JP2637793B2 - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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JP2637793B2 JP63247402A JP24740288A JP2637793B2 JP 2637793 B2 JP2637793 B2 JP 2637793B2 JP 63247402 A JP63247402 A JP 63247402A JP 24740288 A JP24740288 A JP 24740288A JP 2637793 B2 JP2637793 B2 JP 2637793B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はコーティング用組成物に関し、更に詳細には
ガラス、ステンレス、アルミニウム、セラミックス、セ
メント、コンクリート、繊維、木材、紙、スレート、プ
ラスチックなどの表面、又は有機系もしくは無機系塗膜
の表面に、透明で硬度の高い被膜を形成し、耐候性、耐
水性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、耐透水性、耐海水
性、耐汚染性、密着性に優れ、それらの基材の保護に有
用な保護膜を提供するためのコーティング用組成物に関
する。
〔従来の技術〕
従来より、コーティング用組成物として、膜厚が10μ
m以下の薄膜でもピンホールがなく、透明性、硬度、耐
候性、耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、耐透水
性、耐海水性、耐汚染性、密着性、保存安定性などに優
れ、しかも低コストのものが求められている。
このような要求の一部を満たすものとして、加水分解
性基を有する有機ケイ素化合物の加水分解物又は縮合物
を有機溶媒中に溶解し、平均粒子径が0.05〜0.2μmの
範囲であるコロイド状シリカを含有するコーティング用
組成物が提案されている(特開昭61−53365号公報、特
開昭61−291665号公報、特開昭62−79274号公報、特開
昭62−91539号公報、特開昭62−95361号公報、特開昭63
−27565号公報、特開昭63−46272号公報、特開昭63−48
363号公報、特開昭63−117074号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記公報に記載されているコーティン
グ用組成物は、被膜形成時のクラックを防止する目的
で、平均粒子径が0.05〜0.2μmの範囲であるコロイド
状シリカを含有させるものであるが、被膜の膜厚を厚く
するとクラックの発生を抑制しきれず透明性、硬度、密
着性等に問題があった。上記コロイド状シリカの代わり
に平均粒子径が0.2μm以上の粒子を使用すると、被膜
の膜厚を厚くしても硬度、密着性に優れた被膜を形成す
ることができるが、粒子形状が不定形のため光が散乱し
て被膜が白色化し透明性が失われると言う問題があっ
た。
一方、被膜の高純度化を達成し、透明性を向上する目
的でコロイド状シリカの代わりに、テトラアルコキシシ
ランの加水分解物又は縮合物の粒子を使用した例が開示
されている(特開昭62−79274号公報、特開昭62−95361
号公報)。テトラアルコキシシランは、前記の加水分解
性基を有する有機ケイ素化合物と同種類の原料源である
ため、それらの加水分解物又は縮合物の屈折率が非常に
接近し、得られる被膜の透明性は著しく向上する。しか
しながら開示された例では、テトラアルコキシシランを
酸性下で加水分解するために、得られる加水分解物又は
縮合物の粒子の平均粒子径は0.1μm以下であり、被膜
の膜厚を厚くするとクラックの発生を抑制しきれず、膜
厚が厚くても、クラックやピンホールのない透明な被膜
を得ることは困難であった。
本発明は、前記従来技術の問題点を背景になされたも
ので、特定するシラン化合物を加水分解、縮合すること
によって得られた平均粒子径が0.2〜10μmの範囲であ
る球状シリカ微粒子を含む特定の組成物からなる新規な
コーティング用組成物を開示するもので、該コーティン
グ用組成物をコーティング剤として用いることにより初
めて被膜の膜厚を厚くしても透明性に優れ、かつ、硬
度、耐候性、耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、耐
透水性、耐海水性、耐汚染性、密着性に優れた被膜が得
られたのである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、少なくとも下記に示す(A),
(B)及び(C)成分を含んでなり、かつそれらの組成
が重量比で(A):(B):(C)=100:20〜300:50〜
6000(但し、(A)成分の重量は(A)成分が縮合反応
した後の平均組成式として示される一般式 (式中、Rは炭素数1〜10の有機基であり、mは0又は
1〜3の整数である。)に換算した重量を表わす。)で
あるコーティング用組成物として特定される。
(記) (A)親水性有機溶媒に可溶な一般式(II)RmSi(O
R')4-m(但し、R及びmは一般式(I)に同じであ
り、R'は炭素数1〜5のアルキル基、アシル基からなる
群から選ばれる少なくとも一種の基である。)で示され
るシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種
(但し、一般式(II)においてm=2又は3で示される
シラン化合物の単独使用は除く)及び/又はその加水分
解物及び/又はその縮合物。
(B)一般式(II)で示されるシラン化合物からなる群
から選ばれる少なくとも一種を塩基性触媒の存在下に加
水分解、縮合することによって得られた平均粒子径が0.
