JP2018166478A - 農業用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】光反射機能を有するとともに、酸性環境下での耐候性が向上した農業用フィルムを提供する。【解決手段】ポリオレフィン系樹脂とフィラーとを含む樹脂フィルムを備える農業用フィルムであって、前記樹脂フィルムがNOR型ヒンダードアミン系光安定剤を含み、JIS−Z8722の幾何学的条件dに記載の方法を用いて650nmの波長で測定した、常用標準白色面に対する、前記樹脂フィルムの光反射率が90%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、農作業に用いられる農業用フィルムに関する。
従来、フィラーを含む熱可塑性樹脂を延伸して形成される延伸多孔性フィルムが知られている。この延伸多孔性フィルムは、延伸する際にフィラーを核として、フィルム中に空孔が形成される。そして、フィルムの表面近傍に形成される空孔により生じる多数の微細な凹凸と、フィルム内に形成される空孔とフィルムとの界面とによって、フィルムに入射した光が反射されることで、延伸多孔性フィルムは光反射機能を発揮する。延伸多孔性フィルムは、農業用材料として利用されており、中でも、作物の根本周囲の地面を覆うように使用することによって、太陽光を反射して、果実等の色付きを促進するための農業用マルチングフィルム(マルチフィルム)として利用されている。
例えば、特許文献1には、特定量のフィラーを含有し、溶融した熱可塑性樹脂を延伸することで得られる熱可塑性樹脂延伸フィルムを備える、農業用光反射シートが開示されている。この熱可塑性樹脂延伸フィルムは空孔が形成されることで、所定の反射率を有するとされている。
特開2008−271828号公報
ところで、トマト、イチゴ、柑橘類等の果樹を栽培する際に、病害虫対策として硫黄を含む硫黄剤の噴霧、燻蒸等が行われている。硫黄剤に含まれる硫黄が空気中で酸化されることにより、酸性物質である亜硫酸等の硫黄酸化物が生じる。そして、この硫黄酸化物が農業用マルチフィルムに付着すると、太陽光のもとでラジカルが生じた際に、樹脂フィルムの劣化が著しく進行する。特に、農業用マルチフィルムとして延伸多孔性フィルムを用いた場合には、その比表面積の多さから、酸性物質による劣化の影響を受けやすく、耐候性が低下しやすいという課題があった。
本発明は、かかる背景技術に鑑みてなされたものである。その目的は、光反射機能を有するとともに、酸性環境下での耐候性が向上した農業用フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のNOR型ヒンダードアミン系光安定剤を含む樹脂フィルムを用いることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示す種々の具体的態様を提供する。
[1]ポリオレフィン系樹脂とフィラーとを含む樹脂フィルムを備える農業用フィルムであって、前記樹脂フィルムがNOR型ヒンダードアミン系光安定剤を含み、JIS−Z8722の幾何学的条件dに記載の方法を用いて650nmの波長で測定した、常用標準白色面に対する、前記樹脂フィルムの光反射率が90%以上であることを特徴とする、農業用フィルム。
[2]前記樹脂フィルムが単層構造を有し、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーと前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤とを含む延伸多孔性フィルムである、[1]に記載の農業用フィルム。
[3]前記樹脂フィルムが多層積層構造を有し、少なくともその最外の層が、前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤を含む、[1]に記載の農業用フィルム。
[4]前記樹脂フィルムが、少なくともベース層を有し、前記ベース層が、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーとを含む、2軸延伸の延伸多孔性フィルムである、[3]に記載の農業用フィルム。
[5]前記樹脂フィルムが、前記ベース層の少なくとも一方の面に設けられたスキン層を有し、前記スキン層が、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーと前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤とを含む、2軸延伸の延伸多孔性フィルムである、[4]に記載の農業用フィルム。
[6]前記樹脂フィルムが、前記ベース層の少なくとも一方の面に設けられたラミネート層を有し、前記ラミネート層が、前記ポリオレフィン系樹脂と前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤とを含む、1軸延伸の延伸フィルムである、[4]に記載の農業用フィルム。
[7]前記樹脂フィルムが、前記ベース層の少なくとも一方の面に設けられたスキン層とラミネート層とをこの順で有し、前記スキン層が、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーとを含む、2軸延伸の延伸多孔性フィルムであり、前記ラミネート層が、前記ポリオレフィン系樹脂と前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤とを含む、1軸延伸の延伸フィルムである、[4]に記載の農業用フィルム。
[8]前記ラミネート層が、前記フィラーをさらに含む、1軸延伸の延伸多孔性フィルムである、[6]又は[7]に記載の農業用フィルム。
[9]前記樹脂フィルムが、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーと前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤よりなる組成物100質量%に対して、0.01〜10質量%の前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤を含む、[1]〜[8]の何れか一項に記載の農業用フィルム。
[10]前記樹脂フィルムが、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーと前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤よりなる組成物100質量%に対して、25〜65質量%の前記ポリオレフィン系樹脂と、34〜74質量%の前記フィラーとを含む、[1]〜[9]の何れか一項に記載の農業用フィルム。
[11]前記樹脂フィルムの空孔率が、35〜75%である、[1]〜[10]の何れか一項に記載の農業用フィルム。
[12]前記樹脂フィルムにおけるNOR型ヒンダードアミン系光安定剤の含有率(質量%)と、前記延伸多孔性フィルムにおける空孔率(%)との比が、0.001〜0.28(質量%/%)である、[11]に記載の農業用フィルム。
[13]JIS K7129に従って測定した、前記樹脂フィルムの水蒸気透過度が、700〜2,500g/m2・24hである、[1]〜[12]の何れか一項に記載の農業用フィルム。
本発明によれば、光反射機能を有するとともに、酸性環境下での耐候性が向上した、農業用フィルムを提供することができる。
本実施形態のベース層を有する農業用フィルムの一態様を示す概略断面図である。 本実施形態のベース層と1層のスキン層とを有する農業用フィルムの一態様を示す概略断面図である。 本実施形態のベース層と2層のスキン層とを有する農業用フィルムの一態様を示す概略断面図である。 本実施形態のベース層と1層のラミネート層とを有する農業用フィルムの一態様を示す概略断面図である。 本実施形態のベース層と2層のラミネート層とを有する農業用フィルムの一態様を示す概略断面図である。 本実施形態のベース層と1層のスキン層と1層のラミネート層とを有する農業用フィルムの一態様を示す概略断面図である。 本実施形態のベース層と2層のスキン層と2層のラミネート層とを有する農業用フィルムの一態様を示す概略断面図である。
以下、本発明の各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
[農業用フィルム及び樹脂フィルムの構成]
本実施形態の農業用フィルムは、ポリオレフィン系樹脂と、フィラーとを含む樹脂フィルムを少なくとも備える。さらに、樹脂フィルムは、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤を含む。本実施形態の樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂と、フィラーと、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤とを含む樹脂組成物を、後述する成形方法により薄膜状に成形したものである。なお、以降において、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤を、以降「NOR型HALS」と称することがある。
本実施形態の樹脂フィルムは、単層構造のフィルムであってもよいし、後述するベース層、スキン層、又はラミネート層を少なくとも有する2〜9層の多層積層構造の樹脂フィルム(積層樹脂フィルム)であってもよい。中でも樹脂フィルムは、2〜5層の積層樹脂フィルムが好ましい。樹脂フィルムが単層構造の場合、樹脂フィルムは、フィラーを含む一軸延伸又は二軸延伸の延伸多孔性フィルムであることが好ましく、二軸延伸の延伸多孔性フィルムであることがより好ましい。樹脂フィルムが多層積層構造の場合、各層のフィルムは、無延伸、一軸延伸、二軸延伸の各フィルムを組み合わせたものであればよいが、農業用フィルムに光反射機能を付与する観点から、フィラーを含む一軸延伸又は二軸延伸の層を少なくとも1層有することが好ましい。また、農業用フィルムの透湿度を向上させる観点から、フィラーを含む二軸延伸の層を有することがより好ましい。さらに、樹脂フィルムが多層積層構造の場合、少なくともその最外の層が、NOR型HALSを含むことが好ましい。
本実施形態の樹脂フィルムは、フィルム中に多数の空孔を有することが好ましい。この空孔の存在によって、樹脂フィルムは後述する光反射機能を発揮する。また、樹脂フィルムは、フィルム内部に連通しているボイド(連通ボイド)を有することが好ましい。ボイド及び連通ボイドは、樹脂フィルム中に存在する空孔(空隙)であり、樹脂フィルムに多孔性(多孔質構造)を与え、樹脂フィルムに後述する所望の水蒸気透過度(透湿度)を与えるものである。ここでは、フィルム中で各々独立して区画されている微小空孔をボイドとし、隣接する2以上のボイドが例えば線状、矩形状、球状、網目状、不定形状に連通することで形成された、比較的に高容量の空孔を連通ボイドとする。ボイド及び連通ボイドは、少なくとも樹脂フィルムの内部に存在していればよく、樹脂フィルムの表面においてその一部が外部に露出していてもよい。このような空孔の形成方法は、特に限定されないが、例えば内部紙化法や発泡法等の公知の方法により行うことができる。例えば、内部紙化法の場合、ポリオレフィンフィルムを延伸して製膜する際に、ポリオレフィン系樹脂中に含有されるフィラーを核として、フィルム中に空孔を形成することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<農業用フィルムの層構造>
図1〜図7に、本発明の農業用フィルムの好適な実施態様を示す。
図1に示すように、農業用フィルム100aは、ベース層11を有する樹脂フィルム10aを備えている。すなわち、樹脂フィルム10aは、単層構造を有している。農業用フィルム100aは、さらに、樹脂フィルム10aの一方の面に設けられる、接着層21と補強シート22とをこの順に備えてもよい。
