JPH11130887A - 微細気泡含有ポリエステルフィルムおよびビデオプリンター用受像紙 - Google Patents

微細気泡含有ポリエステルフィルムおよびビデオプリンター用受像紙

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JPH11130887A
JPH11130887A JP9294034A JP29403497A JPH11130887A JP H11130887 A JPH11130887 A JP H11130887A JP 9294034 A JP9294034 A JP 9294034A JP 29403497 A JP29403497 A JP 29403497A JP H11130887 A JPH11130887 A JP H11130887A
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polyester
film
polyester film
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JP9294034A
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Takashi Hibiya
隆志 日比谷
Takatoshi Miki
崇利 三木
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Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
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Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント性および搬送性が優れたポリエステ
ルフィルムおよびそれからなるビデオプリンター受像紙
を提供する。 【解決手段】 ポリエステルに対して非相溶である熱可
塑性樹脂を3〜30重量%含有するポリエステル組成物
を少なくとも1軸方向に延伸してなる微細気泡含有ポリ
エステルフイルムであって、当該フィルムの表裏の光沢
度差が3%以上でかつ高光沢側の光沢度が25%以上で
あり、高光沢側の表面粗さRaが0.06〜0.25μ
mであることを特徴とする微細気泡含有ポリエステルフ
イルム、およびそれからなるビデオプリンター用受像
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細気泡含有ポリ
エステルフィルムおよびそれからなるビデオプリンター
用受像紙に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、各種の特性を
高度にバランス良く有し、コストパフォーマンスの点で
優れるため、産業用資材として広く用いられている。そ
して、非相溶な熱可塑性樹脂を配合したポリエステルを
フィルム化した微細気泡含有ポリエステルフィルムは、
軽量でかつクッション性を備えた白色不透明フィルムと
して、例えばシールプリント用台紙などの合成紙、磁気
カード等の用途に使用されている。特に微細気泡含有ポ
リエステルフィルムはそのクッション性が重んじられ、
画像をプリントしてシールとした製品の受像紙や台紙
(離型紙)として使用されている。
【0003】最近では、ビデオ画像を直接プリントする
ハガキ大の受像紙としても微細気泡含有ポリエステルフ
ィルムが使用されているが、一枚の受像紙の表裏には異
なる特性が要求されている。すなわち画像をプリントす
る表面には、精細な印刷を受容するための高光沢(低い
粗度)が望まれる。一方、その反対面(裏面)には、受
像紙の搬送性を保つための低光沢(高い粗度)が望まれ
る。この裏面の光沢が高いと受像紙がプリンターに単枚
で搬送されない(重送)と言う問題が生じるのである。
【0004】微細気泡含有ポリエステルフィルムは、押
出機にてポリエステルおよび非相溶な熱可塑性樹脂を溶
融、混練し、口金からキャストロール上に流下、冷却し
無定形シートとし、次いで、縦延伸、横延伸、熱処理す
ることにより製造される。この工程中、ポリエステルお
よび非相溶な熱可塑性樹脂からなる溶融体がキャストロ
ールに流下、接触するため、理論的にはキャストロール
接触面(キャスト面)が非接触面(エアー面)よりも低
粗度となり、その結果、得られる延伸フィルムの光沢度
も、キャスト面の方がエアー面よりも高光沢となる。そ
の結果、キャスト面をプリント面に、エアー面をその裏
面として使用することは、上述の受像紙の重送問題を解
消する上で好ましいことと言える。
【0005】しかし、ポリエステルに対して非相溶な熱
可塑性樹脂とキャストロール表面材との親和力が強いた
め、非相溶な熱可塑性樹脂がポリエステル表面から脱離
してキャストロール上に蓄積し、その結果、フィルムの
キャスト面の光沢度が低くなり、すなわちエアー面との
光沢度差が小さくなり、プリント面として要求される高
光沢を満たさなくなるのである。さらにこの蓄積物が著
しくなると、フィルムのキャスト面に不均一な文様を転
