JP6573021B2 - 印刷製品 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルムを含む印刷製品に関するものであり、本発明の印刷製品は製本装置により製造することができるものである。
従来から、1〜数枚のフィルムを含む本が用いられている。例えば、特許文献1のように透明フィルムの平面上に歴史的時事、人物、分布等を点、線などのデータを記録し、これらのシートを順に重ね合わせて一辺を綴じ製本する方法が知られている。このような本により、フィルムを1ページずつ見ることも、また複数枚のフィルムを通して変化を見ることもできるものとなっている。
ところで、紙からなる印刷製品は、通常80〜100μm程度の厚さである1枚の大きな紙を1〜数回折った後に天または天地を裁断して複数枚にし、裁断されてB4〜A6程度の大きさとなった紙を重ね合わせて綴じることにより製本されている。一方、80〜100μm程度の厚さであるフィルムを含む印刷製品は、製本装置で1枚のフィルムを2〜数回折り畳むことが難しく、フィルムを含む印刷製品は製本装置で製本することが困難である。そのため、手作業で製本しなければならず、コスト面での問題が生じてしまい、フィルムを含む印刷製品を大量生産するのは困難であった。
特開平6−130892号公報
本発明は、フィルムを含む印刷製品であるにもかかわらず、製本装置で製造可能な印刷製品の提供を課題として掲げた。
本発明者は、印刷製品に含まれるフィルムとして、折り畳んだ場合でも折り畳んだ状態のままで保持できる(以下、デッドホールド性という)フィルムを用いることにより、製本装置で製造することができる印刷製品である本発明に至った。
本発明に係る印刷製品は、フィルムを含む印刷製品であって、上記フィルムは、透明ポリエステルフィルムからなる第一層と、透明フィルムからなる第二層とを含む積層フィルムであり、上記第一層の透明ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、非晶質成分となり得る1種以上のモノマー成分を含有し全モノマー成分中の合計量が15モル%以上で、上記第二層は、上記第一層と同一の素材又は異なる素材からなり、20℃で上記印刷製品を24時間放置した後に、上記印刷製品を4つ折りにし、1分経過後の折畳み保持角度が150度以下であることを特徴とする。
上記印刷製品は、20℃で上記印刷製品を24時間放置した後に、上記印刷製品を4つ折りにし、1分経過後の折畳み保持角度が90度以下であることが好ましい。
上記印刷製品には、複数枚のフィルムの一部又は全部に、文字、数字、記号、絵柄、図形、画像のいずれか一種以上を含む情報が印刷されており、印刷された各フィルムの情報が、いずれも異なっていることが好ましい。
上記印刷製品は製本装置により製造されてなることが好ましい。
上記フィルムにおいて、上記情報が印刷された部分以外が、透明であることが好ましい。
本願発明の印刷製品に用いられるフィルムは、20℃の環境下で1日保管させた後の折畳み保持角度が150度以下であるため、デッドホールド性、加工性、及び耐久性に優れている。そのため、上記各種物性に優れたフィルムを含む本発明の印刷製品は、製本装置により製造することができ、フィルムを含む印刷製品を低コストで製造することができる。
フィルムの折畳み保持角度の測定方法を示した図である。
本発明の印刷製品は、製本装置により製造されるものであって、フィルムを含むものであればよい。本発明の印刷製品として、例えば、書籍、雑誌、カタログ、パンフレット、カレンダーなどが挙げられる。
(製本方法)
本願発明の印刷製品に用いられるフィルムは、20℃の環境下で1日保管させた後の折畳み保持角度が150度以下である。そのため、容易に折り畳むことができ、紙の一部又は全部を上記フィルムに代えたとしても公知の製本装置で製本することができる。具体的には、公知の製本装置に紙及びフィルム又はフィルムのみを供給し、製本装置において1枚の紙又はフィルムを2〜数回折った後に天または天地を裁断し、それらの裁断されたフィルム及び紙を綴じることにより製本される。裁断については、例えば、1枚の紙又はフィルムを8ページ(2回折りの後に天を裁断)、12ページ(巻き3つ折りの後に天地を裁断)、16ページ(奉書折りの後に天地を裁断)となるように製本装置によって裁断することができる。また、印刷製品の綴じ方はいずれの綴じ方であってもよく、例えば、中綴じ、無線綴じ、平綴じなどが挙げられる。以下、製本装置で裁断される前のフィルムを「大フィルム」、製本装置で裁断された後のフィルムを「小フィルム」といい、単に「フィルム」と記載されている場合は、大フィルム・小フィルムを共に含むものとする。
(フィルム)
フィルムは、その厚さが5μm以上、500μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以上、400μm以下が好ましい。更に好ましくは45μm以上、350μm以下であり、最も好ましくは50μm以上、300μm以下である。5μm未満であると薄すぎるため、腰が不足し製本しづらくなるおそれがある。500μmを超えると厚すぎて製本装置において大フィルムを折り曲げづらくなるおそれがある。
フィルムは透明タイプでも半透明タイプでも不透明タイプでも構わないが、透明タイプ又は半透明タイプのフィルムであることが好ましい。また、フィルムが複数枚含まれていることが好ましく、複数枚のフィルムの一部又は全部に、文字、数字、記号、絵柄、図形、画像のいずれか一種以上を含む情報が印刷されており、印刷された各フィルムの情報が、いずれも異なっていることがより好ましい。透明タイプ又は半透明タイプの小フィルムが複数枚連続するような印刷製品を作製すると、複数枚の小フィルムに記載された各種情報を重ね合わせた状態で見ることができる。例えば、機械の外装が記載された小フィルムA、機械の内部構造が記載された小フィルムB、機械の内部のより詳細な構造が記載された小フィルムCの3枚の小フィルムが連続して設けられていた場合、小フィルムA〜Cを重ね合わせることによって、機械の外装のみならず機械の内部構造についても同時に見ることができる。さらに小フィルムBと小フィルムCのみを重ね合わせて機械の内部構造のみを見ることができる。もちろん、A、B、C各小フィルムのみの各種情報を見ることもできる。なお、上述の透明タイプのフィルムとは、上記情報が印刷された部分以外が透明であるフィルムのことであり、半透明タイプ、不透明タイプも同様である。
透明タイプの場合、ヘイズが30%以下であり、0.5%以上、15%以下であることが好ましい。ヘイズが15%を超えると、透明性が低下するため、他のフィルムに記載の情報が見づらくなるおそれがある。一方、ヘイズ値が0.5%未満となると、傷などが目立ちやすく生産性が低下することがある。また、半透明タイプとは、ヘイズが30%より大きく60%以下のことを指し、55%以下であることが好ましく、不透明タイプとは、ヘイズが60%より大きいことを指す。
ヘイズは以下の測定方法で測定されている。得られた延伸フィルムの異なる3ヶ所について、JIS−K−7105に準じた方法で、ヘイズメーター(日本電色社製「NDH2000」)を用いてヘイズ(%)を測定し、それらの平均値を延伸フィルムのヘイズ値とする。
本発明に用いられるフィルムは、20℃の環境下で1日保管させた後の折畳み保持角度(以下、折畳み保持角度という)が150度以下であり、より好ましくは120度以下、さらに好ましくは100度以下、特に好ましくは90度以下、最も好ましくは70度以下である。折畳み保持角度が150度を超えると大フィルムが折れづらくなり、製本装置を用いて製本するのが困難になるおそれがある。また、折畳み保持角度は小さいほど好ましいが、現状では30度程度が下限である。
