JP2017086042A - 農業用シート - Google Patents

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Takatoshi Shijumiya
隆 俊 四十宮
江 清 隆 入
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江 清 隆 入
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Daisuke Goto
藤 大 介 後
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Abstract

【課題】農業用のマルチシートとして必要な、高い耐久性を有するとともに、高い遮水性を有しながら透湿性および通気性を有し、併せて、防汚性に優れ、高い光反射性能を維持できる農業用シートを提供する。
【解決手段】基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成される補強樹脂層とを、少なくとも備える農業用シートであって、前記基材は、ポリプロピレン系樹脂と、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれか一方又は両方を含んでなり、空隙率が35%以上60%以下であり、且つ、厚みが30μm以上90μm以下であり、前記基材は、一軸延伸シートである内層の両側に一対の外層を積層した積層シートであり、前記積層シートは、前記一軸延伸シートの延伸方向と垂直の方向を延伸方向とした延伸シートである、ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、農作物のマルチ栽培において土壌環境のコントロールのために地面を被覆するシート材(以下農業用シートと略称する)に関する。特に、ミカンなどの柑橘類、桃、及び柿などの落葉果樹類および野菜類のマルチ栽培に適した農業用シートに関する。
最近、果実、野菜および花等の農作物の国外から自由化要求が高まり、農作物の高品質化および差別化等が図られている中でマルチ栽培の技術が注目されている。マルチ栽培とは、栽培時の天候に影響されることなく良質の農作物を得るために栽培土壌(地面)の状態をコントロールする栽培方法をいう。マルチ栽培においては、樹木の根が伸びている地面を農業用シート材で被覆することによって栽培土壌(地中)の状態のコントロールを行う。
1950年代から農作物の栽培環境を制御するために、種々のマルチ栽培用のフィルム材である農業用シート(マルチフィルム、又は、マルチシートとも称する)が用いられるようになってきた。その後、1970年代に至って反射機能を有するマルチフィルムの開発が始まった。
例えば、果樹の栽培において、果実の糖度を向上させるためには、雨水の土壌への浸透を防ぐと共に、土壌中の水分を蒸散させて、土壌を適度な乾燥状態に保つことが重要である。また、樹勢の低下を防ぐためには、土壌中の炭酸ガスを外気中に放出することが重要である。さらに、果実の着色の促進のためには、太陽光線を地上で拡散反射させてこれを果樹に照射することが重要である。
そのようなところから、遮水性、透湿性、及び通気性を有し、併せて太陽光線を拡散反射することを可能とするフィルムないしシートを樹木周囲の地表に敷いて、栽培土壌(地中)の水分量、炭酸ガス濃度、及び樹木への太陽光の照射を制御するための農業用シートとして、マルチフィルムないしマルチシートと呼ばれる農業用シートが開発されている。
今日、これらの反射機能を有する農業用シートとしては、白色の防水性シート、防水性シルバーポリフィルム、白色の防水性・透湿性不織布シート、防水性アルミ蒸着シート等が用いられている。たとえば、柑橘類のマルチ栽培においては、ポリエチレンや塩化ビニル系樹脂からなるシルバー又は黒の不透明シート、または無色透明シート等が農業用シート材として使用されている。桃のマルチ栽培においては、ポリエチレンや塩化ビニル系樹脂にアルミ箔を蒸着したシルバーシート等が用いられている。
例えば、特許文献1にはマルチシートとして、長繊維不職布からなる不職布シート表面の少なくとも一部に光反射性の樹脂層を形成して、光反射率を所定以上にした光反射性マルチシートが記載されている。引用文献1によれば、このような光反射性マルチシートを農業用シートとして用いることにより、土壌への光透過が抑制されて除草効果があるとともに、夏期の地温上昇を抑えることができるとされている。
これらの中の不織布シートは針によって穴を開けたものではなく、不織布における繊維間の間隙を利用したものである。したがって、遮水性や透湿性を正確に制御することが困難である。また、不織布であるために物理的強度が劣る。このためにこのシート上で作業し、農業機械が走行すると、シートの強度が低いために耐用年数が短くなる問題がある。また、不織布シートを用いた農業用シートや防草シート等は、汚れの除去性が低く防汚性に劣ることから、一度汚れが付着してしまうと、その汚れのために光反射性も低下してしまうといった問題があった。
そのため、透湿性を有するような樹脂シートをマルチシートとして使用することも提案されている。例えば、特許文献2および特許文献3等には、オレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂に、炭酸カルシウム等の充填剤を配合したものを原料としてフィルム化することにより透湿性のある多孔質フィルムを得ることができ、マルチ栽培用のシートとして利用できることが提案されている。
