JPH1029286A - 微細気泡含有積層ポリエステルフィルムおよびシールプリント用台紙 - Google Patents

微細気泡含有積層ポリエステルフィルムおよびシールプリント用台紙

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JPH1029286A
JPH1029286A JP18484596A JP18484596A JPH1029286A JP H1029286 A JPH1029286 A JP H1029286A JP 18484596 A JP18484596 A JP 18484596A JP 18484596 A JP18484596 A JP 18484596A JP H1029286 A JPH1029286 A JP H1029286A
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JP
Japan
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layer
polyester
film
laminated
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JP18484596A
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Takashi Hibiya
隆志 日比谷
Takatoshi Miki
崇利 三木
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Diafoil Co Ltd
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Diafoil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムの柔軟性を維持した微細気泡含有積
層ポリエステルフィルム、および艶光りせず柔軟性のあ
るシールプリント用台紙を提供する。 【解決手段】 微細気泡含有ポリエステルA層の少なく
とも片面に最表層となるポリエステルB層を積層してな
り、ポリエステルA層はポリエステルに対して非相溶な
熱可塑性樹脂を5〜45重量%含有しかつ密度が0.4
0〜1.30g/cm3 であり、A層の厚さTA とB層
全てのフィルム厚さTB の比(TA /TB)が10〜5
00であることを特徴とする微細気泡含有積層ポリエス
テルフィルムおよびそのフィルムからなるシールプリン
ト用台紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細気泡含有積層
ポリエステルフィルムおよびそのフィルムからなるシー
ルプリント用台紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムは、各種
の特性を高度にバランス良く有し、コストパフォーマン
スの点で優れるため、産業用資材として広く用いられて
いる。そして、非相溶な熱可塑性樹脂を配合したポリエ
ステルをフィルム化した微細気泡含有ポリエステルフィ
ルムは、軽量でかつクッション性を備えた白色不透明フ
ィルムとして、例えばシールプリント用台紙などの合成
紙、磁気カード等の用途に使用されている。特に微細気
泡含有ポリエステルフィルムはそのクッション性が重ん
じられ、画像をプリントしてシールとした製品の台紙
(離型紙)として使用されている。その使用例として
は、インスタント写真機にて希望のフレームや背景を選
択した後、ポーズをとり撮影すると、その場で多数枚の
顔写真シールができ上がるというアミューズメント機が
挙げられる。
【0003】ところが微細気泡含有ポリエステルフィル
ムの製造に当っては、フィルム表面に存在する非相溶樹
脂の影響により、キャストロール、延伸ロール等が汚れ
るという問題があった。これを解消するため、非相溶樹
脂を含有せず実質的に微細気泡を有しないフィルムを積
層した積層構造とすると、フィルムの柔軟性が損なわ
れ、シールの台紙として価値が低くなるという問題があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みなされたもので、その目的は、微細気泡含有ポリエ
ステルフィルムに、実質的に微細気泡を含有しないポリ
エステルフィルムを積層する構成により、製造時のロー
ル汚染を解消するとともに、両層の厚み比を特定範囲と
することで、フィルムの柔軟性を維持した微細気泡含有
積層ポリエステルフィルム、および艶光りせず柔軟性の
あるシールプリント用台紙を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく種々検討を重ねた結果、微細気泡含有ポリ
エステルフィルムに、実質的に微細気泡を含有しないポ
リエステルフィルムを積層する本発明の積層フィルムに
おいて、両層の厚み比がフィルム全体の柔軟性の因子の
一つとなっているとの知見を得、本発明を完成するに至
った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、微細気泡含有
ポリエステルA層の少なくとも片面に最表層となるポリ
エステルB層を積層してなり、ポリエステルA層はポリ
エステルに対して非相溶な熱可塑性樹脂を5〜45重量
%含有しかつ密度が0.40〜1.30g/cm3 であ
