアルコキシシラン類、ジメチルシリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類が挙げられ、これらのうちイソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルシリコーンオイルが好ましい。
【0036】
表面被覆剤の処理量は、不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子の比表面積の大きさに比例する。処理量が少ない場合には、不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子がフッ素樹脂との混練時に黒色または茶色に変色することがある。処理量が多い場合には、上記表面被覆剤からなる凝集体がブツとなって現れ、フィルム外観が悪くなることがある。また、処理量によって、得られる粒子のメタノール疎水化度が変化することから、前記メタノール疎水化度となるように処理量を調節する必要もある。
【0037】
本発明のフッ素樹脂フィルムに要求される紫外線遮断の程度は、そのフィルムが使用される用途によって異なる。たとえば、ラミネートの分野では、フッ素樹脂フィルムと各種プラスチック基材または金属基材と接着させるための接着剤を保護する目的から、400〜700nmの可視光を80%以上透過させ、つ290〜320nmの紫外光を100%遮断することが好ましい。
【0038】
また、農業ハウスに用いる場合には、穀物、花、野菜、果物の種類により、それぞれ最適な光透過パターンを有するため、290〜320nmの紫外光を100%遮断するフィルム、または同波長の紫外光を80%遮断するフィルム、50%遮断するフィルムが、それぞれ用いられる。
【0039】
本発明のフッ素樹脂フィルムに分散される不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子の分散量は、要求される紫外線遮断の程度に応じて選定すればよい。通常、フッ素樹脂100重量部に対し0.4〜5部の範囲で使用すればよく、好ましくは0.5〜3重量部である。また、本発明のフッ素樹脂フィルムは優れた耐摩耗性を有するが、不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子を上記の範囲で使用することにより、飛躍的に耐摩耗性が向上する。
【0040】
不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子が分散されるフッ素樹脂は、種々のフッ素樹脂が使用できる。その具体例としては、フッ化ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン系共重合体、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン−プロピレン系共重合体、ETFE、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン系共重合体などが挙げられる。
【0041】
これらのフッ素樹脂のうち、ETFE、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン系共重合体またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン系共重合体が特に好ましい。
【0042】
フッ素樹脂フィルムの厚みは特に制限ないが、通常5〜500μmの範囲であり、好ましくは10〜200μmの範囲である。
【0043】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、実施例では、ラミネート用途に290〜320nmの紫外光を100%遮断するフィルム、農業ハウス用途に290〜320nmの紫外光を80%遮断するフィルムを作成し、その長期にわたる性能を評価した。ただし、本発明によるフッ素樹脂フィルムの紫外線遮断程度はこの実施例に限定されず、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0044】
[例1]
不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子(日本無機化学製、商品名ASC−4060、粒径0.9〜22μm、粒径1〜30μmの粒子は99重量%、平均粒径4.4μm)200gを小型ヘンシェルミキサに投入し、続いて、イソブチルトリメトキシシラン14gを水:メタノール=1:9(重量比)の混合溶媒に溶解した溶液40gをゆっくり投入し10分間撹拌した。続いて、この湿った不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子を120℃で1時間乾燥し、再度小型ヘンシェルミキサで2分間充分にほぐした。なお、このASC−4060は酸化セリウム量38重量%、不定形シリカ量59重量%、アルミナ量3重量%からなる。
【0045】
この表面処理した粒子のメタノール疎水化度は60%である。この表面処理された不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子50gとETFE(旭硝子製、アフロンCOP88AX)4kgをVミキサにて乾式混合した。この混合物を2軸押出機にて320℃でペレット化を行った。
【0046】
次いでTダイ方式により、320℃で40μmのフィルムを成形した。このフィルムは全光線透過率(290〜700nmの光線の透過率)95.2%、ヘイズ6.5%であり、320nmにおける紫外光透過率は20%であった。全光線透過率曲線を図1に示す。
【0047】
得られたフィルムをコロナ放電処理し、放電処理した面にシリカ微粒子とシランカップリング剤を主成分とする流滴剤を0.2μm塗工した。ナイロン樹脂で被覆したマイカ線を使用して、この流滴加工した紫外線遮断フィルムで農業用パイプハウスを作成した。
【0048】
このハウスを3年間展張し、その後の光学特性を測定した。全光線透過率は94.8%、ヘイズ6.8%、320nmにおける紫外光透過率は19%であり、ほとんど変化しなかった。展張前に対する3年間展張後のフィルムの引張り破断強度保持率は99%、展張前に対する3年間展張後のフィルムの伸度保持率は98%であり、劣化は認められなかった。また、フィルムに接触するマイカ線によるフィルムの摩耗程度を観察したが、フィルムに傷は全く見られなかった。
【0049】
[例2]