特開2003−333940号公報 特開平3−280816号公報 特開平4−166022号公報
しかしながら、特許文献2、及び特許文献3に記載されているようなプラスチックフィルム製のシートは、水を通さないが同時に通気性、透湿性が十分であるとは言えず、地中から蒸発する水分(水蒸気)および炭酸ガスの透過が不十分であることが知られている。このように樹木の根が伸びている地面からの水分の蒸発および炭酸ガスの放出が阻害された場合、樹木を弱らせることとなる。そこで、これらプラスチック製のシートを、雨天時には樹木の根が伸びている地面を覆うように敷き、晴天時には取り除くか又は該地面を露出するようにめくる必要がある。しかし、この作業を収穫時まで天候に応じて繰り返すことには天候の予測がむずかしいこともあって著しく作業性に欠けるという問題があった。
また、充填剤を大量に含んだ多孔質フィルムは、単独では耐久性がなくシート上で作業時や経時で破れ易い問題があった。
すなわち、本発明の課題は、従来のプラスチックフィルム製の農業用シートにおける上述した問題を解決し、高い耐久性を有するとともに、高い遮水性を有しながら透湿性および通気性を有するなど農業用シート材に要求される全ての特性に優れ、併せて、防汚性に優れ、高い光反射性能を維持できる、農業用シートを提供することにある。
本発明による農業用シートは、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成される補強樹脂層とを、少なくとも備える農業用シートであって、
前記基材は、ポリプロピレン系樹脂と、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれか一方又は両方を含んでなり、空隙率が35%以上60%以下であり、且つ、厚みが30μm以上90μm以下であり、
前記基材は、一軸延伸シートである内層の両側に一対の外層を積層した積層シートであり、
前記積層シートは、前記一軸延伸シートの延伸方向と垂直の方向を延伸方向とした延伸シートである、ことを特徴とする。
本発明の実施態様によれば、前記内層と前記外層は、同じ樹脂からなるものであってもよい。
また、本発明の実施態様によれば、前記基材を構成する前記ポリプロピレン系樹脂が、エチレン−αオレフィン共重合体であってもよい。
また、本発明の実施態様によれば、前記外層の算術表面粗さRaが0.2〜0.8μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明の実施態様によれば、前記農業用シートの基材側の、波長780〜2100nmの近赤外領域における反射率が85%以上であることが好ましい。
また、本発明の別の実施態様による農業用シートの製造方法は、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成される補強樹脂層とを、少なくとも備える農業用シートを製造する方法であって、
ポリプロピレン系樹脂と、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれか一方又は両方を含んでなる樹脂組成物を溶融押出により製膜して、樹脂膜を形成し、
前記樹脂膜を一軸延伸して、一軸延伸シートである内層を形成し、
前記内層の両面に、前記樹脂組成物から形成された外層を設けて積層シートとし、
前記積層シートを、前記一軸延伸シートの延伸方向と垂直の方向に延伸し、
前記延伸された積層シートの少なくとも一方の面に、補強樹脂層を設ける、
ことを含んでなることを特徴とする。
本発明の農業用シートによれば、農業用のマルチシートとして必要な、高い耐久性を有するとともに、高い遮水性を有しながら透湿性および通気性を有し、併せて、防汚性に優れ、高い光反射性能を維持できる。
図1は、本願発明の農業用シートを、その一実施形態で説明する概念図(断面図)である。 図2は、本発明の農業用シートにおける水蒸気および炭酸ガスの移動の状態を示す説明図である。 図3は、本発明の農業用シートにおける水分(雨水)の遮水の状態を示す説明図である。
以下、本願発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。また、本願発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本願発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本実施形態において、遮水性とは、液体としての水の通過を妨げる性質を指し示す用語として用いている。また、透湿性とは、気体としての水すなわち水蒸気の通過させやすい性質を指し示す用語として用いている。さらに、通気性とは、二酸化炭素をはじめとする気体を通過させやすい性質を指し示す用語として用いている。
本実施形態による農業用シート1を、図1に示す一実施形態を参照して説明する。