フィルムは、単層フィルムでも構わないが、積層フィルムであることが好ましく、上記積層フィルムは、合成樹脂からなる第一層と、第二層とをこの順で含むもの、又は合成樹脂からなる第一層と、第一層とは異なる素材からなる第二層と、第二層とは異なる素材からなる第三層とをこの順で含むものがより好ましく、上記積層フィルムは、合成樹脂からなる第一層と、第一層とは異なる素材からなる第二層と、第二層とは異なる素材からなる第三層とをこの順で含むものがさらに好ましい。なお、積層フィルムの一部の層において、アルミホイル、金箔、紙などを含むこともでき、上記積層フィルムはこのような態様も包含する。
(第一層)
上記積層フィルムの第一層は合成樹脂からなるものであり、第一層(以下、第一フィルムということもある)の合成樹脂は、ポリエステル樹脂であることが好ましい。フィルム中の第一層の割合は、15質量%以上が好ましく、より好ましくは20質量%以上である。フィルムは第一層のみの単層フィルムであってもよいが、キズのつきにくさの点や、熱収縮率を小さくする点で、第二層等他のフィルムを積層した積層フィルムであることが好ましい。フィルム中の第一層の割合は85質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。
上記ポリエステル樹脂は、エチレンテレフタレートユニットを主たる構成成分とすることが好ましい。エチレンテレフタレートユニットは、ポリエステルの構成ユニット100モル%中、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましい。本発明で用いられるポリエステルを構成する他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、および脂環族ジカルボン酸等を挙げることができる。
ポリエステルを構成する多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールA等の芳香族系ジオール等を挙げることができる。
本発明で用いられるポリエステルは、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の環状ジオールや、炭素数3〜6個を有するジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等)のうちの1種以上を共重合させて、ガラス転移点(Tg)を60〜70℃に調整したポリエステルが好ましい。
また、ポリエステルは、全モノマー成分中(ポリエステル樹脂中における多価アルコール成分100モル%中あるいは多価カルボン酸成分100モル%中)の非晶質成分となり得る1種以上のモノマー成分の合計が15モル%以上であることが好ましく、より好ましくは16モル%以上、さらに好ましくは17モル%以上、特に好ましくは18モル%以上、最も好ましくは19モル%以上である。また非晶質成分となり得るモノマー成分の合計の上限は好ましくは30モル%、より好ましくは27モル%である。
非晶質成分となり得るモノマーとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサンジオールを挙げることができる。これらの中でも、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはイソフタル酸を用いるのが好ましい。
また、ポリエステル系エラストマーを併用すると非晶度合いが高まって、デッドホールド性が良好となるため、本発明で用いられるフィルムの好ましい実施態様である。用い得るポリエステル系エラストマーは、高融点結晶性ポリエステルセグメント(ハードセグメント)と数平均分子量400以上の低融点軟重合体セグメント(ソフトセグメント)とからなるポリエステル系ブロック共重合体である。高融点結晶性ポリエステルセグメントは、その構成成分だけで重合体を形成した場合、融点が200℃以上になるセグメントであり、低融点軟重合体セグメントは、その構成成分だけで重合体を形成した場合、融点または軟化点が80℃以下になるセグメントをいう。
高融点結晶性ポリエステルセグメントは、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸の残基と、ペンタメチレングリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、p−キシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、芳香族、または脂環族ジオールの残基とからなるポリエステル;p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、p−オキシ安息香酸ピバロラクトン等のオキシ酸の残基からなるポリエステル;1,2−ビス(4,4’−ジカルボキシメチルフェノキシ)エタン、ジ(4−カルボキシフェノキシ)エタン等の芳香族エーテルジカルボン酸の残基と上記の脂肪族、芳香族、または脂環族ジオールの残基とからなるポリエーテルエステル;ビス(N−パラカルボエトキシフェニル)テレフタルイミド等の芳香族アミドジカルボン酸の残基と上記の脂肪族、芳香族、または脂環族ジオールの残基とからなるポリアミドエステル等を示すことができる。また、上記のジカルボン酸の残基および/またはジオールの残基を2種以上使用した共重合ポリエステル等も使用することができる。
数平均分子量400以上の低融点軟重合体セグメント(ソフトセグメント)は、ポリエステル系ブロック共重合体中で、実質的に非晶の状態を示すものであり、この低融点軟重合体セグメントの数平均分子量は、400〜8000が好ましく、700〜5000がより好ましい。またポリエステル系エラストマー中の低融点軟重合体セグメントの割合は1〜90質量%であるのが好ましい。特に好ましい割合は5〜80質量%である。
代表的な低融点軟重合体セグメントとしては、ポリエチレンオキサイドグリコール、ポリプロピレンオキサイドグリコール、ポリテトラメチレンオキサイドグリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体のグリコール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体のグリコール等のポリエーテル、またはポリネオペンチルアゼレート、ポリネオペンチルアジペート、ポリネオペンチルセバケート等の脂肪族ポリエステル等があるが、ポリエステル系フィルムを構成するポリエステルとの相溶性の点から、ポリ−ε−カプロラクトン等のポリラクトンをソフトセグメントに用いたポリエステル系エラストマーが特に好ましい。
本発明では、テレフタル酸とブタンジオールとε−カプロラクトンの共重合ポリエステルからなるε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーが、非晶度合いを高めて、デッドホールド性を良好にする効果が大きいため、好ましく使用できる。また、このε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーの使用によって、収縮仕上がり性も向上する。これらの効果を充分に得るには、ポリエステル系フィルムを構成するポリエステル樹脂100モル%のうち、ε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーを1〜30モル%とすることが好ましい。3〜25モル%がより好ましく、5〜20モル%が特に好ましい。ε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーの量は30モル%を超えると、フィルムの耐破れ性、強度や耐熱性等の物理的強度が充分に得られないおそれがある。
