JP2008017743A - 作物育成用被覆資材 - Google Patents
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Abstract
【課題】日中の透光性および夜間の保温性をバランスよく有し、日中と夜間で掛け外しを不要とする。
【解決手段】被覆資材2は、2枚の一軸延伸割繊維フィルム21を、その延伸方向が互いに直交するように積層して構成される。被覆資材2は、粒子を添加した樹脂から作られ、可視光線遮蔽率が25%以下、かつ遠赤外線遮蔽率が35%以上45%以下である。
【選択図】図1
【解決手段】被覆資材2は、2枚の一軸延伸割繊維フィルム21を、その延伸方向が互いに直交するように積層して構成される。被覆資材2は、粒子を添加した樹脂から作られ、可視光線遮蔽率が25%以下、かつ遠赤外線遮蔽率が35%以上45%以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、育成中の作物に直接または間接的に被覆する作物育成用被覆資材に関する。
農作物の育成においては、夜間の温度低下による冷害や霜害は大きな問題となる。また、昼夜の寒暖差が大きくなると、実った作物に割れなどの被害が生じることもある。夜間の温度低下は、日中は太陽で暖められた地面が夜間は熱を放射し、地表近くの空気が冷やされることによって生じる。そこで、夜間の作物およびその周囲の温度低下を抑制して昼夜の寒暖差を緩和するため、育成中の作物を被覆資材で被覆することが行われている。熱は、遠赤外線というかたちで放射されるので、被覆資材の保温性を高めるためには、遠赤外線の放出を抑えるのが有効である。
従来の被覆資材では、素材自体に赤外線を透過しにくいものを用いたり、赤外線吸収剤を添加したりすることによって、遠赤外線の放出を抑えている。赤外線を透過しにくい素材を用いた例では、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂を用いた被覆資材が特許文献1に開示されている。また、赤外線吸収剤としては、マグネシウム化合物、ハイドロタルサイト系化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物等があり、これらの中でも、樹脂中での分散性の点から、ハイドロタルサイト系化合物が多く用いられている。ハイドロタルサイト系化合物を添加した被覆資材は、例えば、特許文献2に開示されている。
特公昭62−17486号公報
特開2002−360084号公報
しかし、ポリビニルアルコール樹脂は、フィルム成形性および被覆資材への加工性が悪く、歩留まりも極めて低いため、ポリビニルアルコール樹脂からなる被覆資材を工業的に生産するためには多くの課題が残されている。
一方、被覆資材を夜間の保温だけ利用し、日中は取り外すというのでは被覆資材の掛け外し作業負担が著しく大きい。そのため、被覆資材は、日中も取り外すことなく掛けたままにしておけるものであることが望ましい。被覆資材を日中も掛けたままにしておけるようにするためには、透光性に優れていることが重要である。透光性が悪いと、作物の育成に必要な光が十分に得られなくなってしまう。しかし、赤外線吸収剤を添加した従来の被覆資材は、赤外線吸収剤を添加することによって、保温性が得られる反面、透光性が低下してしまう。したがって、結果的には日中は被覆資材を取り外す必要が生じる。
そこで本発明は、夜間の保温性に優れながらも高い透光性を有し、日中と夜間で掛け外しが不要な作物育成用被覆資材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の作物育成用被覆資材は、育成中の作物に直接または間接的に被覆する被覆資材であって、粒子を添加した樹脂から作られている。その被覆資材は、可視光線遮蔽率が25%以下、かつ遠赤外線遮蔽率が35%以上45%以下である。
本発明の作物育成用被覆資材は、上記のように可視光線遮蔽率および遠赤外線遮蔽率を規定することで、作物の育成に必要な可視光線を十分に透過すると同時に、夜間の保温性に優れたものとなる。
被覆資材を構成する樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、またはこれらの2種以上を混合した樹脂であることが好ましい。また、遠赤外線の遮断効果をより効果的に発揮するためには、添加されている粒子は、0.4μm以上の粒径を有する粒子の数が全粒子数の90%以上となる粒径分布を有していることが好ましい。
