JP6435549B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ガゼット袋、ブックカバー、包装紙、折り紙等において、紙の代替として使用可能な積層フィルムに関するものであり、この積層フィルムは、加工性及び耐久性に優れ、フィルムを折り畳んだ場合でも折り畳んだ状態のままで保持できる(以下、デッドホールド性という)ものである。
紙は優れたデッドホールド性を有するため、ガゼット袋、ブックカバー、包装紙、折り紙等に広く使用されている。しかし、水分により破れが生じたり、印刷が変色することがあり、耐久性に劣る。そのため、紙の代替としてフィルムを使用することが従来より検討されてきた。
そこで、デッドホールド性の優れたフィルムとして、透明性が高いセロハンが使用されている。しかし、セロハンは吸湿性を有するため、季節により特性が変動しやすく、一定の品質のものを常に供給することが困難であり、かつフィルム厚みの不均一性に起因する加工性の悪さが欠点とされてきた。
一方、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは、強靱性、耐熱性、耐水性、透明性等の優れた特性の良さがある反面、フィルムを折畳んでも元に戻ってしまいデッドホールド性が劣るという欠点があった。かかる欠点を解消する方法として、共重合ポリエステルを二軸延伸した後、比較的高温(140〜235度、好ましくは150〜230℃)で緊張熱処理を行い、配向度を低減させたポリエステルフィルムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1のポリエステルフィルムはデッドホールド性には優れているが、比較的高温で緊張熱処理を行うため、フィルムの厚みの均一性がよくなく、その結果、印刷や蒸着等の加工工程でシワが発生しやすいという欠点があった。
特開昭64−11820号公報
本発明は、デッドホールド性、加工性、及び耐久性に優れた積層フィルムの提供を課題として掲げた。
本発明者らは、デッドホールド性に優れた第一層にシート状物である第二層を積層した積層フィルムとし、第一層の他方の面(第二層が積層されていない側の面)には何も積層しないようにすることによって、デッドホールド性、加工性、及び耐久性に優れた積層フィルムとすることができ、本発明を完成するに至った。
本発明に係る第一の積層フィルムは、合成樹脂からなる第一層と、第一層と同一の又は異なる組成物からなる第二層とを含む積層フィルムであって、積層フィルムは、隣接する層同士を接着させたものであり、20℃の環境下で1日保管させた後の折畳み保持角度が150度以下であることを特徴とする。
本発明に係る第一の積層フィルムでは、第二層は第一層とは異なる組成物からなることが好ましい。
本発明に係る第一の積層フィルムでは、第一層にはポリエステル樹脂が含まれていることが好ましい。
本発明に係る第二の積層フィルムは、合成樹脂からなる第一層と、第一層とは異なる組成物からなる第二層と、第二層とは異なる組成物からなる第三層とを含む積層フィルムであって、第二層は、第一層と第三層との間に位置しており、積層フィルムは、隣接する層同士を接着させたものであり、20℃の環境下で1日保管させた後の折畳み保持角度が150度以下であることを特徴とする。
本発明に係る第二の積層フィルムでは、第一層及び第三層にはポリエステル樹脂が含まれていることが好ましい。
本発明に係る第二の積層フィルムでは、第一層と第三層とは同じ樹脂組成物からなることが好ましい。
本発明に係る第一及び第二の積層フィルムでは、第二層にはナイロン樹脂又はポリプロピレン樹脂が含まれていることが好ましい。
本発明に係る積層フィルムは、紫外線吸収層をさらに備えることが好ましい。
また、本発明には、上記積層フィルムからなるガゼット袋及びブックカバーも包含される。
本発明に係る積層フィルムは、デッドホールド性に優れた第一層にシート状である第二層を積層した積層フィルムとし、第一層の他方の面(第二層が積層されていない側の面)には何も積層しないようにした結果、デッドホールド性、加工性、及び耐久性に優れた積層フィルムとすることができる。本発明に係る積層フィルムは、ガゼット袋、ブックカバー、包装紙、折り紙などに用いることができる。
縦折り癖が付された裁断前の積層フィルムを示した図である。 縦折り癖及びセンターシール部を山折り用折り癖として折り込みを行った積層フィルムを示した図である。 縦折り癖、上折り癖、下折り癖が付された積層フィルムを示した図である。 積層フィルムを用いて作製したブックカバーを示した図である。 フィルムの折畳み保持角度の測定方法を示した図である。
積層フィルムは、デッドホールド性に優れた第一層にシート状である第二層を積層したものであり、第一層の他方の面(第二層が積層されていない側の面)には何も積層しないようにした。また、第二層の上(第一層が積層されていない面)にデッドホールド性に優れた第三層がさらに積層される場合もある。
(第一層)
本発明の第一層は合成樹脂からなり、第一層(以下、第一フィルムということもある)を形成する樹脂組成物にはポリエステル樹脂が含まれていることが好ましい。上記ポリエステル樹脂は、エチレンテレフタレートユニットを主たる構成成分とすることが好ましい。エチレンテレフタレートユニットは、ポリエステルの構成ユニット100モル%中、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましい。本発明で用いられるポリエステルを構成する他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、および脂環族ジカルボン酸等を挙げることができる。
ポリエステルを構成する多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールA等の芳香族系ジオール等を挙げることができる。
本発明で用いられるポリエステルは、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の環状ジオールや、炭素数3〜6個を有するジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等)のうちの1種以上を共重合させて、ガラス転移点(Tg)を60〜70℃に調整したポリエステルが好ましい。
また、ポリエステルは、全モノマー成分中(ポリエステル樹脂中における多価アルコール成分100モル%中あるいは多価カルボン酸成分100モル%中)の非晶質成分となり得る1種以上のモノマー成分の合計が15モル%以上であることが好ましく、より好ましくは16モル%以上、さらに好ましくは17モル%以上、特に好ましくは18モル%以上、最も好ましくは19モル%以上である。また非晶質成分となり得るモノマー成分の合計の上限は好ましくは30モル%、より好ましくは27モル%である。
非晶質成分となり得るモノマーとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサンジオールを挙げることができる。これらの中でも、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはイソフタル酸を用いるのが好ましい。
また、ポリエステル系エラストマーを併用すると非晶度合いが高まって、デッドホールド性が良好となるため、本発明の好ましい実施態様である。用い得るポリエステル系エラストマーは、高融点結晶性ポリエステルセグメント(ハードセグメント)と数平均分子量400以上の低融点軟重合体セグメント(ソフトセグメント)とからなるポリエステル系ブロック共重合体である。高融点結晶性ポリエステルセグメントは、その構成成分だけで重合体を形成した場合、融点が200℃以上になるセグメントであり、低融点軟重合体セグメントは、その構成成分だけで重合体を形成した場合、融点または軟化点が80℃以下になるセグメントをいう。
高融点結晶性ポリエステルセグメントは、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸の残基と、ペンタメチレングリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、p−キシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、芳香族、または脂環族ジオールの残基とからなるポリエステル;p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、p−オキシ安息香酸ピバロラクトン等のオキシ酸の残基からなるポリエステル;1,2−ビス(4,4’−ジカルボキシメチルフェノキシ)エタン、ジ(4−カルボキシフェノキシ)エタン等の芳香族エーテルジカルボン酸の残基と上記の脂肪族、芳香族、または脂環族ジオールの残基とからなるポリエーテルエステル;ビス(N−パラカルボエトキシフェニル)テレフタルイミド等の芳香族アミドジカルボン酸の残基と上記の脂肪族、芳香族、または脂環族ジオールの残基とからなるポリアミドエステル等を示すことができる。また、上記のジカルボン酸の残基および/またはジオールの残基を2種以上使用した共重合ポリエステル等も使用することができる。
数平均分子量400以上の低融点軟重合体セグメント(ソフトセグメント)は、ポリエステル系ブロック共重合体中で、実質的に非晶の状態を示すものであり、この低融点軟重合体セグメントの数平均分子量は、400〜8000が好ましく、700〜5000がより好ましい。またポリエステル系エラストマー中の低融点軟重合体セグメントの割合は1〜90質量%であるのが好ましい。特に好ましい割合は5〜80質量%である。
