JP2018085977A - 農業シート - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な反射性と耐候性を有する農業シートを提供する。
【解決手段】光反射層1と、ポリプロピレン系樹脂を含有する基材シート2と、補強シート3とをこの順に有し、上記基材シートは、平均径が1μm以上50μm以下である空隙を有し、空隙率が15%以上35%以下であり、厚さが25μm以上90μm以下であるシートであり、上記光反射層側における波長600nmでの全反射率が90%以上である、農業シート10。
【選択図】図1
【解決手段】光反射層1と、ポリプロピレン系樹脂を含有する基材シート2と、補強シート3とをこの順に有し、上記基材シートは、平均径が1μm以上50μm以下である空隙を有し、空隙率が15%以上35%以下であり、厚さが25μm以上90μm以下であるシートであり、上記光反射層側における波長600nmでの全反射率が90%以上である、農業シート10。
【選択図】図1
Description
本開示は、農業シートに関する。
農業シートは、例えば、土壌や農作物を被覆する部材、および、農業ハウスの部材等に用いられる。光反射性を付与した農業シートは、例えば、ハウス内の光線不足の解消、収穫物の着色促進、地温の抑制、雑草の対策等に用いることができる。
特許文献1には、シート基材と、シート基材の少なくとも一方の面に設けられた光反射層と、を備えた農業用シートが開示されている。また、特許文献2には、農業用施設などに被覆される遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの外面側の層から、5層構造の樹脂層を有する遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムが開示されている。一方、特許文献3には、例えば食品包装用に用いられる二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムが開示されている。
空隙を有する基材シート(多孔質基材シート)は、反射性および耐候性が低い場合がある。本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、良好な反射性および耐候性を有する農業シートを提供することを主目的とする。
本開示においては、光反射層と、ポリプロピレン系樹脂を含有する基材シートと、補強シートとをこの順に有し、上記基材シートは、平均径が1μm以上50μm以下である空隙を有し、空隙率が15%以上35%以下であり、厚さが25μm以上90μm以下であるシートであり、上記光反射層側における波長600nmでの全反射率が90%以上である、農業シートを提供する。
本開示の農業シートは、良好な反射性および耐候性を有するという効果を奏する。
以下、本開示の農業シートについて詳細に説明する。なお、本開示においては、「シート」および「フィルム」を同義として用いる場合がある。
図1は、本開示の農業シートを例示する概略断面図である。図1に示す農業シート10は、光反射層1と、ポリプロピレン系樹脂を含有する基材シート2と、補強シート3とをこの順に有する。さらに、農業シート10は、光反射層1側(基材シート2を基準とした場合に光反射層1が存在する側)における全反射率が高い。また、本開示における基材シートは、所定の空隙および厚さを有し、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。例えば図2に示す基材シート2は、空隙4を有し、表面層2a、基材層2bおよび裏面層2cの3層構造を有する。一方、図3に示すように、農業シート10は、光反射層1(第一の光反射層1a)と、基材シート2と、第二の光反射層1bと、補強シート3とをこの順に有していてもよい。
本開示によれば、空隙率が比較的低い基材シートを用いた場合であっても、光反射層および補強シートと組み合わせることで、良好な反射性および耐候性を有する農業シートとすることができる。例えば特許文献3に開示されているように、ポリプロピレン系樹脂を含有し、空隙率が比較的低いシート(典型的にはパールOPP)は、食品包装用等に広く用いられており、安価である。しかしながら、このようなシートは、例えば屋外で使用することを想定していないため、耐候性が低い。さらに、このようなシートの光反射は、多孔質構造による光散乱によって生じているため、空隙率が比較的低い場合は、反射性も低くなる。これに対して、本開示によれば、空隙率が比較的低い基材シートを用いた場合であっても、光反射層および補強シートと組み合わせることで、良好な反射性および耐候性を有する農業シート、すなわち、農業用途に利用可能なシートとすることができることを見出した。
以下、本開示の農業シートについて、構成ごとに説明する。
以下、本開示の農業シートについて、構成ごとに説明する。
1.基材シート
本開示における基材シートは、ポリプロピレン系樹脂(プロピレン系重合体)を含有するシートである。また、基材シートは、通常、所定の空隙および厚さを有する。
本開示における基材シートは、ポリプロピレン系樹脂(プロピレン系重合体)を含有するシートである。また、基材シートは、通常、所定の空隙および厚さを有する。
(1)基材シートの材料
基材シートは、少なくともポリプロピレン系樹脂を含有し、さらに充填剤を含有することが好ましい。
基材シートは、少なくともポリプロピレン系樹脂を含有し、さらに充填剤を含有することが好ましい。
(i)ポリプロピレン系樹脂
ポリプロピレン系樹脂の一例としては、プロピレン単独重合体が挙げられる。プロピレン単独重合体は、アイソタクティックまたはシンジオタクティックな立体規則性を有することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂の他の例としては、プロピレンと、他のαオレフィンとの共重合体が挙げられる。他のαオレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン −1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1の少なくとも一種等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンをモノマー単位の主成分とすることが好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂として、後述する「(2)基材シートの構成」に記載するポリプロピレン系樹脂を用いることもできる。基材シートにおいて、全樹脂成分に対するポリプロピレン系樹脂の割合は、例えば90質量%以上であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の一例としては、プロピレン単独重合体が挙げられる。プロピレン単独重合体は、アイソタクティックまたはシンジオタクティックな立体規則性を有することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂の他の例としては、プロピレンと、他のαオレフィンとの共重合体が挙げられる。他のαオレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン −1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1の少なくとも一種等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンをモノマー単位の主成分とすることが好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂として、後述する「(2)基材シートの構成」に記載するポリプロピレン系樹脂を用いることもできる。基材シートにおいて、全樹脂成分に対するポリプロピレン系樹脂の割合は、例えば90質量%以上であることが好ましい。
(ii)充填剤
充填剤としては、例えば無機系充填剤が挙げられる。無機系充填剤としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、酸化チタン、焼成クレイ、タルク、酸化珪素、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等が挙げられる。また、これらは脂肪酸等で表面処理されていてもよい。なお、充填剤として、後述する「(2)基材シートの構成」に記載する充填剤を用いることもできる。
充填剤としては、例えば無機系充填剤が挙げられる。無機系充填剤としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、酸化チタン、焼成クレイ、タルク、酸化珪素、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等が挙げられる。また、これらは脂肪酸等で表面処理されていてもよい。なお、充填剤として、後述する「(2)基材シートの構成」に記載する充填剤を用いることもできる。
充填剤の平均粒子径は、例えば0.01μm以上15μm以下であり、0.01μm以上8μm以下であってもよい。「平均粒子径」とは、体積基準で測定した粒径分布の統計的平均値として定義され、公知の粒子径分布測定装置(例えば、商品名「LA−920」、株式会社堀場製作所製)によって測定された値をいう。
基材シートにおける充填剤の含有量は、例えば1質量%以上であり、2質量%以上である。一方、基材シートにおける充填剤の含有量は、例えば65質量%以下であり、55質量%以下であってもよい。充填剤の含有量が多すぎると、延伸工程において、基材シートが破断する可能性がある。
(iii)添加剤
基材シートは、必要に応じて、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、防曇剤、顔料、染料が挙げられる。
基材シートは、必要に応じて、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、防曇剤、顔料、染料が挙げられる。
耐熱安定剤(酸化防止剤)としては、例えば、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系酸化防止剤、2(2'−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、置換ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系酸化防止剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、フェニルサルチレート、4−t−ブチルフェニルサリチレート等が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、アルキルアミンおよびその誘導体、高級アルコール、高級脂肪酸のグリセリンエステル類、ピリジン誘導体、硫酸化油、石鹸類、オレフィンの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル類、脂肪酸エチルスルフォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、琥珀酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル塩、多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、高級アルコール、流動パラフィン等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、エチレン−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2、2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4オクトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
