JP3982774B2 - 微細気泡含有ポリエステルフィルムおよび当該フィルムからなるビデオプリンター用受像紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細気泡含有ポリエステルフィルムおよびそのフィルムからなるビデオプリンター用受像紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルムは、各種の特性を高度にバランス良く有し、コストパフォーマンスの点で優れるため、産業用資材として広く用いられている。それらの中でも、非相溶な熱可塑性樹脂を配合したポリエステルをフィルム化した微細気泡含有ポリエステルフィルムは、軽量でかつクッション性を備えた白色不透明フィルムとして、例えばシールプリント用台紙などの合成紙、磁気カード等の用途に使用されている。特に微細気泡含有ポリエステルフィルムはそのクッション性が重んじられ、画像をプリントしてシールとした製品の受像紙や台紙(離型紙)として使用されている。
【0003】
最近では、ビデオ画像を直接プリントするハガキ大の受像紙としても微細気泡含有ポリエステルフィルムが使用されている。しかしながら、微細気泡含有ポリエステルフィルムを用いた場合、画像を精細にプリントすることと、受像紙の搬送性を向上させるという二律背反する要求特性を満足させることができない。
すなわち、微細気泡含有ポリエステルフィルムの製造は、押出機にてポリエステルおよび非相溶な熱可塑性樹脂を溶融、混練し、口金からキャストロール上に流下、冷却し無定形シートとなすという工程を経る。この工程で、ポリエステルに対して非相溶な熱可塑性樹脂とキャストロール表面材との親和力が強いため、非相溶な熱可塑性樹脂がポリエステル表面から脱離してキャストロール上に蓄積し、その結果、フィルムのキャスト面の光沢度が低くなり、プリント面として要求される高光沢を満たさなくなるのである。さらにこの蓄積物が著しくなると、フィルムのキャスト面に不均一な文様を転写することとなり、プリントに用いる際の製品品質にも致命的な欠陥となることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これまで達成することのできなかった、優れた画像受像能および搬送性の二律背反する特性を有するビデオプリンター用受像紙を提供することを解決課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定構成の微細気泡含有ポリエステルフィルムが得られ、そのフィルムによれば上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルに対して非相溶である熱可塑性樹脂を3〜30重量%含有するポリエステル組成物を少なくとも1軸方向に延伸してなる微細気泡含有ポリエステルフイルムであって、当該フィルムの表裏の光沢度差が3%以上であり、かつ高光沢側の光沢度が25%以上であり、前記熱可塑性樹脂が高級脂肪酸アミドを0.005〜2.0重量%含有することを特徴とする微細気泡含有ポリエステルフイルム、およびそのフィルムからなるビデオプリンター用受像紙に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコ−ルとを主たる出発原料として得られるポリエステルであり、例えば繰り返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレ−ト単位またはエチレン−2,6−ナフタレ−ト単位を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件下であれば、他の第三成分を含有していてもよい。
【0007】
芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等の一種または二種以上を使用することができる。グリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル以外に、例えば、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコール、ブタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の一種または二種以上を用いることができる。
【0008】
本発明による微細気泡含有ポリエステルフィルムは、非相溶性である熱可塑性樹脂を含有したポリエステルを、少なくとも一軸方向に延伸することにより得られる。
ポリエステルに対して非相溶な熱可塑性樹脂の含有量An は、ポリエステルとの合計量に対する割合として、3〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量%の範囲である。An が3重量%未満の場合は、フィルム中に形成される気泡の量が少な過ぎるため、十分に軽量化されかつクッション性を備えたフィルムを製造することができない。一方、An が30重量%を超える場合は、フィルムの機械的強度や熱安定性が不足し、しかもフィルム表面の粗度が大きくなり過ぎる。かかるフィルムは、風合いおよび鮮明な印刷性が要求される受像紙等の用途には不適当になる。またAn が30重量%を超える場合は、延伸時にフィルム破断が頻発するといった生産性上の問題が生じることもある。
【0009】