本発明に用いられるフィルムの第一層を形成する樹脂の中には、必要に応じて各種の添加剤、例えば、ワックス類、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、減粘剤、熱安定剤、着色用顔料、着色防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。また、フィルムの作業性(滑り性)を良好にする滑剤としての微粒子を添加することが好ましい。微粒子としては、任意のものを選択することができるが、例えば、無機系微粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム等、有機系微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等を挙げることができる。微粒子の平均粒径は、0.05〜3.0μmの範囲内(コールターカウンタにて測定した場合)で、必要に応じて適宜選択することができる。
第一層を形成する樹脂の中に上記粒子を配合する方法としては、例えば、ポリエステル系樹脂を製造する任意の段階において添加することができるが、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めるのが好ましい。また、ベント付き混練押出し機を用いてエチレングリコールまたは水等に分散させた粒子のスラリーとポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法、または混練押出し機を用いて、乾燥させた粒子とポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法等によって行うのも好ましい。
さらに、第一フィルムには、フィルム表面の接着性を良好にするために、コロナ処理、コーティング処理や火炎処理等を施したりすることも可能である。
第一フィルムは、折畳み保持角度が20度以上75度以下であるのが好ましく、より好ましくは45度以下、さらに好ましくは40度以下、最も好ましくは35度以下である。また、第一フィルムの折畳み保持角度が小さいほど積層フィルムの折畳み保持角度も小さくなるので、第一フィルムの折畳み保持角度は小さいほど好ましいが、現状では20度程度が下限であるが、25度以上であっても構わない。折畳み保持角度の測定方法については後述する。
第一フィルムの厚みは、3μm以上200μm以下が好ましい。第一フィルムの厚みが薄いほど折畳み保持角度は小さくなるが、3μmより薄いと加工が困難になるおそれがある。また、第一フィルムの厚みが200μmより厚いと、積層フィルムのデッドホールド性が低下してしまうおそれがある。第一フィルムの厚みは、より好ましくは5μm以上、100μm以下であり、さらに好ましくは7μm以上、40μm以下である。第一フィルムの厚みが薄いほど、折畳み保持角度が小さくなる傾向があるので、より好ましくは35μm以下であり、さらに好ましくは30μm以下である。
本発明で用いられる第一フィルムは、透明タイプであることが好ましい。透明タイプのフィルムは、ヘイズが0.5%以上15%以下であることが好ましい。ヘイズが15%を超えると、透明性が低下するため、透明性が求められる用途での使用が制限されることがある。一方、ヘイズ値が0.5%未満となると、傷などが目立ちやすく生産性が低下することがある。
一方、用途によっては、第一フィルムは、半透明タイプも好ましく、不透明タイプであっても構わない。このようなフィルムとして、例えば白色やパール調外観、擦りガラス調外観のフィルムが挙げられる。フィルムの隠蔽性を向上させるために、フィルム内部に微細な空洞を含有させることが好ましい。例えば発泡材などを混合して押出してもよいが、好ましい方法としてはポリエステル中にポリエステルとは非相溶な熱可塑性樹脂を混合し少なくとも1軸方向に延伸することにより、空洞を得ることである。本発明に用いられるポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂は任意であり、ポリエステルに非相溶性のものであれば特に制限されるものではない。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などがあげられる。特に空洞の形成性からポリスチレン系樹脂あるいはポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。なお、半透明タイプとは、ヘイズが30%より大きく60%以下のことを指し、55%以下であることが好ましく、不透明タイプとは、ヘイズが60%より大きいことを指す。
ポリスチレン系樹脂とは、ポリスチレン構造を基本構成要素として含む熱可塑性樹脂を指し、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン等のホモポリマーの他、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂、例えば耐衝撃性ポリスチレン樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等、更にはこれらのポリスチレン系樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂例えばポリフェニレンエーテルとの混合物を含む。
ポリメチルペンテン系樹脂とは、80モル%以上、好ましくは90モル%以上が4−メチルペンテン−1から誘導される単位を有するポリマーであり、他の成分としてはエチレン、プロピレン、ブテン−1,3−メチルブテン−1等からの誘導される単位が例示される。かかるポリメチルペンテンのメルトフローレートは200g/10分以下であることが好ましく、更に好ましくは30g/10分以下である。これは、メルトフローレートが200g/10分を超える場合には、フィルムの低比重化効果を得にくくなるからである。
ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン系樹脂は、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン等のホモポリマーのほか、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂も含まれる。
ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂は、ポリエステル中に球状もしくは楕円球状、もしくは糸状など様々な形状で分散した形態をとって存在する。該ポリエステルと該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂の混合物には、必要に応じて各種の添加剤、例えば、ワックス類、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、減粘剤、熱安定剤、着色用顔料、着色防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。また、フィルムの作業性(滑り性)を良好にする滑剤としての微粒子や、全光線透過率を低下させる隠蔽補助剤としての微粒子を添加することが好ましい。微粒子としては、任意のものを選択することができるが、例えば、無機系微粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム等、有機系微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等を挙げることができる。微粒子の平均粒径は、0.05〜3.0μmの範囲内(コールターカウンタにて測定した場合)で、必要に応じて適宜選択することができる。
第一フィルムとしてのポリエステルフィルムを形成する樹脂の中に上記粒子を配合する方法としては、例えば、ポリエステル系樹脂を製造する任意の段階において添加することができるが、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めるのが好ましい。また、ベント付き混練押出し機を用いてエチレングリコールまたは水等に分散させた粒子のスラリーとポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法、または混練押出し機を用いて、乾燥させた粒子とポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法等によって行うのも好ましい。
