JP2015065952A - 農業用マルチフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】地温上昇の抑制に優れ、引裂強度及び耐候性に優れた農業用マルチフィルムを提供する。【解決手段】少なくとも白色層2、及び黒色層3が積層された農業用マルチフィルム1であって、前記白色層2は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を1〜25質量部含有し、前記白色顔料は、白色顔料全量を100質量%として、平均粒子径が0.25〜0.50μmの白色顔料を50質量%以上含み、前記黒色層2は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂と、黒色顔料とを含有する、ことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、農業用マルチフィルムに関する。
従来、農業において、野菜の生育を促進させるために、畝や野菜の株元の土を樹脂フィルム等からなる農業用マルチフィルムで被覆する、いわゆるマルチ栽培が行われている。畝等を被覆するマルチフィルムの色を適宜選択することにより、地温の上昇を促進したり、抑制したりすることが可能であり、また、当該マルチフィルムにより土中の水分の蒸散を防いで、土を軟化させ、根の生育を促進することが可能となる。また、黒色のマルチフィルムを用いて畝等を被覆すれば、畝等の表面への太陽光の照射を抑制して、雑草の育成を抑制することが可能となる。
このような農業用マルチフィルムとしては、例えば、当該農業用マルチフィルムを構成する層に二酸化チタンやアルミニウム微粒子を配合して、太陽光線を反射させることにより地温の上昇を抑制する反射フィルムが知られており、地温上昇の抑制効果を更に向上させることを目的として、白色顔料の添加量を増やすことが検討されている。
上述のような農業用マルチフィルムとして、ベース樹脂がポリオレフィン系樹脂である多層フィルムであり、少なくとも黒色層、白色層及び透明層の3層からなり、白色層の二酸化チタン濃度(wt%)の数値と厚さ(μm)の数値の積が500以上である農業用フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述の農業用マルチフィルムは、地温上昇の抑制効果を付与するために白色層の二酸化チタンの含有量が多くなっており、農業用マルチフィルムの引裂強度が低下するという問題がある。
更に、上述の農業用マルチフィルムでは、酸化チタンの触媒作用により、白色層を形成する樹脂が硬化してしまい、耐候性に劣るという問題がある。
よって、地温上昇の抑制に優れ、引裂強度及び耐候性に優れた農業用マルチフィルムの開発が望まれている。
特開2003−191392号公報
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、地温上昇の抑制に優れ、引裂強度及び耐候性に優れた農業用マルチフィルムを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも白色層、及び黒色層が積層された農業用マルチフィルムにおいて、上記白色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を1〜25質量部含有し、上記白色顔料は、白色顔料全量を100質量%として、平均粒子径が0.25〜0.50μmの白色顔料を50質量%以上含み、上記黒色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂と、黒色顔料とを含有する構成とすることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の農業用マルチフィルムに関する。
1.少なくとも白色層、及び黒色層が積層された農業用マルチフィルムであって、
前記白色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を1〜25質量部含有し、
前記白色顔料は、白色顔料全量を100質量%として、平均粒子径が0.25〜0.50μmの白色顔料を50質量%以上含み、
前記黒色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂と、黒色顔料とを含有する、
ことを特徴とする農業用マルチフィルム。
2.前記白色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を8〜24質量部含有する、上記項1に記載の農業用マルチフィルム。
3.前記白色層及び前記黒色層の少なくとも1層は、ヒンダードアミン系光安定剤を含む、上記項1又は2に記載の農業用マルチフィルム。