特に本発明では、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂中に、炭素数10以上の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩および高級脂肪酸アミドから選ばれる滑剤を含有(例えば練込み含有)させることが好ましい。滑剤の例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸エチル、ステアリン酸−n−ブチル、エチレングリコールモノステアレート、ステアリン酸モノグリセリド、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カドミウム、中性ステアリン酸鉛、、二塩基性ステアリン酸鉛、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、モンタン酸ナトリウム、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、n−オレイルパルミトアミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
【0010】
これらの中でも高級脂肪酸アミドが好ましく、特にオレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の高級不飽和脂肪酸アミドによれば滑剤効果が高くなり、好ましい。
ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂中における上記滑剤の含有量は、通常0.005〜2.0重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%の範囲である。滑剤の含有量が0.005重量%未満の場合、キャストロールにおいてポリエステルからの熱可塑性樹脂の脱離を抑える効果が小さくなる。一方、滑剤の含有量が2.0重量%を超える場合、熱可塑性樹脂の脱離を抑える効果が飽和し、フィルムの白色度を低下させるなど、品質面に悪影響をきたす恐れがある。
【0011】
またポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリメチルブテン等のポリオレフィンのほか、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリエステル等が挙げられるが、これらの中では、コストや生産性の観点からポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレンが好ましく、さらに好ましくはポリプロピレンである。なお、以下の説明においては、ポリエステルに対して非相溶な熱可塑性樹脂をポリプロピレンで以て代表する。
【0012】
上記のポリプロピレンとしては、通常95モル%以上、好ましくは98モル%以上がプロピレン単位を有する結晶性ポリプロピレンホモポリマーが好ましい。非晶性ポリプロピレンを用いた場合は、フィルム製造工程において未配向ポリエステルシートの表面にポリプロピレンがブリードアウトし、冷却ドラムや延伸ロール等の表面が汚染されることがある。また、プロピレン単位以外の例えばエチレン単位が5モル%を超えて共重合されているポリプロピレンの場合は、微細気泡の生成が不足する傾向がある。
【0013】
上記のポリプロピレンのメルトフローインデックス(MFI)は、通常0.5〜30g/10分、好ましくは1.0〜15g/10分の範囲から選択される。MFIが0.5g/10分未満の場合は、生成する気泡が大きくなり、延伸時に破断が起こりやすくなる傾向があり、MFIが30g/10分を超える場合は、フィルム密度の経時的均一性が悪化して、製造ラインにて生産性が悪化することがある。
【0014】
本発明の微細気泡含有ポリエステルフィルムの光沢度は、JIS Z 8741−1983の方法3によって表すことができ、フィルム表裏の光沢度差は3以上でかつ高光沢側の光沢度が25以上である必要がある。
フィルム表裏の光沢度差が3未満の場合、受像面およびその裏面(フィルムの搬送性に寄与)に要求される異なる表面特性を満足できない。すなわち異なる光沢度を有するフィルムの高光沢面を受像面として使用するが、受像面がその裏面と等しく低光沢であると、受容したプリントに精細さが欠ける。また、裏面が受像面と等しく高光沢であると、プリンターに単枚で給紙されない、いわゆる重送と言う問題が生じる。好ましい光沢度差は5以上であり、さらに好ましくは10以上である。
【0015】
また高光沢側の光沢度が25未満であると、同じく受容したプリントが精細さを欠いてしまう。好ましい高光沢側の光沢度は30以上であり、さらに好ましくは35以上である。
本発明の微細気泡含有ポリエステルフィルムを構成するポリエステルのフィルム段階の固有粘度IVA は、0.45〜0.70であることが好ましい。固有粘度が0.45未満の場合は、製膜時にフィルム破断が起こりやすくなる傾向があり、気泡の大きさが不均一になって密度のコントロールが難しくなることがある。一方、固有粘度が0.70を超えると微細気泡の生成が少なくなる傾向にある。 本発明のフィルムの密度は、通常0.70〜1.30g/cm3 、好ましくは0.80〜1.25g/cm3 、さらに好ましくは0.90〜1.20g/cm3 の範囲である。フィルム密度が1.30g/cm3 を超える場合は、本発明のフィルムが有する特徴の一つであるクッション性が損なわれる傾向がある。一方、フィルム密度が0.70g/cm3 の場合は、フィルムの機械的強度や熱安定性が不足し、品質上、また生産連続性の面でも悪影響が出ることがある。