界面活性剤は、例えば基材シートの結露を防ぐために用いられる。界面活性材としては、例えば、非イオン性界面 活性材、陰イオン性界面活性材、両イオン性界面活性材等が挙げられる。非イオン性界面活性材としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。陰イオン性界面活性材としては、例えば、スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の塩が挙げられる。なお、上記塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
(2)基材シートの構成
基材シートは、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。特に、基材シートは、表面層と、基材層と、裏面層とをこの順に有することが好ましい。なお、本明細書では、便宜上、「表面層」、「裏面層」という表現を使用するが、これらの表現は、農業シートの使用方法(例えば表面層を上側、裏面層を下側に配置する等の使用方法)を限定するものではない。
基材シートは、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。特に、基材シートは、表面層と、基材層と、裏面層とをこの順に有することが好ましい。なお、本明細書では、便宜上、「表面層」、「裏面層」という表現を使用するが、これらの表現は、農業シートの使用方法(例えば表面層を上側、裏面層を下側に配置する等の使用方法)を限定するものではない。
(i)基材層
基材層は、ポリプロピレン系樹脂および充填剤を含有することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体であってもよい。プロピレン単独重合体の密度は、例えば0.890g/cm3以上0.930g/cm3以下であることが好ましい。プロピレン単独重合体のMFR(ASTM D1238 荷重2160g,温度230℃)は、例えば、0.5g/10分以上60g/10分以下であり、0.5g/10分以上10g/10分以下であってもよく、1g/10分以上5g/10分以下であってもよい。また、ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンと、他の少量、例えば、5モル%以下のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、その他等とのランダム共重合体であってもよい。
基材層は、ポリプロピレン系樹脂および充填剤を含有することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体であってもよい。プロピレン単独重合体の密度は、例えば0.890g/cm3以上0.930g/cm3以下であることが好ましい。プロピレン単独重合体のMFR(ASTM D1238 荷重2160g,温度230℃)は、例えば、0.5g/10分以上60g/10分以下であり、0.5g/10分以上10g/10分以下であってもよく、1g/10分以上5g/10分以下であってもよい。また、ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンと、他の少量、例えば、5モル%以下のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、その他等とのランダム共重合体であってもよい。
また、ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体、または、プロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンとのプロピレンを主体とした共重合体に極性基を付与して変性した変性ポリプロピレン系樹脂であってもよい。中でも、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂が接着性の改善効果に優れるため好ましい。
不飽和カルボン酸もしくはその誘導体としては、例えばアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸;またはその誘導体、例えば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。このような誘導体の具体例としては、例えば塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が挙げられる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好ましく、特にマレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物がより好ましい。
不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂は、変性前のポリプロピレン系樹脂に基づいて、例えば0.05質量%以上15質量%以下、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下の不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性されている。また、変性したポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR、230℃)は、例えば、0.1g/10分以上50g/10分以下であり、0.3g/10分以上30g/10分以下であることが好ましい。
基材層は、オレフィン系ワックスが配合されていることが好ましい。オレフィン系ワックスが可塑剤として作用するため、延伸し易くなる。オレフィン系ワックスとしては、例えば、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体等のエチレン系樹脂ワックス、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体等のプロピレン系樹脂ワックス、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)およびエチレン−酢酸ビニル共重合体のワックスが挙げられ、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
基材層は、1種あるいは2種以上のポリプロピレン系樹脂を含有していてもよい。2種以上のポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体とプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体との組み合わせが挙げられる。
また、ポリプロピレン系樹脂が、プロピレン単独重合体、または、1モル%以下のランダム共重合体でアイソタクテシティの高い重合体である場合、高剛性を有する基材層が得られる。
基材層は、充填剤として炭酸カルシウムを含有することが好ましい。炭酸カルシウムの平均粒子径は、例えば1μm以上5μm以下であり、1.5μm以上4μm以下であってもよい。炭酸カルシウムは、粒子表面が高級脂肪酸、好ましくは炭素原子数10以上28以下の高級脂肪酸で表面処理されていることが好ましい。炭酸カルシウムの2次凝集による異物、フィッシュアイ等の発生を防止することができるからである。
高級脂肪酸としては、例えば、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸等の飽和高級脂肪酸[CH3(CH2)nCOOH、n=8以上26以下];オレイン酸(cis)、エライジン酸(trans)、セトレイン酸、エルカ酸(cis)、ブラシジン酸(trans)、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和高級脂肪酸が挙げられる。これら中でも、飽和高級脂肪酸、特にステアリン酸が好ましい。
炭酸カルシウムの最大粒子径は、例えば10μm以下であり、9μm以下であることが好ましい。なお、粒子径は、超遠心式自動粒度分布測定装置(型式 CAPA−700、堀場製作所製)を用い遠心沈降による光透過測定方式にて測定できる。
炭酸カルシウムは、粒径が5μm以下の炭酸カルシウム粒子が、炭酸カルシウム全体の80質量%以上占める粒度分布を有することが好ましく、85質量%以上占める粒度分布を有することがより好ましい。このような粒度分布と平均粒径とを有する炭酸カルシウムを用いると、炭酸カルシウム粒子によるボイドの大きさが均一となるため、白色度が優れる基材シートが得られる。
白色度に優れた基材シートを得るために、炭酸カルシウムの水分は、例えば0.5質量%以下であることがより好ましい。かかる水分は、JIS K 5101に準じて測定できる。さらには、炭酸カルシウムの白色度は、90%以上であることが好ましい。
基材層は、充填剤として酸化チタンを含有することが好ましい。酸化チタンのの平均粒子径は、例えば0.1μm以上0.5μm以下であり、0.2μm以上0.3μm以下であってもよい。酸化チタンの粒子径は、光散乱法により測定できる。酸化チタンは、チタンホワイトとも呼ばれており、ルチル型とアナターゼ型があるが、ルチル型が、隠蔽力が大きいので好ましい。酸化チタンは、その表面が、アルミナ処理されていることが好ましい。さらには、酸化チタンの白色度は95%以上であることがが好ましい。酸化チタンの表面を処理したものを使用することにより、基材シートの外観が改良される。
特に、基材層は、ポリプロピレン系樹脂を70質量%以上95質量%以下の割合で含有し、平均粒子径が1μm以上5μm以下である炭酸カルシウムを3質量%以上15質量%以下の割合で含有し、平均粒子径が0.1μm0.5μm以下である酸化チタンを0.5質量%以上3質量%以下の割合で含有することが好ましい。中でも、ポリプロピレン系樹脂の割合は、70質量%以上90質量%以下であることが好ましい。炭酸カルシウムの割合は、5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。酸化チタンの割合は、0.8質量%以上2.7質量%以下であることが好ましい。なお、基材層は、必要に応じて、上述した添加剤を含有していてもよい。基材層の厚さは、例えば15μm以上であり、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよい。
