JPH11106588A - 耐久性に優れたフッ素樹脂フィルム - Google Patents

耐久性に優れたフッ素樹脂フィルム

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JPH11106588A
JPH11106588A JP28922697A JP28922697A JPH11106588A JP H11106588 A JPH11106588 A JP H11106588A JP 28922697 A JP28922697 A JP 28922697A JP 28922697 A JP28922697 A JP 28922697A JP H11106588 A JPH11106588 A JP H11106588A
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JP
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cerium oxide
film
fluororesin
fluororesin film
production example
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JP28922697A
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Inventor
Hiroshi Miyake
弘 三宅
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Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光域の全光線透過率が高く、紫外線の特
定波長領域を一部遮断する機能を長期間に渡って持続す
ることができるフッ素樹脂フィルムを提供する。 【解決手段】フッ素樹脂フィルムに酸化セリウム微粉末
と珪素化合物を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐久性に優れたフッ素樹
脂フィルムに関し、さらに詳しくは、特定波長域光を一
部遮蔽する機能を長期間にわたって持続することができ
るフッ素樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、被覆資材として、ポリエチレ
ンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、
ポリエステルフィルム、塩化ビニル樹脂フィルム等が種
々の分野において使用されているが、塩化ビニル樹脂フ
ィルムが施工性、価格、保温性等の面からその大半を占
めている。しかし、これら樹脂は、屋外における耐久性
が劣るため、その被覆期間が1〜2年であり、被覆資材
の張り替えを頻繁に行う必要があった。
【0003】たとえば農業用被覆資材においては、近年
ハウス管理の省力化、栽培面積の拡大、栽培作物の高級
品化、ハウス寿命の長期化等の目的で本格的な大型ハウ
スも採用されている。この大型ハウスには、5年程度の
展張用被覆材として、ポリエステル樹脂板、ポリカ−ボ
ネ−ト樹脂板、硬質塩化ビニル樹脂板、アクリル樹脂
板、繊維強化プラスチック板等の被覆材が使用されてい
るが、これら被覆材は厚みが厚いためにそれぞれ大型の
専用の基材を使用し展張しなければならず、施工性が非
常に複雑であり且つ比較的高価であるという欠点があ
る。また、ポリエステル樹脂板、ポリカ−ボネ−ト樹脂
板、硬質塩化ビニル樹脂板、アクリル樹脂板等は雹等に
より亀裂が発生し易く、また発生した亀裂が伝播し易い
などの欠点もある。
【0004】また、10年以上使用可能な耐久被覆材と
して、板ガラスがあるが、これは高価であるだけでな
く、破損し易く、一旦破損すると、微細なガラス破片を
除去するためにハウス内の土壌を入れ替えなければなら
ないという問題がある。
【0005】一方、屋外看板用マ−キングフィルム等に
おいては塩化ビニル樹脂を使用するのが一般的である
が、耐久被覆材としては長期間の使用に対して性能の低
下が顕著にみられ、3年〜5年で張り替える必要があっ
た。
【0006】これらの問題点を解決するために、例え
ば、特開昭64−43535号公報にはフッ素樹脂フィ
ルムからなる農業用被覆材が提案されている。しかし、
前述した如き従来の農業用被覆材には、耐候性向上を目
的として少量の紫外線吸収剤が配合されており、そのた
め、従来の農業用被覆材は一般に太陽光線中の紫外線を
或る程度遮断する性質を有しているが、フッ素樹脂フィ
ルムは本来耐候性に優れており、紫外線吸収剤などの耐
候性向上剤の配合は特に必要としないため、フッ素樹脂