本発明で用いられる第一フィルムは、内部に多数の空洞を含有する層Xの少なくとも片面に空洞を含まない層Yを設けることが好ましい。こうすることにより表面の荒れが少なくなり、印刷した際に美観を損なわないフィルムとなる。また、フィルム中に空洞が多数存在しない部分が存在するため、フィルムの強度を著しく損なうことがなくなる。この構成にするためには、X層用組成物、Y層用組成物それぞれを異なる押出機に投入、溶融し、T−ダイの前またはダイ内にて溶融状態で貼り合わせ、冷却ロールに密着固化させた後、後に述べる方法で延伸することが好ましい。特に好ましい積層構成はY/X/Y型の二種三層構成である。前記の二種三層構成とすることにより、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂が熱せられることによる発煙による生産設備の汚れを防止でき、また、製品フィルムの両面を平滑にでき、特に好ましい。
本発明で用いられる第一フィルムは、透明タイプのフィルムの場合、密度が1.29g/cm3以上1.33g/cm3以下であることが好ましい。密度が1.33g/cm3
超えると、デッドホールド性や厚み斑が悪いフィルムとなるおそれがある。
一方、本発明で用いられる第一のフィルムが、内部に空洞を有し、半透明や不透明なフィルムである場合には、密度が0.95g/cm3以上1.25g/cm3以下であることが好ましい。密度が1.25g/cm3を超えると、デッドホールド性や厚み斑が悪いフィルムとなるおそれがある。密度が0.95g/cm3より小さいと空洞の数が増え、フィルムの強度が低下するおそれがありあまり好ましくない。
密度は以下の測定方法で測定されている。管中に連続的な密度勾配を有する液体(硝酸カルシウム水溶液)が入った密度勾配管を用いて、試料をその液体中24時間入れた後に、液体中で静止した平衡位置から、その試料の密度を読み取ることによって測定する。
本発明で用いられる第一フィルムは、フィルム幅方向、長手方向の少なくとも一方向の引張破壊強度が100MPa以上400MPa以下であることが好ましく、より好ましくは、130MPa以上、350MPa以下である。もちろん幅方向、長手方向の双方向が前記範囲の引張破壊強度を有することは特に好ましい。
引張破壊強度は以下の測定方法で測定されている。フィルム幅方向の引張破壊強度を測定する場合には、まず測定方向(フィルム幅方向)が140mm、測定方向と直交する方向(フィルム長手方向)が20mmの短冊状の試験片を作製する。次いでJIS−K−7127に準じた方法で、万能引張試験機「DSS−100」(島津製作所製)を用いて、試験片の両端をチャックで片側20mmずつ把持(チャック間距離100mm)して、雰囲気温度23℃、引張速度200mm/minの条件にて引張試験を行い、引張破壊時の強度(応力)を引張破壊強度とする。また、フィルム長手方向の引張破壊強度の測定は、前記幅方向の測定と試験片の作製方向を90度変更して、すなわち測定方向(フィルム長手方向)が140mm、測定方向と直交する方向(フィルム幅方向)が20mmの短冊状の試験片を作製して実施する。
第一フィルムは、上記したポリエステル原料を押出機により溶融押し出しして未延伸フィルムを形成し、その未延伸フィルムを以下に示す所定の方法により一軸延伸または二軸延伸することによって得ることができる。ポリエステル樹脂からなる延伸フィルムは印刷適正に優れる点でも好ましいものである。なお、ポリエステルは、前記した好適なジカルボン酸成分と多価アルコール成分とを公知の方法で重縮合させることで得ることができる。また、チップ状のポリエステルを2種以上混合してフィルムの原料として使用することもできる。
原料樹脂を溶融押し出しする際には、ポリエステル原料をホッパードライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥するのが好ましい。そのようにポリエステル原料を乾燥させた後に、押出機を利用して、200〜300℃の温度で溶融しフィルム状に押し出す。押し出しに際しては、Tダイ法、チューブラー法等、既存の任意の方法を採用することができる。
そして、押し出し後のシート状の溶融樹脂を急冷することによって未延伸フィルムを得ることができる。なお、溶融樹脂を急冷する方法としては、溶融樹脂を口金から回転ドラム上にキャストして急冷固化することにより実質的に未配向の樹脂シートを得る方法を好適に採用することができる。好ましい製造方法は次の通りである。
本発明の目的を達成するには、本発明で用いられる第一フィルムの主収縮方向はフィルム縦(長手)方向、横(幅)方向のどちらでも構わないし、縦横バランス収縮タイプでも構わない。以下では、最初に横延伸、次に縦延伸を実施する横延伸−縦延伸法について説明するが、順番を逆にする縦延伸−横延伸であっても、主収縮方向が変わるだけなので構わない。
まず、横方向の延伸を行う。横方向の延伸は、テンター(第1テンター)内でフィルムの幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、65℃〜85℃で3.5〜5倍程度行うことが好ましい。横方向の延伸を行う前には、予備加熱を行っておくことが好ましく、予備加熱はフィルム表面温度が70℃〜100℃になるまで行うとよい。
横延伸の後は、フィルムを積極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンを通過させることが好ましい。第1テンターの横延伸ゾーンと中間熱処理ゾーンで温度差がある場合、中間熱処理ゾーンの熱(熱風そのものや輻射熱)が横延伸工程に流れ込み、横延伸ゾーンの温度が安定しないためにフィルム品質が安定しなくなることがあるので、横延伸後で中間熱処理前のフィルムを、所定時間をかけて中間ゾーンを通過させた後に、中間熱処理を実施するのが好ましい。この中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、フィルムの走行に伴う随伴流、横延伸ゾーンや中間熱処理ゾーンからの熱風を遮断すると、安定した品質のフィルムが得られる。中間ゾーンの通過時間は、1秒〜5秒程度で充分である。1秒より短いと、中間ゾーンの長さが不充分となって、熱の遮断効果が不足する。また、中間ゾーンは長い方が好ましいが、あまりに長いと設備が大きくなってしまうので、5秒程度で充分である。
中間ゾーンの通過後は、縦延伸前の中間熱処理を行っても行わなくてもどちらでも構わない。しかし、横延伸後の中間熱処理の温度を高くすると、折畳み性に寄与する分子配向が緩和され結晶化が進むため、折畳み性は若干悪くなる。また、厚み斑も悪くなる。この観点から、中間熱処理は140℃以下で行うことが好ましい。また、中間熱処理ゾーンの通過時間は20秒以下が好ましい。中間熱処理ゾーンは長い方が好ましいが、20秒程度で充分である。これにより横一軸延伸フィルムが得られる。
本発明では、続いて縦延伸を行っても行わなくてもよいが、行った方が第一フィルムの引張破壊強度が向上するので好ましい。よって、横一軸延伸フィルムを、複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へと導入するとよい。縦延伸に当たっては、予熱ロールでフィルム温度が65℃〜110℃になるまで予備加熱することが好ましい。フィルム温度が65℃より低いと、縦方向に延伸する際に延伸し難くなり(すなわち、破断が生じやすくなり)好ましくない。また110℃より高いとロールにフィルムが粘着しやすくなり、連続生産によるロールの汚れ方が早くなり好ましくない。
第一フィルムの温度が前記範囲になったら、縦延伸を行う。縦延伸倍率は、主収縮方向を縦方向にするか、横方向にするかで異なる。主収縮方向を縦方向にする場合は、縦延伸倍率を2〜5倍とするとよい。一方、主収縮方向を横方向にする場合は、縦延伸倍率を1.2〜1.8倍とするとよい。