(ii)表面層および裏面層
表面層および裏面層は、同一の層であってもよい、異なる層であってもよい。表面層および裏面層を外面層と総称する場合がある。
表面層および裏面層は、同一の層であってもよい、異なる層であってもよい。表面層および裏面層を外面層と総称する場合がある。
外面層は、ポリプロピレン系樹脂を含有することが好ましい。なお、外面層は、充填剤を含有していてもよく、含有していなくてもよい。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体であってもよい。また、ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンと、他の少量、例えば、5モル%以下のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、その他等とのランダム共重合体であってもよい。ランダム共重合体は、プロピレンと二種以上のα−オレフィンから得られる三元ランダム共重合体であってもよい。
外面層に用いられるポリプロピレン系樹脂のMFR(ASTM D1238 荷重2160g,温度230℃)は、例えば0.5g/10分以上60g/10分以下であり、0.5g/10分以上10g/10分以下であることが好ましい、1g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましい。
外面層に用いられるポリプロピレン系樹脂として、プロピレン単独重合体とプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体との組成物を用いた場合は、接着性に優れる基材シートとなる。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の融点は、例えば100℃以上150℃以下であり、120℃以上145℃以下が好ましい。
外面層に用いられるポリプロピレン系樹脂は、上述した変性ポリプロピレン系樹脂であってもよい。外面層に用いられるポリプロピレン系樹脂は、全てが変性ポリプロピレン系樹脂であってもよく、変性ポリプロピレン系樹脂と、未変性ポリプロピレン系樹脂との組成物であってもよい。
このような組成物としては、プロピレン単独重合体を変性した変性ポリプロピレン系樹脂と未変性のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体との組成物であってもよく、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を変性した変性ポリプロピレン系樹脂と未変性のプロピレン単独重合体との組成物であってもよい。
外面層に用いられるポリプロピレン系樹脂として、プロピレン単独重合体とプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の組成物を用いる場合は、プロピレン単独重合体とプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の合計量100質量%に対して、プロピレン単独重合体の割合が、例えば20質量%以上80質量%以下であり、25質量%以上75質量%以下であってもよい。その場合は、プロピレン単独重合体およびプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の何れかがポリプロピレン系樹脂であってもよいし、何れも変性ポリプロピレン系樹脂であってもよい。なお、外面層は、必要に応じて、上述した添加剤を含有していてもよい。外面層の厚さは、例えば0.3μm以上である。一方、外面層の厚さは、例えば5μm以下である。
(3)基材シートの物性
基材シートは、通常、空隙を有する多孔質基材シートである。空隙の平均径は、例えば1μm以上であり、2μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。一方、空隙の平均径は、例えば50μm以下であり、40μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。空隙の平均径は、基材シート積層方向または積層面における任意の断面の空隙の径の平均である。なお、空隙の形状は、円状、楕円状等様々であるが、それぞれの空隙の最大径(L)とそれに直角な方向の最大の径(M)を測定して平均したもの[(L+M)/2]をそれぞれの空隙の径とする。少なくともn個(nは1以上の整数であり、100以上の整数であることが好ましい)の空隙の径を測定し、その平均値を平均径とする。空隙の径の測定方法は、試料より任意の一部を切り取り、エポキシ樹脂等で包埋してミクロトーム等で切断後、試料台に貼り付けて、観察面に金または金−パラジウム等を蒸着し、試料の断面を、例えば、(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡S−2400等を使用して観察しやすい任意の倍率にて表面の空隙形状を観察する。空隙の径は、例えば、充填剤の添加量、延伸倍率および延伸温度等により適宜調整できる。
基材シートは、通常、空隙を有する多孔質基材シートである。空隙の平均径は、例えば1μm以上であり、2μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。一方、空隙の平均径は、例えば50μm以下であり、40μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。空隙の平均径は、基材シート積層方向または積層面における任意の断面の空隙の径の平均である。なお、空隙の形状は、円状、楕円状等様々であるが、それぞれの空隙の最大径(L)とそれに直角な方向の最大の径(M)を測定して平均したもの[(L+M)/2]をそれぞれの空隙の径とする。少なくともn個(nは1以上の整数であり、100以上の整数であることが好ましい)の空隙の径を測定し、その平均値を平均径とする。空隙の径の測定方法は、試料より任意の一部を切り取り、エポキシ樹脂等で包埋してミクロトーム等で切断後、試料台に貼り付けて、観察面に金または金−パラジウム等を蒸着し、試料の断面を、例えば、(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡S−2400等を使用して観察しやすい任意の倍率にて表面の空隙形状を観察する。空隙の径は、例えば、充填剤の添加量、延伸倍率および延伸温度等により適宜調整できる。
基材シートの空隙率は、例えば15%以上であり、17%以上であってもよい。基材シートの空隙率が小さすぎると、光反射率が低くなる可能性がある。一方、基材シートの空隙率は、例えば35%以下であり、33%以下であってもよい。基材シートの空隙率が大きすぎると、基材シートを補強シートと接合した際に、カールが生じる可能性がある。
ここで、空隙率とは、基材シート中に占める空隙の割合を示しており、下記式から算出できる。
各層の密度=積層した各層のm2当たりの質量/積層した各層の厚さ
空隙率=(1−各層の密度/空隙を形成しない基材シートの密度)×100
ここで、空隙率とは、基材シート中に占める空隙の割合を示しており、下記式から算出できる。
各層の密度=積層した各層のm2当たりの質量/積層した各層の厚さ
空隙率=(1−各層の密度/空隙を形成しない基材シートの密度)×100
基材シートの厚さは、例えば25μm以上であり、30μm以上であってもよく、40μm以上であってもよい。基材シートの厚さが小さすぎると、強度が低くなる可能性がある。一方、基材シートの厚さは、例えば90μm以下であり、80μm以下であってもよい。基材シートの厚さが大きすぎると、農業シートの質量が増え、ハンドリング性が低下する可能性がある。また、使用樹脂量も多くなるため、農業シートの製造コストも大きくなる。
基材シートは、無延伸シートであってもよく、延伸シートであってもよいが、後者が好ましく、中でも、二軸延伸フィルムが好ましい。
基材シートは、遮水性を有することが好ましい。なお、遮水性とは、液体としての水を通過させない性質をいう。
基材シートの耐水圧は、例えば10kPa以上であり、20kPa以上であることが好ましい。耐水圧は、JIS L 1092:2009に規定される繊維製品の防水性試験方法の耐水度試験(静水圧法)のA法(低水圧法)に準拠して測定できる。例えば、耐水圧試験装置(安田精機製作 所の織布耐水度試験機No.409)に試験するシートを表側に水が当たるように取り付けた後、水を入れた水準装置を600mm/分(10mm/秒 )の速さで上昇させて、試験するシートの裏側3ヶ所から水滴が出たときの水位をmm単位で測定する。
基材シートの不透明度は、例えば、70%以上100%以下であることが好ましい。不透明度は、JIS P 8149:2000に規定される紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法に準拠して測定できる。例えば、分光測色計(コニカミノルタ社製のCM−5)で測定する。
基材シートの密度は、例えば、0.50g/cm3以上0.90g/cm3以下であり、0.50g/cm3以上0.70g/cm3以下であってもよい。密度は、例えば100mm×1000mmの大きさの試験するシートの厚みおよび質量を測定することで算出できる。
(4)基材シートの製造方法
基材シートの製造方法は、所望のシートが得られる方法であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂および充填剤を含有する基材シート形成用樹脂組成物を公知の押出機等で成膜し前駆シートを形成する成膜工程と、前駆シートを延伸する延伸工程とを有する製造方法が挙げられる。
基材シートの製造方法は、所望のシートが得られる方法であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂および充填剤を含有する基材シート形成用樹脂組成物を公知の押出機等で成膜し前駆シートを形成する成膜工程と、前駆シートを延伸する延伸工程とを有する製造方法が挙げられる。
上記延伸工程において、前駆シートは公知の方法により延伸される。前駆シートを延伸すると、充填剤とポリプロピレン系樹脂との界面で剥離が起こり、この界面で生じた剥離が、さらなる延伸により伝播して拡大する。これにより、空隙を有する基材シートが得られる。前駆シートを延伸する方法としては、公知の延伸方法が使用でき、例えば、縦方向一軸延伸、縦方向一軸多段延伸、横方向一軸延伸、縦横逐次二軸延伸、縦横同時二軸延伸、およびこれらの組合せが挙げられる。延伸する際の温度は、使用するポリプロピレン系樹脂にもよるが、ポリプロピレン系樹脂のガラス転移温度以上、融点以下の温度であることが好ましい。