ベース層11は、ポリオレフィン系樹脂とフィラーとを含む、2軸延伸の延伸多孔性フィルムである。単層構造の樹脂フィルム10aの場合、ベース層11は、さらにNOR型HALSを含んでいる。一方、後述する多層積層構造の樹脂フィルムの場合、ベース層11は、少なくともポリオレフィン系樹脂と、フィラーとを含むものであればよいが、NOR型HALSをさらに含むことがより好ましい。
図2,3に示すように、農業用フィルム100b,100cは、ベース層11と、ベース層11の少なくとも一方の面に設けられたスキン層12a,12bを有する樹脂フィルム10b,10cを備えている。なお、以降において、スキン層を区別しない場合には、「スキン層12」として符号を付して説明する場合がある。また、以降において、農業用フィルムを区別しない場合には、「農業用フィルム100」として符号を付して説明する場合がある。
スキン層12は、ポリオレフィン系樹脂とフィラーとを含む、2軸延伸の延伸多孔性フィルムである。スキン層12が農業用フィルム100の最外層に設けられる場合には、スキン層12はNOR型HALSをさらに含有する。スキン層12が農業用フィルム100の最外層以外の内側の層に設けられる場合には、スキン層12は、少なくともポリオレフィン系樹脂と、フィラーとを含むものであればよいが、NOR型HALSをさらに含むことがより好ましい。スキン層12は、ベース層11を保護するとともに、NOR型HALSを含有することで、農業用フィルム100に耐候性を付与する層である。スキン層12をベース層11の表裏両面に設ける場合は、表裏のスキン層12のそれぞれの組成、構成、厚み等は同一でもよいし、異なっていてもよい。
図2に示す農業用フィルム100bでは、ベース層11の一方の面にスキン層12aが設けられている。すなわち、樹脂フィルム10bは、スキン層12a、及びベース層11をこの順に備える積層構造(2層構造)を有している。また、農業用フィルム100bでは、樹脂フィルム10bのベース層11側の面に設けられる、接着層21と補強シート22とをこの順に備えてもよい。この場合、少なくとも農業用フィルム100bの最外層となるスキン層12aが、NOR型HALSを含有する。
図3に示す農業用フィルム100cでは、ベース層11の両方の面にスキン層12a,bがそれぞれ設けられている。すなわち、樹脂フィルム10cは、スキン層12a、ベース層11、及びスキン層12bをこの順に備える積層構造(3層構造)を有している。また、農業用フィルム100cでは、樹脂フィルム10cの一方の面(ここでは、スキン層12b側の面)に設けられる、接着層21と補強シート22とをこの順に備えてもよい。この場合、少なくとも農業用フィルム100cの最外層となるスキン層12aが、NOR型HALSを含有する。
図4,5に示すように、農業用フィルム100d,100eは、ベース層11と、ベース層11の少なくとも一方の面に設けられたラミネート層13a,13bを有する樹脂フィルム10d,10eを備えている。なお、以降において、ラミネート層を区別しない場合には、「ラミネート層13」として符号を付して説明する場合がある。
ラミネート層13は、ポリオレフィン系樹脂とNOR型HALSとを含む、1軸延伸の延伸フィルムである。ラミネート層13は、さらにフィラーを含む、1軸延伸の延伸多孔性フィルムであってもよい。ラミネート層13が農業用フィルム100の最外層に設けられる場合には、ラミネート層13はNOR型HALSをさらに含有する。ラミネート層13が農業用フィルム100の最外層以外の内側の層に設けられる場合には、ラミネート層13は、少なくともポリオレフィン系樹脂を含むものであればよいが、NOR型HALSをさらに含むことがより好ましい。ラミネート層13は、ベース層11を保護するとともに、NOR型HALSを含有することで、農業用フィルム100に耐候性を付与する層である。ラミネート層13をベース層11の表裏両面に設ける場合は、表裏のラミネート層13のそれぞれの組成、構成、厚み等は同一でもよいし、異なっていてもよい。
図4に示す農業用フィルム100dでは、ベース層11の一方の面にラミネート層13aが設けられている。すなわち、樹脂フィルム10dは、ラミネート層13a、及びベース層11をこの順に備える積層構造(2層構造)を有している。また、農業用フィルム100dでは、樹脂フィルム10dのベース層11側の面に設けられる、接着層21と補強シート22とをこの順に備えてもよい。この場合、少なくとも農業用フィルム100dの最外層となるラミネート層13aが、NOR型HALSを含有する。
図5に示す農業用フィルム100eでは、ベース層11の両方の面にラミネート層13a,13bがそれぞれ設けられている。すなわち、樹脂フィルム10eは、ラミネート層13a、ベース層11、及びラミネート層13bをこの順に備える積層構造(3層構造)を有している。また、農業用フィルム100eでは、樹脂フィルム10eの一方の面(ここでは、ラミネート層13b側の面)に設けられる、接着層21と補強シート22とをこの順に備えてもよい。この場合、少なくとも農業用フィルム100eの最外層となるラミネート層13aが、NOR型HALSを含有する。
図6,7に示すように、農業用フィルム100f,gは、ベース層11と、ベース層11の少なくとも一方の面に設けられたスキン層12c,12dとラミネート層13c,13dとをこの順で有する樹脂フィルム10f,gを備えている。
図6に示すように、農業用フィルム100fは、ベース層11と、ベース層11の一方の面にスキン層12cとラミネート層13cとがこの順で設けられている。すなわち、樹脂フィルム10fは、ラミネート層13c、スキン層12c、及びベース層11をこの順に備える積層構造(3層構造)を有している。また、農業用フィルム100fでは、樹脂フィルム10fのベース層11側の面に設けられる、接着層21と補強シート22とをこの順に備えてもよい。この場合、少なくとも農業用フィルム100fの最外層となるラミネート層13cが、NOR型HALSを含有する。
図7に示すように、農業用フィルム100gは、ベース層11と、ベース層11の両方の面にスキン層12c,12dとラミネート層13c,13dとがそれぞれこの順で設けられている。すなわち、樹脂フィルム10gは、ラミネート層13c、スキン層12c、ベース層11、スキン層12d、及びラミネート層13dをこの順に備える積層構造(5層構造)を有している。また、農業用フィルム100gでは、樹脂フィルム10gの一方の面(ここでは、ラミネート層13d側の面)に設けられる、接着層21と補強シート22とをこの順に備えてもよい。この場合、少なくとも農業用フィルム100gの最外層となるラミネート層13cが、NOR型HALSを含有する。
<ポリオレフィン系樹脂>
本実施形態の樹脂フィルムに使用するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の結晶性エチレン系樹脂、結晶性プロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性及び生産コスト等の観点から、結晶性エチレン系樹脂、結晶性プロピレン系樹脂が好ましい。結晶性プロピレン系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体又はシンジオタクティック重合体がより好ましい。また、主成分となるプロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとの共重合体を使用することもできる。共重合体は、モノマー成分が2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
ポリオレフィン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂フィルムを構成するポリオレフィン系樹脂とフィラーとNOR型HALSよりなる組成物100質量%に対して(以降において、樹脂フィルムの「組成物基準」と称することがある。)、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂フィルムの組成物基準で、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下がさらに好ましい。ポリオレフィン系樹脂の含有量を上記の範囲内とすることで、好ましい多孔質構造を有する樹脂フィルムが得られ易い傾向にある。なお、樹脂フィルムが多層積層構造の場合には、樹脂フィルムの全層として上記のポリオレフィン系樹脂の含有量を満たせばよく、樹脂フィルムの各層が上記のポリオレフィン系樹脂の含有量を満たすことがより好ましい。
<フィラー>
本実施形態の樹脂フィルムに使用するフィラーは、特定の範囲の平均一次粒子径を有する微細フィラーが好ましい。この平均一次粒子径とは、樹脂フィルムに、後述する所望の空孔を与えるものである。樹脂フィルムが多層積層構造の場合、農業用フィルムに光反射機能を付与する観点から、少なくとも一層がフィラーを含むことが好ましい。さらに、農業用フィルムに光反射機能を付与するとともに、透湿度を向上させる観点から、全ての層がフィラーを含むことがより好ましい。フィラーとしては、無機微細粉末又は有機微細粉末を用いることができる。
無機微細粉末の具体例としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素などの微細粉末、中空ガラスビーズ等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、炭酸カルシウム、焼成クレー、珪藻土は、安価で延伸時に多くの空孔を形成させることができ、空孔率の調整が容易なために好ましい。また、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムは、多くの種類の市販品があり、その平均粒子径や粒度分布が所望のものを得やすいためにより好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機微細粉末としては、樹脂フィルムの構成母材となる上記のポリオレフィン系樹脂とは異なる種類の樹脂であって、その融点又はガラス転移点が、当該ポリオレフィン系樹脂の融点又はガラス転移点よりも高い樹脂からなる微細粉末を用いることができる。このような有機微細粉末を用いると、樹脂フィルムの構成母材のポリオレフィン系樹脂に対する非相溶性を高めることができ、延伸成形する際の空孔形成性が向上する傾向にある。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂フィルムの構成母材となるポリオレフィン系樹脂に使用可能な、有機微細粉末の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、環状オレフィン単独重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体、ポリエチレンサルファイド、ポリイミド、ポリメタクリレート、ポリエチルエーテルケトン、ポリエチレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、メラミン樹脂粒子等であって、構成母材となるポリオレフィン系樹脂の融点よりも高い融点(例えば170〜300℃)又はガラス転移温度(例えば170〜280℃)を有し、かつ構成母材となるポリオレフィン系樹脂に非相溶のものが挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フィラーの平均一次粒子径は、0.05μm以上であることが好ましく、0.07μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることがさらに好ましく、0.12μm以上であることが特に好ましい。また、フィラーの平均一次粒子径は、0.8μm以下であることが好ましく、0.6μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましく、0.4μm以下であることが特に好ましい。フィラーの平均一次粒子径が上記の下限値以上であることにより、樹脂フィルム中に空孔が効率よく形成される傾向にある。また、フィラーの平均一次粒子径が上記の上限値以下であることにより、粒径の大きなものに比べて配合量が同一であればより多数のフィラーを樹脂フィルム中に含有せしめることができる。これにより、連通ボイドが効率よく形成されやすくなり、透湿度が向上するとともに、光反射率が向上する傾向にある。また、粗大粒子の混入により延伸時にフィルムが破断することが抑制される傾向にある。
