JP2000141569A - 微細気泡含有積層ポリエステルフィルムおよびラミネート金属缶 - Google Patents
微細気泡含有積層ポリエステルフィルムおよびラミネート金属缶Info
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Abstract
にラミネートした時にシワを生ずることがなく、光沢
度、隠蔽性、白色度、耐スリ傷性等に優れたフィルムお
よびラミネート金属缶を提供する。 【解決手段】 密度が0.50〜1.00g/cm3 の
微細気泡含有ポリエステルA層の少なくとも一方の面
に、密度が1.10g/cm3 以上のポリエステルB層
を積層してなるフィルムであって、フィルム一方向の1
10℃の熱収縮率が2.0%以上であることを特徴とす
る微細気泡含有積層ポリエステルフィルム、および当該
フィルムを積層してなることを特徴とするラミネート金
属缶。
Description
ポリエステルフィルムおよびラミネート金属缶に関する
ものである。
対象に、缶の内面を構成する金属板の表面にポリエステ
ルなどの熱可塑性樹脂フィルムの被覆を施すことで、有
機溶剤を多量に使用する表面処理工程を省略化し、かつ
内容物と内面金属との接触による金属の溶出を防止する
方法が普及している。
を施すに当たり、酸化チタン等の白色顔料を含有する白
色ポリエステルフィルムに予め図柄を印刷した後、缶胴
部にラミネートする方法が提案されている。ここで印刷
した図柄に適度の光沢感を付与するため、ラミネート用
のフィルムは高い光沢度を有することが好ましいとされ
ている。さらにこの方法には、ラミネートフィルムの持
つ断熱性により、加温もしくは冷却された内容物の保温
性、および加温された缶を手で持っても熱く感じない、
等の効果が要求されている。
ムをラミネートに使用しても、フィルムの断熱性が十分
でなく、保温性の改良には至らない。そこで微細気泡を
含有し、断熱性の高い従来の微細気泡含有ポリエステル
フィルムを用いると、微細気泡によりフィルムの腰が低
下している結果、ラミネートの際にシワが入りやすく、
加工性の問題がある。
みなされたものであって、その解決課題は、微細気泡に
よる断熱性を有し、例えば金属缶にラミネートした時に
シワを生ずることがなく、光沢度、隠蔽性、白色度、耐
スリ傷性等に優れたフィルムおよびラミネート金属缶を
提供することにある。
に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有する微細気泡
含有積層フィルムによれば、上記課題を容易に解決でき
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明の要旨は、密度(ρA )が0.50〜1.0
0g/cm3 の微細気泡含有ポリエステルA層の少なく
とも一方の面に、密度(ρB )が1.10g/cm3 以
上のポリエステルB層を積層してなるフィルムであっ
て、フィルム一方向の110℃の熱収縮率が2.0%以
上であることを特徴とする微細気泡含有積層ポリエステ
ルフィルム、および当該フィルムを積層してなることを
特徴とするラミネート金属缶に存する。
本発明の積層フィルムを構成するポリエステルとは、芳
香族ジカルボン酸またはそのエステルと、グリコールと
を主たる出発原料として得られるポリエステルであり、
芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸、さら
にはフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボ
ン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等の一
種または二種以上を使用することができる。グリコール
成分としては、エチレングリコール、さらにはジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二
種以上を用いることができる。
ミネート用フィルムとして十分な断熱性を呈するため
に、A層中に均質な微細気泡を含有することが要求され
る。このようなA層を得るためには、ポリエステルに異
種の熱可塑性樹脂を配合し、さらに相当量の界面活性剤
を添加して押出し、少なくとも一軸方向に延伸する方法
が好ましく用いられる。
エステルとともに混練、溶融させた際にポリエステルと
相溶せず、ポリエステル中に球状、楕円状、糸引き状等
の形で分散する(海島モデル)熱可塑性樹脂を指す。ポ
リエステルに対して非相溶な上記熱可塑性樹脂のA層中
での含有量An は、ポリエステルとの合計量に対する割
合として、通常4〜40重量%、好ましくは6〜30重
量%、さらに好ましくは8〜20重量%の範囲である。