り、A層の厚さTA とB層全てのフィルム厚さTB の比
(TA /TB )が10〜500であることを特徴とする
微細気泡含有積層ポリエステルフィルムおよびそのフィ
ルムからなるシールプリント用台紙に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の微細気泡含有積層ポリエステルフィルム(以
下、単に積層フィルムと略記する)は、微細気泡含有ポ
リエステルA層(以下、単にA層と略記する)の少なく
とも片面に、最表層となる実質的に微細気泡を含有しな
いポリエステルB層(以下、単にB層と略記する)を積
層してなる。そして、A層に含有する微細気泡は、例え
ば本発明の積層フィルムの製造工程において、ポリエス
テル中に非相溶樹脂が分散した未配向シートを少なくと
も1軸方向に延伸することにより形成される。
【0008】本発明では、A層のフィルム厚さTA とB
層全てのフィルム厚さTB の比(T A /TB )が10〜
500でなければならない。後述するように、A層単独
では、ポリエステルに対して非相溶な熱可塑性樹脂を5
〜45重量%含有しかつ密度が0.40〜1.30g/
cm3 であるので十分に柔軟性を有しているが、これに
B層を積層し、B/A/BもしくはB/Aの構成とする
と、B層は実質的に微細気泡を含有しないため、B層の
比率が大きくなるにつれ、フィルム全体の柔軟性が失わ
れる傾向にある。TA /TB は、好ましくは50〜50
0であり、さらに好ましくは80〜500である。TA
/TB が10未満では、フィルムの柔軟性が不足し、シ
ール用台紙としての適性に欠ける。またTA /TB が5
00を超えると、もはやB層が薄くなりすぎ、A層上の
非相溶樹脂が、キャストロール、延伸ロール等を汚染す
る。
【0009】本発明の積層フィルムの各層を構成するポ
リエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステ
ルとグリコールとを主たる出発原料として得られるポリ
エステルであり、繰り返し構造単位の80%以上がエチ
レンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフ
タレート単位を有するポリエステルを指す。そして、上
記の範囲を逸脱しない条件下であれば、他の第三成分を
含有していてもよい。
【0010】芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフ
タル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、
例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ
安息香酸等)等の一種または二種以上を使用することが
できる。グリコール成分としては、エチレングリコール
以外に、例えば、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二
種以上を用いることができる。
【0011】A層を構成するポリエステルのフィルム段
階の固有粘度は、通常0.45以上であり、好ましくは
0.50以上である。固有粘度が0.45未満の場合
は、製膜時にフィルム破断が起こりやすくなり、かつ気
泡の大きさが不均一になって密度のコントロールが難し
くなるため生産性が低下する傾向がある。一方、その上
限は、ポリエステル製造時の生産性の点から、通常1.
0以下である。
【0012】B層を構成するポリエステルのフィルム段
階の固有粘度はA層の場合と同一であっても異なってい
てもよいが、表面層であるB層の方がA層より高い固有
粘度を有する場合には、製膜時の破断が防止され、かつ
表面からの粒子脱落も起こり難くなるため好ましい。前
述のとおり、本発明のフィルムのA層は、通常、非相溶
な熱可塑性樹脂を配合したポリエステルをフィルム化す
ることにより得られる。ポリエステルに非相溶な熱可塑
性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン、ポリメチルブテン等のポリオ
レフィンのほか、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンサルファイド、液晶ポリエステル等が挙げ
られるが、これらの中では、コストや生産性の観点から
ポリプロピレンが好ましい。
【0013】上記のポリプロピレンとしては、通常95
モル%以上、好ましくは98モル%以上がプロピレン単
位を有する結晶性ポリプロピレンホモポリマーが好まし
い。非晶性ポリプロピレンの場合は、フィルム製造工程
において未配向ポリエステルシートの表面にポリプロピ
レンがブリードアウトし、A層/B層の2層構造の場合
は、A層により冷却ドラムや延伸ロール等の表面が汚染
される傾向がある。また、プロピレン以外の単位、例え
ばエチレン単位が5モル%を超えて共重合されているポ
リプロピレンの場合は、独立気泡の形成が不足する傾向
にある。
【0014】上記のポリプロピレンのメルトフローイン
デックス(MFI)は、通常0.5〜30g/10分、
好ましくは1.0〜15g/10分の範囲から選択され
る。MFIが0.5g/10分未満の場合は、生成する
気泡が大きくなりすぎ、延伸時に破断が起こりやすく、
MFIが30g/10分を超える場合は、延伸装置であ
るテンターにおけるクリップ外れが起こりやすく、ま