なお、本明細書において、フィラーの平均一次粒子径とは、樹脂フィルムの厚み方向の切断面を電子顕微鏡により観察し、観察領域より無作為に抽出した100個のフィラーのそれぞれの一次粒子径を測定し、これに基づいて算出した平均値である。フィラーの一次粒子径は、粒子の輪郭上の2点間の距離の最大値、即ち最大径から決定する。
樹脂フィルムは、フィラーとして、上述した平均一次粒子径を有するフィラーの一次粒子からなる二次粒子を含んでいてもよく、フィラーの一次粒子と二次粒子とを共に含んでいてもよい。ここで、一次粒子とは、分散した状態にあって単独で存在するフィラーの粒子単位をいう。二次粒子とは、複数個の一次粒子が凝集又は結合した状態にある集合体をいう。
フィラーの二次粒子を含む場合、二次粒子の平均粒子径(平均二次粒子径)が0.05μm〜0.9μmであることが好ましく、0.15μm〜0.8μmであることがより好ましく、0.25μm〜0.6μmであることがさらに好ましく、0.25μm〜0.5μmであることが特に好ましい。平均二次粒径が上記範囲内であることにより、透湿度が向上するとともに、光反射率が向上する傾向にある。また、平均一次粒子径が上記数値範囲となる一次粒子と、平均二次粒子径が上記数値範囲となる二次粒子とを含むフィラーの使用により、連通ボイドを形成しやすくなることがある。
なお、本明細書において、フィラーの平均二次粒子径とは、レーザー回折・散乱方式による測定で得られるフィラーの体積基準のメジアン径(D50)をいう。また、樹脂フィルムの厚み方向の切断面を電子顕微鏡により観察し、観察領域より無作為に抽出した100個の二次粒子の粒子径を測定し、これに基づいて算出した平均値であってもよい。この場合のフィラーの二次粒子径は、粒子の輪郭上の2点間の距離の最大値(最大径)から決定する。
フィラーは、その表面に、従来の樹脂フィルムに用いられる無機フィラー、典型的には炭酸カルシウムと比べて高い疎水性を示す、疎水性表面を有することが好ましい。この疎水性とは、樹脂フィルムに、後述する所望の透湿度を与えるものである。疎水性表面を有するフィラーとしては、それ自体が疎水性である微細粉末をそのまま用いることもできる。また、微細粉末を疎水化処理したものを用いることができる。微細粉末としては、上記のフィラーにおいて説明した無機微細粉末又は有機微細粉末を用いることができる。疎水化処理は、微細粉末の表面を表面処理剤(疎水化剤)で処理することにより行うことができる。疎水化処理された微細粉末は、その表面に疎水化剤を有し、この疎水化剤によって疎水性が付与されている。フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
微細粉末の表面を疎水化処理する疎水化剤としては、例えば、脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸等の有機カルボン酸、及びそれらの塩、アミド、又は炭素数1〜6のアルコールとのエステル;ポリ(メタ)アクリル酸;シランカップリング剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、脂肪酸、及びそれらの塩が好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの疎水化剤は、上記の微細粉末の表面を修飾して、フィラーを疎水化することで、これを含む樹脂フィルムの疎水性を向上させやすいものである。
上記の脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸;エライジン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、セトレイン酸、エルカ酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、炭素数8〜24の脂肪酸が好ましく、炭素数12〜20の脂肪酸がより好ましく、オレイン酸、ステアリン酸がさらに好ましい。また、これらの有機カルボン酸の塩として、K、Na、Ag、Al、Ba、Ca、Cu、Fe、Li、Mg、Mn、Pb、Sn、Sr、Znなどの金属塩が挙げられる。中でも金属石鹸が好ましく、Al、Znの金属石鹸がより好ましく、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛がさらに好ましく、ステアリン酸アルミニウムが特に好ましい。
上記のシランカップリング剤としては、例えば、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
樹脂フィルム中におけるこれらの疎水化剤の存在は、例えば質量分析法による疎水化剤に由来するピーク(例えば、ステアリン酸のピーク)の有無などから判断することができる。
疎水性表面を有するフィラー総量に対する疎水化剤の含有量は、特に限定されないが、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.15質量%以上であることがさらに好ましい。また、疎水性表面を有するフィラー総量に対する疎水化剤の含有量は、特に限定されないが、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましい。また、樹脂フィルム総量に対する疎水化剤の含有量は、特に限定されないが、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.05質量%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂フィルム総量に対する疎水化剤の含有量は、特に限定されないが、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。疎水化剤の含有量が上記の下限値以上であることにより、フィラーに十分な疎水化処理が施され、樹脂フィルムの透水性が抑えられる傾向にある。疎水化剤の含有量が上記の上限値以下であることが、コストの面から好ましい。
疎水化処理は、常法にしたがって行うことができ、その方法は特に限定されない。例えば、疎水化剤を有機溶媒の溶液又はスラリーとして微細粉末に噴霧し、所定時間撹拌することにより行うことができる。別の例としては、微細粉末を水中に分散させた水スラリーに疎水化剤を添加して、攪拌、混合することより行うことができる。微細粉末がアルカリ土類金属を含む場合には、疎水化剤として、さらにアルカリ土類金属に対してキレート能を有する化合物を加えてもよい。また、疎水化剤と水とをなじませるために、疎水化剤を水可溶性有機溶媒の溶液又はスラリーとして添加してもよい。攪拌、混合した状態のフィラーは、さらに脱水、乾燥を行い、粉末状のフィラーを得てもよい。
疎水化剤を用いた疎水化処理は、例えば、特開平11−349846号公報、特開2002−363443号公報、WO2001−027193号公報、WO2004−006871号公報に記載された方法により行うことができる。
樹脂フィルムは、親水性表面を有するフィラーをさらに含んでいてもよい。親水性表面を有するフィラーを混合して使用することで樹脂フィルムの透湿性をより向上させることができる。親水性表面を有するフィラーとしては、それ自体が親水性である微細粉末をそのまま用いることもできる。また、微細粉末に親水化処理したものを用いることができる。微細粉末としては、上記のフィラーにおいて説明した無機微細粉末又は有機微細粉末を用いることができる。親水化処理は、微細粉末の表面を表面処理剤(親水化剤)で処理することにより行うことができる。親水化処理された微細粉末は、その表面に親水化剤を有し、この親水化剤によって親水性が付与されている。
親水化剤を用いた親水化処理は、例えば、特開平8−231873号公報、特開2005−82756号公報に記載された方法により行うことができる。
親水化剤としては、例えば、ポリリン酸、親水性シランカップリング剤、親水性ポリマー、親水性多価アルコール、親水性金属酸化物が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、親水性金属酸化物が好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの親水化剤は、上記の微細粉末の表面を修飾して、フィラーを親水化することで、これを含む樹脂フィルムの親水性を向上させやすいものである。
親水性シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びその塩、ポリアクリル酸誘導体;カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、第1・2・3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基を含む単量体の単独重合体又は共重合体などが挙げられる。親水性多価アルコールとしては、ジエチレングリコール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。親水性金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウムなどが挙げられる。
親水性表面を有するフィラー総量に対する親水化剤の含有量は、特に限定されないが、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.15質量%以上であることがさらに好ましい。また、親水性表面を有するフィラー総量に対する親水化剤の含有量は、特に限定されないが、1.5質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましく、0.6質量%以下であることがさらに好ましい。親水化剤の含有量が上記の範囲内であることにより、フィラーに十分な親水化処理が施され、樹脂フィルムの透湿性が高まる傾向にある。
樹脂フィルムは、疎水性表面を有するフィラーと、親水性表面を有するフィラーとを共に含むことが好ましく、疎水性表面を有するフィラーの二次粒子と、親水性表面を有するフィラーの一次粒子とを共に含むことがより好ましい。親水性表面を有するフィラーの平均一次粒子径は、0.05μm以上であることが好ましく、0.07μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることがさらに好ましい。また、親水性表面を有するフィラーの平均一次粒子径は、0.6μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、0.4μm以下であることがさらに好ましい。親水性表面を有するフィラーの平均一次粒子径が上記の下限値以上であることにより、空孔を形成しやすい傾向がある。また、親水性表面を有するフィラーの平均一次粒子径が上限値以下であることにより、透水しづらい微細なボイドを成形しやすい傾向がある。また、この様な親水性表面を有するフィラーを併用することによって、樹脂フィルムに適度な透湿性を付与しやすくなる。