代表的な低融点軟重合体セグメントとしては、ポリエチレンオキサイドグリコール、ポリプロピレンオキサイドグリコール、ポリテトラメチレンオキサイドグリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体のグリコール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体のグリコール等のポリエーテル、またはポリネオペンチルアゼレート、ポリネオペンチルアジペート、ポリネオペンチルセバケート等の脂肪族ポリエステル等があるが、ポリエステル系フィルムを構成するポリエステルとの相溶性の点から、ポリ−ε−カプロラクトン等のポリラクトンをソフトセグメントに用いたポリエステル系エラストマーが特に好ましい。
本発明では、テレフタル酸とブタンジオールとε−カプロラクトンの共重合ポリエステルからなるε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーが、非晶度合いを高めて、デッドホールド性を良好にする効果が大きいため、好ましく使用できる。また、このε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーの使用によって、収縮仕上がり性も向上する。これらの効果を充分に得るには、ポリエステル系フィルムを構成するポリエステル樹脂100モル%のうち、ε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーを1〜30モル%とすることが好ましい。3〜25モル%がより好ましく、5〜20モル%が特に好ましい。ε−カプロラクトン系ポリエステルエラストマーの量は30モル%を超えると、フィルムの耐破れ性、強度や耐熱性等の物理的強度が充分に得られないおそれがある。
本発明の第一層を形成する樹脂の中には、必要に応じて各種の添加剤、例えば、ワックス類、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、減粘剤、熱安定剤、着色用顔料、着色防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。また、フィルムの作業性(滑り性)を良好にする滑剤としての微粒子を添加することが好ましい。微粒子としては、任意のものを選択することができるが、例えば、無機系微粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム等、有機系微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等を挙げることができる。微粒子の平均粒径は、0.05〜3.0μmの範囲内(コールターカウンタにて測定した場合)で、必要に応じて適宜選択することができる。
第一層を形成する樹脂の中に上記粒子を配合する方法としては、例えば、ポリエステル系樹脂を製造する任意の段階において添加することができるが、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めるのが好ましい。また、ベント付き混練押出し機を用いてエチレングリコールまたは水等に分散させた粒子のスラリーとポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法、または混練押出し機を用いて、乾燥させた粒子とポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法等によって行うのも好ましい。
さらに、第一フィルムには、フィルム表面の接着性を良好にするために、コロナ処理、コーティング処理や火炎処理等を施したりすることも可能である。
第一フィルムは、20℃の環境下で1日保管させた後の折畳み保持角度(以下、折畳み保持角度という)が20度以上75度以下であるのが好ましく、より好ましくは45度以下、さらに好ましくは40度以下、最も好ましくは35度以下である。75度を超えると、折り紙や包装紙等で折った際に折り目が開き、きれいな美観を得られなくなるおそれがある。また、第一フィルムの折畳み保持角度が小さいほど積層フィルムの折畳み保持角度も小さくなるので、第一フィルムの折畳み保持角度は小さいほど好ましいが、現状では20度程度が下限であるが、25度以上であっても構わない。折畳み保持角度の測定方法については後述する。
第一フィルムの厚みは、3μm以上200μm以下が好ましい。第一フィルムの厚みが薄いほど折畳み保持角度は小さくなるが、3μmより薄いと加工が困難になるおそれがある。また、第一フィルムの厚みが200μmより厚いと、積層フィルムのデッドホールド性が低下してしまうおそれがある。第一フィルムの厚みは、より好ましくは5μm以上、100μm以下であり、さらに好ましくは7μm以上、40μm以下である。第一フィルムの厚みが薄いほど、折畳み保持角度が小さくなる傾向があるので、より好ましくは35μm以下であり、さらに好ましくは30μm以下である。
本発明の第一フィルムは、透明タイプのフィルムの場合、ヘイズが0.5%以上15%以下であることが好ましい。ヘイズが15%を超えると、透明性が低下するため、透明性が求められる用途での使用が制限されることがある。一方、ヘイズ値が0.5%未満となると、傷などが目立ちやすく生産性が低下することがある。
ヘイズは以下の測定方法で測定されている。得られた延伸フィルムの異なる3ヶ所について、JIS−K−7105に準じた方法で、ヘイズメーター(日本電色社製「NDH2000」)を用いてヘイズ(%)を測定し、それらの平均値を延伸フィルムのヘイズ値とする。
一方、ガゼット袋や折り紙等の用途では、半透明や不透明なフィルムの要望もあり、例えば白色やパール調外観、擦りガラス調外観のフィルムであることも好ましい。フィルムの隠蔽性を向上させるために、フィルム内部に微細な空洞を含有させることが好ましい。例えば発泡材などを混合して押出してもよいが、好ましい方法としてはポリエステル中にポリエステルとは非相溶な熱可塑性樹脂を混合し少なくとも1軸方向に延伸することにより、空洞を得ることである。本発明に用いられるポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂は任意であり、ポリエステルに非相溶性のものであれば特に制限されるものではない。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などがあげられる。特に空洞の形成性からポリスチレン系樹脂あるいはポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリスチレン系樹脂とは、ポリスチレン構造を基本構成要素として含む熱可塑性樹脂を指し、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン等のホモポリマーの他、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂、例えば耐衝撃性ポリスチレン樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等、更にはこれらのポリスチレン系樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂例えばポリフェニレンエーテルとの混合物を含む。
ポリメチルペンテン系樹脂とは、80モル%以上、好ましくは90モル%以上が4−メチルペンテン−1から誘導される単位を有するポリマーであり、他の成分としてはエチレン、プロピレン、ブテン−1,3−メチルブテン−1等からの誘導される単位が例示される。かかるポリメチルペンテンのメルトフローレートは200g/10分以下であることが好ましく、更に好ましくは30g/10分以下である。これは、メルトフローレートが200g/10分を超える場合には、フィルムの低比重化効果を得にくくなるからである。
ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン系樹脂は、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン等のホモポリマーのほか、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂も含まれる。
ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂は、ポリエステル中に球状もしくは楕円球状、もしくは糸状など様々な形状で分散した形態をとって存在する。該ポリエステルと該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂の混合物には、必要に応じて各種の添加剤、例えば、ワックス類、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、減粘剤、熱安定剤、着色用顔料、着色防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。また、フィルムの作業性(滑り性)を良好にする滑剤としての微粒子や、全光線透過率を低下させる隠蔽補助剤としての微粒子を添加することが好ましい。微粒子としては、任意のものを選択することができるが、例えば、無機系微粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム等、有機系微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等を挙げることができる。微粒子の平均粒径は、0.05〜3.0μmの範囲内(コールターカウンタにて測定した場合)で、必要に応じて適宜選択することができる。