本実施形態の農業用シート1は、基材12と、前記基材12の少なくとも一方の面に形成される補強樹脂層11とを、少なくとも備える農業用シート1である。前記基材12は、ポリプロピレン系樹脂と、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれか一方又は両方を含有し、空隙率が35%以上60%以下であり、且つ、厚みが30μm以上90μm以下である。また、基材12は、内層14の両面に一対の外層15,16を積層した積層シートからなる。積層シート(基材12)を構成する内層14は、ポリプロピレン系樹脂と、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれか一方又は両方を含有する樹脂組成物を製膜して得られた一軸延伸シートからなり、外層は、当該一軸延伸シート(内層)の両面に、樹脂組成物を製膜したシートを積層することにより形成されたものである。積層シート(基材12)は、一軸延伸シート(内層)とその両面に設けられた未延伸の樹脂シートの積層体を、一軸延伸シートの延伸方向と垂直の方向に延伸したものである。
また、本発明の農業用シート1においては、基材12と補強樹脂層11の接着強度をより向上させる目的で、基材12の補強樹脂層11と積層する面にアンカーコート層13が設けられていてもよい。即ち、表面から順に基材12とアンカーコート層13と補強樹脂層11とが積層された層構成としてもよい。以下、農業シートを構成する各層について説明する。
[基材]
本実施形態における基材12は、ポリプロピレン系樹脂を含み、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれか一方又は両方を含有し、空隙率が35%以上60%以下であり、且つ、厚みが30μm以上90μm以下である。
本実施形態の基材12は、微細な空隙を含有し、その空隙率が、35%以上60%以下とすることで、雨水は通さないが水蒸気やガスを透過する材料となる。
空隙の大きさは、平均径が1μm以上50μm以下の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは2μm以上40μm以下の範囲にあり、更に好ましくは5μm以上30μm以下の範囲にある。
空隙の大きさは、基材12の積層方向または積層面における任意の断面の空隙の径である。基材12の空隙の平均径が1μm以上、50μm以下の範囲にあることにより、基材の透湿性とシートの強度を両立させることができる。なお、空隙の存在により、農業用シートに入射した光は、空隙界面での光散乱により、高い光反射率を有する農業用シートとなるが、上記のような平均径の空隙を基材12に設けることにより、可視光(450nm〜780nm)の領域のみならず、近赤外光(780〜2100nm)の領域での光反射率を高くすることできる。その結果、本発明の農業シートは、熱線としての近赤外線を効率良く反射できる。本発明の農業用シートは、地温の上昇を抑制する効果も併せ持つため、例えば夏場に根腐れを起こすような農作物を栽培する場合にも好適に使用することができる。
なお、空隙の形状は、円状、楕円状等様々であるが、それぞれの空隙の最大径(L)とそれに直角な方向の最大の径(M)を測定して平均したもの[(L+M)/2]をそれぞれの空隙の平均径とする。少なくともn個(nは1以上の整数)の空隙を選び繰り返して測定し、その平均値を平均径とする。
空隙の径の測定方法は、試料より任意の一部を切り取り、エポキシ樹脂などで包埋してミクロトーム等で切断後、試料台に貼り付けて、観察面に金または金−パラジウム等を蒸着し、試料の断面を、例えば、(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡S−2400等を使用して観察しやすい任意の倍率にて表面の空隙形状を観察することで測定する。
本実施形態においては、空隙の大きさは、充填剤の添加量、得られた熱可塑性樹脂シートを延伸する際の延伸倍率および延伸温度等を適宜調整することにより、所望の平均径の範囲とすることができる。
基材12を構成する熱可塑性樹脂材料としては、プロピレン系樹脂が、耐熱性、耐水性、耐薬品性、コスト面の面から好ましく用いることができる。かかるプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体でありアイソタクティックないしはシンジオタクティック及び種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1等のαオレフィンを共重合体させた樹脂が好ましく使用される。これらの共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
本実施形態においては、基材12の厚みは30μm以上90μm以下の範囲である。このような基材12の厚みとすることで農業用シート1として扱うに十分な柔軟性があり、かつ強度も保持されるので好ましい。
基材12の厚みが30μmより薄いと、農業用シート1としての剛性がなく、強度に欠け、また、反射性が落ちるので好ましくない。また、基材12の厚みが90μmを超えると農業用シートとして柔軟性に欠け、また重量感が増すためにハンドリングが悪く、農業作業者が地面に敷き詰める作業に負担が大きくなるため好ましくない。汎用のポリエチレン製マルチシートでは通常15μm以上20μm以下であり作業効率は軽ければ軽いほど良い。また、90μmを超えると基材12の使用樹脂量が多くなるために、コスト的に高価となってしまうため好ましくない。