フィラーの含有量は、特に限定されないが、樹脂フィルムの組成物基準で、34質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましい。また、フィラーの含有量は、特に限定されないが、樹脂フィルムの組成物基準で、74質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、55質量%以下であることがさらに好ましい。フィラーの含有量が上記の下限値以上であることにより、ボイドの数が増加して連通ボイドの形成が容易となり、また多孔質構造によって透湿性が向上するとともに、光反射率が向上する傾向にある。さらに、フィラーの含有量が上記の下限値以上であることにより、樹脂フィルムを延伸成形しやすく歩留りが向上する傾向にある。また、フィラーの含有量が上記の上限値以下であることにより、延伸時にフィルムが破断することが抑制される傾向にある。なお、樹脂フィルムが多層積層構造の場合には、樹脂フィルムの全層として上記のフィラーの含有量を満たせばよく、樹脂フィルムの各層が上記のフィラーの含有量を満たすことがより好ましい。以下の疎水性表面を有するフィラーの含有量、及び親水性表面を有するフィラーの含有量についても同様である。
疎水性表面を有するフィラーの含有量は、特に限定されないが、樹脂フィルムの組成物基準で、32質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましい。また、疎水性表面を有するフィラーの含有量は、特に限定されないが、樹脂フィルムの組成物基準で、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。疎水性表面を有するフィラーの含有量が上記の下限値以上であることにより、多孔質構造によって透湿性が向上する傾向にある。また、疎水性表面を有するフィラーの含有量が上記の上限値以下であることにより、透水性を抑えやすい。
親水性表面を有するフィラーの含有量は、特に限定されないが、樹脂フィルムの組成物基準で、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、親水性表面を有するフィラーの含有量は、特に限定されないが、樹脂フィルムの組成物基準で、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。親水性表面を有するフィラーの含有量が上記の下限値以上であることによって、透湿性が向上しやすい。また、親水性表面を有するフィラーの含有量が上記の上限値以下であることにより、難透水性を維持しやすい。
疎水性表面を有するフィラーと、親水性表面を有するフィラーとを併用する場合に、樹脂フィルムに含まれる、疎水性表面を有するフィラーの含有量と、親水性表面を有するフィラーの含有量との比は、特に限定されないが、難透水性と透湿性とを所期のものに調整しやすい観点から、相対的に疎水性表面を有するフィラーを多めにすることが好ましく、具体的には質量基準で、(疎水性表面を有するフィラーの含有量)/(親水性表面を有するフィラーの含有量)とした比が、99.5/0.5〜85/15の範囲内であることが好ましく、99/1〜89/11の範囲内であることがより好ましく、98.5/1.5〜92/8の範囲内であることがさらに好ましい。
疎水性表面を有するフィラーと親水性表面を有するフィラーのそれぞれの含有量が上記範囲内であれば、仮に樹脂フィルムの総量に対する疎水化剤の含有量よりも、親水化剤の含有量が多い場合であっても、難透水性の効果を十分に担保しやすい。
なお、疎水性表面を有するフィラーの含有量は、疎水化処理前のフィラー(微細粉末)の質量を基準として算出するのが容易である。同様に、親水性表面を有するフィラーの含有量は、親水化処理前のフィラー(微細粉末)の質量を基準として算出するのが容易である。
<NOR型ヒンダードアミン系光安定剤>
NOR型HALSは、下記一般式(I)で示されるピペリジン構造を、分子中に1又は2以上有する化合物を指す。具体的に、このピペリジン構造は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格の窒素原子に、酸素原子を介して有機基が結合しているものである。
本実施形態の樹脂フィルムに使用するNOR型HALSとしては、従来公知のものを用いることができる。
Figure 2018166478
一般式(I)中、R1は、有機基を示し、*は結合箇所を示す。
1の有機基としては、炭素数1〜20の直鎖状、若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数5〜20のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基が好ましく、炭素数3〜11の直鎖状アルキル基がより好ましい。
NOR型HALSの重量平均分子量は、500以上が好ましく、1000以上がより好ましく、2000以上がさらに好ましい。重量平均分子量が低過ぎると、NOR型HALSがブリードアウトし易くなる傾向にある。NOR型HALSの重量平均分子量の上限は特に限定されないが、5000程度である。
NOR型HALSとしては、例えば、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カルボネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物、2−クロロ−4,6−ビス−(ジ−n−ブチルアミノ)−[1,3,5]トリアジンで末端封止した、2,4−ジクロロ−6−(n−ブチル−(2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシピペリジン−4−イル)アミノ)−[1,3,5]トリアジンとN,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−1−プロポキシピペリジン−4−イル)ヘキサン−1,6−ジアミンとの重縮合物等が挙げられる。これらの化合物は、ADEKA社製「LA−81」、BASF社製「TINUVIN 123」、「TINUVIN NOR 371 FF」という商品名で市販されているものを用いることができる。また、この他、市販されているNOR型HALSとして、ADEKA社製「LA−900」、クラリアントジャパン社製「Hostavin NOW」等が挙げられる。
NOR型HALSは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、樹脂フィルムが多層積層構造の場合、異なる層にそれぞれ別の種類のNOR型HALSを用いてもよい。例えば、一方の層に「TINUVIN NOR 371 FF」を、他方の層にそれ以外のNOR型HALSを用いることで、「TINUVIN NOR 371 FF」による着色を利用して表裏の判別をつけることができる。
NOR型HALSの含有量は、特に限定されないが、樹脂フィルムの組成物基準で、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましく、また、NOR型HALSの含有量は、特に限定されないが、樹脂フィルムの組成物基準で、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。NOR型HALSの含有量が上記範囲内であることにより、NOR型HALSを含有する樹脂フィルムの耐候性が向上し、且つNOR型HALSのブリードアウトを抑えることができる。なお、樹脂フィルムが多層積層構造の場合には、樹脂フィルムの全層として上記のNOR型HALSの含有量を満たせばよく、樹脂フィルムのNOR型HALSを含む各層が上記のNOR型HALSの含有量を満たすことがより好ましい。
なお、樹脂フィルムが多層積層構造である場合には、少なくとも一層がNOR型HALSを含有していればよいが、耐候性を高める観点からは、少なくとも最外層にNOR型HALSを含有することが好ましい。最外層にNOR型HALSを含有する場合には、内側の層にはNOR型HALSを含有しても含有しなくてもよいが、全ての層にNOR型HALSを含有することより好ましい。また、樹脂フィルムが多層積層構造であって、且つ樹脂フィルムの一方の面側に後述する補強シートが設けられる場合には、少なくとも他方の面側の最外層にNOR型HALSを含有することが好ましく、全ての層にNOR型HALSを含有することより好ましい。一方、NOR型HALSの樹脂フィルムからのブリードアウトによる影響を避ける観点からは、内側の層にはNOR型HALSを含有して、最外層にはNOR型HALSを含有しないことが好ましい。
<その他の添加剤>
本実施形態の樹脂フィルムには、必要に応じて分散剤、熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、核剤、滑剤、着色剤等の公知の添加剤を配合してもよい。また、上記のNOR型HALSに加えて、NR型ヒンダードアミン系光安定剤、又はNH型ヒンダードアミン系光安定剤を配合してもよい。NR型ヒンダードアミン系光安定剤は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格の窒素原子に、炭素原子が直接結合した有機基を有するピペリジン構造を、分子中に1又は2以上有する化合物を指す。このとき、有機基としては、上記式(I)中のR1と同様の有機基が挙げられる。NH型ヒンダードアミン系光安定剤は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格の窒素原子に、水素原子が結合したピペリジン構造を、分子中に1又は2以上有する化合物を指す。これらの添加剤は、フィルムの総量100質量%に対して、0.01〜3質量%の割合で配合するのが好ましい。
分散剤は、例えば、上述したポリオレフィン系樹脂を含むフィルム中にフィラーを高分散させる目的で用いられる。二次粒子を形成したフィラーを使用する場合、二次粒子の状態でフィラーを高分散させることが好ましい。分散剤としては、シランカップリング剤、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸若しくは無水マレイン酸変性ポリプロピレン又はこれらの塩等を例示することができる。
分散剤の含有量は、特に限定されないが、フィルムの総量に対して、0.01〜3質量%が好ましい。分散剤の含有量が0.01質量%以上であることにより、フィラーが十分に分散するため、連通ボイドが得られやすく、所望の透湿度が得られる傾向にある。また、分散剤の含有量が3質量%以下であることにより、フィルムの延伸性が良好で成形時における延伸切れが抑えられる傾向にある。なお、上述した疎水化剤と分散剤の合計量は、フィルムの総量に対して、0.25〜8質量%が好ましく、0.3〜6質量%がより好ましい。
<厚み>
樹脂フィルムにおける厚みとは、JIS K7130:1999に準拠して測定した値をいう。樹脂フィルムが複数の層から構成される場合には、複数の層全体として測定した値である。樹脂フィルムが複数の層から構成される場合の各層の厚みは、電子顕微鏡を用いてその断面を観察し、外観より層間の界面を判断して厚み比率を求め、上で測定した厚みと各層の厚み比率から算出する。
樹脂フィルムの全体の厚みは、所望性能に応じて適宜設定すればよく、特に制限されないが、農業用材料として用いるのであれば、20μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましく、50μm以上であることがさらに好ましい。また、樹脂フィルムの厚みは、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましい。樹脂フィルムの厚みが上記の下限値以上であることにより、樹脂フィルムは十分な機械的強度が得られ、樹脂フィルムの延伸成形や敷設の際にフィルムの破断を防止しやすい傾向にある。また樹脂フィルムの厚みが上記の上限値以下であることにより、樹脂フィルムが重くなりすぎず、取り扱いが容易になる傾向にある。