An が4重量%未満の場合は、フィルム中に形成される
気泡の量が少な過ぎるため、十分な断熱性を有するフィ
ルムを製造することができない場合がある。一方、An
が40重量%を超える場合は、フィルムの機械的強度や
熱安定性が不足する傾向にある。かかるフィルムは、厳
しい加工性が要求される金属缶ラミネート用フィルム等
の用途には不適当になる場合がある。またAn が40重
量%を超える場合には、延伸時にフィルム破断が頻発す
るといった生産性上の問題が生じることもある。
脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリメチルペンテン、ポリメチルブテン等のポリオレフ
ィンのほか、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフ
ェニレンサルファイド、液晶ポリエステル等が挙げられ
るが、これらの中では、コストや生産性の観点からポリ
プロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレンが好ま
しく、さらに好ましくはポリプロピレンである。なお、
以下の説明においては、ポリエステルに対して非相溶な
熱可塑性樹脂をポリプロピレンで以て代表するが、本発
明はその態様に限定されるものではない。
モル%以上、好ましくは98モル%以上がプロピレン単
位を有する結晶性ポリプロピレンホモポリマーが好まし
い。非晶性ポリプロピレンの場合は、フィルム製造工程
において未配向ポリエステルシートの表面にポリプロピ
レンがブリードアウトし、冷却ドラムや延伸ロール等の
表面が汚染されやすい。また、プロピレン単位以外の例
えばエチレン単位が5モル%を超えて共重合されている
ポリプロピレンの場合は、微細気泡の生成が不足する傾
向にある。
デックス(MFI)は、通常1.0〜30g/10分、
好ましくは2.0〜15g/10分の範囲から選択され
る。MFIが1.0g/10分未満の場合は、生成する
気泡が大きくなり過ぎ、延伸時に破断が起こりやすく、
MFIが30g/10分を超える場合は、フィルム密度
の経時的均一性が悪化して、製造ラインにて生産性が悪
化することがある。
料中に界面活性剤を含有させることが好ましく、界面活
性剤としては非イオン系界面活性剤が好ましい。ここで
言う界面活性剤とは、異なる融液ポリマーのブレンド体
において、その界面の性質を著しく変じるもの、すなわ
ちポリエステルと当該ポリエステルに非相溶な熱可塑性
樹脂の界面において両者の相溶性を高める作用を持つ化
合物を指す。具体的にはポリアルキレングリコール型
類、多価アルコール型類、シリコーン系類等の非イオン
系界面活性剤が好ましく、これらの中でもシリコーン系
界面活性剤が好ましい。より具体的にはオルガノポリシ
ロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体やポリオキシ
アルキレン側鎖を有するアルケニルシロキサン等が高い
界面活性化作用を有しており、好ましい。
s (重量%)は、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂
の含有量An (重量%)との関係で、0.002An ≦
As≦0.2An であることが好ましく、より好ましく
は0.005An ≦As ≦0.1An である。As が
0.002An に満たない場合、非相溶樹脂が十分に微
分散しないことから、均一な断熱性が得られなかった
り、積層フィルム表面(B層側)の光沢が損なわれる傾
向となる。一方、As が0.2An を超える場合、もは
や非相溶樹脂の微分散化を促進する効果が向上しない
上、フィルムの白色度を低下させる等、フィルム品質上
悪影響をきたす傾向がある。
有するA層に、光沢の向上、耐スリ傷性等を付与するた
めのB層を積層した構成であり、フィルムの一方向での
110℃熱収縮率が2.0%以上であることが必要であ
る。110℃熱収縮率が2.0%以上である方向を、缶
胴の円周方向としてラミネート加工すると、当該加工時
にフィルムが適度に収縮して弛まず、シワが入りにくく
なり好ましい。この熱収縮率が2.0%未満の場合、ラ
ミネート加工時のシワが増加する傾向にある。フィルム
一方向の好ましい110℃熱収縮率は2.5〜5.0%
であり、さらに好ましくは2.8〜4.5%である。
の円周方向としてラミネート加工すると、その直行方向
は缶胴の幅方向に相当する。この方向の110℃熱収縮
率は2.0%未満であることが好ましい。2.0%以上
となると、缶胴幅方向のフィルム収縮によりラミネート
幅のコントロールが困難となり、未ラミネート域を生じ
ることがある。
さらに好ましくは0.5〜5μm、特に好ましくは1.