第一フィルムとしてのポリエステルフィルムを形成する樹脂の中に上記粒子を配合する方法としては、例えば、ポリエステル系樹脂を製造する任意の段階において添加することができるが、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めるのが好ましい。また、ベント付き混練押出し機を用いてエチレングリコールまたは水等に分散させた粒子のスラリーとポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法、または混練押出し機を用いて、乾燥させた粒子とポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法等によって行うのも好ましい。
本発明における第一フィルムは、内部に多数の空洞を含有する層Xの少なくとも片面に空洞を含まない層Yを設けることが好ましい。こうすることにより表面の荒れが少なくなり、印刷した際に美観を損なわないフィルムとなる。また、フィルム中に空洞が多数存在しない部分が存在するため、フィルムの強度を著しく損なうことがなくなる。この構成にするためには、X層用組成物、Y層用組成物それぞれを異なる押出機に投入、溶融し、T−ダイの前またはダイ内にて溶融状態で貼り合わせ、冷却ロールに密着固化させた後、後に述べる方法で延伸することが好ましい。特に好ましい積層構成はY/X/Y型の二種三層構成である。前記の二種三層構成とすることにより、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂が熱せられることによる発煙による生産設備の汚れを防止でき、また、製品フィルムの両面を平滑にでき、特に好ましい。
本発明における第一フィルムは、透明タイプのフィルムの場合、密度が1.29g/cm3以上1.33g/cm3以下であることが好ましい。密度が1.33g/cm3を超えると、デッドホールド性や厚み斑が悪いフィルムとなるおそれがある。
一方、本発明における第一のフィルムが、内部に空洞を有し、半透明や不透明なフィルムである場合には、密度が0.95g/cm3以上1.25g/cm3以下であることが好ましい。密度が1.25g/cm3を超えると、デッドホールド性や厚み斑が悪いフィルムとなるおそれがある。密度が0.95g/cm3より小さいと空洞の数が増え、フィルムの強度が低下するおそれがありあまり好ましくない。
密度は以下の測定方法で測定されている。管中に連続的な密度勾配を有する液体(硝酸カルシウム水溶液)が入った密度勾配管を用いて、試料をその液体中24時間入れた後に、液体中で静止した平衡位置から、その試料の密度を読み取ることによって測定する。
本発明における第一フィルムは、フィルム幅方向、長手方向の少なくとも一方向の引張破壊強度が100MPa以上400MPa以下であることが好ましく、より好ましくは、130MPa以上、350MPa以下である。もちろん幅方向、長手方向の双方向が前記範囲の引張破壊強度を有することは特に好ましい。
引張破壊強度は以下の測定方法で測定されている。フィルム幅方向の引張破壊強度を測定する場合には、まず測定方向(フィルム幅方向)が140mm、測定方向と直交する方向(フィルム長手方向)が20mmの短冊状の試験片を作製する。次いでJIS−K−7127に準じた方法で、万能引張試験機「DSS−100」(島津製作所製)を用いて、試験片の両端をチャックで片側20mmずつ把持(チャック間距離100mm)して、雰囲気温度23℃、引張速度200mm/minの条件にて引張試験を行い、引張破壊時の強度(応力)を引張破壊強度とする。また、フィルム長手方向の引張破壊強度の測定は、前記幅方向の測定と試験片の作成方向を90度変更して、すなわち測定方向(フィルム長手方向)が140mm、測定方向と直交する方向(フィルム幅方向)が20mmの短冊状の試験片を作製して実施する。
第一フィルムは、上記したポリエステル原料を押出機により溶融押し出しして未延伸フィルムを形成し、その未延伸フィルムを以下に示す所定の方法により一軸延伸または二軸延伸することによって得ることができる。なお、ポリエステルは、前記した好適なジカルボン酸成分と多価アルコール成分とを公知の方法で重縮合させることで得ることができる。また、チップ状のポリエステルを2種以上混合してフィルムの原料として使用することもできる。
原料樹脂を溶融押し出しする際には、ポリエステル原料をホッパードライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥するのが好ましい。そのようにポリエステル原料を乾燥させた後に、押出機を利用して、200〜300℃の温度で溶融しフィルム状に押し出す。押し出しに際しては、Tダイ法、チューブラー法等、既存の任意の方法を採用することができる。
そして、押し出し後のシート状の溶融樹脂を急冷することによって未延伸フィルムを得ることができる。なお、溶融樹脂を急冷する方法としては、溶融樹脂を口金から回転ドラム上にキャストして急冷固化することにより実質的に未配向の樹脂シートを得る方法を好適に採用することができる。好ましい製造方法は次の通りである。
本発明の目的を達成するには、本発明の第一フィルムの主収縮方向はフィルム縦(長手)方向、横(幅)方向のどちらでも構わないし、縦横バランス収縮タイプでも構わない。以下では、最初に横延伸、次に縦延伸を実施する横延伸−縦延伸法について説明するが、順番を逆にする縦延伸−横延伸であっても、主収縮方向が変わるだけなので構わない。
まず、横方向の延伸を行う。横方向の延伸は、テンター(第1テンター)内でフィルムの幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、65℃〜85℃で3.5〜5倍程度行うことが好ましい。横方向の延伸を行う前には、予備加熱を行っておくことが好ましく、予備加熱はフィルム表面温度が70℃〜100℃になるまで行うとよい。
横延伸の後は、フィルムを積極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンを通過させることが好ましい。第1テンターの横延伸ゾーンと中間熱処理ゾーンで温度差がある場合、中間熱処理ゾーンの熱(熱風そのものや輻射熱)が横延伸工程に流れ込み、横延伸ゾーンの温度が安定しないためにフィルム品質が安定しなくなることがあるので、横延伸後で中間熱処理前のフィルムを、所定時間をかけて中間ゾーンを通過させた後に、中間熱処理を実施するのが好ましい。この中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、フィルムの走行に伴う随伴流、横延伸ゾーンや中間熱処理ゾーンからの熱風を遮断すると、安定した品質のフィルムが得られる。中間ゾーンの通過時間は、1秒〜5秒程度で充分である。1秒より短いと、中間ゾーンの長さが不充分となって、熱の遮断効果が不足する。また、中間ゾーンは長い方が好ましいが、あまりに長いと設備が大きくなってしまうので、5秒程度で充分である。
中間ゾーンの通過後は、縦延伸前の中間熱処理を行っても行わなくてもどちらでも構わない。しかし、横延伸後の中間熱処理の温度を高くすると、折畳み性に寄与する分子配向が緩和され結晶化が進むため、折畳み性は若干悪くなる。また、厚み斑も悪くなる。この観点から、中間熱処理は140℃以下で行うことが好ましい。また、中間熱処理ゾーンの通過時間は20秒以下が好ましい。中間熱処理ゾーンは長い方が好ましいが、20秒程度で充分である。これにより横一軸延伸フィルムが得られる。
本発明では、続いて縦延伸を行っても行わなくてもよいが、行った方が第一フィルムの引張り破壊強度が向上するので好ましい。よって、横一軸延伸フィルムを、複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へと導入するとよい。縦延伸に当たっては、予熱ロールでフィルム温度が65℃〜110℃になるまで予備加熱することが好ましい。フィルム温度が65℃より低いと、縦方向に延伸する際に延伸し難くなり(すなわち、破断が生じやすくなり)好ましくない。また110℃より高いとロールにフィルムが粘着しやすくなり、連続生産によるロールの汚れ方が早くなり好ましくない。
第一フィルムの温度が前記範囲になったら、縦延伸を行う。縦延伸倍率は、主収縮方向を縦方向にするか、横方向にするかで異なる。主収縮方向を縦方向にする場合は、縦延伸倍率を2〜5倍とするとよい。一方、主収縮方向を横方向にする場合は、縦延伸倍率を1.2〜1.8倍とするとよい。
縦延伸後は、一旦フィルムを冷却することが好ましく、最終熱処理を行う前に、表面温度が20〜40℃の冷却ロールで冷却することが好ましい。縦延伸後に急冷することで、フィルムの分子配向が安定化し、製品となった後のフィルムの自然収縮率が小さくなるため、好ましい。
次に、縦延伸および冷却後のフィルムを、熱処理(リラックス処理)のための第2テンターへと導入し、熱処理やリラックス処理を行う。リラックス処理は、フィルムの幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、0%〜30%でフィルムを弛ませる工程である。リラックス率により横方向の収縮率を変化させることができる。リラックス率を高くすると、縦方向の収縮率にはあまり変化は認められないが、横方向の収縮率は低くなる。リラックス率は0%が下限であり、また上限は99%であるが、リラックス率が高いと、フィルム製品幅が短くなるというデメリットもあるので好ましくない。よって、リラックス率の上限は30%程度が好適である。