例えば図4に示すように、前駆シート2xに対して、MD(Machine Direction)方向およびTD(Transverse Direction)方向の二軸方向に延伸することで、二軸延伸シートである基材シート2が得られる。なお、MD方向とは、押出機を用いて基材シート形成用樹脂組成物を押し出した時の押し出し方向であり、TD方向とは、押出機を用いて基材シート形成用樹脂組成物を押し出した時の押し出し方向と直交する方向である。二軸延伸の条件としては、縦延伸温度が100℃以上145℃以下であることが好ましく、縦延伸倍率が4倍以上7倍以下であることが好ましく、横延伸温度が150℃以上190℃以下であることが好ましく、横延伸倍率が8倍以上11倍以下であることが好ましい。
例えば、ポリプロピレン系樹脂の種類、および、充填剤の配合比を変えた2種またはそれ以上の基材シート形成用樹脂組成物を用い、共押出機を用いて多層構造を有する前駆シートを形成してもよい。多層化方法としては、基材層用の基材シート形成用樹脂組成物をダイのマニホールドに流入する直前で表層用の基材シート形成用樹脂組成物に合流させるフィードブロック法、多層マニホールドダイを用いたマルチマニホールド法等が挙げられる。
また、充填剤を含む前駆シートから充填剤を除去した後に延伸することにより空隙を形成してもよい。前駆シートから充填剤を除去する際には、例えば液体が用いられる。使用する液体は、前駆シート中の充填剤の種類に応じて適宜選択されるが、充填剤が炭酸カルシウム等の本質的に酸に溶解するものである場合には、酸性水溶液を用いることができる。充填剤を除去する方法としては、液体を前駆シートにシャワー状に浴びせる方法、液体を入れた槽に前駆シートを浸漬する方法等が挙げられる。液体により充填剤を除去する方法は回分式でも連続式でもよいが、生産性の観点から連続式が好ましく、例えば、2つ以上のロールを中に配置した槽に液体を入れ、回転するロールにより前駆シートを搬送し液体中を通過させる方法が挙げられる。液体が酸性またはアルカリ性水溶液である場合には、充填剤が除去された前駆シートをさらに水で洗浄することが好ましい。前駆シートを洗浄する場合には、通常は前駆シートに溶解した塩等が析出してこない程度まで前駆シートを洗浄することが好ましい。
2.光反射層
本開示における光反射層は、可視光反射性を有する層である。光反射層は、着色剤および樹脂成分を含有することが好ましい。
本開示における光反射層は、可視光反射性を有する層である。光反射層は、着色剤および樹脂成分を含有することが好ましい。
(1)着色剤
着色剤としては、例えば、顔料等が挙げられる。また、着色剤の色としては、例えば、白色、銀色、銀白色等が挙げられる。特に、光反射層は、白色顔料および銀色顔料の少なくとも一方を含有することが好ましい。
着色剤としては、例えば、顔料等が挙げられる。また、着色剤の色としては、例えば、白色、銀色、銀白色等が挙げられる。特に、光反射層は、白色顔料および銀色顔料の少なくとも一方を含有することが好ましい。
白色顔料としては、例えば、アナターゼ型またはルチル型の酸化チタン;これらの表面をAl、Si等の金属酸化物で処理した酸化チタン;炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料が挙げられる。酸化チタンの平均粒子径は、例えば、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。銀色顔料としては、例えば、アルミニウム、クロム等の金属顔料が挙げられる。光反射層における着色剤の含有量(固形分濃度)は、例えば10質量%以上50質量%以下である。
(2)樹脂成分
光反射層の樹脂成分は、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。ポリウレタン系樹脂は、ポリウレタン系樹脂は、薄膜として表面強度が強く好ましい。ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクタムポリウレタン、および、それらの混合物が挙げられる。
光反射層の樹脂成分は、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。ポリウレタン系樹脂は、ポリウレタン系樹脂は、薄膜として表面強度が強く好ましい。ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクタムポリウレタン、および、それらの混合物が挙げられる。
光反射層は、樹脂成分として、ガラス転移温度Tg(℃)が、−60℃≦Tg≦0℃であり、重量平均分子量Mwが10,000≦Mw≦80,000であるポリウレタン系樹脂を含有することが好ましい。ガラス転移温度Tgが高く過ぎると、引き裂き性が低下する可能性がある。一方、ガラス転移温度Tgが低すぎると、光反射層の強靭性が低下する可能性がある。重量平均分子量が大きすぎると、引き裂き性が低下しやすい。一方、重量平均分子量が小さすぎると、光反射層にブロッキングが発生する可能性がある。このようなポリウレタン系樹脂は、例えば、ポリウレタン系樹脂を構成するウレタン基量、極性基の種類、および、その使用量等を設定することによって得られる。
ポリウレタン系樹脂は、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリマーポリオールとを溶液重合等の公知の方法で反応させ、必要に応じて、ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤および反応停止剤を使用することによって得られる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;1,3−または1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;m−またはp−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−または2、6−トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートが挙げられる。
上記ポリマーポリオールとしては、例えば、飽和炭化水素系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価カルボン酸および多価アルコールから得られるポリエステルポリオール、ラクトン環の開環重合で得られるポリエステルポリオールが挙げられる。上記多価カルボン酸としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、セバシン酸等の直鎖飽和炭化水素系多価カルボン酸に代表される脂肪族多価カルボン酸;フマル酸、マレイン酸等の不飽和脂肪酸系多価カルボン酸に代表される不飽和脂肪族多価カルボン酸;シクロヘキシル基を有する1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族多価カルボン酸が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えば、脂肪族多価アルコール、脂環族多価アルコール、芳香族多価アルコールが挙げられ、具体例として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、キシリレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のオキシラン化合物を、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、グリセリン等の多価アルコールを重合開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
上記ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、上記ポリエーテルポリオールに上記多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオールが挙げられる。
一方、アクリル樹脂は、重合性の不飽和単量体の重合(一般にはラジカル重合)により得られる。不飽和二重結合を有する単量体としては、例えば、ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する不飽和単量体;アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド基を有する不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸;N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素不飽和単量体;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の芳香族不飽和単量体;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の含珪素不飽和単量体;オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の含フッ素不飽和単量体、イソシアネート基をブロックした不飽和単量体等の不飽和基を一つ有する単量体類、および、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能性不飽和単量体等が挙げられる。活性水素を有しない不飽和単量体としては、前記不飽和単量体の内、カルボキシル基、水酸基、メチロール基、シラノール基、アミド基、1級、2級アミノ基等を含有しない不飽和単量体が挙げられる。その他、不飽和二重結合を3個以上有するモノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
なお、光反射層の樹脂成分の鎖長を調整するために、鎖伸長剤および鎖長停止剤を用いてもよい。鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール等のアルコール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン等のアミン類が挙げられる。鎖長停止剤としては、例えば、低級アルコール類、アミン類等が挙げられる。
また、農業シートの引き裂き性を向上させるため、樹脂成分の硬化剤を用いてもよい。硬化剤としては、例えば、上記の脂肪族、脂環族または芳香族のポリイソシアネート化合物、これら以外のポリイソシアネート化合物(例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリフェニールメタントリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼン、リジンエステルトリイソシアネート)、上記ポリイソシアネート化合物から誘導される多量体(例えば二量体および三量体)、上記ポリイソシアネート化合物と3,3,3−トリメチロールプロパン等のポリオール化合物との反応によって得られるポリイソシアネートが挙げられる。上記硬化剤として、例えば、三井化学(株)製のタケネートD−110N(商品名)が挙げられる。上記硬化剤を使用する場合、その使用量は、樹脂成分に対して、0.8質量%以上10質量以下であることが好ましい。