フィルムからなる農業用被覆材は太陽光線中の紫外線も
透過する。そのため、従来の或る程度紫外線を遮断する
農業用被覆材を展張したハウスでの栽培に適合するよう
に品種改良されたハウス栽培用作物を、かかるフッ素樹
脂フィルムが展張されているハウスで同じようにして栽
培すると、従来の農業用被覆材の場合にはみられなかっ
た種々の問題、例えば、生育又は収穫時期の遅れ、茎葉
や果実の硬化等による収穫物の品質低下、花弁類の花色
の濃化または変色等の問題が新たに生じてきた。
【0007】フッ素樹脂フィルムは、機械的強度、透明
性、耐候性等に優れており、長期間、例えば10年以上
にわたって展張可能な農業用被覆材の基材としては最適
であり、上記問題を解決するための1つの手段として、
我々は特開平8−37942号において、フッ素樹脂の
溶融加工温度に耐えうる紫外線吸収能を付与する無機質
粉末、特に酸化セリウム(CeO2)を配合することにより
紫外線領域の光線をカットするフッ素樹脂フィルムを開
発し、従来のハウス栽培用作物に対しても上記の如き問
題を生ずることなく使用することのできる耐久性に優れ
た農業用被覆材を開発した。この被覆材は紫外線をカッ
トし、可視光線を透過することにより、屋外用のマ−キ
ングフィルム等としても、耐候性の高いフィルムとして
使用可能である。
【0008】しかしながら、上記提案においても酸化セ
リウムとして粒子径の大きく、比表面積の小さい酸化セ
リウム粒子を用いると、酸化セリウムをフッ素樹脂に練
り込み、フィルムを製造する工程で、可視光域の全光線
透過率が低く、かつHAZEが大きく、透明性が悪くな
ってしまう。たとえば農業用フィルムでは可視光線の透
過に不具合が生じたり、また、マ−キング用フィルム等
では色調の調製が難しくなるため、酸化セリウムの添加
量をあまり上げられず、実際的に使用できる範囲もある
程度限定されていた。
【0009】さらに紫外線吸収能を高め、透明性も良好
なフィルムを得るため、より平均粒子径を小さくするこ
とが試みられたが、単純に平均粒子径を小さくしてしま
うと比表面積が大きくなりすぎるため、成形加工時に樹
脂を劣化させてしまう。そこで比表面積をなるべく小さ
く保ちながら粒子径を小さくした酸化セリウムを使用す
ることが試みられてきた。このような酸化セリウムを使
用すると、可視光域の全光線透過率は高くなり、HAZ
Eも下がることによって透明性は改良される。さらに透
明性の許す範囲で酸化セリウムの添加量を上げることに
より紫外線吸収能を上げることも可能になったが、今度
は紫外線吸収能の耐候性が低下し、数年の使用で、紫外
線領域の吸収率が高くなってしまうという不都合があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の酸化セリウムを含有するフッ素樹脂被覆材が有してい
た前述の問題点を解決しようとするものであり、紫外線
吸収能が長期間低下せず、HAZEが小さく、耐久性の
優れたフッ素樹脂被覆材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、酸化セリウム微粉末お
よび珪素化合物を含有するフッ素樹脂フィルムを提供す
ることにある。本発明のフッ素樹脂フィルムは、太陽光
線中の紫外線のうち、少なくとも280〜320nmの
波長域の紫外線の透過を少なくとも30%、好ましくは
50%以上、さらに好ましくは60%以上阻止するもの
である。320nmより長波長側の紫外線の透過は用途
によっても異なるが必ずしも阻止する必要はなく、特に
農業用途においては340nm付近の紫外線の透過率は
280〜320nmに比べ少なくとも同等以上、好まし
くは10%以上透過する方が受粉に使用する蜂の飛翔性
を鈍化させないので好ましい。
【0012】一方、400〜800nmの波長域の可視
光は、できるだけ多く透過することが望ましく、その透
過率は少なくとも70%、好ましくは80%以上、さら
に好ましくは85%以上、最も好ましくは88%以上で
ある。ここで「400〜800nmの波長域の可視光の
透過率」は該波長域の可視光の平均透過率である。
【0013】以上述べた如き光線透過特性を示すフッ素
樹脂フィルムは、例えば、フッ素樹脂フィルムに少なく
とも280〜320nmの波長域の紫外線の透過を阻止
する能力をもつ酸化セリウム微粉末および珪素化合物が
分散被覆された状態(以下、これを「A」ということが
ある)か、酸化セリウム微粉末および珪素化合物がさら
に珪素化合物で分散被覆されている状態(以下、これを
「B」ということがある)のものを練り込むことにより
作製することができる。
【0014】上記フィルムの作製において基材として使