た、密度の経時的均一性が悪化して密度コントロールが
難しくなり、その結果、生産性が悪化することがある。
なお、以下の説明においては、ポリエステルに対して非
相溶な熱可塑性樹脂をポリプロピレンで以て代表する。
【0015】A層中ポリエステルのポリプロピレンの含
有量は、ポリエステルとの合計量に対する割合として、
5〜45重量%である必要があり、好ましくは5〜35
重量%、さらに好ましくは10〜25重量%の範囲とす
る。ポリプロピレンの含有量が5重量%未満の場合は、
フィルム中に形成される気泡の量が少なすぎるため、十
分に軽量化されかつクッション性を備えた積層フィルム
を製造することができない。一方、ポリプロピレンの含
有量が45重量%を超える場合は、積層フィルムの機械
的強度や熱安定性が不足し、しかも、積層フィルム表面
の粗度が大きくなりすぎる。かかる積層フィルムは、風
合いおよび鮮明な印刷性が要求される受像紙に不適当で
ある。また、ポリプロピレンの含有量が45重量%を超
える場合は、延伸時にフィルム破断が頻発するといった
生産性上の問題が生じることもある。
【0016】本発明においては、フィルム化工程(延伸
工程)で形成される気泡の大きさをコントロールするこ
とにより、A層の密度、クッション性および積層フィル
ム表面の粗度を所望の範囲とすることが好ましく、A層
を構成するポリエステル中に界面活性剤を含有させるこ
とによってコントロールすることができる。上記の界面
活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界
面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が
挙げられるが、これらの中では非イオン性界面活性剤、
特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。シリコーン系
界面活性剤としては、オルガノポリシロキサン−ポリオ
キシアルキレン共重合体や、ポリオキシアルキレン側鎖
を有するアルケニルシロキサン等が挙げられる。A層を
構成する原料中の界面活性剤の含有量は、通常0.00
1〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%
の範囲とされる。界面活性剤の含有量が1.0重量%を
超える場合は、界面活性剤の効果が向上しないのに加
え、押出機でのトラブルや、ポリエステルの劣化を引き
起こすことがある。
【0017】A層の密度は、0.40〜1.30g/c
3 であり、好ましくは0.60〜1.20g/cm
3 、さらに好ましくは0.70〜1.10g/cm3
範囲とする。A層の密度が1.30g/cm3 を超える
場合は、気泡の含有量が少なすぎ、本発明の積層フィル
ムの特徴であるクッション性が損なわれる傾向がある。
一方、A層の密度が0.40g/cm3 未満の場合は、
積層フィルムの機械的強度や熱安定性が不足し、受像紙
としての品質上、また、生産連続性の面からも悪影響が
ある。
【0018】B層はポリエステルに対して非相溶な熱可
塑性樹脂を実質的に含有しない層であることが好まし
く、その密度は通常1.30g/cm3 以上、好ましく
は1.35〜1.50g/cm3 の範囲とする。本発明
の積層フィルムの最表層である、B層の表面粗度Ra
は、通常0.08μm以上であり、好ましくは0.10
〜0.50μmの範囲である。Raが0.08μmより
小さい場合は、フィルム表面が平坦すぎて、紙状の風合
いとは隔たった性状となる。
【0019】本発明においては、原料コスト面での利点
およびフィルム製造工程などから排出されるスクラップ
の処理量を減じるという環境への配慮から、原料ポリエ
ステルに各種の再生ポリエステルを利用してもよい。再
生ポリエステルとしては、例えば、磁気カード、PET
ボトル等から回収する再生ポリエステルや、直接重合法
工程で得られるポリエステルスクラップ等が挙げられ
る。
【0020】また、本発明の微細気泡含有ポリエステル
フィルムの製造工程から排出される耳部フィルムや使用
済製品なども使用することができる。本発明においてA
層の原料として使用されるポリエステルは、当該A層が
気泡を含有しており、また、B層によってカバーされて
いることから、表面性状に影響しない程度に大きな粒子
が含有されていたり、補正し得る範囲で着色されていて
も差し支えない。したがって、A層に使用できるポリマ
ーの許容範囲は極めて広く、コスト的なメリットは大き
い。なお、上記の微細気泡含有ポリエステルフィルム自
身の再生原料ポリエステルは、ポリエステルに対して非
相溶な熱可塑性樹脂を含有しているため、A層の原料の
みに配合するのが好ましい。
【0021】上記の再生ポリエステルは、通常、粉砕し
た後に溶融押出を行うことにより再生チップとして得ら
れるが、必ずしもチップ化する必要はなく、粉砕後、新
規のポリエステルチップとともに直接ベント付二軸押出
機に投入して使用してもよい。なお、上記の再生ポリエ
ステルの使用量は、その着色の程度などにもよるが、通
常60%を超えない範囲とするのが好ましい。
【0022】本発明の積層フィルムは、特に、シールプ
リントの台紙(離型紙)として使用する際、製品に高級
感を付与する観点から、白色でかつ高い隠蔽度を備えて
いることが好ましい。具体的には、本発明の積層フィル
ムの隠蔽度は、通常0.3以上であり、好ましくは0.