光反射層は、樹脂成分として、ポリウレタン系樹脂を主成分として含有していてもよく、アクリル系樹脂を主成分として含有していてもよく、ポリエステル系樹脂を主成分として含有していてもよい。これらの樹脂の割合は、樹脂成分全体に対して、例えば、90質量%以上であることが好ましい。これらの樹脂以外の樹脂成分としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート等のセルロース誘導体、アルキッド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルブチラール、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
(3)添加剤
光反射層は、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、分散剤等が挙げられる。
光反射層は、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、分散剤等が挙げられる。
(i)光安定剤
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられ、中でも、NOR型ヒンダードアミン光安定剤が好ましい。農業シートは、例えば、酸性雨、農薬散布、硫黄燻蒸等の酸性環境に曝される場合があるが、NOR型ヒンダードアミン光安定剤は耐酸性が良好であり、耐候性が大幅に向上する。NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の一例としては、一般式(1)で表される基を含む化合物が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられ、中でも、NOR型ヒンダードアミン光安定剤が好ましい。農業シートは、例えば、酸性雨、農薬散布、硫黄燻蒸等の酸性環境に曝される場合があるが、NOR型ヒンダードアミン光安定剤は耐酸性が良好であり、耐候性が大幅に向上する。NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の一例としては、一般式(1)で表される基を含む化合物が挙げられる。
一般式(1)において、Rは置換または非置換の炭化水素基またはアシル基である。Rとしては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、フェニルアルキル基、アルキル基置換フェニル基、水酸基置換アルキル基、アシル基、アルコキシ置換アルキル基、チオアルコキシ基置換アルキル基等が挙げられる。なお、一般式(1)における*および**は、他の元素と結合可能な状態を示している。
NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の他の例としては、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
一般式(2)において、R1およびR2は、それぞれ独立に、上述した一般式(1)におけるRと同様に、置換または非置換の炭化水素基またはアシル基である。中でも、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数4以上20以下のアルキル基であることが好ましい。
一般式(3)において、R3およびR4は、それぞれ独立に、上述した一般式(1)におけるRと同様に、置換または非置換の炭化水素基またはアシル基である。中でも、R3およびR4は、それぞれ独立に、炭素数4以上20以下のアルキル基であることが好ましい。また、R5は、炭素数1以上8以下のアルキレン基である。
NOR型ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、例えば、アデカ社製アデカスタブLA−81、BASF社製チヌビン123(デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル)等が挙げられる。
光反射層における光安定剤の含有量(固形分濃度)は、例えば0.1質量%以上であり、0.2質量%以上であってもよく、0.4質量%以上であってもよい。光安定剤の含有量が少なすぎると、農業シートの耐候性が十分に向上しない可能性がある。一方、光反射層における光安定剤の含有量(固形分濃度)は、例えば1.0質量%以下であり、0.8質量%以下であってもよい。光安定剤の含有量が多すぎると、農業シートに割れ等の外観異常が発生する可能性がある。
(ii)酸化防止剤
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピネート〕、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチル)フェノール、4,4’−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−3−メチル)フェノール、2,2−メチレン−ビス(6−t−ブチル−3−メチル)フェノール、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチル)フェノール、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチル)フェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−2−t−ブチル)フェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−α−ヒドロキシベンゼン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピネート〕、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチル)フェノール、4,4’−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−3−メチル)フェノール、2,2−メチレン−ビス(6−t−ブチル−3−メチル)フェノール、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチル)フェノール、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチル)フェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−2−t−ブチル)フェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−α−ヒドロキシベンゼン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
一方、リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン等が挙げられる。
(iii)紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
(4)光反射層
光反射層は、可視光反射率が高い。光反射層における波長600nmでの全反射率は、通常、90%以上であり、95%以上であることが好ましい。光反射層における可視光(波長380nm以上780nm以下)の平均反射率は、例えば、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
光反射層は、可視光反射率が高い。光反射層における波長600nmでの全反射率は、通常、90%以上であり、95%以上であることが好ましい。光反射層における可視光(波長380nm以上780nm以下)の平均反射率は、例えば、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
光反射層の場所は、農業シートの最表面であってもよく、内部であってもよい。また、光反射層の厚さは、例えば0.5μm以上4μm以下であり、1μm以上2.5μm以下であってもよい。光反射層の厚さが小さすぎる場合、光の反射率が低くなる可能性があり、光反射層の厚さが大きすぎる場合、製造コストの増加する可能性がある。
農業シートは、基材シートを基準として、補強シートとは反対側の光反射層を有する。この光反射層を、第一の光反射層と称する。一方、農業シートは、基材シートを基準として、補強シート側に光反射層を有していてもよい。この光反射層を、第二の光反射層と称する。第二の光反射層を設けることにより、第一光反射層を厚塗りしなくても(第一光反射層の厚さを大きくしなくても)良好な反射率を得ることができる利点と、農業シートが硫黄燻蒸等の気体による酸性環境に曝される場合であっても、補強シート側に第二光反射層を設けることで、基材シートの耐候性をさらに向上させることができる利点とを有する。
なお、第二の光反射層の好ましい態様については、第一の光反射層と同様であるので、ここでの記載は省略する。特に、本開示においては、基材シートおよび補強シートの間に、第二の光反射層を有することが好ましい。第一の光反射層および第二の光反射層は、同一組成の層であってもよく、異なる組成の層であってもよい。また、第一の光反射層および第二の光反射層は、同一厚さであってもよく、異なる厚さであってもよい。後者の場合、第一の光反射層の厚さは、第二の光反射層の厚さに対して、大きくてもよく、小さくてもよいが、両者の厚さの差は、例えば3μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。農業シートのカールが発生しにくくなるためである。
3.補強シート
本開示における補強シートは、基材シートを補強するシートである。補強シートは、樹脂を含有することが好ましい。上記樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよいが、前者が好ましい。特に、補強シートに使用される樹脂は、オレフィン系樹脂が好ましい。耐熱性、耐水性、耐薬品性、コスト面が優れるからである。特に、オレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂が適している。
本開示における補強シートは、基材シートを補強するシートである。補強シートは、樹脂を含有することが好ましい。上記樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよいが、前者が好ましい。特に、補強シートに使用される樹脂は、オレフィン系樹脂が好ましい。耐熱性、耐水性、耐薬品性、コスト面が優れるからである。特に、オレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂が適している。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これらのなかでは、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、高密度ポリエチレンがより好ましい。高密度ポリエチレンは、耐候性および引張強度に優れ、さらに高密度ポリエチレンを含有するシートは、長尺の巻物にしても弛みがなく折り曲げ加工時に白化による外観不良が発生しにくいからである。特に、補強シートの樹脂成分がポリエチレン系樹脂のみである場合は、高密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を用いることが好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂は、JIS K 7210に準拠して測定されたメルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)が、0.1g/10分以上4.0g/10分以下であることが好ましく、0.4g/10分以上2.0g/10分以下であることがより好ましい。