【0016】
本発明のフィルムの表面粗度Raは、通常0.08μm以上であり、好ましくは0.10〜0.40μmの範囲である。Raが0.08μmより小さい場合は、微細気泡含有フィルム独特の紙状の風合いが劣る傾向がある。
本発明のフィルムは、特に受像紙やシールプリントの台紙として使用される際、製品に高級感を付与する観点から、白色でかつ高い隠蔽度を備えていることが好ましい。
【0017】
本発明のフィルムには、白色性、隠蔽性を付与するため、二酸化チタン、硫酸バリウム、およびその他の白色顔料を添加してもよい。さらに白色度を一層高めるため、蛍光増白剤を添加することも有効である。
白色顔料は2種類以上含有させることもできるが、その場合、少なくとも二酸化チタンまたは硫酸バリウムを含有させることが好ましい。
【0018】
総原料中の白色顔料の含有量は、0.5〜20重量%、さらには1.0〜15重量%の範囲が好ましい。
本発明において好適に使用し得る蛍光増白剤の例としては、チバガイギー社製の商品「ユビテック」、イーストマン社製の商品「OB1」等が挙げられる。総原料中の蛍光増白剤の含有量は、0〜0.30重量%の範囲が好ましい。
【0019】
本発明のフィルムの隠蔽度は、通常0.3以上であり、好ましくは0.5以上である。隠蔽度が0.3未満の場合は、受像紙やシールプリントとしての実用性が低下する傾向がある。
また本発明のフィルムの白色度は、JIS L 1015−1981のC法によるW値で表すことができる。フィルムのW値は通常70以上であり、好ましくは80以上である。W値が70より小さい場合には、色彩の変調により、受像紙やシールプリントとしての高級感を損なう傾向がある。
【0020】
なお、本発明においては、ポリエステルおよび/またはポリプロピレン中に前記の白色顔料および蛍光増白剤のほかに、必要に応じて公知の酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、界面活性剤などの添加剤を配合することができる。
本発明のフィルムの製造においては、所定に配合されたポリマーを溶融、押出しした後、少なくとも一軸方向にロール延伸法、テンター法等に従って延伸を施す。ただし、微細気泡を良好に形成するとともにフィルム強度や寸法安定性を適度に満足するためには、通常、二軸延伸方法および熱処理方法が併用される。
【0021】
以下、本発明のフィルムの製造において、二軸延伸を用いた場合の一例を詳細に説明する。
フィルムは単一の原料からなるもの(単層フィルム)でも、また複数の層から構成されるもの(積層フィルム)でもよい。まず、各層に対する配合の原料を、各層に対応する押出機に供給し、各押出機ライン毎に溶融混練した後、ダイから溶融シートとして押し出す。積層シートとする際には、各層のポリマーを、通常マルチマニホールドまたはフィードブロックを経てダイへ導く。
【0022】
次に、ダイから押し出された溶融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性、冷却効果を向上させるためには、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法が好ましく採用される。
【0023】
次いで、得られたシートを二軸方向に延伸してフィルム化する。本発明のポリエステルフィルムに含有する微細気泡は、かかる延伸によって生成される。
まず、通常70〜150℃、好ましくは75〜130℃の延伸温度、通常2.5〜6.0倍、好ましくは3.0〜5.0倍の延伸倍率の条件下、前記未延伸シートを一方向(縦方向)に延伸する。かかる延伸にはロールおよびテンター方式の延伸機を使用することができる。次いで通常75〜150℃、好ましくは80〜140℃の延伸温度、通常2.5〜6.0倍、好ましくは3.0〜5.0倍の延伸倍率の条件下、一段目と直交する方向(横方向)に延伸を行い二軸配向フィルムを得る。かかる延伸には、テンター方式の延伸機を使用することができる。
【0024】
上記の一方向の延伸を2段階以上で行う方法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が7〜30倍になるように同時二軸延伸することも可能である。熱処理は、150〜250℃で、30%以内の伸長、制限収縮または定長下で1秒〜5分間行う。二軸延伸後、さらに110℃〜180℃の温度で縦方向に1.05〜2.0倍再延伸を行った後、熱処理する方法も採り得る。この際、再縦延伸前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸前または後微小倍率縦延伸等の手法を適宜採用することも可能である。また、同様に横方向に再延伸を行ってもよい。また、必要に応じて製膜工程内で各種の表面処理等を施しても構わない。
【0025】
本発明のフィルムは、例えば上述の方法により製造することができるが、フィルムの厚さは、通常20〜250μm、好ましくは40〜200μmの範囲である。
またその特徴を生かし、プリンター受像紙、シールプリント用台紙、ラベル、記録紙、ポスター、平版印刷板、包装材料、付箋などに好適に使用される。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法は以下に示すとおりである。また、実施例および比較例中の成分比の「部」は全て「重量部」を意味し、シリコーン系界面活性剤は、東レシリコーン(株)製「SH193」を示す。