樹脂フィルムが多層積層構造の場合、ベース層の厚みは、特に限定されないが、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましく、40μm以上であることが特に好ましい。また、ベース層の厚みは、500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることがさらに好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。
さらに、スキン層を設ける場合、スキン層の厚みは、特に限定されないが、5μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、25μm以上であることがさらに好ましく、30μm以上であることが特に好ましいまた、スキン層の厚みは300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。
また、ラミネート層を設ける場合、ラミネート層の厚みは、特に限定されないが、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましく、40μm以上であることが特に好ましい。。また、ラミネート層の厚みは500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることがさらに好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。
[樹脂フィルムの特性]
<光反射率>
本実施形態の樹脂フィルムにおける光反射率とは、樹脂フィルムの光反射機能を示すものである。この光反射率は、JIS−Z8722の幾何学的条件dに記載の方法を用い、650nmの波長で測定した、常用標準白色面に対する光反射率を意味する。
本実施形態の樹脂フィルムは不透明なものであり、光反射率は、通常90%以上、95%以上が好ましく、96%以上がより好ましく、97%以上がさらに好ましい。樹脂フィルムにおける波長650nm(赤色領域の可視光線)の光の反射率が上記の下限値以上であれば、作物の光合成等に用いられる帯域である光を効率的に作物側に反射することができ、作物の育成に寄与して、色付きを促進することができる。樹脂フィルムの光反射率は、フィラーの含有量、粒子径、フィルムの延伸方法、延伸倍率、フィルム内部の空孔の数、空孔の大きさ等を調整することによって制御することができる。
<光安定剤配合量/空孔率比>
本実施形態の樹脂フィルムにおける光安定剤配合量/空孔率比とは、樹脂フィルムのNOR型HALSの含有率(質量%)と、後述する空孔率(%)との比とから算出される値(質量%/%)である。言い換えれば、光安定剤配合量/空孔率比は、空孔率に対するNOR型HALSの配合量を表すものである。なお、樹脂フィルムが多層積層構造の場合には、樹脂フィルムの全層としてのNOR型HALSの含有率(質量%)と、樹脂フィルムの全層としての空孔率(%)との比とから、光安定剤配合量/空孔率比を算出することができる。
樹脂フィルムにおいて単純に光安定剤の配合量が比較的多い場合であっても、樹脂フィルムは空孔を有することで比表面積が大きいために、樹脂/空気界面近傍での光安定剤の濃度が十分でなければ、その働きが十分に期待できないと考えられる。また、樹脂/空気界面近傍での光安定剤の濃度が高すぎれば、耐候性は十分であっても、ブリードアウトによる表面ベタツキ等の原因となり、また他素材との貼合加工などの際には接着不良などのトラブルの原因となると考えられる。すなわち、光安定剤配合量/空孔率比は、樹脂フィルムの単位体積あたりの表面積の代わりに空孔率を用いることで、比表面積に対する光安定剤の配合量を評価するものである。
光安定剤配合量/空孔率比は、0.001以上であることが好ましく、0.004以上であることがより好ましく、0.01以上であることがさらに好ましい。また、光安定剤配合量/空孔率比は、0.28以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましい。光安定剤配合量/空孔率比が上記範囲の下限以上であることにより、樹脂フィルムの比表面積に対して、光安定剤が十分に機能を発揮する程度に含まれているといえる。また、光安定剤配合量/空孔率比が上記範囲の上限以下であることにより、樹脂フィルムの比表面積に対して、光安定剤のブリードアウトが抑えられる程度に含まれているといえる。
<空孔率>
本実施形態の樹脂フィルムにおける空孔率とは、フィルム全体の体積に対する、フィルム中の空孔が占める体積の割合(体積率)をいう。
樹脂フィルムの空孔率は、樹脂フィルムの切断面を、電子顕微鏡を使用して観察し、得られた断面写真の観察領域において、樹脂フィルム断面中の空孔が占める面積の割合(面積率)を算出した値として得ることができる。樹脂フィルムが多層積層構造の場合には、各層それぞれの空孔率を算出して、各層の空孔率に厚みで重みづけをした値の平均値をとることで、全層の空孔率を得ることができる。
樹脂フィルムの空孔率は、35〜75%であることが好ましく、40〜70%であることがより好ましく、50〜65%であることがさらに好ましい。空孔率が上記範囲内であることにより、光反射率が向上し、所望の透湿性が得られるとともに、酸性条件下での耐候性を維持することができる傾向にある。
なお、スキン層及びラミネート層は、空孔率がベース層と比べて同等以下であることが好ましい。この様なスキン層及びラミネート層の形成は、フィラーの含有量をベース層よりも少なくする手法や、フィラーの平均粒子径をベース層に使用するフィラーの平均粒子径より小さくする手法や、ベース層を2軸延伸により形成し且つスキン層及びラミネート層を1軸延伸で形成する等して、スキン層及びラミネート層の延伸倍率を低くする手法等により達成できる。これにより、最外層の比表面積を低下させて、酸性物質による劣化の影響を抑えることができる。
<水蒸気透過度>
本実施形態の樹脂フィルムにおける水蒸気透過度とは、「適度な透湿性(透湿度)」を示すものである。さらに、この水蒸気透過度は、農業用材料等として使用した場合に内部空間が蒸れて結露したりしないよう、フィルムの一方の面側の水蒸気圧が高い場合には、他の面に向けて速やかに水蒸気の移動が行われることを示すものである。また、この水蒸気透過度は、JIS K7129:2008の附属書Bに記載の方法に従い、温度38℃、相対湿度90%の条件で測定した水蒸気透過度を意味する。
このような樹脂フィルムの水蒸気透過度は、700g/m2・24hr以上であることが好ましく、800g/m2・24hr以上であることがより好ましく、1,000以上g/m2・24hr以上であることがさらに好ましい。また、樹脂フィルムの水蒸気透過度は、2,500g/m2・24hr以下であることが好ましく、2,400g/m2・24hr以下であることがより好ましく、2,000g/m2・24hr以下であることがさらに好ましい。水蒸気透過度が上記の下限値以上であることで、樹脂フィルムを介した水分の吸収・放散が容易であり、樹脂フィルムで覆われた露地の結露等の防止が容易となる。また、水蒸気透過度が上記の上限値以下であることで、過度な水分の浸透を抑制する傾向にある。樹脂フィルムの水蒸気透過度は、フィラーの含有量、粒子径、フィルムの延伸方法、延伸倍率、フィルム内部の空孔の数、空孔の連通度、空孔の大きさ等を調整することにより制御することができる。また、疎水性表面を有するフィラーや親水性表面を有するフィラーの含有量及びこれらの含有量の比の調整や、疎水化処理の程度によっても制御することができる。
<密度>
本実施形態の樹脂フィルムの密度は、0.45g/cm3以上であることが好ましく、0.5g/cm3以上であることがより好ましく、0.55g/cm3以上であることがさらに好ましい。また、樹脂フィルムの密度は、0.7g/cm3以下であることが好ましく、0.65g/cm3以下であることがより好ましく、0.6g/cm3以下であることがさらに好ましい。樹脂フィルムの密度が上記の下限値以上であることにより、延伸の際にフィルムの破断を防止しやすく、また樹脂フィルムに十分な機械的強度が得られる傾向にある。樹脂フィルムの密度が上記の上限値以下であることにより、フィルム内部に連通するボイドが生じやすく、透湿性が発現しやすい傾向にある。樹脂フィルムの密度は、フィラーの含有量や、フィルムの延伸軸数及び延伸倍率を調整することにより制御することができる。
樹脂フィルムにおける密度とは、JIS K7112:1999のA法において、浸漬液に蒸留水を用いて求められる値をいう。
[樹脂フィルムの製造方法]
次に、本実施形態の樹脂フィルムの製造方法について説明する。
本実施形態の樹脂フィルムは、従来公知の種々の方法、例えば内部紙化法や発泡法等の公知の方法により製造することができ、その製法は特に限定されない。ここでは、延伸成形と同時に多孔性フィルムが得られる好適な製法の1つとして、内部紙化法による製法を詳述する。
<樹脂組成物の調製及び樹脂シートの成形>
内部紙化法による樹脂フィルムの製造では、まず、ポリオレフィン系樹脂、フィラー、及びNOR型HALSを含む樹脂組成物を調製する。具体的には、ポリオレフィン系樹脂、フィラー、NOR型HALS、及び必要に応じて各種添加剤を配合し、これを溶融混練することにより樹脂組成物を調製することができる。このとき、樹脂組成物の各成分の配合割合を上述した好ましい数値範囲内とすることにより、後述する樹脂シートの延伸成形によって所望の透湿度を具備するポリオレフィン樹脂フィルムが得られ易い傾向にある。
次いで、この樹脂組成物をシート状に溶融押出して、フィラーを内部に含むポリオレフィン系樹脂シートを成形する。その後、必要に応じて、得られたポリオレフィン系樹脂シートを少なくとも一方向に延伸することにより、本実施形態の樹脂フィルムを得ることができる。例えば、樹脂フィルムが単層のフィルムである場合は、樹脂組成物を溶融混練し単一のダイスから押し出して、必要に応じて延伸すればよい。また、多層積層構造の樹脂フィルムである場合は、フィードブロックやマルチマニホールドを使用した多層ダイスを用いる共押出方式や、複数のダイスを使用する押出ラミネーション方式等により両者が積層した多層樹脂フィルムを製造することができる。さらに多層ダイスによる共押出方式と押出ラミネーション方式を組み合わせる方法により樹脂フィルムを製造することもできる。
<延伸>
1軸延伸する方法としては、樹脂シートの搬送方向にロール群の周速差を利用して延伸するロール間延伸(縦延伸)法、樹脂シートの搬送方向に直交する方向(幅方向)にテンターオーブンを利用して延伸するクリップ延伸(横延伸)法などを挙げることができる。
2軸延伸する方法としては、上記の縦延伸法と、上記の横延伸法を組み合わせて利用した逐次2軸延伸法を挙げることができる。また、樹脂シートの搬送方向の延伸と、樹脂シートの搬送方向に直交する方向の延伸を同時に行う同時2軸延伸法を挙げることができる。より具体的には、テンターオーブンとパンタグラフの組合せ、テンターオーブンとリニアモーターの組合せによる同時2軸延伸方法などによる方法を挙げることができる。また、インフレーションフィルムの延伸方法であるチューブラー法による同時2軸延伸法を挙げることができる。