また、補強シートがポリエチレン系樹脂を主成分として含有することが好ましい。農業シートの加工性が向上するからである。具体的には、基材シートに用いられるポリプロピレン系樹脂は比較的硬い樹脂であるため、加工が難しい。これに対して、ポリエチレン系樹脂は比較的柔らかい樹脂であるため、ポリエチレン系樹脂を組み合わせることで、農業シートの加工性が向上する。また、補強シートは、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。農業シートは、基材シートおよび補強シートの間に他の層を有していてもよく、他の層を有さず接触(例えば熱融着)していてもよい。他の層としては、例えば接着層が挙げられる。接着層を有する農業シートとしては、例えば図5に示すように、光反射層1と、基材シート2と、接着層5と、補強シート3とをこの順に有する農業シート10が挙げられる。接着層の厚さは、例えば10μm以下である。
4.農業シート
本開示の農業シートは、光反射層と、基材シートと、補強シートとを少なくとも有する。また、農業シートは、光反射層側における可視光反射率が高い。「光反射層側」とは、基材シートを基準とした場合に光反射層が存在する側をいう。光反射層側における波長600nmでの全反射率は、通常、90%以上であり、95%以上であることが好ましい。光反射層側における可視光(波長380nm以上780nm以下)の平均反射率は、例えば、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、農業シートは、透湿性、通気性および遮水性を有していてもよい。
本開示の農業シートは、光反射層と、基材シートと、補強シートとを少なくとも有する。また、農業シートは、光反射層側における可視光反射率が高い。「光反射層側」とは、基材シートを基準とした場合に光反射層が存在する側をいう。光反射層側における波長600nmでの全反射率は、通常、90%以上であり、95%以上であることが好ましい。光反射層側における可視光(波長380nm以上780nm以下)の平均反射率は、例えば、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、農業シートは、透湿性、通気性および遮水性を有していてもよい。
農業シートは、一方の表面から他方の表面を貫通する貫通孔を複数有していてもよい。貫通孔を設けることで農業シートに通水性を付与でき、例えば通路等に農業シートを設置した場合にも、雨水等の水が農業フィルム上に滞留することを防止できる。その結果、水の滞留による作業性の低下を抑制しつつ、農業シートの設置面積を増やすことができ、反射光量を向上させることができる。また、農業シートが通水性を有するため、例えば栽培土壌が過度に乾燥した場合に、栽培土壌に容易に水を供給することができる。農業シートが貫通孔を有する場合、農業シートは、貫通孔において通水性を有し、貫通孔以外の部分において、透湿性、通気性および遮水性を有することが好ましい。
貫通孔の平面視形状は、特に限定されないが、例えば、円状、楕円状、多角形状等が挙げられる。貫通孔の幅は、例えば、5μm以上1mm以下であり、10μm以上800μm以下であってもよく、20μm以上100μm以下であってもよい。なお、本開示においては、農業シートの表面を農業シートの法線方向から平面視したときに、貫通孔の最大幅を貫通孔の幅とする。貫通孔の形状が円状の場合、貫通孔の幅は貫通孔の直径である。
また、農業シートにおける貫通孔の割合は、例えば、1万個/m2以上100万個/m2以下であり、10万個/m2以上70万個/m2以下であってもよい。また、農業シートの開口率は、例えば、4%以上9%以下であることが好ましい。開口率が小さすぎると、通水性が低下する可能性がり、開口率が高すぎると、物理的強度が低下する可能性があるからである。開口率は、下記式より算出できる。
開口率(%)=(1個当たりの開口面積×貫通孔の個数)/1平方メートル×100
開口率(%)=(1個当たりの開口面積×貫通孔の個数)/1平方メートル×100
農業シートの厚さは、特に限定されないが、例えば50μm以上200μm以下であり、80μm以上150μm以下であることが好ましい。
例えば農業シートを栽培土壌等の地面に使用する場合、農業シートは地面の形状に合わせて容易に適用することができる。農業シートを栽培土壌に適用する場合の栽培土壌の一例を図6に示す。図6(a)は、図6(b)のA−A断面図に該当する。図6(a)、(b)に示すように、農業用水用の排出溝31bは並列に所定間隔で複数設けられ、植物(例えば樹木)32が土台31aに所定間隔を置いて複数設けられる場合、農業シート10は、土台31aおよび農業用水用の排出溝31の全面を覆うように敷かれてもよい。一方、図7に示すように、農業用水用の排出溝31bを格子状に設け、農業用水用の排出溝31bが植物(例えば樹木)32を1つずつ囲むように格子状に設けるようにしてもよい。この場合、排水効率が高く土壌の水分コントロールを容易に行うことができる。
5.農業シートの製造方法
本開示の農業シートの製造方法は、目的とする農業シートが得られる方法であれば特に限定されない。図8は、本開示の農業シートの製造方法を例示する概略断面図である。図8においては、まず、基材シート2を準備し(図8(a))、基材シート2の一方の面に光反射層1を形成する(図8(b))。次に、基材シート2の他方の面に接着層5を形成する(図8(c))。次に、光反射層1および基材シート2と、補強シート3とを、接着層5を介して積層し、農業シート10を得る(図8(d))。なお、図8では、光反射層1を形成した後に、基材シート2と補強シート3とを接合しているが、基材シート2と補強シート3とを接合した後に、光反射層1を形成してもよい。
本開示の農業シートの製造方法は、目的とする農業シートが得られる方法であれば特に限定されない。図8は、本開示の農業シートの製造方法を例示する概略断面図である。図8においては、まず、基材シート2を準備し(図8(a))、基材シート2の一方の面に光反射層1を形成する(図8(b))。次に、基材シート2の他方の面に接着層5を形成する(図8(c))。次に、光反射層1および基材シート2と、補強シート3とを、接着層5を介して積層し、農業シート10を得る(図8(d))。なお、図8では、光反射層1を形成した後に、基材シート2と補強シート3とを接合しているが、基材シート2と補強シート3とを接合した後に、光反射層1を形成してもよい。
光反射層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、光反射層形成用の組成物を基材シートに塗布し、乾燥する方法が挙げられる。光反射層形成用の組成物を塗布する方法として、公知の印刷法等の塗布法を用いることができる。塗布法としては、例えば、グラビアコーター、リバースロールコーター、スプレイコーター、ナイフコーター、ワイヤバーコーター、エアナイフコーター、ドクターブレードコーター、ディッピングコーター、ダイコーター等が挙げられる。乾燥温度は、特に限定されないが、例えば、70℃以上80℃以下である。
基材シートおよび補強シートを接合する方法としては、例えば、基材シートおよび補強シートを熱融着する方法、基材シートおよび補強シートを、接着層を介して積層する方法が挙げられる。
接着層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、接着材組成物を塗布し、乾燥する方法が挙げられる。接着材組成物は、接着材および溶媒を少なくとも含有する。接着材としては、例えば、ポリエーテル系接着材、ポリエステル系接着材、ポリウレタン系接着材、ビニル系接着材、(メタ)アクリル系接着材、ポリアミド系接着材、エポキシ系接着材、ゴム系接着材等が挙げられる。接着材は、一液硬化型であってもよく、二液硬化型であってもよい。
一方、溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等のアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、ジエチレングリコールメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、トルエン、キシレン等の芳香族、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
接着材組成物の塗工方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、キスコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の一般的なコート法が挙げられる。乾燥温度は、例えば、90℃以下であり、70℃以下であることが好ましい。また、真空乾燥等の減圧乾燥を行ってもよい。また、乾燥時間は、接着材の種類に応じて適宜選択する。一方、接着層は、例えばポリエチレン系樹脂等の樹脂を押出コーティングすることにより形成してもよい。
例えばRoll to Rollにより、基材シートおよび補強シートを貼合わせる場合、張力により圧力管理することが好ましい。この場合、第1給紙の基材シートを、例えば、50N以上110N以下で管理することが好ましく、80N以上100N以下で管理することがより好ましい。第2給紙の補強シートについては、シート全体のカール防止のため、例えば、20N以上50N以下で管理することが好ましく、30N以上40N以下で管理することがより好ましい。また、ドライラミネート法では、通常、基材シートの熱変形しない温度環境で積層を行う。なお、積層時に加熱を行う必要はないが、基材シートが熱変形しない温度であれば、加熱を行ってもよい。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本開示の技術的範囲に包含される。
実施例および比較例で用いたプロピレン系重合体等を以下に示す。
(1)プロピレン系重合体(表面層、裏面層、基材層)
(1−1)プロピレン単独重合体(PP−1):融点=160℃、MFR=3.0g/10分
(1−2)プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP−2):融点=142℃、MFR=7.0g/10分
(2)炭酸カルシウム
平均粒子径:1.2μm、最大粒子径:5.0μm、90%累積頻度粒径が2.5μm、水分量400ppm以下(カールフィッシャー法、200℃で測定)のステアリン酸でコーティングされた炭酸カルシウム粉末
(3)酸化チタン
平均粒子径:0.2μm、水分量400ppm以下(カールフィッシャー法、200℃で測定)のアルミナ処理されたルチル型酸化チタン粉末
(1)プロピレン系重合体(表面層、裏面層、基材層)