被覆資材の好ましい形態としては、樹脂から作られて一方向に延伸された複数のネット状フィルムを、延伸方向が互いに直交するように積層してなるものや、樹脂から作られて一方向に延伸された複数のテープまたは複数のヤーンを、延伸方向が互いに直交するように組み合わせられてなるものが挙げられる。
本発明によれば、作物を被覆した状態で、日中は可視光線を十分に透過し、かつ夜間は温度低下を抑制することができる。したがって、昼夜にわたって作物を被覆資材で被覆したままにしておくことができ、その結果、被覆資材の掛け外しといった作業者の作業負担を大幅に軽減することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による被覆資材の平面図であり、図2は、図1に示すネット状資材を構成する一軸延伸割繊維フィルムの部分斜視図およびその拡大図である。
本実施形態の被覆資材2は、育成中の作物に直接または間接的に被覆するのに用いられ、2枚の一軸延伸割繊維フィルム21を、その延伸方向を互いに直交させて積層して構成されている。一軸延伸割繊維フィルム21は、一方向に延伸され、しかもネット状の構造を有しているので、少ない量の材料で延伸方向に高い引張強度を有する。したがって、2枚の一軸延伸割繊維フィルム21をその延伸方向を直交させて積層することで、被覆資材2は、その互いに直交する方向(例えば縦方向と横方向)の強度バランスに優れている。
次に、一軸延伸割繊維フィルム21について説明する。
一軸延伸割繊維フィルム21は、図2(b)に示すように、第1の熱可塑性樹脂からなる層21aの両面に、第1の熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂からなる層21bを積層した層構成を有する。そして構造的には、図2(a)に示すように、互いに平行に延びた複数の幹繊維23と、幹繊維23に対して交差して延び、隣接する幹繊維23同士を繋ぐ枝繊維24とを有して構成される。
第2の熱可塑性樹脂からなる層21bの厚みは、一軸延伸割繊維フィルム21全体の厚みの50%以下、望ましくは40%以下である。一軸延伸割繊維フィルム21の熱圧着時の接着強度等の諸物性を満足させるためには、第2の熱可塑性樹脂からなる層21bの厚みは5μm以上であればよいが、好ましくは10〜100μmの範囲から選択される。
一軸延伸割繊維フィルム21の製造方法としては、例えば、以下に示すような方法が挙げられる。
まず、多層インフレーション法あるいは多層Tダイ法などの押出成形により、第1の熱可塑性樹脂からなる層21aの両面に第2の熱可塑性樹脂からなる層21bが積層された3層構造の原反フィルムを製造する。次いで、この原反フィルムを縦方向(図3に示すL方向)に延伸し、図3に示すように、原反フィルム20に、縦方向に千鳥掛けに、スプリッターを用いて割繊(スプリット処理)するか、または熱刃によりスリット処理を施して多数の平行なスリット20aを形成する。そして、スリット20aを形成した原反フィルム20を、スリット20aの方向と直交する方向に拡幅する。これにより、図2(a)に示すような、幹繊維23がほぼ縦方向に配列された一軸延伸割繊維フィルム21が得られる。
延伸倍率(配向倍率)は、1.1〜15倍が好ましく、より好ましくは3〜10倍である。延伸倍率が1.1倍未満では、機械的強度が十分でなくなるおそれがある。一方、延伸倍率が15倍を超えると、通常の方法で延伸することが難しく、高価な装置を必要とするなどの問題が生じる。延伸は、多段で行うことが延伸むらを防止するために好ましい。
以上のようにして作製された一軸延伸割繊維フィルム21を、幹繊維23が互いに直交するように2枚重ね合せ、これを加熱して融着することにより、図1に示したような被覆資材2が得られる。熱融着に際しては、重ね合わせた2枚の一軸延伸割繊維フィルム21を、対向配置された一対の加熱シリンダ間に供給し、幅方向の収縮が生じないように固定しながら、しかも第1の熱可塑性樹脂からなる層21aの延伸効果が失われないように、第1の熱可塑性樹脂の融点以下で、かつ第2の熱可塑性樹脂の融点以上の温度で熱融着を行う。
幹繊維23を直交させるためには、2枚の一軸延伸割繊維フィルム21のうち一方は、そのまま供給することができるが、もう一方は、それと直角な方向から、製造すべきネット状資材2の幅と同じ長さに切断してタイル状として間欠的に供給する。そのため、図1に示した被覆資材2では、一定の間隔ごとに、タイル状とした一軸割繊維フィルム21の継目が存在する。