用されるフッ素樹脂は、フッ素含有単量体から得られる
(共)重合体であり、具体的には、例えば、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン−パ−フルオロアルキルビニルエ−テル共重合体(P
FA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン−パ−フルオロアルキルビニ
ルエ−テル共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエ
チレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリ
デンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライ
ド(PVF)、及びこれらの2種以上からなる混合物が
挙げられる。中でもETFE、PCTFE、ECTF
E、PVDF及びPVFが好ましく、さらにETFE、
PVDF及びPVFが好ましく、特にETFEが好適に
使用される。
【0015】ETFEは、エチレン及びテトラフルオロ
エチレンを主体とし(エチレン/テトラフルオロエチレ
ンのモル比は一般に40/60〜60/40にある)、
そして必要により、これに少量(通常10モル%以下)
の第3の含フッ素コモノマ−成分を共重合させたもので
ある。本発明では殊に、エチレン/テトラフルオロエチ
レンの含有モル比が40/60〜60/40、好ましく
は45/55〜55/45の範囲内である。
【0016】また、第3成分としては、例えば式CH2
=CH−Cn2n+1(ここで、nは2〜10の整数であ
る)で示されるパ−フルオロアルキルビニルモノマ−単
位(例えば、CH2=CH−C49またはCH2=CH−
613から誘導される単位)さらに、CH2=C(CF
3)CH3、CF2=C(CF3)CH3、CH2=CFC5
10Hのようなフルオロオレフィン等を使用することが
でき、前者が好適に使用される。この第3成分の含有量
が0.1〜10モル%、好ましくは0.3〜5モル%の
範囲内にあるエチレン−テトラフルオロエチレン系共重
合体が好適に使用される。このエチレン−テトラフルオ
ロエチレン系共重合体はそれ自体既知のものであり、例
えば特公昭59−50163号公報に記載の方法で製造
することができ、また、市販品として旭硝子(株)より
「アフロンCOP」なる商品名で市販されているものを
使用することもできる。
【0017】一方、上記フッ素樹脂に練り込むことので
きる酸化セリウムとは、酸化数が3と4の2種類いずれ
も使用できるが、後者のCeO2が好適に使用される。
【0018】これら酸化セリウム微粉末の粒径は、一般
には、平均粒径が500nm〜1nm、好ましくは30
0nm〜5nm、特に好ましくは150〜10nmであ
る。酸化セリウム粒子の平均粒子径が300nm以上で
あれば、フィルムの透明性が悪く実際的に使用できる範
囲が限定されてしまう。逆に細かすぎると、分散が困難
になるばかりか、後述する比表面積を小さく保つことが
理論的に不可能になる。
【0019】またこれら酸化セリウム微粉末の比表面積
は、一般には、150m2/g以下、好ましくは100
m2/g〜20m2/g、特に好ましくは90m2/g〜
30m2/gである。
【0020】また、これら酸化セリウム微粉末をフィル
ムに配合する場合の配合量は、使用する樹脂及び膜厚に
よっても異なるが、一般的には、25〜2500mg/
m2、好ましくは、50〜1500mg/m2、さらに好
ましくは80〜900mg/m2の範囲とすることがで
きる。
【0021】一方、該酸化セリウムとフッ素樹脂に練り
込む珪素化合物としては、シリカ(SiO2)、ガラス、石
英、各種シリコ−ンオイル、各種シランカップリング
剤、その他のシラン化合物が挙げられる。
【0022】ここで、「A」の「分散被覆」とは、上記
酸化セリウムに珪素化合物を完全に被覆した状態のみな
らず、被覆するために混合された状態、単に混合された
状態をも包含する。また、珪素化合物に酸化セリウムを
「分散被覆」する状態も前述の「分散被覆」と同じ状態
である。また、「B」の「分散被覆」についても、
「A」に珪素化合物を完全に被覆した状態のみならず、
被覆するために混合された状態、単に混合された状態を
も包含するものである。
【0023】被覆する、あるいは被覆されるシリカとし
ては、透明性の関係から「不定形」が好ましい。
【0024】各種シリコ−ンオイルとしては、ジメチル
シリコ−ンオイル、環状ポリジメチルシロキサン、メチ
ルフェニルシリコ−ンオイル、メチルハイドロジェンシ
リコ−ンオイル、ポリエ−テル変性シリコ−ンオイル、
高級脂肪酸変性シリコ−ンオイル、アルキル・アラルキ