(1−1)プロピレン単独重合体(PP−1):融点=160℃、MFR=3.0g/10分
(1−2)プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP−2):融点=142℃、MFR=7.0g/10分
(2)炭酸カルシウム
平均粒子径:1.2μm、最大粒子径:5.0μm、90%累積頻度粒径が2.5μm、水分量400ppm以下(カールフィッシャー法、200℃で測定)のステアリン酸でコーティングされた炭酸カルシウム粉末
(3)酸化チタン
平均粒子径:0.2μm、水分量400ppm以下(カールフィッシャー法、200℃で測定)のアルミナ処理されたルチル型酸化チタン粉末
[実施例1]
<基材層:プロピレン系重合体組成物層>
PP−1、PP−1に予め炭酸カルシウムを混練した組成物、および、PP−1に予め酸化チタンを混練した組成物を用意し、当該成分をドライブレンドして、PP−1を92.5質量%、炭酸カルシウムを6.0質量%、酸化チタンを1.5質量%含む基材層用プロピレン系重合体組成物を用意した。
<基材層:プロピレン系重合体組成物層>
PP−1、PP−1に予め炭酸カルシウムを混練した組成物、および、PP−1に予め酸化チタンを混練した組成物を用意し、当該成分をドライブレンドして、PP−1を92.5質量%、炭酸カルシウムを6.0質量%、酸化チタンを1.5質量%含む基材層用プロピレン系重合体組成物を用意した。
<表面層:プロピレン系重合体層>
PP−1およびPP−2をドライブレンドして、PP−1を70質量%、PP−2を30質量%含む表面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。
PP−1およびPP−2をドライブレンドして、PP−1を70質量%、PP−2を30質量%含む表面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。
<裏面層:プロピレン系重合体層>
PP−1およびPP−2をドライブレンドして、PP−1を70質量%、PP−2を30質量%含む裏面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。
PP−1およびPP−2をドライブレンドして、PP−1を70質量%、PP−2を30質量%含む裏面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。
<二軸延伸多層ポリプロピレンシートの製造>
表面層用プロピレン系重合体組成物、基材層用プロピレン系重合体組成物、および、裏面層用プロピレン系重合体組成物を押出量比(表面層/基材層/裏面層:1/58.4/1)になるよう各々スクリュー押出機を用いて溶融押出し、マルチマニホールドタイプT−ダイから押出後、冷却ロール上にて急冷し厚さ約1.5mmの多層シートを得た。このシートを110℃で加熱しフィルムの流れ方向(縦方向)に5倍延伸した。この5倍延伸したシートを160℃で加熱し流れ方向に対して直交する方向(横方向)に10倍延伸して、基材層の厚さ:29.0μm、表面層の厚さ:0.5μm、裏面層の厚さ:0.5μm(合計厚さ:30.0μm)の二軸延伸ポリプロピレン多層シート(基材シート)を得た。二軸延伸ポリプロピレン多層シートの表面層には、以下の方法で光反射層を設け、裏面層には、コロナ処理を施した。
表面層用プロピレン系重合体組成物、基材層用プロピレン系重合体組成物、および、裏面層用プロピレン系重合体組成物を押出量比(表面層/基材層/裏面層:1/58.4/1)になるよう各々スクリュー押出機を用いて溶融押出し、マルチマニホールドタイプT−ダイから押出後、冷却ロール上にて急冷し厚さ約1.5mmの多層シートを得た。このシートを110℃で加熱しフィルムの流れ方向(縦方向)に5倍延伸した。この5倍延伸したシートを160℃で加熱し流れ方向に対して直交する方向(横方向)に10倍延伸して、基材層の厚さ:29.0μm、表面層の厚さ:0.5μm、裏面層の厚さ:0.5μm(合計厚さ:30.0μm)の二軸延伸ポリプロピレン多層シート(基材シート)を得た。二軸延伸ポリプロピレン多層シートの表面層には、以下の方法で光反射層を設け、裏面層には、コロナ処理を施した。
<光反射層の形成>
下記成分を均一に混練分散して白色インキを調製した。この白色インキを、グラビア印刷機を用いて、乾燥温度80℃で2μm(乾燥厚さ)にベタ印刷し、乾燥して、光反射層(白色インキ層)を形成した。このようにして、基材シートを得た。
・ポリウレタン系樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「ユリアーノ2466」):40.0質量部
・硝化綿(稲畑産業(株)製、商品名「DLX5−8」):2.0質量部
・酸化チタン(テイカ(株)製、商品名「JR−800」):38.4質量部
・紫外線吸収剤(2(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール):0.1質量部
・ヒンダードアミン系光安定剤(アデカ社製、アデカスタブLA−81)(ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート):0.4質量部
・フェノール系酸化防止剤(ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピネート〕):0.1質量部
・硬化剤(三井化学(株)製、商品名「タケネートD−110N」):4.0質量部
・溶剤(イソプロピルアルコール:5.0質量部、メチルエチルケトン:6.0質量部、酢酸エチル:4.0質量部)
下記成分を均一に混練分散して白色インキを調製した。この白色インキを、グラビア印刷機を用いて、乾燥温度80℃で2μm(乾燥厚さ)にベタ印刷し、乾燥して、光反射層(白色インキ層)を形成した。このようにして、基材シートを得た。
・ポリウレタン系樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「ユリアーノ2466」):40.0質量部
・硝化綿(稲畑産業(株)製、商品名「DLX5−8」):2.0質量部
・酸化チタン(テイカ(株)製、商品名「JR−800」):38.4質量部
・紫外線吸収剤(2(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール):0.1質量部
・ヒンダードアミン系光安定剤(アデカ社製、アデカスタブLA−81)(ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート):0.4質量部
・フェノール系酸化防止剤(ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピネート〕):0.1質量部
・硬化剤(三井化学(株)製、商品名「タケネートD−110N」):4.0質量部
・溶剤(イソプロピルアルコール:5.0質量部、メチルエチルケトン:6.0質量部、酢酸エチル:4.0質量部)
<補強シートの貼り合せ>
補強シートとして、L−LDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚さ30μm、TUX TC−S、三井化学東セロ社製)を用意し、ドライラミネート法にて、補強シートと基材シート(光反射層が形成されていない側)とを接合した。具体的には、ポリエーテル系接着材としてタケラックA−969V(ポリオール成分)およびタケネートA−5(イソシアネート成分)を使用した。ポリエーテル系接着材を、乾燥温度70℃、2g/m2の条件で塗布し、接合した。このようにして、農業シートを得た。
補強シートとして、L−LDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚さ30μm、TUX TC−S、三井化学東セロ社製)を用意し、ドライラミネート法にて、補強シートと基材シート(光反射層が形成されていない側)とを接合した。具体的には、ポリエーテル系接着材としてタケラックA−969V(ポリオール成分)およびタケネートA−5(イソシアネート成分)を使用した。ポリエーテル系接着材を、乾燥温度70℃、2g/m2の条件で塗布し、接合した。このようにして、農業シートを得た。
[実施例2]
<基材層:プロピレン系重合体組成物層>
PP−1、PP−2、PP−1に予め炭酸カルシウムを混練した組成物、および、PP−1に予め酸化チタンを混練した組成物を用意し、当該成分をドライブンレドして、PP−1を43.5質量%、PP−2を43.5質量%、炭酸カルシウムを12.0質量%、酸化チタンを1.0質量%含むプロピレン系重合体組成物を用意した。
<基材層:プロピレン系重合体組成物層>
PP−1、PP−2、PP−1に予め炭酸カルシウムを混練した組成物、および、PP−1に予め酸化チタンを混練した組成物を用意し、当該成分をドライブンレドして、PP−1を43.5質量%、PP−2を43.5質量%、炭酸カルシウムを12.0質量%、酸化チタンを1.0質量%含むプロピレン系重合体組成物を用意した。
<表面層および裏面層:プロピレン系重合体層>
PP−1およびPP−2をドライブレンドして、PP−1を50質量%、PP−2を50質量%含む表面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。同様して、裏面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。
PP−1およびPP−2をドライブレンドして、PP−1を50質量%、PP−2を50質量%含む表面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。同様して、裏面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。
<二軸延伸多層ポリプロピレンシートの製造>
得られた表面層用プロピレン系重合体組成物、基材層用プロピレン系重合体組成物、および、裏面層用プロピレン系重合体組成物を用い、基材層、表面層および裏面層の厚さを表1に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸多層ポリプロピレンシート(基材シート)を得た。得られた基材シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして農業シートを得た。
得られた表面層用プロピレン系重合体組成物、基材層用プロピレン系重合体組成物、および、裏面層用プロピレン系重合体組成物を用い、基材層、表面層および裏面層の厚さを表1に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸多層ポリプロピレンシート(基材シート)を得た。得られた基材シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして農業シートを得た。
[実施例3]
<基材層:プロピレン系重合体組成物層>
PP−1、PP−2、PP−1に予め炭酸カルシウムを混練した組成物、および、PP−1に予め酸化チタンを混練した組成物を用意し、当該成分をドライブレンドして、PP−1を43.0質量%、PP−2を43.0質量%、炭酸カルシウムを12.0質量%、酸化チタンを2.0質量%含むプロピレン系重合体組成物を用意した。