本発明の農業用マルチフィルムは、少なくとも白色層、及び黒色層が積層された構成であるので、白色層により太陽光を反射して地温上昇を抑制することができ、且つ黒色層により畝等の表面への太陽光の照射を抑制して、雑草の育成を抑制することができる。
また、本発明の農業用マルチフィルムは、白色層が、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を1〜25質量部含有する。上記農業用マルチフィルムは、白色層の白色顔料の含有量が特定の範囲であり、白色層に含有される樹脂として、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を用いているので、地温上昇が十分に抑制されており、且つ、引裂き強度に優れ、耐候性にも優れている。
また、上記農業用マルチフィルムは、白色層に含有される白色顔料が、当該白色顔料全量を100質量%として、平均粒子径が0.25〜0.50μmの白色顔料を50質量%以上含むので、優れた耐候性を示す。
更に、本発明の農業用マルチフィルムは、黒色層がエチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂と、黒色顔料とを含有する。黒色層に含有される樹脂として、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を用いているので、引裂き強度に優れ、耐候性にも優れている。
即ち、本発明によれば、地温上昇の抑制に優れ、引裂強度及び耐候性に優れており、これらの特性を兼ね備えた農業用マルチフィルムを提供することが可能となる。
以下、本発明の農業用マルチフィルムについて詳細に説明する。
本発明の農業用マルチフィルムは、少なくとも白色層、及び黒色層が積層されており、上記白色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を1〜25質量部含有し、上記白色顔料は、白色顔料全量を100質量%として、平均粒子径が0.25〜0.50μmの白色顔料を50質量%以上含み、上記黒色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂と、黒色顔料とを含有する農業用マルチフィルムである。
図1は、本発明の農業用マルチフィルムの層構成の一例を示す断面図である。図1において、本発明の農業用マルチフィルム1は、白色層2と黒色層3とが積層されている。
<白色層>
本発明の農業用マルチフィルムは、白色層を有している。本明細書において白色層は白色であることに限られず、地温上昇の抑制効果を発揮できる程度の白色系の色であればよい。このような白色系の色としては、例えば、黄白色(クリーム色)、赤白色、緑白色、青白色、茶白色、金白色、銀白色等の色が挙げられる。これらの中でも、より地温上昇の抑制効果に優れる点で、白色であることが好ましい。
(オレフィン系樹脂)
白色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を1〜25質量部含有する。白色層が上記エチレン−オクテン共重合体を含むことにより、農業用フィルムに優れた引裂強度、及び耐候性を付与することができる。
上記エチレン−オクテン共重合体のオクテン含有量は、透明性の点で10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましい。また、ペレットのブロッキングを抑制できる点で、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましい。上記オクテン含有量は、核磁気共鳴(NMR)測定装置により測定することができる。
上記エチレン−オクテン共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.3〜3.0g/10分が好ましく、0.8〜1.5g/10分がより好ましい。エチレン−オクテン共重合体のMFRが小さ過ぎると、白色層の引裂強度が低下するおそれがあり、これに起因して農業用マルチフィルムの引裂強度が低下するおそれがある。またエチレン−オクテン共重合体のMFRが大き過ぎると、白色層の製膜性が低下するおそれがある。
なお、本明細書において、オレフィン系樹脂(エチレン−オクテン共重合体を含む)のMFRとは、JIS K7210「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト及びメルトボリュームフローレイトの試験方法」に準拠して、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定されたメルトマスフローレイトの値を意味する。
上記エチレン−オクテン共重合体の密度は特に限定されないが、農業用マルチフィルムの引裂強度と、その生産性とを両立することができる点で、0.90〜0.94g/cmであることが好ましい。