デッドホールド性を極度に損なわない範囲で延伸後に熱処理を施して第一フィルムの熱収縮率を小さくしておくのが好ましい。具体的には、熱処理(リラックス処理)温度は、65℃〜140℃が好ましい。熱処理温度が65℃より低いと熱処理の意味をなさない。一方、熱処理温度が140℃より高いと、フィルムが結晶化してしまい、透明タイプのフィルムの場合、密度が1.33g/cm3を超えて大きくなりやすく、デッドホールド性や厚み斑が悪いフィルムとなるおそれがある。
後は、フィルム両端部を裁断除去しながら巻き取れば、第一フィルムからなるポリエステル系フィルムロールが得られる。
(第二層)
第二層は、第一層とは異なる組成物からなることが好ましいが、樹脂組成物からなる層であってもよいし、樹脂組成物以外の組成物からなる層であってもよい。第一層のデッドホールド性の良さを活かして、種々のシート状物を第二層として積層することによって、折り畳むことができる積層フィルムを提供できる。
樹脂組成物以外の組成物からなる層として、例えば、アルミホイルや金箔などが挙げられる。アルミホイルや金箔を第二層として含ませることにより、フィルム製の折り紙等の用途で、容易に銀色や金色の製品を提供可能となる。第二層としてアルミホイルを用いた場合、第二層の方が第一層よりもデッドホールド性が良い場合もあり、熱収縮率が小さく、特に好ましい態様である。また、積層フィルムの透明性は低下するが、第二層として、紙を用いることも可能である。更には、第一層と第二層とが同一の樹脂組成物からなる場合であっても、特に熱い物に近づけない使用方法を守ることができれば、デッドホールド性の上で、極めて好ましい積層フィルムが得られる。例えば、第一層と、第一層と同一の樹脂組成物からなる第二層との間にインキを挟む(第一層と第二層との間にインキ層を設ける)ようにして積層すれば、デッドホールド性の極めて優れた種々の色調のフィルム製折り紙等を提供可能である。
第二層が、第一層と同一の樹脂組成物からなる場合、積層フィルムの折畳み保持角度は、75度以下であるのが好ましく、より好ましくは60度以下、さらに好ましくは55度以下、特に好ましくは50度以下である。75度を超えると、折り紙や包装紙等で折った際に折り目が開き、きれいな美観を得られなくなるおそれがある。また、積層フィルムの折畳み保持角度は小さいほど好ましいが、現状では25度程度が下限であるが、30度以上であっても構わない。
第二層が、合成樹脂層ではないアルミホイル、金箔、紙などの場合、積層フィルムの折畳み保持角度は、第一層と第二層とが同一の樹脂組成物からなる場合と同様に、75度以下であるのが好ましく、より好ましくは60度以下、さらに好ましくは55度以下、特に好ましくは50度以下である。75度を超えると、折り紙や包装紙等で折った際に折り目が開き、きれいな美観を得られなくなるおそれがある。また、積層フィルムの折畳み保持角度は小さいほど好ましく、第二層の素材にもよるが、第一層の折畳み保持角度よりも小さくなる好ましい態様も起こり得て、20度以下となる場合や15度以下となる場合もある。現在のところ、第一層の折畳み保持角度にもよるが、積層フィルムの折畳み保持角度は3度程度が下限である。
次に、第二層が、第一層とは異なる組成物からなる場合について説明する。第二層に含有される樹脂としては、例えば、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などが挙げられるが、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂が好ましい。第二層に含有される樹脂は、一種のみを用いてもよいし、適宜、二種以上を混合して用いてもよい。また、積層フィルムの透明性は低下するが、第二層として、樹脂からなるフィルムに代えて紙を用いることも可能である。
第二層において、縦方向の95℃熱水処理後の熱収縮率が5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下である。5%を超えると第二層の収縮が大きすぎ、その結果、積層フィルムの熱収縮も大きくなりすぎるので積層フィルムの加工性が悪くなるおそれがある。また、第二層において、横方向の熱収縮率が5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下である。5%を超えると第二層の収縮が大きすぎ、その結果、積層フィルムの熱収縮も大きくなりすぎるので積層フィルムの加工性が悪くなるおそれがある。このような低熱収縮性である第二層を用いた場合、熱収縮率に劣る第一層や第三層と積層した場合であっても、低熱収縮性の積層フィルムとすることができる。
積層フィルムのデッドホールド性を向上させる上で、第二層においても、折畳み保持角度はなるべく小さいことが好ましいが、第二層単体の折畳み保持角度を評価すると「×」の評価になってしまうものでも使用可能である。第二層についても、特に透明フィルムに限定されるものではなく、所望に応じて半透明なフィルムや不透明なフィルム、パール調光沢フィルム、すりガラス調フィルム、白色等着色フィルム等、用途に応じて選択可能である。
第二層の厚みは3μm以上200μm以下が好ましい。第二層の厚みが3μmより薄いと印刷等の加工が困難になるおそれがある。また第二層の厚みが200μmより厚くても構わないが、第二層の使用質量が増えるため、コストが高くなる。第二層の厚みは7μm以上、100μm以下であるとより好ましく、10μm以上、70μm以下であるとさらに好ましい。
第二層としては、市販品を使用してもよく、上記市販品としては、例えば、東洋紡社製ハーデン(登録商標)フィルムN1202、N1102、東洋紡社製パイレン(登録商標)フィルムP2261、P2161などが挙げられる。
(第三層)
本発明の第三層は合成樹脂からなり、本発明の第三層における好適な組成、物性、製法などは、第一層での記載と同一となるため、説明を省略する。また、第三層は、第一層と同じ樹脂組成物からなる層でも、異なる樹脂組成物からなる層でもよいが、第一層と同じ樹脂組成物からなる層であることが好ましい。
(積層フィルム)
本発明に係る積層フィルムは、第一層と、第一層とは同一の又は異なる組成物からなる第二層とを含む構成、または、第一層と、第一層とは異なる組成物からなる第二層と、第二層とは異なる樹脂組成物からなる第三層とを含んでおり、第二層は、第一層と第三層との間に位置する構成となっている。このような構成とすることにより、第二層の折畳み保持角度が大きい場合であっても、第一層又は第三層が山折り面となるように山折りすると、積層フィルムの折畳み保持角度を小さくすることができる。なお、折畳み保持角度の大きい層が表層を形成した場合、折畳み保持角度の大きい層が山折り面となるように山折りすると、積層フィルムの折畳み保持角度が大きくなる場合があり、あまり好ましくない。
本発明に係る積層フィルムは、折畳み保持角度が150度以下であり、より好ましくは120度以下、さらに好ましくは100度以下、特に好ましくは90度以下、最も好ましくは70度以下である。150度を超えると、折り紙や包装紙等で折った際に折り目が開き、きれいな美観を得られなくなるので好ましくない。また、折畳み保持角度は小さいほど好ましいが、現状では30度程度が下限である。
本発明に係る積層フィルムは、縦方向及び横方向の95℃熱水処理後の熱収縮率が16%以下であることが好ましく、より好ましくは14%以下である。16%を超えると積層フィルムの収縮が大きすぎ、加工性が悪くなるおそれがある。熱収縮率はゼロ%に近づくほどよく、実際にゼロ%とすることも可能である。また、熱収縮率は数%程度のマイナスの値を示す、すなわち極わずかな伸長挙動を示す場合もある。
低熱収縮性及びデッドホールド性を妨げない限りは、第一層、第二層、及び第三層をそれぞれ複数層重ねてもよく、第一層と第二層との間、第二層と第三層との間に他の層を設けてもよい。他の層としては、第一層、第二層、第三層が挙げられ、第一・第二・第三層をそれぞれ複数層積層することも可能である。また、他の層としては、第一・第二・第三層とは異なる組成物からなる層であってもよい。さらに、他の層として紫外線吸収層、紙、アルミホイル、金箔、ドライラミネーション用接着剤、押出ラミネーションのためのアンカーコート層やポリエチレン接着層などを設けることもできる。
(紫外線吸収層)
本発明に係る積層フィルムは、一層又は複数層の紫外線吸収層をさらに備えた紫外線吸収層積層フィルムとしてもよい。紫外線吸収層には、紫外線吸収剤が含まれている。また、紫外線吸収層積層フィルムは、300nm〜375nmの波長の光の透過率が50%以下であること以外は、特に制限はなく、例えば、上述の紫外線吸収層が備えられていない積層フィルム(以下、ベースフィルムという)と、ベースフィルム上に形成された紫外線吸収層とを備えた紫外線吸収層積層フィルムであっても、複数層からなるベースフィルムの層間に紫外線吸収層を備えた紫外線吸収層積層フィルムであってもよい。