写することとなり、プリントに用いる際の製品品質にも
致命的な欠陥となることがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みなされたものであって、その解決課題は、プリント性
および搬送性が優れたポリエステルフィルムおよびそれ
からなるビデオプリンター受像紙を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用することに
より、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、
ポリエステルに対して非相溶である熱可塑性樹脂を3〜
30重量%含有するポリエステル組成物を少なくとも1
軸方向に延伸してなる微細気泡含有ポリエステルフイル
ムであって、当該フィルムの表裏の光沢度差が3%以上
でかつ高光沢側の光沢度が25%以上であり、高光沢側
の表面粗さRaが0.06〜0.25μmであることを
特徴とする微細気泡含有ポリエステルフイルム、および
それからなるビデオプリンター用受像紙に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、芳香族
ジカルボン酸またはそのエステルとグリコールとを主た
る出発原料として得られるポリエステルであり、繰り返
し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位
またはエチレン−2,6−ナフタレート単位を有するポ
リエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条
件下であれば、他の第三成分を含有していてもよい。
芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸および
2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソ
フタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシ
カルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)
等の一種または二種以上を使用することができる。グリ
コール成分としては、エチレングリコール以外に、例え
ば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上を用い
ることができる。
【0009】本発明の微細気泡含有ポリエステルフィル
ムは、ポリエステルに対して非相溶である熱可塑性樹脂
を含有するポリエステル組成物を、少なくとも一軸方向
に延伸することにより得られる。ポリエステルに対して
非相溶な熱可塑性樹脂の含有量An は、ポリエステルと
の合計量に対する割合として、3〜30重量%、好まし
くは5〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量
%の範囲である。An が3重量%未満の場合は、フィル
ム中に形成される気泡の量が少な過ぎるため、十分に軽
量化されかつクッション性を備えたフィルムを得ること
ができない。一方、An が30重量%を超える場合は、
フィルムの機械的強度や熱安定性が不足し、しかもフィ
ルム表面の粗度が大きくなり過ぎる。かかるフィルム
は、風合いおよび鮮明な印刷性が要求される受像紙等の
用途には不適当になる。またAn が30重量%を超える
場合は、延伸時にフィルム破断が頻発するといった生産
性上の問題が生じることもある。
【0010】本発明では、ポリエステルに非相溶な熱可
塑性樹脂中に、非イオン系界面活性剤を含有(例えば練
込み含有)させることが好ましい。ここで言う界面活性
剤とは、異なる融液ポリマーのブレンド体において、そ
の界面の性質を著しく変じるもの、すなわちポリエステ
ルと当該ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂の界面に
おいて両者の相溶性を高める作用を持つ化合物を指す。
非イオン系界面活性剤としては、ポリアルキレングリコ
ール型類、多価アルコール型類、シリコーン系類等が挙
げられ、これら中ではシリコーン系界面活性剤が好まし
い。より具体的には、オルガノポリシロキサン−ポリオ
キシアルキレン共重合体やポリオキシアルキレン側鎖を
有するアルケニルシロキサン等が界面活性化作用が高
く、好ましい。
【0011】ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂中に
おける上記非イオン系界面活性剤の含有量は、通常0.
01〜10重量%、好ましくは0.2〜5.0重量%の
範囲である。界面活性剤の含有量が0.01重量%未満
の場合、キャストロールにおいてポリエステルからの熱
可塑性樹脂の脱離を抑える効果が弱くなる傾向がある。
一方、界面活性剤の含有量が10重量%を超える場合、
もはや熱可塑性樹脂の脱離を抑える効果が飽和し、逆に
フィルムの白色度を低下させるなど、フィルム品質上悪
影響を及ぼす恐れがある。
【0012】またポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂
の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチルペンテン、ポリメチルブテン等のポリオレフィ
ンのほか、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェ
ニレンサルファイド、液晶ポリエステル等が挙げられる
が、これらの中では、コストや生産性の観点からポリプ
ロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレンが好まし
く、さらに好ましくはポリプロピレンである。なお、以
下の説明においては、ポリエステルに対して非相溶な熱
可塑性樹脂をポリプロピレンで以て代表するが、本発明
はこれに何ら限定されるものではない。
【0013】本発明で用いることのできるポリプロピレ
ンとしては、通常95モル%以上、さらには98モル%
以上がプロピレン単位を有する結晶性ポリプロピレンホ
モポリマーが好ましい。非晶性ポリプロピレンの場合
は、フィルム製造工程において未配向ポリエステルシー
トの表面にポリプロピレンがブリードアウトし、冷却ド
ラムや延伸ロール等の表面が汚染されることがある。ま
た、プロピレン単位以外の例えばエチレン単位が5モル
%を超えて共重合されているポリプロピレンの場合は、
微細気泡の生成が不足する傾向にある。
【0014】ポリプロピレンのメルトフローインデック
ス(MFI)は、1.0〜30g/10分、さらには
2.0〜15g/10分の範囲から選択することが好ま
しい。MFIが1.0g/10分未満の場合は、生成す
る気泡が大きくなり過ぎ、延伸時に破断が起こりやすく
なる傾向がある。MFIが30g/10分を超える場合
は、フィルム密度の経時的均一性が悪化して、製造ライ
ンにて生産性が悪化することがある。
【0015】本発明の微細気泡含有ポリエステルフィル
ムの光沢度は、JIS Z 8741−1983の方法
3によって表すことができ、フィルム表裏の光沢度差は
3%以上であり、かつ高光沢側の光沢度が25%以上で
ある必要がある。フィルム表裏の光沢度差が3%未満の
場合、受像面およびその裏面(フィルムの搬送性に寄
与)に要求される異なる表面特性を満足できない。すな
わち異なる光沢度を有するフィルムの高光沢面を受像面
として使用するが、受像面がその裏面と等しく低光沢で
あると、受容したプリントの精細さが劣る。また裏面が
受像面と等しく高光沢であると、プリンターに単枚で給
紙されない重送と言う問題が生じる。光沢度差は5%以
上、さらには10%以上であることが好ましい。
【0016】また高光沢側の光沢度が25%未満である
と、同じく受容したプリントの精細さが劣ってしまう。
高光沢側の光沢度は30%以上、さらには35%以上で
あることが好ましい。本発明のフィルムの高光沢側の表
面粗度Raは0.06〜0.25μmである必要があ
る。このRaが0.06μmより小さい場合は、フィル
ム表面が平坦過ぎて、微細気泡含有フィルム独特の紙状
の風合いとは隔たった性状となる。一方、Raが0.2
5μmを超えると、受容したプリントが精細さを欠くと
言う問題を生じる。Raは0.08〜0.20μmの範
囲が好ましい。
【0017】本発明のフィルムの密度は、通常0.70
〜1.25g/cm3 、好ましくは0.80〜1.20
g/cm3 、さらに好ましくは0.90〜1.15g/
cm 3 の範囲である。フィルム密度が1.25g/cm
3 を超える場合は、フィルムのクッション性が損なわれ
る傾向がある。一方、フィルム密度が0.70g/cm
3 の場合は、フィルムの機械的強度や熱安定性が不足す
る傾向がある。
【0018】本発明の微細気泡含有ポリエステルフィル
ムを構成するポリエステルのフィルム段階の固有粘度
(IV)は、0.45〜0.70の範囲であることが好
ましい。固有粘度が0.45未満の場合は、製膜時にフ
ィルム破断が起こりやすくなり、気泡の大きさも不均一
になって密度のコントロールが難しくなるため生産性が
低下する恐れがある。一方、固有粘度が0.70を超え
ると、微細気泡の生成が少なくなる傾向がある。
【0019】本発明のフィルムは、特に受像紙やシール
プリントの台紙として使用される際、製品に高級感を付
与する観点から、白色でかつ高い隠蔽度を備えているこ
とが好ましい。そこで本発明のフィルムに白色性、隠蔽
性を付与するため、二酸化チタン、硫酸バリウム、およ
びその他の公知の白色顔料を添加してもよい。さらに白
色度を一層高めるため、蛍光増白剤を添加することも有
効である。
【0020】白色顔料は2種類以上含有させることもで
きるが、その場合、少なくとも二酸化チタンまたは硫酸
バリウムを含有させることが好ましい。総原料中の白色
顔料の含有量は、0.5〜20重量%、さらには1.0
〜15重量%の範囲が好ましい。好適に使用し得る蛍光
増白剤の例としては、チバガイギー社製の商品「ユビテ
ック」、イーストマン社製の商品「OB1」等が挙げら
れる。総原料中の蛍光増白剤の含有量は、通常0〜0.
30重量%の範囲である。
【0021】本発明のフィルムの透過濃度は、通常0.