2〜10μmの範囲である球状シリカ微粒子。
(C)親水性有機溶媒。
まず、(A)成分の一般式(II)で示されるシラン化
合物及び/又はその加水分解物及び/又はその縮合物
は、被膜となる場合に加熱又は常温での放置により高分
子量化し硬化するもので、本発明で得られる組成物中に
おいては液状又は0.1μm以下の微粒子状として存在
し、結合剤としての働きをするものである。
これらシラン化合物の具体的としては、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキ
シシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、
i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエ
トキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキ
シビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3
−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル
アミノプロピル)トリメトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシジメチルシラ
ン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラ
ン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメ
トキシジフェニルシラン、トリメチルメトキシシラン、
トリエチルエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラ
ン等のアルコキシシラン化合物、テトラアセトキシシラ
ン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセト
キシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、アセトキシ
トリメチルシラン等のアシロキシラン化合物等を挙げる
ことができる。
一方、該シラン化合物の加水分解物やその縮合物は、
該シラン化合物を周知の手順で加水分解するか、又は加
水分解した後、さらに縮合することによって容易に得ら
れるが、通常市販品をそのまま使用することもできる。
加水分解及び縮合する方法は、例えば、水を含む後述す
る(C)成分の親水性有機溶媒中で、加水分解するか又
は加水分解した後縮合する方法等により代表されるが、
これに限定されるものではない。その際、触媒として塩
酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、トルエン
スルホン酸、コハク酸、シュウ酸等の有機酸、アンモニ
ア、尿素、水酸化ナトリウム、エタノールアミン、テト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアルカリ
を添加して加水分解及び/又は縮合しても良い。
これらシラン化合物及び/又はその加水分解物及び/
又はその縮合物は、一種単独で又は二種以上を混合して
使用することができ、親水性有機溶媒に可溶か0.1μm
以下の微粒子状としてコロイド状に分散可能なものであ
る。しかし、m=2又は3で示されるシラン化合物及び
/又はその加水分解物及び/又はその縮合物のみを原料
としてコーティング用組成物を合成しても被膜が得られ
ない。
また、これらシラン化合物及び/又はその加水分解物
及び/又はその縮合物の内、m=0で示されるシラン化
合物及び/又はその加水分解物及び/又はその縮合物を
単独あるいはその割合を多くすると、被膜の硬度は大き
くなるが、クラックが発生し易くなり、一方、m=2又
は3で示されるシラン化合物及び/又はその加水分解物
及び/又はその縮合物の割合を多くすると被膜の硬度は
減少するが均一な被膜が得られる。特にm=1で示され
るシラン化合物及び/又はその加水分解物及び/又はそ
の縮合物を単独使用すると、クラックやピンホールが抑
えられ、しかも硬い被膜が得られるので好適に用いられ
る。中でもRがメチル基であるシラン化合物及び/又は
その加水分解物及び/又はその縮合物が好ましい。
次に(B)成分の球状シリカ微粒子は、本発明の組成
物を被膜にした際、透明性を保持しながら固形分を増す
ために使用されるもので、該成分の量によって得られる
被膜の厚さが左右される。特に球状であるため、被膜と
なった場合、最密充填されるので被膜を厚くしても透明
性が失われない。さらに平均粒子径が0.2〜10μmの範
囲で、好ましくは0.2〜2μmの範囲で異なった粒子径
を有する粒子を任意の割合で混合して使用することによ
