JP4131452B2 - 空洞含有ポリエステル系フィルム - Google Patents

空洞含有ポリエステル系フィルム

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カールの少ないボイド含有ポリエステル系フィルムに関し、さらに詳しくは後加工時のハンドリング性および、給排紙特性に優れ各種印刷用、カード用フィルムとして好適な空洞含有ポリエステル系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂を主原料とする合成紙は、耐水性、表面光沢、平滑な表面による印刷適性等に優れている点から様々な用途展開が進んでいる。特にポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル系樹脂は、合成紙原料の中では耐熱性が高く、剛性が高い特徴を有し使用範囲を拡大しつつある。
【0003】
また、空洞含有構造によって発現するクッション性により、例えば特開昭63−280687号公報に開示されている熱転写印刷用途を始め、各種印刷用フィルムとしても広く利用されている。
【0004】
このような用途に用いられる空洞含有ポリエステル系フィルムとしては、ポリエステル中に無機微粒子を混合して延伸することにより粒子周辺に空洞を形成したものや、ポリエステル樹脂と非相溶性の熱可塑性樹脂等をポリエステル中に混合、分散させて、空洞形成の核として利用する方法が知られている。特に後者は、フィルムを軽量化できる点から広く採用されている。
【0005】
この空洞形成のために用いられる空洞形成剤としては、ポリプロピレン樹脂やポリメチルペンテン樹脂(例えば、特開昭49−34755号公報)に代表されるポリオレフィン系樹脂、またポリスチレン系樹脂(例えば、特公昭49−2016号公報、特公昭54−2955号公報)等が提案されている。
【0006】
特に、ICカードや各種カード用のベースフィルムの用途は、腰の強さや、高い隠蔽性が要求されるため、50μm以上、好ましくは100μm以上の比較的厚手のフィルムが好適に用いられる。この様な用途に用いられるフィルムは、優れた平面性やカールの少ないことが望まれる。
【0007】
なぜなら、各種印刷方式等での高速ハンドリング時において、カールをしたフィルムを用いた場合、給紙不良や紙詰まりなどの搬送性不良、による印刷不良等の問題を生じるためである。
【0008】
通常、フィルムの保存はロール状に巻いて保存されるが、長い間ロールで保存すると巻き内側にカールが徐々にきつくなる、いわゆる巻き癖カールがついてしまう。この巻癖カールは、平面状に保持しながらの熱処理によって除去することが可能であるが、コスト面からは熱処理無しで使用することが望まれる。
【0009】
酸化チタンや炭酸カルシウムなどの白色顔料を含有し、かつポリエステル樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂に起因する空洞を含有しない白色ポリエステルフィルムや、通常の透明ポリエステルフィルムでは、巻き癖カールの発生は非常に緩やかであり、問題となることは非常に少ない。
【0010】
これに対して、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞をフィルム内部に多数含有する空洞含有ポリエステル系フィルムでは、カールの少ないフィルムを得ることは従来の技術では非常に困難である。
【0011】
なぜなら、厚物の二軸延伸フィルムの製造においては、先ずその未延伸フィルムが非常に厚くなるため、冷却ロールでの冷却が冷却面とその反対側で明らかに異なるため、結晶化度を始めとした構造がフィルムの裏表で異なるものになってしまう。
【0012】
さらに、内部に微細な空洞を含有する空洞含有ポリエステル系フィルムであるため、その空洞のサイズ、形状、体積分率がフィルムの厚み方向にわたって容易に変化するため、フィルム表裏の物性や構造を同一とするようなフィルムの製造は極めて困難である。
【0013】
以上述べたように、フィルムの表裏で構造差がつきやすいこと、内部にボイドを含有する構造のためにフィルム表裏の微妙な構造差によって容易にカールが発現し、さらに巻き癖についても速い速度で増加してしまうため、印刷工程での通過性が著しく悪化してしまう。このような厚物の空洞含有ポリエステル系フィルムは、カールが発生しやすく、低いカール値で安定的に生産することは非常に困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、空洞含有構造に由来する優れた特性(軽量、クッション性など)と良好なハンドリング性(搬送性)とを兼ね備えたフィルムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができた空洞含有ポリエステル系フィルムとは、以下の通りである。
【0016】