ポリオレフィン系樹脂シートの延伸は、上記の縦1軸延伸、横1軸延伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸等から適宜選択することができる。さらにポリオレフィン系樹脂シートが積層体である場合には、各層の延伸方法がすべて同じであっても、各層の延伸方法が異なっていてもよい。各層の延伸方法が異なる場合、各層の延伸方法は上記の延伸方法から適宜選択すればよい。これらの中でも、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法が好ましく、逐次2軸延伸法がより好ましい。
樹脂フィルムの延伸温度は、特に限定されないが、構成母材となるポリオレフィン系樹脂の結晶化温度よりも高い温度であり、且つ融点よりも5℃以上低いことが好ましく、10℃以上低いことがより好ましい。また、2種以上の樹脂を用いる場合は含有量の最大を占める樹脂の結晶化温度よりも高い温度であり、且つ融点より5℃以上低い温度で行うことが好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂に融点が155〜167℃であるプロピレン単独重合体を用いる場合は、延伸温度は100〜162℃であることが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂に融点が121〜136℃である高密度ポリエチレンを用いる場合は、延伸温度は70〜131℃であることが好ましい。なお、延伸処理後に、必要に応じて、延伸温度より高温での熱処理を施してもよい。
延伸フィルムの延伸倍率は、特に制限されず、得られる延伸フィルムの特性等を考慮して、適宜決定すればよい。本発明では構成母材にポリオレフィン系樹脂を用い、空孔を形成する目的から、縦1軸延伸時の延伸倍率は3〜11倍の範囲であることが好ましく、4〜10倍の範囲であることがより好ましく、5〜7倍の範囲であることがさらに好ましい。横1軸延伸時の延伸倍率は4〜11倍の範囲であることが好ましく、4〜10倍の範囲であることがより好ましく、5〜9倍の範囲であることがさらに好ましい。逐次2軸延伸時、又は同時2軸延伸時の面積延伸倍率は10〜90倍の範囲であることが好ましく、15〜75倍の範囲であることがより好ましく、30〜60倍の範囲であることがさらに好ましい。延伸倍率を上記の範囲とすることで、延伸ムラを防いで均一な膜厚となるよう安定した延伸成形ができ、また、フィルムの表面まで連通した所望の空孔が得られ易く、所望の透湿度が得られる傾向にある。
樹脂フィルムが複数の層から構成される場合は、共押出により積層したものをまとめて延伸してもよい。また、延伸した層を積層後に再び延伸してもよい。また、上記の方法によって得られたフィルムを貼り合わせて形成してもよい。各層を別個に延伸した後に積層することも可能であるが、上記のように各層を積層した後にまとめて延伸する方が工程数は少なく簡便であり、製造コストも安くなるので好ましい。
<熱処理>
延伸後の樹脂フィルムには、熱処理を行うのが好ましい。熱処理の温度は、延伸温度より0〜30℃高い温度範囲内で選択することが好ましい。熱処理を行うことにより、ポリオレフィン系樹脂分子の非晶部分の結晶化が促進されて延伸方向への熱収縮率が低減し、製品保管時の巻き締まりや、巻き締まりに起因する波打ち等が少なくなる。熱処理の方法はロール加熱又は熱オーブンで行うのが一般的であるが、これらを組み合わせてもよい。
樹脂フィルムを延伸成形する場合の搬送速度は、縦延伸の場合、通常は10〜500m/minであり、30〜300m/minであることが好ましく、50〜200m/minであることがより好ましい。また、横延伸の場合、通常は10〜150m/minであり、30〜120m/minであることが好ましく、50〜100m/minであることがより好ましい。また、逐次2軸延伸の場合、通常は10〜500m/minであり、30〜300m/minであることが好ましく、50〜200m/minであることがより好ましい。また、同時2軸延伸の場合、通常は3〜350m/minであり、5〜120m/minであることが好ましく、5〜100m/minであることがより好ましい。
<表面処理>
延伸後に得られる樹脂フィルムには、表面処理を行ってもよい。表面処理を行うことにより、樹脂フィルムの二次加工適性を向上させることができる。表面処理は、延伸後のフィルムに対して酸化処理を行うことで実施でき、また延伸後のフィルムに対して酸化処理を行った後に、アンカー剤及び帯電防止剤の塗布を行うことで実施できる。
酸化処理方法としては、一般的にフィルムの処理に使用されているコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理などの方法を単独又は組み合わせて使用することができる。これらのうちで好ましくはコロナ放電処理、フレーム処理であり、設備や操作の容易さから特に好ましくはコロナ放電処理である。
アンカー剤としては、例えば、ポリイミン系重合体又はポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物を単独或いはこれらを混合したもの、又はこれらにさらに架橋剤を加えたものが挙げられる。ポリイミン系重合体又はポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物としては、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又はこれらのアルキル変性体、シクロアルキル変性体、アリール変性体、アリル変性体、アラルキル変性体、アルキラル変性体、ベンジル変性体、シクロペンチル変性体、若しくは脂肪族環状炭化水素変性体、ないしはこれらの水酸化物、ないしはこれら前述のものを数種類複合させたものを挙げることができる。
帯電防止剤として、ポリマー型帯電防止剤が挙げられる。ポリマー型帯電防止剤としては、カチオン型、アニオン型、両性型、ノニオン型などが使用可能である。カチオン型としては、アンモニウム塩構造やホスホニウム塩構造を分子構造中に有するものが挙げられる。アニオン型としては、スルホン酸、リン酸、カルボン酸等のアルカリ金属塩、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸などのアルカリ金属塩(例としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)構造を分子構造中に有するものが挙げられる。両性型としては、前述のカチオン型とアニオン型の両方の構造を同一分子中に含有するもので、例としてはベタイン型が挙げられる。ノニオン型としては、アルキレンオキシド構造を有するエチレンオキシド重合体や、エチレンオキシド重合成分を分子鎖中に有する重合体が挙げられる。その他、ホウ素を分子構造中に有するポリマー型帯電防止剤も例として挙げることができる。これらの中で好ましくはカチオン型のポリマー型帯電防止剤であり、特に窒素含有ポリマー型帯電防止剤であり、より具体的には第三級窒素又は第四級窒素(アンモニウム塩構造)含有アクリル系ポリマーである。
[作用及び効果]
従来の農業用フィルムには、耐光性を高めるために、光安定剤として、NR系又はNH系のヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が用いられていた。これらNR系又はNH系のHALSは比較的に塩基性度が高いため、硫黄酸化物等の酸性物質の作用を受けて失活しやすかった。さらにこのとき、HALSの失活によって酸化防止剤の再生が妨げられるため、例え酸化防止剤が樹脂フィルム中に含まれていたとしても、酸化防止剤が消費された状態となることでその機能を十分に果たすことができなかった。よって、硫黄剤が用いられる酸性環境下でNR系又はNH系のHALSを含む農業用フィルムを用いた場合には、樹脂フィルムの劣化が著しいものとなっていた。
一方、本実施形態の農業用フィルムでは、樹脂フィルムがNOR型HALSを含んでいる。NOR型HALSは、NR系又はNH系のHALSと比して塩基性度が低いことから、酸性物質との相互作用が少ないため失活し難い。このため、NOR型HALSは、酸性環境下であっても樹脂フィルム中に生成したラジカルを捕捉して、光劣化反応を抑制することできる。よって、本実施形態の農業用フィルムは、酸性環境下での耐候性が向上したものとなる。
また、本実施形態の農業用フィルムでは、NOR型HALSが、ポリオレフィン系樹脂とフィラーとを含む樹脂フィルムに含まれている。樹脂フィルムは、延伸して製膜する際に、ポリオレフィン系樹脂中に含有されるフィラーを核として、樹脂フィルムの表面に露出する空孔又は表面近傍の空孔が形成されることで、表面に微細な凹凸が生じることになる。これにより、樹脂フィルムの表面にNOR型HALSがブリードアウトした場合であっても、表面のべたつきが抑えられて、補強シート等の他の部材との貼り合せ加工の際に生じる接着性の低下や、印刷性能の低下等の影響を抑制することができる。
本実施形態の樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂のフィルムの内部に多数の空孔が形成されていることにより、上述した光反射率を示す程度に光反射機能を有する。また、これらの空孔の少なくとも一部は、相互に連通した連通ボイドを形成している。これにより樹脂フィルムは、上述した透湿度を示す程度に水蒸気が透過する透湿性を有する。
[補強シート]
本実施形態の農業用フィルムは、上記の樹脂フィルムに、さらに接着層を介して補強シートが積層されていてもよい。補強シートの材料としては、織布又は不織布が用いられる。補強シートは、樹脂フィルムに積層することで、農業用フィルムに引裂耐性等の耐久性を付与するものである。
本実施形態の農業用フィルムにおける補強シートの厚みは30μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましく、50μm以上であることがさらに好ましい。また、補強シートの厚みは、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、250μm以下であることがさらに好ましい。
<織布>
本実施形態の補強シートに用いうる織布としては、経糸と緯糸とを1本おきに交差させる平織法、経糸と緯糸が2本又はそれ以上連続して織られる綾織法、経糸と緯糸が5本以上から構成される朱子(しゅす)織法などが採用される。
織布を構成する経糸、緯糸の素材としては、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテフタレート、ポリアリレート、木綿、レーヨン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン等の繊維が利用できる。経糸、緯糸の径は、それぞれ20〜150デニールで、同一径であっても、異なった径であっても良いが、同一径の方が平滑性の面から好ましい。
不織布を構成する主な繊維の繊維径は1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。また、不織布を構成する主な繊維の繊維径は25μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
織布の坪量は、経糸、緯糸の密度、径、織り込み数に依存するが、50〜200g/m2であルことが好ましく、50〜100g/m2であることがより好ましい。
<不織布>
本発明の補強シートに用いうる不織布としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維等の合成繊維等から形成された不織布が挙げられ、いずれも好適に使用することができる。不織布の製造法としては、ケミカルボンド法、ファイバーボンド法、メルトブロー法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法等の一般的な製造法を採用することができる。