また、後述するように、基材12は、樹脂組成物を溶融押出して製膜した後に一軸延伸を行って内層14となし、内層14の両面に未延伸の樹脂シートからなる外層15,16を設けて積層物とした後に、積層物を内層の一軸延伸方向とは垂直の方向に延伸したものである。このような延伸処理を施した積層シートを基材として用いることにより、農業用シートとしての強度を確保できるとともに、防汚性能を著しく向上させることができる。この理由は明らかではないが、以下のように考えられる。即ち、ポリプロピレン系樹脂と、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれか一方又は両方を含む樹脂組成物を溶融押出して製膜した後に、延伸処理を行うことにより空隙を形成することができるが、従来の農業用シートでは、シート表面に存在する空隙の存在により、シートの表面平滑性が損なわれ、そのため、シート表面が一度汚れると、洗浄しても、表面に付着した汚れを除去しきれなかった。そのため、未使用の農業用シートは光反射率が高くても、一度使用して汚れが付着すると光反射率が低下してしまい、農業用シートを洗浄しても、高い光反射率を維持することはできなかった。
本発明においては、後記するように、空隙を有する内層の両面に、同じ樹脂組成物からなる外層を設けて積層シートとし、更に延伸処理を行うことにより、内層表面の凹凸を外層により吸収し、農業用シートの表面(即ち、外層16の表面)を内層よりも平滑にすることができる。その結果、従来と比較して格段に防汚性が向上した農業用シートとすることできる。そのため、本発明による農業用シートは、使用により表面が汚れても、洗浄することにより、高い光反射率を維持することができる。
(無機系充填剤、有機系充填剤)
本実施形態の基材12に用いる無機系充填剤および有機系充填剤は、延伸によりフィルムに空隙を発生させる目的で使用するもので、充填剤の種類は特に限定されない。また、基材12の反射率を向上する目的を兼ねる場合もある。
無機系充填剤としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレイ、タルク、酸化珪素、珪藻土、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、などが挙げられ、これらは脂肪酸等で表面処理されていてもよい。中でも、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレイ、タルクが、安価で成形性が良く好ましい。
無機系充填剤の粒径は、通常0.01μm以上15.00μm以下、好ましくは0.01μm以上8.00μm以下のものが使用できる。なお、「平均粒子径」とは、体積基準で測定した粒径分布の統計的平均値として定義され、公知の粒子径分布測定装置(例えば、商品名「LA−920」、株式会社堀場製作所製)によって測定された値を意味する。
有機系充填剤としては、主成分である熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂を選択することが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、メラミン、ポリエチレンサルファイト、ポリイミド、ポリエチルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイト、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリメチルメタクリレート、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等で、融点が120℃〜300℃、ないしはガラス転移温度が120℃〜280℃を有するものを挙げることができる。
上記の無機系充填剤または有機系充填剤の中から一種を選択してこれを単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれか一方又は両方の含有量は1質量%以上65質量%以下であることが好ましく、2質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。含有量が65質量%を越えると、縦延伸後に行う横延伸時に基材12が破断し易くなるため好ましくない。
本実施形態の基材12には、必要に応じて結露を防ぐために、非イオン性界面活性剤(例えばグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロックポリマーなど)、陰イオン性界面活性剤(例えば、スルホン酸塩<Na、K、アンモニウム>、アルキルベンゼンスルホン酸塩など)あるいは両イオン性界面活性剤などから1種あるいは複数種を混合して添加することができる。
また、滑剤として、流動パラフィン、合成パラフィン、マイクロクリスタリンワックスなどの脂肪族炭化水素、直鎖アルコールのステアリン酸エステル、高級脂肪酸アマイドなどの滑剤を適宜に選択して添加することができる。
(空隙率)
本実施形態の基材12は、空隙率が35%以上60%以下である。ここで空隙率とは、基材12中に占める空隙の割合を示しており、下記式1により算出できる。
空隙率(%)={(ρo−ρ)/ρo}×100・・・(式1)
上式中、ρoは、基材12の真密度を示し、ρは基材12の密度(JIS P 8118に準拠)を示すが、延伸前の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度は延伸前の密度にほぼ等しくなる。また、ここでの空隙率とは、内層と外層とを積層した積層シート(基材)全体に占める空隙の割合を示す。