り被膜にした際、球状シリカ微粒子の充填率が増大し、
より厚膜とすることができるので好ましい。
該球状シリカ微粒子は一般式(II)で示されるシラン
化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を塩基性
触媒の存在下に加水分解、縮合することによって得られ
る。加水分解、縮合する方法は、例えば、一般式(II)
で示されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なく
とも一種を、水、触媒を含む有機性溶液中で加水分解、
縮合することによって行われる。
塩基性触媒としては、アンモニア、尿素、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、エタノールアミン、テトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイド等が好ましい。
有機性溶液とは、シラン化合物を溶解しうる有機溶剤
に水及び触媒が完全に溶解しているか又は水及び触媒が
ミセルとして有機溶剤中に均一に分散した溶液をいう。
有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノ
ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジオキ
サン、ジエチルエーテル等のエーテル類、イソオクタ
ン、シクロヘキサン等のパラフィン類、ベンゼン、トル
エン等の芳香族化合物等が単一で又は混合物で用いられ
る。水及び触媒と相溶しない有機溶剤の場合は、それら
に界面活性剤を添加して均一なミセルにしても良い。
有機性溶液中に存在させる水、触媒量は、粒子の形状
や粒子径、分散状態に影響を及ぼすので、好ましい量に
制御する必要があるが、シラン化合物の種類、濃度等に
よって変化する。
加水分解、縮合は、例えば上記したシラン化合物又は
その有機溶剤溶液を上記有機性溶液中に添加し、0〜10
0℃の範囲、好ましくは0〜70℃の範囲で30分〜100時間
撹拌することによって行われる。
以上のような(B)成分の球状シリカ微粒子の組成物
中の割合は、(A)成分であるシラン化合物及び/又は
その加水分解物及び/又はその縮合物の一般式 に換算した重量100重量部に対し、20〜300重量部であ
り、好ましくは50〜200重量部である。但し、一般式 は、(A)成分が縮合反応した際の平均組成式を表わす
ものである。20重量部未満では、被膜の厚膜化が達成さ
れ難く、一方300重量部を越えると厚膜化は容易に達成
されるが被膜が不均一でもろくなり、密着性、硬度、透
明性などが悪化する。
(C)成分の親水性有機溶媒は、本発明の組成物の安
定化剤として使用されるので、主として(A)(B)成
分を均一に混合させ、かつ(A)(B)成分の濃度を調
整すると同時に、種々の塗装方法に適用できる作用をな
すものである。
該親水性有機溶媒としては、アルコール類又は沸点が
130℃以下の低沸点親水性有機溶媒を挙げることができ
る。アルコール類としては、例えば1価アルコール、2
価アルコールまたはグリコール誘導体を挙げることがで
き、具体例としてはメタノール、エタノール、n−プロ
ピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノ
ール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンチ
ルアルコール、n−ヘキシルアルコール、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコー
ルモノエチルエーテル等がある。また、沸点が130℃以
下の低沸点親水性有機溶媒としては、例えばアセトン、
メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどの環状エーテル類等があるが、これ
らに制限されることはない。
これら親水性有機溶媒の内、好ましくはn−プロピル
アルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノー
ル、sec−ブタノール、酢酸エチレングリコールモノエ
チルエーテルである。
これら親水性有機溶媒は1種単独又は2種以上混合し
て使用することができる。
また、これら親水性有機溶媒に酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸ブチルなどのエステル類、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベ
ンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素及び水などを任
意の割合で添加することもできる。しかしながら、
(A)成分が溶解又は分散しなかったり、(B)成分の