なお、本明細書において、オレフィン系樹脂(エチレン−オクテン共重合体を含む)の密度とは、JIS K7112 「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準拠して測定された値を意味する。
上記エチレン−オクテン共重合体の市販品としては、例えば、ダウケミカル社製「2045.11G」等が挙げられる。
上記白色層は、エチレン−オクテン共重合体以外のオレフィン系樹脂を含有していてもよい。上記エチレン−オクテン共重合体以外のオレフィン系樹脂としては特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、エチレン−α−オレフィン共重合体(以下、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)ともいう。)等が挙げられる。これらの中でも、成膜性に優れる点で、低密度ポリエチレンが好ましい。
上記低密度ポリエチレンのMFRは特に規定されないが0.1〜2.0g/10分が好ましい。また、上記低密度ポリエチレンの比重は特に規定されないが、0.90〜0.94g/cmが好ましい。上述のMFR及び比重を満たす低密度ポリエチレンの市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ社製「M2204」(MFR0.4g/10分、比重0.921g/cm)が挙げられる。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、Ziegler触媒や、メタロセン触媒などのシングルサイト系触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合して得られる共重合体であり、α−オレフィンの種類や量を調整することによって密度範囲を制御することができる。
上記α−オレフィンとしては特に限定されないが、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。上記α−オレフィンは、単独で用いられても、二種以上が併用されて用いられてもよい。これらの中でも、引裂強度に優れる点で、エチレン−ヘキセン共重合体が好ましい。
上記エチレン−ヘキセン共重合体のMFRは特に限定されないが、0.3〜3.0g/10分が好ましい。上記エチレン−ヘキセン共重合体の比重も特に規定されないが、0.90〜0.94g/cmが好ましい。
上述のMFR及び比重を満たすエチレン−ヘキセン共重合体の市販品としては、例えば、ダウケミカルズ社製「2645.11G」(MFR0.9g/10分、比重0.921g/cm)が挙げられる。
上記白色層が、エチレン−オクテン共重合体以外のオレフィン系樹脂を含有する場合、オレフィン系樹脂100質量%中のエチレン−オクテン共重合体の含有量は、85質量%以上が好ましい。上記エチレン−オクテン共重合体の含有量が少な過ぎると、白色層の引裂強度及びインパクト強度が低下するおそれがあり、これに起因して農業用マルチフィルムの引裂強度及びインパクト強度が低下するおそれがある。上記オレフィン系樹脂は、エチレン−オクテン共重合体のみからなることがより好ましい。
上記白色層が含有するオレフィン系樹脂のMFRは、0.3〜3.0g/10分が好ましく、0.8〜1.5g/10分がより好ましい。上記オレフィン系樹脂のMFRが小さ過ぎると、白色層の引裂強度が低下するおそれがあり、これに起因して農業用マルチフィルムの引裂強度が低下するおそれがある。また、オレフィン系樹脂のMFRが大き過ぎると、白色層の製膜性が低下するおそれがある。
上記オレフィン系樹脂の密度は特に限定されないが、農業用マルチフィルムの引裂強度、及び生産性を両立することができる点で、0.90〜0.94g/cmであることが好ましい。
(白色顔料)
上記白色層は、白色顔料を含有する。上記白色顔料としては特に限定されず、従来公知の白色を呈する顔料を用いることができる。上記白色顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウム、アルミニウム微粒子、中空ガラス等が挙げられる。これらの中でも、光の屈折率と着色力に優れる点で、酸化チタンが好ましい。
上記白色層における白色顔料の含有量は、上記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1〜25質量部である。白色顔料の含有量が1質量部よりも少ないと、地温上昇の抑制が不十分であり、25質量部を超えると、農業用マルチフィルムの引裂強度が低下し、耐候性が低下する。上記白色顔料の含有量は、8〜24質量部が好ましい。
上記白色顔料は、当該白色顔料全量を100質量%として、平均粒子径が0.25〜0.50μmの白色顔料を50質量%以上含む。白色顔料が、上記範囲の平均粒子径の白色顔料を上記範囲の含有量で含むことにより、地温上昇を十分に抑制しつつ必要な白色顔料の量を減らすことができるため、地温上昇の抑制に優れ、引裂強度及び耐候性に優れた農業用マルチフィルムを得ることができる。上記白色顔料の平均粒子径は、0.25〜0.30μmであることが好ましい。また、上記平均粒子径が0.25〜0.50μmの白色顔料の含有量は、50〜80質量%であることが好ましい。