0〜3.5μmである。B層厚みが10μmを超える
と、積層フィルムとして気泡含有率が低下し、同じ厚み
当たりで比較すると断熱性が損なわれる傾向にある。一
方、B層厚みが0.5μm未満では、B層の厚みの制御
が困難になり、またB層表面の光沢が不足する傾向にあ
る。
面の60゜光沢度(G60)と20゜光沢度(G20)が以
下の関係式を満たすことが好ましい(JIS Z 87
41−1983の方法3および5参照)。
未満の場合、印刷された図柄(缶胴部)の光沢感が不足
する傾向にある。より好ましいG20は(G60−60)%
以上でかつ50%以上であり、さらに好ましいG20は
(G60−50)%以上でかつ60%以上である。
フィルム表面の滑り性が悪化し、キズが入りやすくな
る、ロール形態でブロッキングして加工が困難になる、
等の問題を生じることがある。より好ましいG20の上限
は80%である。本発明の積層フィルムのB層表面の粗
度Raは0.03〜0.30μmであることが好まし
い。このRaが0.03μmより小さい場合は、フィル
ム表面が平坦過ぎて、光沢度が上限を超えた場合と同様
の問題が生じることがある。一方、0.30μmを超え
ると、光沢度が下限を超えた場合と同様の問題を生じる
ことがある。好ましいRaの範囲は0.04〜0.20
μmであり、さらに好ましくは0.05〜0.10μm
である。
ィルムへの滑り性付与、白色度の調整等のため白色無機
粒子を添加することができるが、その含有量は40mg
/m 2 以下とすることが好ましい。ここで言う白色無機
粒子としては、公知の酸化チタン、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、アル
ミナ、タルク、クレー等を使用することができ、中でも
光沢の維持という観点からシリカが好ましく用いられ
る。ポリエステルB層中の白色無機粒子の含有量を上記
範囲内とすることで、積層フィルムのB層側表面の光沢
度が維持され、この面に印刷される図柄に適度な光沢感
を付与することが可能となる。より好ましい白色無機粒
子の含有量は1〜30mg/m2 であり、さらに好まし
くは2〜20mg/m2 である。B層中の白色無機粒子
の含有量が40g/m2 を超える場合には、印刷される
図柄の光沢感が不足する傾向にある。一方、白色無機粒
子量が少なすぎ、例えば1mg/m2 未満の場合には、
積層フィルムの滑り性が不足し、ブロッキングしてロー
ル加工が困難になる、表面にキズが入りやすくなる、等
の問題を生じることがある。
下である。粒径が3μmを超えると、B層が接する層と
の間で界面剥離を生じたり、フィルムからの粒子の脱
離、光沢度の低下等の問題を生じる傾向がある。より好
ましい粒径は0.7μm以下である。また、B層を構成
するポリエステルは、エチレンテレフタレートもしくは
エチレン2,6−ナフタレートを主たる構成単位とする
ことが好ましい。
は、0.50〜1.00g/cm3 、好ましくは0.6
0〜0.90g/cm3 、さらに好ましくは0.70〜
0.80g/cm3 の範囲である。A層の密度が1.0
0g/cm3 を超える場合は、気泡の含有量が少なく、
積層フィルムの断熱性が低下する。このようなフィルム
は、金属缶ラミネート用フィルムとして不適当となる。
一方、A層の密度が0.50g/cm3 未満の場合に
は、フィルムの機械的強度や熱安定性が不足し、加工
上、また生産連続性の面でも悪影響がある。
いては、1.10g/cm3 以上である必要があり、好
ましくは1.20g/cm3 以上、さらに好ましくは
1.30g/cm3 以上の範囲である。ρB が1.10
g/cm3 に満たない場合には、B層表層の光沢度が十
分に向上されず、G60とG20の差も低減しない傾向にあ
る。
原料の固有粘度IVは、0.55〜0.80であること
が好ましい。A層ポリエステル原料の固有粘度が0.5
5未満の場合は、製膜時にフィルム破断が起こりやすく
なり、かつ気泡の大きさが不均一になって密度のコント