紫外線吸収剤は、フィルムが紫外線による化学作用(酸化、変性、分解)を生じないようにするために添加されるものであり、この紫外線吸収剤は光の波長380nm以下の紫外線領域における光を吸収する。本発明における紫外線吸収剤としては、公知のものを使用することが可能であり、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物が挙げられ、他にはサリチル酸エステル類、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物等の有機系紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤等を挙げることができる。これらのうち、紫外線吸収性能、価格、退色防止性能などの理由から、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物を用いるのが好ましく、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールの構造を含有する紫外線吸収剤がより好ましい。ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製チヌビン(登録商標)P)、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α, α’−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(BASF社製チヌビン(登録商標)234)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製チヌビン(登録商標)320)、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製チヌビン(登録商標)326)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製チヌビン(登録商標)327)、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製チヌビン(登録商標)328)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製チヌビン(登録商標)329)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]などが挙げられ、上記ベンゾトリアゾール系化合物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ベンゾトリアゾール系化合物は、市販品を用いてもよく、例えば、チヌビン(登録商標)P、チヌビン(登録商標)234、チヌビン(登録商標)326、チヌビン(登録商標)329(以上、BASF社製)、JF−77、JF−79、JF−80、JF−83(以上、城北化学工業社製)などが挙げられる。
紫外線吸収層は、紫外線吸収剤と、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂とを反応させ、さらにこの反応体を適当な溶媒に溶解させて紫外線吸収層用塗料とし、この紫外線吸収層用塗料をベースフィルムの表面に塗工した後、乾燥させて形成される。本発明のベースフィルムとの相性や、ブリードアウト防止等の理由から、アクリル系樹脂が好ましく、上記アクリル系樹脂は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記アクリル系樹脂は、市販品を用いてもよく、例えば、アクリディック(登録商標)A−801、アクリディック(登録商標)A−814、アクリディック(登録商標)A−817(以上、DIC社製)、アロン(登録商標)S−1017、アロン(登録商標)S−2060(以上、東亜合成社製)などが挙げられる。
また、アクリル系樹脂にベンゾトリアゾール系化合物などの反応性紫外線吸収剤を反応させた市販のアクリル共重合樹脂型紫外線吸収剤を紫外線吸収用塗料に用いてもよく、例えば、日本触媒社製ハルスハイブリッド(登録商標)UV−G13、新中村化学工業社製バナレジンUVA−5080などが挙げられる。
紫外線吸収層用塗料をベースフィルムの表面に塗工する方法としては、メイヤーバーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、ディップコート法、ダイコート法、スロットコート法等が挙げられるが、ハンドコートで塗布することもできる。その中でも、高速塗工、均一性などの理由より、グラビアコート法が好ましい。コート法の場合、高分子樹脂を溶解させることができる溶媒に紫外線吸収層用塗料を溶解させてコーティングを行う。この時の溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、水などが挙げられ、1つまたは2つ以上を併用してもよく、またこれらに限定されるものではない。これらのうち、溶解性、レベリング性、乾燥性などの理由から、酢酸エチルを用いるのが好ましい。
紫外線吸収層の厚みは、0.1μm以上6μm以下であることが好ましい。0.1μm未満であると、十分な紫外線吸収効果を得ることができない場合がある。一方、6μmを超える厚さであると、厚みを増加させることにより高コストになるにもかかわらず、紫外線吸収効果が飽和する傾向にあるため、好ましくない。
(隣接する層同士の接着)
本発明に係る積層フィルムを作製する際には、ドライラミネートや押出ラミネートにより隣接するフィルム同士を接着することが好ましい。ドライラミネートの場合は市販のドライラミネーション用接着剤を用いることができる。代表例としては、DIC社製ディックドライ(登録商標)LX−703VL、DIC社製KR−90、三井化学社製タケネート(登録商標)A−4、三井化学社製タケラック(登録商標)A−905などである。押出ラミネートの場合は、層間、又は層とその他の層の間にポリエチレンなどを溶融させて接着させるが、層等の表面の接着性を高めるためにアンカーコート層を積層しておくことも好ましい。
(用途)
本発明に係る積層フィルムは、ガゼット袋、ブックカバー、包装紙、折り紙などに用いることができる。以下に、本発明に係る積層フィルムを用いてガゼット袋を作製する方法及び本発明に係る積層フィルムを用いてブックカバーを作製する方法を以下に記載する。
(ガゼット袋の作製方法)
ガゼット袋に用いる積層フィルムとしては、ガゼット袋を作製する際に積層フィルムの両面(表面、裏面)共に山折り面として用いるため、合成樹脂からなる第一層と、第一層とは異なる組成物からなる第二層と、第二層とは異なる組成物からなる第三層とを含む積層フィルムであって、第二層は、第一層と第三層との間に位置している積層フィルム(以下、3層フィルムという)であることが好ましい。第一層のように樹脂組成物からなる層をガゼット袋の表面とすることにより、従来の紙でできたガゼット袋と比べて、水分により破れが生じたり、印刷が変色することが少ないので、本発明の積層フィルムから作製されたガゼット袋は耐久性に優れたものとなる。
以下に、ガゼット袋を作製しやすいように、二つ折りの状態とした積層フィルムを所定の長さに裁断し、かつ折り癖が設けられたガゼット袋用積層フィルムを作製する工程の一例を記載する。
まず、本発明に係る積層フィルムを上述のとおりに作製し、そしてリールに巻き付ける。次に、積層フィルムを巻いたリールから、搬送ローラによって積層フィルムを繰り出す。続いて、帯状の積層フィルムを筒状にするために、繰り出された積層フィルムを一端部が筒状であるフォーマーに搬送する。その後、フォーマーに巻き付けられた筒状の積層フィルムがフォーマーの一端部から他端部へと向かうように、積層フィルムをフィルムの長手方向に繰り出す。フォーマーの形状は進行方向に進むにつれて筒状から薄板状に変形しており、フォーマーの他端部は薄板状となっているため、積層フィルムは次第に筒状から二つ折りの状態へと変形する。二つ折りの状態へと積層フィルムを変形させた後、フォーマー近傍に設けられたシーラを用いてフィルム幅方向の両端部を合掌しつつ、フォーマー近傍に設けられた折り癖付け用治具によりフィルムの長手方向に縦折り癖aを付す。縦折り癖aを付した状態の積層フィルムを図1に示す。縦折り癖aと左折り目bとの距離は、センターシール部11と右折り目cとの距離と略同じとするのが好ましい。略同じとすることで、後述のガゼット袋用積層フィルムを手作業で折ってガゼット袋を作製するときに、図2に示すとおり、縦折り癖a及びセンターシール部11を山折り用折り癖として折り込み作業を行うことができるので、折り込み作業を効率的に行うことができる。
なお、センターシール部11におけるセンターシールはヒートシールでも実施できるが、第一層や第三層が非晶質成分を含むポリエステルを含んでなる場合に溶剤接着により実施することが好ましい。接着用溶剤は特に限定はなく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、またはこれらの混合物等を挙げることができる。
続いて、シールされ、かつ二つ折り状態となった積層フィルム(以下、二つ折り積層フィルムという)を長手方向に移動させ、カッティングマシーンにより長手方向が所定の長さとなるように二つ折り積層フィルムを裁断し、ガゼット袋用積層フィルム20とする。そして、二つ折り積層フィルムを長手方向に移動させている間に、折り癖付け用治具により二つ折り積層フィルムの幅方向にフィルム長手方向上端部から所定の距離となるように上折り癖dを、フィルム長手方向下端部から所定の距離となるように下折り癖eを付す。所定の長さとなるように裁断され、上折り癖d、下折り癖eが付されたガゼット袋用積層フィルム20を図3に示す。