被覆資材2は、可視光線遮蔽率が25%以下であり、かつ、遠赤外線遮蔽率が35%以上45%以下であるように作製されている。
本実施形態では、粒子を添加した樹脂で一軸延伸割繊維フィルム21を作製することによって、上記の可視光線遮蔽率および遠赤外線遮蔽率の双方をバランス良く満たした被覆資材2を得ている。添加する粒子には、一般的に赤外線吸収剤として用いられる無機化合物を用いることができ、本発明においては特に粒径分布が重要である。具体的には、添加されている粒子は、0.4μm以上の粒径を有する粒子の数が、全粒子数の90%以上を占めているという粒径分布をもっている。これによって、可視光線遮蔽率および遠赤外線遮蔽率が上記の範囲を満たす被覆資材2を良好に得ることができる。なお、樹脂に添加する粒子の粒径の最大値は、原材料から被覆資材2への加工性等を考慮して適宜決定することができるが、特に延伸加工性等を考慮すると5μm以下であることが望ましい。また、粒子の添加量は、被覆資材2の開口率に応じて適宜調整すればよい。また、粒子は、一軸延伸割繊維フィルム21を構成する各層21a,21bのうち少なくとも1層に添加されていればよい。
可視光線は、作物が光合成を行ううえで必要である。可視光線遮蔽率が25%を超えると、作物が発育障害を起こすおそれがあるため、日中に被覆資材2を取り外さなければならなくなる。本発明において、可視光線遮蔽率とは、波長が0.4μm〜0.8μmの領域での遮蔽率の平均値をいう。
遠赤外線遮蔽率は、被覆資材2の保温性能に影響を及ぼし、その値は粒子の添加量を増やすほど高くなる。夜間の温度低下を抑制するという点では、遠赤外線遮蔽率の値は高ければ高いほど好ましく、作物育成の用途では35%以上であることが必要である。遠赤外線遮蔽率が35%未満では、夜間の保温性能が十分ではなく、作物に被害が生じるおそれがある。しかし、遠赤外線遮蔽率を高くしすぎる、すなわち粒子の添加量を多くしすぎると、可視光線遮蔽率が高くなってしまう。そのため、可視光線遮蔽率を考慮すると、遠赤外線遮蔽率は45%以下とされる。本発明において、遠赤外線遮蔽率とは、波長が15μm〜25μmの領域での遮蔽率の平均値をいう。
以上の範囲に可視光線遮蔽率および遠赤外線遮蔽率を規定することで、被覆資材2は、日中は作物の育成に必要な可視光線を十分に透過し、かつ、夜間は被覆している作物の温度低下を抑制することができる。したがって、被覆資材2を取り外すこと昼夜にわたって被覆したままとすることができるので、作業者が被覆資材2を掛けたり外したりするといった作業負担を大幅に軽減することができる。
このような、可視光線を透過しながら良好な保温性を有する被覆資材2は、作物の育成段階で、冷害や霜害への対策が必要な場合に使用することで、必要な光を与えながら保温ができ、今までになく効率よく作物を育成できるようになる。また、可視光線を十分に透過するので、被覆資材2を作物育成用のハウスの周囲に被覆して使用する場合も、ハウスの中が暗くならず、ハウス内での作業の妨げにならない。
さらに、被覆資材2は、作物の育成に必要な通気性および透水性を有することも重要である。本実施形態では、被覆資材2はネット状に形成されているので十分な通気性および透水性を有している。
上述した形態では、被覆資材2に好適に用いられる素材として一軸延伸割繊維フィルム21を例に挙げて説明したが、一軸延伸割繊維フィルム21に類似した構造のフィルムとして一軸延伸スリットフィルムがある。この一軸延伸スリットフィルムも本発明に好ましく用いることができる。以下に、一軸延伸スリットフィルムについて説明する。
図4(a)には、本発明に好ましく用いられる一軸延伸スリットフィルム25が示される。一軸延伸スリットフィルム25は、図2(a)に示した一軸延伸割繊維フィルム21を製造するのに用いたのと同じ構造の原反フィルムから作ることができる。すなわち、一軸延伸スリットフィルム25は、図4(b)に示すように、第1の熱可塑性樹脂からなる層25aと、その両面に積層された、第1の熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂からなる層25bとで構成される。