縦延伸後は、一旦フィルムを冷却することが好ましく、最終熱処理を行う前に、表面温度が20〜40℃の冷却ロールで冷却することが好ましい。縦延伸後に急冷することで、フィルムの分子配向が安定化し、製品となった後のフィルムの自然収縮率が小さくなるため、好ましい。
次に、縦延伸および冷却後のフィルムを、熱処理(リラックス処理)のための第2テンターへと導入し、熱処理やリラックス処理を行う。リラックス処理は、フィルムの幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、0%〜30%でフィルムを弛ませる工程である。リラックス率により横方向の収縮率を変化させることができる。リラックス率を高くすると、縦方向の収縮率にはあまり変化は認められないが、横方向の収縮率は低くなる。リラックス率は0%が下限であり、また上限は99%であるが、リラックス率が高いと、フィルム製品幅が短くなるというデメリットもあるので好ましくない。よって、リラックス率の上限は30%程度が好適である。
デッドホールド性を極度に損なわない範囲で延伸後に熱処理を施して第一フィルムの熱収縮率を小さくしておくのが好ましい。具体的には、熱処理(リラックス処理)温度は、65℃〜140℃が好ましい。熱処理温度が65℃より低いと熱処理の意味をなさない。一方、熱処理温度が140℃より高いと、フィルムが結晶化してしまい、透明タイプのフィルムの場合、密度が1.33g/cm3を超えて大きくなりやすく、デッドホールド性や厚み斑が悪いフィルムとなるおそれがある。
後は、フィルム両端部を裁断除去しながら巻き取れば、第一フィルムからなるポリエステル系フィルムロールが得られる。
(第二層)
第二層は、第一層と同一の素材からなるものでも、第一層とは異なる素材からなるものでもよいが、第一層とは異なる素材からなるものとすることが好ましい。また、第二層は、合成樹脂からなるものでもよいし、合成樹脂以外の素材からなるものでもよい。第一層のデッドホールド性の良さを活かして、種々のシート状物を第二層として積層することによって、折り畳むことができる積層フィルムを提供できる。第二層は必ず必要というものでもないが、フィルム中の第二層の割合は、15質量%以上が好ましく、より好ましくは20質量%以上である。但し、第二層の割合が大きくなると、フィルムのデッドホールド性が損なわれる場合があるので、85質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは80質量%以下である。
第一層とは異なる素材からなる場合、素材は合成樹脂でも合成樹脂以外の素材でもよい。積層フィルムの透明性は低下するが、合成樹脂以外の素材として、例えば、アルミホイル、アルミ蒸着フィルム、金箔などを用いることができる。アルミホイル、アルミ蒸着フィルム、金箔を第二層として含ませることにより、容易に銀色や金色のページを含んだ印刷製品を提供可能となる。第二層としてアルミホイルを用いた場合、第二層の方が第一層よりもデッドホールド性が良い場合もあり、熱収縮率が小さく、特に好ましい態様である。また、積層フィルムの透明性は低下するが、第二層として、紙、和紙、レーヨン紙、不織布などを用いることも可能である。更には、第一層の素材と第二層の素材とが同一である場合であっても、特に熱い物に近づけない使用方法を守ることができれば、デッドホールド性の上で、極めて好ましい積層フィルムが得られる。例えば、第一層の素材と第二層の素材とが同一であるときに、第一層と第二層との間にインキを挟む(第一層と第二層との間にインキ層を設ける)ようにして積層すれば、種々の色調のページを含んだ印刷製品を提供可能である。
第一層の素材と第二層の素材とが同一である場合、二層積層フィルムの折畳み保持角度は、75度以下であるのが好ましく、より好ましくは60度以下、さらに好ましくは55度以下、特に好ましくは50度以下である。また、積層フィルムの折畳み保持角度は小さいほど好ましいが、現状では25度程度が下限であるが、30度以上であっても構わない。
次に、第二層が、第一層とは異なる素材からなる場合について説明する。第二層の素材が第一層の素材とは異なる合成樹脂である場合や第二層の素材が、合成樹脂ではなく、アルミホイル、金箔、紙などである場合、二層積層フィルムの折畳み保持角度は、第一層の素材と第二層の素材とが同一である場合と同様に、75度以下であるのが好ましく、より好ましくは60度以下、さらに好ましくは55度以下、特に好ましくは50度以下である。また、積層フィルムの折畳み保持角度は小さいほど好ましく、第二層の素材にもよるが、第一層の折畳み保持角度よりも小さくなる好ましい態様も起こり得て、20度以下となる場合や15度以下となる場合もある。現在のところ、第一層の折畳み保持角度にもよるが、積層フィルムの折畳み保持角度は3度程度が下限である。
第二層が合成樹脂からなる場合、その合成樹脂としては、例えば、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などが挙げられるが、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂が好ましい。第二層の合成樹脂は、一種のみを用いてもよいし、適宜、二種以上を混合して用いてもよい。
第二層は、透明タイプのフィルムであることが好ましい。透明タイプのフィルムの場合、ヘイズが30%以下であり、0.5%以上15%以下であることが好ましい。ヘイズが30%を超えると、透明性が低下するため、透明性が求められる用途での使用が制限されることがある。一方、ヘイズ値が0.5%未満となると、傷などが目立ちやすく生産性が低下することがある。また、半透明タイプとは、ヘイズが30%より大きく60%以下のことを指し、55%以下であることが好ましく、不透明タイプとは、ヘイズが60%より大きいことを指す。
第二層において、縦方向の95℃熱水処理後の熱収縮率が5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下である。5%を超えると第二層の収縮が大きすぎ、その結果、積層フィルムの熱収縮も大きくなりすぎるので積層フィルムの加工性が悪くなるおそれがある。また、第二層において、横方向の熱収縮率が5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下である。5%を超えると第二層の収縮が大きすぎ、その結果、積層フィルムの熱収縮も大きくなりすぎるので積層フィルムの加工性が悪くなるおそれがある。このような低熱収縮性である第二層を用いた場合、熱収縮率に劣る第一層や第三層と積層した場合であっても、低熱収縮性の積層フィルムとすることができる。
積層フィルムのデッドホールド性を向上させる上で、第二層においても、折畳み保持角度はなるべく小さいことが好ましいが、第二層単体の折畳み保持角度を評価すると「×」の評価になってしまうものでも使用可能である。第二層についても、特に透明フィルムに限定されるものではなく、所望に応じて半透明なフィルムや不透明なフィルム、パール調光沢フィルム、すりガラス調フィルム、白色等着色フィルム等選択可能である。
第二層の厚みは3μm以上200μm以下が好ましい。第二層の厚みが3μmより薄いと印刷等の加工が困難になるおそれがある。また第二層の厚みが200μmより厚くても構わないが、第二層の使用質量が増えるため、コストが高くなる。第二層の厚みは7μm以上、100μm以下であるとより好ましく、10μm以上、70μm以下であるとさらに好ましい。
第二層としては、市販品を使用してもよく、上記市販品としては、例えば、東洋紡社製ハーデン(登録商標)フィルムN1202、N1102、東洋紡社製パイレン(登録商標)フィルムP2261、P2161などが挙げられる。
(第三層)