なお、本明細書において、顔料の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(日本電子社製 透過型電子顕微鏡 JEM−1230)を用いて写真撮影し、自動画像処理解析装置(ニレコ社製LUZEX AP)を用いて体積基準の水平方向等分径を測定することにより得られる値である。
白色層は、上記平均粒子径が0.25〜0.50μmの白色顔料の他に、平均粒子径が0.05以上、0.25μm未満である、平均粒子径が小さい白色顔料を更に含んでいてもよい。平均粒子径が上述の範囲である白色顔料は安価であるので、白色層がこのような大きさの白色顔料を更に含むことにより、安価に農業用マルチフィルムの地温上昇抑制効果を向上させることができ、隠蔽性を向上させることができる。上記平均粒子径が小さい白色顔料の平均粒子径は、0.20〜0.24μmであることがより好ましい。
上記白色顔料の粒子の形状は特に限定されず、球状、棒状、針状等従来公知の形状とすることができる。より地温上昇の抑制に優れ、白色層への充填が容易であり、隠蔽性に優れる点で、球状であることが好ましい。
(他の成分)
白色層は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、光安定剤、無機保湿剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、防霧剤等の他の添加剤を含んでいてもよい。
上記光安定剤としては特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。このような光安定剤を用いることにより、白色層の耐候性をより向上させることができる。上記白色層の光安定剤の含有量は、上記オレフィン系樹脂100質量部に対して5〜10質量部であることが好ましい。
上記ヒンダードアミン系光安定剤の市販品としては、例えば、BASF社製「チヌビン783FDL」が挙げられる。
<黒色層>
本発明の農業用マルチフィルムは、黒色層を有している。本明細書において黒色層は黒色であることに限られず、太陽光の透過を抑制できる程度の黒色系の色であればよい。このような黒色系の色としては、例えば、黒白色(灰色)等の色が挙げられる。より太陽光の透過を抑制することができる点で、黒色であることが好ましい。
(オレフィン系樹脂)
黒色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂と、黒色顔料とを含有する。上記黒色層が含有するオレフィン系樹脂は、上述の白色層が含有するオレフィン系樹脂と同様のものが用いられる。
(黒色顔料)
上記黒色層は、黒色顔料を含有する。上記黒色顔料としては特に限定されず、従来公知の黒色を呈する顔料を用いることができ、例えば、カーボンブラックが挙げられる。
上記黒色層における黒色顔料の含有量は、上記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して5〜10質量部であることが好ましい。黒色顔料の含有量が5質量部よりも少ないと、隠蔽性に劣るおそれがあり、10質量部を超えると、農業用マルチフィルムの引裂強度が低下するおそれがある。
上記黒色顔料は、平均粒子径が0.020〜0.040μmであることが好ましい。黒色顔料の平均粒子径が上述の範囲であることにより、農業用マルチフィルムがより隠蔽性に優れる。
上記黒色顔料の粒子の形状は特に限定されず、球状、棒状、針状等従来公知の形状とすることができる。黒色層への充填が容易であり、隠蔽性に優れる点で、球状であることが好ましい。
(他の成分)
黒色層は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、光安定剤、無機保湿剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、防霧剤等の他の添加剤を含んでいてもよい。
上記光安定剤としては特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。このような光安定剤を用いることにより、黒色層の耐候性を向上させることができる。上記黒色層の光安定剤の含有量は、上記オレフィン系樹脂100質量部に対して5〜10質量部であることが好ましい。
上記ヒンダードアミン系光安定剤の市販品としては、例えば、BASF社製「チヌビン783FDL」が挙げられる。
本発明の農業用マルチフィルムは、少なくとも上記白色層及び上記黒色層を備えていれば、層構成は特に限定されず、例えば、図2のように、黒色層3上に、白色層21及び22が2層積層されていてもよい。