ル変性シリコ−ンオイル、アルキル変性シリコ−ンオイ
ル、アミノ変性シリコ−ンオイル、エポキシ変性シリコ
−ンオイル、アルキル・ポリエ−テル変性シリコ−ンオ
イル、ポリエ−テル変性シリコ−ンオイル、カルビノ−
ル変性シリコ−ンオイル、フッ素変性シリコ−ンオイル
等が挙げられる。
【0025】各種シランカップリング剤としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン等の「ビニル
シラン類」、β-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン等の「エポキシシラン類」、γ-メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン等の「アクリルシラン類」、N-β
(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメト
キシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェ
ニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等の「アミ
ノシラン類」、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン
「クロロプロピルシラン類」、γ-メルカプトプロピル
トリメトキシシラン「メルカプトシラン類」等が挙げら
れるが、「エポキシシラン類」や「ビニルシラン類」が
好適に用いられる。
【0026】その他のシラン化合物としては、ヘキサメ
チルジシラザン、サイクリックシラザン混合物等の「シ
ラザン類」、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロ
シラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシ
ラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロ
シラン等の「クロロシラン類」、テトラメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチ
ルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等の
「アルコキシシラン類」、N、O-(ビストリメチルシ
リル)アセトアミド、N、N-ビス(トリメチルシリ
ル)ウレア、tert-ブチルジメチルクロロシラン等の
「特殊シリル剤」や、反応性のシリル基を分子内に持つ
各種シリコ−ン表面改質剤等が挙げられるが、「シラザ
ン類」のヘキサメチルジシラザン、各種シリコ−ン表面
改質剤等が好適に用いられる。
【0027】これらの珪素化合物と酸化セリウムの割合
は特に限定するものではないが、一般的にはシリカ以外
の珪素化合物は酸化セリウムに対して5〜60重量%、
好ましくは10〜40重量%の割合である。シリカにつ
いては、酸化セリウムに対して300重量%以下、好ま
しくは150重量%以下の割合である。300重量%を
越えて添加すると、全体の粒子径が大きくなってしまっ
たり、必要な紫外線吸収能を得るためにフッ素樹脂に大
量に添加しなくてはならない不具合が生じる。
【0028】これら「A」および「B」の製造方法は、
特別に規定するものではなく、従来使用されているいず
れの方法、たとえばインテグラルブレンド法、乾式法、
湿式法、スプレ−法などでも製造することができるが、
具体的にその一例を説明する。
【0029】インテグラルブレンド法 酸化セリウムの添加前あるいは添加後にヘンシェルミキ
サ−やス−パ−ミキサ−などで撹拌しながらETFE樹
脂に珪素化合物を直接添加する方法。
【0030】乾式法 Vブレンダ−などで酸化セリウムを強制撹拌しながら、
珪素化合物溶液を乾燥空気や窒素ガスで噴霧させて処理
する方法。
【0031】湿式法 酸化セリウムを溶液に分散させ、スラリ−状態になった
ところに、珪素化合物溶液を添加していく方法。撹拌後
静置し、酸化セリウムを沈降分離し、乾燥を行う。
【0032】スプレ−法 炉から取り出したばかりの高温の酸化セリウムに珪素化
合物溶液をスプレ−する方法。
【0033】かかる「A」および「B」を配合したフッ
素樹脂からのフィルムの成形はそれ自体既知の方法、例
えばTダイ法、インフレ−ション法等の押出成型法等に
より行うことができる。得られるフィルムの厚さは一般
に10〜1000μm、好ましくは20〜400μm、
特に好ましくは30〜200μmとすることができる。
【0034】以上述べた如くして作製される前述した如