上記積層フィルムの第三層は、第二層とは異なる素材することが好ましい。第三層における素材、好適な組成、物性、製法などは、第一層での記載と同一となるため、説明を省略する。また、第三層は、第一層と同じ素材でも、異なる素材もよいが、第一層の素材と第三層の素材とが同一であることが好ましい。第三層は必ず必要というものでもないが、第一層同様、フィルム中で15質量%以上存在していることが好ましく、20質量%以上存在していることが更に好ましい。但し、第一層同様、あまりにもフィルム中の第三層の割合が大きくなると、キズがつきやすくなったり、熱収縮率が大きくなったりするので、85質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。
(積層フィルム)
本発明で用いられる積層フィルムは、縦方向及び横方向の95℃熱水処理後の熱収縮率が16%以下であることが好ましく、より好ましくは14%以下である。16%を超えると積層フィルムの収縮が大きすぎ、加工性が悪くなるおそれがある。熱収縮率はゼロ%に近づくほどよく、実際にゼロ%とすることも可能である。また、熱収縮率は数%程度のマイナスの値を示す、すなわち極わずかな伸長挙動を示す場合もある。
大フィルムとして、合成樹脂からなる第一層と、第一層とは異なる素材からなる第二層と、第二層とは異なる素材からなる第三層とをこの順で含む積層フィルムを用いることが好ましい。このような三層積層フィルムを用いると、第二層の折畳み保持角度の大小にかかわらず、第一層を山折り面となるように山折りしても、第三層を山折り面となるように山折りしても、積層フィルムの折畳み保持角度を小さくすることができるため、製本装置によって製本しやすい。なお、積層フィルムにおいて、折畳み保持角度の大きい層が表層を形成した場合、折畳み保持角度の大きい層が山折り面となるように山折りすると、積層フィルムの折畳み保持角度が大きくなる場合があり、あまり好ましくない。
低熱収縮性及びデッドホールド性を妨げない限りは、第一層、第二層、及び第三層をそれぞれ複数層重ねてもよく、第一層と第二層との間、第二層と第三層との間に他の層を設けてもよい。他の層としては、第一層、第二層、第三層が挙げられ、第一・第二・第三層をそれぞれ複数層積層することも可能である。また、他の層としては、第一・第二・第三層とは異なる組成物からなる層であってもよい。さらに、他の層として紙、アルミホイル、金箔、ドライラミネーション用接着剤、押出ラミネーションのためのアンカーコート層やポリエチレン接着層などを設けることもできる。
(隣接する層同士の接着)
本発明で用いられる積層フィルムを作製する際には、隣接する層同士をいかなる方法で接着させても構わないが、ドライラミネートや押出ラミネートにより隣接するフィルム同士を接着することが好ましい。ドライラミネートの場合は市販のドライラミネーション用接着剤を用いることができる。代表例としては、DIC社製ディックドライ(登録商標)LX−703VL、DIC社製KR−90、三井化学社製タケネート(登録商標)A−4、三井化学社製タケラック(登録商標)A−905などである。押出ラミネートの場合は、層間、又は層とその他の層の間にポリエチレンなどを溶融させて接着させることが好ましいが、層間の接着性を高めるためにアンカーコート層を積層しておくことも好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
各実施例、比較例で得られた供試材についての物性測定方法は以下の通りである。なお、以下の全ての実施例及び比較例において大フィルムを作製している。
(折畳み保持角度(デッドホールド性))
〔単層フィルム〕
20℃50%RH環境の恒温室で単層フィルムを24時間放置する。その後直ちに、単層フィルムを20℃65%RH環境で10cm×10cmの正方形に裁断し、軽く4つ折り(2.5cm×2.5cmの正方形が重なった状態)にし、テストシーラーで0.5kgの荷重を1秒間かけた。そして、図1に示すように、サンプル1の四隅がガラス板2に接する又はガラス板2近傍に位置する(折り目の頂点(4つ折り前のサンプル1の中央部)がガラス板2から離れたところに位置する)ように4つ折りにしたサンプル1をガラス板2上に置き、1分経過後に折られた単層フィルムが開いた角度3(完全に折りたたまれた状態を0度とした)を測定して折畳み保持角度を求めた。また、フィルム縦方向、横方向の両方の折畳み保持角度を測定し、角度が大きい方の値を折畳み保持角度とした。なお、折畳み保持角度の測定においては、フィルム縦方向と横方向が不明瞭なフィルムサンプルの場合、一方向を仮に縦方向と定め、前記仮の縦方向と直交する方向を仮の横方向とした。
〔積層フィルム〕
2層以上積層した積層フィルムでも、以下の点を除いては上記測定方法と同様に折畳み保持角度を測定した。4つ折り状態とする際にまず2つ折りを行うが、積層フィルムの一方の面(表面)が山折り面となるように2つ折りした場合の折畳み保持角度と、積層フィルムの他方の面(裏面)が山折り面となるように2つ折りした場合の折畳み保持角度とを測定し、角度が小さい方の値を折畳み保持角度とした。
(熱収縮率)
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、70℃±0.5℃の温湯中に無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、25℃±0.5℃の水中に10秒間浸漬し、水中から引き出してフィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下記式(I)にしたがって、それぞれ熱収縮率を求めた。
また、70℃±0.5℃の温湯中に浸漬させるのに代えて、95℃±0.5℃の温湯中に浸漬させて、同様に縦および横方向の熱収縮率を求めた。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) …式(I)
〔単層フィルム〕
ポリエステルA〜Eは以下の表1に記載の酸性分と多価アルコール成分とを公知の方法で反応させて得られたポリエステルであり、ポリエステルEに含有されている滑剤は富士シリシア社製サイリシア(登録商標)266である。上記ポリエステルA〜Eを用いてポリエステルフィルムNo.1〜8を作製した。以下に各フィルムの製膜方法について記載する。
(ポリエステルフィルムNo.1の製膜)
上記したポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルD、及びポリエステルEを質量比5:66:24:5で混合して押出機に投入した。しかる後、その混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから押出し、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さ240μmの未延伸フィルムを得た。このときの未延伸フィルムの引取速度(金属ロールの回転速度)は、約20m/minであった。しかる後、その未延伸フィルムを、横延伸ゾーン、中間ゾーン、中間熱処理ゾーンを連続的に設けたテンター(第1テンター)に導いた。なお、中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、延伸ゾーンからの熱風および熱処理ゾーンからの熱風が遮断されている。
そして、テンターに導かれた未延伸フィルムを、フィルム温度が80℃になるまで予備加熱した後、横延伸ゾーンで横方向に70℃で4倍に延伸し、中間ゾーンを通過させた後に(通過時間=約1.2秒)、中間熱処理ゾーンへ導き、80℃の温度で8秒間に亘って熱処理することによって厚み27μmの横一軸延伸フィルムを得た。
さらに、その横延伸したフィルムを、複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へ導き、予熱ロール上でフィルム温度が70℃になるまで予備加熱した後に3倍に延伸した。しかる後、縦延伸したフィルムを、表面温度25℃に設定された冷却ロールによって強制的に冷却した。