本発明の第1の発明は、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞をフィルム内部に多数含有する空洞含有ポリエステル系フィルムであって、縦延伸工程でフィルム表裏の温度または熱量を異なる値とすることによって得られる、下記(a)または(b)の条件で保存したフィルムを切り出し、この切り出したフィルムを無荷重の状態で、Tg+30℃で30分間熱処理した後のカール値が1.0mm以下であることを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィルム。
(a)500mm四方に断裁し、室温で6ヶ月保存
(b)直径6インチの管にロール状に1000m巻いたものを、室温で3ヶ月保存
【0017】
第2の発明は、前記空洞含有ポリエステル系フィルムの厚みが50〜500μmであることを特徴とする第1の発明に記載の空洞含有ポリエステル系フィルムである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを、エステル化反応又はエステル交換反応後、重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化反応させた後重縮合する方法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。
【0019】
上記ポリエステルの代表例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したものであっても良い。いずれにしても、本発明においては、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−2,6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であるポリエステルが好ましい。
【0020】
本発明の空洞含有ポリエステルフィルムにおける空洞は、ポリエステル樹脂と非相溶性の熱可塑性樹脂等をポリエステル中に混合、分散させ、シート状に押し出して得た未延伸フィルムを、少なくとも一軸方向に延伸することによって形成させることができる。
【0021】
ポリエステル樹脂と非相溶性の熱可塑性樹脂を空洞形成の核として用いる場合には、ポリエステル樹脂と非相溶性の熱可塑性樹脂として、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが例示されるが、これらに制限されるものではない。
【0022】
ポリスチレン系樹脂とは、ポリスチレン構造を基本構成単位として含む熱可塑性樹脂を指し、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、アイソタクティックポリスチレン等のホモポリマーのほか、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂、例えば耐衝撃性ポリスチレン樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等、更にはこれらのポリスチレン系樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂例えばポリフェニレンエーテルとの混合物を含む。
【0023】
ポリメチルペンテン系樹脂とは、80モル%以上、好ましくは90モル%以上が4−メチルペンテン−1から誘導される単位を有するポリマーであり、他の成分としてはエチレン単位、プロピレン単位、ブテン−1単位、3−メチルブテン−1等からの誘導単位が例示される。かかるポリメチルペンテンのメルトフローレートは200g/10分以下であることが好ましく、特に好ましくは30g/10分以下である。これは、メルトフローレートが200g/10分を超える場合には、フィルムの軽量化効果を得にくくなるからである。
【0024】
また、ポリプロピレン系樹脂としては、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン等のホモポリマー以外に、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂も含まれる。
【0025】
ポリプロピレン系樹脂の存在状態としては、上記のポリプロピレン系樹脂を前記ポリメチルペンテンとは別に混合して用いてもよいし、ポリメチルペンテン系樹脂中にプロピレン単位を共重合成分として導入したものを用いても構わない。
【0026】
これらの空洞形成剤、すなわちポリエステル樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂のポリエステルに対する混合量は、目的とする空洞の量によって異なってくるが、フィルム全体に対して3〜20重量%の範囲とすることが好ましく、更には5〜18重量%が好ましい。そして、3重量%未満では、空洞の生成量を多くすることに限界がある。逆に、20重量%以上では、フィルムの延伸性が著しく損なわれ、また耐熱性や強度、腰の強さが損なわれるため好ましくない。