また、本発明の農業用マルチフィルムは、例えば、図3のように、上記白色層2と上記黒色層3との間に、他の層4が積層されていてもよい。上記他の層4としては、特に限定されないが、例えば、顔料を含まない透明層、白色顔料及び黒色顔料を両方含有する灰色層等が挙げられる。
上記他の層4としては、また、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を1〜25質量部含有し、上記白色顔料は、平均粒子径が0.05μm以上、0.25μm未満である白色顔料を含む層が挙げられる。上記他の層4が含有する白色顔料として、上述の比較的小さい平均粒子径の白色顔料を用いることにより、安価に農業用マルチフィルムの地温上昇抑制効果を向上させることができ、隠蔽性を向上させることができる。
上記他の層4は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。上述の構成とすることで、本発明の農業用マルチフィルムを構成する全ての層がエチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を含有することとなり、本発明の農業用マルチフィルムが、より引裂強度及び耐候性に優れる。
上記他の層4は、1層だけに限らず、図4のように、白色層2と黒色層3との間に複数層形成されていてもよい。また、他の層4は、白色層2と黒色層3との間だけに限らず、図5のように、白色層2と黒色層3との間に他の層41が積層され、黒色層3の下に他の層42が形成されていてもよい。
本発明の農業用マルチフィルムの層構成は、より地温上昇の抑制に優れる点で、図2のように、黒色層3上に、白色層21及び22が2層積層されている構成であることが好ましい。
本発明の農業用マルチフィルムの全層の厚みの合計は、引裂強度に優れ、且つ、経済性に優れる点で、12〜75μmが好ましく、18〜25μmがより好ましい。
本発明の農業用マルチフィルムの厚みは、農業用マルチフィルムの断面の光学顕微鏡観察によって測定することができる。
本発明の農業用マルチフィルムの製造方法としては特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。上記製造方法としては、例えば、多層インフレーション共押出成形、Tダイ共押出成形、カレンダー成形、2軸延伸等の方法が挙げられる。上記多層インフレーション共押出成形としては、例えば、各層を構成する成分を押出機内で溶融混練することにより溶融状態の樹脂組成物を調製し、押出機から当該樹脂組成物を円形のダイスに供給し、円形のダイスから樹脂組成物を共押出しして、円筒状のフィルムを製膜すると共に、当該円形のダイスの中心部から圧縮空気を供給し、上記製膜された円筒状のフィルムを周方向に延伸することによってフィルムを製造する方法が挙げられる。本発明の農業用マルチフィルムを製造する製造方法としては、当該多層インフレーション共押出成形が好適である。
本発明の農業用マルチフィルムは、少なくとも白色層、及び黒色層が積層された構成であるので、白色層により太陽光を反射して地温上昇を抑制することができ、且つ黒色層により畝等の表面への太陽光の照射を抑制して、雑草の育成を抑制することができる。
また、本発明の農業用マルチフィルムは、白色層が、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を1〜25質量部含有する。上記農業用マルチフィルムは、白色層の白色顔料の含有量が特定の範囲であり、白色層に含有される樹脂として、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を用いているので、地温上昇が十分に抑制されており、且つ、引裂き強度に優れ、耐候性にも優れている。
また、上記農業用マルチフィルムは、白色層に含有される白色顔料が、当該白色顔料全量を100質量%として、平均粒子径が0.25〜0.50μmの白色顔料を50質量%以上含むので、優れた耐候性を示す。
更に、本発明の農業用マルチフィルムは、黒色層がエチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂と、黒色顔料とを含有する。黒色層に含有される樹脂として、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を用いているので、引裂き強度に優れ、耐候性にも優れている。
即ち、本発明の農業用マルチフィルムは、地温上昇の抑制に優れ、引裂強度及び耐候性に優れており、これらの特性を兼ね備えている。
本発明の農業用マルチフィルムの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の農業用マルチフィルムの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の農業用マルチフィルムの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の農業用マルチフィルムの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の農業用マルチフィルムの層構成の一例を示す断面図である。