不織布の坪量は、使用する材料に依存するが、通常は20〜100g/m2であり、好ましくは20〜50g/m2である。坪量が20g/m2以上であれば、高い引裂耐性が得られやすい傾向があり、坪量が100g/m2以下であれば、コストを抑えることができるとともに、収納及び運搬時の作業性が良くなる傾向がある。
<積層手法>
樹脂フィルムと、織布又は不織布よりなる補強シートとを積層して、本実施形態の農業用フィルムを得る方法としては、樹脂フィルム上に、ホットメルト型接着剤あるいは溶剤系接着剤等の接着剤を、塗布、スプレー、散布、溶融押出ラミ等の手法により接着層として設け、これを介して貼合するドライラミネート等、又は熱融着性フィルム、溶融押出フィルムを用いた溶融ラミネート等の通常の手法により行うことができる。ホットメルト型接着剤又は溶剤系接着剤としては、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリブチラール系、ポリウレタン系などを例示できる。上記接着剤の塗工・貼合せは、ビート塗工、スロット塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、メイヤバー塗工等が好適に使用できる。
[用途]
本実施形態の農業用フィルムの用途としては、例えば、マルチフィルム、ハウスフィルム、トンネルフィルム、野菜包装袋、果実包装袋等の農業用材料が挙げられる。中でも、果物等を色付かせるための光反射機能を発揮することから、畑の土壌を覆うことで農作物の栽培に適した環境を提供する、農業用のマルチフィルムとして好適に用いることができる。さらには、酸性環境下での耐候性が向上していることから、硫黄剤の散布対象となる、ぶどう、りんご、なし、もも、ネクタリン、すもも、あんず、すぐり、くり、かき、うめ等の果物類、みかん、レモン、オレンジ等の柑橘類、いちご、メロン、キュウリ、かぼちゃ、すいか、ピーマン、ナス、トマト、ミニトマト等の野菜類の栽培に好適に用いることができる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[評価手法]
各実施例、比較例で得られた樹脂フィルム(農業用フィルム)の評価は、以下の方法で行った。
<光反射率>
各実施例、比較例で得た樹脂フィルム(農業用フィルム)の反射率を、直径150mmの積分球を搭載した分光光度計(機器名:U−3310、日立製作所社製)を用いて、JIS Z8722:2000の幾何学的条件dに記載の方法に従い、波長650nmの光で測定した。同測定結果を、常用標準白色面(測定器付属の標準板である酸化アルミニウム板)における同条件での反射率を100%としたときの相対反射率として算出することで、光反射率を求めた。
<水蒸気透過度>
各実施例、比較例で得られた樹脂フィルム(農業用フィルム)の水蒸気透過度を、水蒸気透過度試験機(機器名:PERMATRAN W3/33、MOCON社製)を用いて、JIS K7129:2008の附属書Bに記載の方法に従い、温度38℃、相対湿度90%の条件下で測定した。
<フィラーの平均一次粒子径>
各実施例、比較例で得られた樹脂フィルムに含まれるフィラーの平均一次粒子径は、樹脂フィルムの切断面を電子顕微鏡により観察し、無作為に抽出した100個のフィラーのそれぞれにおいて、一次粒子の輪郭上の2点間の距離の最大値(最大径)を求め、その平均値を平均一次粒子径とした。
<フィラーの平均粒子径>
フィラーが凝集体の場合、表面処理を行った後のフィラーをメタノールで湿らせた後、水に分散させてスラリーを作成した。このスラリーに対してレーザー回折型粒度分布測定装置(機器名:SALD−2200、島津製作所社製)を用いて測定した体積基準のメジアン径(D50)を平均粒子径とした。
<厚み>
各実施例、比較例で得られた樹脂フィルムの総厚みは、定圧厚さ測定器(機器名:PG−01J、テクロック社製)を用い、JIS K7130:1999に従って求めた。また、樹脂フィルムが多層積層構造である場合には、樹脂フィルムを液体窒素にて−60℃以下の温度に冷却し、ガラス板上に置いた試料に対してカミソリ刃を直角に当て切断し断面測定用の試料を作成した。走査型電子顕微鏡(機器名:JSM−6490、日本電子社製)を使用して得られた試料の断面観察を行い、組成外観から各層の境界線を判別して樹脂フィルムにおける各層の厚み比率を求めた。そして、上記で求めた樹脂フィルムの総厚みと各層の厚み比率とを乗算して、各層の厚みを求めた。
<空孔率>
各実施例、比較例で得られた樹脂フィルムをガリウム収束イオンビームによって空孔が潰れないように断面観察用の試料を作成した。走査型電子顕微鏡(機器名:JSM−6490、日本電子社製)等を使用して適切な倍率(例えば2000倍等)で得られた試料の断面観察を行った。画像解析装置(機器名:LUZEX AP、ニレコ社製)等を使用して、得られた断面写真の観察領域を行うことで、樹脂フィルム断面中の空孔が占める面積の割合(面積率)を算出し、これを空孔率とした。
<光安定剤配合量/空孔率比>
各実施例、比較例で得られた樹脂フィルムについて、樹脂フィルム全体での光安定剤の配合比率(質量%)と、上記で求めた空孔率(%)とから、光安定剤配合量/空孔率比(質量%/%)を求めた。
<耐候性試験>
各実施例、比較例で得られた樹脂フィルムを、亜硫酸の5%水溶液中に72時間浸漬した後、これを引き上げ水洗いし、水分を拭き取った後、室内で自然乾燥させた。
次いで同サンプルを、耐候性促進試験機(機器名:メタルウェザー、ダイプラウインテス社製)を用いて、温度63℃、相対湿度50%の環境下で、10cm離れた位置に設置したメタルハライドランプから照射強度90mW/cmで180時間紫外線照射し、耐候性の促進試験を行った。
同サンプルは15時間おきに試験機内より取り出し、実体顕微鏡を用いて倍率80倍で同サンプルの表面の撮影及び表面状態の観察を行い、再び試験機内に戻して促進試験を行うことを繰り返した。
表面状態の観察では、フィルム表面の劣化により、各サンプルに粉が発生(チョーキング)したことを確認した時間と、ひび割れ(クラック)が発生したことを確認した時間を、試験結果とした。粉吹きは原料であるポリオレフィン系樹脂の劣化が始まったことを示すものであり、ひび割れはフィルムが構造を維持できないほど本格的に樹脂が劣化していることを示すものである。
同促進試験条件下において、5時間の紫外線照射は、1か月の屋外暴露に相当するものである。従って同条件の15時間の紫外線照射は3か月の屋外暴露に相当し、180時間の紫外線照射は36か月の屋外暴露に相当する。
従って、樹脂フィルムに1シーズン以上の耐候性を求める場合は、ひび割れが60時間以上促進試験しても観察されないことが好ましく、120時間以上観察されないことがより好ましく、180時間観察されないことが更に好ましい。また樹脂劣化の予兆である粉吹きは、45時間以上促進しても観察されないことが好ましく、60時間以上観察されないことがより好ましく、90時間以上観察されないことが更に好ましい。
<べたつき試験>
各実施例、比較例で得た樹脂フィルムの単層構成の場合にはベース層の一方の面を、2層構成の場合はスキン層又はラミネート層側の面を、3層構成の場合には一方のラミネート層側の面のタックレベルを、指触試験によって下記の基準で評価した。
◎:全くべたつきがない
〇:ほとんどべたつきがない
△:ややべたつきがある
×:べたつきがある
各実施例、比較例において、下記表1に記載の原料を用いて、下記表2に記載の配合割合で混合し、溶融混練して樹脂組成物を得て、次いでこれをフィルム状に押出成形し、次いでこれを延伸成形して樹脂フィルムを得た。
Figure 2018166478
[実施例]
<実施例1>
表1に記載の、プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP FY6、日本ポリプロ社製)53質量%、表面処理沈降性炭酸カルシウム微細粉末(商品名:カルファイン YM30、丸尾カルシウム社製)40質量%、二酸化チタン微細粉末(商品名:タイペーク CR60、石原産業社製)5質量%、及びNOR型HALS(商品名:アデカスタブ LA−81、アデカ社製)2質量%をスーパーミキサーで混合し、混合物を210℃に設定した2軸混練機にて溶融混練し、混練物をTダイよりシート状に押し出し、これを冷却装置にて80℃まで冷却して単層の無延伸樹脂シートを得た。
この無延伸樹脂シートを、142℃まで加熱した後、多数のロール群の周速差を利用したロール間延伸法にて樹脂シートの搬送方向(縦方向)に5倍の延伸倍率で1軸延伸し、その後60℃にて冷却して1軸延伸された樹脂フィルムを得た。
次いで、この1軸延伸された樹脂フィルムを、テンターオーブンを用いて再び162℃まで加熱した後、155℃でテンター延伸機を用いたクリップ延伸法にて樹脂シートの幅方向(横方向)に8倍の延伸倍率で延伸し、クリップで保持したまま更にオーブンで160℃まで加熱して2秒間熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットして逐次2軸延伸された単層の、実施例1の樹脂フィルムを得た。樹脂延伸フィルムの搬送速度は、120m/minに制御した。
得られた単層の樹脂フィルムの厚みは70μm、空孔率は58%、光反射率は97%、水蒸気透過度は1050g/(m・24hr)、光安定剤配合量/空孔率比は0.035であり、耐候性試験では粉吹きもひび割れも180時間で観察されなかった。
<実施例2〜5、比較例1及び2>
実施例1における混合物を、表1に記載の原料を用いて表2に記載の割合に変更した以外は、実施例1と同様の手順により実施例2〜5、比較例1及び2の樹脂フィルムを得た。
得られた単層の樹脂フィルムの厚み、空孔率、光反射率、水蒸気透過度、光安定剤配合量/空孔率比、及び耐候性試験での粉吹き発生時間、ひび割れ発生時間を表2及び表3にまとめて示す。
<実施例6>
表1に記載の、プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP FY6、日本ポリプロ社製)55質量%、表面処理沈降性炭酸カルシウム微細粉末(商品名:カルファイン YM30、丸尾カルシウム社製)40質量%、及び二酸化チタン微細粉末(商品名:タイペーク CR60、石原産業社製)5質量%をスーパーミキサーで混合し、混合物を210℃に設定した2軸混練機にて溶融混練し、ベース層用の樹脂組成物とした。
別に、表1に記載の、プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP FY6、日本ポリプロ社製)53質量%、重質炭酸カルシウム微細粉末(商品名:カルテックス7、丸尾カルシウム社製)45質量%、及びNOR型HALS(商品名:アデカスタブ LA−81、アデカ社製)2質量%をスーパーミキサーで混合し、混合物を210℃に設定した2軸混練機にて溶融混練し、スキン層用の樹脂組成物とした。
次いでこれらの樹脂組成物を、250℃に設定した2台の押出機でそれぞれ溶融混練し、これを共押出Tダイに導入してダイ内でスキン層/ベース層となるように積層してシート状に押し出し、これを冷却装置にて80℃まで冷却して2層の無延伸樹脂シートを得た。
この無延伸樹脂シートを、142℃まで加熱した後、多数のロール群の周速差を利用したロール間延伸法にて樹脂シートの搬送方向(縦方向)に5倍の延伸倍率で1軸延伸し、その後60℃にて冷却して1軸延伸された樹脂フィルムを得た。
次いで、この1軸延伸された樹脂フィルムを、テンターオーブンを用いて再び162℃まで加熱した後、155℃でテンター延伸機を用いたクリップ延伸法にて樹脂シートの幅方向(横方向)に8倍の延伸倍率で延伸し、クリップで保持したまま更にオーブンで160℃まで加熱して2秒間熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットして逐次2軸延伸された2層(スキン2軸、ベース2軸)の、実施例6の樹脂フィルムを得た。樹脂フィルムの搬送速度は、120m/minに制御した。