きフッ素樹脂フィルムは、農業用被覆材として、10年
以上もの長期間にわたって屋外に展張しても、該フィル
ムがもつ特性は殆ど変化することなく維持されるのみな
らず、ハウス栽培用に改良された各種作物に対して前述
した如き問題を生ずることなく適用することができ、ガ
ラスに代わるグリ−ンハウス用被覆材として広く使用す
ることができる。
【0035】また屋外使用のマ−キングフィルムとし
て、長期間にわたって劣化することなく使用することが
可能となる。
【0036】農業用被覆材として使用した場合には、有
用作物を本発明の農業用被覆材で被覆したグリ−ンハウ
ス内で栽培することにより、従来の農業用被覆材では得
られなかった種々の栽培効果を得ることができる。
【0037】実施例 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。 フィルムの製造 製造例A(比較例) 内容積10リットルのオ−トクレ−ブにトリクロロモノ
フルオロメタン3.46kg、トリクロロトリフルオロ
エタン6.52kg、及びt−ブチルパ−オキシイソブ
チレ−ト2.38gを仕込み、次いでテトラフルオロエ
チレン1226g、エチレン82g、及びパ−フルオロ
ブチルエチレン(CH2=CH−C49)26gを仕込
む。この混合物を充分撹拌しながら、反応温度を65℃
に保持して共重合反応を行わせる。共重合反応進行中は
系内にテトラフルオロエチレン/エチレン/パ−フルオ
ロブチルエチレンのモル比53/46.3/0.7の混
合ガスを導入し、重合圧力を15.0kg/cm2に保
持する。5時間後に460gの白色共重合体を得た(以
後これを樹脂No.1という)。該共重合体は、C24
/C24/CHC49の含有モル比が、53/46.3
/0.7であり、流動開始温度267℃、熱分解開始温
度360℃であった。
【0038】上記で得たエチレン−テトラフルオロエチ
レン系共重合体(以下“ETFE”と略記する場合もあ
る)を320℃の樹脂温度で押し出し、厚さ100μの
フィルムNo.1を製造した。
【0039】製造例B(比較例) 製造例Aで得られたETFEに、平均粒径330nm,
比表面積24m2/gの酸化セリウム(CeO2)を0.2
重量%添加したこと以外、製造例Aと同様にして厚さ1
00μのフィルムNo.2を得た。
【0040】製造例C(比較例) 製造例Aで得られたETFEに、平均粒径150nm,
比表面積63m2/gの酸化セリウム(CeO2)を0.1
5重量%添加したこと以外、製造例Aと同様にして厚さ
100μのフィルムNo.3を得た。
【0041】製造例D(実施例) 製造例Aで得られたETFEをヘンシェルミキサ−(三
井鉱山製FM−10C/I)に仕込み、1000回転で
撹拌しながら、平均粒径150nm、比表面積61m2
/gの酸化セリウム(CeO2)を0.15重量%添加す
る。さらに、東芝シリコ−ン株式会社製メチルシリコ−
ンワニス「TSR127B」を有効成分が酸化セリウム
に対して20重量%になるように添加して、2000回
転で撹拌し槽内樹脂温度が100℃になるまで15分間
おく。次に回転数を1000回転に下げて20分おき、
さらにジャケットに通水して、槽内樹脂温度が50℃以
下になるまで約25分間おき、取り出した配合物を、製
造例Aと同様にして厚さ100μのフィルムNo.4を
得た。
【0042】製造例E(実施例) 製造例Dで添加した「TSR127B」の代わりに、東
芝シリコ−ン株式会社製ヘキサメチルジシラザン「TS
L8802」を酸化セリウムに対して36重量%添加し
た以外は、製造例Dと同様にして厚さ100μのフィル
ムNo.5を得た。
【0043】製造例F(実施例) 製造例Dで添加した「TSR127B」の代わりに、信
越シリコ−ン株式会社製シリコ−ン表面改質剤「KPN
3504」を酸化セリウムに対して18重量%添加した
以外は、製造例Dと同様にして厚さ100μのフィルム
No.6を得た。
【0044】製造例G(実施例) 製造例Dで添加した「TSR127B」の代わりに、東
芝シリコ−ン株式会社製シランカップリング剤「TSL
8311」を酸化セリウム(CeO2)に対して、29重量
%添加した以外は、製造例Dと同様にして厚さ100μ
のフィルムNo.7を得た。
【0045】製造例H(実施例) 製造例Dで添加した「TSR127B」の代わりに、東
芝シリコ−ン株式会社製シリコ−ンオイル「TSF48
4」を酸化セリウムに対して10重量%添加した以外、
製造例Dと同様にして厚さ100μのフィルムNo.8
を得た。
【0046】製造例I(実施例) 製造例Dで添加した「TSR127B」の代わりに、信
越シリコ−ン株式会社製シランカップリング剤「KBM
403」を酸化セリウム(CeO2)に対して、18重量%