そして、原反フィルムを、横方向(図4(a)に示す矢印T方向)に千鳥掛けに割繊またはスリット処理し、これを横方向に延伸し、スリットを縦方向に目開きさせる。これによって、一軸延伸スリットフィルム25が得られる。前述したのと同様、継目が存在することにはなるが、図4(a)に示した一軸延伸スリットフィルム25を、その延伸方向が直交するように積層して、縦方向および横方向の強度バランスに優れた被覆資材を得ることができる。
被覆資材に継目が存在することが好ましくない場合は、図2(a)に示す一軸延伸割繊維フィルム21と、図4(a)に示す一軸延伸スリットフィルム25とを、互いの縦方向を一致させて積層する。これにより、一軸延伸割繊維フィルム21と一軸延伸スリットフィルム25とをそのまま連続的に供給して両者を熱融着し、継目のないネット状資材とすることができる。
一軸延伸割繊維フィルム21と一軸延伸スリットフィルム25とを積層した被覆資材とする場合、一軸延伸割繊維フィルム21および一軸延伸スリットフィルム25を予め作製しておき、これらをロール状に巻いた状態から繰り出しながら積層することができる。あるいは、一軸延伸割繊維フィルム21および一軸延伸スリットフィルム25の一方のみを予め作製しておき、これを他方の製造ライン上に供給して両者を積層することもできる。後者の方法によれば、ネット状資材の製造工程を簡略化することができ、ネット状資材をより低コストで提供することができる。
また、上述した例では、縦方向および横方向に高い機械的強度を持たせるために2枚のフィルムを積層した例を示したが、一軸延伸割繊維フィルム21および一軸延伸スリットフィルム25は、それ自身がネット状の構造を有しているので、一方向のみに高い機械的強度を有していれば十分な用途においては、1枚の一軸延伸割繊維フィルム21または一軸延伸スリットフィルム25のみで被覆資材とすることもできる。さらには、必要に応じて3枚以上積層することもできる。
また、上述した例では、フィルム自身がネット状の構造を有していたが、熱可塑性樹脂からなる一軸延伸テープを組み合わせてネット状としたり、熱可塑性樹脂から紡糸した延伸ヤーンを組み合わせてネット状としたりすることもできる。その一例として、図5および図6は、一軸延伸多層テープ28を用いた被覆資材27、29を示す。これら被覆資材27,29は、いずれも図2(a)に示した一軸延伸割繊維フィルム21を製造するのに用いたのと同様の原反フィルムを1.1〜15倍、好ましくは3〜10倍に延伸した後、延伸方向に沿って2〜7mmの幅で裁断した一軸延伸多層テープからなる。原反フィルムの裁断は延伸前であってもよい。図5に示す被覆資材27は、複数の一軸延伸多層テープ28を一定の間隔をあけて平行に並べ、それを一軸延伸多層テープ28の長手方向が直交するように2層に積層したものである。図6に示す被覆資材29は、この一軸延伸多層テープ28を縦横に織成したものである。
以上、本発明について好ましい実施形態を例に挙げて説明したが、本発明の被覆資材は、可視光線遮蔽率および遠赤外線遮蔽率が上述した所定の範囲を満たしていれば、その構造は任意である。ベースとなる樹脂についても特に限定されるものではない。本発明の被覆資材のベースとなる樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などを、単独で、または2種以上を混合した樹脂が挙げられる。
本発明の被覆資材による作物の被覆形態については特に限定されず、作物を直接被覆する、いわゆる「べたがけ」と呼ばれる方法や、作物育成用のハウス内でカーテンのように吊り下げたりハウスの屋根や周囲に掛け渡したりするなど作物を間接的に被覆する方法など、任意の方法で被覆することができる。さらに、被覆資材の性能を損なわない範囲で、上述した粒子の他に、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、ブロッキング防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤などの添加剤を必要に応じて添加してもよい。
次に、本発明の具体的な実施例について比較例とともに説明する。
まず、ネット状の被覆資材として以下に示すA〜C群のサンプルを用意した。
(A群):白色系無機化合物(酸化チタン)を添加したポリエチレン樹脂から、図1に示す構造を有する被覆資材を作製した。添加した粒子は、前述した粒径分布を持つ粒子とした。また、添加した粒子の最大粒径は4μm未満であった。添加物の添加量を変えて実施例1〜3とした。