ロールが難しくなるため生産性が低下する傾向がある。
一方、IVが0.80を超えると、微細気泡の生成が抑
制される傾向にある。
有粘度IVは、A層と同程度であっても異なっていても
よいが、生産連続性を高める上ではA層のIV値より高
い方が好ましい。本発明の積層フィルムは、特に金属缶
ラミネート用等の被印刷フィルムとして使用される際、
印刷した図柄の鮮明化という観点から、白色でかつ高い
隠蔽度を備えていることが好ましい。そこで本発明のフ
ィルムには、白色性、隠蔽性を付与するため、微細気泡
を含有するA層に、B層に比して多量の白色無機粒子を
添加することが好ましい。さらに白色度を一層高めるた
め、A層中に蛍光増白剤を併用することが有効である。
は、1〜20重量%、さらには2〜15重量%である。
また好適に使用し得る蛍光増白剤の例としては、チバガ
イギー社製の商品「ユビテック」、イーストマン社製の
商品「OB1」等が挙げられる。A層における蛍光増白
剤の好ましい含有量は、0〜0.30重量%の範囲であ
る。
0.3以上であり、好ましくは0.5以上である。透過
濃度が0.3未満の場合は、フィルムの遮光性が不足
し、受像紙として(受容画像)の品質が低下する。また
本発明の積層フィルムの白色度は、フィルムを5枚重ね
てJIS L1015−1992のC法によって測定し
た際のW値で表すことができる。通常このフィルムW値
は75以上であり、好ましくは80以上である。W値が
75より小さい場合には、色彩の変調により、印刷され
る図柄の高級感を損なう傾向にある。
び/または当該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂中
に前記の白色無機粒子、蛍光増白剤、界面活性剤の他に
も、必要に応じて公知の滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、
帯電防止剤、染料、顔料などの添加剤を配合することが
できる。本発明のフィルムは、異なる原料配合からなる
少なくとも二つの層AおよびBから構成されている。そ
してフィルム化には、一般に所定に配合されたポリマー
を溶融、押出しした後、少なくとも一軸方向にロール延
伸法、テンター法等に従って延伸を施せばよい。なお、
微細気泡を良好に形成するとともにフィルム強度や寸法
安定性を適度に満足させるためには、二軸延伸方法およ
び熱処理方法を併用することが好ましい。
に説明する。層構成はB/A/Bの2種3層もしくはB
/Aの2種2層が基本となるが、更なる多層構成であっ
ても差し支えない。まず、各層に対する配合の原料を、
各層に対応する押出機に供給し、各押出機ライン毎に溶
融混練した後、各層のポリマーを、通常マルチマニホー
ルドまたはフィードブロックを経てダイへ導く。
を、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度にな
るように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シート
を得る。この場合、シートの平面性、冷却効果を向上さ
せるためには、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高
めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法
が好ましく採用される。
してフィルム化する。本発明のポリエステルフィルムに
含有する微細気泡は、かかる延伸によって生成される。
まず、通常70〜150℃、好ましくは75〜130℃
の延伸温度、通常2.5〜6.0倍、好ましくは3.0
〜5.0倍の延伸倍率の条件下、前記未延伸シートを一
方向(縦方向)に延伸する。かかる延伸にはロールおよ
びテンター方式の延伸機を使用することができる。次い
で、通常75〜150℃、好ましくは80〜140℃の
延伸温度、通常2.5〜6.0倍、好ましくは3.0〜