5以上である。隠蔽度が0.3未満の場合は、積層フィ
ルムの遮光性が不足し、シールプリント台紙としての価
値が低下する。
【0023】また、本発明の積層フィルムの白色度は、
JIS Z−8722の方法に準じた色調(L、a、
b)のb値で表すことができる。通常フィルムb値は+
3.0以下であり、好ましくは+1.0以下、さらに好
ましくは−1.0〜−9.0の範囲である。上記のb値
が+3.0より大きい場合は、台紙の色彩が変調し、高
級感を損なう傾向にある。
【0024】かかる白色度および隠蔽度の特性は、積層
フィルムを構成するためのポリエステル中に白色顔料を
添加することによりコントロールすることができる。さ
らに、蛍光増白剤を添加することによって白色度を一層
高めることができる。上記の白色顔料としては、例えば
二酸化チタン、硫酸バリウム、およびその他の公知の白
色顔料を使用することができる。白色顔料は2種類以上
含有させることもできるが、その場合、少なくとも二酸
化チタンまたは硫酸バリウムを含有させることが好まし
い。上記の白色顔料の平均粒径は、通常5.0μm以
下、好ましくは0.01〜3.0μmの範囲から選択さ
れる。平均粒径が5.0μmを超える場合は、積層フィ
ルム表面から白色顔料が脱落しやすくなる等の問題を生
ずる。
【0025】A層おける白色顔料の好ましい含有量は
0.5〜20重量%、さらに好ましい含有量は1.0〜
20重量%の範囲である。なお、B層中にもA層と同一
または異なる白色顔料を含有させて積層フィルムの隠蔽
度および白色度を向上させることができる。B層中の白
色顔料含有量は、0〜20重量%の範囲であることが好
ましい。
【0026】本発明において、白色顔料は、ポリエステ
ルの合成反応中に添加してもポリエステルに直接添加し
てもよい。合成反応中に添加する場合は、顔料をエチレ
ングリコール等に分散させたスラリーをポリエステル合
成の任意の段階で添加する方法が好ましい。一方、ポリ
エステルに直接添加する場合は、乾燥した添加剤とし
て、または、水あるいは沸点が200℃以下の有機溶媒
中に分散したスラリーとして、2軸混練押出機を用いて
ポリエステルに添加混合する方法が好ましい。
【0027】顔料の含有量を調節する方法としては、上
記した方法で高濃度に添加剤を含有するマスター原料を
調整し、製膜時、実質的に添加剤を含有しない原料でマ
スター原料を希釈して添加剤含有量を調節する方法が有
効である。なお、白色顔料は、必要に応じ、事前に解
砕、分散、分級、濾過等の処理を施しておいてもよい。
好適に使用し得る蛍光増白剤の例としては、チバガイギ
ー社製の商品「ユビテック」、イーストマン社製の商品
「OB−1」等が挙げられる。
【0028】積層フィルム各層の蛍光増白剤含有量は別
個に設定でき、B層に、A層より高濃度に蛍光増白剤を
含有させる場合、積層フィルム全層における蛍光増白剤
の使用量を軽減させることができ、その利用効率を高め
られるので好ましい。B層における蛍光増白剤の好まし
い含有量は、0〜0.30重量%の範囲である。なお、
本発明においては、ポリエステルまたはポリプロピレン
中に前記の白色顔料および蛍光増白剤のほかに、必要に
応じて公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止
剤、染料、顔料などの添加剤を配合することができる。
【0029】以下に、本発明の微細気泡含有積層フィル
ムの製造工程の例を説明する。まず、各層に対する配合
の原料を、共押出用押出装置の各々の層に対応する押出
機に供給する。すなわち、積層構成に応じて2または3
台以上の押出機に原料樹脂を投入し、それぞれの押出機
ライン毎に溶融混練した後、2または3層以上のマルチ
マニホールドまたはフィードブロックに導いてダイから
溶融シートとして押し出す。
【0030】例えば、層構成がB/A/Bである積層フ
ィルムを目的とする場合は、A層とB層とを構成する各
原料をそれぞれ一つの押出機から押出し、B層メルトラ
インは途中で分割することもできる。分割後のメルトラ
インにギヤポンプ等の定量フィーダーを設置し、A層の
上下に積層するB層のポリマーの流量をそれぞれに調整
して、A層の両側に積層する。B層の各厚みは、それぞ
れの流量によりコントロールされる。もちろん、A層ポ
リエステルのメルトラインにも定量フィーダーを設置す