(1)ポリエステルの固有粘度〔η〕 (dl/g)
ポリエステルに非相溶なポリマー成分および白色顔料を除去したポリエステル1gに対し、フェノ−ル/テトラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒を100mlの比で加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)メルト・フロー・インデックス M・F・I (g/10分)
JIS K−6758−1981によって測定した。この値が高いほどポリマーの溶融粘性が低いことを示す。
(3)白色顔料の平均粒径
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径とした。
(4)光沢度(%)
JIS Z−8741−1983の方法3によって、光の入射をMD方向として測定した。各面につき、測定数を3として、その平均値を光沢度とした。
(5)フィルム密度(g/cm3)
フィルムの任意の部分から10cm×10cmの正方形のサンプルを切り出し、重量を測定した。次いでマイクロメーターで任意の9ヶ所の厚みを測定し、その平均値と重量とから単位体積当たりの重量を計算した。測定数を5とし、その平均値をフィルム密度とした。
(6)中心線平均表面粗さRa
小坂研究所製の万能表面形状測定器SE−3Fを用いて測定した。下記の条件でサンプルの片面(キャスト面)につき12回測定し、上下2点を除いた10点の平均値をとった。
【0027】
・触針先端径:2μm ・測定力:0.03gf
・測定長 :2.5mm ・カットオフ値:0.08mm
(7)隠蔽度
マクベス濃度計TD−904型を使用し、ビジュアル光による透過濃度を測定した。測定数は5とした。この値が大きいほど光線透過率が低いことを示す。
(8)白色度(W値)
日本電色工業(株)製測色計300A型(C光源2゜視野)を用いて、JISL1015−1981のC法により測定した。測定数を5とし、フィルム両面の平均値を白色度とした。
(9)プリント時の画像精細度の評価
ビデオプリンター(シャープ社製GZ−P11W)を使用し、フィルム高光沢側の面上に熱転写記録を行い、得られたハードコピーの画質を目視にて観察し、画像の精細度の観点から、高品質と認められるものを◎、◎に比べやや劣るが実用可能なレベルのものを○、精細度に欠け実用上問題あるものを×、として評価した。
(10)生産時のキャストロール汚れ
実施例にある製造条件にて1時間連続して運転した後に、キャストロール表面の蓄積物(汚れ)を回収し、秤量した。回収物の重量を、実施例1の値との比で表した。
【0028】
実施例1
固有粘度0.69のポリエチレンテレフタレートチップに対し、滑剤としてオレイン酸アミドを0.25重量%含有するM・F・Iが10g/10分の結晶性ポリプロピレンチップ13重量%、平均粒径0.3μmの酸化チタン2.4重量%および蛍光増白剤OB1を0.05重量、それぞれ配合した後、均一にブレンドしてポリエステル原料Xを調整した。
【0029】
上記の原料Xをの押出機中に投入後280℃で溶融し、得られた溶融体をTダイスに導き、スリット状に押出し、22℃のキャストロール上にて冷却し未配向シートを得た。そしてフィルムの流れ方向(縦方向)に83℃で3.2倍ロール延伸した後、さらに横方向に115℃で3.2倍テンター延伸し、さらにテンター延伸機内で230℃で5秒間熱処理を行い、最終的に厚さ50μmの微細気泡を含有する二軸配向フィルムを得た。
【0030】
実施例2
実施例1において、滑剤としてエルカ酸アミド0.015重量%を含有するM・F・Iが10g/10分の結晶性ポリプロピレンチップを用いる以外は実施例1と同様にして、微細気泡を含有する二軸配向フィルムを得た。
実施例3
実施例1において、滑剤としてステアリン酸アミド0.25重量%を含有するM・F・Iが10g/10分の結晶性ポリプロピレンチップを用いる以外は実施例1と同様にして、微細気泡を含有する二軸配向フィルムを得た。
【0031】
比較例1
実施例1において、滑剤を含有しないM・F・Iが10g/10分の結晶性ポリプロピレンチップを用いる以外は実施例1と同様にして、微細気泡を含有する二軸配向フィルムを得た。
表1に実施例および比較例における1時間連続生産時点の各フィルム物性をまとめて示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、両面に特定の光沢度を有するフィルムおよび優れた特性を有する受像紙を提供することができ、その工業的価値は非常に高い。
Claims (3)
- ポリエステルに対して非相溶である熱可塑性樹脂を3〜30重量%含有するポリエステル組成物を少なくとも1軸方向に延伸してなる微細気泡含有ポリエステルフイルムであって、当該フィルムの表裏の光沢度差が3%以上であり、かつ高光沢側の光沢度が25%以上であり、前記熱可塑性樹脂が高級脂肪酸アミドを0.005〜2.0重量%含有することを特徴とする微細気泡含有ポリエステルフイルム。
- ポリエステルに対して非相溶である熱可塑性樹脂がポリプロピレンである請求項1に記載の微細気泡含有ポリエステルフイルム。
- 請求項1または2に記載の微細気泡含有ポリエステルフィルムからなるビデオプリンター用受像紙。
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