5.0倍の延伸倍率の条件下、一段目と直交する方向
(横方向)に延伸を行い、二軸配向フィルムを得る。か
かる延伸には、テンター方式の延伸機を使用することが
できる。
法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸
倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前記
未延伸シートを面積倍率が7〜30倍になるように同時
二軸延伸することも可能である。本発明においては、フ
ィルム一方向の110℃熱収縮率を2%以上とするた
め、特定の熱処理および弛緩処理の条件を採ることが好
ましい。熱処理温度は通常よりも低く、具体的には10
0〜200℃、好ましくは120〜180℃、さらに好
ましくは140〜160℃の範囲内である。また特に横
方向の熱収縮率を調整するため、上記の熱処理温度下
で、テンターのレール幅により10%以内の制限収縮を
1秒〜5分間で行うことが好ましい。ここでの制限収縮
は、より好ましくは5%以内、さらに好ましくは3%以
内の範囲である。
は、さらに制限収縮を上記条件に続いて2段階で行うこ
とが好ましい。具体的には、2段目で110℃〜140
℃の温度下、10%以内、好ましくは6%以内の制限収
縮を行うと良い。制限収縮率が上記の範囲を超える場
合、以後の工程において、縦方向にシワが入り、積層フ
ィルムの巻き取りに悪影響を与えることがある。
緩、または微小倍率縦再延伸等の手法を適宜採用するこ
とも可能である。この他、必要に応じて製膜工程内で各
種の表面処理等を施しても構わない。また上記の微細気
泡含有積層ポリエステルフィルムの厚さは、通常20〜
250μm、好ましくは25〜200μmの範囲であ
る。
積層フィルム単体として、また紙、合成紙、プラスチッ
クフィル等の他の素材との貼合わせ体として、金属缶ラ
ミネート用を始めとする各種被印刷材料、ラベル、感熱
転写用受像紙、記録紙、ポスター、シールプリント用台
紙、平版印刷板、包装材料、付箋などに好適に使用され
る。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例におけるシリコーン系界面活性剤は東レ・ダウコー
ニング・シリコーン社製「SH193」を示す。また各
種評価方法は以下に示すとおりである。 (1)ポリエステルの固有粘度IV (dl/g) ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および白色顔
料を除去したポリエステル1gに対し、フェノール/テ
トラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒を
100mlの比で加えて溶解させ、30℃で測定した。 (2)メルト・フロー・インデックス MFI (g/
10分) JIS K−7210−1995に従って、230℃、
21.2Nで測定した。この値が高いほどポリマーの溶
融粘性が低いことを示す。 (3)添加物の平均粒径(μm) 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP
3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率5
0%の粒径を平均粒径とした。 (4)フィルム密度(g/cm3 ) フィルムの任意の部分から10cm×10cmの正方形
のサンプルを切り出し、重量を測定した。次いでマイク
ロメーターで任意の9ヶ所の厚みを測定し、その平均値
と重量とから単位体積当たりの重量を計算し、積層フィ
ルムの密度値とした。次いでAB各層の厚みを走査型電
子顕微鏡で観察後、A層のみをミクロトームで切削し
て、密度勾配管法により密度を求め、これによりB層の
密度値も算出した。測定数nは5とし、その平均値を積
層フィルムの密度とした。 (5)熱収縮率(%) 幅15mmのフィルムに約100mm間隔の印をつけ、
その間隔Aを測定する。無張力下で5分間、110℃雰