【0027】
また、フィルム中には、隠蔽性等を向上させるため、ポリエステル樹脂中あるいは非相溶樹脂中に無機または有機の粒子を必要に応じて含有させてもよい。前記粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、有機白色顔料等が例示されるが、特に限定されるものではない。
【0028】
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、見掛け比重が1.30以下、より好ましくは1.20以下、最も好ましくは1.15以下である。見掛け比重が1.30を超える場合には、フィルムに内在する空洞の量が少な過ぎるため、空洞含有構造によって得られる優れた特性(例えば、軽量、クッション性など)が不十分となる。
【0029】
一方、見掛け比重の下限は特に制限されるものではないが、見掛け比重が0.80未満では、フィルムのハンドリング性が著しく低下するため、好ましくない。
【0030】
フィルムの見かけ比重を1.30以下とするための、より好ましいフィルム原料としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂が80.0〜98.0重量%、ポリスチレン樹脂が0.5〜10.0重量%、ポリプロピレン樹脂が0.5〜10.0重量%、ポリメチルペンテン樹脂が0.5〜10.0重量%、酸化チタン粒子が0.5〜20.0重量%からなる組成物が挙げられる。
【0031】
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、単層であっても、同種または異種の合成樹脂フィルム層を複合した複層構成としてもよい。かかる複合に用いられる合成樹脂フィルム層は、例えば共押出し法によって得られるが、コーティング法、接着剤層等を介するラミネート法によっても形成することができる。
【0032】
前記合成樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレートまたはポリイミドの1種または2種以上を主成分とするフィルムを用いることができるが、これらに制限されるものではない。
【0033】
また、前記合成樹脂フィルム層には、必要に応じて着色剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを含有させることも可能である。
【0034】
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムの製造方法は任意であり、特に制限されるものではないが、例えば前記の組成からなる混合物をフィルム状に成形して未延伸フィルムとした後、未延伸フィルムを少なくとも一軸方向に延伸するという一般的な方法を用いることができる。
【0035】
未延伸シートを延伸・配向処理する条件は、空洞の生成と密接に関係する。以下では、最も好適な逐次二軸延伸方法、特に未延伸シートを長手方向次いで幅方向に延伸する方法を例にとり、延伸・配向条件を説明する。
【0036】
まず、第1段の縦延伸工程では、周速が異なる2本あるいは多数本のロール間で延伸する。このときの加熱手段としては、加熱ロールを用いる方法でも非接触の加熱方法を用いる方法でもよく、それらを併用してもよい。ただし、非相溶性樹脂界面に空洞を多数発現させるためには、延伸温度をポリエステルの2次転移温度Tg〜(Tg+50℃)で3〜5倍に延伸する。次いで、一軸延伸フィルムをテンターに導入し、幅方向にポリエステルの2次転移温度Tg〜(融点Tm−10℃以下)の温度で2.5〜5倍に延伸する。
【0037】
このようにして得られた二軸延伸フィルムに対し、必要に応じて熱処理を施す。熱処理はテンター中で行うのが好ましく、ポリエステルの(融点Tm−50℃)〜Tmの範囲で行うのが好ましい。
【0038】
また、本発明の微細空洞含有ポリエステル系フィルムは、少なくともそのいずれか一方の表面に塗布層を有していても構わない。そして、塗布層を設けることにより、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着性を改良することができる。
【0039】
塗布層を構成する化合物としては、共重合ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂など、通常のポリエステルフィルムの接着性を向上させる手段として開示されている化合物等が適用可能である。
【0040】
塗布層を設ける方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式など通常用いられている方法が適用できる。
【0041】
塗布する段階としては、フィルムの延伸前に塗布する方法、縦延伸後に塗布する方法、配向処理の終了したフィルム表面に塗布する方法などのいずれの方法も可能である。
【0042】