このようにして所定の長さで裁断され、かつ折り癖が設けられたガゼット袋用積層フィルム20は、縦折り癖a及びセンターシール部11を山折り用折り癖として山折りし、左折り込み部12及び右折り込み部13の幅方向中央部近傍のラインを谷折りして図2の状態とし、その後、公知の方法で、積層フィルムの下折り癖eからフィルム長手方向下端部までの部分にガゼット折り込みを施して角底部を形成することによって、ガゼット袋を作製することができる。角底部を形成する際に、下折り癖eが設けられているので、どのガゼット袋も同一の高さとなるようにガゼット折り込みを施すことができる。また、上折り癖dが設けられているので、ガゼット袋の上端部を容易に折り曲げることができる。そして、ガゼット袋の上端部を折り曲げた場合であっても、他の折り曲げられたガゼット袋と同一の高さとすることができる。
以上より、積層フィルム10にセンターシール部11、縦折り癖a、上折り癖d、下折り癖eを設けることにより、ガゼット袋の折り込み作業を容易に行うことができる。
(ブックカバーの作製方法)
ブックカバーに用いる積層フィルムとしては、第一層と、第一層とは同一の又は異なる組成物からなる第二層とを含む積層フィルム(以下、2層フィルムという)又は3層フィルムが好ましい。2層フィルムであっても、第一層が山折り面となるように折畳みを行ってブックカバーを作製することで折畳み保持角度を低くすることができる。よって、2層フィルム又は3層フィルムを用いることにより、デッドホールド性に優れたブックカバーを作製することができ、第一層のように樹脂組成物からなる層をブックカバーの表面とすることにより、従来の紙でできたブックカバーと比べて、水分により破れが生じたり、印刷が変色することが少ないので、本発明の積層フィルムから作製されたブックカバーは耐久性に優れたものとなる。
ブックカバー31は、図4に示すように、本の表表紙部分を覆う表表紙カバー部32と、背部分を覆う背側カバー部33と、裏表紙部分を覆う裏表紙カバー部34と、表表紙カバー部32から折り返された表表紙折返し部35と、裏表紙カバー部34から折り返された裏表紙折返し部36とを有している。上記表表紙折返し部35及び上記裏表紙折返し部36はともに袋状に形成されている。
2層フィルムを用いて図4に示す形状とするために、まず、ブックカバーは、第一層が山折り面となるように2層フィルムの長手方向上端部を2つ折りにし、表表紙カバー部32から折り返された表表紙折返し部35が第二層と隣り合うようにする。次に、長手方向下端部についても2つ折りにし、裏表紙カバー部34から折り返された裏表紙折返し部36が第二層と隣り合うようにし、その後、表表紙折返し部35は熱シール又は溶剤接着(図中、記号×を付した部分)によって表表紙カバー部32の上縁および下縁に接着されており、裏表紙折返し部36もまた熱シールによって裏表紙カバー部34の上縁および下縁に接着されている。
なお、3層フィルムを用いた場合であっても、2層フィルムと同様にブックカバーを作製することができ、3層フィルムの場合は、表表紙折返し部35及び裏表紙折返し部36を形成するために、長手方向上端部及び長手方向下端部を2つ折りする際に、第一層が山折り面となるように折畳んでも、第三層が山折り面となるように折畳んでもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
各実施例、比較例で得られた供試材についての物性測定方法は以下の通りである。
(折畳み保持角度(デッドホールド性))
〔単層フィルム〕
20℃50%RH環境の恒温室で単層フィルムを24時間放置する。その後直ちに、単層フィルムを20℃65%RH環境で10cm×10cmの正方形に裁断し、軽く4つ折り(2.5cm×2.5cmの正方形が重なった状態)にし、テストシーラーで0.5kgの荷重を1秒間かけた。そして、図5に示すように、サンプル41の四隅がガラス板42に接する又はガラス板42近傍に位置する(折り目の頂点(4つ折り前のサンプル41の中央部)がガラス板42から離れたところに位置する)ように4つ折りにしたサンプル41をガラス板42上に置き、1分経過後に折られた単層フィルムが開いた角度43(完全に折りたたまれた状態を0度とした)を測定して折畳み保持角度を求めた。また、フィルム縦方向、横方向の両方の折畳み保持角度を測定し、角度が大きい方の値を折畳み保持角度とした。なお、折畳み保持角度の測定においては、フィルム縦方向と横方向が不明瞭なフィルムサンプルの場合、一方向を仮に縦方向と定め、前記仮の縦方向と直交する方向を仮の横方向とした。
〔積層フィルム〕
2層以上積層した積層フィルムでも、以下の点を除いては上記測定方法と同様に折畳み保持角度を測定した。4つ折り状態とする際にまず2つ折りを行うが、積層フィルムの一方の面(表面)が山折り面となるように2つ折りした場合の折畳み保持角度と、積層フィルムの他方の面(裏面)が山折り面となるように2つ折りした場合の折畳み保持角度とを測定し、角度が小さい方の値を折畳み保持角度とした。
(熱収縮率)
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、70℃±0.5℃の温湯中に無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、25℃±0.5℃の水中に10秒間浸漬し、水中から引き出してフィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下記式(I)にしたがって、それぞれ熱収縮率を求めた。
また、70℃±0.5℃の温湯中に浸漬させるのに代えて、95℃±0.5℃の温湯中に浸漬させて、同様に縦および横方向の熱収縮率を求めた。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) …式(I)
〔単層フィルムの折畳み保持角度〕
ポリエステルA〜Eは以下の表1に記載の酸性分と多価アルコール成分とを公知の方法で反応させて得られたポリエステルであり、ポリエステルEに含有されている滑剤は富士シリシア社製サイリシア(登録商標)266である。上記ポリエステルA〜Eを用いてポリエステルフィルムNo.1〜7を作製した。以下に各フィルムの製膜方法について記載する。
Figure 0006435549
(ポリエステルフィルムNo.1の製膜)
上記したポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルD、及びポリエステルEを質量比5:66:24:5で混合して押出機に投入した。しかる後、その混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから押出し、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さ240μmの未延伸フィルムを得た。このときの未延伸フィルムの引取速度(金属ロールの回転速度)は、約20m/minであった。しかる後、その未延伸フィルムを、横延伸ゾーン、中間ゾーン、中間熱処理ゾーンを連続的に設けたテンター(第1テンター)に導いた。なお、中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、延伸ゾーンからの熱風および熱処理ゾーンからの熱風が遮断されている。
そして、テンターに導かれた未延伸フィルムを、フィルム温度が80℃になるまで予備加熱した後、横延伸ゾーンで横方向に70℃で4倍に延伸し、中間ゾーンを通過させた後に(通過時間=約1.2秒)、中間熱処理ゾーンへ導き、80℃の温度で8秒間に亘って熱処理することによって厚み27μmの横一軸延伸フィルムを得た。
さらに、その横延伸したフィルムを、複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へ導き、予熱ロール上でフィルム温度が70℃になるまで予備加熱した後に3倍に延伸した。しかる後、縦延伸したフィルムを、表面温度25℃に設定された冷却ロールによって強制的に冷却した。
そして、冷却後のフィルムをテンター(第2テンター)へ導き、第2テンター内で90℃の雰囲気下で10秒間に亘って熱処理した後に冷却し、両縁部を裁断除去することによって、厚みが約9μmの二軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製膜してポリエステルフィルムNo.1(以下、フィルムNo.1という)を得た。
(ポリエステルフィルムNo.2〜4の製膜)
上記フィルムNo.1の製膜において、溶融押出時における溶融樹脂の吐出量を変更した以外はほぼフィルムNo.1と同様にして、厚み12μmのポリエステルフィルムNo.2、厚み20μmのポリエステルフィルムNo.3、厚み30μmのポリエステルフィルムNo.4(以下、フィルムNo.2、3、4という)を得た。
(ポリエステルフィルムNo.5の製膜)
上記フィルムNo.1の製膜において、ポリエステルBに替えてポリエステルCを同質量割合で用いた以外はほぼフィルムNo.1と同様にして、9μmのポリエステルフィルムNo.5(以下、フィルムNo.5という)を得た。
(ポリエステルフィルムNo.6の製膜)
表1に記載のポリエステルBとポリエステルAとを質量比90:10で混合し、滑剤としてSiO2(富士シリシア社製サイリシア(登録商標)266)を該ポリエステル混合