囲気のオーブン中に入れた後の印の間隔Bを測り、以下
の式により、熱収縮率とした。
層厚さ(μm)×B層密度(g/cm3 )×B層中酸化
チタンの重量%÷100 (7)光沢度(%) JIS Z−8741−1983の方法3(60゜光沢
度)、同方法5(20゜光沢度)によって、B層表面の
MD方向に光を入射して測定した。なお、測定面はキャ
スト面(キャストロール接触面側)に相当した。測定数
nは3とし、その平均値を算出した。 (8)中心線平均表面粗さRa(μm) 小坂研究所製の万能表面形状測定器SEー3Fを用いて
B層表面を測定した。下記の条件でB層表面につき12
回測定し、上下2点を除いた10点の平均値をとった。
0.03gf ・測定長 :2.5mm ・カットオフ値:0.25
mm (9)透過濃度 マクベス濃度計TD−904型を使用し、ビジュアル光
による透過濃度を測定した。測定点数nは5とした。こ
の値が大きいほど光線透過率が低いことを示す。 (10)白色度(W値) 日本電色工業(株)製測色計300A型(C光源2゜視
野)を用い、JISL1015−1992のC法によ
り、フィルムを5枚重ねた上でB層表面を測定した。測
定点数nは5とし、その平均値を算出した。 (11)金属缶へのラミネート加工適性 フィルムに公知のビスフェノール型エポキシ系接着剤
を、乾燥後の塗布量が1.2g/m2 となるように塗布
した。次に350mlアルミ缶の缶胴部とフィルムの接
着面とを、フィルムの長手方向(縦)が缶胴の円周方向
と一致するように重ね、220℃、1秒間の加温条件下
でラミネート加工を行った。ラミネート後に、缶胴部の
シワの有無を観察し、シワの発生が無く良好なものを
〇、シワが生じる場合があるが、その頻度が1/3以下
であるものを△、シワの発生が頻繁に起こり、実用上ラ
ミネート加工に適さないものを×、として評価した。 (12)ラミネート後の缶胴の光沢感 フィルムをラミネートした缶胴部を目視で観察し、光沢
感の優れる物から順に4,3,2,1とランク付けして
評価した。ランク1のものは、光沢感が劣り、高級感を
損なうものであった。 (13)ラミネート後の缶胴の断熱性 フィルムをラミネートした缶に88℃の熱湯を注ぎ、3
0秒後に缶胴部を手で把持した際に、特に熱く感じその
まま保持し難いものを△、熱さが和らいでおり手で保持
可能なものを〇とした。
に対し、MFIが10g/分の結晶性ポリプロピレンチ
ップを13重量%、シリコーン系界面活性剤を0.1重
量%、平均粒径0.3μmの酸化チタンを2.4重量%
および蛍光増白剤OB1を0.1重量%配合して均一に
ブレンドしたポリエステル原料A1を調整した。
テレフタレートに対し、平均粒径1.1μmのシリカを
0.12重量%配合して均一にブレンドしたポリエステ
ル原料B1を調整した。上記の各原料を各々別個のベン
ト式二軸押出機中に投入し、280℃で溶融し、得られ
た溶融体を同一のダイスに導き、A層(原料A1)が中
間層となり、B層(原料B1)がその両側に貼り合わさ
れた状態に溶融積層してスリット状に押出し、30℃の
キャストロール上にて冷却し2種3層の未配向シートを
得た。そしてフィルムの流れ方向(縦方向)に80℃で
3.4倍ロール延伸した後、さらに横方向に125℃で
4.0倍テンター延伸し、さらにテンター延伸機内で1
48℃で5秒間熱処理すると同時にレール幅にて横方向
に1.5%の制限収縮を行い、続いて120℃の雰囲気
で4.5%の制限収縮を行った。最後にテンター出口〜
巻取の間でフィルムの流れ方向に1%の縦弛緩処理を施
し、最終的に厚み比2.3/35/2.3μm(B層/
A層/B層)の微細気泡を含有する二軸配向フィルムを
得た。得られたフィルムの特性は下記表1に示すとおり
である。
22重量%とする以外は実施例1と同様にして、最終的
に厚み比2.3/35/2.3μm(B層/A層/B
層)となる微細気泡を含有する二軸配向フィルムを得
た。 実施例3 実施例1において、原料B1中のシリカの含有量を0.