3以上であり、好ましくは0.5以上である。透過濃度
が0.3未満の場合は、フィルムの遮光性が不足し、受
像紙やシールプリントとしての価値が低下することがあ
る。また本発明のフィルムの白色度は、JIS L10
15−1992のC法によるW値で表すことができる。
通常フィルムW値は70以上であり、好ましくは80以
上である。W値が70より小さい場合には、色彩の変調
により、受像紙やシールプリントとしての高級感が損な
われる傾向がある。
【0022】なお、本発明においては、ポリエステルお
よび/またはポリプロピレン中に前記の白色顔料および
蛍光増白剤のほかに、必要に応じて公知の酸化防止剤、
熱安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、滑剤などの添加剤
を配合することができる。本発明のフィルムの製造にお
いては、所定に配合されたポリマーを溶融、押出しした
後、少なくとも一軸方向にロール延伸法、テンター法等
に従って延伸を施す。ただし、微細気泡を良好に形成す
るとともにフィルム強度や寸法安定性を適度に満足させ
るために、通常、二軸延伸方法および熱処理方法が併用
される。
【0023】以下、本発明のフィルムの製造において、
二軸延伸を用いた場合の一例を詳細に説明する。フィル
ムは単一の原料からなるもの(単層フィルム)でも、ま
た複数の層から構成されるもの(積層フィルム)でもよ
い。まず、各層に対する配合の原料を、各層に対応する
押出機に供給し、各押出機ライン毎に溶融混練した後、
ダイから溶融シートとして押し出す。積層シートとする
際には、各層のポリマーを、通常マルチマニホールドま
たはフィードブロックを経てダイへ導く。
【0024】次に、ダイから押し出された溶融シート
を、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度にな
るように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シート
を得る。この場合、シートの平面性、冷却効果を向上さ
せるためには、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高
めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法
が好ましく採用される。
【0025】次いで、得られたシートを二軸方向に延伸
してフィルム化する。本発明のポリエステルフィルムに
含有する微細気泡は、かかる延伸によって生成する。ま
ず、通常70〜150℃、好ましくは75〜130℃の
延伸温度、通常2.5〜6.0倍、好ましくは3.0〜
5.0倍の延伸倍率の条件下、前記未延伸シートを一方
向(縦方向)に延伸する。かかる延伸にはロールおよび
テンター方式の延伸機を使用することができる。次いで
通常75〜150℃、好ましくは80〜140℃の延伸
温度、通常2.5〜6.0倍、好ましくは3.0〜5.
0倍の延伸倍率の条件下、一段目と直交する方向(横方
向)に延伸を行い二軸配向フィルムを得る。かかる延伸
には、テンター方式の延伸機を使用することができる。
【0026】上記の一方向の延伸を2段階以上で行う方
法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸
倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前記
未延伸シートを面積倍率が7〜30倍になるように同時
二軸延伸することも可能である。熱処理は、150〜2
50℃で、30%以内の伸長、制限収縮または定長下で
1秒〜5分間行う。二軸延伸後、さらに110℃〜18
0℃の温度で縦方向に1.05〜2.0倍再延伸を行っ
た後、熱処理する方法も採り得る。この際、再縦延伸前
熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸前または後微小倍
率縦延伸等の手法を適宜採用することも可能である。ま
た、同様に横方向に再延伸を行ってもよい。また、必要
に応じて製膜工程内で各種の表面処理等を施しても構わ
ない。
【0027】また上記の微細気泡含有ポリエステルフィ
ルムの厚さは、通常20〜250μm、好ましくは40
〜200μmの範囲である。本発明のフィルムは、その
特徴を生かし、プリンター受像紙、シールプリント用台
紙、ラベル、記録紙、ポスター、平版印刷板、包装材
料、付箋などに好適に使用される。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例における評価方法は以下に示すとおりである。 (1)ポリエステルの固有粘度(IV)(dl/g) ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および白色顔
料を除去したポリエステル1gに対し、フェノール/テ
トラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒を
100mlの比で加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0029】(2)メルト・フロー・インデックス(M
FI)(g/10分) JIS K−6758−1981によって測定した。こ
の値が高いほどポリマーの溶融粘性が低いことを示す。 (3)白色顔料の平均粒径 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP
3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率5
0%の粒径を平均粒径とした。
【0030】(4)光沢度(%) JIS Z−8741−1983の方法3(60゜光沢
度)によって、光の入射をMD方向として測定した。各
面につき3点ずつ測定し、その平均値を光沢度とした。 (5)中心線平均表面粗さRa(μm) 小坂研究所製の万能表面形状測定器SEー3Fを用いて
測定した。下記の条件でサンプルの高光沢側(キャスト
面)につき12回測定し、上下2点を除いた10点の平
均値をとった。 ・触針先端径:2μm ・測定力:0.03gf ・測定長 :2.5mm ・カットオフ値:0.8m