球状シリカ微粒子が凝集を生じる場合には、被膜が不均
一になってその透明性、硬度、密着性が低下する。特に
(B)成分の球状シリカ微粒子を混合した際、凝集がな
く分散するように親水性有機溶媒を選択すること重要
で、凝集があると被膜となった場合、最密充填しないた
め充填率が低下し、厚膜化が困難で透明性が低下する。
(C)成分の親水性有機溶媒の組成物中の割合は
(A)成分であるシラン化合物及び/又はその加水分解
物及び/又はその縮合物の一般式 に換算した重量100重量部に対し、50〜6000重量部、好
ましくは80〜3000重量部である。50重量部未満では、組
成物中の(A)(B)成分の濃度が高くなり均一な被膜
が得られず、一方6000重量部を越えると(A)(B)成
分の濃度が低下して、被膜が薄膜すぎて重ね塗りを繰り
返す必要があるので好ましくない。
なお、本発明の組成物は、そのPHを2〜6.5好ましく
は3〜6に調整することが望ましく、かかるPH調整は必
要に応じて各種の酸を組成物に添加することにより、PH
調整することも可能である。かかる酸としては、塩酸、
硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸、マレイン酸、
クロロ酢酸、クエン酸、グルタル酸、安息香酸、ジメチ
ルマロン酸などの有機酸を挙げることができる。
また、本発明の組成物には、各種レベリング剤、増粘
剤、染料、顔料、界面活性剤、チタンカップリング剤、
(A)成分に該当しない無機若しくは有機のポリマー等
の添加剤、また、被膜の硬化を促進させるために、ナフ
テン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭
酸、酢酸などのアルカリ金属塩、有機スズ化合物などを
組成物中に別途添加することも可能である。
本発明の組成物を調整するに際しては、例えば
(A)〜(C)成分を一度に混合する、(A)成分の
一般式(II)で示されるシラン化合物を(C)成分中で
加水分解するか又は加水分解後更に縮合させた後(B)
成分を混合する、(B)成分を含む(C)成分中で、
(A)成分の一般式(II)で示されるシラン化合物を加
水分解するか又は加水分解後縮合させる方法など種々の
方法がとりうるが、これらに制限されるものではない。
最終的に得られた組成物が、(A)〜(C)成分の上記
組成比を満足するものであれば良い。
本発明のコーティング用組成物は対象物であるガラ
ス、ステンレス、アルミニウム、セラミックス、セメン
ト、コンクリート、繊維、木材、紙、スレート、プラス
チックなどの基材の表面又は有機系もしくは無機系塗膜
の表面に刷毛、スプレー、ディッピング、ロールコー
ト、スピンコートなどの塗装手段を用い、20〜300℃程
度の温度で5分〜24時間程度乾燥することにより、1回
塗りで乾燥時の膜厚に換算して0.5〜10μm程度の被膜
を形成することができる。
なお、本発明の組成物は重ね塗りによって厚膜化にす
ることが可能であり、この場合には塗布、乾燥を繰り返
しても被膜にクラックなどは生じない。
〔発明の効果〕
本発明の組成物は、一般式(II)で示されるシラン化
合物を加水分解縮合することによって得られる、平均粒
子径が0.2〜10μmの範囲である球状シリカ微粒子を含
有する特定したコーティング用組成物であり、被膜にし
た場合最密充填され厚膜化が容易に達成されると同時
に、被膜は透明性、密着性、硬度、耐熱性に優れ、か
つ、水、海水、有機薬品、酸及びアルカリにおかされな
いため、屋外構造物の自然環境に対する防蝕、薬品タン
クの防蝕、プラスチックレンズのハードコート剤、及び
カラー液晶ディスプレーのカラーフィルターの保護膜な
どの広範囲の保護膜として使用することができる。
以下に参考例、実施例、試験例を掲げ、本発明を具体
的に説明するが、これらに限定されるものではない。
〔参考例〕 球状シリカ微粒子の製造 なお、粒子の形状、平均粒子径及び(C)成分の親水
性有機溶媒中における分散性は下記の方法により分析、
評価した。
・粒子形状 5万倍の電子顕微鏡観察により判定した。
・平均粒子径(d) 5万倍の電子顕微鏡撮影像の任意の微粒子300個の粒
子径を実測して、下記の式より求めた。
・分散性 得られた球状シリカ微粒子の分散性を評価するため
に、i−プロピルアルコール中に微粒子を添加し、1分
間超音波分散した後、島津(株)製光透過型遠心沈降式
粒度分布測定装置SA−CP 3により平均粒子径を測定し
た。電子顕微鏡観察による平均粒子径と比較して平均粒
子径が1.5倍以上大きい場合、凝集していると判断し
た。
参考例 1 撹拌機、滴下口、温度計を備えた2のガラス製反応
器にエタノール707.3g、28%アンモニア水275.3g、水2
4.0gを添加して混合した。該有機性溶液を20±0.5℃に
調整し撹拌しながらテトラエトキシシラン134.1gを滴下