得られた2層の樹脂フィルムの厚みは75μm(スキン21μm、ベース54μm)、全層の空孔率は57%(スキン56%、ベース58%)、光反射率は96%(スキン層側)、水蒸気透過度は1030g/(m・24hr)、光安定剤配合量/空孔率比は0.01であり、耐候性試験では粉吹きが180時間で観察され、ひび割れは180時間で観察されなかった。
<実施例7>
表1に記載の、プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP FY6、日本ポリプロ社製)55質量%、表面処理沈降性炭酸カルシウム微細粉末(商品名:カルファイン YM30、丸尾カルシウム社製)40質量%、及び二酸化チタン微細粉末(商品名:タイペーク CR60、石原産業社製)5質量%をスーパーミキサーで混合し、混合物を210℃に設定した2軸混練機にて溶融混練してベース層用の樹脂組成物とし、これをTダイよりシート状に押し出し、これを冷却装置にて80℃まで冷却して単層の無延伸樹脂シートを得た。
この無延伸樹脂シートを、142℃まで加熱した後、多数のロール群の周速差を利用したロール間延伸法にて樹脂シートの搬送方向(縦方向)に5倍の延伸倍率で1軸延伸し、その後60℃にて冷却して1軸延伸された樹脂フィルムを得た。
次いで、表1に記載の、プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP FY6、日本ポリプロ社製)99質量%、及びNOR型HALS(商品名:アデカスタブ LA−81、アデカ社製)1質量%をスーパーミキサーで混合し、混合物を210℃に設定した2軸混練機にて溶融混練し、ラミ層用の樹脂組成物とし、これをTダイよりシート状に押し出し、これを前記1軸延伸された樹脂フィルムの一方の面上に押出ラミネートして、積層フィルムを得た。
この積層フィルムを、テンターオーブンを用いて再び162℃まで加熱した後、155℃でテンター延伸機を用いたクリップ延伸法にて樹脂シートの幅方向(横方向)に8倍の延伸倍率で延伸し、クリップで保持したまま更にオーブンで160℃まで加熱して2秒間熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットしてベース層が逐次2軸延伸された2層の、実施例7の樹脂フィルムを得た。樹脂延伸フィルムの搬送速度は、120m/minに制御した。
得られた2層の樹脂フィルムの厚みは70μm(ラミ15μm、ベース55μm)、空孔率は46%(ラミ0%、ベース58%)、光反射率は96%(ラミ層側)、水蒸気透過度は4g/(m・24hr)、光安定剤配合量/空孔率比は0.005であり、耐候性試験では粉吹きもひび割れも180時間で観察されなかった。
<実施例8、9、及び比較例3>
実施例7における樹脂組成物を、表1に記載の原料を用いて表2に記載の割合に変更した以外は、実施例1と同様の手順により実施例8、9、及び比較例3の樹脂フィルムを得た。
得られた単層の樹脂フィルムの厚み、空孔率、光反射率、水蒸気透過度、光安定剤配合量/空孔率比、及び耐候性試験での粉吹き発生時間、ひび割れ発生時間を表2及び表3にまとめて示す。
<実施例10>
表1に記載の、プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP FY6、日本ポリプロ社製)55質量%、表面処理沈降性炭酸カルシウム微細粉末(商品名:カルファイン YM30、丸尾カルシウム社製)40質量%、及び二酸化チタン微細粉末(商品名:タイペーク CR60、石原産業社製)5質量%をスーパーミキサーで混合し、混合物を210℃に設定した2軸混練機にて溶融混練してベース層用の樹脂組成物とし、これをTダイよりシート状に押し出し、これを冷却装置にて80℃まで冷却して単層の無延伸樹脂シートを得た。
この無延伸樹脂シートを、142℃まで加熱した後、多数のロール群の周速差を利用したロール間延伸法にて樹脂シートの搬送方向(縦方向)に5倍の延伸倍率で1軸延伸し、その後60℃にて冷却して1軸延伸された樹脂フィルムを得た。
次いで、表1に記載の、プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP FY6、日本ポリプロ社製)70質量%、重質炭酸カルシウム微細粉末(商品名:カルテックス7、丸尾カルシウム社製)25質量%、二酸化チタン微細粉末(商品名:タイペーク CR60、石原産業社製)3質量%、及びNOR型HALS(商品名:アデカスタブ LA−81、アデカ社製)2質量%をスーパーミキサーで混合し、混合物をラミ層用の樹脂組成物として210℃に設定した2台の押出機で溶融混練し、Tダイを用いてシート状に押し出し、これを前記1軸延伸された樹脂フィルムの両面上に押出ラミネートして、ラミ層/ベース層/ラミ層の積層構造を有する積層フィルムを得た。
この積層フィルムを、テンターオーブンを用いて再び162℃まで加熱した後、155℃でテンター延伸機を用いたクリップ延伸法にて樹脂シートの幅方向(横方向)に8倍の延伸倍率で延伸し、クリップで保持したまま更にオーブンで160℃まで加熱して2秒間熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットしてベース層が逐次2軸延伸された3層の、実施例10の樹脂フィルムを得た。樹脂延伸フィルムの搬送速度は、120m/minに制御した。
得られた3層の樹脂フィルムの厚みは75μm(14μm/47μm/14μm)、空孔率は41%(21%/52%/21%)、光反射率は95%、水蒸気透過度は5g/(m・24hr)、光安定剤配合量/空孔率比は0.018であり、耐候性試験では粉吹きもひび割れも180時間で観察されなかった。
<実施例11>
実施例10における樹脂組成物を、表1に記載の原料を用いて表2に記載の割合に変更した以外は、実施例10と同様の手順により実施例11の樹脂フィルムを得た。
得られた3層の樹脂フィルムの厚み、空孔率、光反射率、水蒸気透過度、光安定剤配合量/空孔率比、及び耐候性試験での粉吹き発生時間、ひび割れ発生時間を表2及び表3にまとめて示す。
Figure 2018166478
Figure 2018166478
[評価]
表2,表3に、実施例及び比較例の樹脂フィルムの物性と評価結果をまとめて示す。
表3に示すとおり、従来のNR型HALSを用いた各比較例の樹脂フィルムでは、耐候性が不十分であった。これに対して、最外層にフィラーとNOR型HALSとを含む各実施例の樹脂フィルムは、優れた光反射率機能を具備し、酸性条件下での耐候性が向上したものであることが確認された。また、全層の空孔率が50%以上となる実施例1〜6,9では、十分な水蒸気透過度を発揮すると共に、比表面積の増加にも関わらず耐候性を維持することができるものであった。
100a,100b,100c,100d,100e,100f,100g 農業用フィルム
11 ベース層
12a,12b,12c,12d スキン層
13a,13b,13c,13d ラミネート層
21 接着層
22 補強シート

Claims (13)

  1. ポリオレフィン系樹脂とフィラーとを含む樹脂フィルムを備える農業用フィルムであって、
    前記樹脂フィルムがNOR型ヒンダードアミン系光安定剤を含み、
    JIS−Z8722の幾何学的条件dに記載の方法を用いて650nmの波長で測定した、常用標準白色面に対する、前記樹脂フィルムの光反射率が90%以上である
    ことを特徴とする、農業用フィルム。
  2. 前記樹脂フィルムが単層構造を有し、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーと前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤とを含む延伸多孔性フィルムである、
    請求項1に記載の農業用フィルム。
  3. 前記樹脂フィルムが多層積層構造を有し、少なくともその最外の層が、前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤を含む、
    請求項1に記載の農業用フィルム。
  4. 前記樹脂フィルムが、少なくともベース層を有し、
    前記ベース層が、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーとを含む、2軸延伸の延伸多孔性フィルムである、
    請求項3に記載の農業用フィルム。
  5. 前記樹脂フィルムが、前記ベース層の少なくとも一方の面に設けられたスキン層を有し、
    前記スキン層が、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーと前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤とを含む、2軸延伸の延伸多孔性フィルムである、
    請求項4に記載の農業用フィルム。
  6. 前記樹脂フィルムが、前記ベース層の少なくとも一方の面に設けられたラミネート層を有し、
    前記ラミネート層が、前記ポリオレフィン系樹脂と前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤とを含む、1軸延伸の延伸フィルムである、
    請求項4に記載の農業用フィルム。
  7. 前記樹脂フィルムが、前記ベース層の少なくとも一方の面に設けられたスキン層とラミネート層とをこの順で有し、
    前記スキン層が、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーとを含む、2軸延伸の延伸多孔性フィルムであり、
    前記ラミネート層が、前記ポリオレフィン系樹脂と前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤とを含む、1軸延伸の延伸フィルムである、
    請求項4に記載の農業用フィルム。
  8. 前記ラミネート層が、前記フィラーをさらに含む、1軸延伸の延伸多孔性フィルムである、
    請求項6又は7に記載の農業用フィルム。
  9. 前記樹脂フィルムが、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーと前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤よりなる組成物100質量%に対して、0.01〜10質量%の前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤を含む、
    請求項1〜8の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  10. 前記樹脂フィルムが、前記ポリオレフィン系樹脂と前記フィラーと前記NOR型ヒンダードアミン系光安定剤よりなる組成物100質量%に対して、25〜65質量%の前記ポリオレフィン系樹脂と、34〜74質量%の前記フィラーとを含む、
    請求項1〜9の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  11. 前記樹脂フィルムの空孔率が、35〜75%である、
    請求項1〜10の何れか一項に記載の農業用フィルム。
  12. 前記樹脂フィルムにおけるNOR型ヒンダードアミン系光安定剤の含有率(質量%)と、前記延伸多孔性フィルムにおける空孔率(%)との比が、0.001〜0.28(質量%/%)である、
    請求項11に記載の農業用フィルム。
  13. JIS K7129に従って測定した、前記樹脂フィルムの水蒸気透過度が、700〜2,500g/m2・24hである、
    請求項1〜12の何れか一項に記載の農業用フィルム。
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