本実施形態で使用される基材12は、上式で算出された空隙率が35%以上であることで、菌を通さないが、水蒸気やガスを透過する滅菌用包装材料としての機能を発現する上で好ましく、60%以下であることが、農業用シート1としての強度を保持する上で好ましい。空隙率が35%未満であると、透湿度が悪くなるため農業用シート1として使用できず、60%を超えると、農業用シート1としての強度が不足する傾向にあるため好ましくない。空隙率は、より好ましくは、40%以上58%以下である。
本実施形態の基材12は、JIS Z 8722に準拠して測定した不透明度が70%〜100%であることが好ましい。70%未満では紙状の外観を視認出来ず農業用シートとした際の反射率が低下するため好ましくない。
基材12の密度は0.50g/cm3以上0.90g/cm3以下であることが好ましい。
(基材の製造方法)
基材12を構成する積層シートの製造方法に関しては特に限定されず、公知の製造方法が用いられる。例えば、先ず、共押し出しにより複数の押出機により溶融した樹脂組成物をフィードブロックまたはルチマニホールドにより一台のダイで製造して樹脂膜(内層14)を形成する。続いて、樹脂膜を、熱可塑性樹脂であるポリプロピレン系樹脂の融点以下の温度にて延伸する。延伸は、例えば、縦方向一軸延伸、縦方向一軸多段延伸、横方向一軸延伸などの一軸延伸を行う。樹脂膜を延伸することにより、無機系充填剤または有機系充填剤と熱可塑性樹脂の界面で剥離が起こり、これが延伸により伝播し拡大することで微細な空隙が形成される。
また、内層14を構成する無機系充填剤および有機系充填剤を含む樹脂組成物を押出機を用いて成膜し、樹脂膜から充填剤を除去した後に樹脂膜を延伸することにより内層14に空隙を形成してもよい。樹脂膜から充填剤を除去する際には、液体などが用いられる。
使用する液体は、熱可塑性樹脂シート中の充填剤の種類に応じて適宜選択されるが、充填剤が炭酸カルシウム等の本質的に酸に溶解するものである場合には、酸性水溶液を用いることができる。充填剤を除去する方法としては、液体を樹脂膜にシャワー状に浴びせる方法、液体を入れた槽に樹脂膜を浸漬する方法等が挙げられる。
液体により充填剤を除去する方法は回分式でも連続式でもよいが、生産性の観点から連続式が好ましく、例えば、2つ以上のロールを中に配置した槽に液体を入れ、回転する前記ロールにより、樹脂膜を搬送し液体中を通過させる方法が挙げられる。
液体が酸性またはアルカリ性水溶液である場合には、充填剤が除去された樹脂膜をさらに水で洗浄することが好ましい。樹脂膜を洗浄する場合には、通常は樹脂膜に溶解した塩等が析出してこない程度まで樹脂膜を洗浄すればよい。
基材を構成する内層14を上記のようにして形成した後、内層14の両面に外層15,16を設けて積層シートとする。外層15,16は、内層14に使用した樹脂組成物と同じものを使用して形成することができるが、無機系充填剤または有機系充填剤の含有量を適宜変更した樹脂組成物を用いてもよい。積層シートは、内層14と同様の手法により得た未延伸シートを、内層14の両面に貼り合わせて形成してもよく、また、共押出機等を用いて内層14である一軸延伸シートの両面に製膜した未延伸シートを積層してもよい。
内層14の両面に外層15,16を積層した積層シートを延伸することによって基材12となる。ここでの延伸は、内層14である一軸延伸シートの延伸方向と垂直な方向を延伸方向とする。例えば、内層14が横方向(TD方向)の一軸延伸シートであった場合は、積層シートを、縦方向(MD方向)に延伸して基材12を製造することができる。このような多段の延伸を行って積層シートである基材12を製造することにより、基材12の強度が向上するとともに、紙状の風合を生じて反射率が向上する。また、上記のような方法により製造された基材12は、内層が二軸延伸されたシートからなり、外層が一軸延伸されたシートかなる。このような積層シートとすることで、驚くべきことに基材12の反射率を高く維持しながら、基材表面を平滑にすることができ、その結果、汚れの除去性(防汚性)に優れる農業用シートを実現できることが判明した。この理由は定かではないが、内層表面に存在する空隙による凹凸を外層により吸収し、農業用シートの表面(即ち、外層16の表面)を内層よりも平滑にすることができるためと考えられる。上記のようにして得られた基材(積層シート)の算術表面粗さは0.2〜0.8μmとなる。なお、算術平均表面粗さRaとは、JIS B0601に準拠して測定された値を意味する。
[補強樹脂層]
本実施形態の補強樹脂層11は、基材12の少なくとも一方の面に設けられるものであり、農業用シートの強度を補強する目的で設けられるものである。補強樹脂層として使用できる樹脂としては特に制限されるものではないが、ある程度の水蒸気透過性を有している樹脂を使用する必要がある。水蒸気透過性のない樹脂を使用する場合は、基材12の空隙を塞いでしまわないように、補強樹脂層11にも、強度を損なわない程度に空隙を設ける必要がある。本発明において、補強樹脂層11を形成する好適な樹脂としては、水蒸気の透過度が大きく、押出ラミネーション適性の優れた樹脂であり、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体等を使用することができる。このような水蒸気の透過度の大きい樹脂を使用することにより、空隙を有さない補強樹脂層11とすることができる。特に、酢酸ビニル含有率が10質量%以上30質量%以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を好ましく使用することができる。また、押出ラミネーシヨン適性の観点からは、メルトインデックス(MI)が15以上45以下であるものが適当である。