口より1時間かけて滴下し、滴下後も1時間撹拌を続け
加水分解を行い、球状シリカ微粒子の懸濁体(S−1)
を得た。次に該懸濁体(S−1)を遠心分離し室温下で
真空乾燥して球状シリカ微粒子(P−1)を得た。その
結果を表2に示す。
参考例 2〜4 シラン化合物の種類、組成比、有機溶剤の種類、最終
溶液に対する原料濃度、反応温度を表1に示した通りと
する以外は、参考例1と同様にして、球状シリカ微粒子
(P−2〜P−4)を得た。その結果を表2に示す。
参考例 5 参考例1において得られた球状シリカ微粒子の懸濁体
(S−1)の1/10倍量を2のガラス製反応器にとり、
参考例1と同量のエタノール、28%アンモニア水、水を
添加して混合した。該有機性溶液を20±0.5℃に調整し
撹拌しながら参考例1と同量のテトラエトキシシランを
滴下し加水分解を行った。得られた懸濁体の1/10倍量を
とり、再び同様にしてテトラエトキシシランを滴下し加
水分解を行う操作をさらに2回行った。最終的に得られ
た懸濁体を遠心分離し、室温で真空乾燥して球状シリカ
微粒子(P−5)を得た。その結果を表2に示す。
比較参考例 1 撹拌機、温度計、還流冷却管を備えた200mlのガラス
製反応器にテトラエトキシシラン50g、エタノール40g、
水20gを添加して混合した。加熱しながら、内温が70℃
になった時点で、ギ酸0.5gをエタノール10gに溶解した
溶液を添加し、そのまま2時間加熱還流した。室温まで
冷却後テフロンビーカーに移し、約50℃の恒温漕中で加
熱してエタノールを除去しゲル体を得た。得られたゲル
体を乳鉢中で粉砕してシリカ粒子(P−6)を得た。
〔実施例〕 以下の実施例中、部は特に断わらない限り重量基準で
ある。
また、得られた被膜の膜厚、透明性、密着性、耐熱
性、耐水性、耐沸騰水性、耐候性、硬度、耐溶剤性、耐
酸性、耐アルカリ性、保存安定性は下記に示す方法に従
って測定した。
・膜厚:得られた被膜の断面を電子顕微鏡で観察した。
・透明性:基板及びコーティングにより被膜を作製した
基板について、600nmの光を照射した際の直線透過率を
測定して、基板の透過率を100とした時の被膜を作成し
た基板の透過率の相対値を示した。
・密着性:JIS K5400による碁盤目テープ剥離テストを
3回実施し、その平均によった。
・耐熱性:電気炉で400℃、240時間加熱後自然冷却し、
被膜の状態を観察した。
・耐水性:水道水に常温で60日間浸漬し、被膜の状態を
観察した。
・耐沸騰水性:水道水で24時間煮沸し、被膜の状態を観
察した。
・耐候性:JIS K5400により、サンシャインウエザーメ
ーターで5000時間照射試験を実施し、被膜の状態を観察
した。
・硬 度:JIS K5400による鉛筆硬度によった。
・耐溶剤性:エタノール中に1日浸漬し、水洗後被膜の
状態を観察した。
・耐酸性:10%塩酸水溶液に1日浸漬し水洗後被膜の状
態を観察した。
・耐アルカリ性:2%水酸化ナトリウム水溶液に1時間浸
漬し水洗後被膜の状態を観察した。
・保存安定性:常温においてポリエチレン製ビン中で密
栓保存する。(B)成分の微粒子は徐々に沈降し始める
が、手で軽く振って再分散させた場合、参考例に示した
分散性の評価により、ゲル化や凝集が発生した時間を測
定した。
なお、前記試験方法により測定した判定基準は下記記
号によった。
○:全く異常なし △:一部に剥離などが見られ、被膜は白色化した。
×:ほとんど又は全部が剥離し、被膜は白色化及び不均
一なものであった。
実施例 1 還流冷却管、撹拌機、温度計を備えた四つ口フラスコ
に(A)成分のメチルトリメトキシシラン40部、(C)
成分のi−プロピルアルコール24部、水16部、35%塩酸
0.02部を混合し、70℃に加熱して2時間反応させ、メチ
ルトリメトキシシランを加水分解、縮合させた後、室温
まで冷却した。得られた(A)および(C)成分の混合
液に(B)成分として参考例1で得られた球状シリカ微
粒子(P−1)を20部添加して1分間超音波分散してコ
ーティング用組成物(C−1)を製造した。該組成物
(C−1)中の各成分の割合は(A)成分を に換算した重量100部に対し(B)成分は95部であり、
(C)成分はメチルトリメトキシシランの加水分解によ
り生成したメタノールと添加したi−プロピルアルコー
ル、少量の水及び塩酸の混合物で合計236部であった。
組成比などを表3に示す。
実施例 2〜10 実施例1と同様の操作により(A)成分のシラン化合
物の種類、(B)成分の球状シリカ微粒子の種類及び
(A)成分の に換算した重量100部に対する量、(C)成分の親水性
有機溶媒の種類及び(A)成分の に換算した重量100部に対する量、並びに反応温度、反
応時間を表3に示したように変えて、コーティング用組
成物(C−2〜C−10)を製造した。なお(A)成分の
シラン化合物が加水分解されて生成した親水性有機溶媒