<基材層:プロピレン系重合体組成物層>
PP−1、PP−2、PP−1に予め炭酸カルシウムを混練した組成物、および、PP−1に予め酸化チタンを混練した組成物を用意し、当該成分をドライブレンドして、PP−1を43.0質量%、PP−2を43.0質量%、炭酸カルシウムを12.0質量%、酸化チタンを2.0質量%含むプロピレン系重合体組成物を用意した。
<表面層および裏面層:プロピレン系重合体層>
PP−1およびPP−2をドライブレンドして、PP−1を50質量%、PP−2を50質量%含む表面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。同様して、裏面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。
PP−1およびPP−2をドライブレンドして、PP−1を50質量%、PP−2を50質量%含む表面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。同様して、裏面層用プロピレン系重合体組成物を用意した。
<二軸延伸多層ポリプロピレンシートの製造>
得られた表面層用プロピレン系重合体組成物、基材層用プロピレン系重合体組成物、および、裏面層用プロピレン系重合体組成物を用い、基材層、表面層および裏面層の厚さを表1に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸多層ポリプロピレンシート(基材シート)を得た。得られた基材シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして農業シートを得た。
得られた表面層用プロピレン系重合体組成物、基材層用プロピレン系重合体組成物、および、裏面層用プロピレン系重合体組成物を用い、基材層、表面層および裏面層の厚さを表1に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸多層ポリプロピレンシート(基材シート)を得た。得られた基材シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして農業シートを得た。
[実施例4]
光反射層に添加するヒンダードアミン系光安定剤を、アデカスタブLA−81からアデカスタブLA−67(アデカ社製)に変更し、光反射層の厚さ(乾燥厚さ)を5.0μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、農業シートを得た。
光反射層に添加するヒンダードアミン系光安定剤を、アデカスタブLA−81からアデカスタブLA−67(アデカ社製)に変更し、光反射層の厚さ(乾燥厚さ)を5.0μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、農業シートを得た。
[比較例1]
基材シートの表面に光反射層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、農業シートを得た。
基材シートの表面に光反射層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、農業シートを得た。
[比較例2]
光反射層の厚さ(乾燥厚さ)を0.3μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、農業シートを得た。
光反射層の厚さ(乾燥厚さ)を0.3μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、農業シートを得た。
[評価]
(空隙率測定)
実施例1〜4および比較例1、2で作製した基材シートに対して、空隙率測定を行った。空隙率は、以下の計算式から算出した。その結果を表1に示す。
各層の密度=積層した各層のm2当たりの質量/積層した各層の厚さ
空隙率=(1−各層の密度/空隙を形成しない基材シートの密度)×100
(空隙率測定)
実施例1〜4および比較例1、2で作製した基材シートに対して、空隙率測定を行った。空隙率は、以下の計算式から算出した。その結果を表1に示す。
各層の密度=積層した各層のm2当たりの質量/積層した各層の厚さ
空隙率=(1−各層の密度/空隙を形成しない基材シートの密度)×100
(可視光反射率測定)
実施例1〜4および比較例1、2で得られた農業シートに対して、可視光反射率測定を行った。可視光反射率測定では、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所社製、商品名「UV−3600」)で、積分球付属装置(ISR−3100)を用いて、入射角8°で可視領域として、600nmでの反射率(全反射率)を測定した。なお、測定面は、農業シートの光反射層側の面とした。その結果を表1に示す。
実施例1〜4および比較例1、2で得られた農業シートに対して、可視光反射率測定を行った。可視光反射率測定では、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所社製、商品名「UV−3600」)で、積分球付属装置(ISR−3100)を用いて、入射角8°で可視領域として、600nmでの反射率(全反射率)を測定した。なお、測定面は、農業シートの光反射層側の面とした。その結果を表1に示す。
(白色度測定)
実施例1〜4および比較例1、2で得られた農業シートに対して、白色度測定を行った。白色度測定では、白紙上に農業シート10枚を重ね合わせ、SpectroEye(Gretag Macbeth社製)を使用してL*値を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1〜4および比較例1、2で得られた農業シートに対して、白色度測定を行った。白色度測定では、白紙上に農業シート10枚を重ね合わせ、SpectroEye(Gretag Macbeth社製)を使用してL*値を測定した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜4は、比較例1、2に比べて可視光反射率が大幅に高くなった。なお、実施例1〜4の基材シートにおける空隙の平均径は、いずれも1μm以上50μm以下であった。
(耐候性試験)
実施例1〜4および比較例1、2で得られた農業シートに対して、耐候性試験を行った。耐候性試験では、得られた農業シートを亜硫酸水(亜硫酸5%)に72時間浸漬し、メタルハライドランプ式耐候性試験(装置規格:JTMG-01:2000、日本試験機工業会)を行った。なお、農業シートは、それぞれ5cm×5cmに切断し、試験片とした。その結果を表2に示す。変色、割れ等の外観異常がない場合を○と評価し、割れ等の外観異常がある場合を×とした。
実施例1〜4および比較例1、2で得られた農業シートに対して、耐候性試験を行った。耐候性試験では、得られた農業シートを亜硫酸水(亜硫酸5%)に72時間浸漬し、メタルハライドランプ式耐候性試験(装置規格:JTMG-01:2000、日本試験機工業会)を行った。なお、農業シートは、それぞれ5cm×5cmに切断し、試験片とした。その結果を表2に示す。変色、割れ等の外観異常がない場合を○と評価し、割れ等の外観異常がある場合を×とした。
表2に示すように、実施例1〜3は、耐候性試験の結果(50時間、100時間、200時間、300時間)がいずれも良好であった。これに対して、実施例4では、50時間を過ぎると外観異常が発生した。その理由は、実施例4で使用した光安定剤(非NOR型ヒンダードアミン系光安定剤)が優れた耐候性を付与できなかったためであると推測される。ただ、上記耐候性試験における50時間は、実際の使用環境に置き換えると、約半年の期間に相当する。そのため、比較的短い期間で使用する農業シートとしては十分に利用可能である。
1…光反射層
2…基材シート
3…補強シート
4…空隙
5…接着層
10…農業シート
2…基材シート
3…補強シート
4…空隙
5…接着層
10…農業シート
Claims (11)
- 光反射層と、ポリプロピレン系樹脂を含有する基材シートと、補強シートとをこの順に有し、
前記基材シートは、平均径が1μm以上50μm以下である空隙を有し、空隙率が15%以上35%以下であり、厚さが25μm以上90μm以下であるシートであり、
前記光反射層側における波長600nmでの全反射率が90%以上である、農業シート。 - 前記基材シートが、二軸延伸シートである、請求項1に記載の農業シート。
- 前記基材シートにおいて、全樹脂成分に対する前記ポリプロピレン系樹脂の割合が、90質量%以上である、請求項1または請求項2に記載の農業シート。
- 前記基材シートが、表面層と、基材層と、裏面層とをこの順に有する、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の農業シート。
- 前記基材層が、前記ポリプロピレン系樹脂を70質量%以上95質量%以下の割合で含有し、平均粒子径が1μm以上5μm以下である炭酸カルシウムを3質量%以上15質量%以下の割合で含有し、平均粒子径が0.1μm0.5μm以下である酸化チタンを0.5質量%以上3質量%以下の割合で含有する、請求項4に記載の農業シート。
- 前記光反射層が、光安定剤を含有する、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の農業シート。
- 前記光安定剤が、NOR型ヒンダードアミン光安定剤である、請求項6に記載の農業シート。
- 前記光反射層が、白色顔料および銀色顔料の少なくとも一方を含有し、
前記光反射層の厚さが、0.5μm以上4μm以下である、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の農業シート。 - 前記光反射層が、ポリウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂の少なくとも一方を含有する、請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の農業シート。
- 前記基材シートおよび前記補強シートの間に、第二の光反射層を有する、請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の農業シート。
- 前記補強シートが、ポリエチレン系樹脂を含有する、請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に農業シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016232186A JP2018085977A (ja) | 2016-11-30 | 2016-11-30 | 農業シート |
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- 2016-11-30 JP JP2016232186A patent/JP2018085977A/ja active Pending
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