【0031】(6)フィルム密度(g/cm3 ) フィルムの任意の部分から10cm×10cmの正方形
のサンプルを切り出し、重量を測定した。次いでマイク
ロメーターで任意の9ヶ所の厚みを測定し、その平均値
と重量とから単位体積当たりの重量を計算した。測定数
は5点とし、その平均値をフィルム密度とした。 (7)透過濃度 マクベス濃度計TD−904型を使用し、ビジュアル光
による透過濃度を測定した。測定数は5点とし、その平
均値を透過濃度とした。この値が大きいほど光線透過率
が低いことを示す。
【0032】(8)白色度(W値) 日本電色工業(株)製測色計300A型(C光源2゜視
野)を用いて、JISL1015−1992のC法によ
り測定した。測定数は5点とし、フィルム両面の平均値
を白色度した。 (9)プリント時の画像精細度の評価 ビデオプリンター(シャープ社製GZ−P11W)を使
用し、フィルム高光沢側の面上に熱転写記録を行い、得
られたハードコピーの画質を目視にて観察し、画像の精
細度の観点から、高品質と認められるものを◎、◎に比
べやや劣るが実用可能なレベルのものを○、精細度に欠
け実用上問題あるものを×、として評価した。 (10)生産時のキャストロール汚れ 実施例にある製造条件にて1時間連続して運転した後
に、キャストロール表面の蓄積物(汚れ)をフェザー刃
を用いて回収し、秤量した。回収物の重量を、実施例1
の値との比で表した。
【0033】実施例1 固有粘度0.69のポリエチレンテレフタレートチップ
に対し、ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン
共重合体からなるシリコーン系界面活性剤:SH193
(東レダウコーニング社製)を1.0重量%含有させた
MFIが10g/分の結晶性ポリプロピレンチップを1
3重量%、平均粒径0.3μmの酸化チタンを2.4重
量%および蛍光増白剤OB1を0.05重量%配合して
均一にブレンドしたポリエステル原料を調整した。
【0034】上記のポリエステル原料を押出機中に投入
後280℃で溶融し、得られた溶融体をTダイスに導
き、スリット状に押出し、22℃のキャストロール上に
て冷却し未配向シートを得た。そしてフィルムの流れ方
向(縦方向)に83℃で3.4倍ロール延伸した後、さ
らに横方向に115℃で3.0倍テンター延伸し、さら
にテンター延伸機内で230℃で5秒間熱処理を行い、
最終的に厚さ50μmの微細気泡を含有する二軸配向フ
ィルムを得た。
【0035】実施例2 実施例1において、界面活性剤SH193の含有量が
0.4重量%であるMFIが10g/分の結晶性ポリプ
ロピレンチップを用いる以外は実施例1と同様にして、
微細気泡を含有する二軸配向フィルムを得た。 実施例3 実施例1において、界面活性剤SH193の含有量が
0.1重量%であるMFIが10g/分の結晶性ポリプ
ロピレンチップを用いる以外は実施例1と同様にして、
微細気泡を含有する二軸配向フィルムを得た。
【0036】比較例1 実施例1において、界面活性剤を含有しないMFIが1
0g/分の結晶性ポリプロピレンチップを用いる以外は
実施例1と同様にして、微細気泡を含有する二軸配向フ
ィルムを得た。 比較例2 実施例1において、界面活性剤の代わりに通常滑剤とし
て知られるオレイン酸アミドを0.1重量%含有させた
MFIが10g/分の結晶性ポリプロピレンを用いる以
外は実施例1と同様にして、微細気泡を含有する二軸配
向フィルムを得た。
【0037】以上、得られた結果をまとめて下記表1に
示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、プリント性および搬送
性が優れたポリエステルフィルムおよびそれからなるビ
デオプリンター受像紙を提供することができ、その工業
的価値は非常に高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルに対して非相溶である熱可
    塑性樹脂を3〜30重量%含有するポリエステル組成物
    を少なくとも1軸方向に延伸してなる微細気泡含有ポリ
    エステルフイルムであって、当該フィルムの表裏の光沢
    度差が3%以上でかつ高光沢側の光沢度が25%以上で
    あり、高光沢側の表面粗さRaが0.06〜0.25μ
    mであることを特徴とする微細気泡含有ポリエステルフ
    イルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルに対して非相溶である熱可
    塑性樹脂が非イオン系界面活性剤を含有することを特徴
    とする請求項1記載の微細気泡含有ポリエステルフイル
    ム。
  3. 【請求項3】 非イオン系界面活性剤がシリコーン系界
    面活性剤である請求項2記載の微細気泡含有ポリエステ
    ルフイルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルに対して非相溶である熱可
    塑性樹脂がポリプロピレンである請求項1〜3のいずれ
    かに記載の微細気泡含有ポリエステルフイルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の微細気泡
    含有ポリエステルフィルムからなるビデオプリンター用
    受像紙。
JP9294034A 1997-08-12 1997-10-27 微細気泡含有ポリエステルフィルムおよびビデオプリンター用受像紙 Pending JPH11130887A (ja)

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JP2001049001A (ja) * 1999-08-05 2001-02-20 Mitsubishi Polyester Film Copp 微細気泡含有ポリエステルフィルム
JP2011012268A (ja) * 2010-08-09 2011-01-20 Mitsubishi Plastics Inc 微細気泡含有ポリエステルフィルム、当該フィルムの製造方法および当該フィルムを基材とするビデオプリンター用受像紙

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