このようにして得られた微細空洞含有ポリエステル系フィルムは、空洞含有構造に由来する優れた特性(軽量、クッション性など)と良好なハンドリング性(搬送性)とを有している。
【0043】
さらに、ポリオレフィン系樹脂の分散剤として界面活性剤やポリエーテル系樹脂を必要としないため、耐熱性にも優れており、自己回収原料を再使用しても色調の変化が小さく、フィルム製造の安定性にも優れている。自己回収原料を再使用する場合の好ましい使用比率は、フィルム全体の5〜50重量%である。
【0044】
ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞をフィルム内部に多数含有する空洞含有ポリエステル系フィルムでは、内部にボイドを含有する構造のために表裏の微妙な構造差によって容易にカールが発現し、さらに巻き癖についても速い速度で増加してしまうため、本発明の課題となる印刷工程での通過性が著しく悪化してしまう。
【0045】
ところが、本発明のフィルムは無荷重の状態で(Tg+30)℃で30分間熱処理した後のカール値が1mm以下であるので、保存前のカールは当然ながらロール保存による巻き癖カールも抑制することができる。つまり、空洞含有ポリエステルフィルムを本質的にゼロカールの状態に厳密に制御して生産することにより、以後の巻き癖の増加も抑制することができるのである。
【0046】
また、延伸直後のカールが大きくとも、逆方向に巻いて保存し、逆方向に巻癖をつけることで、見かけ上ゼロカールにすることができる。しかしながら、このような方法で見かけ上ゼロカールにしても、印刷工程の熱によって巻癖成分が消失し、初期の大きなカールによって印刷不良となることがあり、この点からも初期のカール値を厳密に制御しておくことが重要である。
【0047】
本発明のフィルムを製造するためには、前記で記載した製造方法以外に特別な製造法が必要となる。
【0048】
フィルム生産直後のカールを抑制する手法としては、(1)空洞の体積分率を小さくし、且つ各々の空洞サイズを小さく抑制しすることで、内部歪に耐えてカールの発生を抑制する方法、(2)フィルム厚み方向に空洞に分布を持たせる方法、(3)押し出し時の冷却差によるフィルム厚み方向の結晶化度の差に始まる各工程で付与されるフィルム表裏の構造差に起因するカールを制御するために、積極的にフィルム表裏の構造差を発生させ、必然的な構造差と補完しあってカール値をゼロに近づける方法、などが好適である。
【0049】
具体的には、縦延伸や横延伸などの延伸工程及び熱固定工程で、フィルム表裏の温度または熱量を異なる値とすることによって、フィルム表裏の配向度を独立して制御し、フィルム表裏の構造や物性がバランスする条件を採用することにより、ゼロカールの製膜が実現する。
【0050】
また、カールが全幅にわたって低い状態で安定的に生産されるための基本的要件として、厚み斑の少ない延伸処方により、フィルム厚み方向に変化の少ない空洞を形成させることも重要である。
【0051】
より具体的には、製膜直後の縦方向カールについては、縦延伸時のフィルム裏表の構造差を制御し、横方向のカールは横延伸及び熱固定時にフィルム裏表の構造差を制御することで、逆方向の内部歪を作りこみ、必然的に発生するフィルム表裏の構造差による内部歪とバランスさせ、カールを抑制する。
【0052】
本発明のフィルムであれば、たとえロール状に巻いて保存されても、巻き癖カールの進行を抑制できるために、空洞含有構造に由来する優れた特性と良好なハンドリング性が得られる。
【0053】
【実施例】
次に、本発明のフィルムの製造方法を実施例および比較例を用いて詳しく説明する。また、本発明で用いた特性の評価方法を以下に示す。
【0054】
(1)ガラス転移温度(Tg)
DSC(デュポン社製、V4.OB2000型)を用いて、10℃/分の昇温速度でサンプル(10mg)を昇温させ、ガラス転移温度を測定する。
【0055】
(2)カール値
フィルムを長手方向に100mm、幅方向に50mmに切り出し、温度23℃で湿度55RH%の条件下で1日調湿した後、フィルムの凸部を下にして水平なガラス板上に静置し、ガラス板と立ち上がったフィルム4隅の下端との垂直距離を最小目盛り0.5mm単位で定規を用いて測定し、この4箇所の測定値の平均値をカール値とした。サンプルは3点準備し、繰り返し測定を行い、この平均値をカール値とした。
【0056】
(3)フィルムのハンドリング性(枚葉フィルムの搬送性)
水とイソプロピルアルコールの混合液(70/30;重量比)を準備し、
(A)共重合ポリエステル樹脂
(東洋紡績社製、バイロナールMD1200) 92重量部
(B)帯電防止剤(松本油脂社製、エフコール214) 2重量部
(C)有機粒子(日本触媒社製、エポスターS6) 5重量部
をホモジナイザーを用いて混合液中に充分に分散させ、塗布液の全量に対して (A)、(B)、(C)からなる全固形物濃度が3重量%となるよう調整した塗布液を準備した。
【0057】