そして、冷却後のフィルムをテンター(第2テンター)へ導き、第2テンター内で90℃の雰囲気下で10秒間に亘って熱処理した後に冷却し、両縁部を裁断除去することによって、厚みが約9μmの二軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製膜してポリエステルフィルムNo.1(以下、フィルムNo.1という)を得た。
(ポリエステルフィルムNo.2〜4の製膜)
上記フィルムNo.1の製膜において、溶融押出時における溶融樹脂の吐出量を変更した以外はほぼフィルムNo.1と同様にして、厚み12μmのポリエステルフィルムNo.2、厚み20μmのポリエステルフィルムNo.3、厚み30μmのポリエステルフィルムNo.4(以下、フィルムNo.2、3、4という)を得た。
(ポリエステルフィルムNo.5の製膜)
上記フィルムNo.1の製膜において、ポリエステルBに替えてポリエステルCを同質量割合で用いた以外はほぼフィルムNo.1と同様にして、厚み9μmのポリエステルフィルムNo.5(以下、フィルムNo.5という)を得た。
(ポリエステルフィルムNo.6の製膜)
表1に記載のポリエステルBとポリエステルAとを質量比90:10で混合し、滑剤としてSiO2(富士シリシア社製サイリシア(登録商標)266)を該ポリエステル混合
物に対して50ppmとなるように添加してY層の原料とした。また、ポリエステルBとポリエステルAとを質量比90:10で混合するに際し、更にポリスチレン樹脂(G797N 日本ポリスチレン社製)を混合物全体質量に対して10質量%、及び二酸化チタン(TA−300 富士チタン社製)を混合物全体質量に対して10質量%を加えて混合してX層の原料とした。X層及びY層の原料をそれぞれ別々の2軸スクリュー押出機に投入、混合、溶融したものをフィードブロックで接合したものをT−ダイスより280℃で溶融押出しし、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さ520μmでY/X/Yの積層構造を持つ未延伸フィルムを得た(Y/X/Y=130μm/260μm/130μm)。そして、上記の如く得られた厚み520μmの未延伸フィルムを、複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へ導き、ロールの回転速度差を利用して、縦方向に延伸した。すなわち、未延伸フィルムを、予熱ロール上でフィルム温度が85℃になるまで予備加熱した後に、表面温度85℃に設定された低速回転ロールと表面温度30℃に設定された高速回転ロールとの間で回転速度差を利用して4.3倍に縦延伸した。
しかる後、縦延伸後のフィルムを、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、まずフィルムの表面温度が110℃になるまで予備加熱を行い、その後、100℃で横方向に4.0倍に延伸した。横延伸後のフィルムは、幅方向の両端際をクリップによって把持した状態でテンター内の熱処理ゾーンに導き、当該熱処理ゾーンにおいて、100℃の温度で10秒間に亘って熱処理を施した後に冷却した。しかる後、両縁部を裁断除去して幅400mmでロール状に巻き取ることによって、厚み30μm(スキン層/コア層/スキン層の各層厚み:7μm/16μm/7μm)のパール色調のポリエステルフィルムNo.6(以下、フィルムNo.6という)を得た。
(ポリエステルフィルムNo.7の製膜)
ポリエステルフィルムNo.6の製膜において、溶融押出時における溶融樹脂の吐出量を変更した以外はほぼフィルムNo.6と同様にして、厚み40μm(スキン層/コア層/スキン層の各層厚み:9.3μm/21.4μm/9.3μm)であるパール色調のポリエステルフィルムNo.7(以下、フィルムNo.7という)を得た。
(ポリエステルフィルムNo.8の製膜)
ポリエチレンテレフタレート(東洋紡社製RE553、固有粘度:0.63dl/g)に対し1000ppmとなるようにシリカ(富士シリシア社製サイリシア(登録商標)グレード:310P、形状:不定形、平均粒径:2.7μm)を添加剤として加えポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。該ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を押出し機にて溶融混練したものをTダイに供給し、Tダイ内部より樹脂温度285℃になるように押出し、更に温度25℃のキャスティングロールにてキャスティングし後、該フイルムを一方向(横方向)に90℃で3.9倍延伸して一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。次いで、該フイルムを前記延伸方向に対して直角方向(縦方向)に80℃で3.3倍延伸し、90℃にて熱処理して厚さ18μmとなるポリエステルフィルムNo.8(以下、フィルムNo.8という)を得た。
上述したフィルムNo.1〜8の折畳み保持角度等を測定し、その結果を表2にまとめた。
上記のフィルム以外にPETフィルムである東洋紡社製東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5102、MST(セロファン)、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムである東洋紡社製パイレン(登録商標)フィルムP2161、P2261、CPP(未延伸ポリプロピレン)フィルムである東洋紡社製パイレン(登録商標)フィルムP1128、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)フィルムである東洋紡社製リックス(登録商標)フィルムL4102、及びONY(二軸延伸フィルムポリアミド)フィルムである東洋紡社製ハーデン(登録商標)フィルムN1102、N1202を用い、各々のフィルムの折畳み保持角度等を測定し、その結果を表2にまとめた。なお、折畳み保持角度が「×」となっているのは折畳んだにもかかわらず1秒後には折畳み状態を保持できていなかったことを示す。
〔積層フィルム〕
(実施例1−1)
2つの30μmのフィルムNo.4をドライラミネーション用接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例1−2)
30μmのフィルムNo.4と30μmのフィルムNo.6とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例1−3)
30μmのフィルムNo.3と9μmのアルミ箔とを接着剤(DIC社製ディックドライ(登録商標)LX−703VL)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例1−4)
12μmのフィルムNo.2の片面全体に東洋インキ社製インキを塗布し、さらに接着剤を塗布し、接着剤が塗布された面の上に20μmのフィルムNo.3を積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例1−5)
12μmのフィルムNo.2の片面全体に東洋インキ社製インキを塗布し、さらに接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を塗布し、接着剤が塗布された面の上に40μmのフィルムNo.7を積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例1−6)
12μmのフィルムNo.2の片面全体に東洋インキ社製インキを塗布し、さらに接着剤(DIC社製ディックドライ(登録商標)LX−703VL)を塗布し、接着剤が塗布された面の上に9μmのアルミ箔を積層し、9μmのアルミ箔のフィルムNo.2が積層されていない側の面全体に東洋インキ社製インキを塗布し、さらに接着剤(DIC社製ディックドライ(登録商標)LX−703VL)を塗布し、接着剤が塗布された面の上にさらに12μmのフィルムNo.2を積層し、3層フィルムを作製した。得られた3層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(参考例1−1)