添加した以外は、製造例Dと同様にして厚さ100μの
フィルムNo.9を得た。
【0047】製造例J(実施例) 製造例Aで得られたETFEをヘンシェルミキサ−(三
井鉱山製FM−10C/I)に仕込み、1000回転で
撹拌しながら、酸化セリウムに対して150重量%の不
定形シリカで被覆された酸化セリウム[日本無機化学工
業製「セリガ−ドSC−4060」]を酸化セリウムが
0.15重量%になるように添加する。さらに、信越シ
リコ−ン株式会社製シランカップリング剤「KBM40
3」を酸化セリウム(CeO2)に対して、25重量%にな
るように添加して、2000回転で撹拌し槽内樹脂温度
が100℃になるまで15分間おく。次に回転数を10
00回転に下げて20分おき、さらにジャケットに通水
して、槽内樹脂温度が50℃以下になるまで約25分間
おき、取り出した配合物を、製造例Aと同様にして厚さ
100μのフィルムNo.10を得た。
【0048】製造例K(実施例) 製造例Aで得られたETFEに、酸化セリウムに対して
47重量%の不定形シリカで被覆された酸化セリウム
[日本無機化学工業製「セリガ−ドSC−6832」]
を酸化セリウムが0.15重量%になるように添加した
こと以外、製造例Aと同様にして厚さ100μのフィル
ムNo.11を得た。
【0049】製造例L(実施例) 製造例Aで得られたETFEをヘンシェルミキサ−(三
井鉱山製FM−10C/I)に仕込み、1000回転で
撹拌しながら、酸化セリウムに対して47重量%の不定
形シリカで被覆された酸化セリウム[日本無機化学工業
製「セリガ−ドSC−6832」]を酸化セリウムが
0.15重量%になるように添加する。さらに、信越シ
リコ−ン株式会社製シリコ−ン表面改質剤剤「KPN3
504」を酸化セリウム(CeO2)に対して、9重量%に
なるように添加して、2000回転で撹拌し槽内樹脂温
度が100℃になるまで15分間おく。次に回転数を1
000回転に下げて20分おき、さらにジャケットに通
水して、槽内樹脂温度が50℃以下になるまで約25分
間おき、取り出した配合物を、製造例Aと同様にして厚
さ100μのフィルムNo.12を得た。
【0050】なお、得られたフィルムのHAZE、紫外
線吸収持続性の測定方法及びその評価法は次のとおりで
ある。 1.透明性(HAZE) JIS−Z−7105に準拠した直読ヘイズメ−タ
((株)東洋精機製作所製)を用いて、フィルムの全光
線透過率とHAZE値を測定した。測定結果を表1に示
す。
【0051】2.紫外線吸収持続性(320nm) 促進試験にかける前を0hrの値とし、キセノンア−ク
ウェザ−メ−タ−で500時間、1000時間、200
0時間経過時に、それぞれの時間での紫外線透過率を積
分球付き分光光度計(UVA−365:島津製作所製)
を用いて250−800nmまでの全光線透過率を測定
し、その320nmの値を読みとった。本ウェザ−メ−
タ−2000時間は屋外暴露約7年に相当するものであ
る。測定結果を表1に示す。
【0052】
【表1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化セリウム微粉末および珪素化合物を含
    有してなることを特徴とするフッ素樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】該酸化セリウム微粉末および珪素化合物が
    分散被覆している請求項1記載のフッ素樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】該酸化セリウム微粉末および珪素化合物が
    さらに珪素化合物で分散被覆されている請求項1記載の
    フッ素樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】該酸化セリウム微粉末の平均粒径が1〜5
    00nmである請求項1〜3いずれかに記載のフッ素樹
    脂フィルム。
  5. 【請求項5】該酸化セリウム微粉末の比表面積が150
    m2/gr以下である請求項1〜4いずれかに記載のフ
    ッ素樹脂フィルム
  6. 【請求項6】フッ素樹脂が、モル比が40/60〜60
    /40の範囲内のエチレンとテトラフルオロエチレン、
    及び必要によりさらに10モル%以下のC4〜C12パ−
    フルオロアルキルビニルモノマ−を共重合させることに
    より得られるエチレン/テトラフルオロエチレン系共重
    合体である請求項1〜5いずれかに記載のフッ素樹脂フ
    ィルム。
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