この塗布液をフィルム表面にバーコート法で8g/m2となるよう塗布し、次いで160℃で2分間乾燥し、A4サイズに裁断した物を100枚準備した。このサンプルをレーザービームプリンター(Canon LBP430)に供し、搬送テストを実施した。このテストによって生じた折れ、シワ、紙詰まり等の搬送不良発生頻度によってハンドリング性を下記3段階の基準で評価した。
【0058】
○:100枚中で搬送不良発生なし
△:100枚中で搬送不良発生が1回以上5回未満
×:100枚中で搬送不良発生が5回以上
【0059】
(4)見かけ比重
JIS K−7112浮沈法による。
【0060】
(5)ポリエステルの固有粘度
フェノール60重量%と1,1,2,2−テトラクロロエタン40重量%の混合溶媒にポリエステルを溶解し、固形分を実質的に濾過した後、30℃にて測定した。
【0061】
実施例1
(マスターペレットの製造)
原料として、固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂70重量%にメルトフローレート2.0g/10分のポリスチレン樹脂(三井東圧株式会社製、トーポレックス570−57U)6重量%、メルトフローレート1.7g/10分のポリプロピレン樹脂(三井東圧株式会社製、ノーブレンFO−50F)6重量%および、メルトフローレート8g/10分のポリメチルペンテン樹脂(三井石油化学株式会社製TPX、DX−845)18重量%をペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、ストランドを冷却、切断して空洞形成剤を含有するマスターペレット(A)を製造した。
【0062】
また、公知の方法で製造した固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂50重量%に、平均粒径0.3μmのアナターゼ型二酸化チタン粒子(富士チタン社製、TA−300)50重量%を混合したものをベント式2軸押出し機に供給して予備混練りした。この溶融樹脂を連続的にベント式単軸混練り機に供給し、混練して押出した。得られたストランドを冷却し、切断して二酸化チタン含有マスターペレット(B)を製造した。
【0063】
次いで、固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂63重量%と、上記の空洞形成剤含有マスターペレット(A)25重量%、マスターペレット(B)12重量%、とをペレット混合して真空乾燥を施し、フィルムの原料とした。
【0064】
(未延伸フィルムの製造)
次いで、上記のフィルムの原料を押出し機に供給し、Tダイ直前にスタティックミキサーを設けた押し出しラインを用い、Tダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、厚み約1900μmの未延伸フィルムを作成した。また、混練後の滞留時間は5.3分であり、冷却ドラムの反対面には20℃に温調した冷風を吹き付け冷却した。
【0065】
(二軸延伸フィルムの製造)
得られた未延伸フィルムを、加熱ロールを用いて65℃に均一加熱し、周速が異なる2対のニップロール(低速ロール:1m/分、高速ロール:3.4m/分)間で3.4倍に延伸した。このとき、フィルムの補助加熱装置として、ニップロール中間部に金反射膜を備えた赤外線加熱ヒータ(定格:40W/cm)をフィルムの両面に対向して設置(フィルム表面から1cmの距離)し、片面を18W/cm、反対面を12W/cmにて加熱した。縦延伸後、フィルムを15℃に温調した水浴で均等に急冷した。このようにして得られた一軸延伸フィルムをテンターに導き、140℃に加熱して3.6倍に横延伸し、幅固定して230℃で5秒間の熱処理を施し、更に210℃で幅方向に5%緩和させることにより、厚み188μmの空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。延伸部のフィルム表裏の温度差を10℃、熱固定区間のフィルム表裏の温度差は3℃以内に制御した。フィルムのTgは78℃であった。
(保存)
フィルムの保存は製膜直後に500mm四方に断裁し、室温で6ヶ月保存した。熱処理後のカール値及びハンドリング性は、上記の保存を経たものについて調査した。
【0066】
比較例1
未延伸フィルムの作成時、冷却ドラムの反対側のフィルム表面に空冷を行わなかった。縦延伸時、ロール予熱温度を60℃に、赤外線加熱は片面を21W/cm、反対面を21W/cmで行なった。縦延伸後のフィルムは、ロール表面温度45℃の冷却ロールでフィルム表裏を交互に冷却した。また、横延伸温度は130℃、幅固定後の熱処理温度は210℃とした。テンター内のフィルム表裏の温度差は最大10℃であった。それ以外は、実施例1と同様の方法により、空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。フィルムのTgは78℃であった。保存は製膜直後に500mm四方に断裁し、室温で6ヶ月保存した。熱処理後のフィルムのカール値及びハンドリング性は、上記の保存を経たものについて調査した。