は(C)成分中に( )内に示し、(C)成分としての
合計量を示した。
実施例 11 (A)成分として、テトラエトキシシラン9.6部、メ
チルトリエトキシシラン45.3部、(B)成分として参考
例1で得られた球状シリカ微粒子(P−1)を15部、
(C)成分としてエタノール30部を混合してコーティン
グ用組成物(C−11)を製造した。該組成物(C−11)
中の各成分の割合は(A)成分をSiO2とCH3SiO3/2に換
算した合計重量100部に対し、(B)成分は70部であ
り、(C)成分のエタノールは152部であった。組成比
などを表3に示す。
実施例 12 還流冷却管、撹拌機、室温計、滴下ロートを備えた四
つ口フラスコに(A)成分であるメチルトリメトキシシ
ラン40部、(B)成分としての球状シリカ微粒子(日本
触媒化学工業(株)製商品名シーホスターKE−P30平均
粒子径0.28μm)20部、水16部、(C)成分としてのi
−プロピルアルコール180部及び酢酸ブチル4部を混合
し加熱して70℃になった時点で、酢酸0.1部を添加し
た。さらに70℃で1時間反応を続けメチルトリメトキシ
シランを加水分解、縮合した。室温まで冷却後コーティ
ング用組成物(C−12)を製造した。
該組成物(C−12)中の各成分の割合は(A)成分を に換算した重量100部に対し、(B)成分は97部であ
り、(C)成分はメチルトリメトキシシランの加水分解
により生成したメタノールと添加したi−プロピルアル
コール少量の水、酢酸ブチル及び酢酸の混合物で合計93
5部であった。
組成比などを表3に示す。
比較例 1〜5 実施例1と同様の操作により表4に示すように(A)
〜(C)成分の種類及び量並びに反応温度、反応時間を
変えてコーティング用組成物(C−21〜C−25)を製造
した。
試験例 1〜17 前記実施例1〜12、比較例1〜5で得たコーティング
用組成物C−1〜C−12、C−21〜C−25を75mm×75mm
×2mmのフロートガラス板上にロールコーターで塗布
し、120℃で20分間加熱して被膜とした。
その結果を表5に示す。
試験例 18〜34 試験例1〜17においてフロートガラス板に代えて75mm
×75mm×1mmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
にバーコーターで塗布し、80℃で10分間加熱して被膜と
した。その結果を表6に示す。
試験例 35〜51 試験例1〜17においてフロートガラス板に代えて75mm
×75mm×1mmのポリカーボネート板上にディッピング法
で塗布し、60℃で10分間加熱して被膜とした。その結果
を表7に示す。
試験例 52〜68 試験例1〜17においてフロートガラス板に代えて75mm
×75mm×2mmのアルミニウム板上にスピンコーターで塗
布し、150℃で30分間加熱して被膜とした。その結果を
表8に示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記に示す(A)、(B)及び
    (C)成分を含んでなり、かつそれらの組成が重量比で
    (A):(B):(C)=100:20〜300:50〜6000(但
    し、(A)成分の重量は(A)成分が縮合反応した後の
    平均組成式として示される一般式(I) (式中、Rは炭素数1〜10の有機基であり、mは0又は
    1〜3の整数である。)に換算した重量を表わす。)で
    あるコーティング用組成物。 (記) (A)親水性有機溶媒に可溶な一般式(II)RmSi(O
    R')4-m(但し、R及びmは一般式(I)に同じであ
    り、R'は炭素数1〜5のアルキル基、アシル基からなる
    群から選ばれる少なくとも一種の基である。)で示され
    るシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種
    (但し、一般式(II)においてm=2又は3で示される
    シラン化合物の単独使用は除く)及び/又はその加水分
    解物及び/又はその縮合物。 (B)一般式(II)で示されるシラン化合物からなる群
    から選ばれる少なくとも一種を塩基性触媒の存在下に加
    水分解、縮合することによって得られた平均粒子径が0.
    2〜10μmの範囲である球状シリカ微粒子。 (C)親水性有機溶媒。
  2. 【請求項2】(A)成分が一般式(II)においてm=1
    のシラン化合物及び/又はその加水分解物及び/又はそ
    の縮合物である請求項(1)記載のコーティング用組成
    物。
  3. 【請求項3】(A)成分が一般式(II)においてRがメ
    チル基である請求項(2)記載のコーティング用組成
    物。
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