ることが、厚み調節の上で有効である。
【0031】次に、ダイから押し出された溶融シート
を、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度にな
るように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シート
を得る。この場合、シートの平面性、冷却効果を向上さ
せるためには、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高
める必要があり、本発明においては静電印加密着法およ
び/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0032】次いで、得られたシートを少なくとも一軸
方向に延伸してフィルム化する。本発明の積層フィルム
においてA層の微細気泡は、かかる延伸によって生成さ
せる。従って微細気泡を良好に形成するとともにフィル
ムの強度や寸法安定性を適度に満足するためには、好適
な条件で延伸する必要があり、通常、次のような二軸延
伸方法および熱処理方法が好適に採用される。
【0033】まず、通常70〜150℃、好ましくは7
5〜130℃の延伸温度、通常2.7〜7倍、好ましく
は3.2〜6倍の延伸倍率の条件下、前記未延伸シート
を一方向(縦方向)に延伸する。かかる延伸にはロール
もしくはテンター方式の延伸機を使用することができ
る。次いで通常75〜150℃、好ましくは80〜14
0℃の延伸温度、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0
〜6倍の延伸倍率の条件下、一段目と直交する方向(横
方向)に延伸を行い二軸配向フィルムを得る。かかる延
伸には、テンター方式の延伸機を使用することができ
る。
【0034】上記の一方向の延伸を2段階以上で行う方
法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸
倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前記
未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同
時二軸延伸することも可能である。熱処理は、150〜
250℃で、30%以内の伸長、制限収縮または定長下
で1秒〜5分間行う。二軸延伸後、さらに110℃〜1
80℃の温度で縦方向に1.05〜2.0倍再延伸を行
った後、熱処理する方法も採り得る。この際、再縦延伸
前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸前または後微小
倍率縦延伸等の手法を適宜採用することも可能である。
また、同様に横方向に再延伸を行ってもよい。また、必
要に応じて製膜工程内で各種の表面処理等を施しても構
わない。
【0035】本発明の積層フィルムの全体厚さは、通常
20〜250μm、好ましくは50〜200μmの範囲
である。本発明の積層フィルムは、その特徴を生かし、
プリンター受像紙、ラベル、記録紙、ポスター、平版印
刷板、包装材料、付箋などに好適に使用されるが、特
に、シールプリント用台紙として好適に使用される。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例における評価方法は以下に示すとおりである。ま
た、実施例および比較例中の成分比の「部」は全て「重
量部」を意味し、蛍光増白剤として、イーストマン社製
の商品「OB−1」、シリコーン系界面活性剤は、東レ
シリコーン(株)製「SH193」を示す。 (1)ポリエステルの固有粘度〔η〕 (dl/g) ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および粒子を
除去したポリエステル1gに対し、フェノール/テトラ
クロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒100
mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0037】(2)フィルム各層の層厚み観察 透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察