【0067】
実施例2
縦延伸のロール予熱温度を70℃とし、直ちに3.4倍に延伸した。赤外線加熱は、片面を15W/cm、反対面を10W/cmで行なった。縦延伸後、フィルムを15℃に温調した水浴で均等に急冷した。それ以外は、実施例1と同様の方法により、空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。フィルムのTgは78℃であった。製膜終了後、直ちに直径6インチの管にロール状に1000m巻いたものを、3ヶ月間室温で保存した。熱処理後のカール値及びハンドリング性は、上記の保存を経たものについて調査した。
【0068】
参考例1
未延伸フィルムの作成時、冷却ドラムの反対側のフィルム表面に空冷を行わなかった。縦延伸時、ロール予熱温度を62℃に、赤外線加熱は両面を19W/cmで行なった。縦延伸後のフィルムは、ロール表面温度48℃の冷却ロールでフィルム表裏を交互に冷却した。また、横延伸温度は125℃、幅固定後の熱処理温度は215℃とした。テンター内のフィルム表裏の温度差は最大10℃であった。それ以外は、実施例1と同様の方法により、空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。フィルムのTgは78℃であった。製膜終了後、直ちに直径6インチの管にロール状に1000m巻いたものを、6ヶ月間室温で保存した。熱処理後のカール値及びハンドリング性は、上記の保存を経たものについて調査した。
【0069】
比較例
未延伸フィルムの作成時、冷却ドラムの反対側のフィルム表面に空冷を行わなかった。縦延伸時、ロール予熱温度を75℃に、赤外線加熱は両面を17W/cmで行なった。縦延伸後のフィルムは、ロール表面温度48℃の冷却ロールでフィルム表裏を交互に冷却した。また、横延伸温度は150℃、幅固定後の熱処理温度は230℃とした。テンター内のフィルム表裏の温度差は最大15℃であった。それ以外は、実施例1と同様の方法により、空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。フィルムのTgは78℃であった。製膜終了後、直ちに直径6インチの管にロール状に1000m巻いたものを、3ヶ月間室温で保存した。熱処理後のカール値及びハンドリング性は、上記の保存を経たものについて調査した。
【0070】
以上の方法で得られた空洞含有ポリエステル系フィルムの測定結果を、表1に示した。
【0071】
【表1】
Figure 0004131452
【0072】
表1の測定結果から、以下のように考察する事ができる。本発明で規定した要件を満足する実施例1及び実施例2のフィルムは、空洞含有構造による優れた特性(軽量:見かけ比重)を維持しながら良好なハンドリング性が得られることが分かる。これに対し、無荷重の状態で(Tg+30)℃で30分間熱処理した後のカール値が1mm以上である比較例1、2、及び参考例1のフィルムでは、印刷機による搬送性テスト時に搬送不良を多発した。
【0073】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、フィルム表裏の構造差による物性差を低減し、無荷重の状態で(Tg+30℃)で5分間熱処理した後のカール値が1mm以下であるため、フィルム保存前は当然ながら、フィルムを長期にわたりロール状で保存しても、巻き癖カールが小さいという特長がある。そのため、空洞含有構造に由来する優れた特性(軽量、クッション性、印刷適性など)を維持しながら、良好なハンドリング性(搬送性)を得ることができ、特に50〜500μmの厚物の空洞含有ポリエステル系フィルムを使用する用途(各種印刷用、カード用などの基材フィルム)として好適である。

Claims (2)

  1. ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞をフィルム内部に多数含有する空洞含有ポリエステル系フィルムであって、縦延伸工程でフィルム表裏の温度または熱量を異なる値とすることによって得られる、下記(a)または(b)の条件で保存したフィルムを切り出し、この切り出したフィルムを無荷重の状態で、Tg+30℃で30分間熱処理した後のカール値が1.0mm以下であることを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィルム。
    (a)500mm四方に断裁し、室温で6ヶ月保存
    (b)直径6インチの管にロール状に1000m巻いたものを、室温で3ヶ月保存
  2. 前記空洞含有ポリエステル系フィルムの厚みが50〜500μmであることを特徴とする請求項1記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
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