例1で作成した表面処理された不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子100gとETFE(旭硝子製、アフロンCOP88AX)4kgをVミキサにて乾式混合した。この混合物を2軸押出機にて320℃でペレット化を行った。
【0050】
次いでTダイ方式により、320℃で40μmのフィルムを成形し、全光線透過率93.2%、ヘイズ9.0%であり、330nm以下の紫外光を完全に遮断するフィルムを得た。全光線透過率曲線を図1に示す。
【0051】
得られたフィルムをコロナ放電処理し、ポリエステル系接着剤を用いて白色ポリエステルシートとラミネートし、カーボンアーク型サンシャインウェザオメータに5000時間暴露した。暴露前後の密着力はそれぞれ1.5kgf/cm、1.4kgf/cmであり、密着力の低下は見られなかった。また、基材の白色ポリエステルシートの黄変は見られなかった。
【0052】
[例3]
不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子(日本無機化学製、商品名ASC−6832、粒径1〜26μm、平均粒径7.6μm)200gを小型ヘンシェルミキサに投入し、続いてジメチルシリコーンオイル20gを溶解したn−ヘキサン溶液100gをゆっくり投入し10分間撹拌した。続いて、この湿った不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子を120℃で1時間乾燥し、再度小型ヘンシェルミキサで2分間充分にほぐした。なお、このASC−6832は酸化セリウム量67重量%、不定形シリカ量30重量%、アルミナ量3重量%からなる。また、この表面処理した粒子のメタノール疎水化度は60%である。
【0053】
この表面処理された不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子40gとETFE(旭硝子製、アフロンCOP88AX)4kgをVミキサにて乾式混合した。この混合物を2軸押出機にて320℃でペレット化を行った。
【0054】
次いでTダイ方式により、320℃で40μmのフィルムを成形した。このフィルムは全光線透過率94.2%、ヘイズ8.9%であり、320nmにおける紫外光透過率は20%であった。全光線透過率曲線を図1に示す。
【0055】
得られたフィルムをコロナ放電処理し、放電処理した面にシリカ微粒子とシランカップリング剤を主成分とする流滴剤を0.2μm塗工した。ナイロン樹脂で被覆したマイカ線を使用して、この流滴加工した紫外線遮断フィルムで農業用パイプハウスを作成した。
【0056】
このハウスを3年間展張し、その後の光学特性を測定した。全光線透過率は93.8%、ヘイズ9.6%、320nmにおける紫外光透過率は19%であり、ほとんど変化しなかった。展張前に対する3年間展張後のフィルムの引張り破断強度保持率は99%、展張前に対する3年間展張後のフィルムの伸度保持率は98%であり、劣化は認められなかった。また、フィルムに接触するマイカ線によるフィルムの摩耗程度を観察したが、フィルムに傷は全く見られなかった。
【0057】
[例4(比較例)]
酸化セリウム超微粉(平均粒径0.02μm)200gを小型ヘンシェルミキサに投入し、続いてイソブチルトリメトキシシラン80gを水:メタノール=1:9(重量比)の混合溶媒に溶解した溶液150gを投入し10分間撹拌した。この湿った酸化セリウム超微粉を120℃で1時間乾燥し、再度小型ヘンシェルミキサで2分間充分にほぐした。この表面処理した粒子のメタノール疎水化度は50%である。
【0058】
この表面処理された酸化セリウム超微粉20gとETFE(旭硝子製、アフロンCOP88AX)4kgをVミキサにて乾式混合した。この混合物を2軸押出機にて320℃でペレット化を行った。
【0059】
次いでTダイ方式により、320℃で40μmのフィルムを成形した。このフィルムはやや黒色化しており、全光線透過率は88.2%と低かった。また、ヘイズ15.2%であり、320nmにおける紫外光透過率は20%であった。全光線透過率曲線を図1に示す。
【0060】
この得られたフィルムをコロナ放電処理し、放電処理した面にシリカ微粒子とシランカップリング剤を主成分とする流滴剤を0.2μm塗工した。ナイロン樹脂で被覆したマイカ線を使用して、この流滴加工した紫外線遮断フィルムで農業用パイプハウスを作成した。
【0061】
このハウスを3年間展張し、その後の光学特性を測定した。3年間展張後は、全光線透過率が86.2%、ヘイズ18.5%、320nmにおける紫外光透過率は25%であり、320nmにおける紫外線遮断効果が低下した。展張前に対する3年間展張後のフィルムの引張り破断強度保持率は80%、展張前に対する3年間展張後のフィルムの伸度保持率は85%であり、劣化が始まっていると判断された。また、フィルムに接触するマイカ線によるフィルムの摩耗程度を観察したが、1年経過後よりフィルム表面に傷が見られた。
【0062】
[例5(比較例)]
酸化セリウム超微粉(平均粒径0.02μm、メタノール疎水化度15%)20gとETFE(旭硝子製、アフロンCOP88AX)4kgをVミキサにて乾式混合した。この混合物を2軸押出機にて320℃でペレット化を行った。このペレットは黒色化したため、フィルムの成形は行わなかった。
【0063】
【発明の効果】
透明性に優れ、かつ耐摩耗性に優れた紫外線遮断性を有するフッ素樹脂フィルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1〜例4のフィルムおよび紫外線遮断剤を含有しないETFEフィルムの290〜700nmの全光線透過率のチャート。

Claims (2)

  1. 不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子中、粒径1〜30μmの粒子を95重量%以上含み、かつ複合体粒子表面を水酸基または加水分解性基がケイ素原子に直接結合している反応性の有機ケイ素化合物で処理してメタノール疎水化度40〜75%にした不定形シリカ−酸化セリウム複合体粒子がフッ素樹脂に分散されていることを特徴とするフッ素樹脂フィルム。
  2. フッ素樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン系共重合体、またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン系共重合体である請求項1記載のフッ素樹脂フィルム。
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