にて行った。すなわち、横方向に切断したフィルムサン
プルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合し
た樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて切削し
て断面観察用サンプルとした。当該断面を日立(株)製
透過型電子顕微鏡H−9000を用いて撮影し、各層の
厚みを測定した。ただし、加速電圧は300kV、倍率
は最表層厚みに応じ、1千倍〜10万倍の範囲で設定し
た。厚み測定は50点行い、測定値の厚い方から10
点、薄い方から10点を削除して30点を平均して測定
値とした。
【0038】(3)フィルム密度(g/cm3 ) フィルムの任意の部分から10cm×10cmの正方形
のサンプルを切り出し、重量を測定した。次いでマイク
ロメーターで任意の9ヶ所の厚みを測定し、その平均値
と重量とから単位体積当たりの重量を計算した。測定数
はn=5とし、その平均値をフィルム密度とした。さら
にそれぞれの層厚み観察後、フィルム表面のB層をミク
ロトームにて切削し、密度勾配管を用いてA層の密度を
測定し、その密度値および厚さ比から他層(A層)の密
度値を算出した。
【0039】(4)中心線平均表面粗さRa 小坂研究所製の万能表面形状測定器SEー3Fを用いて
測定した。下記の条件でサンプルの片面につき12回測
定し、上下2点を除いた10点の平均値をとり、さらに
両面の平均値にて代表値とした。 ・触針先端径 :2μm ・測定力 :0.03gf ・測定長 :2.5mm ・カットオフ値:0.08mm ・縦倍率 :10,000倍
【0040】(5)白色度(b値) 東京電色(株)製カラーアナライザー TC−1800
MKII型を用いて、JIS Z−8722の方法に準じ
てフィルムの色調(L、a、b)を測定し、b値をもっ
て白色度とした。b値が+側に大きいと黄色味が強いこ
とを示す。測定は3点行い、その平均値を測定値とし
た。 (6)隠蔽度 マクベス濃度計TDー904型を使用し、ビジュアル光
による透過濃度を測定した。測定は5点行い、その平均
値を隠蔽度値とした。この値が大きい程光線の透過率が
低いことを示す。
【0041】(7)白色顔料の平均粒径および粒度分布
値 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP
3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率5
0%の粒径を平均粒径とした。 (8)メルト・フロー・インデックス M・F・I
(g/10分) JIS K−6758−1981に準じて測定した。こ
の値が高いほどポリマーの溶融粘性が低いことを示す。
【0042】(9)生産時のキャストロール汚れ 実施例にある製造条件にて5日間連続して運転した後
に、キャストロールを観察し、表面が清浄な場合は○、
汚れが蓄積している場合は×とした。 (10)シール用台紙としての適性評価 積層フィルムの艶消し感を目視にて、柔軟性を手触りで
判定し、高品質と認められるものを○、やや劣るが実用
可能なものを△、実用上問題あるものを×として評価し
た。
【0043】実施例1 固有粘度0.69のポリエチレンテレフタレートチップ
に対し、結晶性ポリプロピレンチップ13重量%、酸化
チタン2.4重量%、蛍光増白剤0.05重量%および
シリコーン系界面活性剤0.1重量%を配合した後、均
一にブレンドしてポリエステル原料Aを調整した。固有
粘度0.69のポリエチレンテレフタレートチップに対
し、酸化チタン2.4重量%と蛍光増白剤0.05重量
%を配合した後、均一にブレンドしてポリエステル原料
Bを調整した。
【0044】上記の各原料を各々別個の押出機中に投入
し290℃にて溶融し、得られた各溶融体を一つのダイ
に導き、原料Aが内層、原料Bがその両外層となるよう
に溶融積層してスリット状に押出し、40℃のキャスト
ロール上にて冷却し、2種3層の共押出未配向シートを
得た。そしてフィルムの流れ方向(縦方向)に85℃で
3.4倍延伸した後、さらに横方向に110℃で3.1
倍延伸し、230℃で5秒間熱処理を行い、最終的にフ
ィルムの各層厚み:B/A/B=0.5/100/0.