(B群):A群と同じ樹脂および添加物を用い、添加物の添加量を変えることによって、遠赤外線遮蔽率を高くした被覆資材(比較例1)および可視光線遮蔽率を高くした被覆資材(比較例2)を作製した。
(C群):市販されている4種類の被覆資材をC群として用意した。用意した被覆資材は、ポリビニルアルコール樹脂製ネット状フィルムである「タフベル」(登録商標、アイオン(株)製、比較例3)、アルミニウム化合物を添加したネット状フィルムである「ふあふあ」(登録商標、ダイヤテックス(株)製、比較例4)、白色系化合物を添加したネット状フィルムである「クールホワイト」(ダイオー化成製、比較例5)、および有機系化合物を添加したネット状フィルムである「メガクール」(登録商標、MKVプラテック(株)製、比較例6)である。比較例4〜6のベース樹脂はポリエチレン樹脂であった。
実施例1〜3および比較例1〜6について、以下の事項を測定および評価した。
〈可視光線遮蔽率〉
(株)島津製作所製自記分光光度計(型式:UV−3101PC)を用いて測定した。
(株)島津製作所製自記分光光度計(型式:UV−3101PC)を用いて測定した。
〈遠赤外線遮蔽率〉
日本分光(株)製フーリエ変換赤外分光光度計(型式:FT/IR−430)を用いて測定した。
日本分光(株)製フーリエ変換赤外分光光度計(型式:FT/IR−430)を用いて測定した。
〈フラジール通気度〉
カトーテック(株)製フラジール通気度計を用いて測定した。
カトーテック(株)製フラジール通気度計を用いて測定した。
〈保温性〉
地表面から3cmの深さに温度センサを設置し、それを各サンプルで被覆し、一昼夜の温度差を測定した。保温性能は、被覆しなかった場合の温度差との比較(被覆した場合の温度差−被覆しなかった場合の温度差)で、表1に示す基準で評価した。
地表面から3cmの深さに温度センサを設置し、それを各サンプルで被覆し、一昼夜の温度差を測定した。保温性能は、被覆しなかった場合の温度差との比較(被覆した場合の温度差−被覆しなかった場合の温度差)で、表1に示す基準で評価した。
〈加工性〉
原材料から被覆資材へ加工するまでの歩留まりが90%以上である場合は○、90%未満である場合は×として評価した。
原材料から被覆資材へ加工するまでの歩留まりが90%以上である場合は○、90%未満である場合は×として評価した。
以上の各項目の測定結果および評価結果を表2に示す。
一方、比較例1は、実施例1〜3と同じ材料から形成したものの、遠赤外線遮蔽率が低く、保温性が優れなかった。比較例2も、実施例1〜3と同じ材料で形成したものであるが、比較例1とは逆に可視光線遮蔽率が高すぎたため、日中に可視光線を十分に与えるために被覆資材を取り外す必要があり、作業性が悪かった。
比較例3は、粒子を添加せず、原材料の性質のみで遠赤外線を遮蔽する性能を付与したものであるが、実施例1〜3のような十分な遠赤外線遮蔽効果は得られなかった。比較例4〜6は、遠赤外線遮蔽効果が高く十分な保温性が得られたものの、可視光線遮蔽率が非常に高く、日中に可視光線を十分に与えるために被覆資材を取り外す必要があり、作業性が悪かった。
2,27,29 被覆資材
21 一軸延伸割繊維フィルム
25 一軸延伸スリットフィルム
28 一軸延伸多層テープ
21 一軸延伸割繊維フィルム
25 一軸延伸スリットフィルム
28 一軸延伸多層テープ
Claims (5)
- 育成中の作物に直接または間接的に被覆する被覆資材であって、
粒子を添加した樹脂から作られ、
可視光線遮蔽率が25%以下、かつ遠赤外線遮蔽率が35%以上45%以下である、作物育成用被覆資材。 - 前記樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、またはこれらの2種以上を混合した樹脂である、請求項1に記載の作物育成用被覆資材。
- 添加されている前記粒子は、0.4μm以上の粒径を有する粒子の数が全粒子数の90%以上となる粒径分布を有している、請求項1または2に記載の作物育成用被覆資材。
- 前記樹脂から作られて一方向に延伸された複数のネット状フィルムを、延伸方向が互いに直交するように積層してなる、請求項1から3のいずれか1項に記載の作物育成用被覆資材。
- 前記樹脂から作られて一方向に延伸された複数のテープまたは複数のヤーンを、延伸方向が互いに直交するように組み合わせてなる、請求項1から3のいずれか1項に記載の作物育成用被覆資材。
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