酢酸ビニル含有率が10質量%以下30質量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体は、透湿度が165g/m2/24hr(温度40℃、相対湿度90%、厚さ25μ)を超え、農業用シート材に必要な適度な透湿度が得られるため、栽培土壌中の水分を大気中に放出することができる。また、押出された皮膜(補強樹脂層11)の滑性も損なわれないため、製造工程上での不都合が生じない。更に、酢酸ビニル含有率が30質量%以下であるため酢酸ビニル臭も、実用上許容できるレベルとなる。
補強樹脂層11の厚さは、薄い方が透湿度が大きくなり好ましいが、薄くなりすぎるとラミネーシヨン加工時の作業性や補強材としての強度の面で問題が生じる。一方、補強樹脂層11を厚くするとラミネーション加工時の作業性や補強材としての強度の面で問題はなくなるが、農業用シートの透湿度が低下して好ましくない。補強樹脂層11の厚さは、30μm以上50μm以下が適当である。
また、補強樹脂層11の基材12と反対の外表面をマット面として形成することが好ましい。マット面とすることで、製造時、保存時のスタッキングを防止することができる。また、マット状の外表面とすることで、補強樹脂層11は不透明で白色となり、基材12の白色度が増し農業用シート1として使用した際に、より優れた散乱反射を得ることができる。
[アンカーコート層]
補強樹脂層11として、酢酸ビニル含有率が高い10質量%以上30質量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した場合、基材12と補強樹脂層11の接着強度が弱いという問題が生じる。従って、基材12の補強樹脂層11と積層する面に補強樹脂層11との接着性を改良する目的でアンカーコート層13を設けてもよい。基材12のポリプロピレン対する基材12の積層面に、変成エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等からなるアンカーコート層13を設けることにより接着強度の低下を防止することもできる。
アンカーコート層13としては、変成エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等が適している。例えば、アドコートAD−37P295(東洋モートン)が好適に使用できる。
(帯電防止剤)
本発明の農業用シート1の各層を形成する樹脂には、必要に応じて、帯電防止剤を練り混むかあるいは塗布することができる。これら帯電防止剤としては、例えば、アミン、イミダゾリン、アミン酸化エチレン付加体、4級アンモニウム塩等のカチオン性帯電防止剤、ホスフェート、アルキルアリルホスホン酸、アジピン酸、グルタミン酸等のアニオン性帯電防止剤、多価アルコール、多価アルコールエステル、高級アルコールエチレンオキサイド付加体、ポリエーテル、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、脂肪酸のグリセリンエステル、脂肪酸アミドおよびそのエチレンオキサイド付加物等の非イオン性帯電防止剤、またカチオン基とアニオン基の両方を有する例えばアルキルアミンに無水マレイン酸を作用させたグアニジン塩、ポリエチレンイミンから誘導されるスルホン酸などの両性帯電防止剤等いずれも使用できる。
さらに好ましい帯電防止剤としては、アルキルジエタノールアミン、ヒドロキシアルキルモノエタノールアミン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルスルホン酸ソーダ、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、過塩素酸テトラアルキルアンモニウム塩等が使用できる。
これらは熱可塑性樹脂のガラス転移点や、押し出し延伸等の加工条件により、一種を選択してこれを単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。また、練り混みと塗布を同時に行っても良い。
また、本発明の農業用シート1では、植物の育成に有効な波長領域の紫外線又は赤外線光反射率を向上する目的で、白インキ層(図示せず)を設けて光散乱コーティング層としても良い。この光散乱コーティング層により、植物の育成に有効な波長領域の光反射率を100%近くまで向上させることが可能になる。
本実施形態の農業用シート1は、補強樹脂層11に酢酸ビニル含有率が10質量%以上30質量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用しているため、耐久性に優れており、また、遮水性がある。更に同時にその通気性および透湿性が優れていて、図2に示すように、栽培土壌(地中)40から蒸発する水分(水蒸気)並びに炭酸ガスを透過させるので、これらのガスがシートの下の土壌にトラップされて樹木20の生育および結実、果実へ悪影響を与えることがない。
また、雨天であっても、図3に示すように本実施形態の農業用シート1で覆われている地面および栽培土壌(地中)40の樹木20の根に雨水が到達することがなく、栽培土壌40を乾燥した状態に保つことができる。