物に対して50ppmとなるように添加してY層の原料とした。また、ポリエステルBとポリエステルAとを質量比90:10で混合するに際し、更にポリスチレン樹脂(G797N 日本ポリスチレン社製)を混合物全体質量に対して10質量%、及び二酸化チタン(TA−300 富士チタン社製)を混合物全体質量に対して10質量%を加えて混合してX層の原料とした。X層及びY層の原料をそれぞれ別々の2軸スクリュー押出機に投入、混合、溶融したものをフィードブロックで接合したものをT−ダイスより280℃で溶融押出しし、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さ520μmでY/X/Yの積層構造を持つ未延伸フィルムを得た(Y/X/Y=130μm/260μm/130μm)。そして、上記の如く得られた厚み520μmの未延伸フィルムを、複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へ導き、ロールの回転速度差を利用して、縦方向に延伸した。すなわち、未延伸フィルムを、予熱ロール上でフィルム温度が85℃になるまで予備加熱した後に、表面温度85℃に設定された低速回転ロールと表面温度30℃に設定された高速回転ロールとの間で回転速度差を利用して4.3倍に縦延伸した。
しかる後、縦延伸後のフィルムを、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、まずフィルムの表面温度が110℃になるまで予備加熱を行い、その後、100℃で横方向に4.0倍に延伸した。横延伸後のフィルムは、幅方向の両端際をクリップによって把持した状態でテンター内の熱処理ゾーンに導き、当該熱処理ゾーンにおいて、100℃の温度で10秒間に亘って熱処理を施した後に冷却した。しかる後、両縁部を裁断除去して幅400mmでロール状に巻き取ることによって、厚み30μm(スキン層/コア層/スキン層の各層厚み:7μm/16μm/7μm)のパール色調のポリエステルフィルムNo.6(以下、フィルムNo.6という)を得た。
(ポリエステルフィルムNo.7の製膜)
ポリエステルフィルムNo.6の製膜において、溶融押出時における溶融樹脂の吐出量を変更した以外はほぼフィルムNo.6と同様にして、厚み40μm(スキン層/コア層/スキン層の各層厚み:9.3μm/21.4μm/9.3μm)であるパール色調のポリエステルフィルムNo.7(以下、フィルムNo.7という)を得た。
(ポリエステルフィルムNo.8の製膜)
ポリエチレンテレフタレート(東洋紡社製RE553、固有粘度:0.63dl/g)に対し1000ppmとなるようにシリカ(富士シリシア社製サイリシア(登録商標)グレード:310P、形状:不定形、平均粒径:2.7μm)を添加剤として加えポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。該ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を押出し機にて溶融混練したものをTダイに供給し、Tダイ内部より樹脂温度285℃になるように押出し、更に温度25℃のキャスティングロールにてキャスティングし後、該フイルムを一方向(横方向)に90℃で3.9倍延伸して一軸延伸ポリエステルフフィルムを得た。次いで、該フイルムを前記延伸方向に対して直角方向(縦方向)に80℃で3.3倍延伸し、90℃にて熱処理して厚さ18μmとなるポリエステルフィルムNo.8(以下、フィルムNo.8という)を得た。
上述したフィルムNo.1〜8の折畳み保持角度等を測定し、その結果を表2にまとめた。
上記のフィルム以外にPETフィルムである東洋紡社製東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5102、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムである東洋紡社製パイレン(登録商標)フィルムP2161、P2261、CPP(未延伸ポリプロピレン)フィルムである東洋紡社製パイレン(登録商標)フィルムP1128、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)フィルムである東洋紡社製リックス(登録商標)フィルムL4102、及びONY(二軸延伸フィルムポリアミド)フィルムであるである東洋紡社製ハーデン(登録商標)フィルムN1102、N1202を用い、各々のフィルムの折畳み保持角度等を測定し、その結果を表2にまとめた。なお、折畳み保持角度が「×」となっているのは折畳んだにもかかわらず1秒後には折畳み状態を保持できていなかったことを示す。
Figure 0006435549
〔積層フィルム〕
(実施例1−1)
2つの30μmのフィルムNo.4をドライラミネーション用接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例1−2)
30μmのフィルムNo.4と30μmのフィルムNo.6とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例1−3)
30μmのフィルムNo.3と9μmのアルミ箔とを接着剤(DIC社製ディックドライ(登録商標)LX−703VL)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例1−4)
12μmのフィルムNo.2の片面全体に東洋インキ社製インキを塗布し、さらに接着剤を塗布し、接着剤が塗布された面の上に20μmのフィルムNo.3を積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例1−5)
12μmのフィルムNo.2の片面全体に東洋インキ社製インキを塗布し、さらに接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を塗布し、接着剤が塗布された面の上に40μmのフィルムNo.7を積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(実施例1−6)
12μmのフィルムNo.2の片面全体に東洋インキ社製インキを塗布し、さらに接着剤(DIC社製ディックドライ(登録商標)LX−703VL)を塗布し、接着剤が塗布された面の上に9μmのアルミ箔を積層し、9μmのアルミ箔のフィルムNo.2が積層されていない側の面全体に東洋インキ社製インキを塗布し、さらに接着剤(DIC社製ディックドライ(登録商標)LX−703VL)を塗布し、接着剤が塗布された面の上にさらに12μmのフィルムNo.2を積層し、3層フィルムを作製した。得られた3層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(参考例1−1)
ダイソー社製透明折り紙の折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
(参考例1−2)
トーヨー社製教育セロファンの折畳み保持角度を測定し、その結果を表3に示す。
Figure 0006435549
〔2層フィルム〕
(実施例2−1)
9μmのフィルムNo.1と12μmのPETフィルム(東洋紡社製東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5102)とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
(実施例2−2)
9μmのフィルムNo.1と16μmのPETフィルム(東洋紡社製東洋紡エステル(登録商標)フィルムE5102)とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
(実施例2−3)
9μmのフィルムNo.1と15μmのナイロンフィルム(東洋紡社製ハーデン(登録商標)フィルムN1102)とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
(実施例2−4)
9μmのフィルムNo.1と25μmのナイロンフィルム(東洋紡社製ハーデン(登録商標)フィルムN1102)とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、2層フィルムを作製した。得られた2層フィルムの折畳み保持角度を測定し、その結果を表4に示す。
(実施例2−5〜8)
実施例2−5では、実施例2−1において、厚みが9μmのフィルムNo.1から厚みが20μmのフィルムNo.3へと変更した以外は、実施例2−1と同様にして2層フィルムを得た。実施例2−6〜8では、実施例2−5と同様に、実施例2−2〜4において、厚みが9μmのフィルムNo.1から厚みが20μmのフィルムNo.3へと変更することによって2層フィルムを得た。得られた2層フィルムの物性、評価結果を表4に示す。
(実施例2−9〜12)
実施例2−9では、実施例2−1において、厚みが9μmのフィルムNo.1から厚みが30μmのフィルムNo.4へと変更した以外は、実施例2−1と同様にして2層フィルムを得た。実施例2−10〜12では、実施例2−9と同様に、実施例2−2〜4において、厚みが9μmのフィルムNo.1から厚みが30μmのフィルムNo.4へと変更することによって2層フィルムを得た。得られた2層フィルムの物性、評価結果を表4に示す。
(実施例2−13)
実施例2−13では、実施例2−1において、厚みが9μmのフィルムNo.1から同じ厚みのフィルムNo.5へと変更した以外は、実施例2−1と同様にして2層フィルムを得た。得られた2層フィルムの物性、評価結果を表4に示す。
Figure 0006435549
〔3層フィルム〕
(実施例3−1)
20μmのフィルムNo.3と20μmのP2261フィルムとを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層し、20μmのP2261フィルムのフィルムNo.3が積層されていない面に別の20μmのフィルムNo.3を接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて接着することによって、3層フィルムを得た。得られた3層フィルムの折畳み保持角度及び熱収縮率を測定し、その結果を表5に示す。