ダイソー社製透明折り紙の折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(参考例1−2)
トーヨー社製教育セロファンの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
〔2層フィルム〕
(実施例2−1)
9μmのフィルムNo.1と12μmのPETフィルム(東洋紡社製東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5102)とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
(実施例2−2)
9μmのフィルムNo.1と16μmのPETフィルム(東洋紡社製東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5102)とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
(実施例2−3)
9μmのフィルムNo.1と15μmのナイロンフィルム(東洋紡社製ハーデン(登録商標)フィルムN1102)とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
(実施例2−4)
9μmのフィルムNo.1と25μmのナイロンフィルム(東洋紡社製ハーデン(登録商標)フィルムN1102)とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
(実施例2−5〜8)
実施例2−5では、実施例2−1において、厚みが9μmのフィルムNo.1から厚みが20μmのフィルムNo.3へと変更した以外は、実施例2−1と同様にして2層フィルムを得た。実施例2−6〜8では、実施例2−5と同様に、実施例2−2〜4において、厚みが9μmのフィルムNo.1から厚みが20μmのフィルムNo.3へと変更することによって2層フィルムを得た。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
(実施例2−9〜12)
実施例2−9では、実施例2−1において、厚みが9μmのフィルムNo.1から厚みが30μmのフィルムNo.4へと変更した以外は、実施例2−1と同様にして2層フィルムを得た。実施例2−10〜12では、実施例2−9と同様に、実施例2−2〜4において、厚みが9μmのフィルムNo.1から厚みが30μmのフィルムNo.4へと変更することによって2層フィルムを得た。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
(実施例2−13)
実施例2−13では、実施例2−1において、厚みが9μmのフィルムNo.1から同じ厚みのフィルムNo.5へと変更した以外は、実施例2−1と同様にして2層フィルムを得た。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
〔3層フィルム〕
(実施例3−1)
20μmのフィルムNo.3と20μmのP2261フィルムとを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層し、20μmのP2261フィルムのフィルムNo.3が積層されていない面に別の20μmのフィルムNo.3を接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて接着することによって、3層フィルムを得た。得られた3層フィルムの折畳み保持角度及び熱収縮率を測定し、その結果を表5に示す。
(実施例3−2)
20μmのフィルムNo.3と25μmのN1202フィルムとを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層し、N1202フィルムのフィルムNo.3が積層されていない面に別の20μmのフィルムNo.3を接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて接着することによって、3層フィルムを得た。得られた3層フィルムの折畳み保持角度及び熱収縮率を測定し、その結果を表5に示す。
(実施例3−3)
20μmのフィルムNo.3が1層のみである場合の折畳み保持角度及び熱収縮率を測定し、その結果を表5に示す。
(比較例3−1)
20μmのP2261フィルムと20μmのフィルムNo.3とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層し、フィルムNo.3のP2261フィルムが積層されていない面に別の20μmのP2261フィルムを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて接着することによって、3層フィルムを得た。得られた3層フィルムの折畳み保持角度及び熱収縮率を測定し、その結果を表5に示す。
(比較例3−2)
25μmのN1202フィルムと20μmのフィルムNo.3とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層し、フィルムNo.3のN1202フィルムが積層されていない面に別の25μmのN1202フィルムを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて接着することによって、3層フィルムを得た。得られた3層フィルムの折畳み保持角度等を測定し、その結果を表5に示す。
[製本]
上記の実施例1−1〜1−6、実施例2−1〜2−13、及び実施例3−1〜3−3に記載のフィルムを用いて、製本装置により製本を行ったところ、紙のみを用いたときの製本と同様に製本装置により製本することができた。但し、実施例3−3のフィルムはややキズがつきやすかった。一方、比較例3−1、3−2に記載のフィルムを用いた場合、フィルムがうまく折れず製本装置により製本することができなかった。
本発明では、折畳み保持性に優れたフィルムを用いることによって、フィルムを含む印刷製品を製本装置により製造することができるものとし、フィルムを含む印刷製品を低コストで製造することができるようにした。

Claims (5)

  1. フィルムを含む印刷製品であって、
    上記フィルムは透明ポリエステルフィルムからなる第一層と、透明フィルムからなる第二層とを含む積層フィルムであり、
    上記第一層の透明ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、非晶質成分となり得る1種以上のモノマー成分を含有し全モノマー成分中の合計量が15モル%以上で、
    上記第二層は、上記第一層と同一の素材又は異なる素材からなり、
    20℃で上記印刷製品を24時間放置した後に、上記印刷製品を4つ折りにし、1分経過後の折畳み保持角度が150度以下であることを特徴とする印刷製品。
  2. 20℃で上記印刷製品を24時間放置した後に、上記印刷製品を4つ折りにし、1分経過後の折畳み保持角度が90度以下である、請求項1に記載の印刷製品。
  3. 複数枚のフィルムの一部又は全部に、文字、数字、記号、絵柄、図形、画像のいずれか一種以上を含む情報が印刷されており、
    印刷された各フィルムの情報が、いずれも異なっている請求項1又は2のいずれか1項に記載の印刷製品。
  4. 製本装置により製造されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷製品。
  5. フィルムにおいて、情報が印刷された部分以外が、透明である請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷製品。
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