同時に、本実施形態の農業用シート1は、不透明度および白度が高く、これによって、太陽光線をシート表面が反射し、シートの下に到達させないので、雑草の成育が抑制される。
このように、本発明の農業用シート1は、天候によらず、一旦樹木20の根元の地面上に敷いておくたけで、以後一切シートについて作業を行う必要がなく、作業性が大幅に改善される。
(農業用シートとしての使用法)
図2に示されるように農業用水用の排水溝30によって囲まれ区切られた、柑橘類および桃類等の樹木20の下の根元部の栽培土壌40および排水溝30全面を覆うように当該農業用シート1を敷く。ここで各区画に対応した領域の中央部には樹木20の幹の部分にシート1に切れ目を入れて樹木20の幹に農業用シート1をプラスチックテープでしばりつける等により、雨水が根元に達しないようにする。樹木20の幹部の外周と農業用シート1の中心穴内側との間にはなるべく隙間がないことが望まれるが、多少あったとしても枝葉によって雨が遮られるので、本発明の農業用シート1の作用および効果を減じるものではない。土壌の水分をコントロールし、マルチ栽培の効果を一層引き出すために、農業用水用の排水溝30を地面に設けることが好ましい。
排水溝30は樹木を1本ずつ囲むように格子状に縦横に設けてもよいし、一方向のみに延びるように設けてもよい。排水溝30を縦横に設けると、排水効率が高く栽培土壌40の水分コントロールが容易であるが、排水溝30を設ける作業に労力がかかる。排水溝30を一方向のみに延びるようにした場合は、排水効率は(格子状の場合よりもいくぶん低下するが、目的とする栽培土壌40の水分コントロールは達成できるし、排水溝30を設ける作業も簡単である。したがって、当初から計画的にマルチ栽培用の栽培地を作る場合、根付け時にマルチ栽培が予定されている場合などには格子状の排水溝30を設け、また、既に正木として生産されている果樹園でマルチ栽培を導入する場合などには一方向のみの排水溝30を設けるのが良い。また、コスト的な観点から、排水溝の上に位置するシートの部分は、単に集水および排水作用が要求されるだけなので、通常のプラスチックシート(塩化ビニル樹脂、ポエチレン樹脂など)を用いることもできる。
[実施例1]
(基材の製造)
基材12の内層を構成する樹脂組成物として、プロピレン単独重合体(日本ポリケム(株)製、商品名ノバテックPP、MA−8、融点164℃)を65.5質量%、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)製、商品名ノバテックHD、HJ580、融点134℃、密度0.960g/cm3)6.5質量%、および、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末28質量%よりなる樹脂組成物を、押出機を用いて無延伸シートを得た。次いで、この無延伸シートを縦方向に4倍延伸して、一軸延伸シートを得た。
一方、基材の外層を構成する積層体の表面層用樹脂組成物として、上記同様の材料にて、プロピレン単独重合体51.5質量%、高密度ポリエチレン3.5質量%、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末42質量%、平均粒径0.8μmの酸化チタン粉末3質量%よりなる組成物を別の押出機を用いて溶融混練し、上記で得られた一軸延伸基材の表面の両側にダイより押し出し、積層して、層構成、外層/内層/外層からなる積層シートを得た。
次いで、この積層シートを横方向に7倍延伸し耳部をスリットして、全体の厚みが70μmの外層(15μm)/内層(40μm)/外層(15μm)の微細な空隙を含有する基材を得た。この条件では、基材全体の空隙率は55%、不透明度93%であった。また、基材表面の算術表面粗さRaを、JIS B0601に準拠した方法により測定したところ、0.5μmであった。
(補強樹脂層の製造)
上記のようにして得られた基材にアンカーコート剤を塗布した状態で、酢酸ビニル含有率が高い18質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を30μm押出しコーティングすることで農業用シート1を得た。
[実施例2]
実施例1と同じ基材を製造し、酢酸ビニル含有率が高い10質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を30μm押出しコーティングすることで農業用シート2を得た。
[実施例3]
実施例1と同じ基材12を製造し、酢酸ビニル含有率が高い30質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を30μm押出しコーティングすることで農業用シート3を得た。
[比較例1]
農業用フィルムとして広く一般的に使用されている、白黒マルチ(商品名:ツインホワイト、積水フィルム株式会社)の基材表面の算術表面粗さRaを、JIS B0601に準拠した方法により測定したところ、約4μmであった。
[比較例2]
同じく、農業用フィルムとして広く一般的に使用される防草シート(商品名:ルンルンシート、小泉製麻株式会社)の基材表面の算術表面粗さRaを、JIS B0601に準拠した方法により測定したところ、約53μmであった。
(可視光及び近赤外光の基材反射率の測定)
紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所 UV−3600)で、積分球付属装置(ISR−3100)を用いて、入射角8度で可視領域450〜780nmでの反射率(全反射率)、及び近赤外領域780〜2100nmでの反射率(全反射率)を測定した。結果は表1に示される通りであった。なお、反射率の測定において、標準板としては、米国ラブスフェア社の「スペクトラロン」(テフロン(登録商標)製)を選択して測定した。この標準板は、250〜800nm間で99%以上の反射率を示す材料であり、100%近い反射率を示す材料を正確に測定するために使用した。
なお、表1の判定欄に記載の「○」、「△」は、可視領域で最低反射率が95%以上である場合を「○」、可視領域で最低反射率が95%を下回るものがある場合を「△」として記載した。また、近赤外領域で最低反射率が85%以上である場合を「○」、近赤外領域で最低反射率が85%を下回るものがある場合を「△」として記載した。
Figure 2017086042
表1の結果より、比較例1および2は全波長領域で反射率が不足しているのに対して、実施例1〜3の農業用シートでは、可視領域の反射率だけでなく、近赤外領域の反射率も高いことがわかった。
(透湿度の測定)
JIS−L1099 A−1法により測定した透湿度の結果を表2にまとめた。尚、表2の判定欄に記載の「○」、「△」は、透湿度が100g/m2・day以上である場合を「○」、透湿度が100g/m2・day未満もしくは1000g/m2・day以上で透湿度不足である場合を「△」と記載した。
Figure 2017086042
表2の結果より、比較例1および2は透湿性の観点で過不足であるのに対し、実施例1〜3の農業用シートでは、適度な透湿度を有していることがわかった。
(防汚性の評価)
実施例1、比較例1及び比較例2の農業用シートについて、JIS L 1919 A−1法に準拠した試験方法によって、農業用シートに汚れを付着させた状態で上記と同様にして可視光及び近赤外光の基材反射率の測定を行った。次いで、汚れが付着した農業用シートを、水拭きして洗浄し、洗浄後の農業用シートについても同様にして可視光及び近赤外光の基材反射率の測定を行った。評価結果は表3に示される通りであった。
Figure 2017086042
表3からも明らかなように、市販の農業用シートである比較例1及び2と比較して、基材として外層/内層/外層の積層シートを使用した農業用シート(実施例1)は、汚れ除去後の反射率が高く、防汚性に優れていることがわかる。
1 農業用シート
11 補強樹脂層
12 基材
13 アンカーコート層
14 内層
15 外層
16 外層
20 樹木
30 排水溝
40 栽培土壌(地中)

Claims (6)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成される補強樹脂層とを、少なくとも備える農業用シートであって、
    前記基材は、ポリプロピレン系樹脂と、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれか一方又は両方を含んでなり、空隙率が35%以上60%以下であり、且つ、厚みが30μm以上90μm以下であり、
    前記基材は、一軸延伸シートである内層の両側に一対の外層を積層した積層シートであり、
    前記積層シートは、前記一軸延伸シートの延伸方向と垂直の方向を延伸方向とした延伸シートである、ことを特徴とする農業用シート。
  2. 前記内層と前記外層が同じ樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の農業用シート。
  3. 前記基材を構成する前記ポリプロピレン系樹脂が、エチレン−αオレフィン共重合体であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の農業用シート。
  4. 前記外層の算術表面粗さRaが0.2〜0.8μmの範囲であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の農業用シート。
  5. 前記農業用シートの基材側の、波長780〜2100nmの近赤外領域における反射率が、85%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の農業用シート。
  6. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成される補強樹脂層とを、少なくとも備える農業用シートを製造する方法であって、
    ポリプロピレン系樹脂と、無機系充填剤および有機系充填剤のいずれか一方又は両方を含んでなる樹脂組成物を溶融押出により製膜して、樹脂膜を形成し、
    前記樹脂膜を一軸延伸して、一軸延伸シートである内層を形成し、
    前記内層の両面に、前記樹脂組成物から形成された外層を設けて積層シートとし、
    前記積層シートを、前記一軸延伸シートの延伸方向と垂直の方向に延伸し、
    前記延伸された積層シートの少なくとも一方の面に、補強樹脂層を設ける、
    ことを含んでなることを特徴とする、農業用シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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