5μm、密度0.98g/cm3 の二軸配向フィルムを
得た。
【0045】実施例2 実施例1において、フィルムの各層厚みをB/A/B=
2.5/100/2.5μmとする以外は同様にして、
密度1.00g/cm3 の二軸配向フィルムを得た。 比較例1 実施例1において、フィルムの各層厚みをB/A/B=
8.3/83/8.3μmとする以外は同様にして、密
度1.05g/cm3 の二軸配向フィルムを得た。 比較例2 実施例1において、B層を設けずにA層原料のみを用い
る以外は同様にして、厚み100μm、密度0.98g
/cm3 の二軸配向フィルムを得た。
【0046】実施例3 実施例1のフィルムを製造した際に発生したスクラップ
を二軸押出機にて溶融押出しし、再生原料チップXを得
た。該再生チップ中のポリエチレンテレフタレートの固
有粘度は0.61であった。固有粘度0.66のポリエ
チレンテレフタレートチップに、上記再生原料Xを20
重量%、実施例1で用いた結晶性ポリプロピレンチップ
を13重量%、蛍光増白剤としてOB1を0.04重量
%配合し、さらに酸化チタンと界面活性剤を実施例1と
同様に配合し均一とした原料Cを調整した。固有粘度
0.65のポリエチレンテレフタレートチップに、実施
例1と同様に酸化チタンおよび蛍光増白剤を配合し均一
とした原料Dを調整した。
【0047】上記各々の原料を用い、実施例1と同様に
して原料Cが内層、原料Dがその両外層となる2種3層
の共押出未配向シートを得た。そしてフィルムの流れ方
向(縦方向)に85℃で3.4倍延伸した後、さらに横
方向に110℃で3.1倍延伸し、230℃で5秒間熱
処理を行い、最終的にフィルムの各層厚み:D/C/D
=0.5/100/0.5μm、密度1.00g/cm
3 の二軸配向フィルムを得た。
【0048】実施例4 実施例3において、フィルムの各層厚みをD/C/D=
2.5/100/2.5μmとする以外は同様にして、
密度1.02g/cm3 の二軸配向フィルムを得た。以
上、得られたフィルムの物性測定値および実用評価結果
を下記表1にまとめて示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の微細気泡含有積層ポリエステル
フィルムは、微細な独立気泡を含有する層により単位体
積当たりの重量が軽減されており、しかも、これに積層
する実質的に微細気泡を含有しないポリエステル層の厚
みを特定範囲とすることで、フィルムの柔軟性を損なう
ことなく、製造時に微細気泡含有層がキャストロールや
延伸ロールの表面を汚染する問題を解消している。当該
フィルムは、特にシールプリント用台紙として使用する
際には、高度な品質を満足することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細気泡含有ポリエステルA層の少なく
    とも片面に最表層となるポリエステルB層を積層してな
    り、ポリエステルA層はポリエステルに対して非相溶な
    熱可塑性樹脂を5〜45重量%含有しかつ密度が0.4
    0〜1.30g/cm3 であり、A層の厚さTA とB層
    全てのフィルム厚さTB の比(TA /T B )が10〜5
    00であることを特徴とする微細気泡含有積層ポリエス
    テルフィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の微細気泡含有積層ポリ
    エステルフィルムからなることを特徴とするシールプリ
    ント用台紙。
JP18484596A 1996-03-12 1996-07-15 微細気泡含有積層ポリエステルフィルムおよびシールプリント用台紙 Pending JPH1029286A (ja)

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EP00126210A EP1110716A3 (en) 1996-03-12 1997-03-10 Laminated polyester film
EP97103984A EP0795399A1 (en) 1996-03-12 1997-03-10 Laminated polyester film
KR1019970008276A KR970064911A (ko) 1996-03-12 1997-03-12 적층 폴리에스테르 필름
US09/151,402 US6136420A (en) 1996-03-12 1998-09-11 Laminated polyester film

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020011494A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 東洋紡株式会社 空洞含有ポリエステル系樹脂フィルム

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