30重量%とする以外は実施例1と同様にして、最終的
に厚み比2.3/35/2.3μm(B層/A層/B
層)となる微細気泡を含有する二軸配向フィルムを得
た。
熱処理を230℃5秒間(制限収縮せず)とし、続いて
180℃の雰囲気で3.3%の制限収縮を行う以外は実
施例1と同様にして、最終的に厚み比2.3/35/
2.3μm(B層/A層/B層)となる微細気泡を含有
する二軸配向フィルムを得た。
量を23重量%とする以外はテンター延伸機内の条件も
含め同様にして、最終的に厚み比2.3/35/2.3
μm(B層/A層/B層)となる微細気泡を含有する二
軸配向フィルムを得た。
μm(B層/A層)の2種2層とする以外は実施例1と
同様にして、微細気泡を含有する二軸配向フィルムを得
た。 実施例5 実施例1において、原料B1中にシリカを配合せず、平
均粒径0.25μmの酸化チタンを8重量%配合する以
外は実施例1と同様にして、最終的に厚み比2.3/3
5/2.3μm(B層/A層/B層)となる微細気泡を
含有する二軸配向フィルムを得た。
006重量%とする以外は実施例1と同様にして、微細
気泡を含有する二軸配向フィルムを得た。該フィルムは
ロール状に巻き取った後ブロッキングし、加工のために
巻き出すことができなかった。
よび2に示す。
ミネート加工体として使用されるのにふさわしい熱収縮
特性を有するとともに、高い光沢感を呈するフィルムで
あり、金属缶ラミネート用フィルム等の基材として用い
るのに好適であり、その工業的価値は非常に高い。
Claims (5)
- 【請求項1】 密度(ρA )が0.50〜1.00g/
cm3 の微細気泡含有ポリエステルA層の少なくとも一
方の面に、密度(ρB )が1.10g/cm3以上のポ
リエステルB層を積層してなるフィルムであって、フィ
ルム一方向の110℃の熱収縮率が2.0%以上である
ことを特徴とする微細気泡含有積層ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項2】 ポリエステルB層の厚みが10μm以下
であることを特徴とする請求項1記載の微細気泡含有積
層ポリエステルフィルム。 - 【請求項3】 ポリエステルB層表面の60゜光沢度
(G60)と20゜光沢度(G20)が下記式およびを
同時に満足することを特徴とする請求項1または2記載
の微細気泡含有積層ポリエステルフィルム。 【数1】G20≧G60−60 ……… G20≧30 ……… - 【請求項4】 ポリエステルB層中の白色無機粒子の含
有量が、40mg/m 2 以下であることを特徴とする請
求項1〜3のいずれかに記載の微細気泡含有積層ポリエ
ステルフィルム。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の微細気
泡含有積層ポリエステルフィルムを積層してなることを
特徴とするラミネート金属缶。
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---|---|---|---|
JP32029298A JP4286937B2 (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | 微細気泡含有積層ポリエステルフィルムおよびラミネート金属缶 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32029298A JP4286937B2 (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | 微細気泡含有積層ポリエステルフィルムおよびラミネート金属缶 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000141569A true JP2000141569A (ja) | 2000-05-23 |
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ID=18119886
Family Applications (1)
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JP32029298A Expired - Lifetime JP4286937B2 (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | 微細気泡含有積層ポリエステルフィルムおよびラミネート金属缶 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP4286937B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002052670A (ja) * | 2000-08-07 | 2002-02-19 | Toray Ind Inc | 白色積層ポリエステルフィルム |
JP2015065952A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 積水フィルム株式会社 | 農業用マルチフィルム |
-
1998
- 1998-11-11 JP JP32029298A patent/JP4286937B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002052670A (ja) * | 2000-08-07 | 2002-02-19 | Toray Ind Inc | 白色積層ポリエステルフィルム |
JP2015065952A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 積水フィルム株式会社 | 農業用マルチフィルム |
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