(実施例)
以下、本発明の実施例について説明する。本発明は、下記の実施例に限定されない。
実施例1
エチレン−オクテン共重合体(密度0.92g/cm、MFR1.0g/10分、ダウケミカル社製 商品名「2045.11G」)、白色顔料(球状酸化チタン、平均粒子径0.28μm、石原産業社製 商品名「CR95」)、及びヒンダードアミン系光安定剤(BASF社製 商品名「チヌビン783FDL」)を表1に示した配合量で混合し、白色層形成用樹脂組成物を調製した。
また、エチレン−オクテン共重合体(密度0.92g/cm、MFR1.0g/10分、ダウケミカル社製 商品名「2045.11G」)、黒色顔料(カーボンブラック、平均粒子径0.029μm、ニテロン社製、商品名「#200」)、及びヒンダードアミン系光安定剤(BASF社製 商品名「チヌビン783FDL」)を表1に示した配合量で混合し、黒色層形成用樹脂組成物を調製した。
第1〜第3押出機の先端が同一の円形の多層ダイスに接続されている多層成膜装置を用意した。
上述のようにして調製した白色層形成用樹脂組成物を、第1押出機及び第2押出機に供給し、黒色層形成用樹脂組成物を第3押出機に供給して、それぞれの押出機内で溶融混練した。
溶融混練された白色層形成用樹脂組成物、及び黒色層形成用樹脂組成物を、多層成膜装置の第1押出機〜第3押出機から共押出することにより円筒状のフィルムを調製すると共に、円形の多層ダイスの中心部から圧縮空気を供給して、共押出製膜された円筒状のフィルムを周方向に延伸した。
延伸された円筒状のフィルムを冷却空気により冷却し、切り開いて巻き取ることにより、白色層、白色層及び黒色層がこの順に積層された農業用マルチフィルムを作製した。作製された農業用マルチフィルムは、全体の厚みが25μmであり、各層の厚み比(白色層:白色層:黒色層)は1:1:1であった。
実施例2〜6、比較例1、2
各層を形成する樹脂組成物を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして農業用マルチフィルムを作製した。
作製した実施例1〜6、比較例1、2の農業用マルチフィルムについて、以下の評価を行った。
<地温上昇抑制試験>
得られた農業用マルチフィルムを、直方体の容器(タテ30cm×ヨコ20cm×高さ20cm)の天面を被覆するように展張した。23℃に調整した室内で、容器の天面の高さよりもさらに50cm上から、レフランプ(東芝ライテック社製「1K−207SET−N」)を180W、60分の条件で照射し、照射後の容器内部の底面の温度を、TandD社製「おんどとり」を用いて測定した。
<引裂強度測定試験>
得られた農業用マルチフィルムの縦方向(長手方向)の引裂強度を、エレメンドルフ・引裂試験機(東洋精機製作所製「EREMENDORF TYPE TEARING TESTER」)を用い、JIS K7128−2に準拠した測定方法により測定した。
<耐候性試験>
得られた農業用マルチフィルムを、試験片タイプ2(JIS K−7127)でMD方向に打ち抜き、アトラス社製Ci4000(キセノンWOM)を用いて、JIS K7128−2に準拠した方法により1000時間照射した。照射後、島津製作所社製オートグラフ(AGS−J)を用いて、JIS K−7127に準拠した方法により、引張伸度を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2015065952
1…農業用マルチフィルム、2,21,22…白色層、3…黒色層、4,41,42…他の層

Claims (3)

  1. 少なくとも白色層、及び黒色層が積層された農業用マルチフィルムであって、
    前記白色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を1〜25質量部含有し、
    前記白色顔料は、白色顔料全量を100質量%として、平均粒子径が0.25〜0.50μmの白色顔料を50質量%以上含み、
    前記黒色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂と、黒色顔料とを含有する、
    ことを特徴とする農業用マルチフィルム。
  2. 前記白色層は、エチレン−オクテン共重合体を含むオレフィン系樹脂を100質量部、及び、白色顔料を8〜24質量部含有する、請求項1に記載の農業用マルチフィルム。
  3. 前記白色層及び前記黒色層の少なくとも1層は、ヒンダードアミン系光安定剤を含む、請求項1又は2に記載の農業用マルチフィルム。
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