(実施例3−2)
20μmのフィルムNo.3と25μmのN1202フィルムとを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層し、N1202フィルムのフィルムNo.3が積層されていない面に別の20μmのフィルムNo.3を接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて接着することによって、3層フィルムを得た。得られた3層フィルムの折畳み保持角度及び熱収縮率を測定し、その結果を表5に示す。
(比較例3−1)
20μmのP2261フィルムと20μmのフィルムNo.3とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層し、フィルムNo.3のP2261フィルムが積層されていない面に別の20μmのP2261フィルムを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて接着することによって、3層フィルムを得た。得られた3層フィルムの折畳み保持角度及び熱収縮率を測定し、その結果を表5に示す。
(比較例3−2)
25μmのN1202フィルムと20μmのフィルムNo.3とを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層し、フィルムNo.3のN1202フィルムが積層されていない面に別の25μmのN1202フィルムを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて接着することによって、3層フィルムを得た。得られた3層フィルムの折畳み保持角度及び熱収縮率を測定し、その結果を表5に示す。
(参考例3−1)
20μmのフィルムNo.3が1層のみである場合の折畳み保持角度及び熱収縮率を測定し、その結果を表5に示す。
Figure 0006435549
〔紫外線吸収層積層フィルム〕
(紫外線吸収層用塗布液の調製)
30質量部の日本触媒社製ハルスハイブリッド(登録商標)UV−G13に対して、その他希釈溶剤として、酢酸エチル、トルエンを各々70質量部混合し、その後、固形分濃度が15質量%となるようにさらに酢酸エチルを加え、紫外線吸収層用塗布液を得た。
(実施例4−1)
20μmのフィルムNo.3の一方の面に、上記紫外線吸収層用塗布液をグラビアコート法で塗布し、70℃で5秒乾燥させ、乾燥膜厚0.5μmの紫外線吸収層を形成した。フィルムNo.3の紫外線吸収層側の面に20μmのP2261フィルムを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、紫外線吸収層積層フィルムを得た。得られた紫外線吸収層積層フィルムの折畳み保持角度、熱収縮率、及び紫外線透過率を測定し、その結果を表6に示す。
(実施例4−2)
20μmのフィルムNo.3の一方の面に、上記紫外線吸収層用塗布液をワイヤーバーでハンドコートし、70℃で15秒乾燥させ、乾燥膜厚1.0μmの紫外線吸収層を形成した。さらに、フィルムNo.3の紫外線吸収層側の面に25μmのN2102フィルムを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層し、さらに、N2102フィルムのフィルムNo.3が積層されていない面に別の20μmのフィルムNo.3を接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、紫外線吸収層積層フィルムを得た。得られた紫外線吸収層積層フィルムの折畳み保持角度、熱収縮率、及び紫外線透過率を測定し、その結果を表6に示す。
(実施例4−3)
20μmのフィルムNo.3の一方の面に、上記紫外線吸収層用塗布液をワイヤーバーでハンドコートし、70℃で15秒乾燥させ、乾燥膜厚1.0μmの紫外線吸収層を形成した。さらに、フィルムNo.3の紫外線吸収層側の面に20μmのP2261フィルムを接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層し、さらにP2261フィルムのフィルムNo.3が積層されていない面に16μmのE5102フィルムを、接着剤(三井化学社製タケラック(登録商標)A−950)を用いて積層することによって、紫外線吸収層積層フィルムを得た。得られた紫外線吸収層積層フィルムの折畳み保持角度、熱収縮率、及び紫外線透過率を測定し、その結果を表6に示す。
(紫外線吸収性能について)
実施例4−1〜3の紫外線吸収層積層フィルムについて、紫外可視分光光度計(島津製作所社製UV−2550)を用いて測定し、光の波長300〜400nmにおける吸光度を読み取った。なお、紫外線吸収層を設けていないフィルムとして、実施例3−2の吸光度の測定も行なった。
Figure 0006435549
本発明者らは、デッドホールド性に優れた第一層にシート状である第二層を積層した積層フィルムとし、第一層の他方の面(第二層が積層されていない側の面)には何も積層しないようにすることによって、デッドホールド性及び加工性に優れた積層フィルムとすることができた。本発明に係る積層フィルムは、ガゼット袋、ブックカバー、包装紙、折り紙などに用いることができる。
10 積層フィルム
11 センターシール部
12 左折り込み部
13 右折り込み部
20 ガゼット袋用積層フィルム
a 縦折り癖
b 左折り目
c 右折り目
d 上折り癖
e 下折り癖

Claims (8)

  1. 延伸ポリエステルフィルムからなる第一層と、前記第一層と同一の又は異なる樹脂組成物からなる第二層とを含む積層フィルムであって、
    前記積層フィルムは、隣接する層同士を接着させたものであり、
    前記延伸ポリエステルフィルムは、エチレンテレフタレートユニットをポリエステルの構成ユニット100モル%中50モル%以上含み、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、およびヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のモノマー成分を全モノマー成分中15モル%以上含み、
    前記積層フィルムは、金属箔を含まず、且つポリビニルアルコール系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるバリア性樹脂層を含まず、
    前記積層フィルムの20℃の環境下で1日保管させた後の下記の測定方法で求められる折畳み保持角度が150度以下であることを特徴とする積層フィルム。
    <測定方法>
    積層フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、4つ折りにした後、前記フィルムが開いた角度を測定する。ここで、前記フィルム縦方向、横方向の両方の前記角度を測定し、角度が大きい方の値を前記折畳み保持角度とする。
  2. 前記第二層は前記第一層とは異なる樹脂組成物からなる請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 延伸ポリエステルフィルムからなる第一層と、前記第一層とは異なる樹脂組成物からなる第二層と、前記第二層とは異なる樹脂組成物からなる第三層とを含む積層フィルムであって、
    前記第二層は、前記第一層と前記第三層との間に位置しており、
    前記積層フィルムは、隣接する層同士を接着させたものであり、
    前記延伸ポリエステルフィルムは、エチレンテレフタレートユニットをポリエステルの構成ユニット100モル%中50モル%以上含み、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、およびヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のモノマー成分を全モノマー成分中15モル%以上含み、
    前記積層フィルムは、金属箔を含まず、且つポリビニルアルコール系樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物によるバリア性樹脂層を含まず、
    前記積層フィルムの20℃の環境下で1日保管させた後の下記の測定方法で求められる折畳み保持角度が150度以下であることを特徴とする積層フィルム。
    <測定方法>
    積層フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、4つ折りにした後、前記フィルムが開いた角度を測定する。ここで、前記フィルム縦方向、横方向の両方の前記角度を測定し、角度が大きい方の値を前記折畳み保持角度とする。
  4. 前記第一層と前記第三層とは同じ樹脂組成物からなる請求項3に記載の積層フィルム。
  5. 前記第二層にはナイロン樹脂又はポリプロピレン樹脂が含まれている請求項2〜4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 紫外線吸収層をさらに備えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層フィルムからなるガゼット袋。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層フィルムからなるブックカバー。
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